JP3575301B2 - 内燃機関における電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents

内燃機関における電磁駆動弁の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸・排気弁を電磁力で開閉する電磁駆動弁の制御装置に関し、特に、機関の始動又は停止時における吸・排気弁の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関の高性能化に対応することを目的とし、吸・排気弁の開閉時期を自由に制御できる電磁駆動弁が知られている。電磁駆動弁は、吸・排気弁を開弁用電磁石及び閉弁用電磁石により全開位置及び全閉位置に変位させるものである。そして、電磁駆動弁の制御技術の一例として、特開平8−170510号公報,特開平10−18820号公報等に開示されるように、機関停止時における不具合を解消する技術が種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、機関停止後に電磁駆動弁への電力供給が遮断されると、吸・排気弁は、全開位置と全閉位置との間の不定位置で停止するため、吸・排気弁が開弁状態のままとなる場合がある。
【0004】
しかしながら、機関停止直前には、排気マニホルド等の排気系が高温になっており、また、吸気マニホルド等の吸気系の内壁には燃料の壁流が付着している。このため、機関停止後に吸・排気弁が開弁状態であると、吸気系と排気系とが連通し、吸気系に付着していた壁流が気化して排気系に流れ込み、排気系の温度によって着火されバックファイアが発生するおそれがある。かかる不具合は、機関停止後に発生するため、機関停止後の機関状態を全く考慮していない従来の技術では解決できなかった。
【0005】
一方、機関始動時のことを考えると、機関が完全に起動するまで、スタータモータ及び電磁駆動弁の電力供給をバッテリから行わなければならない。機関が起動するためには、吸・排気弁がクランクシャフトの回転に同期して開閉する必要があるが、電磁駆動弁は非作動時に不定位置にあるため、クランクシャフトの回転に同期するまである程度の時間がかかってしまう。このため、吸・排気弁の同期が完了するまで、スタータモータを作動し続けなければならず、バッテリの消耗が大であった。
【0006】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、機関の停止及び始動時における吸・排気弁の制御状態を再考することにより、機関停止直後に発生するバックファイアの防止、及び、機関始動時のバッテリ消費電力を低減する内燃機関における電磁駆動弁の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明は、図1に示すように、弾性体により内燃機関の吸・排気弁Aを中立位置に弾性支持すると共に、吸・排気弁Aを電磁力により全開位置又は全閉位置に変位させるように構成された電磁駆動手段Bと、前記吸・排気弁Aの少なくとも一方を全閉位置近傍に固定可能な固定手段Cと、前記内燃機関の停止操作が行われたときに、前記固定手段Cを作動させて吸・排気弁Aの少なくとも一方を全閉位置近傍に固定する固定制御手段Dと、を含んで内燃機関における電磁駆動弁の制御装置を構成したことを特徴とする。
【0009】
かかる請求項1の構成によれば、内燃機関の停止操作が行われると、吸・排気弁の少なくとも一方が全閉位置近傍に固定される。このため、内燃機関の吸気系と排気系との連通が遮断され、吸気系に残存していた燃料液滴が気化しても、この気化燃料が排気系へ導入されることが防止される。また、例えば、機関始動時に吸・排気弁の固定を解除すると、弾性体により吸・排気弁が開弁方向に移動するので、弾性体に蓄えられていたエネルギの分だけ消費電力が少なくなる。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記固定制御手段は、前記内燃機関の停止操作が行われ、かつ、回転速度検出手段により検出された回転速度が所定値以下になったときに、前記固定手段を作動させて吸・排気弁を全閉位置近傍に固定する構成とした。
【0011】
かかる構成によれば、吸・排気弁を全閉位置近傍に固定する時期は、内燃機関の回転速度が所定値以下になったときとなるので、高回転において吸・排気弁が全閉位置近傍で固定されることが防止される。このため、例えば、所定値を機関停止直前に設定すれば、内燃機関が急に停止する等の乗員に不快感を与える現象が抑制される。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記固定制御手段は、吸・排気弁を全閉位置近傍に固定する条件が成立してから所定時間経過後に、前記固定手段を作動させて吸・排気弁を全閉位置近傍に固定する構成とした。
