JP3576230B2 - プラスチック光ファイバ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は光情報通信媒体として利用可能なプラスチック光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、実用化されている光の伝送体には素材の分類から石英系とプラスチック系がある。また、伝送モードの分類から単一モード型と多モード型に分けられる。さらに、断面の半径方向に沿った屈折率変化が不連続的なステップインデックス(SI)型と連続的なグレーデッドインデックス(GI)型とがある。また、光伝送は大容量、電磁ノイズの影響を全く受けない等の理由で通信幹線に広く用いられている。大規模に市販されている石英系の単一モードファイバは、圧倒的な低損失、広帯域を特長とする。この特長を生かして長距離の大容量通信幹線に用いられている。
【0003】
また、プラスチック系はSI型の多モード型が市販されており、石英系単一モードファイバとはもちろん石英系GIファイバやプラスチッククラッド石英コアファイバに比較しても大口径、高開口数で光源のアラインメント等が容易であり、かつ、柔軟で取り扱い性がよいため、切りつなぎなどの接続操作が簡単である。しかもこうした作業に高価な装置が不要なので接続コストが安価である。この特長を生かして、データリンクなどの短距離通信やセンサー等への応用が浸透しつつある。また今後、FA用、OA用などフロアー内外の機器間LANのような施設網やFTTH(Fiber To The Home)における末端配線など、石英系ファイバではコスト高がネックとなって導入が進まない、接続点の多い近距離の情報伝送線として期待されている。また、柔軟性に優れているため振動する環境でも破損や劣化しにくく、この点で石英系よりもはるかに優れ、自動車、電車、飛行機などの移動体中のネットワークなど信号伝送線への応用も図られている。
【0004】
これらの通信用途においてはデジタル信号を高速で伝送することで大容量化が実現できる。しかし、市販されているSI型プラスチック光ファイバの帯域は通常高々5MHz・km程度であり、中高速LANなどの用途には帯域が不足している。
この状況に対応するために断面の半径方向に円筒対称に連続的な二次屈折率分布を形成させたGI型プラスチック光ファイバを開発する動きが活発化してきている。
【0005】
このようなGI型プラスチック光ファイバの製造法としては、まず屈折率分布のついた円柱状のプリフォームロッドを製造しこれを熱延伸して屈折率分布を有するファイバに賦形する方法が知られている。このようなプリフォ−ムロッドの製造方法としては、1)屈折率の異なる2種以上の単量体混合物を界面ゲル重合法で重合させ、共重合組成比を変化させることによって半径方向に屈折率分布をもたせたもの(特開平4−97302号公報、特開平4−97303号公報、特開平5−173025号公報及び特開平5−173026号公報等)、または2)非重合性異屈折率物質(ド−パント)の存在下に単量体を重合させ、ド−パントの存在量を変化させることによって半径方向に屈折率分布をもたせたもの(国際公開WO93/08488号等)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記1)の方法で得られるGI型ファイバはファイバ中のミクロな相分離に起因する散乱損失が大きいために伝送損失が低いものが得られ難い点が問題である。前記2)の方法で得られるGI型ファイバは使用中に光ファイバ中のドーパントが徐々に移動するおそれがあり、長期使用時の性能の安定性、特に高温下での耐久性に問題がある。また、従来のSIファイバでは伝送帯域が狭すぎる点が問題である。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み、実用的な伝送帯域、伝送損失、長期使用時の性能の安定性を有する多モードSI型プラスチック光ファイバを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、メタクリル酸エステル系樹脂をコアとし、フッ化ビニリデン系樹脂1〜50重量%とメタクリル酸エステル系樹脂99〜50重量%との均一な混合物をクラッドとするコア−クラッド構造であって、開口数NAが0.04〜0.35であるプラスチック光ファイバにある。
