JP3631711B2 - 射出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を、高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において冷却して固化させた後、成形品を取り出すようになっている。
【0003】
前記射出成形機は型締装置及び射出装置を有し、前記型締装置は、固定プラテン及び可動プラテンを備え、モータ、油圧シリンダ等の型締用駆動部によって可動プラテンを進退させることにより型閉じ、型締め及び型開きを行う。
【0004】
一方、前記射出装置は、ホッパから供給された樹脂を加熱して溶融させる前記加熱シリンダ、及び溶融させられた樹脂を射出する射出ノズルを備え、前記加熱シリンダ内にスクリューが進退自在に、かつ、回転自在に配設される。そして、該スクリューを、駆動部によって前進させることにより射出ノズルから樹脂が射出され、前記駆動部によって回転させることにより樹脂の計量が行われる。
【0005】
図2は従来の射出装置の概念図、図3は従来の固定プレートの説明図、図4は従来の固定プレートの変形量を説明する図である。
【0006】
図において、12は加熱シリンダ、31は図示されないフレームに対して進退(図2及び4において左右方向に移動)自在に配設されたスライドテーブル、35は該スライドテーブル31に固定された固定プレートであり、該固定プレート35に前記加熱シリンダ12の後端(図2及び4において右端)が冷却装置13を介して取り付けられる。また、前記固定プレート35に対して進退自在に可動プレート36が配設される。
【0007】
該可動プレート36のほぼ中央に、スクリュー支持軸40が図示されないベアリングによって回転自在に配設され、前記スクリュー支持軸40にスクリュー22の後端が固定される。そして、前記スクリュー支持軸40の後端に図示されない従動プーリが固定される。
【0008】
また、前記可動プレート36の所定の箇所に図示されない計量用のモータが取り付けられ、該計量用のモータの出力軸に図示されない駆動プーリが取り付けられ、該駆動プーリと前記従動プーリとの間に図示されないタイミングベルトが張設される。
【0009】
そして、前記可動プレート36を進退させるために、固定プレート35と可動プレート36との間に架設させて、スクリュー22より固定プレート35の上端側に第1のボールねじユニット37が、スクリュー22より固定プレート35の下端側に第2のボールねじユニット38が配設される。そのために、前記固定プレート35の周縁の2箇所、例えば、スクリュー22の軸に対して点対称の位置にボールナット52が固定され、図3に示されるように、スクリュー22の中心Sh1と第1、第2のボールねじユニット37、38の中心ST1、ST2との距離L1、L2が等しくされる。そして、前記ボールナット52は、前端(図2及び4において左端)に形成されたフランジ部53を固定プレート35の前端面(図2及び4において左端面)S1に当接させて、かつ、固定プレート35を貫通して取り付けられる。
【0010】
また、前記可動プレート36の周縁における前記ボールナット52の位置と対応する位置において、各ボールねじ軸45がベアリング46によって可動プレート36に対して回転自在に、かつ、軸方向に移動不能に支持され、互いに平行に、かつ、前記スクリュー22と平行に延在させられる。前記ボールねじ軸45は、前半部(図2及び4において左半部)にねじ部48を、後半部(図2及び4において右半部)に軸部49を備える。
【0011】
そして、前記ねじ部48は、固定プレート35を貫通して前方(図2及び4において左方)に延在させられ、固定プレート35を貫通する部分において、前記ボールナット52と螺(ら)合させられる。また、前記軸部49は、可動プレート36に形成された穴36aを貫通して後方(図2及び4において右方)に延在させられる。なお、各ボールナット52及びボールねじ軸45によって第1、第2のボールねじユニット37、38が構成される。
【0012】
ところで、前記第1、第2のボールねじユニット37、38のうちのいずれか一方、例えば、第2のボールねじユニット38は駆動側のユニットを構成し、他方、例えば、第1のボールねじユニット37は従動側のユニットを構成する。そして、第2のボールねじユニット38において、前記軸部49の後端部(図2及び4において右端部)に従動プーリ54が、該従動プーリ54より更に後方、すなわち、前記軸部49の後端に同期プーリ55が取り付けられ、前記第1のボールねじユニット37において、前記軸部49の後端に同期プーリ56が取り付けられ、前記同期プーリ55、56間にタイミングベルト57が張設される。
