JP3577051B2 - 成形機の固定金型支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は成形機の固定金型支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機においては、加熱シリンダ内においてスクリュを前進させ、加熱され、溶融させられた樹脂を高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品を成形するようにしている。
【0003】
そのために、前記金型装置は、固定金型が取り付けられた固定プラテン、可動金型が取り付けられた可動プラテン、及び、該可動プラテンを進退させるためのトグル機構を備え、該トグル機構を作動させ、前記可動プラテンを進退させることによって、金型装置の型閉、型締及び型開を行うことができるようになっている。
【0004】
そして、金型装置の型締が行われる時に、射出装置が前進させられ、加熱シリンダのノズルが、前記固定プラテンに形成されたノズル通過孔を通って、固定金型の背面に配設されたスプルーブッシュに押し付けられ、密着させられる。続いて、加熱され、溶融させられた樹脂が高圧で前記ノズルから射出され、スプルーブッシュ及びスプルーを通って、固定金型と可動金型の合わせ面に形成されたキャビティ空間内に充填されるようになっている。
【0005】
ここで、高品質の成形品を成形するためには、充填時の樹脂の流動性、キャビティ空間内における樹脂の冷却速度等を適切に制御することが要求される。そのため、金型装置においては、例えば、スプルーブッシュ及びスプルーを加熱したり、キャビティを冷却したりするために、熱媒や冷媒の複雑な通路を形成したり、ヒーターを配設したりしている。これにより、金型装置の各部の温度を厳密に調節して、樹脂の流動性、冷却速度等を適切に制御し、高品質の成形品を成形するようになっている。したがって、射出成形機の作動時、すなわち、金型温調時の金型装置の温度は、射出成形機の停止時、すなわち、金型冷間時の温度よりも相当高く、例えば、熱硬化性樹脂の射出成形の場合、160〜200〔℃〕程度である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出成形機においては、金型温調時の金型装置の温度が高いために、固定金型が取り付けられた固定プラテンの温度も上昇し、該固定プラテンが熱変形することによって、ノズル側に傾斜してしまうことがある。
【0007】
すなわち、高圧で射出される樹脂が固定金型と可動金型との合わせ面から漏れ出すことがないように、前記固定金型と可動金型とは強い力で型締されるようになっている。そのため、前記固定金型を支持する固定プラテンは、高い変形強度が要求されるために、肉厚、すなわち、金型取付面とノズル側面との間が長くなっている。
【0008】
また、金型温調時に前記金型取付面は固定金型の熱を受けて温度が上昇して高温になり、ノズル側面の温度の上昇は少なく、低温のままである。要するに、金型取付面の金型周辺部の温度が特に高くなる。更に、ノズル通過孔が形成されているので、ノズル側と金型取付面側とで表面積が異なり、熱膨張に差が生じてしまう。したがって、前記金型取付面の熱膨張が多くなる。この場合、前記固定プラテンは、通常、その下端部がボルトによってフレームに固定されているので、前記金型取付面だけが熱膨張によって上方に伸び、固定プラテン全体がノズル側に傾斜してしまう。
【0009】
図2は従来の金型冷間時における固定プラテンの側面図、図3は従来の金型温調時における固定プラテンの下端部が固定されていない場合の側面図、図4は従来の金型温調時における固定プラテンの下端部が固定されている場合の側面図である。
【0010】
図2において、101は下端部が図示されないボルトによってフレーム104の上面に固定された固定プラテンであり、固定金型105が取り付けられる金型取付面102及びその反対側のノズル側面103を備え、概略、矩(く)形の厚板状の形状を有する。また、前記固定プラテン101には、加熱シリンダのノズル107が通る図示されないノズル通過孔、及び、タイバーが挿入される複数、例えば、4つの図示されないタイバー挿入孔が形成される。なお、106は図示されない可動金型と固定金型105とが接触する合わせ面(パ−ティング面)である。
【0011】
また、108はノズル107の中心軸線であり、固定プラテン101及び固定金型105の中心軸線ともほぼ一致する。前記ノズル107は前記中心軸線108上を図2における右方から左方へ移動させられ、金型取付面102に取り付けられた固定金型105に押し付けられる。そして、前記中心軸線108はフレーム104の上面と平行、かつ、水平である。
【0012】
