JP3576150B2 - 中継装置と電源制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、相手機器の電源制御ができる有線ネットワーク同士を無線ネットワークで接続して電源制御を行う中継装置と電源制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、米国電気電子技術協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers)が規格化したものにIEEE1394がある。IEEE1394は、コンピュータと周辺機器を結ぶリアルタイム伝送の機能を備えるシリアル・インターフェイスであり、物理層、リンク層、トランザクション層などから構成されている。
【0003】
ところで、パフーセーブモードとしては、物理層だけを起動させ、上位層を休止状態にする。このときのIEEE1394は、リピータとしてのみ動作し、他機器から送信されたリンクオン(Link on)パケットを受信することで上位層あるいはシステム全体を動作させることができる。
【0004】
また、無線アクセスに関して規格化したIEEE802.11がある。この場合のパワーセーブモード(Power Saveモード)中の移動局(STA)は、基地局(AP)の送出するビーコン信号(自ノード宛てのデータの存在を示すフラグがある)の周期にあわせて、休止状態と受信可能な状態への起動を繰り返す。基地局(AP)のパワーセーブモードについては特に言及されていない。
【0005】
また、特開平9−162798号公報には、基地局及び移動局を含む無線LAN等の無線通信システムにおいて、スループット向上及び省電力化を図る技術が開示されている。基地局には移動局のデータを一時保管しておくことができる。基地局が発信するビーコン信号には、どの移動局宛てのデータを一時保管しているかという情報が含まれている。間欠電源投入型移動局が一時保存されているデータの送信要求を出した場合、基地局はそのデータを常時電源投入状態の通常移動局への送信データより優先して送信する。また、基地局は、間欠電源投入型移動局への送信データ量に応じて、間欠電源投入型移動局に対するビーコン信号の発信間隔を変更するビーコン信号発信間隔を変更する。
【0006】
図14、15は、従来の有線インターフェイスと無線インターフェイスとをつなぐネットワーク中継装置(以下、ブリッジと記述する)を用いた機器の接続構成を示すものである。
【0007】
図14において、コントローラ機器101にブリッジ103が接続され、ターゲット機器102にブリッジ104が接続された構成とする。ブリッジ103とブリッジ104とは無線通信される。
【0008】
図15は、ブリッジ103、ブリッジ104の構成を示す。図15において、有線インターフェイス201と無線インターフェイス203とは、パケット変換手段202にて変換接続されている。また、有線インターフェイス201には、有線用待機制御手段204が接続され、無線インターフェイス203には無線用待機制御手段205が接続されている。
【0009】
IEEE1394では、従来のシリアルバスと違い、マスタとスレーブの関係は、動的に変更する仕様になっている。
【0010】
また、コントローラ機器101、ターゲット機器102(特定機能のマスタ、スレーブに相当する)は、ユーザが設置、接続するまでその関係は分からない。
【0011】
一般に映像を扱う場合、有線インターフェイス201間では同期伝送を用いる。このためブリッジのうち1台は、無線インターフェイス203として集中制御ができるポーリングを行うため無線伝送に基地局(AP)が使用される。
【0012】
また、有線インターフェイス201と無線インターフェイス203で使用するパケットのフォーマットやタイムスタンプの周期は一般的に異なる。そのため、ブリッジには、タイムスタンプ周期の大きいほうにあわせてバッファし、パケット・フォーマットを送り先のインターフェイスにあわせるパケット変換手段202が必要になる。
【0013】
上述したようにコントローラ機器とターゲット機器との関係は、ユーザが設置、接続するまで分からない。そこで、ブリッジにおける電源管理(低消費電力モード)を行う際、低消費電力モードを制御するIEEE1394(有線インターフェイス)の有線用待機制御手段204と、無線インターフェイスの無線用待機制御手段205が設けられる。
【0014】
しかしながら、現状では、コントローラである機器が操作を受ける対象(ターゲット機器)になることはほとんど無く、コントローラ、ターゲットの関係は固定されている場合がほとんどである。IEEE1394(有線インターフェイス)と無線インターフェイスには、それぞれ有線待機手段204と無線待機手段205が存在するものの総合的な電源管理方法が無いため、無駄な待機電力を消費する恐れがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、有線インターフェイス(IEEE1394)と無線インターフェイスには、それぞれ有線待機手段と無線待機手段が存在するものの総合的な電源管理方法が無く無駄な待機電力を消費する恐れがあり、低消費電力モードへの移行、復帰という電力管理が効率良くできないという問題があった。
【0016】