【0013】
前記可動プレート36の、例えば、下方の所定の箇所に射出用のモータ61が取り付けられ、該射出用のモータ61の出力軸62に駆動プーリ63が取り付けられ、該駆動プーリ63と前記従動プーリ54との間にタイミングベルト60が張設される。したがって、モータ61を駆動することによって駆動プーリ63を回転させると、駆動プーリ63の回転が従動プーリ54を介して第2のボールねじユニット38側のボールねじ軸45に伝達され、該ボールねじ軸45を回転させる。このとき、該ボールねじ軸45の回転は、同期プーリ55、タイミングベルト57及び同期プーリ56を介して第1のボールねじユニット37側のボールねじ軸45にも伝達される。その結果、各ボールねじ軸45は同期して回転させられる。
【0014】
また、前記ねじ部48及びボールナット52によって運動方向変換部が構成され、該運動方向変換部において、ボールねじ軸45の回転運動が、回転を伴う直進運動、すなわち、回転直進運動に変換される。したがって、ボールねじ軸45が回転させられるのに伴って、可動プレート36が前進(図2及び4において左方に移動)させられ、スクリュー22を前進させる。
【0015】
前記構成の射出装置において、計量工程時に、前記計量用のモータを駆動することによって、前記スクリュー22を回転させると、図示されないホッパ内のペレット状の樹脂は、加熱シリンダ12内に進入し、加熱シリンダ12内を前進(図2及び4において左方に移動)させられ、それに伴って、スクリュー22は後退(図2及び4において右方に移動)させられる。また、前記加熱シリンダ12の周囲には図示されないヒータが配設され、該ヒータによって加熱シリンダ12を加熱し、該加熱シリンダ12内の樹脂を溶融させることができるようになっている。したがって、図示されないスクリューヘッドの前方に1ショット分の溶融させられた樹脂が蓄えられる。
【0016】
次に、射出工程時に、前記射出用のモータ61を駆動することによって、スクリュー22を回転させることなく前進させると、前記スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、加熱シリンダ12の前端に取り付けられた射出ノズル12aから射出され、図示されない金型装置のキャビティ空間に充填される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出装置においては、モータ61を駆動してスクリュー22を所定の射出力で前進させるのに伴って、固定プレート35は、前記射出力に対する射出反力を受けて変形するが、該固定プレート35の変形に伴って、可動プレート36が傾き、射出を円滑に行うことができなくなるだけでなく、射出装置の耐久性が低下してしまう。
【0018】
すなわち、モータ61を駆動してスクリュー22を前進させ、加熱シリンダ12内の樹脂を射出させると、スクリュー22によって発生させられた射出力は、樹脂を介して加熱シリンダ12に伝達され、更に固定プレート35に伝達され、該固定プレート35はスクリュー22の中心Sh1を作用点として前方に押される。一方、前記運動方向変換部において、ボールねじ軸45の回転運動が回転直進運動に変換されるのに伴ってボールナット52が後方に引かれ、固定プレート35が後方に引かれる。その結果、図4に示されるように、固定プレート35は弓状に変形する。
【0019】
ところが、このとき、同期プーリ55とタイミングベルト57との間、及びタイミングベルト57と同期プーリ56との間にバックラッシュが形成され、該バックラッシュによって、第1のボールねじユニット37のボールねじ軸45に位相の遅れが発生し、第1のボールねじユニット37のボールねじ軸45は第2のボールねじユニット38のボールねじ軸45よりわずかに遅れて前進させられる。したがって、前記可動プレート36は、図4の一点鎖線で示されるように、わずかに傾いた状態で前進させられることになる。
【0020】
