JP3575833B2 - 給紙カセット - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複数種のサイズの媒体を処理する媒体処理装置に着脱自在に備えられ、該媒体装置の媒体分離部において堆積した多数枚の媒体が一枚づつ分離繰り出される給紙カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、媒体処理装置は異なるサイズの媒体を、その用途に応じて幾つか選択しながら使用することができるようになっている。従って、このような構成に対応するため、装置は複数個の給紙カセットを装填可能な構成とする必要があると共に、給紙カセットは所望のサイズの媒体を複数種収納することができる構成とする必要があり、このため給紙カセットにおける媒体積載の基準面は可変構造となっていた。
【0003】
図4,図5及び図6は、上述したような構成を有する従来の給紙カセットの構成例を示す斜視図であり、図4は媒体の搬送方向にガイドを可変する構造とした第1の従来例を、図5は媒体の搬送方向と直交する方向の両端を可変できる構造とした第2の従来例を、そして、図6は媒体の搬送方向と直交する方向に対してその一端側のみを可変する構造とした第3の従来例を、それぞれ示している。
【0004】
図4〜6において、1は給紙カセットの筐体であり、複数種のサイズの異なる媒体2を収納可能とするため、最大の媒体サイズに対応できるよう長方形の箱型とし、その上面は媒体2の着脱を行うために開口させている。
3はこの筐体1の上端部の一辺に設けた分離ベースであり、この分離ベース3は筐体1内部に収納した多数枚の媒体2を繰り出す際に一枚づつ分離するように働くものであり、そのほぼ中央に分離用の分離片4を有している。そして、この分離ベース3は、それぞれ筐体1内に収納されている媒体2の繰り出し方向前端、つまり、図4の例では筐体1の短手方向一端辺に、また図5及び図6の例では筐体1の長手方向一端辺に配置している。
【0005】
5は筐体1の底面にスプリング等の付勢手段にて上下動可能に設けたステージであり、前記多数枚の媒体2を堆積しており、そしてこのステージ5はその上に堆積した媒体2の上端の1枚が常に前記分離ベース3にほぼ対応した高さとなるように、前記付勢手段の付勢力が調整されている。
6はこのステージ5上に堆積する媒体2のサイズに応じて図中矢印方向に移動して、媒体2の一側辺を支持するガイド板であり、図4に示す例では媒体2の繰り出し方向後端辺で該媒体2の繰り出し方向と同方向にスライドして前後動する構成としており、また、図5に示す例では媒体2の繰り出し方向左右端辺に位置し、かつ媒体の繰り出し方向と直交する左右方向に移動可能な構成としている。そして、この図5に示す構造では、左右それぞれのガイド板6の下端から互いに対向させて平行に延在したラック7と、このラック7に噛合するピニオン8とを備え、このピニオン8をラック7に沿って回転させることで前記ガイド板6を図中矢印方向に同量づつ移動可能としている。
【0006】
さらに、図6に示す例では、ガイド板6は媒体2の繰り出し方向左端辺にのみ配し、このガイド板6を媒体2の繰り出し方向に直交する左右方向にスライド移動する構成となっている。
上述した構成において、各サイズの媒体2を筐体1内に収納する場合は、まずガイド板6を収納しようとする媒体2のサイズより広い位置に移動させておき、この状態で多数枚揃えた媒体2を、その繰り出し方向前端が分離ベース3に対向するように合わせながらステージ5上に載置する。この後、図4の例であれば、ガイド板6を媒体2の後端辺に突き当たるまで繰り出し方向に移動し、また、図5の例であれば左右のガイド板6を媒体2の左右両端辺に突き当たるまで繰り出し方向とは直交する方向に移動し、そして、図6に示す例では、媒体2の左端にのみ設けたガイド板6を媒体2の繰り出し方向とは直交して他端辺を筐体1の右端面に突き当てるように移動すると、媒体2は筐体1内の所定位置にセットされたことになる。
【0007】
なお、上記図5に示したガイド板6は、一方のガイド板6を移動すれば他方のガイド板6も同期して移動するものであり、一方のガイド板6を広げる方向に移動すれば他方のガイド板6もやはり広がる方向に移動し、また狭める方向に移動すれば無論他方のガイド板6もやはり狭まる方向に移動するので、一方のガイド板6のみを動作させれば良いことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の技術においては、次に示すような問題点を有している。
まず、例えば航空券等のような媒体を処理する装置とした場合、媒体のサイズの縦横の比率は、最大で約5:2であり、媒体の繰り出し方向と同一方向にサイズを可変とする図4に示す構造では、図5や図6に示すような媒体の繰り出し方向と直交する方向にサイズを可変とする構造と比較した時、媒体を搬送する搬送路長が約2.5倍となることから、装置の大型化を招いてしまうという問題があった。
【0009】
また、図5に示すような構造の場合では、カセットより繰り出して搬送路上を搬送させる際、搬送方向に対して両端辺の位置が、媒体のサイズによって定まっていないことから、媒体走行用の基準面を設けることができず、よって繰り出し後にこの基準面に沿わせてアライナ動作を行うことができないために、媒体が曲がったままの状態で搬送されたりしてしまう場合があり、搬送時における品質を低下してしまう恐れがあった。
【0010】