ここで、図2に示されるように、金型冷間時において、固定プラテン101はフレーム104の上面に垂直に取り付けられるので、前記金型取付面102及びノズル側面103はフレーム104に対して垂直になっている。また、前記金型取付面102に取り付けられた固定金型105の合わせ面106も同様にフレーム104に対して垂直である。
【0013】
そして、金型温調時になると、固定金型105の温度が上昇して高くなり、固定プラテン101の金型取付面102も前記固定金型105の熱を受けて温度が上昇する。この場合、前記固定プラテン101が肉厚であるため、前記ノズル側面103の温度は、金型取付面102の温度ほどには上昇せず、低温のままである。
【0014】
しかも、ノズル通過孔が形成されているため、肉厚に差が生じて前記金型取付面102の熱膨張量がノズル側面103の熱膨張量よりも大きくなり、固定プラテン101の下端部がフレーム104に固定されていない場合を想定すると、固定プラテン101は、図3に示されるように、中心軸線108に対して対称に変形する。
【0015】
ここで、前記固定金型105においては、前記固定プラテン101に熱が逃げるので、固定プラテン101側の面、すなわち、背面の温度が、合わせ面106の温度よりも低下する。そのため、前記合わせ面106の温度が固定プラテン101側面の温度よりも高いので、前記合わせ面106の熱膨張量が背面の熱膨張量よりも大きくなる。なお、前記固定金型105の背面の温度は金型取付面102の温度とほぼ等しく、固定金型105の材質の熱膨張率も固定プラテン101の材質の熱膨張率とほぼ等しいので、前記固定金型105の背面の熱膨張量は金型取付面102の熱膨張量とほぼ等しい。
【0016】
この場合、ノズル107の中心軸線108は、固定プラテン101及び固定金型105の中心軸線ともほぼ一致し、また、固定金型105の合わせ面106は傾いておらず、変形もわずかなので、金型装置の型閉、型締及び型開を行うことができ、しかも、ノズル107を固定金型105の背面に配設されたスプルーブッシュに押し付けて密着させることができる。
【0017】
しかし、実際には、固定プラテン101の下端部がフレーム104に固定されているので、前記固定プラテン101は、図4に示されるように、固定プラテン全体がノズル107側に傾斜してしまう。この場合、ノズル107の中心軸線108が、固定プラテン101及び固定金型105の中心軸線とずれ、また、固定金型105の合わせ面106が傾いてしまう。そのため、金型装置の型閉、型締及び型開をスムーズに行うことができず、キャビティ空間内に充填された樹脂が合わせ面106から漏れ出したり、金型装置が破損したりしてしまう。また、ノズル107を固定金型105の背面に配設されたスプルーブッシュに押し付けて密着させることもできなくなってしまう。なお、図3及び4においては、説明の都合上、熱膨張による部材の変形が大袈裟に示されている。
【0018】
そのため、従来は、固定金型105と固定プラテン101との間に断熱材を配設して、前記固定金型105の熱が固定プラテン101に伝達されにくくしたり、前記固定プラテン101内部に冷媒の通路を形成して、固定プラテン101を冷却したり、該固定プラテン101をノズル107の反対側にあらかじめ傾斜させてフレーム104に取り付けたりしていた。
【0019】
しかし、固定金型105と固定プラテン101との間に断熱材を配設すると、前記固定金型105の取付がずれてしまい、合わせ面106と図示されない可動金型の合わせ面との平行度が狂ってしまう。また、固定プラテン101内部に冷媒の通路を形成すると、前記固定プラテン101の製造コストが高くなり、しかも、冷媒が漏れ出す危険性がある。さらに、固定プラテン101をノズル107の反対側にあらかじめ傾斜させてフレーム104に取り付けると、金型装置を付け替えて金型温調時の温度が変化した場合に対応することができなくなってしまう。
【0020】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、固定プラテンの金型取付面の金型取付部の周囲に溝を形成して、固定金型からの熱が固定プラテン全体に伝達されないようにして、固定プラテン全体の傾きを防止するとともに、前記金型取付面の金型取付部の熱膨張を吸収するようにして、金型温調時においても固定プラテンの金型取付面が傾くことがない成形機の固定金型支持装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の成形機の固定金型支持装置においては、固定金型が取り付けられる金型取付部、及び、該金型取付部の少なくとも下方に形成された溝を備える金型取付面と、該金型取付面の反対側の反取付側面と、一端に形成されたフレームに取り付けるための取付部とを有する。
【0022】
本発明の他の成形機の固定金型支持装置においては、さらに、前記溝は、前記金型取付部の周囲を取り囲むように形成される。
【0023】
本発明の更に他の成形機の固定金型支持装置においては、さらに、前記溝は、前記金型取付部の下方で、かつ、両側壁を連結するように形成される。
