JP3575886B2 - 蛍光ランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線反射・吸収膜としてのアンダーコート層により発光層による発光効率を改善した蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光ランプは、一般照明をはじめとして、最近ではOA機器用光源、巨大画面用の画素光源、液晶ディスプレイのバックライト等、種々の分野で幅広く使用されている。このような蛍光ランプにおいては、蛍光体粒子の塗布膜からなる発光層のアンダーコート層として形成した様々な非発光性粒状物質膜の有効性が認められている。蛍光ランプでは、水銀放電により発生する紫外線によって、発光層の蛍光体が刺激を受けて発光するが、この発光効率は発光層から放射される付随的な入射光線の後方反射により改善される。
【0003】
例えば蛍光ランプにおいては、保護膜(アンダーコート層)としての非発光性粒状物質膜が紫外線反射膜や紫外線吸収膜として使用されており、この非発光性粒状物質としては二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム等が用いられている(特開昭63−58756号公報、特開昭63−58756号公報等参照)。紫外線反射膜としては酸化セリウムが使用されている。保護膜として機能させるためには、まず蛍光体により放射される可視光をいずれも吸収しないことが重要である。
【0004】
その他、保護膜を用いないランプでは、発光層を通り抜けた紫外線が直接ランプを形成するガラスに照射されたり、ガラスと水銀が反応するために、ソーダガラスのソラリゼーションが生じる場合があり、これによって光束劣化や見掛け上の色ずれ等が起こるという問題がある。このような問題の防止にも紫外線の反射および吸収層は有効に機能する。
【0005】
しかし一方で、保護膜を用いた蛍光ランプでは、保護膜を用いない蛍光ランプに比べて、以下に示すような問題点がある。まず、酸化チタン等を用いた場合、酸化チタン等は紫外線および青色光を吸収するため、蛍光ランプの光色が通常のランプとは異なり、演色性が低下するという問題がある。また、環型蛍光ランプに用いた場合、ガラスを曲げる際の熱処理温度が高いため、ガラス化してしまい、保護膜としての効果が得られなくなってしまう。また、アルミナを用いた場合には、保護膜自体が剥離しやすいという難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、発光層のアンダーコート層として形成された保護膜は、発光層を形成する蛍光体の発光効率を高めて、発光輝度の向上に寄与したり、またガラス管のソラリゼーションを防止する等、様々な有効性が認められているが、従来の蛍光ランプに用いられてきた保護膜では、紫外線や青色光を吸収して演色性等を低下させたり、また特に環型蛍光ランプにおいては、その製造過程で保護膜の機能が損われたり、さらには保護膜が剥離してしまう等の問題があった。また、これらとは別に蛍光ランプの高性能化を図るために、さらなる明るさの改善が求められている。
【0007】
このように、従来の蛍光ランプにおいては、保護膜による演色性や輝度等のランプ性能の低下を抑制すると共に、各種蛍光ランプの製造条件下で保護膜としての機能が損われることを防止し、さらには蛍光ランプの発光輝度自体の向上を図ることが課題とされていた。
【0008】
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、保護膜によるランプ性能の低下や保護膜自体の機能の低下もしくは損失を有効に防止した上で、保護膜によるランプ性能の向上効果を十分に得ることを可能にし、さらには発光輝度自体の向上を図ることを可能にした蛍光ランプを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の蛍光ランプは、請求項1に記載したように、水銀を含む電離性媒体が封入され、かつ両端に一対の電極が配置されたガラス管と、前記ガラス管の内表面上に形成された被着量5〜500μg/cm 、平均粒子径10〜50nmの蛍光体超微粒子の塗布膜と、前記蛍光体超微粒子の塗布膜上に形成され、1種または2種以上の平均粒子径1μm以上を有する蛍光体粒子の塗布膜からなる発光層とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の蛍光ランプは、さらに請求項2に記載したように、上記した蛍光ランプにおいて、前記発光層は平均粒子径 1μm 以上の球状蛍光体粒子の塗布膜からなることを特徴としている。