また、本発明の要旨は、この光ファイバのコアとクラッドとの界面にフッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂との混合物からなり、混合物中のフッ化ビニリデン系樹脂の含有量が外周方向に向かって連続的に増加する、好ましくは厚さ5〜50μmの中間層が形成されてなるプラスチック光ファイバにある。この光ファイバにおいては、クラッドを構成するフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が40万以下であり、また、クラッドを構成するメタクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量が15万以下であることが好ましい。
【0009】
以下、本発明を詳しく説明する。
前述のように従来のプラスチック光ファイバは広帯域化するために伝送損失または長期耐久性を犠牲にしている。本発明はこれらの性能を犠牲にすることなく広帯域化を達成したプラスチック光ファイバを提供するものである。
【0010】
コア材成分としてのメタクリル酸エステル系樹脂を連続塊状重合しこれを直接紡糸機に供給してクラッド材成分とともに複合紡糸する方法があり、市販されているSI型プラスチック光ファイバの中ではこの方法で製造されたものが最も低い伝送損失を示すことが知られている。そこで本発明者等は、低損失で広帯域のプラスチック光ファイバを得るためにこの手法を利用することを考えた。
【0011】
一方、多モード型光ファイバのモード分散すなわち帯域が開口数NAに依存することも知られており、NAが小さくなるほどモード分散が低下し広帯域となる。
【0012】
しかしながら広帯域化を目的としてNAを小さくすることはこれまでに検討されることがなかった。本発明者等は、クラッド層の屈折率を制御すること及びクラッド層の光学的均質性を確保することによって、伝送損失が小さくて性能が長期間安定で帯域が広い光ファイバを完成することに成功したものである。
【0013】
光ファイバの伝送損失の要因としてコア−クラッド間の界面不整によるモード変換やクラッド中ににしみだした光の散乱がある。そこで本発明者等は、伝送損失を増加させないための手段としてクラッド材の均質化を図ることを考えた。
【0014】
また、コアの屈折率をn、クラッドの屈折率をnとすると開口数NAは、NA=(n −n 1/2として表され、コアとクラッドの屈折率の値に依存する。そこで本発明者等は、低NA化を達成するための手段としてクラッド層の屈折率を制御することを考えた。
【0015】
クラッドの屈折率を適当な値に制御するためにはクラッド材料の選定が重要であり、クラッド材料として例えば、▲1▼本来単体でその屈折率を有する材料を用いる、▲2▼所望の屈折率を与えうる二種以上の単量体を適当な組成で共重合した共重合体を用いる、▲3▼所望の屈折率を与えうる二種以上の高分子のブレンド物を用いる、といった方法が考えられる。
【0016】
しかし、高分子−高分子のブレンド物が光学的に均質に混合されたものとなりうる組合せが希であるため、一般に▲3▼の方法で得られるクラッド材は光学的に不均質で光散乱が大きく、その結果このブレンド系はクラッド材としては不向きであると考えられがちである。
即ち、高分子−高分子のブレンド物をクラッド材として使用する場合は、単にブレンド物の屈折率の制御の観点からのみからその組み合わせ及び組成を選定することはできず、ブレンド物の光学的な均質性にも着目して選定することが必要となる。
【0017】
そこで本発明者らはポリマーブレンド物の光散乱の要因について共重合体の場合と比較しつつ考察した。共重合の場合では同種のモノマーが連続する数と割合は共重合反応性比で統計的に決定される。すなわち異なるモノマーの間に反応性比の差がある限りは、同種のモノマーが連続する確率はある分布を持って有限であり、現実に製造しうる共重合体ではほとんどの場合が同種のモノマーが連続する部分が存在する。このことは、いかにランダムな共重合体といえども、それぞれのホモポリマー間に相溶性が乏しければ、ミクロ的には相分離構造が生じ、その結果光散乱損失が増大する危険を有していることを意味する。従って散乱損失を軽減させるためは、共重合のランダム性を高めるよりはむしろ、それらのホモポリマー間の相溶性を高めることが重要であるといえる。つまり分子レベルでの相溶性を有する組合せであれば共重合体であれ、ホモポリマー同士の混合物であれ光学的な均質性は同等であり、光学的な均質性については、相溶性を有するホモポリマー同士の混合物の方が相溶性に乏しいモノマー同士のランダム共重合体よりも優れていると考えられる。
【0018】
本発明者らはこれらの知見に基づき鋭意検討した結果、高分子−高分子相溶系のうち、分子相溶するポリフッ化ビニリデン系樹脂とポリメタクリル酸系樹脂の組合せからなる高分子−高分子複合系をクラッド層に用いた系がこの目的には最適であることを見いだした。
