JP4408556B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを収容する給紙カセットを具備し、該給紙カセットを装置本体から引き出してシートの補給を行う画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置の給紙カセットとしては、種々のサイズのシート、たとえば、最大でA3サイズから最小でA6サイズのシートを収容可能な構成のものが一般的である。
【0003】
また、大別すると、給紙カセットを引き出した際に、収容可能な最長サイズのシートをセットし得る状態まで引き出した状態で給紙カセットの移動がロックされるロック機構を有するものと、このようなロック機構を有しないものとがある。
【0004】
ユーザーは給紙カセットにシートをセットする際、給紙カセットを最後まで引き出しロックをかけた状態で行うか、或いは、ロック機構がないものでは給紙カセット自体を画像形成装置から取り外したうえで行っていた。また、ロック機構の有無にかかわらず、給紙カセットを途中まで引き出した状態で停止させ、シートをセットすることもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0006】
ユーザーが使用するシートは給紙カセットが対応する最大サイズのものとは限らず、例えば最大サイズの半分の大きさのシートを使用する場合も多々ある。そのような場合にも、ロック機構があるものについては、ユーザーは給紙カセットを無駄に最後まで引き出してシートをセットしなければならない。したがって、給紙カセットの引き出し側に十分な作業用スペースが必要となり、画像形成装置の省スペース化に不利である。
【0007】
また、ロック機構がないものにおいては、ユーザーは給紙カセットを画像形成装置からわざわざ取り外して、シートをセットしなければならない。給紙カセットには、例えばA3などの大サイズのシートに対応するために非常に大きく重いものも存在し、給紙カセットを取り出し、シートをセットし、シートの重量でさらに重くなった給紙カセットを再び画像形成装置に挿入するという作業は、大変苦痛である。特に老人や女性には酷な作業と言える。
【0008】
また、ロック機構の有無にかかわらず、給紙カセットを途中まで引き出した状態で停止させ、シートをセットすることも可能であったが、給紙カセットが安定していないため、シートをセットする際に給紙カセットが動いて作業し辛かった。さらに、ロック機構がないものについては給紙カセットが落下して破損してしまう可能性もあった。
【0009】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、給紙カセットへのシート補給を容易かつ省スペースで行うことができるユーザビリティーに優れた画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、シートを収容する給紙カセットを装置本体から引き出してシートの補給を行う画像形成装置において、前記給紙カセットを引き出す際に、該給紙カセットに収容可能な最長サイズのシートを補給する引き出し量よりも少ない引き出し量において、該給紙カセットの移動を制止する制止手段を備え、前記制止手段は、装置本体に設けられた制止部材と、前記給紙カセットに設けられ前記制止部材に係止する係止部材と、から構成され、前記制止部材または前記係止部材を、前記給紙カセットの引き出し方向に移動自在に設けたことを特徴とする。
【0011】
また、シートを収容する給紙カセットを装置本体から引き出してシートの補給を行う画像形成装置において、前記給紙カセットを引き出す際に、該給紙カセットに収容可能な最長サイズのシートを補給する引き出し量よりも少ない引き出し量において、該給紙カセットの移動を制止する制止手段を備え、前記制止手段は、装置本体に設けられた制止部材と、前記給紙カセットに設けられ前記制止部材に係止する係止部材と、から構成され、前記制止部材または前記係止部材を、前記給紙カセットの引き出し方向に複数設けたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、給紙カセットからシートを給紙し、画像を形成する部分の構成および作用については、従来周知のものと同様であるので、ここでは詳しい説明は省略し、実施の形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0025】
なお、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
【0027】
図1および図2に、本実施の形態に係る画像形成装置に装着される給紙カセット1を示す。図1は給紙カセット1の概略構成断面図であり、図2は図1を上面方向から見た上面図である。
【0028】
給紙カセット1は、画像形成装置本体に引き出し自在に装着されるシート供給手段であって、シートを積載・収容するカセットオケと、該カセットオケに積載されるシートの収容位置を規制する左右のサイド規制板2および後端規制板3とを備えている。
【0029】
左右のサイド規制板2は、カセットオケの両側部に対峙して設けられており、互いに連動してシート幅方向に広狭するように構成されている。収容するシートの幅に合わせてサイド規制板2の間隔を調整してシート束の両側面に当接させることにより、シート幅方向の収容位置を規制し、斜行などの給送不良を防いでいる。
