JP3575193B2 - ミラー取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に用いられ、光学像の位置の調整を行うミラー取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフィスや家庭に於ける印刷物、コンピュータ情報のカラー化に伴って、複写機に代表される画像形成装置についても、次第に多色記録あるいはフルカラー記録の要求が高まっている。
【0003】
しかしながら、多色記録あるいはフルカラー記録(以下「カラー記録」という)は色毎に記録を順次重ね合わせていく方法である為、生産性の低下や、色ずれによる画質の低下を招きやすく、これが特にオフィスにおける画像形成装置のカラー化の進展にブレーキを掛ける大きな要因と成っている。
【0004】
生産性の改善には、例えば、黒、イエロー、マジェンダ、シアンの各色をそれぞれ独立した記録装置を用紙の流れに沿って順次並べる構成(以下「タンデム記録構成」という)を採用することにより、従来の単色記録速度の技術で、カラー記録の速度を単色記録速度とほぼ同等にまですることが出来る。
【0005】
反面、タンデム記録は、独立した記録装置それぞれの画質特徴が重ね合わされる結果、色ずれに代表される画質関係のすべての要因が画質の低下に関係し、単色記録装置に於けるカラー記録に比べて、独立画質特徴を均一化する為にバラツキの最小化に新な技術が要求される。
【0006】
また、電子写真に於ける画像形成の工程は主に、潜像形成工程、現像工程、転写工程、定着工程とからなり、これらのすべての工程に独立画質特徴が存在しているので、これら工程毎の独立画質特徴を均一化する為のバラツキの最小化技術が、タンデム記録の画質を左右する。
【0007】
ところで、潜像形成工程のうち画像を書き込む光走査装置には、光源から感光体までの光路の中に、多くの光学部材が用いられている。中でも平面反射ミラーが装置全体の小型化の為に多用されているが、感光体からの距離が遠い位置にあるミラーほど、固定位置のバラツキが独立画質特徴に大きく影響する。
【0008】
ところが、従来においては、平面反射ミラーの下部が合成樹脂等の光学箱に支持され、上部が光学箱に取付られた金属のブラケットに支持されていた。
【0009】
しかし、このような構造では、光学箱とブラケットの線膨張率が異なるため、温度変化によって光学箱とブラケットの伸び(又は縮み)に差が生じ、平面反射ミラーの反射角度に狂いが生じる。
【0010】
この結果、画像の位置づれを引き起こすことがある。この位置づれは極微細な値(たとえば20ミクロンm程度)であっても、カラー画像形成装置に於ては色むら等の画質異常となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮して、温度変化によって反射角度に狂いが生じることがないように安定してミラーを組付けることができるミラー取付構造を提供することを課題とする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1に記載の発明は、画像成形装置に用いられるミラーの下端を傾倒可能に支承し、前記ミラーの反射面の一端側を第1の支持手段で支持すると共に前記ミラーの反射面の他端側を前記第1の支持手段と連結される第2の支持手段で支持し、前記ミラーの非反射面を付勢部材で前記第1及び第2の支持手段側に付勢し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段の少なくとも一方が前記ミラーの反射角度調整を可能とするミラー取付構造であって、
前記第1の支持手段を有する第1の部材と、前記第2の支持手段を有する第2の部材と、を有し、
前記第1の部材と前記第2の部材との連結部から前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をL1、前記第1の部材と前記第2の部材との連結部から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をL2、前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をLh 、前記第1の部材の線膨張係数をα1 、前記第2の部材の線膨張係数をα2 、許容される温度変化をΔT(°C)、前記ミラーの許容される角度変化をθ(deg)としたときに、θ≧|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|を満足することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載のミラー取付構造では、θ≧|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|を満足するように材質及び寸法が決められているので、許容される温度変化以内の温度変化であれば、温度変ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、画像成形装置に用いられるミラーの下端を傾倒可能に支承し、前記ミラーの反射面の一端側を第1の支持手段で支持すると共に前記ミラーの反射面の他端側を前記第1の支持手段と連結される第2の支持手段で支持し、前記ミラーの非反射面を付勢部材で前記第1及び第2の支持手段側に付勢し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段の少なくとも一方が前記ミラーの反射角度調整を可能とするミラー取付構造であって、ベース部に設けられる支柱と、前記支柱に取付けられ前記第1の支持手段を有する第1の補助部材と、前記支柱に取付けられ前記第2の支持手段を有する第2の補助部材と、を備え、前記第1の補助部材と前記支柱との連結部分から前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点までの距離をLV1、前記第2の補助部材と前記支柱との連結部分から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの距離をLV2、前記第1の補助部材の線膨張係数をα3 、前記第2の補助部材の線膨張係数をα4 としたときに、LV1:LV2=α4 :α3 を満足することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載のミラー取付構造では、LV1:LV2=α4 :α3 を満足するように線膨張係数及び距離が設定されているので、第1の補助部材及び第2の補助部材に温度変化が生じても第1の補助部材と第2の補助部材との間に寸法差が生じることはなく、このため、ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のミラー取付構造において、LV1=LV2、α3 =α4 としたことを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載のミラー取付構造では、LV1=LV2、α3 =α4 としたので、第1の補助部材及び第2の補助部材が温度変化しても第1の補助部材と第2の補助部材との間に寸法差が生じることはなく、このため、ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のミラー取付構造において、前記第1の補助部材と前記支柱とは1ヵ所で連結され、前記第2の補助部材と前記支柱とは1ヵ所で連結されていることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載のミラー取付構造では、第1の補助部材と支柱とが1ヵ所で連結され、第2の補助部材と支柱とが1ヵ所で連結されている。
【0020】
