JP3574064B2 - 電動機用固定子鉄板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス下型上に電磁鋼板を配置し、プレス上型を下降させて所定形状の固定子鉄板を切断形成する電動機用固定子鉄板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、モータの高性能を実現するために、薄い固定子鉄板を積層固着して固定子鉄心を構成するようになってきている。固定子鉄心は同一形状のものを多数使用するため順送り型の順送プレスにて打ち抜き切断していた。この固定子鉄板は、プレス下型上に板厚の薄い電磁鋼板を配置し、プレス上型を下降させて所定形状の固定子鉄板を打ち抜き切断形成していた。
【0003】
係るプレス上型とプレス下型とのクリアランスは打ち抜き切断する電磁鋼板の板厚によって打ち抜き切断に適したクリアランスがあり、その適したクリアランスによって所定の板厚の電磁鋼板を打ち抜き切断していた。即ち、電磁鋼板の板厚が0.35mmのプレス上型とプレス下型との最適なクリアランスは20μmとされ、電磁鋼板の板厚が0.50mmではプレス上型とプレス下型との最適なクリアランスは30μmとされている。また、電磁鋼板の板厚が0.25mmではプレスの上型と下型との最適なクリアランスは15μmとされており、打ち抜き切断する電磁鋼板の板厚を変える毎に順送り型の順送プレスに取り付けたプレス下型とプレス上型とを交換していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年では省エネ競争が激化しており、電動機においては渦電流損を低減するため電磁鋼板の板厚は0.50mmから0.35mmと薄い方向へ移行しつつある。また、電磁鋼板は板厚0.50mmのものが標準として用意されているが、現在では板厚0.35mmの電磁鋼板はまだ特殊な板厚で数量が少ない。このため、板厚0.50mmの電磁鋼板を打ち抜き切断するプレス上型とプレス下型とから構成されるプレス金型を製作して順送プレスに取り付けると共に、板厚0.35mmの電磁鋼板を打ち抜き切断するプレス金型を製作して順送プレス取り付けなければならず、それら順送プレスの製作設備費用が大きな負担となってしまう問題があった。
【0005】
また、一台の順送プレスで板厚の異なる電磁鋼板を打ち抜き切断する場合、電磁鋼板の板厚が変更になる度に、順送プレスに取り付けた電磁鋼板を打ち抜き切断するプレス金型を、その都度電磁鋼板の板厚に対応したプレス金型に交換しなければならなかった。このため、プレス金型の交換が煩わしくまた多大な手間がかかる問題もあった。
【0006】
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、プレス金型を交換せずに異なる板厚の電磁鋼板を切断することができる電動機用固定子鉄板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の電動機用固定子鉄板の製造方法は、プレス下型上に電磁鋼板を配置し、プレス上型を下降させて所定形状の固定子鉄板を切断形成するものであって、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、板厚の薄い第1の電磁鋼板の切断に適した値と、当該第1の電磁鋼板よりも板厚の厚い第2の電磁鋼板の切断に適した値との間に設定したものである。
【0008】
また、請求項2の電動機用固定子鉄板の製造方法は、上記に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.50mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスとの間に設定したものである。
【0009】
また、請求項3の電動機用固定子鉄板の製造方法は、請求項2に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、25μm以上30μm以下に設定したものである。
【0010】
また、請求項4の電動機用固定子鉄板の製造方法は、請求項1に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.25mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスとの間に設定したものである。
【0011】
更に、請求項5の電動機用固定子鉄板の製造方法は、請求項4に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、18μm以上20μm以下に設定したものである。
【0012】
更にまた、請求項6の電動機用固定子鉄板の製造方法は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に加えて、固定子鉄板を積層固着して固定子鉄心を構成するためのカシメ部を形成するポンチを、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用するものである。