【0030】
後端規制板3は、カセットオケの後端部に配され、カセット引き出し方向と平行な方向にスライド自在に設けられており、カセット引き出し方向と反対側のシート端部を規制する規制部材を構成している。カセットオケに収容するシートの長さに合わせて後端規制板3を位置調整し、シート束の後端面に当接させて、シートの前端をカセットオケ前端部の突き当て面に揃えている。
【0031】
本実施の形態の給紙カセット1が収容可能な対応サイズは、定型サイズでは最長サイズから順にLDR,A3,LGL,LTR横,A4横,EXE横,B5横,A5横である。また、サイド規制板2および後端規制板3は、自由な位置で止めることができるフリーストップタイプなので、LDR〜A5横の間に入るサイズのシートならばどのシートにも対応できる。
【0032】
サイド規制板2および後端規制板3で給紙カセット1内にセットされたシートSは、カセットオケ底面に設けられた中板4および中板バネ5によって、画像形成装置本体側に配置されている図示しない給紙ローラに押圧される。
【0033】
給紙の際は、給紙ローラが一回転すると、給紙カセット1内にセットされたシートSは分離爪6および分離パッド7により一枚に分離され、矢印8方向に給紙され、画像形成装置本体内に搬送される。
【0034】
図3に給紙カセット1を画像形成装置本体に挿入した状態を上面方向から見た図を示す。図中、画像形成部分は省略し、給紙カセット1の挿入部分のみ示してある。
【0035】
給紙カセット1は左右のフレーム9,10にガイドされつつ、図示しない板金にかしめられている位置決めピン11によって位置決めされている。
【0036】
給紙カセット1にシートSをセットする際、矢印12方向にカセットを移動することにより画像形成装置本体から引き出すことができる。よって、この給紙カセット1は、カセット引き出し方向とシート給送方とが同じ方向ということになる。
【0037】
図4は、給紙カセット1を画像形成装置本体から引き出した状態を示している。
【0038】
図に示すように、画像形成装置本体のフレーム9には制止部材としてのロック部材B14が設けられ、一方、給紙カセット1にはロック部材B14に係止する係止部材としてのロック部材A13が設けられている。ここでロック部材A13とロック部材B14とが制止手段たるロック機構を構成している。
【0039】
給紙カセット1を画像形成装置本体から引き出す際に、カセット側のロック部材A13が画像形成装置本体側のロック部材B14に係止することにより、図4の位置で給紙カセット1は制止されロック状態になる。
【0040】
本実施の形態では、ロック部材A13をカセットオケのカセット引き出し方向略中央部に設け、ロック部材A14をフレーム9の前端部に設けたので、給紙カセット1を引き出す際に、カセットオケの手前半分程度が開放された状態で給紙カセット1がロックされることになる。この状態において、ユーザーはLTR横より短いシートを補給することができる。
【0041】
ロック機構の詳細を図5および図6に示す。図5は図4と同じ状態でロック部材A13とロック部材B14が接触している。ロック部材B14はロックバネ15により押圧されている。この状態からさらに給紙カセット1を引っ張るとロック部材B14が図6のようにたわみ、さらに給紙カセット1を引き出すことができる。
【0042】
また、給紙カセット1の後端部には後端ロック部材16が設けられており、カセットオケが略全面開放され、収容可能な最長サイズのシート(本実施の形態においてはLDRサイズ)を補給することができる状態においてもロックがかかるようになっている。LTR横より長いシートを補給する際は、この状態まで引き出すと安定して作業を行うことができる。
【0043】
以上述べたように、本実施の形態の構成によれば、給紙カセット1を引き出し途中でロックさせることができるので、小サイズのシートを補給する場合は、給紙カセット1を途中まで引き出すだけでシートSをセットすることが可能になり、シート補給作業の簡易化および省スペース化を図ることができる。
【0044】
また、給紙カセット1を画像形成装置本体から取り外す必要が無くなるので、ユーザーは重い給紙カセット1を持ち上げる作業を行わなくて済む。
【0045】
尚、ロック位置は本実施の形態で示した位置でなくても良い。たとえば、ロック部材A13またはロック部材B14をカセット引き出し方向に移動自在に設け、ユーザーのニーズに合わせて移動しても良いし、ユーザーが手動で調整できるようにしても良い。
【0046】
また、給紙カセット1に複数のロック部材を設けても良い。これにより、給紙カセット1が段階的にロックするようになり、ユーザーは収容するシートのサイズに応じて適宜のロック位置を選択することができる。もちろん、画像形成装置本体側に複数のロック部材を設けても同様の作用効果を得ることが可能である。
【0047】
さらに、本実施の形態ではカセット引き出し方向への移動のみが制止されるような構成としたが、たとえば、ロック部材A13をロック部材B14に嵌合する形状にして、引き出し方向と装着方向の両方向の移動を制止するようにすれば、より安定性が増す。
【0048】
また、ロック機構の構成については、本実施の形態で述べたものに限られず、たとえば、画像形成装置本体または給紙カセットの一方に嵌合穴を、他方にその嵌合穴に嵌合する嵌合ピンを設ける等、公知のロック機構を適用可能であることは言うまでもない。