即ち、支柱が温度変化によって伸び縮みしても、第1の補助部材及び第2の補助部材は支柱の伸び縮みによって歪むことはなく、ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のミラー取付構造において、前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段のうちの前記反射角度調整可能な支持手段が雄ねじで構成され、前記雄ねじの回転中心軸が前記ミラーの反射面に垂直な線に対して傾斜していることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載のミラー取付構造では、雄ねじのねじ込み量を調整することによってミラーを傾倒させ、反射角度を調整することができる。
【0023】
また、ミラーの非反射面は付勢部材で補助手段側に付勢され、この付勢部材と第1の支持手段及び前記第2の支持手段でミラーを所定の反射角度で保持する。
【0024】
ここで、雄ねじをねじ込んでいくと、ミラーが傾倒し、傾倒量に応じた押圧力が付勢部材からミラーに作用する。このとき、雄ねじの回転中心軸は、ミラーの反射面に垂直な線に対して傾斜しているため、雄ねじには、回転モーメントが作用し、雌ねじとの螺合部分(出口部分と入口部分)で、対角片寄せされ螺合部分の隙間が無くなり、雄ねじと雌ねじとが密着する。
【0025】
このため、雄ねじがガタ付くことなく回転し、調整時にミラーを安定して保持できる。
【0026】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のミラー取付構造において、前記付勢部材と前記非反射面との摩擦係数μと、前記付勢部材の押圧力Sのうち前記反射面に対して直角方向に作用する垂直分力Sv と、前記反射面に対して平行に作用する平行分力Sh との関係がSh <Sv であることを特徴としている。
【0027】
請求項6に記載のミラー取付構造では、ミラーの反射角度を調整するときにミラーは傾倒し、傾倒量に応じた押圧力Sが付勢部材から作用する。
【0028】
この傾倒量に応じた付勢部材の押圧力Sは、垂直分力Svと平行分力Shとの合力であり、垂直分力Svは、反射面に対して直角方向の変位量に付勢部材の弾性係数を掛けた値となり、また、平行分力Shは、反射面に対して平行な方向の変位量に付勢部材の弾性係数を掛けた値となる。
【0029】
従って、付勢部材と非反射面との摩擦係数をμとすると、Sh<μSvとの関係を構築することで、付勢部材と非反射面との接触部分が滑ることがなく、ミラーが浮き上がるようなことがない。このため、ミラーを調整した後に、振動等によって、反射角度が狂うことがない。
【0030】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図7には、第1の実施形態に係るミラー取付構造が用いられた光走査装置の模式図が示されている。
【0031】
レーザーダイオードから発射された光ビームは、図示しないコリメータレンズ、シリンドリカルレンズを通り、次に、ポリゴンミラー10に入射する。ポリゴンミラー10は、スキャナーモーター12に連結されており、高速回転し、入射光束を偏向走査させる。Fθレンズ群14を通過した光ビームは、ミラー16で光路を折り曲げられ、感光体19の上に到達する。
【0032】
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係るミラー取付構造では、ミラー16の下端が第1の部材としての光学箱18から突設された2つの突起20の上に点で支持され、傾倒可能となっている。
【0033】
また、ミラー16の反射面側は、図3に示すように、二等辺三角形の底辺を描く第1の支持手段としての2つの突起22に点で支持され、また、頂点にあたる位置で第2の支持手段としての調整ねじ24の先端24Aで支持されている。
【0034】
この調整ねじ24は、基端がミラー16の非反射面側にねじ26で光学箱18に固定され、自由端がミラー16の上部をオーバーハングして反射面側へ屈曲する第2の部材としてのブラケット28のねじ孔30へねじ込まれている。ブラケット28の自由端は、ねじ孔30にねじ込まれる調整ねじ24の回転中心軸Lが、ミラー16の反射面に垂直な線Vに対して角度θs だけ傾斜するように、屈曲されている。
【0035】
一方、ミラー16の非反射面側は、突起22と調整ねじ24の支持点を結んで構成される二等辺三角形の重心位置にあるボッチ32に支持されている。このボッチ32は、基端がブラケット28と共にねじ26で固定された側面視にて略C字状のスプリング34の垂直片34Aから突設している。
【0036】
この垂直片34Aは、ミラー16と平行に延設しており、スプリング34の付勢力はボッチ32を通じて、ミラー16の非反射面と直角方向へ作用する。
【0037】
ところで、本実施形態では、光学箱18の材質が合成樹脂(ノリル樹脂)であり、調整ねじ24の材質及びブラケット28の材質がステンレススチールである。なお、ステンレススチールの線膨張係数α1 は1.7〜1.8×10−5/°C、ノリル樹脂の線膨張係数α2 は6.6〜8.0×10−5/°Cである。
【0038】
ここで、ある所定の温度のときに、図2に示すように光学箱18の取り付け面18Aに沿って測ったねじ26の軸芯から調整ねじ24の先端までのブラケット28の寸法をL1、ねじ26の軸芯から突起22の先端までの光学箱18の寸法をL2、調整ねじ24の先端から突起22の先端までの寸法をLh とし、例えば、光学箱18、ブラケット28及び調整ねじ24の温度がΔT°C上昇したとすると、ねじ26の軸芯から調整ねじ24の先端までの寸法はL1(1+α1 ×ΔT°C)、ねじ26の軸芯から突起22の先端までの寸法はL2(1+α2 ×ΔT°C)となり、L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)分だけ突起22の先端と調整ねじ24の先端とが光学箱18の取り付け面18Aに沿って相対的な位置ずれをおこす。
【0039】
この結果、ミラー16が角度θ=|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|傾くことになるが、ねじ26の軸芯から突起22の先端までの光学箱18の寸法及びねじ26の軸芯から調整ねじ24の先端までのブラケット28の寸法を極めて小さく設定することにより、許容されるミラー16の角度誤差範囲内に収めることができる。
【0040】
即ち、本実施形態では、装置で許容されるミラーの角度誤差が例えば±θ以内、許容される温度変化がΔT°C(ミラー16の角度調整時の温度に対する温度変化量)とされており、θ≧|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|を満足するようにL1、L2及びLh の寸法が決められている。なお、Lh は大であることが好ましいが、ミラー16が大型化する問題がある。したがって、実際にはL1、L2を小さくす。
【0041】
次に、第1の実施形態に係るミラー取付構造の作用を説明する。
ミラー16の反射角度は、調整ねじ24を回転させ、ボッチ32を支点としてミラー16を傾倒させることによって行われる。
【0042】
ここで、図4に示すように、調整ねじ24がねじ込まれると、ミラー16を基準として考えた場合、調整ねじ24にはミラー16の反射面に垂直な線Vに沿って反力Rが作用し、その分力は、下向きの分力Rh=Rsinθs と、調整ねじ24の回転中心軸Lの方向への分力Rv=Rcosθs となる。
【0043】
従って、調整ねじ24とねじ孔30の螺合部分A、Bには、先端24Aからの腕の長さに対応した回転モーメントが発生する。このため、螺合部分A、Bが上方(矢印A方向)に煽られて隙間が無くなり、調整ねじ24とねじ孔30が密着する。
【0044】