【0024】
本発明の更に他の成形機の固定金型支持装置においては、さらに、前記溝は、前記金型取付部の熱膨張量を吸収する幅寸法を備える。
【0025】
本発明の更に他の成形機の固定金型支持装置においては、さらに、前記溝は、前記金型取付部の熱膨張による歪を溝の外側に伝達させない程度の深さを備える。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の固定金型支持装置は、各種の装置や用途に適用することができるものあるが、本実施の形態においては、説明の都合上、射出成形機に適用した場合について説明する。
【0027】
図5は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の概略を示す側面図である。
【0028】
図において、10は成形機としての射出成形機、50は射出装置、30は該射出装置50と対向して配設された型締装置、34は前記射出装置50及び型締装置30を支持するフレームとしての成形機フレーム、70は該成形機フレーム34によって支持されるとともに、射出装置50を支持する射出装置フレーム、63は該射出装置フレーム70の長手方向に配設されたガイド、39は固定金型36及び可動金型35から成る金型装置である。
【0029】
そして、前記射出装置フレーム70によってボールねじ軸65が回転自在に支持され、該ボールねじ軸65の一端がモータ64に連結される。また、前記ボールねじ軸65とボールねじナット66とが螺(ら)合させられ、該ボールねじナット66と射出装置50とがスプリング67及びブラケット68を介して連結される。
【0030】
したがって、前記モータ64を正方向及び逆方向に駆動すると、該モータ64の回転運動は、ボールねじ軸65とボールねじナット66との組合せ、すなわち、ボールねじ機構71によって直線運動に変換され、該直線運動がブラケット68に伝達される。そして、該ブラケット68が前記ガイド63に沿って図における左右方向に移動させられ、射出装置50が進退させられる。
【0031】
また、前記ブラケット68には、前方(図における左方)に向けて加熱シリンダ51が固定され、該加熱シリンダ51の前端(図における左端)に射出ノズル54が配設される。そして、前記加熱シリンダ51にホッパ53が配設されるとともに、加熱シリンダ51の内部にはスクリュ52が進退(図における左右方向に移動)自在に、かつ、回転自在に配設され、スクリュ52の後端(図における右端)が支持部材55によって支持される。
【0032】
該支持部材55には第1サーボモータ56が取り付けられ、該第1サーボモータ56を駆動することによって発生させられた回転がタイミングベルト72を介して前記スクリュ52に伝達されるようになっている。
【0033】
また、前記射出装置フレーム70には、スクリュ52と平行にボールねじ軸58が回転自在に支持されるとともに、該ボールねじ軸58と第2サーボモータ61とがタイミングベルト62を介して連結される。そして、前記ボールねじ軸58の前端は、支持部材55に固定されたボールねじナット59と螺合させられる。したがって、前記第2サーボモータ61を駆動すると、該第2サーボモータ61の回転運動は、ボールねじ軸58とボールねじナット59との組合せ、すなわち、ボールねじ機構73によって直線運動に変換され、該直線運動が支持部材55に伝達される。
【0034】
次に、前記構成の射出装置50の動作について説明する。
【0035】
まず、計量工程においては、第1サーボモータ56を駆動し、タイミングベルト72を介してスクリュ52を回転させ、該スクリュ52を所定の位置まで後退(図における右方に移動)させる。このとき、ホッパ53から供給された樹脂は、加熱シリンダ51内において加熱され、溶融させられて、スクリュ52の後退に伴ってスクリュ52の前方に溜(た)められる。
【0036】
次に、射出工程においては、前記射出ノズル54を固定金型36に押し付け、第2サーボモータ61を駆動し、タイミングベルト62を介してボールねじ軸58を回転させる。このとき、支持部材55は前記ボールねじ軸58の回転に伴って移動させられ、前記スクリュ52を前進(図における左方に移動)させるので、スクリュ52の前方に溜められた樹脂は射出ノズル54から射出され、固定金型36と可動金型35との間に形成されたキャビティ空間38に充填される。
【0037】
次に、前記型締装置30について説明する。
【0038】
該型締装置30は、固定金型支持装置としての固定プラテン11、トグルサポート46、前記固定プラテン11とトグルサポート46との間に架設されたタイバー33、前記固定プラテン11と対向して配設され、前記タイバー33に沿って進退自在に配設された可動プラテン31、及び、該可動プラテン31と前記トグルサポート46との間に配設されたトグル機構40を備える。ここで、前記固定プラテン11は、下端に取付部15を備え、該取付部15が取付ボルト21によって、成形機フレーム34の上面に取り付けられる。そして、前記固定プラテン11及び可動プラテン31に、互いに対向させて前記固定金型36及び可動金型35がそれぞれ取り付けられる。