また、固定プレート35は、下端においてスライドテーブル31に固定されるので、下端に近い部分ほど剛性が高く、変形しにくく、上端に近いほど剛性が低く、変形しやすい。そして、前記第1のボールねじユニット37のボールねじ軸45は上端の近傍の位置で固定プレート35を後方に引くのに対して、前記第2のボールねじユニット38のボールねじ軸45は下端の近傍の位置で固定プレート35を後方に引く。したがって、第1のボールねじユニット37の中心ST1における固定プレート35の変形量δ1は、第2のボールねじユニット38の中心ST2における固定プレート35の変形量δ2より大きくなり、可動プレート36はその分更に傾いてしまう。
【0021】
その結果、スクリュー支持軸40に応力が加わり、射出を円滑に行うことができなくなるだけでなく、射出装置の耐久性が低下してしまう。
【0022】
本発明は、前記従来の射出装置の問題点を解決して、射出を円滑に行うことができ、耐久性を向上させることができる射出装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の射出装置においては、支持部材と、該支持部材に固定された固定プレートと、該固定プレートに取り付けられたシリンダ部材と、前記固定プレートに対して進退自在に配設された可動プレートと、前記シリンダ部材内において進退させられ、後端において前記可動プレートと連結された射出部材と、前記固定プレートと可動プレートとの間に架設され、回転運動を直進運動に変換する複数の運動方向変換ユニットとを有する。
【0024】
そして、該各運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との各距離は、前記固定プレートにおける各運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との間の剛性の差に応じて異ならせて設定される。
【0026】
本発明の他の射出装置においては、さらに、前記各距離は、前記各運動方向変換ユニットにおける固定プレートの変形量が等しくなるように設定される。
【0027】
本発明の更に他の射出装置においては、さらに、前記各運動方向変換ユニットは、それぞれ第1、第2の変換要素を備える。
【0028】
そして、第1の変換要素は固定プレートに固定される。また、第2の変換要素は可動プレートに対して回転自在に支持される。
【0029】
本発明の更に他の射出装置においては、さらに、前記各運動方向変換ユニットは、それぞれ第1、第2の変換要素を備える。
【0030】
そして、第1の変換要素は固定プレートに対して回転自在に支持される。また、第2の変換要素は可動プレートに固定される。
【0031】
本発明の更に他の射出装置においては、さらに、前記運動方向変換ユニットは二つ配設される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明の実施の形態における固定プレートの変形量を説明する図、図5は本発明の実施の形態における固定プレートの説明図である。
【0034】
図において、12はシリンダ部材としての加熱シリンダ、31は図示されないフレームに対して進退(図1において左右方向に移動)自在に配設された支持部材としてのスライドテーブル、35は該スライドテーブル31に、例えば、ボルト等によって固定された固定プレートであり、該固定プレート35に前記加熱シリンダ12の後端(図1において右端)が冷却装置13を介して取り付けられる。該冷却装置13には、図示されない温調装置から冷却媒体が供給され、加熱シリンダ12から固定プレート35に熱が伝達されるのを防止する。また、前記固定プレート35に対して進退自在に可動プレート36が配設される。なお、前記固定プレート35及び可動プレート36のうちの少なくとも一方によって支持プレートが構成される。
【0035】
該可動プレート36のほぼ中央に、スクリュー支持軸40が図示されないベアリングによって回転自在に配設され、前記スクリュー支持軸40に、射出部材としてのスクリュー22の後端が固定される。そして、前記スクリュー支持軸40の後端に図示されない従動プーリが固定される。前記スクリュー22は、加熱シリンダ12内において回転自在に、かつ、進退自在に配設され、スクリュー22の前端(図1において左端)に図示されないスクリューヘッドが形成される。なお、本実施の形態においては、スクリュー22は可動プレート36と回転自在に連結されるが、射出部材としてスクリュー22に代えてプランジャを使用した場合、該プランジャは、可動プレート36と回転不能に連結される。
【0036】