【0049】
(第2の実施の形態)
図7には、本発明の第2の実施の形態が示されている。
【0050】
以下の説明では、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、同一の構成部分については詳しい説明を省略する。
【0051】
本実施の形態では、後端規制板3とロック部材A13が同一部材で形成されている。すなわち、図に示すように、後端規制板3の一端が給紙カセット1の側端部まで延設され、その先端にロック部材A13が一体的に形成された構成となっている。
【0052】
ロック部材A13は後端規制板3と連動して動くので、給紙カセット1に収容されているシートSのサイズに応じて、給紙カセット1のロック位置を変化させることができる。ロック部材A13は、シートSが最低限セットできる引き出し量まで給紙カセット1が引き出されたときにロックがかかるように設定されている。
【0053】
したがって、本実施の形態の構成によれば、シートを補給する際、現在給紙カセットに収容されているものと同サイズのシートを補給するために十分な引き出し量だけ引き出された状態で給紙カセットが固定されるので、上記第1の実施の形態よりも、さらに操作性および柔軟性に優れ、多くのユーザーにとって便利であると言える。
【0054】
尚、ロック部材A13を後端規制板3とは必ずしも同一部材で形成する必要はなく、たとえば、ロック部材A13を給紙カセット1の側面にスライド自在に組み付け、後端規制板3とロック部材A13とをラックやピニオン等で連動する構成にする等、後端規制板3に連動してロック部材A13が移動するものであればどのような構成を利用しても良い。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、給紙カセットに収容可能な最長サイズのシートを補給する引き出し量よりも少ない引き出し量において、給紙カセットの移動を制止する制止手段を備えたので、小サイズのシートを補給する場合は、給紙カセットを途中まで引き出すだけでシートを補給することが可能になり、シート補給作業の簡易化および省スペース化を図ることができ、ユーザビリティーに優れた画像形成装置を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の給紙カセットの概略構成断面図である。
【図2】図1の給紙カセットの上面図である。
【図3】図1の給紙カセットを画像形成装置本体に装着した状態の説明図である。
【図4】図1の給紙カセットを画像形成装置本体から引き出した状態の説明図である。
【図5】図1の給紙カセットのロック機構の説明図である。
【図6】図1の給紙カセットのロック機構の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の給紙カセットの上面図である。
【符号の説明】
1 給紙カセット
2 サイド規制板
3 後端規制板(規制部材)
9,10 フレーム
13 ロック部材A(制止手段,係止部材)
14 ロック部材B(制止手段,制止部材)
15 ロックバネ
16 後端ロック部材
S シート

Claims (5)

  1. シートを収容する給紙カセットを装置本体から引き出してシートの補給を行う画像形成装置において、
    前記給紙カセットを引き出す際に、該給紙カセットに収容可能な最長サイズのシートを補給する引き出し量よりも少ない引き出し量において、該給紙カセットの移動を制止する制止手段を備え、
    前記制止手段は、装置本体に設けられた制止部材と、前記給紙カセットに設けられ前記制止部材に係止する係止部材と、から構成され、
    前記制止部材または前記係止部材を、前記給紙カセットの引き出し方向に移動自在に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. シートを収容する給紙カセットを装置本体から引き出してシートの補給を行う画像形成装置において、
    前記給紙カセットを引き出す際に、該給紙カセットに収容可能な最長サイズのシートを補給する引き出し量よりも少ない引き出し量において、該給紙カセットの移動を制止する制止手段を備え、
    前記制止手段は、装置本体に設けられた制止部材と、前記給紙カセットに設けられ前記制止部材に係止する係止部材と、から構成され、
    前記制止部材または前記係止部材を、前記給紙カセットの引き出し方向に複数設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記給紙カセットの引き出し方向と、該給紙カセットからのシートの給送方向とが同じ方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記給紙カセットに収容可能なサイズのシートのいずれも、該給紙カセットの引き出し方向側に設けられた規制位置に、シート端部を揃えて収容されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 前記制止手段は、前記最長サイズの略半分の長さのシートを補給し得る引き出し量において、前記給紙カセットの移動を制止することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
    に記載の画像形成装置。
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