このため、調整ねじ24はガタ付くことなく旋回し、調整時にミラーを安定して保持できる。
【0045】
また、図5に示すように、調整ねじ24の先端部は、回転中心軸Lに対して対称に側面視にて三角形状をしており、先端24Aが鋭利に尖っている。このため、図6に示すように、先端が球面に加工され雄ねじ72をミラー16に対して傾けた場合、実際にミラー16と接する部分は、回転中心軸L上でなく偏心した位置となり、回転中心軸Lの周りがミラーと接触するが、本実施形態では、回転中心軸L上にある先端24Aのみがミラー16と接触するので、不要な摩擦力が発生せず、ミラー16を安定して保持することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、傾斜角度θs を30°に設定したが、15°<θs <45°であればよい。これは、45°以上であれば、微調整要求精度から問題があり、15°以下であれば、調整ねじ24を回すレンチ等の工具がミラー16の周辺部品と干渉し作業性に問題があるからである。
【0047】
また、装置設置環境の温度が上昇したり装置が作動してミラー16の角度調整時の温度よりも光学箱18及びブラケット28の温度が上昇しても、ミラー16の角度変化が許容範囲内となるように、各部の寸法(L1、L2、Lh )を設定しているので、温度上昇がミラー16の角度調整時の温度に対して所定範囲内に収まっていれば感光体19に到達する光ビームのずれ、即ち、画像の位置ずれも許容範囲内に収められる。
【0048】
なお、前述したように、寸法L1,L2を極めて小さくすることが好ましく、寸法L1,L2を零、即ち、突起22の先端、調整ねじ24の先端及びねじ26の軸芯を同一平面内に配置すれば、温度変化によるミラー16の角度変化を実質的に零にすることもできる。
[第2の実施形態]
次に、図8には、第2の実施形態のミラー取付構造が示されている。
【0049】
ミラー16の非反射面に補強板40が固定されており、この補強板40にく字状に屈曲されたスプリング42の屈曲部42Aが当接している。
【0050】
また、ミラー16の下端は光学箱44の平坦部44Aに摺動可能に支持されており、スプリング42の自由端部に設けられたボッチ46でミラー16の上端が押さえられている。
【0051】
本実施形態のミラー取付構造では、ミラーの支持形態及び取付位置に関わりなく、調整ねじ24をミラー16の反射面に垂直な線に対して傾斜させるだけで、所望の効果を発揮できる。
【0052】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態を図9及び図10にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0053】
図9に示すように、第3の実施形態に係るミラー取付構造においても第1の実施形態に係るミラー取付構造と同様に、ミラー16の下端が光学箱18から突設された2つの突起20の上に点で支持され、傾倒可能となっている。
【0054】
また、図示は省略するが、ミラー16の反射面側も第1の実施形態に係るミラー取付構造と同様に、二等辺三角形の底辺を描く2つの突起22に点で支持され、また、頂点にあたる位置で調整ねじ24の先端で支持されている。
【0055】
なお、本実施形態では、ミラー16の非反射面側のボッチ32は、基端がブラケット28と共にねじ26で固定された側面視にて略S字状のスプリング34の垂直片34Aから突設している。
【0056】
この垂直片34Aは、ミラー16と平行に延設しており、スプリング34の付勢力はボッチ32を通じて、ミラー16の非反射面へ作用する。
【0057】
また、本実施形態では、調整ねじ24がミラー16の反射面に対して直角に当たっている。
【0058】
次に、第3の実施形態に係るミラー取付構造の作用を説明する。
ミラー16の反射角度は、調整ねじ24を回転させ、ボッチ32を支点としてミラー16を傾倒させることによって行われる。
【0059】
図10に示すように、ミラー16が傾倒したとすると、傾倒角度θs に応じた押圧力Sでスプリング34がミラー16を押圧する。
【0060】
ここで、押圧力Sの分力を垂直分力Svと平行分力Shとする。垂直分力Svは、反射面に対して直角方向の変位量にスプリング34の弾性係数(反射面に対して直角方向の弾性係数)を掛けた値となり、また、平行分力Shは、反射面に対して平行な方向の変位量にスプリング34の弾性係数(反射面に対して平行な方向の弾性係数)を掛けた値となる。
【0061】
従って、ボッチ32と非反射面との摩擦係数μを、Sh<μSv=Fh(非反射面の摩擦抵抗力)とすることで、ボッチ32と非反射面との接触部分が滑ることがなく、ミラー16を調整した後に、振動等によってミラー16が浮き上がるようなことがなくなる。
【0062】
また、反射面側の突起22及び調整ねじ24との接触部における摩擦力の総和Faは、摩擦係数をμにすることによって、Fh≒Faとなる。
【0063】
すなわち、上記のように摩擦係数μを設定することによって、ボッチ32と非反射面との接触部分が滑ることがなく、ミラー16を調整した後に、振動等によってミラー16が浮き上がるようなことがなくなる。
【0064】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態を図11(A),(B)及び図12にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0065】
第4の実施形態では、図11(A),(B)及び図12に示すように、ミラー16の上端及び下端がホルダー38の枠部38Aで保持されている。このホルダー38の背面には、窪み40が凹設されており、この窪み40にスプリング34のボッチ42が係合するようになっている。
【0066】
ここで、図11(B)に示すように、ミラー16が傾倒したとすると、傾倒角度に応じた押圧力Sでスプリング34がミラー16を押圧する。
【0067】
このとき、スプリング34の垂直片34Aがホルダー38と反対側へ弾性変形し、窪み40における押圧力Sの平行分力Shが常に突起20側に作用する。
【0068】
このような構成を採ることで、平行分力Shがミラー16を押さえる方向へ作用し、ボッチ42と窪み40とが係合することによって、この平行分力Shが確実にミラー16に伝わるので、ミラー16を浮かせる力の発生源が無くなり、また、調整後にミラー16が外部からの振動を受けても変動することがなく、設定された反射角度を安定して保持できる。
【0069】
なお、窪み40を設けなくても、平行分力Shが、常に突起20側に作用することで、ミラー16の浮き上がりを防止できる。
【0070】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態を図13にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0071】
次に、第5の実施形態に係るミラー取付構造を説明する。
第5の実施形態では、図13に示すように、ミラー16を保持するホルダー44の背面を切り起こして、受け片46が形成されている。この受け片46には、側面視にて略C字状のスプリング48の押え部48Aが上方から当接し、常に受け片46を下方へ押し下げている。
【0072】
このため、スプリング34の押圧力の平行分力Shが、常に突起20側に作用し、前記第4の実施形態と同様に、ミラー16を浮かせる力の発生源を無くすことができる。
【0073】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態を図14乃至図16にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0074】
