JP3633113B2 - 吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法 - Google Patents

吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バネ質量系に外力として電磁力を加える構成の電磁駆動弁を吸気弁及び排気弁として使用する内燃機関の停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸排気弁としては、クランクシャフトの回転に基づいて駆動されるカムシャフトにより開閉操作されるものが一般的である。そして、内燃機関の高性能化を図るという観点から、運転状態に応じて最適な弁開閉時期を達成するために動弁系の可変機構が種々実用化されつつあり、2段切り替え式(ON/OFF制御式)のものを始めとして連続可変式のものも開発されている。これら可変機構には、カムシャフトの回転位相をずらすものや、カムシャフトに複数のカムプロファイルを備えるもの等がある。
【0003】
しかしながら、上述のようなカムシャフトにより駆動される吸排気弁では、バルブリフト量、開弁期間及び弁開閉時期の全てを独立かつ任意に設定することは不可能である。そこで、近年においては、内燃機関に対する更なる高性能化の要求に応えるべく、運転状態に応じてそれらのパラメータを理想的な値に設定可能な電磁駆動式動弁系に関する研究が活発化してきている。例えば、特開昭 59−213913号公報は、一対のバネによる付勢力により中間位置に支持される弁体を、その弁体と連結したプランジャに電磁力を作用させることにより、その中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる電磁駆動弁について開示している。
【0004】
かかる電磁駆動式の吸排気弁では、内燃機関のクランクシャフトと機械的に結合されていないため、クランク角センサ及び基準位置検出センサからの信号に基づく電子制御により、弁リフトとクランク角とが所望の相対関係を維持するようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような、プランジャを質量として含むバネ質量系に外力として電磁力を加える構成の電磁駆動弁では、非通電時すなわち電磁力が加えられていない状態において、弁体は、中立位置すなわちフルリフトの半分のリフト(半開)状態に保たれる。従って、イグニションキーがオフとされて機関の停止が指示されたと同時に電磁弁への電力供給をも停止すると、ピストンが慣性により動いているにもかかわらず、弁体が中間位置で停止することとなる。そのようにして弁体とピストンとの相対的位置関係における整合性が保証されない状態では、様々な不具合が発生する。例えば、爆発行程中に電磁弁が停止された気筒では、燃焼室内の燃焼ガスが半開状態の吸気弁から吸気系に逆流する。また、圧縮行程のあるタイミングで電磁弁が停止された気筒では、吸気系で未燃ガスが燃焼することとなる。このように燃焼ガスが過度に吸気系に流入したり未燃ガスが吸気系で燃焼した場合には、吸気系の部品が熱により損傷するおそれがある。
【0006】
かかる実情に鑑み、本発明の目的は、バネ質量系に外力として電磁力を加える構成の電磁駆動弁を吸排気弁として使用する内燃機関において、吸気系の損傷を招くことのない停止方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく案出された、本願第1の発明に係る、内燃機関の停止方法は、一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けてから内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、排気弁及び吸気弁を内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動させることを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明に係る、内燃機関の停止方法は、一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けてから内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、排気弁を内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動させるとともに吸気弁を閉弁状態に保持することを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明に係る、内燃機関の停止方法は、一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けて排気弁を電磁駆動せしめるための電力の供給を停止するとともに、内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、吸気弁を内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動させることを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明に係る、内燃機関の停止方法は、一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けて排気弁を電磁駆動せしめるための電力の供給を停止するとともに、内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、吸気弁を閉弁状態に保持することを特徴とする。