そして、図6に示す構造では、媒体のサイズによって筐体の媒体収納位置が偏ってしまう場合がある。つまり、最大サイズの媒体に対応して筐体の大きさは設定されているので、最低サイズの媒体を収納しようとすると、媒体の一端は必ず筐体1の一側面に突き当てた状態でセットするので、図6に示すように筐体の他端側は大きく空間ができてしまい、このような場合には、分離ベースの分離片が媒体の繰り出し方向前端辺の中央に位置されない状態が生じることになる。
【0011】
このような場合には、正確な媒体の分離繰り出しが行われなくなる恐れがあり、上記図5に示す例と共に、スキューを発生させる可能性が大きくなって、媒体処理装置の信頼性の低下を招いてしまうという問題があった。
さらに、複数の給紙カセットを着脱自在に装填する装置では、所望の用途におうじてその都度給紙カセットを取り替えるという操作をしなければならないことから、オペレータの操作性を低下させてしまうと共に、装置も全ての給紙カセットの着脱に対応した構造とする必要性から、大型化を招いてしまうという問題があった。
【0012】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、媒体の搬送方向に媒体サイズを可変とすることで招いていた搬送路長並びに装置の大型化を防ぎ、また、繰り出した媒体は確実に基準面に沿わせて搬送可能とすることでスキューの発生を防止すると共に、確実な媒体の分離繰り出しを可能とし、さらには給紙カセットを複数備えなくとも単一の給紙カセットによって複数サイズの媒体の取り扱いを可能とし、装置の大型化を招くこと無く、またスキュー発生の恐れの無い信頼性ある優れた給紙カセットを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため本発明は、繰り出し方向と直交する方向にサイズの異なる媒体を収納する給紙カセットにおいて、前記媒体を収納する媒体収納部を、前記媒体の繰り出し方向に対して前後に複数設け、各媒体収納部に媒体を積載するステージを水平に上下動するように設けたことを特徴とする。
【0014】
そして、前記収納部には媒体の分離を行う分離片をそれぞれ2箇所設ける。
【0015】
【作用】
上述した構成による本発明は、一つの給紙カセット内に異なるサイズの媒体を、該媒体の長手方向を繰り出し方向と直交するようにして複数種同時に収納できることになるので、複数種の媒体を補充したりあるいは交換したりする操作が一回の動作で行えるため、操作性を向上することがきると共に、長手方向に媒体サイズを可変する従来の給紙カセットを収納する場合の構造と比較して装置の小型化を図ることができる。
【0016】
また、媒体を繰り出した場合、媒体は長手方向を横にした状態で搬送されるので、装置の搬送路長を短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。また、分離片は媒体を2箇所で支持することができるように収納部にそれぞれ2箇所設けているので、媒体はスキュー等を発生させることなく安定した状態で装置内部へと繰り出すことができる。
そして、この媒体はその短手方向の一側を、媒体収納部の一方の内側面を基準として収納するのことから、媒体を繰り出す際および搬送する際に基準面を設けることができるので、アライナ動作を行うことができ、繰り出された媒体の磁気データの読み取り及び書き込みや印字処理等における信頼性の向上を図ることができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図1は本実施例の給紙カセットの斜視図、図2は図1に示した給紙カセットに備えた分離ベースの斜視図、図3は媒体処理装置と給紙カセットの外観斜視図であり、これらの図に見られるように、本実施例の給紙カセットは、複数種の媒体を一つのカセット内に収納する構成としている。
【0018】
まず、図3において、10は媒体処理装置、11はこの媒体処理装置10に着脱自在に装填可能な給紙カセットであり、上面を開口した矩形の筐体12の媒体繰り出し方向前後に、給紙用の媒体2を収納する2組の媒体収納部13を備えた構成となっている。
次に、この給紙カセットの構成について、図1と図2とを用いて説明する。給紙カセット11は、これら図1及び図2に見られるように、その筐体12内に、複数種の媒体2を積載するための2組のステージ群を設けており、これらステージ群はそれぞれ以下に示す各構成要素から構成されている。
【0019】
14は前記媒体収納部13の底部に上下動可能に設けたステージで、媒体2の繰り出し方向と直交する方向に積載する媒体2のサイズを変更することができるよう、仕切り板15を着脱するための長穴16を、積載しようとする媒体2のサイズに対応した位置で複数設けている。
17と18は前記ステージ14の両端部に2個づつ並列させて設けたステージギヤであり、これらステージギヤ17と18は互いに外周の一部を噛合すると共に、この噛合箇所とは反対側の外周の一部が、筐体12の側面に設けた開口部19の対向する両側面に設けたラック20と噛合し、このラック20に沿って前記ステージギヤ17と18を上下動することにより前記ステージ14を上下動させるようにしている。
【0020】
また、この二つのステージギヤ17と18のうちの一方のステージギヤ18は、前記ステージ14の下側に延在させたシャフト18aにより他端側のステージギヤ18と連結しており、該シャフト18aを介して両ステージギヤ17と18同士の回転の同期を図っており、これによりステージ14は左右に傾斜することなく水平に上下動することができる。
【0021】
21は各ステージ14の下面側に所定の配置で複数個設けられた付勢手段としてのステージスプリングであり、このステージ14を常に上方に付勢し、これにより、前記図3に示した媒体処理装置10に給紙カセット11を装着した際、該ステージ14上に積載した媒体2の上端面が前記媒体処理装置10に設けられた一対の繰り出しローラ22に圧接させるようにするものである。
