JP3573909B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き出し自在の扉に容器を支持させて成る冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種家庭用冷蔵庫は、鋼板製の外箱と硬質樹脂製の内箱間に発泡ポリウレタンなどの発泡断熱材を現場発泡方式にて充填した断熱箱体から構成されており、この断熱箱体内を区画することによって、−20℃などの凍結温度に冷却される冷凍室や、+5℃などの冷蔵温度に維持される冷蔵室、そして、野菜などの乾燥を嫌う食品を保存するための野菜室などを形成している。
【0003】
特に、近年では例えば特開平8−338681号公報(F25D23/00)に示される如く、頻繁に食品の納出が行われる冷蔵室や野菜室を上方に配置し、長期保存を目的とした冷凍室は庫内の最下部に配置した冷蔵庫が開発されている。この場合、冷蔵室は断熱箱体内の上部に、野菜室は下部の冷凍室と上部の冷蔵室の間に形成される。
【0004】
そして、前記公報にも示される如く、野菜室の前面開口は引き出し式の扉によって開閉自在に閉塞している。この場合、内箱の左右内面には一対の内箱側レールが取り付けられ、各内箱側レールの前部には内箱側ローラが取り付けられている。一方、扉後面には後方に延在する左右一対の扉側レールが取り付けられ、各扉側レールの後部には扉側ローラが取り付けられている。
【0005】
そして、この扉側ローラを内箱側レール内に滑動自在に支持させ、扉側レールを内箱側ローラ上に滑動自在に支持させることにより、扉を断熱箱体に対して引き出し自在と成すと共に、扉側レールには上面開口の容器を着脱自在に支持させて野菜室内に納出自在としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、扉側レールには扉を引き出した状態で引き抜きによる脱落を防止するためのストッパが形成されており、このストッパは所定の引き出し位置にて内箱側ローラに当接する。また、このストッパの後方の扉側レールには、容器を取り外せる位置にて内箱側ローラに当接するもう一つのストッパが形成され、このストッパが内箱側ローラに当接した状態にて扉側レールから容器を取り外し、清掃できるようにしていた。
【0007】
この場合、後方のストッパが内箱側ローラに当接した状態では、扉自体や容器及び容器内の食品(野菜)などの重みによって、扉全体は内箱側ローラを中心として前部が下方に降下する方向に回動しようとする。そのため、扉側ローラは逆に上昇し、内箱側レールの上面に当接するが、従来ではこの内箱側レールの上面は平坦面であったため、扉側ローラの遊びによって不安定となり、扉の上下方向の所謂ガタツキが大きくなってしまう問題があった。
【0008】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、引き出し式の扉を備えた冷蔵庫において、容器を取り外す位置まで引き出した状態で扉を安定的に支持できるようにするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体を構成する内箱内面に取り付けられた内箱側レールと、この内箱側レールの前部に取り付けられた内箱側ローラと、断熱箱体の開口を開閉自在に閉じる扉と、この扉後面に取り付けられ、後方に延在する扉側レールと、この扉側レールの後部に取り付けられた扉側ローラとを備えており、この扉側ローラを内箱側レール内に滑動自在に支持させ、扉側レールを内箱側ローラ上に滑動自在に支持させることにより、扉を断熱箱体に対して引き出し自在と成すと共に、扉側レールには容器を支持させて成るものであって、扉側レールに形成され、容器を取り外す位置にて内箱側ローラに当接する上側に湾曲して突出したストッパを備え、内箱側レール上面には、ストッパが内箱側ローラに当接した状態で、扉側ローラが進入する凹所を、上側に張り出して形成したものである。
【0010】
