JP3576637B2 - スタッドレス空気入りタイヤ - Google Patents

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    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1204Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe
    • B60C2011/1213Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe sinusoidal or zigzag at the tread surface

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  • Tires In General (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、氷雪路上での走行性能に優れるスタッドレス空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スパイクタイヤの使用が禁止されたのに伴い、より優れたスタッドレスタイヤを求めて、トレッドに関する種々の改良がなされてきた。
氷雪上を走行するスタッドレスタイヤのトレッドは、複数の周方向に延びる主溝(3 〜5 本)と、これらの主溝と交わる多数のラグ溝によって区分したブロックタイプの陸部とし、また氷上性能を向上させるには、上記陸部に多数のサイプを設け、陸部のエッジ成分を増加させることが有用である。
【0003】
しかしながら、氷上での駆動・制動特性を向上させるために、陸部を横断する横向きサイプを多数設けると、陸部のエッジ成分は増加するものの、ブロック全体の剛性が低下し、特に高内圧、高荷重のもとで使用されるトラック・バス用のような重荷重用タイヤにおいては、ブロック欠けが生じ易い。一方、乗用車用タイヤの場合は、コ−ナリング時にサイプにより細区分された陸部要素の倒込みが生じ、その結果、実接地面積が減少することによる、操縦安定性の低下を招くこととなる。
【0004】
そのため、サイプを多用しても陸部の剛性を維持することが必要であるが、例えば、特開平2−200503に開示されたタイヤは、一端が陸部内に止まる横向きサイプを使用することにより、サイプ密度を高めても陸部の剛性を維持できるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、主溝に片側のみ開いたサイプにおいても、必要なエッジ効果を得ようとして多用すると、不所望な陸部剛性の低下は避けることができない。
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、サイプを多用しても陸部剛性を維持し、従って、耐ブロック欠け、および操縦安定性に有利な、氷上性能に優れるスタッドレス空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、左右一対のサイドウォ−ルに跨がる円筒状トレッドに、複数の周方向主溝と多数のラグ溝によって区分された、複数の横向きサイプを有するブロック状陸部を具えたスタッドレス空気入りタイヤにおいて、上記ブロック状陸部の上記サイプは、軸方向一方の周方向主溝に面した一端から上記ブロック状陸部の軸方向一方の端縁部並びに軸方向中央部をほぼ軸方向に延びる伸延要素と、上記軸方向中央部と軸方向他方の端縁部とのほぼ境界で折返し、上記軸方向中央部と上記軸方向一方の端縁部との境界近傍にて終端する折返し要素を有するフック状第1サイプ、および軸方向他方の周方向主溝に面した他端から逆方向に上記軸方向他方の端縁部並びに上記軸方向中央部をほぼ軸方向に延び、上記軸方向中央部と上記軸方向一方の端縁部とのほぼ境界で折返し、上記軸方向中央部と上記軸方向他方の端縁部との境界近傍にて終端する、上記フック状第1サイプと同様の伸延要素と折返し要素を有するフック状第2サイプより成り、それによって上記ブロック状陸部の上記軸方向中央部に上記端縁部対比、より細区分された陸部要素を形成することを特徴としている。