【0011】
平均粒子径 150nm以下の蛍光体超微粒子の塗布膜は、超微粒子であるがゆえに、紫外線反射性と可視光透過性の両方の性質を有している。従って、発光層からの発光を阻害することなく、保護膜として機能を十分に得ることができる。さらに、蛍光体超微粒子の塗布膜は紫外線を反射するほか、紫外線の一部を吸収して蛍光体超微粒子自体が発光する。これによって、蛍光ランプの発光輝度自体を向上させることが可能となる。また、発光層に平均粒子径 1μm 以上の球状蛍光体粒子を用いることによって、発光層自体の可視光の透過率が向上するため、蛍光ランプの発光輝度をさらに向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の蛍光ランプを直管型蛍光ランプに適用した一実施形態の構成を一部断面で示す図である。同図に示す蛍光ランプ1は、両端内側にそれぞれ電極2、2が取付けられたガラス管3を有している。このガラス管3の内表面3a上には、アンダーコート層として平均粒子径 150nm以下の蛍光体超微粒子の塗布膜4が形成されている。この蛍光体超微粒子の塗布膜4上には、蛍光体粒子の塗布膜からなる発光層5が設けられている。そして、ガラス管3内に水銀を含む電離性媒体が封入されて、蛍光ランプ1が構成されている。
【0014】
上記した蛍光体超微粒子の塗布膜(以下、蛍光体超微粒子膜と記す)4は、それを構成する蛍光体が超微粒子であるために、紫外線反射性と可視光透過性の両方の性質を有している。従って、蛍光体超微粒子膜4は、発光層5を構成する蛍光体からの発光を阻害することなく、紫外線反射膜として有効に機能する。この紫外線反射膜で反射された紫外線は、その上に被覆形成されている発光層5に間接的に吸収され、その結果として発光層5を構成する蛍光体粒子は放電空間に対向する面はもちろんのこと、その反対側の面からも励起され、効率よく発光することになる。
【0015】
さらに、蛍光体超微粒子膜4は紫外線を散乱(反射)するほか、紫外線の一部を吸収して蛍光体超微粒子自体が発光する。これによって、例えば発光層5を構成する蛍光体粒子の重量が同じであれば、従来のアルミナ粒子や二酸化チタン粒子で紫外線反射膜を形成した蛍光ランプより輝度の向上を図ることができ、また同程度の輝度を得るためには、発光層5を構成する蛍光体の重量を減らして、製造コストの低減等を図ることが可能となる。
【0016】
上述したように、蛍光体超微粒子膜4を紫外線反射膜として機能させると共に、可視光を効率よく透過させるために、蛍光体超微粒子膜4には平均粒子径が 150nm以下の蛍光体超微粒子を用いる。すなわち、微粒子による光の反射において、反射が最も強い粒子径は一般的に以下の関係式によって決まる。
【0017】
【数1】
Figure 0003575886
従って、波長 254nmの紫外線を効率よく反射(散乱)し、かつ波長 400〜 750nmの可視光は十分透過するように、平均粒子径が 150nm以下の蛍光体超微粒子が用いられる。蛍光体超微粒子の平均粒子径が 150nmを超えると、紫外線の反射効率と共に可視光の透過性も低下する。蛍光体超微粒子の平均粒子径は10〜 100nmの範囲がさらに好ましく、より好ましくは10〜50nmの範囲である。また、平均粒子径が 150nm以下の範囲であっても、粗大な粒子の存在率が高いと可視光の透過性や紫外線の反射率が低下するおそれがあるため、粒子径 300nm以上の粒子の割合を 5個数% 以下とすることが好ましい。
【0018】
このような超微粒子状の蛍光体粉体は、例えば通常の蛍光体(原料蛍光体)、母体の沸点または昇華点以上に達する高周波熱プラズマ中で蒸発させ、その後冷却凝固させることで容易に得ることができる。このようにして作製される蛍光体超微粒子は 100nm以下の粒子径を持つ粒子を多く含み、蛍光体超微粒子膜4の作製に適している。また、分級により 150nm以上の粒子を基本的に除去して、粒度分布をシャープにすることは紫外線の反射性や可視光の透過性に対して有効である。
【0019】