本発明によれば、扉側レールに形成され、容器を取り外す位置にて内箱側ローラに当接する上側に湾曲して突出したストッパが、内箱側ローラに当接した状態で扉側ローラが進入する凹所を、内箱側レール上面に上側に張り出して形成したので、容器を取り外す位置まで扉を引き出した状態で、扉側ローラは内箱側レール上面の凹所に入り込む。従って、扉側ローラはこの凹所内に安定的に保持されることになり、この状態で扉は内箱側レール及びローラに安定的に支持されるようになる。
【0011】
特に、扉側ローラが凹所内に進入することにより、その状態における扉全体の前下への傾斜が大きくなるので、容器の着脱が極めて容易となる。更に、内箱側ローラが当接するストッパは上側に湾曲して突出しており、ストッパと扉側ローラの間隔を縮小しても扉が安定的に支持されるので、扉の引き出し量を大きくとり、且つ、断熱箱体内奥部の無効容積の縮小を図ることも可能となるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した実施例としての冷蔵庫1の各扉を除く正面図、図2は同じく扉を除く冷蔵庫1の一部切欠正面図、図3は冷蔵庫1の縦断側面図、図4は冷蔵庫1のもう一つの縦断側面図である。
【0013】
本発明の冷蔵庫1は、前方に開口する鋼板製の外箱2と、硬質樹脂製の内箱3間に発泡ポリウレタン断熱材4を現場発泡方式により充填して成る断熱箱体6により構成されており、この断熱箱体6の庫内は、略中央部に設けられた区画部材7によって上下に区画され、この区画部材7の上方を冷蔵温度(+5℃程)に維持される冷蔵室8としている。
【0014】
区画部材7の下方は更に断面略L字状の断熱仕切壁9にて上下に区画され、この断熱仕切壁9と区画部材7の間を野菜などの乾燥を嫌う食品を収納するための野菜室11とし、断熱仕切壁9の下方を凍結温度(−20℃程)に冷却される冷凍室12としている。
【0015】
前記冷蔵室8内には上下複数段の棚13・・が架設されており、その下部には上面に開口する氷温容器16が前後方向に納出自在に配置されている。この氷温容器16の上側は棚板17にて閉塞され、前面は氷温容器16の引き出し動作で開閉する蓋18にて閉じられており、これによって、氷温容器16内に氷温(0℃〜−3℃)に維持される氷温室19を構成する。また、冷蔵室8の前面開口は回動式の扉21にて開閉自在に閉塞されている。
【0016】
更に、冷蔵室8の背部には上部がY字状に分岐した冷蔵室ダクト24が上下に渡って形成されており、その左右には冷蔵室ダクト24の上端部と冷蔵室8内に連通した冷蔵室冷気吐出口26が上下に複数形成されている。また、前記氷温容器16内の氷温室19の背方にも冷蔵室ダクト24に連通した氷温室冷気吐出口25、25が形成されると共に、その奥部には冷蔵室冷気戻り口27が形成されている。即ち、氷温室19内を循環した冷気と冷蔵室8内を循環した冷気の一部はこの冷蔵室冷気戻り口27に流入する。
【0017】
一方、前記区画部材7は、後部の仕切板28とその前側の仕切前断熱部材29とから構成されている。仕切板28の前部には、冷蔵室冷気戻り口31が形成されており、氷温容器16の前部下側に位置している。この氷温容器16は仕切板28と仕切前断熱部材29上に間隔を存して架設されており、これによって、扉21の内側を降下して来た冷蔵室8内の冷気は、氷温容器16の前側から冷蔵室冷気戻り口31に流入可能としている。
【0018】
他方、仕切前断熱部材29の下面は後端部から前方に低く傾斜している。また、この仕切前断熱部材29の下面前部には上蓋32が前方から差し込まれて固定されている。この上蓋32は仕切前断熱部材29及び仕切板28の下側に位置し、その固定部分を除いて仕切前断熱部材29及び仕切板28との間に所定の間隔Gを形成する。そして、この間隔Gは少なくとも上蓋32の前端部で野菜室11内に開放している。
【0019】