そこで、この発明は、ユーザに煩雑な操作を要求することなく、低消費電力モードに移行し、通信が再開されたときに低消費電力モードから復帰する電力管理を効率良く行うことのできる中継装置と電源制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明の中継装置は、第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有する中継装置において、上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、また、第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換する変換手段と、この変換手段で扱うパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択する選択手段と、この選択手段で選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行う電源制御手段とから構成されている。
【0018】
この発明の電源制御方法は、第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有する中継装置の電源制御方法であって、上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、または第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、この変換されるパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択し、この選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る有線インターフェイスと無線インターフェイスとをつなぐネットワーク中継装置(以下、ブリッジと記述する)を用いた機器の接続構成を示すものである。図1において、コントローラ機器3にブリッジ1が接続され、ターゲット機器4にブリッジ2が接続されている。ブリッジ1とブリッジ2とは無線通信される。コントローラ機器3は、例えば、デジタルテレビ等である。また、ターゲット機器4は、例えば、デジタルビデオテープレコーダ等である。
【0021】
図2は、ブリッジ1とブリッジ2との構成例を示すものである。
【0022】
ブリッジ1は、コントローラ機器3に接続される第1のネットワークインターフェイスとしての有線インターフェイス11、パケット変換手段12、第2のネットワークインターフェイスとしての無線インターフェイス13、コントローラ判定手段14、及び電源制御手段15とから構成されている。有線インターフェイス11は、IEEE1394とする。
【0023】
有線インターフェイス11と無線インターフェイス13との間で使用されるパケットは、一般的に転送サイクルやサイズあるいはフォーマットが異なる。そのためパケット変換手段12は、有線インターフェイス11のパケットをから無線インターフェイス13で使用するパケットへ変換し、また、無線インターフェイス13のパケットを有線インターフェイス11のパケットに変換する。
【0024】
また、ブリッジ2は、ターゲット機器4に接続される第1のネットワークインターフェイスとしての有線インターフェイス21、パケット変換手段22、第2のネットワークインターフェイスとしての無線インターフェイス23、コントローラ判定手段24、及び電源制御手段25とから構成されている。有線インターフェイス21は、IEEE1394とする。
【0025】
パケット変換手段22は、有線インターフェイス21のパケットをから無線インターフェイス23で使用するパケットへ変換し、また、無線インターフェイス23のパケットを有線インターフェイス21のパケットに変換する。
【0026】
次に、このような構成においてブリッジ1の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
コントローラ判定手段14は、有線インターフェイス11と無線インターフェイス13のうち、どちらのネットワークインターフェイスにコントローラ機器3が接続されているかを判定する。
【0028】
まず、コントローラ判定手段14は、パケット変換手段12で扱われるパケットの種類をチェックする(ステップ1001)。
【0029】
このとき2つの監視方法が考えられる。有線インターフェイス11から無線インターフェイス13へ送られるパケットと、その逆方向に送られるパケットとの両方を監視する方法と、パケットの性質を利用してその片方のみを監視する方法とがある。
【0030】
IEEE1394で扱うパケットの先頭には、図4に示すようなパケットヘッダが存在する。そのパケットヘッダのTcodeと呼ばれる4ビットのコンポーネントを参照することでパケットの種類を知ることができる。例えば、映像データを構成するアイソクロナス(Isochronous)・データ・パケットに対するTcodeは、「1010B」である。
【0031】
コントローラ機器3は、ターゲット機器4のレジスタの書き換えや、AV/Cコマンドと呼ばれる外部機器を操作するコマンドを用いてターゲット機器4を操作する。
【0032】
レジスタの書き換えに使用されるパケットの種類は、ロック・リクエストである。また、AV/Cコマンドには、書き込みリクエストというパケットの種類が使用される。よって、コントロール判定手段14は、パケットヘッダのTcodeが、書き込みリクエストを表す「0000B」、「0001B」、あるいは、ロック・リクエストを表す「0000B」、「1001B」であるかをチェックする。
【0033】
また、AV/Cコマンドには、相手機器の電源状態を制御するコマンドや、再生や録画を行わせるコマンドといったコントロール機器3が主に使用するコマンド群が存在する。従って、さらにパケットの内容を詳しく解析することで判定精度を上げることができる。
【0034】