【0022】
23は前記繰り出しローラ22の外周の一部と対向して揺動自在に設けられた2個の分離片で、この分離片23は給紙カセット11の筐体12に設けた2つの媒体収納部13にそれぞれ設けた分離ベース24に支持されており、これら2個の分離片23は前記分離ベース24のほぼ中央の位置に一つを、またもう一つをこの分離片23と分離ベース24端部とのほぼ中央、つまり分離ベース24の端部より約1/4の位置に配設している。これは、媒体収納部13内に収納された媒体2のサイズが小さかったような場合、前記分離ベース24の中央に配置された分離片23がこの媒体2の繰り出し方向前端辺に対して適切に配置されない場合があり、このように媒体2が小さいサイズの場合であっても確実に媒体2に対して繰り出しを行うことができる位置に対応できるようにするためである。
【0023】
25は前記分離片23を下面側より棒状の支点26を介して付勢しているテンションスプリングであり、このテンションスプリング25の付勢力によって分離片23は支点26を中心として揺動自在となり、前記媒体処理装置10側に設けられた繰り出しローラ22の周面に密接することができるように該周面の動きに対して追従するようになっている。
【0024】
また、前記分離ベース24はその両端に設けたアーム部24a、およびこのアーム部24aの外側に突出させたポスト、一方のアーム部24aの他端側に設けたカム部24c、そして、他方のアーム部24aの他端側に設けたリミッタ24dにより、給紙カセット11の筐体12の内側の所定位置に回動可能に取り付けられている。
【0025】
そして、27は前記媒体収納部13に設けられた各ステージ14が該媒体収納部13の底部の所定位置まで下がってきた時に、その位置を固定するためのロックであり、各ステージ14の両端に設けられている。
上述した構成において、媒体2を給紙カセット11内に収納しようとする場合は、まず、給紙カセット11を媒体処理装置10より引き出す。図1に示す給紙カセット11は装置おり引き出した状態を示すものであり、この時、ステージ14は媒体収納部13の底部の所定位置にロック27によってロックされている状態にある。
【0026】
給紙カセット11を引き出す動作を行う場合は、給紙カセット11の正面に設けられた把手12aをオペレータが持ち、図3に示すように媒体処理装置10より手前側に引っ張ると引き出される。
この時、給紙カセット11が装置内部の図示せぬ幾つかのレール面と摺動するが、あるレール面とステージギヤ18のポスト18aが係合して摺動すると、該給紙カセット11が引き出されるに従ってポスト18aを下方へ押し下げる構造トなっている。このため、ポスト18aが押し下げられると、ステージギヤ18もステージギヤ17と共にラック20に沿って回転しながら下降する。そして、このステージギヤ18は図示せぬシャフトを介して他端側のステージギヤ18と連結されているため、他端側のステージギヤ18も同期して回転し、同様にラック20に沿って下降する。ステージ14はこのステージギヤ18及び17が両端に取り付けられていることで、このステージギヤ17,18の下降動作に伴って該ステージ14も媒体2と共に媒体収納部13内を底部へと所定の位置まで平行に押し下げられていく。
【0027】
所定の位置まで押し下げられると、ステージ14は該ステージ14の両端部に配置されたロック27によってロックされ、媒体収納部13の底部に固定される。なお、このステージ14のロックは、給紙カセット11の引き出し方向の手前側に位置する媒体収納部13のステージ14がまずロック状態となり、引き出すに従って後方の媒体収納部13のステージ14が順にロック状態となる。
【0028】
さらに、別の図示せぬレール上を分離ベース24のカム部24cが摺動すると、このカム部24cも前述のポスト18aと同様に押し下げられ、媒体処理装置10内の繰り出しローラ22から逃げる構造となっている。ここで、2か所に設けられた各分離ベース24では、図2の実線および破線で示した各カム部24cの位置で、それぞれ給紙カセット11が引き出される方向と直角の方向に各カム部の位置を変えてある。
【0029】
これは、給紙カセット11の引き出し方向後方に配置されている分離ベース24が、引き出し動作の途中で、引き出し方向前方に位置する分離ベース24の位置に達した時に、この引き出し方向前方に位置する分離ベース24と対向する装置側の繰り出しローラ22と再度押圧されるのを防ぐためである。たとえば、繰り出し方向後方に位置する分離ベース24の上に、所定位置から少し繰り出される方向に動いた場合に、媒体収納部13内に残っている媒体2が、再び繰り出し方向手前側の分離ベース24の位置で繰り出しローラ22にされると、これが摩擦負荷となって該媒体2が給紙カセット11から落下し、装置内部に残るのを防ぐためである。
【0030】
こうして給紙カセット11が引き出されると、各分離ベース24はテンションスプリング25に押圧される分離片23によって押圧され、該分離片23は支点26を中心として揺動し、リミッタ24dが図示せぬ給紙カセット11に突き当たり止まる。
引き出された給紙カセット11の各媒体収納部13には、オペレータによりそれぞれ所望のサイズの複数種の媒体2が収納され、補充される。この媒体2の収納は、まず、所望サイズの媒体2の短手方向一側を、媒体収納部13の一側面、図1においては右内側面に突き当てながらステージ14上に載置する。この後、仕切り板15を媒体サイズに応じて、ステージ14に設けられた長穴16に挿入し、これにより媒体の長手方向の位置を規制する。同様にして他の媒体収納部内にも所望サイズの媒体2を収納する。なお、複数の媒体収納部13にはそれぞれ異なるサイズの媒体2を収納することとしても良く、また同種の媒体を収納しても良い。同種の媒体を収納した場合には、オペレータによる補充回数を減らすことができるようになることが考えられる。