上述したように、原料蛍光体を熱プラズマ処理すると、蒸発した原料蛍光体は超微粒子となるが、溶融した原料蛍光体は球状になる。この蛍光体超微粒子を蛍光体超微粒子膜4の作製に用いることができるだけでなく、球状蛍光体粒子は後に詳述する発光層5の作製に用いることができる。このように、熱プラズマで蛍光体を処理することによって、蛍光体超微粒子膜4および発光層5の両者の作製材料を同時に得ることができる。加えて、熱プラズマ処理で作製した蛍光体超微粒子は、湿式法等により作製される超微粒子とは異なり、高温中で作製されているために結晶性が高く、例えば蛍光ランプの製造工程で高温に晒されても、ガラス化や分解等を生じことはない。従って、高温熱処理を経ても保護膜としての機能が損われることはない。このことは、特に高温で熱処理する環型蛍光ランプに対して有効である。
【0020】
上述した蛍光体超微粒子膜4において、ガラス管3の内表面3aに対する蛍光体超微粒子の被着量は 5〜 500μg/cmの範囲とすることが好ましい。蛍光体超微粒子の被着量が 5μg/cm未満であると、上述した紫外線の反射効果を十分効率よく得られないおそれがあり、一方 500μg/cmを超えると発光層5からの可視光の透過性が低下するおそれがある。蛍光体超微粒子の被着量は 5〜50μg/cmの範囲とすることがさらに好ましい。
【0021】
蛍光体超微粒子膜4の形成に用いられる蛍光体は、一般的に蛍光ランプで用いられる蛍光体と同様なものを使用することが好ましい。例えば、リン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩蛍光体、ケイ酸塩蛍光体、タングステン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、ヒ酸塩蛍光体等の複合酸塩蛍光体や、希土類酸化物蛍光体等が挙げられる。これらランプ用蛍光体は 254nmの波長を効率よく吸収する材料であり、 400nm付近の青色領域は吸収しないため、従来の二酸化チタン粒子を用いた保護膜による色ズレ等は生じることがない。さらに、蛍光体超微粒子膜4は、発光層5を構成する蛍光体と同一組成の蛍光体で形成することが好ましく、これにより色ズレ等を防止することができる。なお、発光層5を複数の蛍光体を混合した混合蛍光体で形成する場合には、混合蛍光体中の少なくとも 1種と同組成の蛍光体を用いることが好ましい。
【0022】
蛍光体超微粒子の塗布膜4は、例えばバインダを用いることなく、水やアルコール等の溶媒だけでも形成することができるが、バインダを用いて蛍光体超微粒子を塗布してもよい。その場合のバインダとしては、酢酸ブチルにニトロセルロースを溶解したものやアンモニウムポリメタアリクレート等の水溶性バインダ等、ランプの蛍光膜塗布に用いられているものを用いて、同様な塗布工程によって塗布形成することができる。
【0023】
上述したような蛍光体超微粒子膜4上に形成される発光層5は、一般的な蛍光ランプと同様な種々の蛍光体粒子で形成することができ、例えば単色の蛍光体粒子、青色、緑色および赤色の各色に発光する蛍光体粒子の混合物、これに演色性を高める青緑色発光の蛍光体粒子や深赤色発光の蛍光体粒子等をさらに加えたもの、またさらにランプ発光色に応じて発光色が異なる 2種類以上の蛍光体粒子を混合したもの等、特に蛍光体の種類に限定されるものではない。
【0024】
発光層5を構成する蛍光体粒子の形状についても、特に限定されるものではないが、球状蛍光体特に平均粒子径が 1〜20μm の範囲の球状蛍光体粒子を用いることが好ましい。球状蛍光体粒子で発光層5を形成することによって、発光層5自体の可視光の透過性が向上し、蛍光ランプ1の輝度向上を図ることができる。球状蛍光体粒子の平均粒子径は 1〜10μm の範囲がさらに好ましい。さらに、球状蛍光体粒子の場合、前述したように蛍光体超微粒子と熱プラズマ処理で同時に得られるという利点がある。
【0025】
なお、上述した実施形態は本発明を直管型蛍光ランプに適用したものであるが、本発明の蛍光ランプは環型蛍光ランプ、U型蛍光ランプ、くら型蛍光ランプ等、各種形状の蛍光ランプに適用することができ、それぞれにおいて上述した実施形態と同様な効果が得られる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0027】
実施例1、比較例1
