JP3576638B2 - フリップフロップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高速で動作させる分周器等に用いられるフリップフロップ装置に係わり、特に回路形式としてECL(Emitter−Coupled−Logic )や(Source−Coupled−FET−Logic)等を用いたフリップフロップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル信号処理を高速動作させる回路形式として、ECLやSCFL等が用いられる。ECL及びSCFLでは、トランジスタを縦積みすることで信号の伝搬時間を少なくし高速化を可能とする。分周器においても高速に動作させたい場合には、ECL又はSCFLでフリップフロップ回路を構成し、このフリップフロップ回路を2段接続したT−FF(Toggle−Flip−Flop)として1/2分周器とすることが多い。以下、用いるトランジスタをFETを例にとって説明するが、バイポーラトランジスタでも同様である。
【0003】
図18に、従来のSCFLフリップフロップ回路の構成を示す。R1,R2は負荷抵抗、FETJ3,J4はデータ読込み部の差動対、FETJ5,J6はデータ保持部の差動対、FETJ1,J2はクロック入力用の差動対、FETJ7はこれらの差動対に電流を供給するための定電流原として用いる。各々の差動対は同じゲート幅、しきい値を持つ2つのFETから構成されている。
【0004】
また、FETJ8,J9,J10,J11はソースフォロアとしての役割を果たすのと同時にデータ保持部にラッチ動作させるため、その出力をFETJ5,J6のゲートに接続し正帰還をかけるのに使用される。D1,D2はソースフォロアで使われるレベルシフト用ダイオード、R3,R4,R5,R6は保護抵抗である。また、VbはFETJ7,J10,J11に与えるDC電圧、Vssは負の電源である。
【0005】
図19は、図18のフリップフロップ回路を2段接続したT−FFの構成図である。図中のFF1,FF2は図18のフリップフロップ回路を示す。FF2の反転出力端Qの信号をFF1の非反転入力端/Dへ、FF2の反転出力端/Qの信号をFF1の非反転入力端Dへ接続することによって、入力するクロック信号の1/2の周期の信号を生成することができる。
【0006】
FETJ12,J13によって構成されるソースフォロアは、後段の回路を駆動する能力を向上させるために使用する。端子CKはクロック信号を入力、端子Vrefはリファレンス電圧を与える端子であるが、クロック信号CKの逆相信号/CKを入力する場合もある。
【0007】
図20は、図18のフリップフロップ回路のクロック入力用差動対に周期Tのサイン波を入力したときの動作の説明図である。縦軸は電流値、横軸は時間を示す。図中のAがデータ読込み部差動対に供給される電流、Bがデータ保持部差動対に供給される電流を示す。
【0008】
図18のFETJ7のドレインに流れる電流量は一定であることから、データ読込み部差動対に供給される電流とデータ保持部差動対に供給される電流の合計値は常に一定である。従って、データ読込み部差動対に電流が流れ込む時、即ちデータ読込み部がONの時、データ保持部はOFFとなる。そして、データ読込み部がOFFの時、データ保持部はONとなる。
【0009】
ここで、データ読込み部がONの時間をデータ読込み時間、データ保持部がONの時間をデータ保持時間とすると、クロック入力用差動対を構成するFETJ1とJ2はゲート幅及びしきい値が同じであるため、クロック1周期にかかる時間Tに占めるデータ読込み時間(D)とデータ保持時間(T−D)は各々T/2であることから、
(データ読込み時間)=(データ保持時間)
となり、図18のフリップフロップ回路ではデータ読込み部とデータ保持部の動作する時間が分離されている。
【0010】
次に、フリップフロップ回路を2段接続したT−FFの動作について説明する。図19のT−FFにおいて、CKに入力されるクロック信号が“H”レベルのとき、FF1ではデータ読込み部はON、データ保持部はOFFとなり、FF2ではデータ読込み部はOFF、データ保持部はONとなる。このクロック信号が“H”レベルの状態ではFF2のデータ保持部からFF1のデータ読込み部へ反転した信号が入力され、FF1のデータ読込み部の信号が反転する。
【0011】
入力されるクロック信号が“L”レベルのとき、図19のFF1ではデータ読込み部はOFF、データ保持部はONとなり、FF2ではデータ読込み部はON、データ保持部はOFFとなる。このクロック信号が“L”レベルの状態では、FF1のデータ読込み部とFF2のデータ保持部はOFFとなり、クロック信号が“H”レベルのとき反転したFF1のデータ読込み部の信号がFF1のデータ保持部を通じてFF2のデータ読込み部へ送り込まれることになる。
【0012】
このような動作が繰り返されることによって、入力クロック信号の2倍の周期を持つ信号、即ち入力クロック信号の1/2の周波数の信号が生成される。このT−FFは図18のフリップフロップ回路を2つ使用していることから、FF1のデータ読込み部及びFF2のデータ保持部とFF1のデータ保持部及びFF2のデータ読込み部との間が時間的に分離されることにより、高周波領域からほぼDCに近い低周波領域まで安定した動作が可能である。
【0013】
ところで、図19のT−FFの最高動作周波数fmaxは図18のフリップフロップ回路の遅延時間をτとおくと、fmax=1/2・τで近似できる。遅延時間τは主に直接負荷抵抗を駆動するデータ読込み部のFETJ3,J4の駆動能力、及び配線容量や寄生容量などから決まる値である。FETJ3,J4の駆動能力は主にFETに供給される電流量によって決まり、この電流量が多い場合に駆動能力が増加する。
【0014】