【0031】
こうして各媒体収納部13内にそれぞれ所望サイズの媒体2が収納されると、給紙カセット11は再び媒体処理装置10内へと挿入され所定のカセット収納部に装着される。
装置に給紙カセット11を装着する場合は、まず把手12aを手前側にして持ち、他端側を先端として媒体処理装置10のカセット収納部内へと押し込むようにして挿入する。この時、給紙カセット11は前記引き出し動作の時と逆の動作が行われ装置内に装着される。すなわち、給紙カセット11が挿入されると、まず、図示せぬ装置側のロック解除手段と給紙カセット11が係合し、ロック27のロックを解除する。これによりステージ14が自由になるので、ステージスプリング21によって上方に付勢される。この付勢力によって、ステージギヤ17と18が筐体12のラック20に沿って開口部19を上昇し、この上昇によって媒体2の最上層が装置側の繰り出しローラ22に当接するまでステージ14を持ち上げる。つまり、ステージギヤ18は図示せぬシャフトにより左右が連結しているので、一方のギヤが回転すると、その回転力はシャフトを介して他方のギヤにも伝達され、両ステージギヤ17と18は同期して回転し、これによりステージ14を水平な状態で上昇できるようになっており、媒体2が繰り出しローラ22に当接すると上昇が停止する。
【0032】
また、分離ベース24もテンションスプリング25のプレッシャ力により、分離片23を装置側の繰り出しローラ22に押圧する。分離片23は支点26を中心として揺動するために、該繰り出しローラ22の動きに追従し密着し、また、分離ベース24上で上下方向に自由度を持たせているため各々独立懸架となることから2個の前記繰り出しローラ22に対し、2個の分離片23が所定のプレッシャ力で押圧するので、媒体収納部13内に収納された媒体2を繰り出し際には、該媒体2を必ず2か所で支持するので、スキュー等を発生させることなく確実に装置内部へと繰り出される。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、繰り出し方向と直交する方向にサイズの異なる媒体を収納する給紙カセットにおいて、前記媒体を収納する媒体収納部を、前記媒体の繰り出し方向に対して前後に複数設けた構成とし、そして前記収納部に媒体の分離を行う分離片をそれぞれ2箇所設けたものとしている。
【0034】
このため、一つの給紙カセット内に異なるサイズの媒体を、該媒体の長手方向を繰り出し方向と直交するようにして複数種同時に収納できることになるので、複数種の媒体を補充したりあるいは交換したりする操作が一回の動作で行えるため、操作性を向上することがきると共に、長手方向に媒体サイズを可変する従来の給紙カセットを収納する場合の構造と比較して装置の小型化を図ることができる。
【0035】
また、この媒体を繰り出した場合、媒体は長手方向を横にした状態で搬送されるので、装置の搬送路長を短くすることができるので、さらなる装置の小型化を図ることができる。
さらに、体収納部より繰り出される媒体が、最も小さいサイズの媒体であっても、これを支持する繰り出しローラと分離ベースにおける分離片は、かならず媒体を2か所で支持することができる配置で設けられているので、媒体はスキュー等を発生させることなく安定した状態で装置内部へと繰り出すことができる。そして、この媒体はその短手方向の一側を、媒体収納部の一方の内側面を基準として収納するので、媒体を繰り出す際および搬送する際に基準面を設けることができるので、アライナ動作を行うことができ、繰り出された媒体の磁気データの読み取り及び書き込みや印字処理等の信頼性を向上することができる。
【0036】
そして、複数設けられた媒体収納部毎に設けられた複数個の分離ベース上の各々異なった位置にカムを設けたことで、このカムが装置側の一部と摺動することで分離ベースを回動させ、前記装置側の繰り出しローラと分離片とが干渉しないように解除し、一度解除すれば他の繰り出しローラに対応する位置に達してもそのローラによって押圧されることはないので、装置内部に媒体が残留されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の給紙カセットの斜視図である。
【図2】図1に示した給紙カセットに備えた分離ベースの斜視図である。
【図3】媒体処理装置と給紙カセットの外観斜視図である。
【図4】第1の従来例の給紙カセットの構成例を示す斜視図である。
【図5】第2の従来例の給紙カセットの構成例を示す斜視図である。
【図6】第3の従来例の給紙カセットの構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 媒体
11 給紙カセット
12 筐体
14 ステージ
15 仕切り板
17 ステージギヤ
18 ステージギヤ
18a ポスト
20 ラック
21 ステージスプリング
23 分離片
24 分離ベース
25 テンションスプリング
27 ロック
【産業上の利用分野】