【0013】
また、請求項7の電動機用固定子鉄板の製造方法は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に加えて、プレス下型上で電磁鋼板を押さえる押さえ部材と、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用するものである。
【0014】
本発明によれば、プレス下型上に電磁鋼板を配置し、プレス上型を下降させて所定形状の固定子鉄板を切断形成するものであって、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、板厚の薄い第1の電磁鋼板の切断に適した値と、当該第1の電磁鋼板よりも板厚の厚い第2の電磁鋼板の切断に適した値との間に設定しているので、プレス上型とプレス下型を交換せずに異なる板厚の電磁鋼板を切断することが可能となる。これにより、異なる板厚の電磁鋼板をプレスで切断する場合でも電磁鋼板の板厚が変わった場合でも、プレス上型とプレス下型の煩わしく手間のかかる交換作業を行なわなくて済む。従って、プレス金型の交換の手間を大幅に削減することができるようになるものである。
【0015】
請求項2の発明によれば、上記に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.50mmの板厚の電磁鋼板の切断に適した、例えば、請求項3の如きプレス上型とプレス下型とのクリアランスを、25μm以上30μm以下に設定しているので、0.50mmの板厚と0.35mmの板厚の両電磁鋼板を同一のプレス上型とプレス下型とで好適に切断することが可能となる。これにより、異なる板厚の電磁鋼板をプレスで切断する場合でも電磁鋼板の板厚が変わった場合でも、切断する電磁鋼板の板厚0.50mmを板厚0.35mmに変えた場合でもプレス金型の煩わしく手間のかかる交換作業を行なわなくて済む。従って、プレス金型の交換の手間を大幅に削減することができるようになるものである。
【0016】
請求項4の発明によれば、請求項1に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.25mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適した、例えば、請求項5の如きプレス上型とプレス下型とのクリアランスを、18μm以上20μm以下に設定しているので、0.25mmの板厚と0.35mmの板厚の両電磁鋼板を同一のプレス上型とプレス下型とで好適に切断することが可能となる。これにより、異なる板厚の電磁鋼板をプレスで切断する場合でも電磁鋼板の板厚が変わった場合でも、切断する電磁鋼板の板厚0.35mmを板厚0.25mmに変えた場合でもプレス金型の煩わしく手間のかかる交換作業を行なわなくて済む。従って、プレス金型の交換の手間を大幅に削減することができるようになるものである。
【0017】
更に、請求項6の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に加えて、固定子鉄板を積層固着して固定子鉄心を構成するためのカシメ部を形成するポンチを、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用するようにしているので、例えば、電磁鋼板のプレス金型を順送り金型装置に取り付けた場合、板厚の薄い電磁鋼板から板厚の厚い電磁鋼板或いは板厚の厚い電磁鋼板から板厚の薄い電磁鋼板に変えた場合でもプレス金型は交換せずカシメ部を形成するポンチだけを、カシメ部を形成する固定子鉄板の厚さに対応して交換するだけで済む。これにより、プレス金型の交換作業の手間を大幅に削減することが可能となる。従って、プレス金型の設計製作費用を大幅に削減することが可能となってトータルコストを極めて低減させることができるようになるものである。
【0018】
また、請求項7の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に加えて、プレス下型上で電磁鋼板を押さえる押さえ部材と、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用するようにしているので、例えば、電磁鋼板のプレス金型を順送り金型装置に取り付けた場合、板厚の薄い電磁鋼板から板厚の厚い電磁鋼板或いは板厚の厚い電磁鋼板から板厚の薄い電磁鋼板に変えた場合でもプレス金型は交換せずプレスで切断する固定子鉄板の厚さに対応して電磁鋼板を押さえる押さえ部材を交換するだけで済む。これにより、プレス金型の煩わしく手間のかかる作業を大幅に削減することが可能となる。従って、プレス金型の設計製作費用を大幅に削減することが可能となってトータルコストを極めて低減させることができるようになるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明に関わる電動機用固定子鉄板1の製造方法実施するための順送り金型装置10を概念的に示す全体斜視図、図2は本発明に関わる方法によって製造された固定子鉄板1の平面図、図3は本発明に関わる方法によって製造された固定子鉄心7の斜視図、図4は本発明に関わる電動機用固定子鉄板1の製造方法実施するための順送り金型装置10の要部の縦断側面図を示している。