【0011】
上述の如く構成された、第1から第4までの発明に係る、内燃機関の停止方法によれば、機関運転停止の信号を受けてから内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、吸気弁は、内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動せしめられるか、又は閉弁状態に保持されるため、燃焼ガスが吸気系に流入したり未燃ガスが吸気系で燃焼したりする事態は生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子制御式内燃機関の全体概要図である。エンジンの燃焼に必要な空気は、エアクリーナ2でろ過され、スロットルボデー4を通ってサージタンク(インテークマニホルド)6で各気筒の吸気管7に分配される。なお、その吸入空気流量は、スロットルボデー4に設けられたスロットル弁5により調節されるとともに、エアフローメータ40により計測される。また、吸入空気温度は、吸気温センサ43により検出される。さらに、吸気管には、バキュームスイッチ41が備えられている。
【0014】
また、スロットル弁5の開度は、スロットル開度センサ42により検出される。また、スロットル弁5が全閉状態のときには、アイドルスイッチ52がオンとなり、その出力であるスロットル全閉信号がアクティブとなる。
【0015】
一方、燃料タンク10に貯蔵された燃料は、燃料ポンプ11によりくみ上げられ、燃料配管12を経て燃料噴射弁60により吸気管7に噴射される。
【0016】
吸気管7では、空気と燃料とが混合され、その混合気は、吸気弁24を介してエンジン本体すなわち気筒(シリンダ)20の燃焼室21に吸入される。燃焼室21において、混合気は、ピストン23により圧縮された後、点火されて爆発・燃焼し、動力を発生する。そのような点火は、図示されない点火制御装置によりスパークプラグ65に電圧が印加されることにより行われる。なお、点火タイミングは、図示されないクランク軸に設けられたクランク角センサ(切り欠きを有する回転ロータと切り欠きを検出するポジションセンサとにより構成される)51を用いてクランク位置を検出することにより、適切な点火タイミングとされている。
【0017】
なお、実際の車速は、車速を表す出力パルスを発生させる車速センサ53によって検出される。また、エンジン20は、冷却水通路22に導かれた冷却水により冷却され、その冷却水温度は、水温センサ44によって検出される。また、気筒内の圧力を直接検出するために耐熱性の圧電式燃焼圧センサ46が設けられている。この燃焼圧センサ46は、気筒内圧力に応じたアナログ電圧を発生させる。
【0018】
燃焼した混合気は、排気ガスとして排気弁26を介して排気マニホルド30に放出され、次いで排気管34に導かれる。なお、排気管34には、排気ガス中の酸素濃度を検出するOセンサ45が設けられている。さらにそれより下流の排気系には、触媒コンバータ38が設けられており、その触媒コンバータ38には、排気ガス中の未燃成分(HC,CO)の酸化と窒素酸化物(NO)の還元とを同時に促進する三元触媒が収容されている。こうして触媒コンバータ38において浄化された排気ガスが大気中に排出される。
【0019】
エンジン電子制御ユニット(エンジンECU)70は、燃料噴射制御、点火時期制御、バルブタイミング制御などを実行するマイクロコンピュータシステムであり、そのハードウェア構成は、図2のブロック図に示される。リードオンリメモリ(ROM)73に格納されたプログラム及び各種のマップに従って、中央処理装置(CPU)71は、各種センサ及びスイッチからの信号をA/D変換回路75又は入力インタフェース回路76を介して入力し、その入力信号に基づいて演算処理を実行し、その演算結果に基づき駆動制御回路77a,77dを介して各種アクチュエータ用制御信号を出力する。ランダムアクセスメモリ(RAM)74は、その演算・制御処理過程における一時的なデータ記憶場所として使用される。また、バックアップRAM79は、バッテリに直接接続されることにより電力の供給を受け、イグニションスイッチがオフの状態においても保持されるべきデータ(例えば、各種の学習値)を格納するために使用される。また、これらのECU内各構成要素は、アドレスバス、データバス、及びコントロールバスからなるシステムバス72によって接続されている。
【0020】
以上のようなハードウェア構成を有する内燃機関(エンジン)において実行されるECU70のエンジン制御処理について、以下、説明する。
【0021】