しかし、フリップフロップ回路においてFF1,FF2のデータ読込み部がONである時間は入力されるクロック信号の周期Tの半分のT/2でしかない。従って、直接負荷抵抗を駆動するデータ読込み部のFETJ3,J4に供給されるクロック一周期あたりの平均電流量は、フリップフロップ回路の定電流源であるFETJ7のドレインに流れる電流量の半分にしかならないため、FETの駆動能力が低下しT−FFのfmaxが減少してしまう。FETの駆動能力を高めてfmaxを向上させるには、フリップフロップ回路に流れる電流量を増加させるのが有効であるが、そのためには消費電力が大きくなってしまう、という問題があった。
【0015】
一方、図18に示した従来のSCFLフリップフロップ回路において、負荷抵抗R1,R2にインダクタを直列に接続することにより、高速動作時にピーキングを掛けて高速化をはかる試みがある。しかし、負荷にインダクタを設けることで、インダクタに付随する寄生容量によって自己共振数で並列共振が起きた場合、インダクタのインピーダンスが無限大となる。そして、入力信号の周波数成分がインダクタの自己共振周波数に近い場合、フリップフロップ回路が誤動作する可能性があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のフリップフロップ回路においては、トランジスタの駆動能力を高めて最高動作周波数fmaxを向上させるためにフリップフロップ回路に流れる電流量を増加させると、回路の消費電力が大きくなってしまうという問題があった。また、負荷にインダクタを設けると、その自己共振数の影響でフリップフロップ回路が誤動作を起こす可能性があった。
【0017】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、消費電力を殆ど増加させずにより高速な動作を可能とするフリップフロップ装置を提供することにある。
【0018】
また、本発明の他の目的は、フリップ・フロップ回路の負荷にインダクタを用いた場合でも、その自己共振の影響による誤動作を防ぎつつ、高速な動作を可能とするフリップフロップ装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
即ち、本発明(請求項1)は、制御電極がデータ入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、制御電極が出力端子に接続される一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、制御電極がクロック入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたクロック入力用差動対とを備え、クロック入力用差動対を構成する各トランジスタの第1の主電極の一方がデータ読込み部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続され、他方がデータ保持部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続されたSCFL(Source−Coupled−FET−Logic)又はECL(Emitter−Coupled−Logic )のフリップフロップ装置において、クロック入力用差動対を構成する一対のトランジスタのうち、第1の主電極がデータ読込み部差動対(又はデータ保持部差動対)を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続されたトランジスタと並列に、データ読込み時間可変用のトランジスタを設けたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明(請求項2)は、上記構成のフリップフロップ装置において、データ読込み部差動対(又はデータ保持部差動対)を構成する各トランジスタの第2の主電極と電源Vssとの間に、データ読込み時間可変用(又はデータ保持時間可変用)のトランジスタを設けたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明(請求項3)は、一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、一対のトランジスタにより構成されて2つのクロック入力端子CK,/CKを有するクロック入力用差動対と、からなるフリップフロップ回路を2段縦列接続したマスタ・スレーブ型フリップフロップ装置において、第1のフリップフロップ回路のクロック入力端子CK1,/CK1と第2のフリップフロップ回路のクロック入力端子CK2,/CK2のうち、CK1と/CK2を接続し、かつ/CK1とCK2を電気的に分離して新たなバイアス端子Vbias1とVbias2を設けたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明(請求項4)は、一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、一対のトランジスタにより構成されて2つのクロック入力端子CK,/CKを有するクロック入力用差動対と、からなるフリップフロップ回路を2段縦列接続したマスタ・スレーブ型フリップフロップ装置において、第1及び第2のフリップフロップ回路内に、一対のトランジスタの第1の主電極の一方がデータ読込み部差動対に接続され、他方がデータ保持部差動対に接続された補助差動対をそれぞれ設け、各々の補助差動対を構成する各トランジスタのうち、第1の主電極がデータ読込み部差動対に接続されたもの同士とデータ保持部差動対に接続されたもの同士とでそれぞれ第2の主電極を共通接続したことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、上記構成のフリップフロップ装置において、クロック入力用差動対を構成する一対のトランジスタのうち、データ読込み部差動対に接続されたトランジスタと並列に、データ読込み時間増大用のトランジスタを設け、かつデータ保持部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極と電源Vssとの間に、データ保持時間可変用のトランジスタを設けたことを特徴とする。