また、前記可動プレート36の所定の箇所に第1の駆動部材としての図示されない計量用のモータが取り付けられ、該計量用のモータの出力軸に図示されない駆動プーリが取り付けられ、該駆動プーリと前記従動プーリとの間に図示されないタイミングベルトが張設される。前記駆動プーリ、従動プーリ及びタイミングベルトによって計量用の伝動系が構成される。
【0037】
そして、前記可動プレート36を進退させるために、固定プレート35と可動プレート36との間に架設させて、かつ、スクリュー22より固定プレート35の上端側に第1の運動方向変換ユニットとしての第1のボールねじユニット37が、スクリュー22より固定プレート35の下端側に第2の運動方向変換ユニットとしての第2のボールねじユニット38が配設される。そのために、前記固定プレート35の周縁の2箇所、例えば、スクリュー22の軸に対して点対称の位置に第1の変換要素としてのボールナット52が固定される。該ボールナット52は、前端に形成されたフランジ部53を固定プレート35の前端面(図1において左端面)S1に当接させて、かつ、固定プレート35を貫通して取り付けられる。そして、スクリュー22の中心Sh1と第1のボールねじユニット37の中心ST3との距離L3が、スクリュー22の中心Sh1と第2のボールねじユニット38の中心ST4との距離L4より短くされる。
【0038】
なお、本実施の形態において、中心Sh1、ST3、ST4は一つの直線上に配設されるが、中心Sh1と中心ST3とを結ぶ線分、及び中心Sh1と中心ST4とを結ぶ線分によって所定の角度が形成されるように、中心Sh1、ST3、ST4を配置することもできる。また、前記距離L3、L4は、固定プレート35及び可動プレート36のうちの少なくとも一方の剛性に応じて設定される。
【0039】
そして、前記可動プレート36の周縁の前記中心ST3、ST4と対応する位置において、第2の変換要素としてのボールねじ軸45が可動プレート36に対してベアリング46によって回転自在に、かつ、軸方向に移動不能に支持され、互いに平行に、かつ、前記スクリュー22と平行に延在させられる。前記ボールねじ軸45は、前半部(図1において左半部)にねじ部48を、後半部(図1において右半部)に軸部49を備える。
【0040】
そして、前記ねじ部48は、固定プレート35を貫通して前方(図1において左方)に延在させられ、固定プレート35を貫通する部分において、前記ボールナット52と螺合させられる。また、前記軸部49は、可動プレート36に形成された穴36aを貫通して後方(図1において右方)に延在させられる。なお、各ボールナット52及びボールねじ軸45によって第1、第2のボールねじユニット37、38が構成される。
【0041】
ところで、前記第1、第2のボールねじユニット37、38のうちのいずれか一方、例えば、第2のボールねじユニット38は駆動側のユニットを構成し、他方、例えば、第1のボールねじユニット37は従動側のユニットを構成する。そして、第2のボールねじユニット38において、前記軸部49の後端部(図1において右端部)に従動プーリ54が、該従動プーリ54より更に後方、すなわち、前記軸部49の後端に同期プーリ55が取り付けられ、前記第1のボールねじユニット37において、前記軸部49の後端に同期プーリ56が取り付けられ、前記同期プーリ55、56間にタイミングベルト57が張設される。前記同期プーリ55、56及びタイミングベルト57によって同期用の伝動系が構成される。
【0042】
そして、前記可動プレート36の、例えば、下方の所定の箇所に射出用のモータ61が取り付けられ、該モータ61の出力軸62に駆動プーリ63が取り付けられ、該駆動プーリ63と前記従動プーリ54との間にタイミングベルト60が張設される。したがって、モータ61を駆動することによって駆動プーリ63を回転させると、駆動プーリ63の回転が従動プーリ54を介して第2のボールねじユニット38側のボールねじ軸45に伝達され、該ボールねじ軸45を回転させる。このとき、該ボールねじ軸45の回転は、同期プーリ55、タイミングベルト57及び同期プーリ56を介して第1のボールねじユニット37側のボールねじ軸45にも伝達される。その結果、各ボールねじ軸45は同期して回転させられる。なお、前記従動プーリ54及び駆動プーリ63によって射出用の伝動系が構成される。
【0043】
また、前記ねじ部48及びボールナット52によって運動方向変換部が構成され、該運動方向変換部において、ボールねじ軸45の回転運動が回転直進運動に変換される。したがって、ボールねじ軸45が回転させられるのに伴って、可動プレート36が前進(図1において左方に移動)させられ、スクリュー22を前進させる。