【0007】
【作用】
発明者等がサイプを設けた陸部の剛性について詳細に調べたところによると、陸部を横断するサイプを、必要なエッジ効果を得ようとして本数を多く設けると、陸部の中央部に比べて両端部の剛性が予想以上に低下し、また、主溝に開く一端から、他方の主溝に面した陸部の端縁近傍までの間に延びるサイプを同様に設けた場合においても、上記剛性の低下は多少改善されるに止まることが分かった。
【0008】
本発明におけるスタッドレスタイヤは、トレッドのブロック状陸部につき、周方向主溝に面した両端から、対向して延びるフック状第1 および第2 サイプを具え、陸部の中央部は、上記両サイプの伸延要素と折返し要素によって細区分された陸部要素をなし、一方陸部の端縁部は、第1 、または第2 サイプの伸延要素に区分されるに止まるため、陸部の中央部に長大なエッジ成分を形成し、一方端縁部は、必要な陸部剛性維持が可能である。その結果、特に氷上において、相反する駆動・制動特性と、操縦安定性、ブロック欠けの問題を一挙に解決することができるのである。
【0009】
【実施例】
以下図面に基づき説明する。図1 は本発明第1 実施例のタイヤのトレッド平面図、図2 は図1 における陸部の拡大平面図である。
本発明に成るスタッドレスタイヤは、左右一対のサイドウォ−ル(図示せず)に跨がる円筒状トレッド1 に、複数の周方向主溝2 と多数のラグ溝3 によって区分された、横向きサイプ5 を有するブロック状陸部4 を具える。そして陸部4 は、主溝2 に面した一端6 から陸部の端縁部7 並びに中央部8 をほぼ軸方向に延びる伸延要素9 と、その先端が上記中央部8 と他方端縁部7 とのほぼ境界で折返し、陸部の中央部8 内に終端する折返し要素10を有するフック状第1 サイプ5、および主溝2 に面した陸部の他方端11から逆方向に、端縁部7 並びに中央部8 をほぼ軸方向に延び、端縁部7 とのほぼ境界で折返し、陸部の中央部8 内に終端する伸延要素9 と折返要素10を有するフック状第2 サイプ5より成り、それによって陸部の中央部8 に端縁部7 対比、より細区分された陸部要素を形成する。
【0010】
本発明において、タイヤの骨格は、例えば、ポリエステル、レ−ヨンで代表される繊維コ−ドを、タイヤの赤道面と実質上直交する向きに配列したプライの1 枚、または少数枚から成るラジアルカ−カスを両サイドウォ−ル間に配置し、このカ−カスのクラウン部周上に、スチ−ルコ−ドなどの非伸長性コ−ドを、赤道面に対し浅い角度で傾斜配列した層の複数枚、通常2 枚を、それらのコ−ドが交差するように重ね合わせ、更にその周囲に、ナイロンなど熱収縮性繊維コ−ドを複数本並べてゴム引きしたストリップの周方向螺旋巻きによる補助層とのベルト層を配置した、補強構造を適用することができる。
【0011】
図1 、2 に示す実施例において、フック状第1 、第2 サイプ5、5は、陸部4 の各側端6 、11から、それらの伸延要素9 が陸部の端縁部7 および中央部8 内を互いに隣り合って軸方向と平行に延び、各先端は夫々他方の端縁部7 との境界位置でお互い周方向逆向きに向きを変え、更に軸方向に各々向きを変えて、折返し要素10が中央部8 内を端縁部7 との境界近傍まで伸延要素9 と平行に延びている。その結果、陸部4 は端縁部7 では周方向に2 分、中央部8 においては5 つの実質上等しい長さの陸部要素12に細区分されている。
なお符号13は、陸部の中央部8 に対応する部分のラグ溝3 の底が隆起したプラットフォ−ムで、このプラットフォ−ムを設けた場合、その位置を中心とする陸部の周方向剛性向上に効果がある。
【0012】
本発明において、陸部4 の端縁部幅Wは、陸部全幅の1/9 〜1/3 、従って、中央部幅Wは、陸部全幅の1/3 〜7/9 の範囲が好ましい。
フック状サイプは、点P およびQ においては屈折させることなく、丸みをもって屈曲させ、折返し要素10を中央部8 内へ延長することができる。
サイプ5 の延びにつき、図に示すストレ−ト形状に限らず、ジグザグ形状、またはウエ−ブ形状のものに置き換えて使用することもできる。
また更に、サイプ折返し要素10の先端は、目的を損なわない限り、端縁部7 との境界近傍で止めることなく、深さを浅め、端縁部を横切って他端6 または11まで延長することも可能である。
