JP3574526B2 - 液晶用スペーサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶用スペーサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルにおいてはパネルの間隙を維持するために無機あるいは有機の液晶用スペーサーが用いられている。しかしながら該液晶パネルにおいて、液晶とスペーサーとの界面で液晶分子の配向が変則的となり(異常配向)、表示品質が著しく低下する。
上記異常配向が起きるとスペーサーの周りにドメインと呼ばれる領域が発生する。このドメインは液晶パネルの動作時に光抜けを起こし液晶パネルのコントラストを低下させる。
上記ドメインは液晶とスペーサーとの界面で液晶分子が垂直に配向することによって消失することは周知であった。
スペーサー表面での垂直配向を促進させるため、架橋重合体微粒子を長鎖アルキル基を有するシランカップリング剤で処理して該微粒子の表面に長鎖アルキル基を存在させた液晶スペーサーが提供されている(特開平4−177324号、特開平6−11719号、特開平6−180456号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、スペーサー表面へのアルキル基導入が充分でないためドメインは完全には消失せず、また配向膜基板への接着性も充分ではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、表面に長鎖アルキル基を有する重合体層を形成した重合体粒子からなり、該長鎖アルキル基を有する重合体層は該重合体粒子表面に所定の官能基を導入し、該重合体粒子と長鎖アルキル基と該重合体粒子の官能基と反応可能な官能基を導入した粒子状の重合体とを混合し、各粒子に対して機械的応力を及ぼすことによって、上記重合体粒子の表面に上記粒子状の重合体の重合体層を被覆し、該重合体粒子の官能基と該重合体層の官能基を反応せしめて共有結合を形成することによって形成されている液晶用スペーサーを提供するものである。また表面に長鎖アルキル基を有する重合体粉末層を形成した重合体粒子からなり、該長鎖アルキル基を有する重合 体粉末層は該重合体粒子表面に粒子状の長鎖アルキル基を有する重合体を液状バインダーに分散させた分散液を被覆することによって形成されている液晶用スペーサーを提供し、また更に表面に長鎖アルキル基を有する重合体層を形成した重合体粒子からなり、該長鎖アルキル基を有する重合体層は該重合体粒子表面に長鎖アルキル基を有する重合体の溶液を被覆し乾燥固定することによって形成されている液晶用スペーサーを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
〔重合体粒子〕
本発明の液晶用スペーサーに使用される重合体粒子を製造する方法として望ましいものは、所定の重合性ビニル単量体は溶解し、該重合性ビニル単量体にもとづく重合体は溶解しない溶剤中で該重合性ビニル単量体を重合し、重合体粒子を析出せしめる析出重合法、または上記析出重合法によって得られた重合体粒子を所定の重合性ビニル単量体によって膨潤せしめ、該重合体粒子に内蔵されているラジカルによって該重合性ビニル単量体を更に重合せしめて二次重合体粒子を得るシード重合法等がある。本発明においては重合体粒子表面と該長鎖アルキル基を有する重合体層とは共有結合せしめることが望ましい。そのために該重合体粒子表面に所定の官能基を導入し、また該長鎖アルキル基を有する重合体層に該重合体粒子の官能基と反応可能な官能基を導入する。該重合体粒子表面に所定の官能基を導入するには、上記製造方法によって重合体粒子を製造する場合に、所定の官能基を有する重合性ビニル単量体あるいは所定の官能基を有する重合性ビニル単量体と該重合性ビニル単量体と共重合可能な他の重合性ビニル単量体との混合単量体を使用する。
【0006】
本発明の重合体粒子の製造に使用される重合性ビニル単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等の脂肪族または環式アクリレートおよび/またはメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、iso-ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、エチレン、プロピレン、イソプレン等のオレフィン類、クロロプレン、ブタジエン等のジエン類、その他ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等の水溶性単量体等がある。上記例示は本発明を限定するものではない。上記単量体は一種または二種以上混合使用される。
【0007】
上記重合体粒子の表面に導入される所定の官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアナート基、アミノ基、アミド基、スルホン基、メルカプト基等の官能基、あるいは加水分解、縮合、開環等の手段によって上記官能基を生成する官能基があり、上記官能基を有する重合性ビニル単量体としては、例えば2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等の水酸基含有単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アトロパ酸、シトラコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基含有単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ- アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルビス(トリメトキシ)メチルシラン、11- メタクリロキシウンデカメチレントリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4-ビニルテトラメチレントリメトキシシラン、8-ビニルオクタメチレントリメトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ビニルトリアセトキシシラン、p-トリメトキシシリルスチレン、p-トリエトキシシリルスチレン、p-トリメトキシシリル- α- メチルスチレン、p-トリエトキシシリル- α- メチルスチレン、γ- アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-β(N-ビニルベンジルアミノエチル- γ- アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩、ビニルトリクロロシラン等のような加水分解性シリル基含有単量体、アクリロイルイソシアナート、メタクリロイルイソシアナート、アクリルイソシアナート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート等のイソシアナート基含有単量体、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノ基含有単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド等のアミド基含有単量体、P-スルホン酸スチレン、2-(アクリロイルアミノ)-2- メチルプロパンスルホン酸等のスルホン基含有単量体、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有単量体等がある。
【0008】
本発明の重合体粒子としては、上記析出重合およびシード重合において単量体の一部としてジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多価ビニル化合物を用いた方法および/またはγ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ- アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ- メタクリロキシプロピルビス(トリメトキシ)メチルシラン、11- メタクリロキシウンデカメチレントリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4-ビニルテトラメチレントリメトキシシラン、8-ビニルオクタメチレントリメトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ビニルトリアセトキシシラン、p-トリメトキシシリルスチレン、p-トリエトキシシリルスチレン、p-トリメトキシシリル- α- メチルスチレン、p-トリエトキシシリル- α- メチルスチレン、γ- アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-β(N-ビニルベンジルアミノエチル- γ- アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩等のような加水分解性シリル基を有するビニル単量体を使用して重合後に加水分解によってシロキサン結合による架橋を生成する方法等によって得られる架橋重合体粒子が望ましい。該架橋重合体粒子は耐溶剤性、耐熱性が良好である。
上記析出重合法においては、析出した重合体粒子相互の会合を防止するためにヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体が分散剤として使用されてもよい。
上記析出重合およびシード重合にあっては、液晶用スペーサーとして適当な真球状でかつ均一な粒度分布を有する粒子が得られ、特にシード重合にあっては粒径の大きな真球状粒子が得られる。
【0009】
〔長鎖アルキル基を有する重合体〕
長鎖アルキル基を有する重合体は、長鎖アルキル基を有する重合性ビニル単量体、もしくは該長鎖アルキル基を有する重合性ビニル単量体と該重合性ビニル単量体と共重合可能な他の重合性ビニル単量体との混合物を重合開始剤を使用して重合することによって製造される。
重合は通常メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、t-ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンのようなケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンの芳香族系溶剤、セロソルブアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n-ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤等の有機溶剤中で、該重合性ビニル単量体を重合する溶液重合、あるいは上記重合体粒子を製造する場合と同様な析出重合またはシード重合が適用され、結果として長鎖アルキル基を有する重合体は溶液あるいは粒子の形状で提供される。