すなわち、コントロール判定手段14は、有線インターフェイス11と無線インターフェイス13から送られてくるパケットに対し、このようなコマンド群を含んでいないかを監視し、検知した方のネットワークインターフェイスを選択する。
【0035】
また、このようなIEEE1394パケットは、要求とその応答の対になっているので、パケット変換手段12に送られてくる有線インターフェイス11からのパケットを監視すれば、コントローラ機器3が接続されているネットワークインターフェイスの選択が行える。例えば、電源制御に関するAV/Cコマンドが送られてきた有線インターフェイスを選択し、電源制御に関するAV/Cコマンドの応答が送られてきたら無線インターフェイスを選択すれば良い。
【0036】
また、コントローラ判定手段14が、無線インターフェイス13を介して判定結果を通信しあうことで、低消費電力モードに移行する際の動作を同期させることができる。このようなパケットの監視を行い、コントローラ判定手段14は、コントローラ機器3が接続されているネットワークインターフェイスを選択する(ステップ1002)。
【0037】
ここで、コントローラ判定手段301は、選択が完了したことを電源制御手段15に通知する。
【0038】
パケット変換手段12は、有線インターフェイス11と無線インターフェイス13とから入力を受け付ける。そこで、コントローラ判定手段14は、パケット変換手段12が変換、逆変換を行わない状態がある一定時間続いたか否かを監視することでパケット伝送が中断されているか否かを判定することができる。この場合、コントローラ判定手段14は、判定結果を電源制御手段15に通知する。
【0039】
あるいは、電源制御手段15が、直接、有線インターフェイス11と無線インターフェイス13を監視することでもパケット伝送の中断を判断することができる。このような方法で電源制御手段15は、パケット伝送の中断を検知することができる。
【0040】
コントローラ判定手段14から選択完了通知を受けている状態で、電源制御手段15がパケット伝送の中断を検知した場合、あるいは無線通信相手のブリッジ2から低消費電力モードヘの移行通知を受信した場合、電源制御手段15は、有線インターフェイス11と無線インターフェイス13への電源供給を制御して低消費電力モードへ移る(ステップ1003)。
【0041】
このときの低消費電力モードヘの動作は、当該装置の無線インターフェイス13が「基地局(AP)」であるか否かにより動作が異なり、また、コントローラ判定手段14の結果に応じて動的に動作を変える。無線インターフェイスには、基地局(AP)とステーション(STA)とがある。
【0042】
図5に示すようにステーション(STA)は、基地局(AP)に対して帰属要求を出し、基地局(AP)が中心となって作るサービスエリアであるBSS(Basic Service Set)に登録され、その後に通信が行われる。
【0043】
ここで、図2に示すブリッジ1の無線インターフェイス13が基地局(以下、APと記述する)、ブリッジ2の無線インターフェイス23がステーション(以下、STAと記述する)とする。
第1実施例について説明する。
【0044】
この第1実施例では、APとしてのブリッジ1から低消費電力モード(パワーセーブモード、スタンバイモード)に移行すると共に、STAとしてのブリッジ2も低消費電力モードに移行させる。
【0045】
まず、ブリッジ1のコントローラ判定手段14が有線インターフェイス11を選択している場合に電源制御手段15が行う低消費電力モードについて図6のフローチャートを参照して説明する。
【0046】
コントローラ判定手段14は、無線インターフェイス13を介して通信相手のブリッジ2に低消費電力モードへ移行する旨を通知する(ステップ1101)。このときに、コントローラ判定手段14は、ブリッジ1の有線インターフェイス11とコントローラ機器3が接続されていることを通知するようにしても良い。
【0047】
続いて、無線インターフェイス13がブリッジ2からの正常終了応答を受信した際(ステップ1102)、当該装置の低消費電力モードヘの移行が開始される。
【0048】
ところで、IEEE802.11の無線インターフェイスでは、図5に示すような手順を経て、APが開設したBSSにSTAが登録される。また、そのBSSから登録解除のためのパケットが存在する。APが使用する登録削除パケットは、登録している全てのSTA宛て(ブロードキャストアドレス)に送られる。STAは、APに宛てて登録削除パケットを送信することで登録削除を行う。
【0049】
そこで、図7に示すように、ブロードキャストアドレス宛てに登録解除のパケットを送信することで、低消費電力モード移行の通知をブリッジ1からブリッジ2へ行ってもよい。また、その低消費電力モード移行通知の応答として、AP宛ての登録解除パケットを使用できる。
【0050】
電源制御手段15は、無線インターフェイス13が正常終了応答を受信したことを検知した際、無線インターフェイス13の電源供給を遮断する(ステップ1103)。
【0051】
さらに、電源制御手段15は、有線インターフェイス11をスリープモード(スタンバイモード)に移行する(ステップ1104)。このスタンバイモードは、有線インターフェイス11がパケットを受信した際、その受信を表す割り込み等で起動するもので、さらに消費電力を抑えることができる。
【0052】
IEEE1394の場合、図8のようなリンクオン(Link On)パケットと呼ばれるパケットがあり、スタンバイモード中の機器の上位層を起動させることができる。これは、IEEE1394ネットワーク上に一意につけられる番号であるPhyIDにより機器を指定して使用することができる。すなわち、ブリッジ1の有線インターフェイス11でリンクオン(Link On)パケットを検知することで、ブリッジ1全体の低消費電力モードから復帰することができる。