燃料噴射制御は、基本的には、エンジン1回転当たりの吸入空気量に基づいて、所定の目標空燃比を達成する燃料噴射量すなわち燃料噴射弁60による噴射時間を演算し、所定のクランク角に達した時点で燃料を噴射すべく、駆動制御回路77aを介して燃料噴射弁60を制御するものである。なお、エンジン1回転当たりの吸入空気量は、エアフローメータ40により計測される吸入空気流量とクランク角センサ51から得られるエンジン回転速度とから算出される。そして、かかる燃料噴射量演算の際には、スロットル開度センサ42、吸気温センサ43、水温センサ44等の各センサからの信号に基づく基本的な補正、Oセンサ45からの信号に基づく空燃比フィードバック補正、そのフィードバック補正値の中央値が理論空燃比となるようにする空燃比学習補正、等が加えられる。
【0022】
また、点火時期制御は、クランク角センサ51から得られるエンジン回転速度、エアフローメータ40から得られる吸入空気流量、及びその他のセンサからの信号により、エンジンの状態を総合的に判定し、最適な点火時期を決定する。
【0023】
以下、本発明に係るバルブタイミング制御について詳細に説明する。図3は、吸気弁24及び排気弁26として使用される電磁弁を示す縦断面図並びに関連する電源系回路図である。同図に示される弁体80は、弁頭(バルブヘッド:valve head、又は「弁がさ」ともいう)81及び弁軸82からなり、弁頭81の弁フェース(valve face)81aが、内燃機関の吸排気用ポート92に設けられた弁座(バルブシート:valve seat)93に着座し又は弁座93から離座することにより、吸排気用ポート92を開閉する。弁体80の弁軸82は、バルブガイド91により軸方向に摺動可能な状態で保持される。また、弁軸82には、プランジャ(plunger) 83が固定されている。
【0024】
プランジャ83は、軟磁性材料で構成された円板状の部材である。プランジャ83の上方には、所定距離だけ離隔してアッパコア(upper core)84が、一方、プランジャ83の下方には、同様に所定距離だけ離隔してロアコア(lower core)86がそれぞれ配設されている。アッパコア84及びロアコア86は、軟磁性材料で構成されており、非磁性材料で構成されるケース90により所定の位置関係に保持されている。また、アッパコア84にはアッパコイル(upper coil)85が把持されるとともに、ロアコア86にはロアコイル(lower coil)87が把持されている。
【0025】
また、弁軸82は、アッパスプリング(upper spring)88及びロアスプリング(lower spring)89により、軸方向に弾性的に支持されている。そして、アッパコイル85及びロアコイル87に通電がなされない場合におけるプランジャ83の位置(中立位置)が、アッパコア84とロアコア86との中間位置となるように、アッパスプリング88とロアスプリング89との釣り合いが図られている。なお、プランジャ83が中立位置にあるときには、弁体80は、全開側変位端と全閉側変位端との中間位置をとるようになっている。
【0026】
かかる構成によれば、アッパコイル85の周囲には、アッパコア84とプランジャ83とそれらの間に形成されるエアギャップとからなる磁気回路が形成される。従って、アッパコイル85に電流が流されると、上記磁気回路中を磁束が還流し、エアギャップを小さくする方向すなわちプランジャ83を上方へ変位させる方向の電磁力が発生する。一方、ロアコイル87の周囲には、ロアコア86とプランジャ83とそれらの間に形成されるエアギャップとからなる磁気回路が形成される。従って、ロアコイル87に電流が流されると、同様の原理から、プランジャ83を下方へ変位させる方向の電磁力が発生する。
【0027】
かくして、アッパコイル85及びロアコイル87に交互に電流を流すことにより、プランジャ83を上下に往復運動せしめること、すなわち弁体80を開閉方向に交互に駆動することが可能となる。エンジンECU70は、各種センサからの信号に基づいて電磁弁の開閉タイミングを決定し、駆動制御回路77dを介してアッパコイル85及びロアコイル87への通電(電力供給)を制御することにより、電磁弁を駆動する。
【0028】
なお、ECU70は、イグニションキー95を介してバッテリ94に接続されるとともに、さらにリレー96を介してバッテリ94に接続されている。そして、ECU70は、イグニションキー95がオンにされて起動せしめられると、リレー96を作動させる。そうすることにより、ECU70は、イグニションキー95がオフとされた後も、電力の自己保持を行い、所定のエンジン停止制御を実行することができる。また、このようにリレー96を介して供給される電力が、駆動制御回路77dを介して電磁弁に供給されるようになっているため、イグニションキーのオフ後も電磁弁を駆動することができる。
【0029】
図4において実線で示される複数の曲線は、プランジャ83の位置(アッパコア84と接する位置を零とする)とアッパコア84に係る電磁石がプランジャ83に及ぼす電磁力(吸引力)との関係を、アッパコイル85に流れる電流値をパラメータとして表したものである。これらの曲線に示されるように、プランジャに作用する電磁力(吸引力)は、弁体80が全閉側変位端に近接するにつれて急増する。一方、図4において破線で示される直線は、同じくプランジャ83の位置とアッパスプリング88及びロアスプリング89が弁体80に及ぼす付勢力(ロアコア86側)との関係を表したものである。この直線からわかるように、付勢力は、弁体80が全閉側変位端に近接しても、直線的に増加するだけである。なお、ロアコア86に係る電磁石による電磁力も同様に図4に示されるものとなり、単に全閉位置が全開位置に変わるだけである。従って、全開位置又は全閉位置に近づくほど、中立位置に比較して小さな電流で付勢力を上回る電磁力を得ることができる。このような電磁力及び付勢力の特性を考慮した電磁弁駆動方法について、次に説明する。