また、クラッドの屈折率の制御の観点からもこの両者の組み合わせは最適であり、コア材との密着性等との関係からもこの両者の組み合わせは最適である。
【0019】
即ち、本発明の光ファイバのクラッド材は本質的にコア材と相溶性であり、コア材と同種の高分子を含有しているために、1)コア−クラッド間の界面の密着性が非常によい、2)コア材とクラッド材の紡糸時のダイナミックスが近くコア−クラッド間の界面不整を低減化できる、更に、3)高分子−高分子間の溶融拡散により界面の組成を連続的に変化させることができ、NAを変化させないでさらに広帯域化ができる、といった非常に優れた特徴を併せ持っている。
【0020】
本発明においてポリフッ化ビニリデン系樹脂とは、例えばフッ化ビニリデンのホモポリマー、またはフッ化ビニリデンと共重合可能な単量体との共重合体をいう。共重合可能な単量体としては、例えばフッ化ビニル、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンなどがあるがこれらに限定されるものではない。
【0021】
また、メタクリル酸エステル系樹脂とは、メタクリル酸メチルのホモポリマー、またはメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体との共重合体をいう。共重合可能な単量体としては、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル等の他のメタクリル酸エステル類、また耐熱性向上に寄与するマレイミド類、5員環ラクトン類があるがこれらに限定されるものではない。
【0022】
本発明においてクラッド材に使用するフッ化ビニリデン系樹脂/アクリル酸エステル系樹脂の混合比は、1/99〜50/50(重量%)である。これはフッ化ビニリデン系樹脂が50重量%を超えると混合物中のフッ化ビニリデン系樹脂の結晶成長速度が十分速く、熱溶融賦形時に球晶の成長が起きないように急冷操作等をして紡糸を行ったとしても、温湿度条件によっては徐々に球晶が成長し界面不整や光散乱を引き起こし、ひいては伝送損失増加の原因となるためである。この範囲内で所望の帯域を得るべくクラッド材の屈折率を選ぶことができるが、より広帯域のファイバを得るためには低開口数であること、即ちクラッド材の屈折率がコア材の屈折率により近いことが望ましい。しかし開口数が小さすぎると光源として用いるLD(半導体レーザ)やLED(発光ダイオード)とファイバとの結合効率の低下を避けるために十分な寸法精度や集光等のための光学部品が必要となり、接続やアラインメントの容易さが損なわれる。この観点から両樹脂の混合比は20/80〜50/50(重量%)であることがより好ましい。
【0023】
本発明の光ファイバには、取り扱い性や耐熱性、耐溶剤性、耐湿性などの信頼性向上のためなどに、保護層を被覆することも可能である。また、保護層としてクラッド層よりも高屈折率の透明素材を適宜選択し被覆することによって最も広帯域となるように屈折率分布形状を最適化することも可能である。また、さらにファイバの形態としては断面円形、楕円形等が可能であるがこれらに限定されない。光ファイバとして用いる場合は取り扱い性、光源、受光素子との接続の容易さなどの点で円形断面が好ましい。
【0024】
次に本発明の光ファイバの製造方法について説明する。
本発明のコア−クラッド構造のプラスチック光ファイバは、コア材用の樹脂を連続塊状重合しペレット化することなく直接紡糸機に供給する連続塊状重合−直接紡糸法、ロッド状の前駆体(プリフォーム)から熱延伸などにより紡糸するプリフォーム紡糸法、コア材のペレット状物を押し出し機から押し出して紡糸するペレット紡糸法、いずれによっても製造可能であるが、伝送損失を低く保つ上で連続塊状重合−直接紡糸法が望ましい。このとき、NAを変化させないでさらに広帯域化するために、ノズルの形状や紡糸条件を適宜選定して紡糸ノズル中の滞在時間と温度を制御することでコア−クラッド界面に熱溶融拡散によるフッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂との混合物であってフッ化ビニリデン系樹脂の含有量が外周方向に向かって連続的かつなだらかに増加する中間層を形成することが可能である。
【0025】
この方法においては実用上可能な拡散速度を確保するために、フッ化ビニリデン系樹脂の分子量が十分低く基材中での拡散速度が十分速いことが必要となる。従って、この場合クラッド材に使用するフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は40万以下であることが好ましく、20万以下であることが更に好ましい。また、クラッド材に使用するメタクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量は15万以下であることが好ましく、10万以下であることが更に好ましい。