【0053】
次に、ブリッジ2のコントローラ判定手段24が無線インターフェイス23を選択している場合に、電源制御手段25が行う低消費電力モードについて図9のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
ブリッジ2の無線インターフェイス23が、図7に示すようなブロードキャストアドレス宛ての登録解除パケット等により通信相手のブリッジ1の無線インターフェイス13から低消費電力モードヘの移行通知を受信した際(ステップ1201)、当該ブリッジ2の低消費電力モードヘの移行が開始される。
【0055】
電源制御手段25は、無線インターフェイス23が低消費電力モードヘの移行通知受信を検知した際、有線インターフェイス21の電源供給を遮断する(ステップ1202)。
【0056】
一方、無線インターフェイス23は、当該ブリッジ2が低消費電力モードヘ移行した旨、AP宛ての登録削除パケット等により移行通知の応答(正常終了の通知)を送信する(ステップ1203)。
【0057】
続いて、電源制御手段15は、無線インターフェイス23を、再開したブリッジ1からのビーコン信号だけが受信できるスリープモード(パワーセーブモード)にする(ステップ1204)。このパワーセーブモードにより、さらに消費電力を抑えることができる。
【0058】
従来のSTA側のパワーセーブモードは、無線インターフェイスの送信手段を停止させ、一般にAPのビーコン間隔にあわせて受信手段を定期的に起動してビーコン信号を受信する。このときに受信するビーコン信号には、APがどのSTA宛にデータを保存しているかといった情報が含まれる。このとき、APが自分のSTA宛てのデータを保存している場合には、送信手段も起動させ、そのデータを送るよう要求する。
【0059】
本実施例のAP(無線インターフェイス13)は、低消費電力モード中は電源供給を断たれているのでビーコン信号の送信は行わないが、STA側では従来どおり、APが起動していた時点のビーコン信号間隔に合わせて定期的に起動して受信を行う。
【0060】
また、APから全くビーコン信号が発信されない状態が長く続いた場合、両ブリッジが保有する図示しないタイマにずれが生じることが考えられる。そこで、タイマ間のずれを修正するため、電源制御手段15は、起動していたときに受信していたビーコン信号の整数倍の間隔でAPへの電源供給を再開してビーコン信号を送信する。
【0061】
第2実施例について説明する。
【0062】
この第2実施例では、STAとしてのブリッジ2からから低消費電力モードに移行すると共に、APとしてのブリッジ1も低消費電力モードに移行させる。
【0063】
まず、ブリッジ2のコントローラ判定手段24が有線インターフェイス21を選択した場合に、ブリッジ2の電源制御手段25が行う低消費電力モードについて図6のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
コントローラ判定手段24は、図10に示すように、APつまりブリッジ1宛ての登録削除パケットにより、無線インターフェイス23を介して通信相手のブリッジ1に低消費電力モードへ移行する旨を通知する(ステップ1101)。
【0065】
続いて、無線インターフェイス23がブリッジ1からの正常終了応答を受信した際(ステップ1102)、当該ブリッジ2の低消費電力モードヘの移行が開始される。
【0066】
電源制御手段25は、無線インターフェイス23が正常終了応答受信を検知した際、無線インターフェイス23の電源供給を遮断する(ステップ1103)。
【0067】
さらに、電源制御手段25は、有線インターフェイス21をスリープモード(スタンバイモード)に移行する(ステップ1104)。
【0068】
次に、ブリッジ1のコントローラ判定手段14が無線インターフェイス13を選択している場合に、電源制御手段15が行う低消費電力モードについて図9のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
ブリッジ1の無線インターフェイス13が、通信相手のブリッジ2から低消費電力モードヘの移行通知を受信した際(ステップ1201)、当該ブリッジ1の低消費電力モードヘの移行が開始される。
【0070】
電源制御手段15は、無線インターフェイス13が低消費電力モードヘの移行通知受信を検知した際、有線インターフェイス11の電源供給を遮断する(ステップ1202)。
【0071】
一方、無線インターフェイス13は、当該ブリッジ1が低消費電力モードヘ移行した旨、STA宛ての登録削除パケット等により移行通知の応答(正常終了の通知)を送信する(ステップ1203)。
【0072】
続いて、電源制御手段15は、無線インターフェイス13のビーコン信号の送出を停止してスリープモード(パワーセーブモード)にする(ステップ1204)。
【0073】
ところで、STAは、当該装置の周りにAPやほかのSTAが存在しないかを検索するため、プローブリクエストと呼ばれるパケットを送出する。プローブリクエストには、SSID(Service SetID)と呼ばれるワークグループを指定するパラメータを持っている。これを受信した同じワークグループに所属するSTAやAPは、ビーコン信号間隔、どの転送方法に対応しているかなどの能力情報を含むパケットでプローブリクエストに応答する。
【0074】
電源制御手段15は、送出停止前のビーコン信号と同じ間隔で無線インターフェイス13の受信手段を再起動させる。この受信手段の再起動により、プローブスキャンの受信を試みる。
【0075】