【0013】
かかる構成によれば、吸・排気弁を全閉位置に固定する条件が成立してから所定時間経過後に、吸・排気弁が全閉位置近傍に固定されるので、何らかの原因により吸・排気弁が全閉とならなかった場合でも、次の作動行程において全閉となる確率が高くなる。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記固定手段が吸気弁側に備えられているものにあっては、前記内燃機関の始動操作が行われた後、吸気行程に移行した気筒から、前記固定手段による吸気弁の固定を解除する第1の解除制御手段を含んだ構成とした。
【0015】
かかる構成によれば、内燃機関の始動操作が行われると、吸気行程へ移行した気筒から、吸気弁の固定が解除される。このとき、弾性体に蓄えられていたエネルギにより、吸気弁が迅速に開弁方向に移動させられるため、その分だけ消費電力が少なくなる。また、機関始動に要する時間が短縮すると共に、いわゆる固着はがしも促進される。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記内燃機関の始動操作が行われたときに、該内燃機関への燃料供給を開始する燃料供給開始手段を含んだ構成とした。
かかる構成によれば、機関始動直後に、内燃機関への燃料供給が行われる。このとき、吸気弁が全閉位置近傍に固定されているので、燃料噴霧が点火プラグに到達することがなく、いわゆるプラグかぶりを防止しつつ、内燃機関の早期始動が可能となる。
【0017】
請求項6記載の発明は、前記固定手段が排気弁側に備えられているものにあっては、前記内燃機関の始動操作が行われたときに、前記固定手段による排気弁の固定を解除する第2の解除制御手段を含んだ構成とした。
【0018】
かかる構成によれば、機関始動直後に、排気弁の固定が解除されるので、消費電力の軽減、機関始動に要する時間の短縮、及び、いわゆる固着はがしの促進が行われる。また、ポンプロスの低減によるクランキング回転速度の早期上昇が期待でき、機関始動に要する時間がより短縮する。
【0019】
請求項7記載の発明は、前記固定手段は、前記吸・排気弁が全閉位置近傍で固定されるように、吸・排気弁を機械的に固定する固定部材と、該固定部材による吸・排気弁の固定及び解放を行う作動部材と、を含んだ構成とした。
【0020】
かかる構成によれば、吸・排気弁を全閉位置近傍で固定又は固定解除するには、作動部材により固定部材を作動させればよい。このため、簡単な機械的機構により吸・排気弁の固定が行われ、固定手段を備えることによる信頼性の低下、コストの上昇等が抑制される。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、内燃機関の停止後には、吸・排気弁の少なくとも一方が全閉位置近傍に固定されるので、吸気系と排気系との連通が遮断され、バックファイアの発生を確実に防止することができる。また、弾性体に蓄えられていたエネルギの分だけ消費電力を少なくすることができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、高回転で吸・排気弁が全閉位置近傍で固定されることが防止され、内燃機関が急に停止する等の乗員に不快感を与える現象の発生を抑制することができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、吸・排気弁を全閉位置に固定する条件が成立してから所定時間経過後に、吸・排気弁が全閉位置近傍に固定されるので、機関停止後に吸気系と排気系との連通を極めて高い確率で遮断することができる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、弾性体に蓄えられていたエネルギにより、吸気弁が迅速に開弁方向に移動させられ、その分だけ消費電力を少なくすることができる。また、機関始動に要する時間が短縮すると共に、いわゆる固着はがしも促進することができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、機関停止中には吸気弁が全閉位置近傍に固定されているので、いわゆるプラグかぶりを考慮せず、内燃機関の早期始動を実現するために、機関始動直後に燃料供給を行うことができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、機関始動直後に、排気弁の固定が解除されるので、消費電力の軽減、機関始動に要する時間の短縮、及び、いわゆる固着はがしの促進を行うことができる。また、ポンプロスの低減によるクランキング回転速度の早期上昇が期待でき、機関始動に要する時間をより短縮することができる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、簡単な機構により固定手段が構成され、信頼性の低下、コストの上昇等を抑制することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図2は、本発明の一実施形態を示すシステム図である。