【0026】
クラッド材はメタクリル酸エステル系樹脂とフッ化ビニリデン系樹脂を単軸または2軸のスクリュー型押し出し機で混合、混練押し出しする方法等により得ることができる。この場合、押し出し機は単軸よりも2軸の方が混合効率が良いため、より短い滞在時間でより均一な混合ができ、熱履歴による樹脂の劣化を最小限にできるので好ましい。得られたクラッド材用ブレンド物を一旦ペレット状や顆粒状などに成形した物を、紡糸ヘッド部のクラッド材供給用の押し出し機の原料供給口へ投入して複合紡糸してもよいが、クラッド材混合用の押し出し機でブレンドしたクラッド材を直接紡糸ヘッド部に供給する方法を採用すると工程が簡略化されかつ熱履歴による樹脂の劣化を防ぐことができる。さらに、連続塊状重合−直接紡糸のプロセスを採用する場合は、クラッド材用のメタクリル酸エステル系樹脂をコア材用の連続塊状重合のラインから分岐して得て、フッ化ビニリデン系樹脂との混合・供給用の押し出し機に直接供給し、混合し、押し出し、複合紡糸することが好ましい。即ち、この方法によると工程が更に簡略化され、かつメタクリル酸エステル系樹脂の熱劣化が低減される。
【0027】
また、共溶媒による溶解混合ではN,NジメチルホルムアミドやN,Nジメチルアセトアミドなどを用いることができるが、残留溶媒は溶融賦形時に樹脂の劣化を促進するので、脱溶媒のための種々の工夫が必要となり工程が煩雑となるため溶融混合方式の方が好ましい。
【0028】
通常メタクリル酸エステル系樹脂を用いたプラスチック光ファイバはガラス転移点以上の温度に保持して延伸操作などにより強度を付与しているが、フッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂の均一混合物は機械的特性にも優れ、未延伸でも曲げや引っ張りに対する特性に優れている。即ち本発明光ファイバのクラッド材は、高靱性で機械的特性が非常に良好なので、ファイバの機械的特性を確保するために行われる延伸工程を省略することも可能である。延伸が不要であるということはガラス転移点付近でも熱による収縮が少ないことを意味しており、延伸した光ファイバに比べより高温までファイバ形態を元のまま維持できるということを意味している。従って、従来、自動車内などの高温雰囲気中で使用する場合に問題となっていた熱変形温度における延伸緩和によるファイバの変形が低減でき、光ファイバの耐熱性向上にも寄与する。尚、より高い機械的強度を付与するためには紡糸後の光ファイバを適宜延伸することもできる。
【0029】
以上は紡糸法により光ファイバを製造する方法であるが、押し出し機等でまず直径が10mm程度以上のコア−クラッド構造の円柱状物をつくり、このものを一端から順次加熱延伸によりファイバ化する方法によっても本発明の光ファイバを得ることができる。
【0030】
これらの製造法で得られた多モード型プラスチック光ファイバを、帯域向上を目的として適当な温度条件で熱処理し、コア−クラッド界面に熱溶融拡散により組成分布を有する中間層を形成することも可能である。この方法においてはノズル中での熱溶融拡散を利用した中間層形成方法の場合と同様に、樹脂成分の実用上可能な拡散速度を確保するために各樹脂は前記と同程度の分子量を有することが好ましい。
【0031】
光ファイバのクラッド材のガラス転移点はブレンド組成に依存するが、熱処理による中間層形成の温度条件としてはクラッド材のガラス転移点以上であることが必要である。熱処理時間を短縮するためには熱処理温度は150℃以上であることが好ましい。また、さらに高温で処理するときは、予めシリコーンゴムなどの熱変形が小さいかもしくは殆ど無い耐熱性のジャケット材で光ファイバを被覆してから熱処理をすることが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下に、この発明を実施例に基づき具体的に説明する。
実施例1
2軸混練押し出し機を用いてポリフッ化ビニリデン/ポリメタクリル酸メチル=48/62(重量%)の均一な混合物を得、これをクラッド材とした。また連続塊状重合によって製造したポリメタクリル酸メチルをコア材として用いた。これらのクラッド材とコア材を紡糸機に供給してファイバ直径;1000μm、コア直径;980μmのコア−クラッド構造の光ファイバを得た。尚、コア材は連続塊状重合したものを直接紡糸機に供給した。
【0033】