上記長鎖アルキル基を有する重合性ビニル単量体としては、炭素数が6以上の長鎖アルキル基を有するものが好ましく、炭素数12以上の長鎖アルキル基を有するものが特に好ましい。このような長鎖アルキル基を有する重合性ビニル単量体としては例えば、n−ラウリルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノールポリオキシエチレンアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルポリオキシエチレンアクリレート、オクチルフェノールポリオキシエチレンアクリレート、ステアリルフェノールポリオキシエチレンアクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、ノニルフェノキシエチルメタクリレート、ノニルフェノールポリオキシエチレンメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、セチルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラエチレングリコールモノメタクリレート、ラウリルポリオキシエチレンメタクリレート、オクチルフェノールポリオキシエチレンメタクリレート、ステアリルフェノールポリオキシエチレンメタクリレート、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル等がある。
また上記長鎖アルキル基を有する重合性ビニル単量体と共重合可能な他の重合性ビニル単量体としては、重合体粒子の製造に使用される重合性ビニル単量体と同様なものが使用される。更に上記長鎖アルキル基を有する重合体に該重合体粒子の官能基と反応可能な官能基を導入するには、該重合体粒子の製造に使用される官能基を有する重合性ビニル単量体と同様なものが使用され、対象とする重合体粒子の官能基と反応可能な官能基を有するものを選択する。
【0010】
相互反応可能な官能基としては例えば下記の組み合わせがある。
【化1】
【化2】
【0011】
〔重合体粒子表面の被覆〕
上記重合体粒子の表面を上記長鎖アルキル基を有する重合体層で被覆するには、例えば下記の三つの方法がある。
A.重合体粒子と粒子状の長鎖アルキル基を有する重合体とを混合し、各粒子に 対して機械的応力を及ぼして被覆するフィルム型被覆法
B.該重合体粒子表面に粒子状の長鎖アルキル基を有する重合体を液状バインダ ーに分散させた分散液を被覆する粉末被覆法
C.該重合体粒子表面に長鎖アルキル基を有する重合体の溶液を被覆し乾燥固定 するフィルム被覆法
(A)の方法で各粒子に機械的応力を与えるために使用される装置としては、株式会社奈良機械製作所製のハイブリタイザー、ホソカワミクロン株式会社製のオングミル、川崎重工業株式会社製のKOSMOS等の高速攪拌機があり、(B)および(C)の方法で重合体粒子表面に分散液または溶液を被覆するために使用される装置としては、フロイント産業株式会社製のコートマイザー、SPIR−A−FLOW等の攪拌装置が挙げられる。
(A)の方法における重合体粒子と長鎖アルキル基を有する重合体粒子との粒子径比は、好ましくは100:10〜100:0.1であり、特に好ましくは100:3以下である。また混合比は平均粒径、性状等によって異なるが通常重量比で重合体粒子1に対して長鎖アルキル基を有する重合体粒子0.5〜3である。
(B)の方法においては、重合体粒子と長鎖アルキル基を有する重合体粒子との粒子径比は通常(A)と同じにする。
いずれの方法においても、該重合体粒子表面に長鎖アルキル基を有する重合体を共有結合させる場合には、官能基の組合わせにより必要に応じて所定温度に加熱して反応を促進する。
【0012】
本発明の重合体粒子は表面に長鎖アルキル基を有する重合体層を有する。このような複合体粒子を液晶用スペーサーとして用いると、該重合体粒子表面の長鎖アルキル基を有する重合体層に対して液晶分子が垂直に規則正しく配列するため、液晶スペーサー近傍の配向異常が抑制される。また核となる重合体粒子と長鎖アルキル基を有する重合体層とが共有結合されている場合には、長鎖アルキル基を有する重合体層が重合体粒子から剥離しにくい。また液晶パネル製造工程中における加熱によって該長鎖アルキル基を有する重合体層の溶融メルト効果や、該重合体層が官能基を有している場合は更に配向基板上の官能残基との反応により重合体粒子と配向基板とは強固に接着する。
【0013】
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって何等制限されるものではない。
〔実施例1〕(表面にカルボキシル基を有する重合体粒子Aの製造〕
分子量4×105 のヒドロキシプロピルセルロース50gをメチルアルコール300gに溶解して反応器に仕込み、更にスチレン10g、ジビニルベンゼン5g、メタクリル酸2g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを該反応器に仕込み、60℃、8時間窒素気流下で析出重合させることによって表面にカルボキシル基を有する重合体粒子Aを得た。該重合体粒子Aは真球状でその平均粒径は6.25μm、標準偏差3%であった。
【0014】
〔実施例2〕(表面にエポキシ基を有する重合体粒子Bの製造〕
プロピオン酸エチル200gを反応器に仕込み、更にグリシジルメタクリレート85.7g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート9.7g、エチレングリコールジメタクリレート4.6g、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.15gを該反応器に仕込み、50℃、16時間窒素気流下で析出重合させることにより、表面にエポキシ基を有する重合体粒子Bを得た。該重合体粒子Bは真球状でその平均粒径は4.90μm、標準偏差4%であった。
【0015】
〔実施例3〕(長鎖アルキル基を有する重合体粒子Cの製造)
反応装置にメチルアルコール325g、エチレングリコール9.4g、ポリビニルピロリドン30g、セタノール4g、イソボルニルメタクリレート5g、グリシジルメタクリレート7.5g、ラウリルメタクリレート7.5gを仕込み、そこに2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.2gを加え窒素気流下60℃で5時間析出重合させることにより、表面にエポキシ基と長鎖アルキル基を有する重合体粒子Cを得た。該重合体粒子Cは洗浄後解砕、乾燥される。該重合体粒子Cは真球状でその平均粒径は0.35μmであった。