【0044】
本実施の形態においては、ボールナット52が固定プレート35に固定され、ボールねじ軸45が可動プレート36に対して回転自在に配設されるが、ボールナット52を固定プレート35に対して回転自在に配設し、ボールねじ軸45を可動プレート36に固定することもできる。その場合、射出用のモータは固定プレート35に配設され、各ボールナット52間に同期用の伝動系が配設される。
【0045】
また、本実施の形態においては、ボールナット52が固定プレート35側に固定され、ボールねじ軸45が可動プレート36側に支持されるが、ボールナットを可動プレート36側に固定し、ボールねじ軸を固定プレート35側に回転自在に支持することもできる。その場合、ボールねじ軸によって第1の変換要素が、ボールナットによって第2の変換要素が構成される。
【0046】
前記構成の射出装置において、計量工程時に、前記計量用のモータを駆動することによって、前記スクリュー22を回転させると、図示されないホッパ内のペレット状の樹脂は、加熱シリンダ12内に進入し、加熱シリンダ12内を前進させられ、それに伴って、スクリュー22は後退(図1において右方に移動)させられる。また、前記加熱シリンダ12の周囲には図示されないヒータが配設され、該ヒータによって加熱シリンダ12を加熱し、該加熱シリンダ12内の樹脂を溶融させることができるようになっている。したがって、前記スクリューヘッドの前方に1ショット分の溶融させられた樹脂が蓄えられる。
【0047】
次に、射出工程時に、前記射出用のモータ61を駆動することによって、スクリュー22を回転させることなく前進させると、前記スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、加熱シリンダ12の前端に取り付けられた射出ノズル12aから射出され、図示されない金型装置のキャビティ空間に充填される。
【0048】
ところで、モータ61を駆動してスクリュー22を所定の射出力で前進させ、加熱シリンダ12内の樹脂を射出させると、前記射出力は、樹脂を介して加熱シリンダ12に伝達され、更に固定プレート35に伝達され、該固定プレート35はスクリュー22の中心Sh1を作用点として前方に押される。一方、前記運動方向変換部において、ボールねじ軸45の回転運動が回転直進運動に変換されるのに伴ってボールナット52が後方に引かれ、固定プレート35が後方に引かれる。その結果、図1に示されるように、固定プレート35は、前記射出力に対する射出反力を受けて弓状に変形する。
【0049】
ところで、このとき、同期プーリ55とタイミングベルト57との間、及びタイミングベルト57と同期プーリ56との間にバックラッシュが形成され、該バックラッシュによって、第1のボールねじユニット37のボールねじ軸45に位相の遅れが発生すると、第1のボールねじユニット37のボールねじ軸45は第2のボールねじユニット38のボールねじ軸45よりわずかに遅れて前進させられ、可動プレート36はわずかに傾いた状態で前進させられてしまう。
【0050】
また、固定プレート35は、下端においてスライドテーブル31に固定されるので、下端に近い部分ほど剛性が高く、変形しにくく、上端に近いほど剛性が低く、変形しやすい。そして、前記第1のボールねじユニット37のボールねじ軸45は上端の近傍の位置で固定プレート35を後方に引くのに対して、前記第2のボールねじユニット38のボールねじ軸45は下端の近傍の位置で固定プレート35を後方に引く。したがって、第1のボールねじユニット37の中心ST3における固定プレート35の変形量δ3が、第2のボールねじユニット38の中心ST4における固定プレート35の変形量δ4より大きくなると、可動プレート36はその分更に傾いてしまう。
【0051】
ところが、前述されたように、スクリュー22の中心Sh1と第1のボールねじユニット37の中心ST3との距離L3が、スクリュー22の中心Sh1と第2のボールねじユニット38の中心ST4との距離L4より短くされるので、変形量δ3をその分小さくすることができ、変形量δ3、δ4を等しくすることができる。
【0052】
したがって、スクリュー支持軸40に応力が加わるのを防止することができ、射出を円滑に行うことができ、射出装置の耐久性を向上させることができる。
【0053】