100m長のファイバで−3dB帯域を測定したところ150MHzであった(測定装置;浜松ホトニクス社製 光サンプリングオシロスコープ、光源;東芝製半導体レーザTOLD9410 発光波長650nm、励振NA;0.85 全モード励振)。また、このファイバの0.5mでのFFP(Far Field Pattern)の、Full Width 5% Maximum値より求めたNAは0.310であった。さらにこのプラスチック光ファイバの伝送損失は135dB/km(測定法;25m−5mカットバック法、波長;650nm、入射NA=0.1)であった。半導体レーザ(TOLD9201)との結合効率は−2.7dBであり、後述の比較例1に対して−1.2dBであった。
【0034】
またこのファイバを85℃雰囲気中に1000時間放置した後の伝送損失の増加は30dB/kmであり、良好な経時安定性を示した。
【0035】
本実施例のプラスチック光ファイバは中高速LANなどに必要な150MHz以上の帯域を有している。また、伝送損失も比較的小さく、100m以上での使用に十分耐える性能を有している。さらに、低NA化したにも拘わらず光ファイバの結合損失の増大は極わずかである。
実施例2
クラッド材としてポリフッ化ビニリデン/ポリメタクリル酸メチル=41.7/58.3(重量%)の均一混合物を用い、それ以外は実施例1と同様にして光ファイバを製造した。100m長のファイバで−3dB帯域は125MHzであった。また、NAは0.324であり、伝送損失は135dB/kmであった。半導体レーザとの結合効率は比較例1に対して−0.7dBであった。
【0036】
実施例3
クラッド材としてポリフッ化ビニリデン/ポリメタクリル酸メチル=50/50(重量%)の均一混合物を用い、それ以外は実施例1と同様にして光ファイバを製造した。100m長のファイバで−3dB帯域は160MHzであった。また、NAは0.341であり、伝送損失は135dB/kmであった。半導体レーザとの結合効率は比較例1に対して−0.8dBであった。
【0037】
実施例4
実施例3と同様にして製造した光ファイバを190℃で30分間熱処理しコアとクラッドの界面に溶融混合された厚み45μの中間層を形成させた。尚、ファイバの外周部から中心方向に向けて96μmの部分について薄片サンプルを切り出し、インタ−ファコ干渉顕微鏡を用いて微分干渉法で屈折率分布を測定することによって中間層の厚さを測定した。
【0038】
100m長のファイバで−3dB帯域は180MHzであり、実施例3のものより伝送帯域は更に広がった。
【0039】
比較例1
実施例1の方法に従い、市販のプラスチック光ファイバ(三菱レイヨン製エスカプレミア、品番;GH4001、ファイバ直径;1000μm、コア直径;980μm)の−3dB帯域を測定したところ50MHzであった。またNAは0.511であり、伝送損失は135dB/kmであった。半導体レーザ(TOLD9201)との結合損失は−1.5dBであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明のSI型光ファイバは伝送帯域が広く、伝送損失が低く、かつ長期使用時の性能安定性に優れている。

Claims (5)

  1. メタクリル酸エステル系樹脂をコアとし、フッ化ビニリデン系樹脂1〜50重量%とメタクリル酸エステル系樹脂99〜50重量%との均一な混合物をクラッドとするコア−クラッド構造であって、開口数NAが0.04〜0.35であるプラスチック光ファイバ。
  2. 前記コアと前記クラッドとの界面にフッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂との混合物からなり、混合物中のフッ化ビニリデン系樹脂の含有量が外周方向に向かって連続的に増加する中間層が形成されてなる請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 前記中間層の厚さが5〜50μmであることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック光ファイバ。
  4. 前記クラッドを構成する前記フッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が40万以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 前記クラッドを構成する前記メタクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量が15万以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプラスチック光ファイバ。
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