図14及び図15に示すように、このミラー取付構造では、ミラー16の非反射面側に、光学箱18から突出した2つの支柱50が配設されている。
【0075】
各支柱50の基部近傍には、ステンレススチールの板材で形成された第1の部材としての第1の補助部材52の一端側がねじ53にて固定されている。
【0076】
ここで、ミラー16の下端は、第1の補助部材52から突設された突起54の上に点で支持され、傾倒可能となっている。
【0077】
また、ミラー16の反射面側は、図15に示すように、二等辺三角形の底辺を描く2つの第1の支持手段としての突起56に点で支持され、また、頂点にあたる位置で第1の支持手段としての調整ねじ24の先端24Aで支持されている。
【0078】
図14及び図15に示すように、この調整ねじ24は、基端が一方の支柱50の頂面にねじ58で固定され、自由端がミラー16の上部をオーバーハングして反射面側へ屈曲する第2の部材としての第2の補助部材60のねじ孔30へねじ込まれている。
【0079】
第2の補助部材60の自由端は、ねじ孔30にねじ込まれる調整ねじ24の回転中心軸Lが、ミラー16の反射面に垂直な線Vに対して角度θs だけ傾斜するように屈曲されている。なお、この第2の補助部材60も第1の補助部材52と同様にステンレススチールの板材で形成されている。
【0080】
一方、ミラー16の非反射面側は、突起56と調整ねじ24の支持点を結んで構成される二等辺三角形の重心位置にあるボッチ62に支持されている。このボッチ62は、両方の支柱50にかけ渡されるように取り付けられた板ばね64の中央部分から突設している。
【0081】
この板ばね64の付勢力はボッチ32を通じてミラー16の非反射面と直角方向へ作用する。
【0082】
本実施形態では、第1の補助部材52、第2の補助部材60及び調整ねじ24がステンレススチールの板材で形成されており、図14に示すように、ねじ58の軸芯から調整ねじ24の先端までの寸法LV1、ねじ53の軸芯から突起56の先端までの寸法LV2とが同一寸法に設定されているので、第1の補助部材52、第2の補助部材60及び調整ねじ24の温度が変化しても、ねじ58の軸芯から調整ねじ24の先端までの寸法と、ねじ53の軸芯から突起56の先端までの寸法との間に差が生ずることはない。このため、本実施形態のミラー取付構造では温度変化によってミラー16の角度変化が生じない。
【0083】
なお、第6の実施形態では、第1の補助部材52及び第2の補助部材60が同一の材質で形成されていたが、第1の補助部材52の材質と第2の補助部材60の材質が異なっていても良い。但し、この場合、第1の補助部材52の線膨張係数をα3 、第2の補助部材60の線膨張係数をα4 としたときに、LV1:LV2
=α4 :α3 の関係を満足するようにLV1及びLV2の寸法を決める。これにより、温度変化によるミラーの反射角度の変化を防止できる。例えば、第6の実施形態において、第1の補助部材52の材質と第2の補助部材60の材質とが異なる場合、調整ねじ24及び突起56の位置は変えず、ねじ53及びねじ58の少なくとも一方の位置を図の左右方向に変更すれば良い。
【0084】
また、この第6の実施形態では、光学箱18に2つの支柱50を設けたが、支柱50同士は連結されていても良い(即ち、一つの幅広の支柱とする。)。
【0085】
なお、本発明に係るミラー取付構造は、光走査装置に用いられる全ての反射ミラーの組付けに適用できることは無論であり、光学装置には全て適用できる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は上記の構成としたので、温度変化によって反射角度に狂いが生じることがないように安定してミラーを組付けることができる、という優れた効果を有する。また、タンデム記録の画質には有効な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るミラー取付構造を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るミラー取付構造を示す正面図である。
【図4】第1の実施形態に係るミラー取付構造の機能を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係るミラー取付構造の調整ねじの先端の拡大側面図である。
【図6】比較の対象となるねじの先端の拡大側面図である。
【図7】光走査装置の模式図である。
【図8】第2の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図9】第3の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図10】第3の実施形態に係るミラー取付構造の機能を示す模式図である。
【図11】(A)は第4の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図、(B)は第4の実施形態に係るミラー取付構造の機能を説明した側面図である。
【図12】第4の実施形態に係るミラー取付構造の背面図である。
【図13】第5の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図14】第6の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図15】第6の実施形態に係るミラー取付構造を示す正面図である。
【図16】図14に示すミラー取付構造の16−16線断面図である。
【符号の説明】
16 ミラー
18 光学箱(第1の部材)
22 突起(第1の支持手段)
24 調整ねじ(第2の支持手段、雄ねじ)
28 ブラケット(第2の部材)
50 支柱
52 第1の補助部材(第1の部材)
56 突起(第1の支持手段)
60 第2の補助部材(第2の部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に用いられ、光学像の位置の調整を行うミラー取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフィスや家庭に於ける印刷物、コンピュータ情報のカラー化に伴って、複写機に代表される画像形成装置についても、次第に多色記録あるいはフルカラー記録の要求が高まっている。
【0003】
しかしながら、多色記録あるいはフルカラー記録(以下「カラー記録」という)は色毎に記録を順次重ね合わせていく方法である為、生産性の低下や、色ずれによる画質の低下を招きやすく、これが特にオフィスにおける画像形成装置のカラー化の進展にブレーキを掛ける大きな要因と成っている。
【0004】
生産性の改善には、例えば、黒、イエロー、マジェンダ、シアンの各色をそれぞれ独立した記録装置を用紙の流れに沿って順次並べる構成(以下「タンデム記録構成」という)を採用することにより、従来の単色記録速度の技術で、カラー記録の速度を単色記録速度とほぼ同等にまですることが出来る。
【0005】
反面、タンデム記録は、独立した記録装置それぞれの画質特徴が重ね合わされる結果、色ずれに代表される画質関係のすべての要因が画質の低下に関係し、単色記録装置に於けるカラー記録に比べて、独立画質特徴を均一化する為にバラツキの最小化に新な技術が要求される。
【0006】
また、電子写真に於ける画像形成の工程は主に、潜像形成工程、現像工程、転写工程、定着工程とからなり、これらのすべての工程に独立画質特徴が存在しているので、これら工程毎の独立画質特徴を均一化する為のバラツキの最小化技術が、タンデム記録の画質を左右する。
【0007】
ところで、潜像形成工程のうち画像を書き込む光走査装置には、光源から感光体までの光路の中に、多くの光学部材が用いられている。中でも平面反射ミラーが装置全体の小型化の為に多用されているが、感光体からの距離が遠い位置にあるミラーほど、固定位置のバラツキが独立画質特徴に大きく影響する。