本発明は、複数種のサイズの媒体を処理する媒体処理装置に着脱自在に備えられ、該媒体装置の媒体分離部において堆積した多数枚の媒体が一枚づつ分離繰り出される給紙カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、媒体処理装置は異なるサイズの媒体を、その用途に応じて幾つか選択しながら使用することができるようになっている。従って、このような構成に対応するため、装置は複数個の給紙カセットを装填可能な構成とする必要があると共に、給紙カセットは所望のサイズの媒体を複数種収納することができる構成とする必要があり、このため給紙カセットにおける媒体積載の基準面は可変構造となっていた。
【0003】
図4,図5及び図6は、上述したような構成を有する従来の給紙カセットの構成例を示す斜視図であり、図4は媒体の搬送方向にガイドを可変する構造とした第1の従来例を、図5は媒体の搬送方向と直交する方向の両端を可変できる構造とした第2の従来例を、そして、図6は媒体の搬送方向と直交する方向に対してその一端側のみを可変する構造とした第3の従来例を、それぞれ示している。
【0004】
図4〜6において、1は給紙カセットの筐体であり、複数種のサイズの異なる媒体2を収納可能とするため、最大の媒体サイズに対応できるよう長方形の箱型とし、その上面は媒体2の着脱を行うために開口させている。
3はこの筐体1の上端部の一辺に設けた分離ベースであり、この分離ベース3は筐体1内部に収納した多数枚の媒体2を繰り出す際に一枚づつ分離するように働くものであり、そのほぼ中央に分離用の分離片4を有している。そして、この分離ベース3は、それぞれ筐体1内に収納されている媒体2の繰り出し方向前端、つまり、図4の例では筐体1の短手方向一端辺に、また図5及び図6の例では筐体1の長手方向一端辺に配置している。
【0005】
5は筐体1の底面にスプリング等の付勢手段にて上下動可能に設けたステージであり、前記多数枚の媒体2を堆積しており、そしてこのステージ5はその上に堆積した媒体2の上端の1枚が常に前記分離ベース3にほぼ対応した高さとなるように、前記付勢手段の付勢力が調整されている。
6はこのステージ5上に堆積する媒体2のサイズに応じて図中矢印方向に移動して、媒体2の一側辺を支持するガイド板であり、図4に示す例では媒体2の繰り出し方向後端辺で該媒体2の繰り出し方向と同方向にスライドして前後動する構成としており、また、図5に示す例では媒体2の繰り出し方向左右端辺に位置し、かつ媒体の繰り出し方向と直交する左右方向に移動可能な構成としている。そして、この図5に示す構造では、左右それぞれのガイド板6の下端から互いに対向させて平行に延在したラック7と、このラック7に噛合するピニオン8とを備え、このピニオン8をラック7に沿って回転させることで前記ガイド板6を図中矢印方向に同量づつ移動可能としている。
【0006】
さらに、図6に示す例では、ガイド板6は媒体2の繰り出し方向左端辺にのみ配し、このガイド板6を媒体2の繰り出し方向に直交する左右方向にスライド移動する構成となっている。
上述した構成において、各サイズの媒体2を筐体1内に収納する場合は、まずガイド板6を収納しようとする媒体2のサイズより広い位置に移動させておき、この状態で多数枚揃えた媒体2を、その繰り出し方向前端が分離ベース3に対向するように合わせながらステージ5上に載置する。この後、図4の例であれば、ガイド板6を媒体2の後端辺に突き当たるまで繰り出し方向に移動し、また、図5の例であれば左右のガイド板6を媒体2の左右両端辺に突き当たるまで繰り出し方向とは直交する方向に移動し、そして、図6に示す例では、媒体2の左端にのみ設けたガイド板6を媒体2の繰り出し方向とは直交して他端辺を筐体1の右端面に突き当てるように移動すると、媒体2は筐体1内の所定位置にセットされたことになる。
【0007】
なお、上記図5に示したガイド板6は、一方のガイド板6を移動すれば他方のガイド板6も同期して移動するものであり、一方のガイド板6を広げる方向に移動すれば他方のガイド板6もやはり広がる方向に移動し、また狭める方向に移動すれば無論他方のガイド板6もやはり狭まる方向に移動するので、一方のガイド板6のみを動作させれば良いことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の技術においては、次に示すような問題点を有している。
まず、例えば航空券等のような媒体を処理する装置とした場合、媒体のサイズの縦横の比率は、最大で約5:2であり、媒体の繰り出し方向と同一方向にサイズを可変とする図4に示す構造では、図5や図6に示すような媒体の繰り出し方向と直交する方向にサイズを可変とする構造と比較した時、媒体を搬送する搬送路長が約2.5倍となることから、装置の大型化を招いてしまうという問題があった。
【0009】
また、図5に示すような構造の場合では、カセットより繰り出して搬送路上を搬送させる際、搬送方向に対して両端辺の位置が、媒体のサイズによって定まっていないことから、媒体走行用の基準面を設けることができず、よって繰り出し後にこの基準面に沿わせてアライナ動作を行うことができないために、媒体が曲がったままの状態で搬送されたりしてしまう場合があり、搬送時における品質を低下してしまう恐れがあった。
【0010】
そして、図6に示す構造では、媒体のサイズによって筐体の媒体収納位置が偏ってしまう場合がある。つまり、最大サイズの媒体に対応して筐体の大きさは設定されているので、最低サイズの媒体を収納しようとすると、媒体の一端は必ず筐体1の一側面に突き当てた状態でセットするので、図6に示すように筐体の他端側は大きく空間ができてしまい、このような場合には、分離ベースの分離片が媒体の繰り出し方向前端辺の中央に位置されない状態が生じることになる。
【0011】
このような場合には、正確な媒体の分離繰り出しが行われなくなる恐れがあり、上記図5に示す例と共に、スキューを発生させる可能性が大きくなって、媒体処理装置の信頼性の低下を招いてしまうという問題があった。