このように、プローブリクエストを受信した際に、ブリッジ1全体が低消費電力モードから復帰できるよう電源制御手段15は、起動できるように無線インターフェイス13をパワーセーブモードに入る制御を行う。
【0076】
次に、低消費電力モードからの復帰について説明する。
【0077】
復帰についても当該ブリッジ1,2の無線インターフェイス13,23がAPであるかどうかとコントローラ判定手段14,24の結果に応じて動作を変える。
【0078】
なお、上述した第1,2実施例と同様に以下の第3,4実施例でも、ブリッジ1の無線インターフェイス13がAPで、ブリッジ2の無線インターフェイス23がSTAであるとする。
【0079】
第3実施例について説明する。
【0080】
ブリッジ1のコントローラ判定手段14が有線インターフェイス11を選択した場合に電源制御手段15が行う低消費電力モードからの復帰について図11を参照して説明する。
【0081】
コントローラ機器3が伝送を再開して有線インターフェイス11がパケットを受信した際(ステップ1301)、当該ブリッジ1の低消費電力モードからの復帰が開始される。このとき、割込み信号等により有線インターフェイス11はパケットを受信したことを電源制御手段15に通知する。
【0082】
電源制御手段15は、通知を受けて有線インターフェイス11のスリープモードを解除すると共に、無線インターフェイス13への電源供給を再開させる(ステップ1302)。起動した無線インターフェイス13は、ビーコン信号の送出を再開する。これを受けて低消費電力モード中のブリッジ2が起動する。起動したブリッジ2の無線インターフェイス23は、ブリッジ1の無線インターフェイス13に対して帰属要求を行う。
【0083】
ブリッジ1の無線インターフェイス13は、APとして受信した帰属要求をブリッジ2からの応答として受けとり、図5に示した手順を経て再登録を行う(ステップ1303)。このようにブリッジ1は、電源制御手段15が行った低消費電力モードから復帰し(ステップ1304)、パケット変換、無線通信を再開する。
【0084】
次に、ブリッジ2のコントローラ判定手段24が無線インターフェイス23を選択した場合に電源制御手段25が行う低消費電力モードからの復帰について図12を参照して説明する。
【0085】
ブリッジ1が送出を再開したビーコン信号を無線インターフェイス23が受信した際(ステップ1401)、ブリッジ2においても低消費電力モードからの復帰が開始される。このとき無線インターフェイス23は、ビーコン信号の検知を電源制御手段25に伝える。
【0086】
電源制御手段25は、これを受けて有線インターフェイス21と無線インターフェイス23への電源供給を再開させる(ステップ1402)。
【0087】
起動した無線インターフェイス23は、APであるブリッジ1の無線インターフェイス13に対して帰属要求を行う(ステップ1403)。帰属処理の開始により、ブリッジ1の無線インターフェイス13は、ブリッジ2の無線インターフェイス23が復帰したことを知ることができる。
【0088】
このようにブリッジ2は、電源制御手段25が行った低消費電力モードから復帰し(ステップ1404)、パケット変換、無線通信を再開する。
【0089】
第4実施例について説明する。
【0090】
ブリッジ2のコントローラ判定手段24が有線インターフェイス21を選択した場合に電源制御手段25が行う低消費電力モードからの復帰について図11を参照して説明する。
【0091】
ターゲット機器4が伝送を開始して有線インターフェイス21がパケットを受信した際(ステップ1301)、当該ブリッジ2の低消費電力モードからの復帰が開始される。このとき、割込み信号等により有線インターフェイス21はパケットを受信したことを電源制御手段25に通知する。
【0092】
電源制御手段25は、通知を受けて有線インターフェイス21の上位層を起動させると共に、無線インターフェイス23への電源供給を再開させる(ステップ1302)。
【0093】
起動したブリッジ2の無線インターフェイス23は、図13に示すようなプローブリクエストを送信する。これを受けて低消費電力モード中のブリッジ1が起動し、ビーコン信号の送出が開始される。そのビーコン信号を受けてブリッジ2の無線インターフェイス23は、ビーコン信号送出を開始したAPとしてのブリッジ1の無線インターフェイス13に帰属要求を行う(ステップ1303)。
【0094】
このようにブリッジ2は、電源制御手段25が行った低消費電力モードから復帰し(ステップ1304)、パケット変換、無線通信を再開する。
【0095】
次に、ブリッジ1のコントローラ判定手段14が無線インターフェイス13を選択した場合に電源制御手段15が行う低消費電力モードからの復帰について図12を参照して説明する。
【0096】
ブリッジ2からのプローブリクエストを無線インターフェイス13が受信した際(ステップ1401)、ブリッジ1においても低消費電力モードからの復帰が開始される。このとき無線インターフェイス13は、プローブリクエストを受信したことを電源制御手段15に伝える。
【0097】
電源制御手段15は、これを受けて有線インターフェイス13と無線インターフェイス11への電源供給を再開させる(ステップ1402)。
【0098】
起動した無線インターフェイス13は、APとしてプローブリクエストに応答し、ビーコン信号送出を再開してブリッジ2の無線インターフェイス23からの帰属要求に応じる(ステップ1403)。
【0099】
このようにしてブリッジ1は、電源制御手段25が行った低消費電力モードからの復帰が終了する(ステップ1404)。
【0100】
なお、上記実施例では、ターゲット機器に接続されるブリッジ2の構成ではコントローラ判定手段を設けたが、設けなくても良い。この場合、ブリッジ2から低消費電力モードに移行させることはできない。