本実施の形態においては、二つのボールねじユニットが配設されるようになっているが、三つ以上の複数のボールねじユニットを配設することもできる。各ボールねじユニット及びスクリューを支持する支持プレートの剛性の差に応じて、前記各ボールねじユニットの中心とスクリューの中心との距離に差が形成され、前記各ボールねじユニットの中心における前記支持プレートの変形量が等しくされる。
【0054】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出装置においては、支持部材と、該支持部材に固定された固定プレートと、該固定プレートに取り付けられたシリンダ部材と、前記固定プレートに対して進退自在に配設された可動プレートと、前記シリンダ部材内において進退させられ、後端において前記可動プレートと連結された射出部材と、前記固定プレートと可動プレートとの間に架設され、回転運動を直進運動に変換する複数の運動方向変換ユニットとを有する。
【0056】
そして、該各運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との各距離は、前記固定プレートにおける各運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との間の剛性の差に応じて異ならせて設定される。
【0057】
この場合、各運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との各距離は、前記固定プレートにおける運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との間の剛性の差に応じて異ならせて設定されるので、所定の運動方向変換ユニットの中心における固定プレートの変形量をその分小さくすることができる。
【0058】
したがって、射出を円滑に行うことができ、射出装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における固定プレートの変形量を説明する図である。
【図2】従来の射出装置の概念図である。
【図3】従来の固定プレートの説明図である。
【図4】従来の固定プレートの変形量を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態における固定プレートの説明図である。
【符号の説明】
12 加熱シリンダ
22 スクリュー
31 スライドテーブル
35 固定プレート
36 可動プレート
37 第1のボールねじユニット
38 第2のボールねじユニット
45 ボールねじ軸
52 ボールナット
L3、L4 距離
Sh1、ST3、ST4 中心
Claims (5)
- (a)支持部材と、
(b)該支持部材に固定された固定プレートと、
(c)該固定プレートに取り付けられたシリンダ部材と、
(d)前記固定プレートに対して進退自在に配設された可動プレートと、
(e)前記シリンダ部材内において進退させられ、後端において前記可動プレートと連結された射出部材と、
(f)前記固定プレートと可動プレートとの間に架設され、回転運動を直進運動に変換する複数の運動方向変換ユニットとを有するとともに、
(g)該各運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との各距離は、前記固定プレートにおける各運動方向変換ユニットの中心と前記射出部材の中心との間の剛性の差に応じて異ならせて設定されることを特徴とする射出装置。 - 前記各距離は、前記各運動方向変換ユニットにおける固定プレートの変形量が等しくなるように設定される請求項1に記載の射出装置。
- (a)前記各運動方向変換ユニットは、それぞれ第1、第2の変換要素を備え、
(b)第1の変換要素は固定プレートに固定され、
(c)第2の変換要素は可動プレートに対して回転自在に支持される請求項1に記載の射出装置。 - (a)前記各運動方向変換ユニットは、それぞれ第1、第2の変換要素を備え、
(b)第1の変換要素は固定プレートに対して回転自在に支持され、
(c)第2の変換要素は可動プレートに固定される請求項1に記載の射出装置。 - 前記運動方向変換ユニットは二つ配設される請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出装置。
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