【0029】
内燃機関1のシリンダヘッド2には、燃焼室3を望むように、その略中央に点火プラグ4が配設されると共に、点火プラグ4を囲むように、電磁駆動装置5,6(電磁駆動手段) により開閉駆動される吸気弁7及び排気弁8が配設される。ここで、電磁駆動装置5,6及び吸・排気弁7,8により電磁駆動弁が構成される。各気筒の吸気ポート9には、機関運転状態に応じた時期に所定量の燃料噴霧を噴射する燃料噴射弁10が配設される。また、吸気ポート9の上流側にあたる吸気通路11には、内燃機関1の燃焼室3に吸入される吸入空気流量Qを検出するエアフローメータ12が配設される。内燃機関1のクランクプーリ13には、基準クランク角で基準角度信号Refを出力すると共に、単位クランク角ごとに単位角度信号Posを出力するクランク角センサ14が配設される。この他、アクセルペダル15には、アクセルペダル15の踏込み量Accを検出するアクセルペダルセンサ16が配設される。
【0030】
エアフローメータ12,クランク角センサ14及びアクセルペダルセンサ16の出力信号は、夫々、マイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニット18に入力される。また、内燃機関1の始動及び停止操作が行われたことを検出するために、イグニッションスイッチ17のON/OFF信号もコントロールユニット18に入力される。そして、コントロールユニット18は、クランク角センサ14からの信号に基づき、機関回転速度Neの算出(回転速度検出手段)及び気筒判別(どの気筒が上死点にあるかの判別)を行うと共に、各センサからの信号に基づき、燃料噴射弁10,点火プラグ14及び電磁駆動装置5,6の制御を行う。
【0031】
次に、電磁駆動装置5,6の構成を図3に基づいて説明する。
電磁駆動装置5,6は、非磁性体のハウジング20と、棒状の弁体21と、閉弁用電磁石22と、開弁用電磁石23と、閉弁側戻しバネ24(弾性体)と、開弁側戻しバネ25(弾性体)と、ストッパ機構26(固定手段)と、を含んで構成される。弁体21は、ハウジング20内部で軸方向に移動自由に保持され、その下端部が吸・排気弁7,8の弁軸端部に一体的に結合される。また、弁体21の中間部には、板状の可動子21aが一体的に結合される。閉弁用電磁石22は、可動子21aを吸引して吸・排気弁7,8を閉弁作動させる電磁力を発揮するように、可動子21aの上面に対向する位置でハウジング20内に固定される。開弁用電磁石23は、可動子21aを吸引して吸・排気弁7,8を開弁作動させる電磁力を発揮するように、可動子21aの下面に対向する位置でハウジング20内に固定される。閉弁側戻しバネ24は、弁体21を介して吸・排気弁7,8を閉弁方向に付勢するように、弁体21の下端部に配設される。開弁側戻しバネ25は、弁体21を介して吸・排気弁7,8を開弁方向に付勢するように、弁体21の上端部に配設される。そして、閉弁用電磁石22と開弁用電磁石23とを共に通電停止状態としたときに、吸・排気弁7,8は、全開位置と全閉位置との間の中立位置に弾性支持されるように、閉弁側戻しバネ24及び開弁側戻しバネ25のバネ定数が設定される。
【0032】
ストッパ機構26は、ストッパ部26a(固定部材) と、図示しないアクチュエータ部(作動部材)と、を含んで構成される。ストッパ部26aは、鉤形の板状部材からなり、基端部が回動自由に支持されると共に、先端部が可動子21a下面に当接して吸・排気弁7,8を閉弁位置近傍で固定するように構成される。アクチュエータ部は、例えば、電動モータからなり、ストッパ部26aの基端部を支持する軸部26bに接続される。
【0033】
ここで、ストッパ部26aは、バッテリの消耗低減の観点から、アクチュエータ部の非作動時に吸・排気弁7,8を固定状態に保持するため、例えば、バネで固定方向に付勢することが好ましい。また、排気弁8の電磁駆動装置6の場合には、1つのアクチュエータ部で複数のストッパ部26aを回動してもよいが、吸気弁7の電磁駆動装置5の場合には、各気筒ごとに独立したアクチュエータ部でストッパ部26aを回動するのが好ましい。
【0034】