【0020】
図2において、1は固定子鉄板(珪素鋼板などの電磁鋼板)で、略矩形のドーナッツ状を呈している。この固定子鉄板1が積層固着されて図示しない圧縮機駆動用の電動機の固定子鉄心7が構成される。固定子鉄板1の内周には6個の歯部2・・・が形成されており、これら歯部2の間に内方及び上下に開放したスロット部3が6箇所形成されている。該固定子鉄板1は複数枚積層され、各固定子鉄板1の4隅部に位置して設けられたカシメ部4が相互にカシメ固定されて固定子鉄心7を構成している(図3)。尚、5はネジ穴である。
【0021】
このような、固定子鉄心7を構成する固定子鉄板1は積層して多数使用するため図1に示す如き順送り金型装置10にて打ち抜かれ切断された後、積層されカシメ固定され固定子鉄心7が製作される。図4の符号11は順送り金型装置10に配設されたプレス金型で、このプレス金型11は従来より周知の順送り型の順送プレスであり、プレス上型12と、プレス下型13とからプレス金型11が構成されている。20は固定子鉄板1を打ち抜くための電磁鋼板である。
【0022】
プレス上型12とプレス下型13は、電磁鋼板20から固定子鉄板1を打ち抜き切断して、それら打ち抜き切断し固定子鉄板1を積層させて固定子鉄心7を形成するように構成されている。順送り金型装置10には電磁鋼板20の搬送方向上流側から下流側まで5工程のプレス金型11が配設されており、第1工程P1は固定子鉄心7の中央の円形穴6を切断するためのプレス金型11、第2工程P2はスロット部3を打ち抜き切断するためのプレス金型11、第3工程P3はネジ穴5を切断するためのプレス金型11、第4工程P4はカシメ部4を切断し形成するためのプレス金型11、第5工程P5は外径を切断するためのプレス金型11が順次配置されている。
【0023】
即ち、順送り金型装置10のプレス上型12は各工程によって形状の異なるプレス上型12が配置されると共に、プレス下型13はプレス上型12に対応した形状のプレス下型13が配設されている。また、各工程のプレス上型12、プレス下型13は図示しないノックピンやボルトなどによってそれぞれプレス金型11に固定されると共に、交換可能に構成されている。尚、図示しないが、固定子鉄板1は外径が切断された後、カシメ部4によって順次所定の設定枚数積層されるように構成されている。
【0024】
ここで、プレス上型12とプレス下型13とを図4に示している。図中14はプレス上型12に固定され電磁鋼板20を打ち抜き切断するためのポンチ、15は押さえ部材、13Aはプレス下型13に形成され型穴で、固定子鉄板1を打ち抜き切断する形状に形成されている。
【0025】
プレス上型12(この場合ポンチ14)とプレス下型13(この場合型穴13A)とのクリアランス(図4左右矢印範囲)を、第1の電磁鋼板20Aとしての板厚の薄い0.35mmの切断に適したクリアランス20μmと、第1の電磁鋼板20Aよりも板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bとしての0.50mmの切断に適したクリアランス30μmとの間の25μm以上30μm以下のクリアランスに設定している。そして、この間のクリアランスに設定したポンチとプレス下型13とを交換せずに0.35mmの板厚と0.50mmとの両板厚の電磁鋼板20A、20Bを打ち抜き切断できるように構成してる。
【0026】
また、プレス上型12(ポンチ)とプレス下型13とのクリアランスを、第1の電磁鋼板20Aとしての板厚の薄い0.25mmの切断に適したクリアランス15μmと、第1の電磁鋼板20Aよりも板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bとしての0.35mmの切断に適したクリアランス20μmとの間の18μm以上20μm以下に設定している。そして、この間のクリアランスに設定したポンチとプレス下型13とを交換せずに0.25mmの板厚と0.35mmとの両板厚の電磁鋼板20A、20Bを打ち抜き切断できるように構成してる。
【0027】
即ち、電動機用固定子鉄板1の製造方法は、プレス上型12(ポンチ14)とプレス下型13(型穴13A)とのクリアランスを、板厚の薄い第1の電磁鋼板20Aの切断に適した値と、当該第1の電磁鋼板20Aよりも板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bの切断に適した値との間に設定し、プレス上型12とプレス下型13とを交換することなく、両板厚の電磁鋼板20A、20Bを打ち抜き切断できるように構成している。
【0028】