【0101】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、待機時におけるネットワーク中継装置の消費電力を低減することができる。
【0102】
また、ユーザに特別な操作を要求することなく、低消費電力モードからの復帰を行うことができる。
【0103】
なお、本願発明は、上記実施形態における各実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0104】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、ユーザに煩雑な操作を要求することなく、低消費電力モードに移行し、通信が再開されたときに低消費電力モードから復帰する電力管理を効率良く行うことのできる中継装置と電源制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るネットワーク中継装置を用いた機器の接続構成を示す図。
【図2】本発明に係るネットワーク中継装置(ブリッジ)の概略構成を示すブロック図。
【図3】ブリッジの動作を説明するためのフローチャート。
【図4】パケットの構成を説明するための図。
【図5】無線ネットワークにおけるAPとSTAの登録シーケンスを示す図。
【図6】電源制御手段が行う低消費電力モードを説明するためのフローチャート。
【図7】登録解除シーケンスを利用した通知例を示す図。
【図8】パケットのフォーマットを説明するための図
【図9】電源制御手段が行う低消費電力モードを説明するためのフローチャート。
【図10】登録解除シーケンスを利用した通知例を示す図。
【図11】電源制御手段が行う低消費電力モードからの復帰を説明するためのフローチャート。
【図12】電源制御手段が行う低消費電力モードからの復帰を説明するためのフローチャート。
【図13】再登録解除シーケンスを利用した復帰例を示す図。
【図14】従来のネットワーク中継装置を用いた機器の接続構成を示す図。
【図15】従来のネットワーク中継装置を示す図。
【符号の説明】
1,2…ネットワーク中継装置
3…コントローラ機器
4…ターゲット機器
11,21…有線インターフェイス
12,22…パケット変換手段
13,23…無線インターフェイス
14,24…コントローラ判定手段
15,25…電源制御手段

Claims (13)

  1. 第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有する中継装置において、
    上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、また、第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換する変換手段と、
    この変換手段で扱うパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択する選択手段と、
    この選択手段で選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行う電源制御手段と、
    を具備したことを特徴とする中継装置。
  2. 上記選択手段は、上記変換手段で扱われたパケットに特定の命令あるいは要求を含む場合に第1のインターフェイスを選択し、該命令あるいは該要求の応答を含む場合に第2のインターフェイスを選択することを特徴とする請求項1記載の中継装置。
  3. 上記電源制御手段は、上記選択手段で選択された第1のインターフェイスまたは上記第2のインターフェイスがパケットを受信した際、上記電源供給を遮断した第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を再開する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の中継装置。
  4. 上記電源制御手段は、上記選択手段で選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断した後、上記選択手段で選択された第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスをパケットの受信だけを可能な低消費電力モードに制御することを特徴とする請求項1記載の中継装置。
  5. 上記電源制御手段は、上記変換手段でパケットの変換が所定時間行われなかった際、上記選択手段で選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の中継装置。
  6. 上記電源制御手段は、上記第1のインターフェイス及び第2のインターフェイスでパケットの受信が所定時間行われなかったことを検知した際、上記選択手段で選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の中継装置。
  7. 第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有して通信を行う中継装置において、
    上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、また、第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換する変換手段と、
    この変換手段で扱うパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択する選択手段と、