この間隔Gの後端は連通孔33にてその後方のダクト空間34に連通しており、ダクト空間34の上部は前記冷蔵室冷気戻り口27に連通している。また、前記冷蔵室ダクト24からはバイパスダクト36が分岐して形成されており、このバイパスダクト36はダクト空間34の上部に連通している。
【0020】
そして、前記野菜室11の右上奥部には野菜室冷気戻り口37が形成されており、この野菜室11の前面開口は引き出し式の扉38により開閉自在に閉塞される。この場合、扉38の後面左右には図7乃至図10に示す如く一対の扉側レール41、41が後方に延在して取り付けられており、内箱3の左右内面には一対の内箱側レール42、42が取り付けられている。
【0021】
このとき、内箱側レール42、42の前端部内面にはそれぞれ内箱側ローラ74が取り付けられている。また、この内箱側ローラ74後方の内箱側レール42の上面42Aには、湾曲形状を呈して上側に突出する凹所76が形成されている。一方、扉側レール41、41の後部間はレール後部材77にて連結され、更に各扉側レール41、41の後端部外面には扉側ローラ78が取り付けられている。
【0022】
更に、この扉側レール41の上面後部には略三角形状で下方に窪んだ第1のストッパ79が形成されており、更に、その後方の上面には上側に湾曲して突出する第2のストッパ81が形成されている。係る扉側レール41、41及びレール後部材77上には扉38の裏側に位置して上面に開口した野菜容器43が取り付けられる。
【0023】
そして、係る扉側レール41、41後端の扉側ローラ78、78を、内箱側レール42、42内にそれぞれ前方から差し込み、内箱側レール42、42内にそれぞれ滑動自在に支持させると共に、扉側レール41、41の上面を内箱側ローラ74、74上に滑動自在に支持させることにより、扉38及び野菜容器43を野菜室11内に納出自在とする。
【0024】
この扉38が閉じられた状態では野菜容器43の上縁周囲は、上蓋32に密着し、それによって、上面開口は閉塞される。他方、扉38が引き出されて開放されると、やがて第1のストッパ79が図8に二点鎖線で示す如く内箱側ローラ74に当接する。この状態では図7の如く野菜容器43の上面開口の殆どが開放されるので、野菜の納出は容易に行えると共に、第1のストッパ79が内箱側ローラ74に当接することによって、扉38の引き抜きによる脱落は防止される。
【0025】
次ぎに、野菜容器43を清掃するなどのために扉側レール41、41から取り外す場合には、図7の状態から更に引き出すと、内箱側ローラ74を第1のストッパ79が乗り越え、やがて第2のストッパ81が内箱側ローラ74に当接する。
【0026】
この状態、扉38及び扉側レール41の前部にはそれら自体及び野菜容器43及び内部の野菜の重みが加わるために、図8中矢印で示す如く扉38の前部が降下する方向に内箱側ローラ74を中心として回動しようとする。これにより、扉側レール41後端の扉側ローラ78は逆に上昇するため、この状態で扉側ローラ78は内箱側レール42上面42Aの凹所76内に図10の如く入り込み、結果的に扉38、扉側レール41、41及び野菜容器43は図9の如く前部が下に傾斜した状態となる。
【0027】
このように、本発明では野菜容器43を取り外す位置まで扉38を引き出した状態で、扉側ローラ78は内箱側レール42上面42Aの凹所76内に入り込む。従って、扉側ローラ78はこの凹所76内に安定的に保持されることになり、この状態で扉38は内箱側レール42及び内箱側ローラ74に安定的に支持されるようになる。
【0028】
特に、扉側ローラ78が凹所76内に進入することにより、その状態における扉38全体の前下への傾斜が大きくなるので、野菜容器43の着脱が極めて容易となる。更に、第2のストッパ81と扉側ローラ78の間隔P(図10)を縮小しても扉38が安定的に支持されるので、扉38の引き出し量を大きくとり、且つ、野菜室11内奥部の無効容積の縮小をも図ることができる。
【0029】