【0024】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては、次のものがあげられる。
(1) トランジスタとしてMOSトランジスタ等のFETを用い、制御電極はゲート、第1の主電極はドレイン、第2の主電極はソースであること。
(2) トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用い、制御電極はベース、第1の主電極はコレクタ、第2の主電極はエミッタであること。
(3) データ読込み部差動対及びデータ保持部差動対における負荷として、抵抗又は抵抗とインダクタの直列回路を用いたこと。
(5) 請求項4において、補助差動対を構成する各トランジスタの第2の電極と電源Vssとの間に定電流源としてのトランジスタを設けること。
【0025】
また、本発明(請求項5)は、制御電極がデータ入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、制御電極が出力端子に接続される一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、制御電極がクロック入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたクロック入力用差動対とを備え、データ読込み部差動対及びデータ保持部差動対の共通負荷として抵抗とインダクタが直列接続されたSCFL又はECLのフリップフロップ装置において、前記データ保持部差動対を構成する各トランジスタに一方の主電極がそれぞれ共通接続され、他方の主電極が前記負荷としての抵抗とインダクタとの接続点にそれぞれ接続された一対の補助トランジスタを設けてなることを特徴とする。
【0026】
【作用】
本発明(請求項1,2)によれば、データ読込み時間可変用のトランジスタを設け、データ読込み時間を増大させるようにすることにより、フリップフロップ回路におけるデータ読込み時間とデータ保持時間との関係を、
(データ読込み時間)>(データ保持時間)
とすることができ、一定の消費電力のままクロック1周期のあたりのデータ読込み部のトランジスタに供給される電流量を増加することが可能になる。従って、データ読込み部のトランジスタの駆動能力を高めることができ、これにより最高動作周波数fmaxを向上させることが可能となる。さらに、データ保持時間可変用のトランジスタを設け、データ保持時間を増大させるようにすることによって、
(データ読込み時間)<(データ保持時間)
とすることもでき、この場合はより低周波領域での安定した動作が可能となる。この場合、前記データ読込み時間又はデータ保持時間可変用トランジスタの制御電極を外部からコントロールすることにより、(データ読込み時間)と(データ保持時間)との関係を任意に選ぶことができるので、高周波から低周波までの幅広い周波数帯域において安定な動作を実現できる。
【0027】
また、本発明(請求項3)によれば、新たなバイアス端子Vbias1とVbias2を設けているので、これらのバイアス端子に印加するDCバイアス値の変化によって、データ読込み時間とデータ保持時間を任意に設定することができる。例えば、
(データ読込み時間)>(データ保持時間)
と設定することにより、より高周波領域での動作が可能となる。逆に、
(データ読込み時間)<(データ保持時間)
と設定することにより、より低周波領域での安定した動作が可能となる。
【0028】
また、本発明(請求項4)によれば、補助差動対を設けたことによって、(請求項4)と同様にデータ読込み時間とデータ保持時間を任意に設定することができ、より高周波領域での動作又はより低周波領域での動作が可能となる。
【0029】
また、本発明(請求項5)によれば、補助トランジスタを設けたことにより、データ保持時間においてデータ保持部差動対に流れる電流の一部を、負荷の抵抗をパスしインダクタのみを介して流すことができる。即ち、データ保持時間において負荷の値が減少し、インダクタの自己共振によってインピーダンスが増大する悪影響を相殺し、ダンピングすることが可能となる。従って、フリップ・フロップ回路の負荷にインダクタを用いた場合でも、その自己共振の影響による誤動作を防ぎつつ、高速なフリップフロップ装置を実現することが可能となる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図である。基本的な構成は前記図18と同様であるが、本実施例ではこれに加えて、データ読込み時間可変用のトランジスタ(FET)J21が設けられている。即ち、クロック入力用の差動対を構成するFETのうち、そのドレインがデータ読込み部につながるFETJ1と並列に、データ読込み時間可変用のFETJ21が接続されている。
【0031】
このような構成であれば、データ保持部差動対側には1つのFETJ2が接続されるのに対し、データ読込み部差動対側には2つのFETJ1,J21が接続されることになるため、FETJ21をON状態にすることにより、データ保持部差動対側よりもデータ読込み部差動対側の方により多くの電流を流すことができ、フリップフロップ回路におけるデータ読込み時間とデータ保持時間との関係を、
(データ読込み時間)>(データ保持時間)
とすることができる。このため、一定の消費電力のままクロック1周期あたりにデータ読込み部のFETに供給される電流量を増加することが可能になる。さらに、FETJ21をOFF状態にすることで、(データ読込み時間)=(データ保持時間)とすることができ、低周波での動作も安定に行うことができる。
【0032】