【0013】
図3 は本発明における第2 実施例を示す陸部の平面図である。
この実施例の特徴は、陸部4 にフック状第1 、第2 サイプ5、5を2 組設け、端縁部7 を3 つに区分し、中央部8 は8 つの実質上等しい長さの陸部要素12に細区分した点にある。この実施例において、周方向中央部に位置する第1 、第2 サイプの折返し要素10、10は、実質的に同一軸線上に有り、両者の先端の間に僅かなスペ−スS を残している。
この実施例において、第1 サイプ5および第2 サイプの折返し位置は、別組の第1 サイプ5および第2 サイプの折返し位置と共に、中央部と端縁部の境界上に揃えている。しかし、組が異なる第1 サイプ5または第2 サイプの折返し位置は、互いに上記境界から、軸方向に多少隔てて設けることは差し支えない。
【0014】
図4 は本発明における第3 実施例を示す陸部の平面図である。
この実施例の特徴は、陸部4 の長手方向中央に、陸部を横断する追加サイプ14を設け、この位置の前後両側に第1 、第2 サイプ5、5を各々1 組設けることによって、端縁部7 を4 分、中央部8 を実質上等しい長さの陸部要素12に10区分した点にある。
【0018】
【効果】
本発明に成るタイヤの効果を確かめるべく、11R22.5 サイズのトラック・バス用ラジアルタイヤ、および185/70R13 サイズの乗用車用ラジアルタイヤを用い、前者は氷上制動テストおよびブロック欠けテスト、後者については氷上制動テストおよび操縦安定性テストを行い評価した。
【0019】
テストに当たって、トラック・バス用タイヤは図1 に示す陸部配分を適用し(但し、主溝の本数は5 本)、本発明に係るタイヤとして、図2 に示す第1 実施例のサイプ配置を使用、一方比較例のタイヤは、陸部へのサイプの配置が、図5 〜7に示す3 種類を加えた。即ち、比較例1 のタイヤの陸部4 は、図5に示すように陸部を横断してストレ−トに延びるサイプ5 を1 本設け2 等分したもので、比較例2 のタイヤの陸部4 は、図6に示すように、ストレ−トサイプ5 を2 本互違いに、それらの先端が中央部8 と端縁部7 との境界位置において止めて端縁部を2 分、中央部を3 つの等しい長さの陸部要素に細区分し、また比較例3 のタイヤの陸部は、図7に示すように先端が上記境界位置で止まるストレ−トサイプ5 を3 本設け、端縁部を3 分、中央部を4 つの等しい長さの陸部要素に細区分するよう夫々設けたものである。この場合、テストタイヤは、実施例、比較例を通じて主溝の深さを20mm、ラグ溝深さを15mm、陸部の長さと幅を夫々23mmと30mm、サイプの幅と深さを夫々0.5mm と10mm、そして陸部の中央部と端縁部の各幅WCとWSを夫々18mm、6 mmに統一した。
【0020】
一方乗用車用タイヤも、トレッド上の陸部については、図1に示す陸部配分を適用し(但し、主溝の本数は5 本)、本発明に係るタイヤとして、図3 に示す第2 実施例のサイプ配置を使用、また比較例4 、5 のタイヤのサイプは、図8、9に示す配置のものを夫々使用した。即ち、比較例4 (図8)のタイヤの陸部4 は、図6の例で述べたように、先端行止まりのストレ−トサイプ5 を4 本、端縁部7 を3 つの、中央部8 を5 つの等しい長さの陸部要素に細区分する位置に設け、そして比較例5 (図9)のタイヤも同様にストレ−トサイプ5 を6 本、陸部の端縁部7 を4 分、中央部8 を7 当分する位置に設けた。この場合、テストタイヤは主溝とラグ溝の各深さを共に10mm、陸部の長さと幅を夫々25mmと20mm、サイプの幅および深さを夫々0.3mm および7mm 、そして陸部の中央部と端部の各幅WC、WSを夫々12mm、4 mmに統一した。
【0021】
トラック・バス用のテストタイヤは、22.5×7.50リムに組み、7.0 Kgf/Cm の内圧を充填し、氷結した特設コ−ス上を実車にて(積荷条件)20Km/Hの速度で直進中に、ブレ−キをかけ(ロック状態)、その地点から停止地点までの距離を測定した。そしてブロック欠けテストは、同様に実車にてアスファルト舗装路を平均時速60Km/Hで20,000粁走行し、ブロック欠けの状態を調べた。