【0008】
ところが、従来においては、平面反射ミラーの下部が合成樹脂等の光学箱に支持され、上部が光学箱に取付られた金属のブラケットに支持されていた。
【0009】
しかし、このような構造では、光学箱とブラケットの線膨張率が異なるため、温度変化によって光学箱とブラケットの伸び(又は縮み)に差が生じ、平面反射ミラーの反射角度に狂いが生じる。
【0010】
この結果、画像の位置づれを引き起こすことがある。この位置づれは極微細な値(たとえば20ミクロンm程度)であっても、カラー画像形成装置に於ては色むら等の画質異常となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮して、温度変化によって反射角度に狂いが生じることがないように安定してミラーを組付けることができるミラー取付構造を提供することを課題とする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1に記載の発明は、画像成形装置に用いられるミラーの下端を傾倒可能に支承し、前記ミラーの反射面の一端側を第1の支持手段で支持すると共に前記ミラーの反射面の他端側を前記第1の支持手段と連結される第2の支持手段で支持し、前記ミラーの非反射面を付勢部材で前記第1及び第2の支持手段側に付勢し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段の少なくとも一方が前記ミラーの反射角度調整を可能とするミラー取付構造であって、
前記第1の支持手段を有する第1の部材と、前記第2の支持手段を有する第2の部材と、を有し、
前記第1の部材と前記第2の部材との連結部から前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をL1、前記第1の部材と前記第2の部材との連結部から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をL2、前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をLh 、前記第1の部材の線膨張係数をα1 、前記第2の部材の線膨張係数をα2 、許容される温度変化をΔT(°C)、前記ミラーの許容される角度変化をθ(deg)としたときに、θ≧|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|を満足することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載のミラー取付構造では、θ≧|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|を満足するように材質及び寸法が決められているので、許容される温度変化以内の温度変化であれば、温度変ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、画像成形装置に用いられるミラーの下端を傾倒可能に支承し、前記ミラーの反射面の一端側を第1の支持手段で支持すると共に前記ミラーの反射面の他端側を前記第1の支持手段と連結される第2の支持手段で支持し、前記ミラーの非反射面を付勢部材で前記第1及び第2の支持手段側に付勢し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段の少なくとも一方が前記ミラーの反射角度調整を可能とするミラー取付構造であって、ベース部に設けられる支柱と、前記支柱に取付けられ前記第1の支持手段を有する第1の補助部材と、前記支柱に取付けられ前記第2の支持手段を有する第2の補助部材と、を備え、前記第1の補助部材と前記支柱との連結部分から前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点までの距離をLV1、前記第2の補助部材と前記支柱との連結部分から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの距離をLV2、前記第1の補助部材の線膨張係数をα3 、前記第2の補助部材の線膨張係数をα4 としたときに、LV1:LV2=α4 :α3 を満足することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載のミラー取付構造では、LV1:LV2=α4 :α3 を満足するように線膨張係数及び距離が設定されているので、第1の補助部材及び第2の補助部材に温度変化が生じても第1の補助部材と第2の補助部材との間に寸法差が生じることはなく、このため、ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のミラー取付構造において、LV1=LV2、α3 =α4 としたことを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載のミラー取付構造では、LV1=LV2、α3 =α4 としたので、第1の補助部材及び第2の補助部材が温度変化しても第1の補助部材と第2の補助部材との間に寸法差が生じることはなく、このため、ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のミラー取付構造において、前記第1の補助部材と前記支柱とは1ヵ所で連結され、前記第2の補助部材と前記支柱とは1ヵ所で連結されていることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載のミラー取付構造では、第1の補助部材と支柱とが1ヵ所で連結され、第2の補助部材と支柱とが1ヵ所で連結されている。
【0020】
即ち、支柱が温度変化によって伸び縮みしても、第1の補助部材及び第2の補助部材は支柱の伸び縮みによって歪むことはなく、ミラーの反射角度が狂うことはない。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のミラー取付構造において、前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段のうちの前記反射角度調整可能な支持手段が雄ねじで構成され、前記雄ねじの回転中心軸が前記ミラーの反射面に垂直な線に対して傾斜していることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載のミラー取付構造では、雄ねじのねじ込み量を調整することによってミラーを傾倒させ、反射角度を調整することができる。
【0023】
また、ミラーの非反射面は付勢部材で補助手段側に付勢され、この付勢部材と第1の支持手段及び前記第2の支持手段でミラーを所定の反射角度で保持する。
【0024】
ここで、雄ねじをねじ込んでいくと、ミラーが傾倒し、傾倒量に応じた押圧力が付勢部材からミラーに作用する。このとき、雄ねじの回転中心軸は、ミラーの反射面に垂直な線に対して傾斜しているため、雄ねじには、回転モーメントが作用し、雌ねじとの螺合部分(出口部分と入口部分)で、対角片寄せされ螺合部分の隙間が無くなり、雄ねじと雌ねじとが密着する。
【0025】
このため、雄ねじがガタ付くことなく回転し、調整時にミラーを安定して保持できる。
【0026】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のミラー取付構造において、前記付勢部材と前記非反射面との摩擦係数μと、前記付勢部材の押圧力Sのうち前記反射面に対して直角方向に作用する垂直分力Sv と、前記反射面に対して平行に作用する平行分力Sh との関係がSh <Sv であることを特徴としている。
【0027】
請求項6に記載のミラー取付構造では、ミラーの反射角度を調整するときにミラーは傾倒し、傾倒量に応じた押圧力Sが付勢部材から作用する。