また、FETJ21のゲートG21はFETJ1のゲートに接続してCKと同電位にしてもよいし、別にDCバイアスを加えてもよい。データ読込み部差動対におけるFETJ3,J4の負荷Z としては、抵抗のみ、又は抵抗とインダクタを直列接続したものなどが考えられる。用いるインダクタはスパイラルインダクタ、又はショートスタブ線路などが考えられる。
【0033】
図2は、図1のフリップフロップ回路の動作原理を示す図である。FETJ21のゲート幅をFETJ1のゲート幅と同じとし、かつFETJ21のゲートG21をFETJ1のゲートに接続、同電位にした場合である。縦軸が電流量、横軸が時間を示す。図中Aがデータ読込み部に流れる電流量、Bがデータ保持部に流れる電流量を示す。データ読込み時間Dとデータ保持時間(T−D)の割合はほぼ2:1となり、データ読込み時間が増加していることが分かる。
【0034】
図3は、図1のフリップフロップ回路から構成される図19のT−FFの入力感度特性をシミュレーションで従来例と比較したものである。図中AがFETJ21のゲート幅をFETJ1のゲート幅と同じとし、かつFETJ21のゲートG21をFETJ1のゲートに接続して同電位にした場合(実施例)であり、Bが従来例である。また、斜線部が動作範囲を示す。
【0035】
本実施例では、特にクロック入力振幅が小さいときの動作領域が広くなっており、従来例では約8.0GHz付近にあったフリーラン周波数が10.8GHz付近まで向上する。また、クロック入力が0.6Vppのときの最高動作周波数fmaxは従来例では10.0GHzであったものが12.0GHzとなり20%の高速化が達成できる。
【0036】
このように本実施例によれば、クロック入力用差動対を構成するFETJ1,J2のうちデータ読込み部差動対に接続されたFETJ1と並列にFETJ21を設けているので、フリップフロップ回路におけるデータ読込み時間とデータ保持時間との関係を、
(データ読込み時間)>(データ保持時間)
とすることができ、一定の消費電力のままクロック1周期のあたりのデータ読込み部のFETJ3,J4に供給される電流量を増加することが可能になる。従って、データ読込み部のFETJ3,J4の駆動能力を高めることができ、これにより最高動作周波数fmaxを向上させることが可能となる。
(実施例2)
図4は、本発明の第2の実施例に係わるT−FFを示すブロック図である。従来例では図19のように、FF1及びFF2のクロック入力端CK,/CKがDC的に結合されて端子CK及び端子Vrefへ接続されていた。これに対して本実施例では、FF1のクロック入力端/CK1とFF2のクロック入力端CK2とをDC的に分離し、新たなバイアス端子Vbias1及びVbias2を設けることで、FF1,FF2における各々のDCバイアス値を個別に変化させることを可能にしている。
【0037】
ここで、FF1,FF2を構成するフリップフロップ回路は、図1又は図18のいずれの回路であってもよい。DCバイアス値は本実施例のフリップフロップ回路が形成されるIC内に設けた抵抗によって設定してもよいし、外部からコントロールできるようIC内に設けたパッドに接続し、外部から電圧を与えてもよい。これによって、DCバイアス値の変化によってデータ読込み時間とデータ保持時間を任意に設定することができる。
【0038】
例えば、FF1のデータ読込み部とFF2のデータ保持部へ入力されるクロックに加えるDCバイアス値をVdc1,FF1のデータ保持部とデータ読込み部へ入力されるクロックのDCバイアス値を各々Vbias1,Vbias2とおくと、Vdc1>Vbias1、かつVdc1<Vbias2(即ち、Vbias1=Vdc1−X,Vbias2=Vdc1+X、但しX>0)としたとき、FF1とFF2の両方が(データ読込み時間)>(データ保持時間)となる方向へ変化する。従来例ではFF1の/CK1、FF2のCK2がDC的に結合されていたため、FF1とFF2の両方が(データ読込み時間)>(データ保持時間)とすることが不可能であったのに対し、本実施例ではこれを可能とし高速化が図れる。
【0039】
以上の実施例の応用分野としては高速な入力信号を分周する必要がある回路、例えばプリスケーラの初段の分周器、又はマルチプレクサ、デマルチプレクサの初段の分周器などがあげられる。
【0040】
なお、(データ読込み時間)>(データ保持時間)と設定した場合、高速化は達成できるが、データ読込み部とデータ保持部の動作する時間が完全に切り離されずデータ保持部がONの場合も、データ読込み部に電流が流れる。このため、図1のフリップフロップ回路を用いてT−FFを構成したとき、入力されるクロック信号が“L”レベルの場合の動作が不安定となり、低周波領域では動作が不安定となり、誤動作を起こすことがある。
【0041】
これの解決方法として、図4においてFF1,FF2に用いるフリップフロップ回路として図1の回路を用い、低周波領域において、FF1のデータ読込み部とFF2のデータ保持部へ入力されるクロックに加えるDCバイアス値をVdc1、FF1のデータ保持部とデータ読込み部へ入力されるクロックのDCバイアス値を各々Vdc1<Vbias1、かつVdc1>Vbias2(即ち、Vbias1=Vdc1−X,Vbias2=Vdc1+X、但しX<0)とおくことによって、(データ読込み時間)>(データ保持時間)と設定されていた関係を(データ読込み時間)≦(データ保持時間)とすることができ、外部電圧の調整で低周波領域での動作を可能とする。
【0042】
このように、外部からの電圧の調整で低周波領域の動作を可能とすることにより、低周波から高周波まで周波数を掃引させる必要がある測定器に用いる分周器などにも本発明を適用することができる。
(実施例3)
図5は、本発明の第3の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号付して、その詳しい説明は省略する。基本的な構成は図1と同様であり、本実施例では、負荷Z として抵抗のみを用いている。
【0043】