一方、前記冷凍室12の背部には仕切板44により冷却室46が画成されており、この冷却室46は冷凍室12の背方から野菜室11後面の断熱仕切壁9の背方まで渡っている。そして、この冷却室36内には冷却装置を構成する冷却器47が縦設されると共に、この冷却器47の上方の冷却室46内には、野菜室11背方の断熱仕切壁9背方に位置して送風機48が設置されている。尚、図5は仕切板44を装着した状態の冷凍室12の正面図である。図6は仕切板44を取り去った冷却室46の正面図で、図6中49は冷却器47の除霜ヒータである。
【0030】
この冷凍室12の前面開口は内箱6の図示しないレールに対して引き出し自在とされた上下二段の引き出し式扉51、52により開閉自在に閉塞される。これら扉51、52の裏面にはそれぞれ上面に開口した容器53、54が取り付けられると共に、各容器53、54が冷凍室12内の上下に配置されて、冷凍食品やアイスクリームなどを収納するかたちとなる。
【0031】
前記仕切板44と冷却器47及び送風機48間には冷気分配用ダクト56が形成されており、仕切板44にはこのダクト56と冷凍室12とに連通する冷凍室冷気吐出口57、58が各容器53、54の上奥部に対応して開口している。また、断熱仕切壁9の下面にはダクト56に連通した冷凍室用冷気ダクト64が形成されている。冷凍室12内上部には自動製氷機61が取り付けられており、自動製氷機61には冷凍室冷気吐出口57から冷気が供給される。尚、62はこの自動製氷機61への給水管である。また、容器54の背方には冷却室46の下部に連通した冷凍室冷気戻り口63が形成されている。
【0032】
ダクト56の上部には送風機48の側方に位置して冷気分配口66が形成され、この冷気分配口66から上昇する連通ダクト67は、野菜室11の背方において冷蔵室ダクト24の下端に連通している。この連通ダクト67内には、前記各吐出口26、25やバイパスダクト36の手前に位置して、モータ駆動のダンパー68が取り付けられており、野菜室11の背方に位置している。
【0033】
また、冷却器47の右側方には冷蔵室・野菜室冷気戻りダクト71が形成されており、その上端は前記野菜室冷気戻り口37に連通し、その下端は冷却室46の下部に開口した冷蔵室・野菜室冷気戻り口72にて冷却室46内に連通している。
【0034】
この場合、冷却器47下側の冷却室46には右方に突出した凹部46A(図6参照)が連続して形成されており、前記冷蔵室・野菜室冷気戻り口72は、この凹部46Aの上面において、下前方に指向した状態で開放している(図3参照)。
【0035】
一方、断熱箱体6の底壁は後部が階段状に立ち上がる形状とされており、この底壁の後部外側には機械室73が形成されている。この機械室73内には冷却装置を構成する図示しない圧縮機や蒸発皿コンデンサなどが設置される。
【0036】
係る構成で動作及び冷気循環を説明する。前記圧縮機と送風機48が運転されると、冷却器47が冷却作用を発揮する。この冷却器47にて冷却された極めて低温(−25℃〜−30℃)の冷気は上方の送風機48の運転により吸引され、前方の分配ダクト56に吹き出される。分配ダクト56に吹き出された冷気は冷凍室冷気吐出口57、58及び冷凍室用ダクト64から冷凍室12内の各容器53、54及び自動製氷機61内に吐出され、−20℃程の凍結温度に冷却すると共に、製氷を行う。そして、冷凍室12内の冷気は冷凍室冷気戻り口63から冷却器47の吸い込み側の冷却室46内に帰還する(各図に矢印で示す)。
【0037】
分配ダクト56に吹き出された冷気はまた、冷気分配口66から連通ダクト67及びダンパー68を経て冷蔵室ダクト24に流入し、そこを上昇した後、各冷蔵室冷気吐出口26・・及び氷温室冷気吐出口25より冷蔵室8及び氷温室19内に吐出される(図中矢印参照)。ダンパー68は冷蔵室8内の温度に基づき制御されて連通ダクト67を開閉し、それによって、冷蔵室8内を+5℃程の冷蔵温度に、氷温室19内は0℃〜−3℃程の氷温に維持される。
【0038】
尚、このダンパー68を経た冷気(冷却器47と熱交換した直後の低温の冷気)の一部は前記バイパスダクト36に流入し、直接ダクト空間34の上部に流入する。