【0028】
この傾倒量に応じた付勢部材の押圧力Sは、垂直分力Svと平行分力Shとの合力であり、垂直分力Svは、反射面に対して直角方向の変位量に付勢部材の弾性係数を掛けた値となり、また、平行分力Shは、反射面に対して平行な方向の変位量に付勢部材の弾性係数を掛けた値となる。
【0029】
従って、付勢部材と非反射面との摩擦係数をμとすると、Sh<μSvとの関係を構築することで、付勢部材と非反射面との接触部分が滑ることがなく、ミラーが浮き上がるようなことがない。このため、ミラーを調整した後に、振動等によって、反射角度が狂うことがない。
【0030】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図7には、第1の実施形態に係るミラー取付構造が用いられた光走査装置の模式図が示されている。
【0031】
レーザーダイオードから発射された光ビームは、図示しないコリメータレンズ、シリンドリカルレンズを通り、次に、ポリゴンミラー10に入射する。ポリゴンミラー10は、スキャナーモーター12に連結されており、高速回転し、入射光束を偏向走査させる。Fθレンズ群14を通過した光ビームは、ミラー16で光路を折り曲げられ、感光体19の上に到達する。
【0032】
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係るミラー取付構造では、ミラー16の下端が第1の部材としての光学箱18から突設された2つの突起20の上に点で支持され、傾倒可能となっている。
【0033】
また、ミラー16の反射面側は、図3に示すように、二等辺三角形の底辺を描く第1の支持手段としての2つの突起22に点で支持され、また、頂点にあたる位置で第2の支持手段としての調整ねじ24の先端24Aで支持されている。
【0034】
この調整ねじ24は、基端がミラー16の非反射面側にねじ26で光学箱18に固定され、自由端がミラー16の上部をオーバーハングして反射面側へ屈曲する第2の部材としてのブラケット28のねじ孔30へねじ込まれている。ブラケット28の自由端は、ねじ孔30にねじ込まれる調整ねじ24の回転中心軸Lが、ミラー16の反射面に垂直な線Vに対して角度θs だけ傾斜するように、屈曲されている。
【0035】
一方、ミラー16の非反射面側は、突起22と調整ねじ24の支持点を結んで構成される二等辺三角形の重心位置にあるボッチ32に支持されている。このボッチ32は、基端がブラケット28と共にねじ26で固定された側面視にて略C字状のスプリング34の垂直片34Aから突設している。
【0036】
この垂直片34Aは、ミラー16と平行に延設しており、スプリング34の付勢力はボッチ32を通じて、ミラー16の非反射面と直角方向へ作用する。
【0037】
ところで、本実施形態では、光学箱18の材質が合成樹脂(ノリル樹脂)であり、調整ねじ24の材質及びブラケット28の材質がステンレススチールである。なお、ステンレススチールの線膨張係数α1 は1.7〜1.8×10−5/°C、ノリル樹脂の線膨張係数α2 は6.6〜8.0×10−5/°Cである。
【0038】
ここで、ある所定の温度のときに、図2に示すように光学箱18の取り付け面18Aに沿って測ったねじ26の軸芯から調整ねじ24の先端までのブラケット28の寸法をL1、ねじ26の軸芯から突起22の先端までの光学箱18の寸法をL2、調整ねじ24の先端から突起22の先端までの寸法をLh とし、例えば、光学箱18、ブラケット28及び調整ねじ24の温度がΔT°C上昇したとすると、ねじ26の軸芯から調整ねじ24の先端までの寸法はL1(1+α1 ×ΔT°C)、ねじ26の軸芯から突起22の先端までの寸法はL2(1+α2 ×ΔT°C)となり、L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)分だけ突起22の先端と調整ねじ24の先端とが光学箱18の取り付け面18Aに沿って相対的な位置ずれをおこす。
【0039】
この結果、ミラー16が角度θ=|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|傾くことになるが、ねじ26の軸芯から突起22の先端までの光学箱18の寸法及びねじ26の軸芯から調整ねじ24の先端までのブラケット28の寸法を極めて小さく設定することにより、許容されるミラー16の角度誤差範囲内に収めることができる。
【0040】
即ち、本実施形態では、装置で許容されるミラーの角度誤差が例えば±θ以内、許容される温度変化がΔT°C(ミラー16の角度調整時の温度に対する温度変化量)とされており、θ≧|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|を満足するようにL1、L2及びLh の寸法が決められている。なお、Lh は大であることが好ましいが、ミラー16が大型化する問題がある。したがって、実際にはL1、L2を小さくす。
【0041】
次に、第1の実施形態に係るミラー取付構造の作用を説明する。
ミラー16の反射角度は、調整ねじ24を回転させ、ボッチ32を支点としてミラー16を傾倒させることによって行われる。
【0042】
ここで、図4に示すように、調整ねじ24がねじ込まれると、ミラー16を基準として考えた場合、調整ねじ24にはミラー16の反射面に垂直な線Vに沿って反力Rが作用し、その分力は、下向きの分力Rh=Rsinθs と、調整ねじ24の回転中心軸Lの方向への分力Rv=Rcosθs となる。
【0043】
従って、調整ねじ24とねじ孔30の螺合部分A、Bには、先端24Aからの腕の長さに対応した回転モーメントが発生する。このため、螺合部分A、Bが上方(矢印A方向)に煽られて隙間が無くなり、調整ねじ24とねじ孔30が密着する。
【0044】
このため、調整ねじ24はガタ付くことなく旋回し、調整時にミラーを安定して保持できる。
【0045】
また、図5に示すように、調整ねじ24の先端部は、回転中心軸Lに対して対称に側面視にて三角形状をしており、先端24Aが鋭利に尖っている。このため、図6に示すように、先端が球面に加工され雄ねじ72をミラー16に対して傾けた場合、実際にミラー16と接する部分は、回転中心軸L上でなく偏心した位置となり、回転中心軸Lの周りがミラーと接触するが、本実施形態では、回転中心軸L上にある先端24Aのみがミラー16と接触するので、不要な摩擦力が発生せず、ミラー16を安定して保持することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、傾斜角度θs を30°に設定したが、15°<θs <45°であればよい。これは、45°以上であれば、微調整要求精度から問題があり、15°以下であれば、調整ねじ24を回すレンチ等の工具がミラー16の周辺部品と干渉し作業性に問題があるからである。
【0047】
また、装置設置環境の温度が上昇したり装置が作動してミラー16の角度調整時の温度よりも光学箱18及びブラケット28の温度が上昇しても、ミラー16の角度変化が許容範囲内となるように、各部の寸法(L1、L2、Lh )を設定しているので、温度上昇がミラー16の角度調整時の温度に対して所定範囲内に収まっていれば感光体19に到達する光ビームのずれ、即ち、画像の位置ずれも許容範囲内に収められる。
【0048】
なお、前述したように、寸法L1,L2を極めて小さくすることが好ましく、寸法L1,L2を零、即ち、突起22の先端、調整ねじ24の先端及びねじ26の軸芯を同一平面内に配置すれば、温度変化によるミラー16の角度変化を実質的に零にすることもできる。
[第2の実施形態]
次に、図8には、第2の実施形態のミラー取付構造が示されている。
【0049】
ミラー16の非反射面に補強板40が固定されており、この補強板40にく字状に屈曲されたスプリング42の屈曲部42Aが当接している。