この場合、クロック入力用差動対のFETJ1,J2のゲート幅をWc、データ読込み部差動対のFETJ3,J4のゲート幅をWd、データ保持部差動対のFETJ5,J6のゲート幅をWlとすると、ゲート幅Wc,Wd,Wlとの関係は、Wc≧Wd≧WlでもWc≦Wd≧Wlでもよい。
【0044】
また、本実施例と同様の効果は、クロック入力用の差動対を構成するFETのしきい値の関係を(FETJ2のしきい値)>(FETJ1のしきい値)とした場合にも得られる。(FETJ2のしきい値)>(FETJ1のしきい値)とすることによって、FETJ1に流れる電流量を増加させることができ、フリップフロップ回路におけるデータ読込み時間とデータ保持時間の関係を(データ読込み時間)>(データ保持時間)とすることができる。また、(FETJ2のしきい値)>(FETJ1のしきい値)で、かつFETJ1と並列にFETJ21を加えた場合でも同様の効果が得られる。
(実施例3の変形例)
図6は、第3の実施例の変形例を示す図である。この例は、図5のFETJ21のゲート端子G21をFETJ21のソース端子に接続したものである。このような構成であれば、G21のバイアス回路が不要となる。
【0045】
図7は、第3の実施例の別の変形例を示す図である。この例では、図6のような構成のフリップ・フロップの2つFF1,FF2を並列に設け、FF1のFETJ21のゲート端子をFF2のFETJ22のソース端子に接続し、かつFF2のFETJ22のゲート端子をFF1のFETJ21のソース端子に接続している。
【0046】
このような構成であれば、クロック入力が単相のとき、FF1のFETJ21のソース端子及びFF2のFETJ22のソース端子は各々クロック入力信号CKに対して同相、逆相の位相関係となる。従って、このような接続を行うことで、FF1,FF2のデータ読み込み部がONになるときFETJ21,FETJ22のゲート−ソース間電圧が上昇し、データ読み込み部がONの時に流れる電流量が増加して高周波動作が可能となる。
(実施例4)
図8は、本発明の第4の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号付して、その詳しい説明は省略する。基本的な構成は図1と同様であり、本実施例では、負荷Z として抵抗とインダクタを直列接続したものを用いている。
【0047】
一般に、フリップフロップの負荷にインダクタを用いることで高速化がはかれる。従来例のフリップフロップ回路の負荷として抵抗とインダクタを直列接続したものを用いる場合と比較して、本実施例ではフリップフロップ回路自体を(データ読込み時間)>(データ保持時間)とすることで高速化が可能であるので、インダクタの効果によって高速化をはかる周波数帯域を従来例より更に高く設定でき、従来例と比較して使用するインダクタンスの値が小さくてすむ。
【0048】
インダクタとしてスパイラルインダクタを用いる場合、使用するインダクタンスの値が大きいと自己共振周波数が低下し、回路の誤動作を引き起こす可能性がある。本実施例で用いるインダクタの値は従来例と比較して小さいことから、インダクタの自己共振周波数の低下による誤動作によってフリップフロップ回路の動作周波数領域が低下する問題を解決できる。
【0049】
また、隣接したインダクタL1,L2を近付けた場合に生じる相互インダクタンスは、インダクタL1,L2間の距離が近付くほど大きくなり、使用するインダクタL1,L2の値が大きい場合には、相互インダクタンスの影響が大きくなり回路が誤動作を起こし動作周波数範囲が低下する可能性があった。
【0050】
本実施例で用いるインダクタの値は従来例と比較して小さいことから、相互インダクタンスの増加による動作周波数範囲の低下による問題を解決でき、かつインダクタL1,L2間の距離を近付けてレイアウトできることから、フリップフロップ回路をレイアウトするのに必要な面積を小さくすることができ、チップ面積増大に伴うコストの増大を避けることができる。
【0051】
なお、本発明はフリップフロップの負荷として抵抗のみの場合と負荷にインダクタを使用する場合の両方について有効であるが、以下の実施例では抵抗のみを負荷とする場合について説明する。
(実施例5)
図9は、本発明の第5の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号付して、その詳しい説明は省略する。
【0052】
基本的な構成は前記図18と同様であるが、本実施例ではこれに加えて、ドレインがデータ読込み部の差動対につながるようにFETJ31を加え、FETJ31のソースは保護抵抗R7を介して電源Vssに接続し、ゲートG31にはDC電位を接続している。
【0053】
図9のフリップフロップ回路を2段接続してT−FFを作るときは、FF1側のG31とFF2側のG31を接続する。G31のDC電位を調節することによってFETJ31に流れる電流量を調整、データ読込み時間とデータ保持時間の割合を制御して、低周波領域ではFETJ31に電流が流れないように設定し、高周波領域ではFETJ31に電流が流れるように設定することで、低周波領域も可能となりかつ高速化が達成できる。
【0054】
本実施例では、図4の実施例が制御電源が2つ必要であったのに対し、制御電源が単一で済む。特に、FETJ31にエンハンストモード型のFETを使用した場合は、FETのゲート・ソース間電圧が正のときにのみ電流が流れる。従って、低周波領域におけるG31に与える電圧と電源電圧Vssとの差をFETJ31のしきい値以下と設定することによって、(データ読込み時間)=(データ保持時間)となり、低周波領域の動作が可能となる。
【0055】
この場合、G31に与える電圧と電源電圧Vssとの差は正であるので、GNDとVssとの間を抵抗を用い電圧を分割しG31に接続すると共に、G31をIC内に設けたパッドに接続し、外部からパッドに与える電圧を制御することによって、従来例より高周波動作が可能であると共に、低周波領域の動作時にはG31に外部から電圧を与えず、回路の消費電力を変化させずに動作させることが可能である。