かかる構成において、吸・排気弁7,8を中立位置から全閉とするには、閉弁用電磁石22に通電をして電磁力を発生させ、開弁側戻しバネ25の付勢力に抗して可動子21aの上面を閉弁用電磁石22に吸着させる。この状態から吸・排気弁7,8を全開とするには、閉弁用電磁石22への通電を停止し、開弁側戻しバネ25の反力により弁体21を開弁方向に移動させると共に、開弁用電磁石23に通電をして電磁力を発生させ、閉弁側戻しバネ24の付勢力に抗して可動子21aの下面を開弁用電磁石23に吸着させる。
【0035】
このような動作を周期的に繰り返すことで、内燃機関1の動弁装置としての機能を発揮することができる。
次に、コントロールユニット18による電磁駆動弁の制御内容について、図4〜図7のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0036】
図4は、機関停止時における吸気側の電磁制御弁の制御内容を示し、イグニッションスイッチ17をOFFとした後に処理が開始される。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、機関回転速度Neが所定値以下であるか否かを判定する。そして、機関回転速度Neが所定値以下であればステップ2へと進み(Yes)、機関回転速度Neが所定値より大きければステップ1の処理を繰り返す(No)。即ち、ステップ1では、イグニッションスイッチ17がOFFとなり機関が停止するまでの過程で、機関回転速度Neが所定値以下になるまで待機する処理が行われる。
【0037】
ステップ2では、吸気行程から圧縮行程への移行に際して、吸気弁7が全開状態から全閉状態となったときに、その状態を保持するため閉弁用電磁石22への通電を継続する。即ち、吸気弁7が全閉となった場合に、次の吸気行程において吸気弁7が開弁しないようにする。なお、かかる処理は、各気筒の吸気弁7に対して行われ、最終的には、全ての吸気弁7が全閉状態となる。
【0038】
ステップ3では、各吸気弁7が全閉状態となった後に、所定時間経過するまで待機する。かかる処理は、全ての吸気弁7が全閉状態となってから所定時間経過するまで待機してもよい。そして、かかる処理により、吸気弁7が確実に閉弁した状態を確保することができる。
【0039】
ステップ4では、ストッパ機構26のアクチュエータ部を作動させ、図3で2点鎖線で示すように、ストッパ部26aの先端部を可動子21aの下面と当接させて、吸気弁7が全閉位置近傍で固定されるようにする。なお、かかる処理が、固定制御手段に相当する。
【0040】
ステップ5では、コントロールユニット18への電源供給を遮断し、内燃機関1の停止制御を完了させる。
以上説明したステップ1〜ステップ5の処理によれば、内燃機関1を停止するためにイグニッションスイッチ17をOFFとすると、全ての吸気弁7が全閉位置近傍で固定される。このため、内燃機関1の吸気系と排気系との連通が遮断されるので、吸気系に残存していた燃料液滴が気化しても排気系への導入が防止され、バックファイアの発生を確実に防止することができる。
【0041】
図5は、機関始動時における吸気弁側の電磁制御弁の制御内容を示し、イグニッションスイッチ17をONとした後に処理が開始される。
ステップ11では、スタートスイッチをONとし、スタータモータを作動させる。
【0042】
ステップ12では、内燃機関1の早期起動を実現するために、燃料噴射弁10から吸気ポート9内に燃料噴霧を噴射する。このとき、吸気弁7は、電磁駆動装置5のストッパ機構26により全閉位置近傍に固定されているので、燃料噴射弁10から噴射された燃料噴霧が点火プラグ4に到達することがなく、いわゆるプラグかぶりを防止することができる。なお、かかる処理が、燃料供給開始手段に相当する。
【0043】
ステップ13では、クランクシャフトの回転に伴う各気筒の気筒判別を行う。即ち、最初に上死点となった気筒のいずれかを吸気行程にあると判別する。
ステップ14では、排気行程から吸気行程に移行した気筒から、ストッパ機構26のアクチュエータ部を作動させ、図3で実線で示すように、ストッパ部26aの先端部を可動子21aの下面から離間させて、吸気弁7が開弁方向に自由に移動できるようにする。その後、開弁用電磁石23に通電を行い、吸気弁7を全開位置に移動させる。なお、ステップ14の処理が、第1の解除制御手段に相当する。
【0044】
ステップ15では、吸気行程が終了した気筒から、開弁用電磁石23への通電を停止すると共に閉弁用電磁石22に通電を行い、吸気弁7を全開位置から全閉位置へと移動させる。
【0045】
ステップ16では、通常の吸気弁作動へ制御を移行する。