さらに、複数の給紙カセットを着脱自在に装填する装置では、所望の用途におうじてその都度給紙カセットを取り替えるという操作をしなければならないことから、オペレータの操作性を低下させてしまうと共に、装置も全ての給紙カセットの着脱に対応した構造とする必要性から、大型化を招いてしまうという問題があった。
【0012】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、媒体の搬送方向に媒体サイズを可変とすることで招いていた搬送路長並びに装置の大型化を防ぎ、また、繰り出した媒体は確実に基準面に沿わせて搬送可能とすることでスキューの発生を防止すると共に、確実な媒体の分離繰り出しを可能とし、さらには給紙カセットを複数備えなくとも単一の給紙カセットによって複数サイズの媒体の取り扱いを可能とし、装置の大型化を招くこと無く、またスキュー発生の恐れの無い信頼性ある優れた給紙カセットを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため本発明は、繰り出し方向と直交する方向にサイズの異なる媒体を収納する給紙カセットにおいて、前記媒体を収納する媒体収納部を、前記媒体の繰り出し方向に対して前後に複数設け、各媒体収納部に媒体を積載するステージを水平に上下動するように設けたことを特徴とする。
【0014】
そして、前記収納部には媒体の分離を行う分離片をそれぞれ2箇所設ける。
【0015】
【作用】
上述した構成による本発明は、一つの給紙カセット内に異なるサイズの媒体を、該媒体の長手方向を繰り出し方向と直交するようにして複数種同時に収納できることになるので、複数種の媒体を補充したりあるいは交換したりする操作が一回の動作で行えるため、操作性を向上することがきると共に、長手方向に媒体サイズを可変する従来の給紙カセットを収納する場合の構造と比較して装置の小型化を図ることができる。
【0016】
また、媒体を繰り出した場合、媒体は長手方向を横にした状態で搬送されるので、装置の搬送路長を短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。また、分離片は媒体を2箇所で支持することができるように収納部にそれぞれ2箇所設けているので、媒体はスキュー等を発生させることなく安定した状態で装置内部へと繰り出すことができる。
そして、この媒体はその短手方向の一側を、媒体収納部の一方の内側面を基準として収納するのことから、媒体を繰り出す際および搬送する際に基準面を設けることができるので、アライナ動作を行うことができ、繰り出された媒体の磁気データの読み取り及び書き込みや印字処理等における信頼性の向上を図ることができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図1は本実施例の給紙カセットの斜視図、図2は図1に示した給紙カセットに備えた分離ベースの斜視図、図3は媒体処理装置と給紙カセットの外観斜視図であり、これらの図に見られるように、本実施例の給紙カセットは、複数種の媒体を一つのカセット内に収納する構成としている。
【0018】
まず、図3において、10は媒体処理装置、11はこの媒体処理装置10に着脱自在に装填可能な給紙カセットであり、上面を開口した矩形の筐体12の媒体繰り出し方向前後に、給紙用の媒体2を収納する2組の媒体収納部13を備えた構成となっている。
次に、この給紙カセットの構成について、図1と図2とを用いて説明する。給紙カセット11は、これら図1及び図2に見られるように、その筐体12内に、複数種の媒体2を積載するための2組のステージ群を設けており、これらステージ群はそれぞれ以下に示す各構成要素から構成されている。
【0019】
14は前記媒体収納部13の底部に上下動可能に設けたステージで、媒体2の繰り出し方向と直交する方向に積載する媒体2のサイズを変更することができるよう、仕切り板15を着脱するための長穴16を、積載しようとする媒体2のサイズに対応した位置で複数設けている。
17と18は前記ステージ14の両端部に2個づつ並列させて設けたステージギヤであり、これらステージギヤ17と18は互いに外周の一部を噛合すると共に、この噛合箇所とは反対側の外周の一部が、筐体12の側面に設けた開口部19の対向する両側面に設けたラック20と噛合し、このラック20に沿って前記ステージギヤ17と18を上下動することにより前記ステージ14を上下動させるようにしている。
【0020】
また、この二つのステージギヤ17と18のうちの一方のステージギヤ18は、前記ステージ14の下側に延在させたシャフト18aにより他端側のステージギヤ18と連結しており、該シャフト18aを介して両ステージギヤ17と18同士の回転の同期を図っており、これによりステージ14は左右に傾斜することなく水平に上下動することができる。
【0021】
21は各ステージ14の下面側に所定の配置で複数個設けられた付勢手段としてのステージスプリングであり、このステージ14を常に上方に付勢し、これにより、前記図3に示した媒体処理装置10に給紙カセット11を装着した際、該ステージ14上に積載した媒体2の上端面が前記媒体処理装置10に設けられた一対の繰り出しローラ22に圧接させるようにするものである。
【0022】