また、固定子鉄板1を複数枚積層し、互いにカシメて一体に積層するプレス上型12に固定された第4工程P4のカシメ用のポンチ14Aは板厚の厚い電磁鋼板20Bのカシメに適した長さに形成されており、この板厚の厚い電磁鋼板20B用のポンチ14Aを板厚の薄い電磁鋼板20Aのカシメに使用すると固定子鉄板1までの距離が短くなってカシメ部4が浮いてしまう不具合が発生する。そこで、固定子鉄板1を積層固着して固定子鉄心7を構成するためのカシメ部4を形成するポンチ14Aを、板厚の薄い電磁鋼板20A用と板厚の厚い電磁鋼板20B用とが用意されており、板厚の薄い電磁鋼板20Aの場合は薄い板厚用のポンチ14Aに、板厚の厚い電磁鋼板20Bの場合は厚い板厚用のポンチ14Aに交換して使用する。
【0029】
前記、押さえ部材15はプレス上型12に固定され、プレス上型12と共に上下動すると共に、プレス下型13上で電磁鋼板20を押さえて固定子鉄板1の打ち抜き切断時にポンチ14周囲の電磁鋼板20及び固定子鉄板1が変形しないように使用される。該押さえ部材15はカシメ部4用のポンチ14A同様板厚の薄い電磁鋼板20A用と板厚の厚い電磁鋼板20B用とが用意されており、板厚の薄い電磁鋼板20Aの場合は薄い板厚用の押さえ部材15に、板厚の厚い電磁鋼板20Bの場合は厚い板厚用の押さえ部材15に交換して使用する。
【0030】
このように構成された順送り金型装置10で固定子鉄板1を打ち抜き切断する場合は、電磁鋼板20をパイロットピン孔21を基準にして図1中矢印A方向へ移動させ第1工程P1〜第5工程P5を経て固定子鉄板1を打ち抜き切断すると共に固定子鉄板1を積層してカシメ部4をカシメて固定子鉄心7を形成する。即ち、図1において第1工程P1で固定子鉄心7の中央の円形穴6が打ち抜かれ切断された後、第2工程P2でスロット部3を打ち抜いて切断する。
【0031】
次に第3工程P3でネジ穴5が打ち抜かれ切断された後、第4工程P4に進みカシメ部4を半抜き状態に下方に切断し変形させる。第5工程P5で固定子鉄板1の外径が打ち抜かれ切断された後、図示しないが1枚目の固定子鉄板1上に2枚目の固定子鉄板1が積み重ねられるが、このとき、1枚目の固定子鉄板1に形成された半抜き状態のカシメ部4に2枚目の固定子鉄板1に形成された半抜き状態のカシメ部4を噛み込ませて1枚目の固定子鉄板1と2枚目の固定子鉄板1をカシメ固定し、これが積層され固定子鉄心7の枚数分繰り返される。尚、第4工程P4で固定子鉄板1に形成された半抜き状態のカシメ部4を噛み込ませても差し支えない。
【0032】
このように、プレス上型12とプレス下型13とのクリアランスを、板厚の薄い第1の電磁鋼板20Aの切断に適した値と、当該第1の電磁鋼板20Aよりも板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bの切断に適した値との間に設定しているので、プレス上型12とプレス下型13を交換しなくても異なる板厚の電磁鋼板20を打ち抜き切断することが可能となる。これにより、順送り金型装置10で異なる板厚の電磁鋼板20を打ち抜き切断する場合でも、プレス装置11のプレス上型12とプレス下型13との煩わしく手間のかかる交換作業を行なわずに済む。
【0033】
また、固定子鉄板1を積層固着して固定子鉄心7を構成するためのカシメ部4を形成するポンチ14Aを、板厚の薄い電磁鋼板20A用と板厚の厚い電磁鋼板20B用とをそれぞれ準備しており、順送り金型装置10で打ち抜き切断する電磁鋼板20を板厚の薄いものから板厚の厚いもの、或いは、板厚の厚いものから板厚の薄いものに変えた場合でもプレス上型12とプレス下型13は交換せずにカシメ部4を形成するポンチ14Aだけを交換するだけで、それら板厚の異なる電磁鋼板20を打ち抜き切断することが可能となる。これにより、プレス金型11の設計製作費用を大幅に削減することが可能となってトータルコストを極めて低減させることができるようになる。
【0034】
一方、プレス下型13上で電磁鋼板20を部分的に固定するためプレス下型13に設けられた位置だしピン(図示せず)に挿入される所謂ストリッパホルダーが設けられていた。このストリッパホルダーは異なる板厚に対応する長さのものがプレス金型11に固定され、これによって、電磁鋼板20をプレス上型12とプレス下型13間に固定していた。即ち、電磁鋼板20の板厚が変わる度にプレス金型11を交換しなければならなかった。
【0035】
そこで、ストリッパホルダーとして板厚の薄い電磁鋼板20A用の押さえ部材15と、板厚の厚い電磁鋼板20B用との押さえ部材15をそれぞれ2種類準備している。そして、順送り金型装置10で打ち抜き切断する電磁鋼板20を板厚の薄いものから板厚の厚いもの、或いは、板厚の厚いものから板厚の薄いものに変えた場合、プレス上型12とプレス下型13は交換せずにプレスで切断する固定子鉄板1の厚さに対応して電磁鋼板20を押さえる押さえ部材15を交換する。即ち、順送り金型装置10に設けられた押さえ部材15を交換するだけで、それら板厚の異なる電磁鋼板20をプレス上型12とプレス下型13間に固定することが可能となる。これにより、順送り金型装置10の設計製作費用を大幅に削減することが可能となってトータルコストを極めて低減させることができるようになる。
【0036】