以上説明したステップ11〜ステップ16の処理によれば、機関停止後には、全ての吸気弁7が全閉位置近傍で固定されているため、いわゆるプラグかぶりを考慮せず、早期起動を実現するために、スタータモータの作動直後に燃料噴霧の噴射を行うことが可能となる。また、吸気行程に移行した気筒から電磁駆動装置5のストッパ機構26が解放されるので、開弁側戻しバネ25に蓄えられていたエネルギにより吸気弁7の開弁方向への移動が迅速に行われ、その分だけ、開弁用電磁石23に供給する電力を少なくすることが可能となる。このため、クランクシャフトの回転に吸気弁7を同期させるための初期化エネルギが低減し、消費電力の低減、即ち、バッテリの消耗を抑制することができる。さらに、吸気弁7がデポジット等によりバルブシートに固着していても、開弁側戻しバネ25により吸気弁7が開弁方向に強制的に移動させられるので、吸気弁7の固着はがしも促進することができる。
【0046】
図6は、機関停止時における排気側の電磁駆動弁の制御内容を示し、イグニッションスイッチ17をOFFとした後に処理が開始される。
ステップ21では、機関回転速度Neが所定値以下であるか否かを判定する。そして、機関回転速度Neが所定値以下であればステップ22へと進み(Yes)、機関回転速度Neが所定値より大きければステップ21の処理を繰り返す(No)。即ち、ステップ21では、イグニッションスイッチ17がOFFとなり機関が停止するまでの過程で、機関回転速度Neが所定値以下になるまで待機する処理が行われる。
【0047】
ステップ22では、排気行程から吸気行程への移行に際して、排気弁8が全開状態から全閉状態となったときに、その状態を保持するため閉弁用電磁石22への通電を継続する。即ち、排気弁8が全閉となった場合に、次の排気行程において排気弁8が開弁しないようにする。なお、かかる処理は、各気筒の排気弁8に対して行われ、最終的には、全ての排気弁8が全閉状態となる。
【0048】
ステップ23では、各排気弁8が全閉状態となった後に、所定時間経過するまで待機する。かかる処理は、全ての排気弁8が全閉状態となってから所定時間経過するまで待機してもよい。そして、かかる処理により、排気弁8が確実に閉弁した状態を確保することができる。
【0049】
ステップ24では、ストッパ機構26のアクチュエータ部を作動させ、図3で2点鎖線で示すように、ストッパ部26aの先端部を可動子21aの下面と当接させて、排気弁8が全閉位置近傍で固定されるようにする。なお、かかる処理が、固定制御手段に相当する。
【0050】
ステップ25では、コントロールユニット18への電源供給を遮断し、内燃機関1の停止制御を完了させる。
以上説明したステップ21〜ステップ25の処理によれば、内燃機関1を停止するためにイグニッションスイッチ17をOFFとすると、全ての排気弁8が全閉位置近傍で固定される。このため、内燃機関1の吸気系と排気系との連通が遮断されるので、吸気系に残存していた燃料液滴が気化しても排気系への導入が防止され、バックファイアの発生を確実に防止することができる。
【0051】
図7は、機関始動時における排気側の電磁駆動弁の制御内容を示し、イグニッションスイッチ17をONとした後に処理が開始される。
ステップ31では、スタートスイッチをONとし、スタータモータを作動させる。
【0052】
ステップ32では、ストッパ機構26のアクチュエータ部を作動させ、図3で実線で示すように、ストッパ部26aの先端部を可動子21aの下面から離間させて、排気弁8が開弁方向に自由に移動できるようにする。その後、開弁用電磁石23に通電を行い、排気弁8を全開位置に移動させる。ここで、機関始動時に排気弁8を全開位置に移動させることにより、いわゆるデコンプ(ポンプロスの低減によりクランキング回転速度の早期上昇)が行われ、機関の始動をより容易に行うことができる。なお、かかる処理が、第2の解除制御手段に相当する。
【0053】
ステップ33では、クランクシャフトの回転に伴う各気筒の気筒判別を行う。ステップ34では、排気行程が終了した気筒から、開弁用電磁石23への通電を停止すると共に閉弁用電磁石22に通電を行い、排気弁8を全開位置から全閉位置へと移動させる。
【0054】
ステップ35では、通常の排気弁作動へ制御を移行する。
以上説明したステップ31〜ステップ35の処理によれば、機関始動時には、先ず電磁駆動装置6のストッパ機構26が解放されるので、いわゆるデコンプにより、始動がより容易に行われる。また、開弁側戻しバネ25に蓄えられていたエネルギにより排気弁8の開弁方向への移動が迅速に行われ、その分だけ、開弁用電磁石23に供給する電力を少なくすることが可能となる。このため、クランクシャフトの回転に排気弁8を同期させるための初期化エネルギが低減し、消費電力の低減、即ち、バッテリの消耗を抑制することができる。さらに、排気弁8がデポジット等によりバルブシートに固着していても、開弁側戻しバネ25により排気弁8が開弁方向に強制的に移動させられるので、排気弁8の固着はがしも促進することができる。