【0039】
前記トグル機構40は、図示されないサーボモータによってクロスヘッド45をトグルサポート46と可動プラテン31との間で進退させることによって、前記可動プラテン31をタイバー33に沿って進退させ、可動金型35を固定金型36に対して接離させて、型閉、型締及び型開を行うようになっている。
【0040】
そのために、前記トグル機構40は、前記クロスヘッド45に対して揺動自在に支持されたトグルレバー49、前記トグルサポート46に対して揺動自在に支持されたトグルレバー44、前記可動プラテン31に対して揺動自在に支持されたトグルアーム43から成り、前記トグルレバー44とトグルレバー49との間、及び、トグルレバー44とトグルアーム43との間がそれぞれリンク結合される。
【0041】
また、ボールねじ軸47が前記トグルサポート46に対して回転自在に支持され、前記ボールねじ軸47と、前記クロスヘッド45に固定されたボールねじナット48とが螺合させられる。そして、前記ボールねじ軸47を回転させるために、前記トグルサポート46の側面に図示されない前記サーボモータが取り付けられる。
【0042】
したがって、該サーボモータを駆動すると、サーボモータの回転運動が、ボールねじ軸47とボールねじナット48との組合せ、すなわち、ボールねじ機構75によって直線運動に変換され、該直線運動がクロスヘッド45に伝達され、該クロスヘッド45は図における左右方向に進退させられる。すなわち、前記クロスヘッド45を前進 (図における右方に移動)させると、トグル機構40が伸展して可動プラテン31が前進させられ、型閉及び型締が行われ、前記クロスヘッド45を後退 (図における左方に移動)させると、トグル機構40が屈曲して可動プラテン31が後退させられ、型開が行われる。
【0043】
また、該可動プラテン31の背面にはエジェクタ装置76が配設され、該エジェクタ装置76は、前記可動金型35を貫通して延び、前端 (図における右端)をキャビティ空間38に臨ませる図示されないエジェクタピン、該エジェクタピンの後方 (図における左方) に配設された図示されないエジェクタロッド、該エジェクタロッドの後方に配設され、図示されないサーボモータによって回転させられるボールねじ軸42、及び、該ボールねじ軸42と螺合させられるボールねじナット41を有する。
【0044】
したがって、前記サーボモータを駆動すると、該サーボモータの回転運動が、ボールねじ軸42とボールねじナット41との組合せ、すなわち、ボールねじ機構77によって直線運動に変換され、該直線運動が前記エジェクタロッドに伝達され、該エジェクタロッド及びエジェクタピンが図における左右方向に進退させられる。
【0045】
次に、本実施の形態における固定金型支持装置について詳細に説明する。
【0046】
図1は本発明の第1の実施の形態における固定金型支持装置の正面図、図6は本発明の第1の実施の形態における図1のA矢視断面図、図7は本発明の第1の実施の形態における金型温調時における固定金型支持装置の側面図である。
【0047】
固定金型支持装置としての固定プラテン11は、図に示されるように、固定金型36が取り付けられる金型取付面12、及び、射出装置50の射出ノズル54側に面した反取付側面としてのノズル側面19を備え、概略、矩形の厚板状の形状を有する。そして、前記固定プラテン11には、加熱シリンダ51の先端部分及び射出ノズル54が通るノズル通過孔17が中心付近に形成される。なお、該ノズル通過孔17は、ノズル側面19と金型取付面12とを連通するもので、ノズル側面19側が大径で金型取付面12側が小径のテーパ状に形成される。また、前記固定プラテン11には、タイバー33が挿入される複数、例えば、4つのタイバー挿入孔18が形成される。
【0048】
そして、前記固定プラテン11の下端には、図1における右側端及び左側端に取付部15がそれぞれ形成される。なお、強度上の観点から、該取付部15は固定プラテン11の本体部分と一体的に形成されるものであることが望ましい。そして、該取付部15の下面がフレームとしての成形機フレーム34の上面に載置される。ここで、該成形機フレーム34は、一般的に、射出成形機10の長手方向(図5における横方向)に延在する図示されない取付部材を両側に有し、その上に固定プラテン11、トグルサポート46等が取り付けられるようになっている。そのため、左右の前記取付部15の位置は、前記取付部材のそれぞれに対応するようになっている。そして、前記取付部15には、図示されないボルト孔が形成され、取付部15を成形機フレーム34の上面に固定するための取付ボルト21が挿入される。