【0016】
〔実施例4〕(長鎖アルキル基を有する重合体粒子Dの製造)
反応装置にメチルアルコール317.7g、エチレングリコール16.7g、ポリビニルピロリドン20g、セタノール4g、イソボルニルメタクリレート7.5g、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸5g、ラウリルメタクリレート7.5gを仕込み、そこに2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.8gを加え窒素気流下60℃で5時間析出重合させることにより、表面にカルボキシル基と長鎖アルキル基を有する重合体粒子Dを得た。該重合体粒子Dは洗浄後解砕、乾燥される。該重合体粒子Dは真球状でその平均粒径は0.3μmであった。
【0017】
〔実施例5〕(表面を長鎖アルキル基を有する重合体層で被覆された粒子Eの製造)
実施例1製造した表面にカルボキシル基を有する重合体粒子A50gと実施例3で製造された長鎖アルキル基とエポキシ基を有する重合体粒子C10gを株式会社奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステムのOMダイザーで3分間処理しオーダードミクスチュアーを形成する。次にこのオーダードミクスチュアーをハイブリタイゼーションシステムのハイブリタイザーで15000回転毎分の回転数で5分間成膜処理を行い、表面を長鎖アルキル基を有する重合体層で被覆された粒子Eが得られた。
【0018】
〔実施例6〕(表面を長鎖アルキル基を有する重合体層で被覆された粒子Fの製造)
実施例2で製造した表面にエポキシ基を有する重合体粒子B50gと実施例4で製造された長鎖アルキル基とカルボキシル基を有する重合体粒子D10gを株式会社奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステムのOMダイザーで3分間処理しオーダードミクスチュアーを形成する。次にこのオーダードミクスチュアーをハイブリタイゼーションシステムのハイブリタイザーで10000回転毎分の回転数で3分間成膜処理を行い、表面を長鎖アルキル基を有する重合体層で被覆された粒子Fが得られた。
【0019】
〔比較例1〕
市販の表面処理のなされていないシリカ粒子10gを、オクタデシルトリメトキシシランの2%トルエン溶液30gに分散させ、50℃で1時間加温した後濾過洗浄し、130℃の乾燥機中で1時間加熱することによって表面に表面に長鎖アルキル基を有するシリカ粒子Gを得た。
【0020】
〔評価〕
表面を長鎖アルキル基を有する重合体層で被覆された粒子E,Fを用いて液晶表示パネルを作成し、点灯時の液晶スペーサー周りの配向異常を観察・評価した。結果は表1に示される。
(液晶パネル作成方法)
ITO/ポリイミド配向膜を表面に形成し、ラビング処理を施した基板(90×100mm,EHC社製)にスプレーガンにより散布個数150〜180個/mm2 になるように散布し、150℃、30分の加熱処理を行なった。その後シール剤を基板周辺部に印刷し定法により基板を貼合せ、液晶(メルク社製ZLI−2293(S078W))をセルに注入することによりSTN液晶パネルを作成した。
(評価方法)
上記方法により作成された液晶パネルに対して50V,1秒の直流電圧(DC)を印加し、印加前後で液晶スペーサー周りの配向異常(光抜け状態)の変化を評価した。
【表1】
光抜け評価は1〜5の基準で示され、以下のようである。
1:未発生 2:一部発生 3:粒子周り1/3発生
4:粒子周り半分以上発生 5:粒子周り全てから発生
【0021】
上記表1の評価結果より表面に長鎖アルキル基を有する重合体層で被覆された粒子E,Fは表面処理を行っていない母粒子と比較して、粒子周りの光抜け防止性能が著しく改善されている。これと比較して粒子表面にカップリング剤処理だけで長鎖アルキル基を導入したシリカ粒子Gについては若干の改善が見られるものゝ本発明の複合化粒子による光抜け改善効果には及ばない。
【0022】
【発明の効果】
本発明においては、スペーサー表面の長鎖アルキル基を含む高分子重合体層によって液晶分子をスペーサー表面に垂直配向させることが出来るため、液晶用スペーサーの周りの液晶の異常配向を抑制する。これにより液晶パネル点灯時の光抜けを防止し、液晶パネルのコントラストが向上すると共にパネル上に見られるリング状の不良モードを防止し表示品質を向上させることが出来る。
Claims (3)
- 表面に長鎖アルキル基を有する重合体層を形成した重合体粒子からなり、該長鎖アルキル基を有する重合体層は該重合体粒子表面に所定の官能基を導入し、該重合体粒子と長鎖アルキル基と該重合体粒子の官能基と反応可能な官能基を導入した粒子状の重合体とを混合し、各粒子に対して機械的応力を及ぼすことによって、上記重合体粒子の表面に上記粒子状の重合体の重合体層を被覆し、該重合体粒子の官能基と該重合体層の官能基を反応せしめて共有結合を形成することによって形成されていることを特徴とする液晶用スペーサー
- 表面に長鎖アルキル基を有する重合体粉末層を形成した重合体粒子からなり、該長鎖アルキル基を有する重合体粉末層は該重合体粒子表面に粒子状の長鎖アルキル基を有する重合体を液状バインダーに分散させた分散液を被覆することによって形成されていることを特徴とする液晶用スペーサー
- 表面に長鎖アルキル基を有する重合体層を形成した重合体粒子からなり、該長鎖アルキル基を有する重合体層は該重合体粒子表面に長鎖アルキル基を有する重合体の溶液を被覆し乾燥固定することによって形成されていることを特徴とする液晶用スペーサー
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