【0055】
なお、以上説明した吸・排気弁7,8の制御は、吸気弁7及び排気弁8の少なくとも一方で行うようにすればよい。この場合、機関始動時にいわゆるプラグかぶりを確実に防止することができるので、吸気弁7に対してかかる制御を行うことが、コスト等の観点からも有利である。レイアウト等の都合により、吸気弁7又は排気弁8の電磁駆動装置5,6の一方のみにストッパ機構26を組み込めない場合には、各気筒ごとに組み込み可能な方にストッパ機構26を組み込むようにすればよい。
【0056】
また、吸・排気弁7,8を全閉位置近傍に固定するストッパ機構26は、先の実施形態のような機械的なものでなくてもよい。即ち、閉弁用電磁石22の下面に永久磁石を組み込んだり、閉弁側戻しバネ24のバネ定数を開弁側戻しバネ25のバネ定数より大きく設定し、電磁駆動装置5,6の非作動時に、吸・排気弁7,8が全閉位置近傍に位置するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】本発明の一実施形態を示すシステム図
【図3】同上で使用される電磁駆動装置の基本構造図
【図4】機関停止時における吸気側の制御内容を示すフローチャート
【図5】機関始動時における吸気側の制御内容を示すフローチャート
【図6】機関停止時における排気側の制御内容を示すフローチャート
【図7】機関始動時における排気側の制御内容を示すフローチャート
【符号の説明】
1 内燃機関
5,6 電磁駆動装置
7 吸気弁
8 排気弁
10 燃料噴射弁
14 クランク角センサ
17 イグニッションスイッチ
18 コントロールユニット
22 閉弁用電磁石
23 開弁用電磁石
24 閉弁側戻しバネ
25 開弁側戻しバネ
26 ストッパ機構
26a ストッパ部

Claims (7)

  1. 弾性体により内燃機関の吸・排気弁を中立位置に弾性支持すると共に、吸・排気弁を電磁力により全開位置又は全閉位置に変位させるように構成された電磁駆動手段と、
    前記吸・排気弁の少なくとも一方を全閉位置近傍に固定可能な固定手段と、
    前記内燃機関の停止操作が行われたときに、前記固定手段を作動させて吸・排気弁の少なくとも一方を全閉位置近傍に固定する固定制御手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関における電磁駆動弁の制御装置。
  2. 前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
    前記固定制御手段は、前記内燃機関の停止操作が行われ、かつ、回転速度検出手段により検出された回転速度が所定値以下になったときに、前記固定手段を作動させて吸・排気弁を全閉位置近傍に固定する構成である請求項1記載の内燃機関における電磁駆動弁の制御装置。
  3. 前記固定制御手段は、吸・排気弁を全閉位置近傍に固定する条件が成立してから所定時間経過後に、前記固定手段を作動させて吸・排気弁を全閉位置近傍に固定する構成である請求項1又は請求項2に記載の内燃機関における電磁駆動弁の制御装置。
  4. 前記固定手段が吸気弁側に備えられているものにあっては、
    前記内燃機関の始動操作が行われた後、吸気行程に移行した気筒から、前記固定手段による吸気弁の固定を解除する第1の解除制御手段を含んだ構成である請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関における電磁駆動弁の制御装置。
  5. 前記内燃機関の始動操作が行われたときに、該内燃機関への燃料供給を開始する燃料供給開始手段を含んだ構成である請求項4記載の内燃機関における電磁駆動弁の制御装置。
  6. 前記固定手段が排気弁側に備えられているものにあっては、
    前記内燃機関の始動操作が行われたときに、前記固定手段による排気弁の固定を解除する第2の解除制御手段を含んだ構成である請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関における電磁駆動弁の制御装置。
  7. 前記固定手段は、
    前記吸・排気弁が全閉位置近傍で固定されるように、吸・排気弁を機械的に固定する固定部材と、
    該固定部材による吸・排気弁の固定及び解放を行う作動部材と、
    を含んだ構成である請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の内燃機関における電磁駆動弁の制御装置。
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