【0050】
また、ミラー16の下端は光学箱44の平坦部44Aに摺動可能に支持されており、スプリング42の自由端部に設けられたボッチ46でミラー16の上端が押さえられている。
【0051】
本実施形態のミラー取付構造では、ミラーの支持形態及び取付位置に関わりなく、調整ねじ24をミラー16の反射面に垂直な線に対して傾斜させるだけで、所望の効果を発揮できる。
【0052】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態を図9及び図10にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0053】
図9に示すように、第3の実施形態に係るミラー取付構造においても第1の実施形態に係るミラー取付構造と同様に、ミラー16の下端が光学箱18から突設された2つの突起20の上に点で支持され、傾倒可能となっている。
【0054】
また、図示は省略するが、ミラー16の反射面側も第1の実施形態に係るミラー取付構造と同様に、二等辺三角形の底辺を描く2つの突起22に点で支持され、また、頂点にあたる位置で調整ねじ24の先端で支持されている。
【0055】
なお、本実施形態では、ミラー16の非反射面側のボッチ32は、基端がブラケット28と共にねじ26で固定された側面視にて略S字状のスプリング34の垂直片34Aから突設している。
【0056】
この垂直片34Aは、ミラー16と平行に延設しており、スプリング34の付勢力はボッチ32を通じて、ミラー16の非反射面へ作用する。
【0057】
また、本実施形態では、調整ねじ24がミラー16の反射面に対して直角に当たっている。
【0058】
次に、第3の実施形態に係るミラー取付構造の作用を説明する。
ミラー16の反射角度は、調整ねじ24を回転させ、ボッチ32を支点としてミラー16を傾倒させることによって行われる。
【0059】
図10に示すように、ミラー16が傾倒したとすると、傾倒角度θs に応じた押圧力Sでスプリング34がミラー16を押圧する。
【0060】
ここで、押圧力Sの分力を垂直分力Svと平行分力Shとする。垂直分力Svは、反射面に対して直角方向の変位量にスプリング34の弾性係数(反射面に対して直角方向の弾性係数)を掛けた値となり、また、平行分力Shは、反射面に対して平行な方向の変位量にスプリング34の弾性係数(反射面に対して平行な方向の弾性係数)を掛けた値となる。
【0061】
従って、ボッチ32と非反射面との摩擦係数μを、Sh<μSv=Fh(非反射面の摩擦抵抗力)とすることで、ボッチ32と非反射面との接触部分が滑ることがなく、ミラー16を調整した後に、振動等によってミラー16が浮き上がるようなことがなくなる。
【0062】
また、反射面側の突起22及び調整ねじ24との接触部における摩擦力の総和Faは、摩擦係数をμにすることによって、Fh≒Faとなる。
【0063】
すなわち、上記のように摩擦係数μを設定することによって、ボッチ32と非反射面との接触部分が滑ることがなく、ミラー16を調整した後に、振動等によってミラー16が浮き上がるようなことがなくなる。
【0064】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態を図11(A),(B)及び図12にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0065】
第4の実施形態では、図11(A),(B)及び図12に示すように、ミラー16の上端及び下端がホルダー38の枠部38Aで保持されている。このホルダー38の背面には、窪み40が凹設されており、この窪み40にスプリング34のボッチ42が係合するようになっている。
【0066】
ここで、図11(B)に示すように、ミラー16が傾倒したとすると、傾倒角度に応じた押圧力Sでスプリング34がミラー16を押圧する。
【0067】
このとき、スプリング34の垂直片34Aがホルダー38と反対側へ弾性変形し、窪み40における押圧力Sの平行分力Shが常に突起20側に作用する。
【0068】
このような構成を採ることで、平行分力Shがミラー16を押さえる方向へ作用し、ボッチ42と窪み40とが係合することによって、この平行分力Shが確実にミラー16に伝わるので、ミラー16を浮かせる力の発生源が無くなり、また、調整後にミラー16が外部からの振動を受けても変動することがなく、設定された反射角度を安定して保持できる。
【0069】
なお、窪み40を設けなくても、平行分力Shが、常に突起20側に作用することで、ミラー16の浮き上がりを防止できる。
【0070】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態を図13にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0071】
次に、第5の実施形態に係るミラー取付構造を説明する。
第5の実施形態では、図13に示すように、ミラー16を保持するホルダー44の背面を切り起こして、受け片46が形成されている。この受け片46には、側面視にて略C字状のスプリング48の押え部48Aが上方から当接し、常に受け片46を下方へ押し下げている。
【0072】
このため、スプリング34の押圧力の平行分力Shが、常に突起20側に作用し、前記第4の実施形態と同様に、ミラー16を浮かせる力の発生源を無くすことができる。
【0073】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に寸法L1,L2を極めて小さくすることにより温度変化によるミラー16の角度変化を許容範囲内に収めることができる。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態を図14乃至図16にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0074】
図14及び図15に示すように、このミラー取付構造では、ミラー16の非反射面側に、光学箱18から突出した2つの支柱50が配設されている。
【0075】
各支柱50の基部近傍には、ステンレススチールの板材で形成された第1の部材としての第1の補助部材52の一端側がねじ53にて固定されている。
【0076】
ここで、ミラー16の下端は、第1の補助部材52から突設された突起54の上に点で支持され、傾倒可能となっている。
【0077】
また、ミラー16の反射面側は、図15に示すように、二等辺三角形の底辺を描く2つの第1の支持手段としての突起56に点で支持され、また、頂点にあたる位置で第1の支持手段としての調整ねじ24の先端24Aで支持されている。
【0078】
図14及び図15に示すように、この調整ねじ24は、基端が一方の支柱50の頂面にねじ58で固定され、自由端がミラー16の上部をオーバーハングして反射面側へ屈曲する第2の部材としての第2の補助部材60のねじ孔30へねじ込まれている。
【0079】
第2の補助部材60の自由端は、ねじ孔30にねじ込まれる調整ねじ24の回転中心軸Lが、ミラー16の反射面に垂直な線Vに対して角度θs だけ傾斜するように屈曲されている。なお、この第2の補助部材60も第1の補助部材52と同様にステンレススチールの板材で形成されている。
【0080】
一方、ミラー16の非反射面側は、突起56と調整ねじ24の支持点を結んで構成される二等辺三角形の重心位置にあるボッチ62に支持されている。このボッチ62は、両方の支柱50にかけ渡されるように取り付けられた板ばね64の中央部分から突設している。
【0081】
この板ばね64の付勢力はボッチ32を通じてミラー16の非反射面と直角方向へ作用する。
【0082】