23は前記繰り出しローラ22の外周の一部と対向して揺動自在に設けられた2個の分離片で、この分離片23は給紙カセット11の筐体12に設けた2つの媒体収納部13にそれぞれ設けた分離ベース24に支持されており、これら2個の分離片23は前記分離ベース24のほぼ中央の位置に一つを、またもう一つをこの分離片23と分離ベース24端部とのほぼ中央、つまり分離ベース24の端部より約1/4の位置に配設している。これは、媒体収納部13内に収納された媒体2のサイズが小さかったような場合、前記分離ベース24の中央に配置された分離片23がこの媒体2の繰り出し方向前端辺に対して適切に配置されない場合があり、このように媒体2が小さいサイズの場合であっても確実に媒体2に対して繰り出しを行うことができる位置に対応できるようにするためである。
【0023】
25は前記分離片23を下面側より棒状の支点26を介して付勢しているテンションスプリングであり、このテンションスプリング25の付勢力によって分離片23は支点26を中心として揺動自在となり、前記媒体処理装置10側に設けられた繰り出しローラ22の周面に密接することができるように該周面の動きに対して追従するようになっている。
【0024】
また、前記分離ベース24はその両端に設けたアーム部24a、およびこのアーム部24aの外側に突出させたポスト、一方のアーム部24aの他端側に設けたカム部24c、そして、他方のアーム部24aの他端側に設けたリミッタ24dにより、給紙カセット11の筐体12の内側の所定位置に回動可能に取り付けられている。
【0025】
そして、27は前記媒体収納部13に設けられた各ステージ14が該媒体収納部13の底部の所定位置まで下がってきた時に、その位置を固定するためのロックであり、各ステージ14の両端に設けられている。
上述した構成において、媒体2を給紙カセット11内に収納しようとする場合は、まず、給紙カセット11を媒体処理装置10より引き出す。図1に示す給紙カセット11は装置おり引き出した状態を示すものであり、この時、ステージ14は媒体収納部13の底部の所定位置にロック27によってロックされている状態にある。
【0026】
給紙カセット11を引き出す動作を行う場合は、給紙カセット11の正面に設けられた把手12aをオペレータが持ち、図3に示すように媒体処理装置10より手前側に引っ張ると引き出される。
この時、給紙カセット11が装置内部の図示せぬ幾つかのレール面と摺動するが、あるレール面とステージギヤ18のポスト18aが係合して摺動すると、該給紙カセット11が引き出されるに従ってポスト18aを下方へ押し下げる構造トなっている。このため、ポスト18aが押し下げられると、ステージギヤ18もステージギヤ17と共にラック20に沿って回転しながら下降する。そして、このステージギヤ18は図示せぬシャフトを介して他端側のステージギヤ18と連結されているため、他端側のステージギヤ18も同期して回転し、同様にラック20に沿って下降する。ステージ14はこのステージギヤ18及び17が両端に取り付けられていることで、このステージギヤ17,18の下降動作に伴って該ステージ14も媒体2と共に媒体収納部13内を底部へと所定の位置まで平行に押し下げられていく。
【0027】
所定の位置まで押し下げられると、ステージ14は該ステージ14の両端部に配置されたロック27によってロックされ、媒体収納部13の底部に固定される。なお、このステージ14のロックは、給紙カセット11の引き出し方向の手前側に位置する媒体収納部13のステージ14がまずロック状態となり、引き出すに従って後方の媒体収納部13のステージ14が順にロック状態となる。
【0028】
さらに、別の図示せぬレール上を分離ベース24のカム部24cが摺動すると、このカム部24cも前述のポスト18aと同様に押し下げられ、媒体処理装置10内の繰り出しローラ22から逃げる構造となっている。ここで、2か所に設けられた各分離ベース24では、図2の実線および破線で示した各カム部24cの位置で、それぞれ給紙カセット11が引き出される方向と直角の方向に各カム部の位置を変えてある。
【0029】
これは、給紙カセット11の引き出し方向後方に配置されている分離ベース24が、引き出し動作の途中で、引き出し方向前方に位置する分離ベース24の位置に達した時に、この引き出し方向前方に位置する分離ベース24と対向する装置側の繰り出しローラ22と再度押圧されるのを防ぐためである。たとえば、繰り出し方向後方に位置する分離ベース24の上に、所定位置から少し繰り出される方向に動いた場合に、媒体収納部13内に残っている媒体2が、再び繰り出し方向手前側の分離ベース24の位置で繰り出しローラ22にされると、これが摩擦負荷となって該媒体2が給紙カセット11から落下し、装置内部に残るのを防ぐためである。
【0030】
こうして給紙カセット11が引き出されると、各分離ベース24はテンションスプリング25に押圧される分離片23によって押圧され、該分離片23は支点26を中心として揺動し、リミッタ24dが図示せぬ給紙カセット11に突き当たり止まる。
引き出された給紙カセット11の各媒体収納部13には、オペレータによりそれぞれ所望のサイズの複数種の媒体2が収納され、補充される。この媒体2の収納は、まず、所望サイズの媒体2の短手方向一側を、媒体収納部13の一側面、図1においては右内側面に突き当てながらステージ14上に載置する。この後、仕切り板15を媒体サイズに応じて、ステージ14に設けられた長穴16に挿入し、これにより媒体の長手方向の位置を規制する。同様にして他の媒体収納部内にも所望サイズの媒体2を収納する。なお、複数の媒体収納部13にはそれぞれ異なるサイズの媒体2を収納することとしても良く、また同種の媒体を収納しても良い。同種の媒体を収納した場合には、オペレータによる補充回数を減らすことができるようになることが考えられる。
【0031】