【0030】
図5は、弁リフト(A)、アッパコイル電流(B)、及びロアコイル電流(C)を示すタイムチャートである。全閉状態においては、同図(B)に示されるように、アッパコア84にプランジャ83を吸着保持するために最低限必要な電流(以下、保持電流という)がアッパコイル85に流されている。そして、開弁しようとするときには、まず、その保持電流の供給が停止される。すると、弁体80は、バネ質量系の単振動(自由振動)により全開方向へと移動していくが、弁軸82とバルブガイド91との間の摩擦損失やスプリング自体の内部摩擦損失等により、弁体80の振幅は、理想状態に対して減衰するため、あるタイミングでロアコイル87に電流が供給される。その電流は、同図(C)に示されるように、吸引電流、遷移電流及び保持電流の3つに分けることができる。
【0031】
すなわち、まず、プランジャ83を移動させるための吸引電流が流される。次いで、前述した図4の特性を考慮し、電磁力(吸引力)が弱められた状態にてプランジャ83の吸着が行われるように、ある時間的変化割合をもって減少する遷移電流が流される。そして、プランジャ83の吸着後には、弁体80の吸着保持に最低限必要な電流すなわち保持電流が供給される。全開状態から閉弁しようとする場合にも、同様に、まず、ロアコイル87への保持電流の供給が停止され、アッパコイル85への吸引電流、遷移電流及び保持電流の供給が順次行われていく。
【0032】
さて、本発明は、前述のように、このような電磁駆動弁を吸排気弁として使用するエンジンにおいて、吸気系の損傷を招くことなく、エンジンの停止制御を実行しようというものである。以下、本発明に係る停止方法について、4つの実施形態を採り上げる。まず、第1実施形態は、運転停止の信号を受けてからエンジンの燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが排気系に排出されるまでの間、排気弁も吸気弁も共にクランクシャフトの回転と同期して作動させるようにしたものである。
【0033】
図6は、エンジン停止制御ルーチンの内の吸排気弁制御に係る部分についての第1実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。エンジン停止制御ルーチンは、イグニションキーがオフとされた時点で起動されるように構成されており、ある一定時間、前述したリレー96により電源の自己保持を行い、エンジン停止に関する処理を実行するものである。まず、ステップ102では、吸気弁24及び排気弁26ともクランクシャフトに同期して作動させる。次いで、ステップ104では、燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが排気系に排出されるまでに要する時間として予め設定されている一定時間が経過したか否かを判定し、経過していなければステップ102にループバックし、経過していればステップ106に進む。ステップ106では、電源自己保持用リレー96をオフにして終了する。
【0034】
図7は、このような第1実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程(吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程)に応じてどのように変化するか、を例示する図である。この図に示されるように、イグニションキーがオフとされてからも一定時間、排気弁及び吸気弁が共にクランクシャフトの回転と同期して作動することにより、燃焼ガスが過度に吸気系に流入したり未燃ガスが吸気系で燃焼したりする事態は生じなくなる。なお、ここでいう「過度」とは、通常の運転状態において排気弁と吸気弁との開弁期間がオーバラップすることにより排気ガスが吸気系へ逆流するのを許容することを意味するものである。第1実施形態では、吸気弁及び排気弁を同期運転するため、再始動性は優れているが、消費電力が大きいという特徴がある。
【0035】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、運転停止の信号を受けてからエンジンの燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが排気系に排出されるまでの間、排気弁を内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動させるとともに吸気弁を閉弁状態に保持しようというものである。図8は、第2実施形態に係るエンジン停止制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ステップ202では、吸気弁24を全閉にするとともに排気弁26をクランクシャフトと同期をとって作動させる。ステップ204及び206は、第1実施形態(図6)のステップ104及び106と同一である。