(実施例6)
図10は、本発明の第6の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号付して、その詳しい説明は省略する。
【0056】
本実施例では図1の構成に加え、データ保持部差動対を構成するFETJ5,J6のソースにドレインがつながるようにデータ保持時間増大用のFETJ32を加え、FETJ32のソースを保護抵抗R7を介して電源Vssに接続し、ゲートG32にはDC電位を接続している。
【0057】
図10のフリップフロップ回路を2段接続してT−FFを作るとき、FF1側のG32とFF2側のG32を接続する。G32のDC電位を調節することによってFETJ32に流れる電流量を制御してデータ読込み時間とデータ保持時間の割合を制御して、低周波領域から動作が可能でかつ高速化が達成できる。
【0058】
本実施例の場合も制御電源が単一で済む。また、FETJ32のゲートG32を数kΩの抵抗を介して電源電圧Vssに接続、かつG32をIC内部に設けたパッドに接続する構成にすることによって、低周波動作時には外部からパッドに一定電位の電圧を与え、(データ読込み時間)=(データ保持時間)とし、高周波動作時にはパッドをオープンの状態にして、(データ読込み時間)>(データ保持時間)とすることで、低周波動作から高周波動作まで可能となる。なお、この場合は高周波動作時にFETJ32には電流が流れないため、高周波動作時での消費電力を低周波領域の動作時の消費電力よりも低減できる。
(実施例7)
図11は、本発明の第7の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号付して、その詳しい説明は省略する。
【0059】
本実施例では、FF1内にFETJ41,42からなる補助差動対を設け、FF2内にFETJ43,44からなる補助差動対を設け、これらの差動対のJ41,J43のドレインを各々FF1のデータ読込み部差動対とFF2のデータ読込み部差動対に接続し、J42,J44のドレインを各々FF1のデータ保持部差動対とFF2のデータ保持部差動対に接続する。そして、J41,J43のゲートをG41に、J42,J44のゲートをG42に接続する。また、J41〜44のソースを共通接続してFETJ45のドレインに接続し、FETJ45のソースは保護抵抗R7を介して電源Vssに接続する。
【0060】
このような構成であれば、FETJ41,J43のゲートG41と、FETJ42,J44のゲートG42のDC電位を調節することにより、データ読込み時間とデータ保持時間との割合を制御することができる。このとき、FF1とFF2には本発明の実施例である図1を用いてもよいし、従来例の図18を用いてもよい。また、ゲートG41をCKに接続してもよい。
(実施例7の変形例)
図12は、第7の実施例の変形例を示す図であり、フリップフロップ回路の1つ分を示している。フリップフロップ回路にFETJ31,J32からなる差動対を設け、各々のゲート端子G31及びG32に加えるバイアスでデータ読み込み時間、保持時間をコントロールする。これにより、第7の実施例と同様の効果が得られる。
(実施例8)
図13は、本発明の第8の実施例に係わるフリップ・フロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0061】
この実施例の構成は前記図5に示す第3の実施例と類似しているが、第3の実施例とは異なり、FETJ1ではなくFETJ2と並列にFETJ31を設け、FETJ31のゲートG31を外部端子としている。
【0062】
このような構成であれば、FETJ31のゲート端子G31でデータ読み込み時間、保持時間をコントロールすることができる。より具体的には、FETJ31とFETJ2の並列回路をFETJ1と同じ電流容量にすれば、FETJ31のOFFによりデータ保持時間を減少させることができる。即ち、FETJ31がONで(データ読み込み時間)=(データ保持時間)とすることができ、FETJ32がOFFで(データ読み込み時間)>(データ保持時間)とすることができ、低周波動作から高周波動作まで可能となる。
(実施例8の変形例)
図14は、第8の実施例の変形例であり、FETJ31のドレインをFETJ51,J52からなる差動対のソースに接続している。FETJ51のゲート及びドレインはFETJ5のゲート及びドレインとそれぞれ共通接続され、FETJ52のゲート及びドレインはFETJ6のゲート及びドレインとそれぞれ共通接続されている。
【0063】
このような構成であれば、高周波動作時にはG31端子に加えるバイアスを制御してFETJ31のドレインに電流を流さないようにする。このとき、データ保持部を構成するFETJ51,J52からなる差動対が動作しなくなることで、データ保持部のFETのゲート幅が減少したように見え、データ保持部の負荷容量が減少し、より高速化が達成できる。
(実施例9)
図15は、本発明の第9の実施例に係わるフリップ・フロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0064】
本実施例は、図18に示した従来例の負荷部分の構成を改良したものである。抵抗R1,R2、及びこれらに各々直列にインダクタL1,L2を負荷として備え、かつトランジスタJ3,J4のドレインと上記負荷との間に抵抗R11,R12を備え、データ保持部の差動対を構成するトランジスタJ5,J6のドレインを各々上記R1,L1及びR2,L2から構成される負荷に接続、かつトランジスタJ3,J4のドレインを各々ソースフォロアを構成するトランジスタJ8,J9のゲートに接続したことを特徴とするものである。
【0065】