本実施形態では、第1の補助部材52、第2の補助部材60及び調整ねじ24がステンレススチールの板材で形成されており、図14に示すように、ねじ58の軸芯から調整ねじ24の先端までの寸法LV1、ねじ53の軸芯から突起56の先端までの寸法LV2とが同一寸法に設定されているので、第1の補助部材52、第2の補助部材60及び調整ねじ24の温度が変化しても、ねじ58の軸芯から調整ねじ24の先端までの寸法と、ねじ53の軸芯から突起56の先端までの寸法との間に差が生ずることはない。このため、本実施形態のミラー取付構造では温度変化によってミラー16の角度変化が生じない。
【0083】
なお、第6の実施形態では、第1の補助部材52及び第2の補助部材60が同一の材質で形成されていたが、第1の補助部材52の材質と第2の補助部材60の材質が異なっていても良い。但し、この場合、第1の補助部材52の線膨張係数をα3 、第2の補助部材60の線膨張係数をα4 としたときに、LV1:LV2
=α4 :α3 の関係を満足するようにLV1及びLV2の寸法を決める。これにより、温度変化によるミラーの反射角度の変化を防止できる。例えば、第6の実施形態において、第1の補助部材52の材質と第2の補助部材60の材質とが異なる場合、調整ねじ24及び突起56の位置は変えず、ねじ53及びねじ58の少なくとも一方の位置を図の左右方向に変更すれば良い。
【0084】
また、この第6の実施形態では、光学箱18に2つの支柱50を設けたが、支柱50同士は連結されていても良い(即ち、一つの幅広の支柱とする。)。
【0085】
なお、本発明に係るミラー取付構造は、光走査装置に用いられる全ての反射ミラーの組付けに適用できることは無論であり、光学装置には全て適用できる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は上記の構成としたので、温度変化によって反射角度に狂いが生じることがないように安定してミラーを組付けることができる、という優れた効果を有する。また、タンデム記録の画質には有効な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るミラー取付構造を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るミラー取付構造を示す正面図である。
【図4】第1の実施形態に係るミラー取付構造の機能を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係るミラー取付構造の調整ねじの先端の拡大側面図である。
【図6】比較の対象となるねじの先端の拡大側面図である。
【図7】光走査装置の模式図である。
【図8】第2の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図9】第3の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図10】第3の実施形態に係るミラー取付構造の機能を示す模式図である。
【図11】(A)は第4の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図、(B)は第4の実施形態に係るミラー取付構造の機能を説明した側面図である。
【図12】第4の実施形態に係るミラー取付構造の背面図である。
【図13】第5の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図14】第6の実施形態に係るミラー取付構造を示す側面図である。
【図15】第6の実施形態に係るミラー取付構造を示す正面図である。
【図16】図14に示すミラー取付構造の16−16線断面図である。
【符号の説明】
16 ミラー
18 光学箱(第1の部材)
22 突起(第1の支持手段)
24 調整ねじ(第2の支持手段、雄ねじ)
28 ブラケット(第2の部材)
50 支柱
52 第1の補助部材(第1の部材)
56 突起(第1の支持手段)
60 第2の補助部材(第2の部材)
Claims (6)
- 画像成形装置に用いられるミラーの下端を傾倒可能に支承し、前記ミラーの反射面の一端側を第1の支持手段で支持すると共に前記ミラーの反射面の他端側を前記第1の支持手段と連結される第2の支持手段で支持し、前記ミラーの非反射面を付勢部材で前記第1及び第2の支持手段側に付勢し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段の少なくとも一方が前記ミラーの反射角度調整を可能とするミラー取付構造であって、
前記第1の支持手段を有する第1の部材と、前記第2の支持手段を有する第2の部材と、を有し、
前記第1の部材と前記第2の部材との連結部から前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をL1、前記第1の部材と前記第2の部材との連結部から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をL2、前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの寸法をLh 、前記第1の部材の線膨張係数をα1 、前記第2の部材の線膨張係数をα2 、許容される温度変化をΔT(°C)、前記ミラーの許容される角度変化をθ(deg)としたときに、
θ≧|tan−1[{L1(1+α1 ×ΔT°C)−L2(1+α2 ×ΔT°C)}/Lh ]|
を満足することを特徴とするミラー取付構造。 - 画像成形装置に用いられるミラーの下端を傾倒可能に支承し、前記ミラーの反射面の一端側を第1の支持手段で支持すると共に前記ミラーの反射面の他端側を前記第1の支持手段と連結される第2の支持手段で支持し、前記ミラーの非反射面を付勢部材で前記第1及び第2の支持手段側に付勢し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段の少なくとも一方が前記ミラーの反射角度調整を可能とするミラー取付構造であって、
ベース部に設けられる支柱と、
前記支柱に取付けられ前記第1の支持手段を有する第1の補助部材と、
前記支柱に取付けられ前記第2の支持手段を有する第2の補助部材と、を備え、
前記第1の補助部材と前記支柱との連結部分から前記第1の支持手段の前記ミラーとの支持点までの距離をLV1、前記第2の補助部材と前記支柱との連結部分から前記第2の支持手段の前記ミラーとの支持点までの距離をLV2、前記第1の補助部材の線膨張係数をα3 、前記第2の補助部材の線膨張係数をα4 としたときに、LV1:LV2=α4 :α3 を満足することを特徴とするミラー取付構造。 - LV1=LV2、α3 =α4 としたことを特徴とする請求項2に記載のミラー取付構造。
- 前記第1の補助部材と前記支柱とは1ヵ所で連結され、前記第2の補助部材と前記支柱とは1ヵ所で連結されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のミラー取付構造。
- 前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段のうちの前記反射角度調整可能な支持手段が雄ねじで構成され、前記雄ねじの回転中心軸が前記ミラーの反射面に垂直な線に対して傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のミラー取付構造。
- 前記付勢部材と前記非反射面との摩擦係数μと、前記付勢部材の押圧力Sのうち前記反射面に対して直角方向に作用する垂直分力Sv と、前記反射面に対して平行に作用する平行分力Sh との関係がSh <Sv であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のミラー取付構造。
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