【0036】
図9は、このような第2実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程に応じてどのように変化するか、を例示する図である。この図に示されるように、イグニションキーがオフとされると、吸気弁が全閉状態に保持される一方、排気弁は、一定時間、クランクシャフトの回転と同期して作動せしめられる。こうすることにより、燃焼ガス及び未燃ガスは、吸気系に戻されることなく、排気系に排出されることとなる。そして、吸気弁を全閉状態に保持するため、駆動電力を最小限に抑えることができ、第1実施形態に比較して省電力化が図られる。
【0037】
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、運転停止の信号を受けて排気弁への電力の供給を停止するとともに、エンジンの燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが排気系に排出されるまでの間、吸気弁をクランクシャフトの回転と同期して作動させようというものである。図10は、第3実施形態に係るエンジン停止制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ステップ302では、排気弁26への通電を停止するとともに吸気弁24をクランクシャフトと同期をとって作動させる。ステップ304及び306は、第1実施形態(図6)のステップ104及び106と同一である。
【0038】
図11は、このような第3実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程に応じてどのように変化するか、を例示する図である。この図に示されるように、イグニションキーがオフとされると、排気弁への通電が停止されて、排気弁は中立位置をとる。一方、吸気弁は、一定時間、クランクシャフトの回転と同期して作動せしめられる。こうすることにより、燃焼ガス及び未燃ガスは、吸気系に戻されることなく、排気系に排出されることとなる。そして、排気弁を停止するため、第2実施形態に比較して省電力化が図られる。この場合、未燃ガスが排気系に流出するおそれがあるため、燃料噴射が停止した後も暫くの間、点火を続けることが好ましい。
【0039】
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、運転停止の信号を受けて排気弁への電力の供給を停止するとともに、エンジンの燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが排気系に排出されるまでの間、吸気弁を閉弁状態に保持しようというものである。図12は、第4実施形態に係るエンジン停止制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ステップ402では、排気弁26への通電を停止するとともに吸気弁24を全閉にする。ステップ404及び406は、第1実施形態(図6)のステップ104及び106と同一である。
【0040】
図13は、このような第4実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程に応じてどのように変化するか、を例示する図である。この図に示されるように、イグニションキーがオフとされると、排気弁への通電が停止されて、排気弁は中立位置をとる。一方、吸気弁は、一定時間、全閉状態に保持される。こうすることにより、燃焼ガス及び未燃ガスは、吸気系に戻されることなく、排気系に排出されることとなる。そして、排気弁を停止するとともに吸気弁を全閉状態にするため、第3実施形態に比較して省電力化が図られる。この場合も、未燃ガスが排気系に流出するおそれがあるため、燃料噴射が停止した後も暫くの間、点火を続けることが好ましい。
【0041】
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、様々な実施形態を案出することは当業者にとって容易なことである。例えば、以上の実施形態においては、予め設定されている一定時間が経過したか否かを判定することにより、燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが排気系に排出されるのを待つようにしているが、他の運転状態パラメータに基づき判定してもよい。例えば、バキュームスイッチ41によって吸気管圧力を検出し、その値が大気圧に近いある値となったら弁の駆動を停止するようにしてもよい。また、吸気管圧力に代えて、燃焼圧センサ46によって検出される燃焼圧力、クランク角センサ51の出力に基づき算出されるエンジン回転速度等を使用して、燃焼ガス又は未燃ガスの排出の完了を推定してももちろんよい。また、上記実施形態、例えば第1実施形態と第2実施形態とを時間経過により使い分けるというように、組み合わせて実施してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バネ質量系に外力として電磁力を加える構成の電磁駆動弁を吸排気弁として使用する内燃機関において機関停止する場合に、燃焼ガスが吸気系に流入したり未燃ガスが吸気系で燃焼したりする事態が生じなくなるため、吸気系の損傷を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子制御式内燃機関の全体概要図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエンジンECUのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】吸気弁及び排気弁として使用される電磁弁の構成を示す縦断面図である。