まず、平均粒子径が約 7μm の原料蛍光体(ハロリン酸カルシウム蛍光体)を、高周波熱プラズマ法で溶融して一部気化させた後に冷却することによって、超微粒子蛍光体と球状蛍光体とを同時に作製した。これらを分級して、平均粒子径30nmのハロリン酸カルシウム蛍光体超微粒子と、平均粒子径 5μm のハロリン酸カルシウム球状蛍光体粒子とを得た。なお、蛍光体超微粒子における粒子径 300μm 以上の粒子の比率は 1個数% 以下であった。
【0028】
上述したハロリン酸カルシウム蛍光体超微粒子をまず用いて、これを0.5mg/cmの付着量でチューブ状ガラス管の内表面上に塗布した。次いで、ハロリン酸カルシウム球状蛍光体粒子を4.5mg/cmの付着量で塗布した。そして、ガラス管内に少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に、口金(電極を含む)を取り付けて、通常の方法で管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製した。なお、こうして作製した蛍光ランプでは蛍光体超微粒子膜の剥れ等は生じなかった。
【0029】
一方、本発明との比較例1として、平均粒子径 7μm の上記ハロリン酸カルシウム蛍光体を直接用い、これをチューブ状ガラス管の内表面上に4.5mg/cmの付着量で直接塗布した。そして、少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に口金を取り付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製した。
【0030】
上記実施例1および比較例1による各蛍光ランプの点灯試験を行った。その結果を表1に示す。なお、表1中のルーメン比は、実施例1による蛍光ランプの 1時間点灯後のルーメンを 100としたときの値である。
【0031】
【表1】
Figure 0003575886
表1から明らかなように、実施例1の蛍光ランプは比較例1の保護膜を形成していないランプに比べて大幅に明るさが向上していることが分かる。
【0032】
実施例2
以下に示す各蛍光体の原料を、高周波熱プラズマ法で溶融して一部気化させた後に冷却することによって、それぞれ蛍光体超微粒子を作製した。そして、平均粒子径30nmの2(Sr0.98Eu0.02O)・0.84P・0.16B蛍光体超微粒子46重量部、平均粒子径20nmの(Sr,Mg)(PO:Sn蛍光体超微粒子48重量部、平均粒子径20nmのZnSiO:Mn蛍光体超微粒子 1重量部、および平均粒子径30nmのCa10(PO(F,Cl):Sb,Mn蛍光体超微粒子 5重量部を混合し、酢酸ブチルに懸濁させた。この懸濁液を0.5mg/cmの付着量でチューブ状ガラス管の内表面上に塗布した。
【0033】
次に、高周波熱プラズマで処理する前の上記各蛍光体(平均粒子径約 3μm)を混合し、上記蛍光体超微粒子の塗布膜上に4.5mg/cmの付着量で塗布した。そして、少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に口金を取付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製し、後述する特性評価に供した。このランプは平均演色評価数Raが98を示す色温度 5000Kの高演色性蛍光ランプである。なお、こうして作製した蛍光ランプでは蛍光体超微粒子膜の剥れ等は生じなかった。
【0034】
実施例3
以下に示す各蛍光体の原料を、高周波熱プラズマ法で溶融して一部気化させた後に冷却することによって、それぞれ蛍光体超微粒子を作製した。そして、平均粒子径30nmの2(Sr0.98Eu0.02O)・0.84P・0.16B蛍光体超微粒子46重量部、平均粒子径20nmの(Sr,Mg)(PO:Sn蛍光体超微粒子48重量部、平均粒子径20nmのZnSiO:Mn蛍光体超微粒子 1重量部、および平均粒子径30nmのCa10(PO(F,Cl):Sb,Mn蛍光体超微粒子 5重量部を混合し、酢酸ブチルに懸濁させた。この懸濁液を0.5mg/cmの付着量でチューブ状ガラス管の内表面上に塗布し焼き付けた。
【0035】