このような構成とすることによって、データ読込み側がONのときの振幅は(R1+R11+jωL1)iとなり、データ保持側がONのときの振幅は(R1+jωL1)iとなり、データ保持側で振幅が小さくなる(但し、R1=R2,R11=R12,L1=L2、iはJ7に流れる電流)。即ち、データ保持時間において負荷の値が減少し、インダクタの自己共振によってインピーダンスが増大する悪影響を相殺し、ダンピングすることが可能である。
【0066】
図16は、図15のフリップフロップをマスタスレーブD−FFに適用した場合について、本発明と従来例とのシミュレーションによる比較を示す。太線が本発明の実施例、細線が従来例である。入力信号は10Gbpsの(‥0101101‥)信号とし、インダクタは1nHであり、その自己共振周波数は5GHzである。論理振幅は0.8Vとし、R11,R12の抵抗値は、振幅は0.1Vとなるように設定した。
【0067】
図16から分かるように、従来例では誤動作を起こしているのに対し、本発明の実施例では正常な出力信号が得られていることが分かる。なお、R11,R12の値が大きいほどダンピングの効果が大きくなるが、それに伴い負荷が増加し、遅延時間も増加してしまう。従って、R11,R12の値をR1及びR2の値の10%から25%とした場合に高速性と安定性を兼ね備えることができる。
(実施例10)
図17は、本発明の第10の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0068】
本実施例も、図18に示した従来例の負荷部分の構成を改良したものである。基本的な構成は図18と同様であり、負荷として、抵抗R1とインダクタL1を直列接続し、また抵抗R2にインダクタL2を直列接続している。そして、データ保持部差動対を構成するトランジスタJ5,J6にトランジスタJ95,J96をそれぞれ並列的に接続している。具体的には、トランジスタJ95のソースはトランジスタJ5のソースに接続され、トランジスタJ95のドレインは抵抗R2とインダクタL2の接続点に接続されている。トランジスタJ96のソースはトランジスタJ6のソースに接続され、トランジスタにJ96のドレインは抵抗R1とインダクタL1の接続点に接続されている。
【0069】
このような構成とすることによって、データ読込み側がONのときの振幅は(R1+jωL1)iとなり、データ保持側がONのときの振幅は(R1+jωL1)i1+jωL1・i2となり、データ保持側で振幅が小さくなる(但し、R1=R2,L1=L2,i=i1+i2:i1はJ5又はJ6に流れる電流、i2はJ95又はJ96に流れる電流)。即ち、データ保持時にR1,R2へ流れる電流を減少させることによりダンピングを行わせることができ、第9の実施例と同様の効果が得られる。
【0070】
また、本実施例では第9の実施例に比して、抵抗R1,R2の分割が不要となることから、レイアウト面積の増大を抑えることができる。なお、トランジスタJ95,J96はトランジスタJ5,J6にゲートを共通接続し、かつソースも共通接続しているので、トランジスタJ5,J6の近傍に極めて小さい面積で形成でき、これらのトランジスタの増加によるレイアウト面積の増大は殆ど無視できる。
【0071】
なお、本発明は上述した各実施例に限定されるものではない。実施例では、MOSトランジスタを用いたSCFL回路で説明したが、バイポーラトランジスタを用いたECL回路に適用することもできる。さらに、実施例ではT−FFについて説明したが、D−FFに適用できるのは勿論のことである。また、図4、図9、図10及び図11の本発明の実施例の回路はフリップフロップ外部電圧から制御することでフリーランの周波数を変化させることができるので、T−FFのみでなく電圧制御型発振器としても使用できる。
【0072】
また、本発明は各実施例を単独で実施するに限らず、種々の実施例を適宜組み合わせて実施することができる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、データ読込み時間可変用のトランジスタ、バイアス端子Vbias1,Vbias2又は補助差動対等を設けることにより、(データ読込み時間)>(データ保持時間)とすることができ、一定の消費電力のままクロック1周期あたりのデータ読込み部のトランジスタに供給される電流量を増加させることができる。従って、データ読込み部のトランジスタの駆動能力を高めることができ、消費電力を殆ど増加させずにより高速な動作を可能とするフリップフロップ装置を実現することが可能となる。
【0074】
また、(データ読込み時間)と(データ保持時間)との関係を任意に制御することができ、高周波から低周波にわたる広い周波数帯域で安定に動作させることができるフリップ・フロップ装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図2】図1のフリップフロップ回路の動作原理を示す図。
【図3】図1のフリップフロップ回路から構成されるT−FFの入力感度特性をシミュレーションで従来例と比較した結果を示す図。
【図4】第2の実施例に係わるT−FFを示すブロック図。
【図5】第3の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図6】第3の実施例の変形例を示す回路構成図。
【図7】第3の実施例の別の変形例を示す回路構成図。
【図8】第4の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図9】第5の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図10】第6の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図11】第7の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図12】第7の実施例の変形例を示す回路構成図。
【図13】第8の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図14】第8の実施例の変形例を示す回路構成図。