【0049】
また、前記金型取付面12には、固定金型36が取り付けられる金型取付部14を取り囲む溝13が形成される。該溝13の深さは、図6に示されるように、金型取付面12とノズル側面19との間の距離、すなわち、固定プラテン11の厚さの半分以上であることが望ましいが、適宜変更することができる。要するに、金型取付面12の熱膨張による歪を前記溝13の外側に伝達させない程度の深さであればよい。これは、固定プラテンの形状によって異なる。また、溝13の深さは、該溝13のどの部分においても等しい状態、すなわち、均一であってもよいし、溝13の一部分において他の部分より浅く、又は深くなっていてもよい。
【0050】
さらに、前記溝13は、図1に示されるように、連続して形成され金型取付部14の周囲を閉ざしている。また、前記溝13は、図1に示されるように、一重であるが、二重、三重のように多重に形成されていてもよい。
【0051】
ここで、前記固定プラテン11の金型取付部14には、図7に示されるように、固定金型36が取り付けられる。そして、射出成形機10の成形動作を行う前に、熱媒供給装置やヒータ等の図示されない温調手段によって、金型装置39を構成する可動金型35及び固定金型36の温度を調節する、すなわち、温調を行う。これにより、可動金型35及び固定金型36の温度は、冷間時よりも相当上昇して、例えば、熱硬化性樹脂の射出成形の場合、160〜200〔℃〕程度にまで上昇させられる。
【0052】
そして、固定金型36の温度が上昇して高くなると、固定プラテン11の金型取付部14も前記固定金型36の熱を受けて温度が上昇する。
【0053】
この場合、金型取付部14の周囲に溝13が形成されているので、金型取付面12の溝13の外側部分において、金型取付面12から溝13に相当する深さまでの部分には、固定金型36の熱の伝達が少ない。そのため、金型取付面12の溝13の外側部分において、表面から溝13に相当する深さまでの部分の温度の上昇は少ない。
【0054】
また、前記金型取付部14においても、固定プラテン11が肉厚で金型取付面12とノズル側面19との間の距離が長いので、前記ノズル側面19に近い部分、すなわち、金型取付面12から溝13よりも深い部分の温度は、金型取付面12の温度の上昇は少ない。
【0055】
一方、前記金型取付部14の温度が上昇する。特に金型取付面12に近い部分の温度は相当高くなる。
【0056】
そのため、固定プラテン11のノズル側面19に近い部分及び溝13の外側部分の温度の上昇は少ないので、熱膨張が少ない。これに対して、金型取付部14は、温度が上昇するので、大きく熱膨張する。特に金型取付面12に近い部分の熱膨張量が大きくなる。
【0057】
ここで、前記金型取付部14は、周囲が溝13によって、外周部分から分離されているので、物理的に拘束されておらず、自由に変形することができる状態になっている。そのため、前記金型取付部14は、熱膨張によって変形しても、上下方向に均一に変形するので、「発明が解決しようとする課題」において説明された図3に示される場合のように、固定プラテン11及び固定金型36の中心軸線に対して対称に変形する。
【0058】
なお、前記金型取付部14と溝13の外側部分との熱膨張量の差は、溝13によって吸収される。すなわち、前記金型取付部14が熱膨張して寸法が増大しても、前記溝13の幅が狭くなるだけなので、溝13の外側部分が変形させられることがない。
【0059】
したがって、金型温調時に固定プラテン11及び固定金型36は、図7に示されるように、変形しても傾斜することがない。なお、図7においては、説明の都合上、熱膨張による部材の変形が実際より大袈裟に示されている。
【0060】
このように、本実施の形態においては、固定プラテン11の金型取付面12に、固定金型36が取り付けられる金型取付部14を取り囲む溝13が形成される。
【0061】
したがって、固定金型36と固定プラテン11との間に断熱材を配設したり、固定プラテン11内部に冷媒の通路を形成して、固定プラテン11を冷却したり、固定プラテン11をあらかじめ傾斜させて成形機フレーム34に取り付けたりすることなく、金型取付面12に溝13を形成するという簡単な構成によって、固定金型36からの熱が固定プラテン11全体に伝達されないようにして、固定プラテン11全体の傾きを防止するとともに、前記金型取付面12の金型取付部14の熱膨張を吸収するようにして、金型温調時においても固定プラテン11の金型取付面12が傾くことがない。
【0062】
また、前記溝13の形状、深さ、幅、本数等は、金型温調時における固定金型36の温度、固定プラテン11の寸法、強度、熱膨張率等を考慮して適宜決定することができる。さらに、金型取付面12に溝13を形成するだけなので、固定プラテン11の製造コストが上昇することもなく、冷媒の漏れ等の問題もないので、メンテナンスコストも上昇することがない。