次に、高周波熱プラズマで処理する前の上記各蛍光体(平均粒子径約 3μm)を混合し、上記蛍光体超微粒子の塗布膜上に3.0mg/cmの付着量で塗布した。そして、少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に口金を取付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製し、後述する特性評価に供した。このランプは平均演色評価数Raが98を示す色温度 5000Kの高演色性蛍光ランプである。なお、こうして作製した蛍光ランプでは蛍光体超微粒子膜の剥れ等は生じなかった。
【0036】
比較例2
実施例2で用いた平均粒子径 3μm の上記各蛍光体を混合し、チューブ状ガラス管の内表面上に4.5mg/cmの付着量で直接塗布した。そして、少量の水銀と Ar希ガスを封入すると共に口金を取付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製した。
【0037】
上記実施例2、3および比較例2による各蛍光ランプの点灯試験を行った。その結果を表2に示す。なお、表2中のルーメン比は、実施例2による蛍光ランプの 1時間点灯後のルーメンを 100としたときの各点灯時間後の値である。
【0038】
【表2】
Figure 0003575886
表2から明らかなように、実施例2の蛍光ランプは、比較例2の保護膜を形成していない蛍光ランプに比べて明るく、さらに長時間点灯後の光束維持率についても改善されていることが分かる。また、蛍光体重量を減らして作製した実施例3の蛍光ランプは、保護膜を形成していない比較例2の蛍光ランプと同等の明るさを有していることが分かる。つまり、比較例2の蛍光ランプと同等の明るさの蛍光ランプを本発明の構成で作製する場合には、蛍光体量は 30%近く削減することができる。すなわち、蛍光体のコストを 30%近く下げることができた。
【0039】
実施例4、比較例3
:Eu蛍光体を、高周波熱プラズマ法で溶融して一部気化させた後に冷却することによって、蛍光体超微粒子と球状蛍光体粒子を作製した。蛍光体超微粒子の平均粒子径は約40nmで、球状蛍光体粒子の平均粒子径は約 5μm であった。蛍光体超微粒子を酢酸ブチルとニトロセルロースとの混合溶媒中に懸濁させた。この懸濁液を0.5mg/cmの付着量でチューブ状ガラス管の内表面上に塗布した。
【0040】
次に、球状蛍光体粒子を上記蛍光体超微粒子の塗布膜上に4.0mg/cmの付着量で塗布した。そして、ガラス管内に少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に、口金(電極を含む)を取り付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製した。
【0041】
一方、本発明との比較例3として、上記実施例4で用いたY:Eu蛍光体(平均粒子径 4.5μm)を、チューブ状ガラス管の内表面上に4.0mg/cmの付着量で塗布した。そして、少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に口金を取り付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製した。
【0042】
上記実施例4および比較例3による各蛍光ランプの点灯試験を行った。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 0003575886
表3から明らかなように、実施例4の蛍光ランプは比較例3の超微粒子および球状蛍光体を使用していないランプに比べて明るいことが分かる。
【0044】
実施例5、比較例4
:Eu蛍光体を、高周波熱プラズマ法で溶融して一部気化させた後に冷却することによって、蛍光体超微粒子を作製した。この蛍光体超微粒子の平均粒子径は約30nmであった。この蛍光体超微粒子をニトロセルロース 1重量% +酢酸ブチル液に懸濁させた。この懸濁液を0.5mg/cmの付着量でチューブ状ガラス管の内表面上に塗布した。
【0045】
次に、Y:Eu蛍光体、LaPO4 :Ce,Tb蛍光体、(Sr,Ca)(POCl:Eu蛍光体、(Ba,Ca,Mg)(PO)Cl:Eu蛍光体、およびMg−fluorogermanate:Mn蛍光体を混合し、上記蛍光体超微粒子の塗布膜上に4.0mg/cmの付着量で塗布した。そして、ガラス管内に少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に、口金(電極を含む)を取り付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製した。