【図15】第9の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図16】図15のフリップフロップをマスタスレーブD−FFに適用した場合について、本発明と従来例とのシミュレーションによる比較を示す図。
【図17】第10の実施例に係わるフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図18】従来のSCFLフリップフロップ回路を示す回路構成図。
【図19】図18のフリップフロップ回路を2段接続したT−FFの構成図。
【図20】図18のフリップフロップ回路のクロック信号入力差動対に周期Tのサイン波を入力したときの動作の説明図。
【符号の説明】
J1〜J15,J21,J31,J32,J41〜J45…FET
R1〜R7…抵抗
D1,D2…ダイオード
L1,L2…インダクタ

Claims (5)

  1. 制御電極がデータ入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、制御電極が出力端子に接続される一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、制御電極がクロック入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたクロック入力用差動対とを備え、クロック入力用差動対を構成する各トランジスタの第1の主電極の一方がデータ読込み部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続され、他方がデータ保持部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続されたSCFL又はECLのフリップフロップ装置において、
    前記クロック入力用差動対を構成する一対のトランジスタのうち、第1の主電極が前記データ読込み部差動対又はデータ保持部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続されたトランジスタと並列に、データ読込み時間又はデータ保持時間の可変用のトランジスタを設けたことを特徴とするフリップフロップ装置。
  2. 制御電極がデータ入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、制御電極が出力端子に接続される一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、制御電極がクロック入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたクロック入力用差動対とを備え、クロック入力用差動対を構成する各トランジスタの第1の主電極の一方がデータ読込み部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続され、他方がデータ保持部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極に接続されたSCFL又はECLのフリップフロップ装置において、
    前記データ読込み部差動対又はデータ保持部差動対を構成する各トランジスタの第2の主電極と電源Vssとの間に、データ読込み時間又はデータ保持時間の可変用のトランジスタを設けたことを特徴とするフリップフロップ装置。
  3. 一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、一対のトランジスタにより構成されて2つのクロック入力端子CK,/CKを有するクロック入力用差動対と、からなるフリップフロップ回路を2段縦列接続したマスタ・スレーブ型フリップフロップ装置において、
    第1のフリップフロップ回路のクロック入力端子CK1,/CK1と第2のフリップフロップ回路のクロック入力端子CK2,/CK2のうち、CK1と/CK2とを接続し、かつ/CK1とCK2とを電気的に分離して新たなバイアス端子Vbias1とVbias2を設けたことを特徴とするフリップフロップ装置。
  4. 一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、一対のトランジスタにより構成されて2つのクロック入力端子CK,/CKを有するクロック入力用差動対と、からなるフリップフロップ回路を2段縦列接続したマスタ・スレーブ型フリップフロップ装置において、
    第1及び第2のフリップフロップ回路内に、一対のトランジスタの第1の主電極の一方がデータ読込み部差動対に接続され、他方がデータ保持部差動対に接続された補助差動対をそれぞれ設け、各々の補助差動対を構成する各トランジスタのうち、第1の主電極がデータ読込み部差動対に接続されたもの同士とデータ保持部差動対に接続されたもの同士とでそれぞれ第2の主電極を共通接続したことを特徴とするフリップフロップ装置。
  5. 制御電極がデータ入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたデータ読込み部差動対と、制御電極が出力端子に接続される一対のトランジスタにより構成されたデータ保持部差動対と、制御電極がクロック入力端子となる一対のトランジスタにより構成されたクロック入力用差動対とを備え、データ読込み部差動対及びデータ保持部差動対の共通負荷として抵抗とインダクタが直列接続されたSCFL又はECLのフリップフロップ装置において、
    前記データ保持部差動対を構成する各トランジスタに一方の主電極がそれぞれ共通接続され、前記負荷としての抵抗とインダクタとの接続点に他方の主電極がそれぞれ接続された一対の補助トランジスタを設けてなることを特徴とするフリップフロップ装置。
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