    上記第1のインターフェイス及び第2のインターフェイスでのパケット伝送が所定時間中断しているか否かを判定する判定手段と、
    この判定手段で所定時間中断していると判定した際、低消費電力モードへの移行を通信先に通知する制御を行う制御手段と、
    この制御手段による通知に対する通信先からの正常終了通知を受信したことを検知した際、上記選択手段で選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行う電源制御手段と、
    を具備したことを特徴とする中継装置。
  8. 上記電源制御手段は、上記選択手段で選択された第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスがパケット伝送を受信した際、上記電源供給を遮断した第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を再開する制御を行うことを特徴とする請求項7記載の中継装置。
  9. 第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有して通信を行う中継装置において、
    上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、また、第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換する変換手段と、
    この変換手段で扱うパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択する選択手段と、
    この選択手段で選択された第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスが通信先から低消費電力モード移行の通知を受信したことを検知した際、上記選択手段で選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行う電源制御手段と、
    を具備したことを特徴とする中継装置。
  10. 上記電源制御手段は、上記選択手段で選択された第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスが通信先からの信号を受信したことを検知した際、上記電源供給を遮断した第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を再開する制御を行うことを特徴とする請求項9記載の中継装置。
  11. 第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有する中継装置の電源制御方法であって、
    上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、または第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、
    この変換されるパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択し、
    この選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行うようにしたことを特徴とする電源制御方法。
  12. 第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有して通信を行う中継装置の電源制御方法であって、
    上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、または上記第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、
    この変換されるパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択し、
    上記第1のインターフェイス及び第2のインターフェイスでのパケット伝送が所定時間中断しているか否かを判定し、
    所定時間中断していると判定した際、低消費電力モードへの移行を通信先に通知し、
    この通知に対する通信先からの正常終了通知を受信したことを検知した際、上記選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断するようにしたことを特徴とする電源制御方法。
  13. 第1のインターフェイスと、該第1のインターフェイスとは異なった第2のインターフェイスとを有して通信を行う中継装置の電源制御方法であって、
    上記第1のインターフェイスで使用されるパケットを第2のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、または第2のインターフェイスで使用されるパケットを第1のインターフェイスで使用されるパケットに変換し、
    この変換されるパケット内容を監視して上記第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスを選択し、
    この選択された第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスが通信先から低消費電力モード移行の通知を受信したことを検知した際、上記選択されなかった第1のインターフェイスまたは第2のインターフェイスへの電源供給を遮断する制御を行うようにしたことを特徴とする電源制御方法。
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