【0046】
一方、本発明との比較例4として、上記実施例5で用いた混合蛍光体(平均粒子径 5μm)を、チューブ状ガラス管の内表面上に4.0mg/cmの付着量で塗布した。そして、少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に口金を取り付けて、管径32mmの40ワット直管型蛍光ランプを作製した。
【0047】
上記実施例5および比較例4による各蛍光ランプの点灯試験を行った。その結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
Figure 0003575886
実施例6、比較例5
:Eu蛍光体を、高周波熱プラズマ法で溶融して一部気化させた後に冷却することによって、蛍光体超微粒子を作製した。この蛍光体超微粒子の平均粒子径は約30nmであった。この蛍光体超微粒子をニトロセルロース 1重量% +酢酸ブチル液に懸濁させた。この懸濁液を0.5mg/cmの付着量でチューブ状ガラス管の内表面上に塗布した。
【0049】
次に、Y:Eu蛍光体、GdMgB10:Ce,Tb蛍光体、Ba MgAl1627:Eu蛍光体、(Ba,Ca,Mg)(PO)Cl:Eu蛍光体、およびMg−fluorogermanate:Mn蛍光体を混合し、上記蛍光体超微粒子の塗布膜上に4.0mg/cmの付着量で塗布した。そして、ガラス管内に少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に、口金(電極を含む)を取り付けて、管径16mm、管長 210mm、管壁負荷 2050W/mの蛍光ランプを作製した。
【0050】
一方、本発明との比較例5として、上記実施例6で用いた混合蛍光体(平均粒子径 5μm)を、チューブ状ガラス管の内表面上に4.0mg/cmの付着量で塗布した。そして、少量の水銀とAr希ガスを封入すると共に口金を取り付けて、管径16mm、管長 210mm、管壁負荷 2050W/mの蛍光ランプを作製した。
【0051】
上記実施例6および比較例5による各蛍光ランプの点灯試験を行った。その結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
Figure 0003575886
【0053】
【発明の効果】
以上説明したようように、本発明の蛍光ランプによれば、ガラス内表面上に形成した蛍光体超微粒子の塗布膜による紫外線の反射によって、発光層が効率よく発光すると共に、蛍光体超微粒子の塗布膜自体も発光するため、従来の蛍光ランプに比べて格段にランプ輝度の向上を図ることが可能となる。また、発光層に球状蛍光体粒子を用いることで、さらに輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による蛍光ランプの構成を一部断面で示す図である。
【符号の説明】
1……蛍光ランプ
2……電極
3……ガラス管
4……蛍光体超微粒子の塗布膜
5……発光層

Claims (4)

  1. 水銀を含む電離性媒体が封入され、かつ両端に一対の電極が配置されたガラス管と、前記ガラス管の内表面上に形成された被着量5〜500μg/cm 、平均粒子径10〜50nmの蛍光体超微粒子の塗布膜と、前記蛍光体超微粒子の塗布膜上に形成され、1種または2種以上の平均粒子径1μm以上を有する蛍光体粒子の塗布膜からなる発光層とを具備することを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 請求項1記載の蛍光ランプにおいて、前記発光層は、平均粒子径1μm以上の熱プラズマ処理により作製された球状蛍光体粒子の塗布膜からなることを特徴とする蛍光ランプ。
  3. 請求項1記載の蛍光ランプにおいて、前記蛍光体超微粒子は、前記発光層を形成する蛍光体の少なくとも1種と同組成を有することを特徴とする蛍光ランプ。
  4. 請求項1記載の蛍光体ランプにおいて、前記蛍光体超微粒子は、熱プラズマ処理により作製された蛍光体粒子であることを特徴とする蛍光ランプ。
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