また、プレス下型13上で電磁鋼板20を押さえる押さえ部材15と、板厚の薄い電磁鋼板20A用と板厚の厚い電磁鋼板20B用とでそれぞれ準備しており、順送り金型装置10で打ち抜き切断する電磁鋼板20を板厚の薄いものから板厚の厚いもの、或いは、板厚の厚いものから板厚の薄いものに変えた場合でもプレス上型12とプレス下型13は交換せずにプレスで切断する固定子鉄板1の厚さに対応して電磁鋼板20を押さえる押さえ部材15を交換するだけでそれら板厚の異なる電磁鋼板20を押さえつけることが可能となる。これにより、プレス金型11の設計製作費用を大幅に削減することが可能となってトータルコストを極めて低減させることができるようになる。
【0037】
尚、実施形態では圧縮機駆動用の電動機の固定子鉄板1に本発明を適用したが、それに限らず、送風機駆動モータなど、種々の永久磁石型モータに本発明は有効である。
【0038】
また、プレス上型12とプレス下型13とのクリアランスを、第1の電磁鋼板20Aとしての板厚の薄い0.35mmの切断に適したクリアランス20μmと、板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bとしての0.50mmの切断に適したクリアランス30μmとの間で、第2の電磁鋼板20Bの切断に適したクリアランスに近似した25μm以上30μm以下のクリアランスに設定したがこれに限らず、プレス上型12とプレス下型13とのクリアランスは、打ち抜き切断状況、温度或いは電磁鋼板の材質、種類などによって板厚の薄い第1の電磁鋼板20Aの切断に適したクリアランスと、板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bの切断に適したクリアランスの間であれば本発明は有効である。
【0039】
また、プレス上型12とプレス下型13とのクリアランスを、第1の電磁鋼板20Aとしての板厚の薄い0.25mmの切断に適したクリアランス15μmと、板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bとしての0.35mmの切断に適したクリアランス20μmとの間で、第2の電磁鋼板20Bの切断に適したクリアランスに近似した18μm以上20μm以下のクリアランスに設定したがこれに限らず、プレス上型12とプレス下型13とのクリアランスは、打ち抜き切断状況、温度或いは電磁鋼板の材質、種類などによって板厚の薄い第1の電磁鋼板20Aの切断に適したクリアランスと板厚の厚い第2の電磁鋼板20Bの切断に適したクリアランスの間であれば本発明は有効である。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、プレス下型上に電磁鋼板を配置し、プレス上型を下降させて所定形状の固定子鉄板を切断形成するものであって、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、板厚の薄い第1の電磁鋼板の切断に適した値と、当該第1の電磁鋼板よりも板厚の厚い第2の電磁鋼板の切断に適した値との間に設定しているので、プレス上型とプレス下型を交換せずに異なる板厚の電磁鋼板を切断することが可能となる。これにより、異なる板厚の電磁鋼板をプレスで切断する場合でも電磁鋼板の板厚が変わった場合でも、プレス上型とプレス下型の煩わしく手間のかかる交換作業を行なわなくて済む。従って、プレス金型の交換の手間を大幅に削減することができるようになるものである。
【0041】
また、請求項2の発明によれば、上記に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.50mmの板厚の電磁鋼板の切断に適した、例えば、請求項3の如きプレス上型とプレス下型とのクリアランスを、25μm以上30μm以下に設定しているので、0.50mmの板厚と0.35mmの板厚の両電磁鋼板を同一のプレス上型とプレス下型とで好適に切断することが可能となる。これにより、異なる板厚の電磁鋼板をプレスで切断する場合でも電磁鋼板の板厚が変わった場合でも、切断する電磁鋼板の板厚0.50mmを板厚0.35mmに変えた場合でもプレス金型の煩わしく手間のかかる交換作業を行なわなくて済む。従って、プレス金型の交換の手間を大幅に削減することができるようになるものである。
【0042】
更に、請求項4の発明によれば、請求項1に加えて、プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.25mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適した、例えば、請求項5の如きプレス上型とプレス下型とのクリアランスを、18μm以上20μm以下に設定しているので、0.25mmの板厚と0.35mmの板厚の両電磁鋼板を同一のプレス上型とプレス下型とで好適に切断することが可能となる。これにより、異なる板厚の電磁鋼板をプレスで切断する場合でも電磁鋼板の板厚が変わった場合でも、切断する電磁鋼板の板厚0.35mmを板厚0.25mmに変えた場合でもプレス金型の煩わしく手間のかかる交換作業を行なわなくて済む。従って、プレス金型の交換の手間を大幅に削減することができるようになるものである。
【0043】