こうして各媒体収納部13内にそれぞれ所望サイズの媒体2が収納されると、給紙カセット11は再び媒体処理装置10内へと挿入され所定のカセット収納部に装着される。
装置に給紙カセット11を装着する場合は、まず把手12aを手前側にして持ち、他端側を先端として媒体処理装置10のカセット収納部内へと押し込むようにして挿入する。この時、給紙カセット11は前記引き出し動作の時と逆の動作が行われ装置内に装着される。すなわち、給紙カセット11が挿入されると、まず、図示せぬ装置側のロック解除手段と給紙カセット11が係合し、ロック27のロックを解除する。これによりステージ14が自由になるので、ステージスプリング21によって上方に付勢される。この付勢力によって、ステージギヤ17と18が筐体12のラック20に沿って開口部19を上昇し、この上昇によって媒体2の最上層が装置側の繰り出しローラ22に当接するまでステージ14を持ち上げる。つまり、ステージギヤ18は図示せぬシャフトにより左右が連結しているので、一方のギヤが回転すると、その回転力はシャフトを介して他方のギヤにも伝達され、両ステージギヤ17と18は同期して回転し、これによりステージ14を水平な状態で上昇できるようになっており、媒体2が繰り出しローラ22に当接すると上昇が停止する。
【0032】
また、分離ベース24もテンションスプリング25のプレッシャ力により、分離片23を装置側の繰り出しローラ22に押圧する。分離片23は支点26を中心として揺動するために、該繰り出しローラ22の動きに追従し密着し、また、分離ベース24上で上下方向に自由度を持たせているため各々独立懸架となることから2個の前記繰り出しローラ22に対し、2個の分離片23が所定のプレッシャ力で押圧するので、媒体収納部13内に収納された媒体2を繰り出し際には、該媒体2を必ず2か所で支持するので、スキュー等を発生させることなく確実に装置内部へと繰り出される。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、繰り出し方向と直交する方向にサイズの異なる媒体を収納する給紙カセットにおいて、前記媒体を収納する媒体収納部を、前記媒体の繰り出し方向に対して前後に複数設けた構成とし、そして前記収納部に媒体の分離を行う分離片をそれぞれ2箇所設けたものとしている。
【0034】
このため、一つの給紙カセット内に異なるサイズの媒体を、該媒体の長手方向を繰り出し方向と直交するようにして複数種同時に収納できることになるので、複数種の媒体を補充したりあるいは交換したりする操作が一回の動作で行えるため、操作性を向上することがきると共に、長手方向に媒体サイズを可変する従来の給紙カセットを収納する場合の構造と比較して装置の小型化を図ることができる。
【0035】
また、この媒体を繰り出した場合、媒体は長手方向を横にした状態で搬送されるので、装置の搬送路長を短くすることができるので、さらなる装置の小型化を図ることができる。
さらに、体収納部より繰り出される媒体が、最も小さいサイズの媒体であっても、これを支持する繰り出しローラと分離ベースにおける分離片は、かならず媒体を2か所で支持することができる配置で設けられているので、媒体はスキュー等を発生させることなく安定した状態で装置内部へと繰り出すことができる。そして、この媒体はその短手方向の一側を、媒体収納部の一方の内側面を基準として収納するので、媒体を繰り出す際および搬送する際に基準面を設けることができるので、アライナ動作を行うことができ、繰り出された媒体の磁気データの読み取り及び書き込みや印字処理等の信頼性を向上することができる。
【0036】
そして、複数設けられた媒体収納部毎に設けられた複数個の分離ベース上の各々異なった位置にカムを設けたことで、このカムが装置側の一部と摺動することで分離ベースを回動させ、前記装置側の繰り出しローラと分離片とが干渉しないように解除し、一度解除すれば他の繰り出しローラに対応する位置に達してもそのローラによって押圧されることはないので、装置内部に媒体が残留されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の給紙カセットの斜視図である。
【図2】図1に示した給紙カセットに備えた分離ベースの斜視図である。
【図3】媒体処理装置と給紙カセットの外観斜視図である。
【図4】第1の従来例の給紙カセットの構成例を示す斜視図である。
【図5】第2の従来例の給紙カセットの構成例を示す斜視図である。
【図6】第3の従来例の給紙カセットの構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 媒体
11 給紙カセット
12 筐体
14 ステージ
15 仕切り板
17 ステージギヤ
18 ステージギヤ
18a ポスト
20 ラック
21 ステージスプリング
23 分離片
24 分離ベース
25 テンションスプリング
27 ロック
Claims (1)
- 繰り出し方向と直交する方向にサイズの異なる媒体を収納する給紙カセットにおいて、
前記媒体を収納する媒体収納部を、前記媒体の繰り出し方向に対して前後に複数設け、
各媒体収納部に媒体を積載するステージを水平に上下動するように設けるとともに、
各媒体収納部の繰り出し方向前端に回動可能な分離ベースを備え、
前記分離ベースの中央に一つの分離片を配置し、
前記中央に配した分離片と分離ベースの端部との中央にもう一方の分離片を配置し、
積層された媒体をその最上層から分離する際に、前記繰り出しローラとの間で媒体を前記複数の分離片で支持して装置内部へと案内することを特徴とする給紙カセット。
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