【図4】プランジャ位置とアッパ側電磁石がプランジャに及ぼす電磁力(吸引力)との関係を、アッパコイル電流をパラメータとして表す特性図(実線)、及びプランジャ位置と一対のスプリングがプランジャに及ぼす付勢力との関係を表す特性図(破線)である。
【図5】弁リフト(A)、アッパコイル電流(B)及びロアコイル電流(C)のタイムチャートである。
【図6】第1実施形態に係るエンジン停止制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程に応じてどのように変化するかを例示する図である。
【図8】第2実施形態に係るエンジン停止制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程に応じてどのように変化するかを例示する図である。
【図10】第3実施形態に係るエンジン停止制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程に応じてどのように変化するかを例示する図である。
【図12】第4実施形態に係るエンジン停止制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】第4実施形態に係る停止方法によりエンジンが停止せしめられる場合に、吸気弁(A)及び排気弁(B)のリフトがエンジン行程に応じてどのように変化するかを例示する図である。
【符号の説明】
2…エアクリーナ
4…スロットルボデー
5…スロットル弁
6…サージタンク(インテークマニホルド)
7…吸気管
10…燃料タンク
11…燃料ポンプ
12…燃料配管
20…気筒(エンジン本体)
21…燃焼室
22…冷却水通路
23…ピストン
24…吸気弁
26…排気弁
30…排気マニホルド
34…排気管
38…触媒コンバータ
40…エアフローメータ
41…バキュームスイッチ
42…スロットル開度センサ
43…吸気温センサ
44…水温センサ
45…Oセンサ
46…燃焼圧センサ
51…クランク角センサ
52…アイドルスイッチ
53…車速センサ
60…燃料噴射弁
65…スパークプラグ
70…エンジンECU
71…CPU
72…システムバス
73…ROM
74…RAM
75…A/D変換回路
76…入力インタフェース回路
77a,77d…駆動制御回路
79…バックアップRAM
80…弁体
81…弁頭
81a…弁フェース
82…弁軸
83…プランジャ
84…アッパコア
85…アッパコイル
86…ロアコア
87…ロアコイル
88…アッパスプリング
89…ロアスプリング
90…ケース
91…バルブガイド
92…内燃機関の吸排気用ポート
93…弁座
94…バッテリ
95…イグニションキー
96…リレー

Claims (4)

  1. 一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けてから内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、排気弁及び吸気弁を内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動させることを特徴とする内燃機関の停止方法。
  2. 一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けてから内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、排気弁を内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動させるとともに吸気弁を閉弁状態に保持することを特徴とする内燃機関の停止方法。
  3. 一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けて排気弁を電磁駆動せしめるための電力の供給を停止するとともに、内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、吸気弁を内燃機関のクランクシャフトの回転と同期して作動させることを特徴とする内燃機関の停止方法。
  4. 一対の弾性体による付勢力により中間位置に支持される弁体を、該弁体と一体となったプランジャに電磁力を作用させることにより、該中間位置から全開方向又は全閉方向へと移動させる構成の吸排気用電磁駆動弁を有する内燃機関の停止方法において、機関運転停止の信号を受けて排気弁を電磁駆動せしめるための電力の供給を停止するとともに、内燃機関の燃焼室内の燃焼ガス又は未燃ガスが内燃機関の排気系に排出されるまでの間、吸気弁を閉弁状態に保持することを特徴とする内燃機関の停止方法。
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