テスト結果は表1 に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003576637
【0023】
一方乗用車用テストタイヤは、13×5 1/2Jリムに組み、1.9 Kgf/Cm の内圧を充填した後、氷上制動につきトラック・バス用タイヤの場合と同じ方法(初速20Km/H)で行った。また操縦安定性テストは、アスファルト舗装のテストコ−スを一般道路と高速道路における50〜120Km/H の速度範囲でシミュレ−トし、ドライバ−のフィ−リングによって評価した。
テスト結果は表2 に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0003576637
【0025】
このように、トレッドに具わるブロック状陸部に、周方向主溝に面した一端から陸部の端縁部並びに中央部をほぼ軸方向に延びる伸延要素と、その先端が上記中央部と他方端縁とのほぼ境界で折返し、陸部の中央部内に終端する折返要素を有するフック状第1 サイプ、および主溝に面した陸部の他方端から逆方向に、端縁部と中央部をほぼ軸方向に延び、端縁部とのほぼ境界で折返し、陸部の中央部内に終端する、第1 サイプと同様の伸延要素と折返要素を有するフック状第2 サイプを具え、それによって、陸部の中央部に端縁部対比、より細区分された陸部要素を有する本発明のスタッドレスタイヤは、限られた陸部内に、エッジ成分を多く形成しても、陸部剛性が維持できるため、氷上性能の向上と、その場合に懸念されたブロック欠けおよび操縦安定性低下の問題を一挙に解決することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1 実施例のトレッド平面図。
【図2】同実施例のトレッドにおける陸部の拡大平面図。
【図3】第2 実施例の陸部平面図。
【図4】第3 実施例の陸部平面図。
【図5】 1 比較例の陸部平面図。
【図6】 2 比較例の陸部平面図。
【図7】 3 比較例の陸部平面図。
【図8】 4 比較例の陸部平面図。
【図9】 5 比較例の陸部平面図。
【符号の説明】
1 トレッド
2 周方向主溝
3 ラグ溝
4 陸部
5 サイプ
51 第1 サイプ
52 第2 サイプ
6 陸部の一端
7 陸部の端縁部
8 陸部の中央部
9 サイプの伸延要素
10 サイプの折返し要素
11 陸部の他端
12 陸部要素

Claims (3)

  1. 左右一対のサイドウォ−ルに跨がる円筒状トレッドに、複数の周方向主溝と多数のラグ溝によって区分された、複数の横向きサイプを有するブロック状陸部を具えたスタッドレス空気入りタイヤにおいて、
    上記ブロック状陸部の上記サイプは、軸方向一方の周方向主溝に面した一端から上記ブロック状陸部の軸方向一方の端縁部並びに軸方向中央部をほぼ軸方向に延びる伸延要素と、上記軸方向中央部と軸方向他方の端縁部とのほぼ境界で折返し、上記軸方向中央部と上記軸方向一方の端縁部との境界近傍にて終端する折返し要素を有するフック状第1サイプ、および軸方向他方の周方向主溝に面した他端から逆方向に上記軸方向他方の端縁部並びに上記軸方向中央部をほぼ軸方向に延び、上記軸方向中央部と上記軸方向一方の端縁部とのほぼ境界で折返し、上記軸方向中央部と上記軸方向他方の端縁部との境界近傍にて終端する、上記フック状第1サイプと同様の伸延要素と折返し要素を有するフック状第2サイプより成り、それによって上記ブロック状陸部の上記軸方向中央部に上記端縁部対比、より細区分された陸部要素を形成することを特徴とするスタッドレス空気入りタイヤ。
  2. 上記フック状第1サイプおよびフック状第2サイプの伸延要素を、互いに隣合わせて設けたことを特徴とする請求項1のスタッドレス空気入りタイヤ。
  3. 上記フック状第1サイプおよびフック状第2サイプの折返し要素の先端を、互いに向かい合わせに設けたことを特徴とする請求項1のスタッドレス空気入りタイヤ。
JP14220595A 1995-06-08 1995-06-08 スタッドレス空気入りタイヤ Expired - Lifetime JP3576637B2 (ja)

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