【0063】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することにより、その説明は省略する。
【0064】
図8は本発明の第2の実施の形態における固定金型装置の正面図、図9は本発明の第2の実施の形態における図8のB矢視断面図である。
【0065】
この場合、前記金型取付面12の溝13’が金型取付部14の下方に形成される。溝13’は、固定プラテン11の両側壁を連結するように連続して形成されている。
【0066】
また、前記溝13’は、図8に示されるように、一本であるが二本、三本のように複数本形成されていてもよい。
【0067】
ここで、前記金型取付部14は、溝13’によって、取付部15から分離されているので、物理的に拘束されておらず、取付部15に対し、自由に変形することができる状態になっている。そのため、前記金型取付部14は、熱膨張によって変形しても、取付部15に対し傾斜が少なくなる。
【0068】
以上のように、本実施の形態においては、固定金型支持装置を射出成形機に適用した例について説明したが、前記固定金型支持装置は、射出成形機だけでなく、ダイキャストマシーン、IC等の半導体封止用のトランスファー成形装置等にも適用することができるものである。
【0069】
さらに、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0070】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、本発明の成形機の固定金型支持装置においては、固定金型が取り付けられる金型取付部、及び、該金型取付部の少なくとも下方に形成された溝を備える金型取付面と、該金型取付面の反対側の反取付側面と、一端に形成されたフレームに取り付けるための取付部とを有する。
【0071】
この場合、固定プラテンの金型取付面の金型取付部の周囲に溝を形成するという簡単な構成で、固定金型からの熱が固定プラテン全体に伝達されないようにして、固定プラテン全体の傾きを防止することができるとともに、前記金型取付面の金型取付部の熱膨張による歪を外側に伝達させないようにすることができ、金型温調時においても固定プラテンの金型取付面が傾くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における固定金型支持装置の正面図である。
【図2】従来の金型冷間時における固定プラテンの側面図である。
【図3】従来の金型温調時における固定プラテンの下端部が固定されていない場合の側面図である。
【図4】従来の金型温調時における固定プラテンの下端部が固定されている場合の側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における射出成形機の概略を示す側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における図1のA矢視断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における金型温調時における固定金型支持装置の側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における固定金型装置の正面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における図8のB矢視断面図である。
【符号の説明】
10 射出成形機
11 固定プラテン
12 金型取付面
13、13’ 溝
14 金型取付部
15 取付部
19 ノズル側面
34 成形機フレーム
36 固定金型

Claims (5)

  1. (a)固定金型が取り付けられる金型取付部、及び、該金型取付部の少なくとも下方に形成された溝を備える金型取付面と、
    (b)該金型取付面の反対側の反取付側面と、
    (c)一端に形成されたフレームに取り付けるための取付部とを有することを特徴とする成形機の固定金型支持装置。
  2. 前記溝は、前記金型取付部の周囲を取り囲むように形成される請求項1に記載の成形機の固定金型支持装置。
  3. 前記溝は、前記金型取付部の下方で、かつ、両側壁を連結するように形成される請求項1に記載の成形機の固定金型支持装置。
  4. 前記溝は、前記金型取付部の熱膨張量を吸収する幅寸法を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形機の固定金型支持装置。
  5. 前記溝は、前記金型取付部の熱膨張による歪を溝の外側に伝達させない程度の深さを備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形機の固定金型支持装置。
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