更にまた、請求項6の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に加えて、固定子鉄板を積層固着して固定子鉄心を構成するためのカシメ部を形成するポンチを、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用するようにしているので、例えば、電磁鋼板のプレス金型を順送り金型装置に取り付けた場合、板厚の薄い電磁鋼板から板厚の厚い電磁鋼板或いは板厚の厚い電磁鋼板から板厚の薄い電磁鋼板に変えた場合でもプレス金型は交換せずカシメ部を形成するポンチだけを、カシメ部を形成する固定子鉄板の厚さに対応して交換するだけで済む。これにより、プレス金型の交換作業の手間を大幅に削減することが可能となる。従って、プレス金型の設計製作費用を大幅に削減することが可能となってトータルコストを極めて低減させることができるようになるものである。
【0044】
また、請求項7の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に加えて、プレス下型上で電磁鋼板を押さえる押さえ部材と、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用するようにしているので、例えば、電磁鋼板のプレス金型を順送り金型装置に取り付けた場合、板厚の薄い電磁鋼板から板厚の厚い電磁鋼板或いは板厚の厚い電磁鋼板から板厚の薄い電磁鋼板に変えた場合でもプレス金型は交換せずプレスで切断する固定子鉄板の厚さに対応して電磁鋼板を押さえる押さえ部材を交換するだけで済む。これにより、プレス金型の煩わしく手間のかかる作業を大幅に削減することが可能となる。従って、プレス金型の設計製作費用を大幅に削減することが可能となってトータルコストを極めて低減させることができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる電動機用固定子鉄板の製造方法実施するための順送り金型装置を概念的に示す全体斜視図である。
【図2】本発明に関わる方法によって製造された固定子鉄板の平面図である。
【図3】本発明に関わる方法によって製造された固定子鉄心の斜視図である。
【図4】本発明に関わる電動機用固定子鉄板の製造方法実施するための順送り金型装置の要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 固定子鉄板
2 歯部
3 スロット部
4 カシメ部
7 固定子鉄心
10 順送り金型装置
11 プレス金型
12 プレス上型
13 プレス下型
13A 型穴
14 ポンチ
14A ポンチ
15 押さえ部材
20 電磁鋼板
20A 第1の電磁鋼板
20B 第2の電磁鋼板
Claims (7)
- プレス下型上に電磁鋼板を配置し、プレス上型を下降させて所定形状の固定子鉄板を切断形成する電動機用固定子鉄板の製造方法であって、前記プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、板厚の薄い第1の電磁鋼板の切断に適した値と、当該第1の電磁鋼板よりも板厚の厚い第2の電磁鋼板の切断に適した値との間に設定したことを特徴とする電動機用固定子鉄板の製造方法。
- プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.50mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスとの間に設定したことを特徴とする請求項1の電動機用固定子鉄板の製造方法。
- プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、25μm以上30μm以下に設定したことを特徴とする請求項2の電動機用固定子鉄板の製造方法。
- プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、0.25mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスと、0.35mmの板厚の電磁鋼板の切断に適したクリアランスとの間に設定したことを特徴とする請求項1の電動機用固定子鉄板の製造方法。
- プレス上型とプレス下型とのクリアランスを、18μm以上20μm以下に設定したことを特徴とする請求項4の電動機用固定子鉄板の製造方法。
- 固定子鉄板を積層固着して固定子鉄心を構成するためのカシメ部を形成するポンチを、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の電動機用固定子鉄板の製造方法。
- プレス下型上で電磁鋼板を押さえる押さえ部材と、板厚の薄い電磁鋼板用と板厚の厚い電磁鋼板用とでそれぞれ準備し、交換して使用することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6の電動機用固定子鉄板の製造方法。
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