【0039】
他方、冷蔵室8内を循環して扉21の内側を流下して来た冷気は、氷温容器16の前部下側の冷蔵室冷気戻り口31から上蓋32と区画部材7間の間隔G内に流入する。そして、前方に移動しながら仕切前断熱部材29下面の傾斜に沿って下方の野菜容器43周囲の野菜室11内の空間に流下する。
【0040】
また、氷温室19内を循環した冷気と、冷蔵室8内を循環した冷気の残りは後部の冷蔵室冷気戻り口27からダクト空間34内上部に流入し、そこで、バイパスダクト36を経て来た低温の冷気と混合される。その後、連通孔33から間隔Gの後部に流入し、前述同様に前方に移動し、途中冷蔵室冷気戻り口31からの冷気と混じり合いながら仕切前断熱部材29下面の傾斜に沿って下方の野菜容器43周囲の野菜室11内の空間に流下する。
【0041】
これによって、野菜容器43内を周囲から保冷する。そして、野菜室11内を循環した冷気は野菜室冷気戻り口37より冷蔵室・野菜室冷気戻りダクト71に流入し、そこを流下して冷蔵室・野菜室冷気戻り口72より冷却器47の吸い込み側の冷却室46内に帰還する(各図中矢印参照)。
【0042】
このとき、冷蔵室・野菜室冷気戻り口72は、冷却器47下側の冷却室46に連続して右方に突出形成された凹部46Aの上面において、下前方に指向した状態で開放されているので、冷却器56との間に充分な距離が確保されている。従って、比較的温度の高い湿った冷気が冷蔵室・野菜室冷気戻り口72から冷却室46内に吹き出されても、戻り口72周囲に着霜が生じ難くなる。
【0043】
また、冷却器56の局部的な着霜も生じ難くなるので、霜閉塞による冷却効果の悪化も抑制される。そして、除霜ヒータ49による冷却器47の除霜時にも露水が戻り口72に付着することが無くなると共に、戻り口72は冷却室46(凹部46Aを含む)底面から離間しているので、除霜時に冷却器47から滴下した除霜水が戻り口72に流入する危険性も無い。これにより、冷蔵室・野菜室冷気戻り口72周囲の水シールが不要となり、構造が簡素化される。
【0044】
特に、以上のようにダンパー68を経た冷気の一部を、冷蔵室8や氷温室19内を経ること無く直接野菜室11に供給するバイパスダクト36を設けたので、このバイパスダクト36から野菜室11に冷蔵室8などを経ていない新鮮な(低温)冷気を供給することができるようになる。
【0045】
これにより、野菜室11には冷蔵室8からの戻り冷気に加えて低温の冷気が供給されるようになるので、冷蔵室8側の負荷の状況に拘わらず、野菜室11を安定的に冷却することができるようになる。
【0046】
また、区画部材7を、仕切板28とこの仕切板28の前側に設けられた仕切前断熱部材29とから構成し、仕切板28には氷温容器16の前部下側に位置して冷蔵室冷気戻り口31を形成すると共に、仕切前断熱部材29の下面を前方に低く傾斜させたので、冷蔵室8からの戻り冷気は氷温容器16の前部下側から区画部材7と上蓋32間の間隔Gに流入し、前方に移動しながら仕切前断熱部材29下面の傾斜に沿って下方の野菜容器43周囲に流下するようになる。
【0047】
そして、野菜容器43周囲を循環した冷気は野菜室11の上奥部の野菜室冷気戻り口37に流入するので、これらによって、野菜容器43周囲を冷気が満遍なく円滑に循環できるようになり、野菜容器43内を斑無く良好に冷却することが可能となる。特に、冷蔵室冷気戻り口31は氷温容器16の下側にあるので、見え難く、扉21を開けた状態の外観にも支障を生じない。
【0048】
更に、氷温容器16後側に形成されたもう一つの冷蔵室冷気戻り口27から出た冷気がバイパスダクト36を経た冷気と混じり合い、区画部材7と上蓋32間の間隔G後部に流入するようにしたので、バイパスダクト36からの冷気が直接当たる区画部材7の仕切板28或いは上蓋32部分の野菜室11が過冷却されることを防止することができる。これにより、野菜室11の冷却効果を維持しつつ、仕切板28や上蓋32に断熱材を貼る必要性や、野菜室11内の温度斑の発生を一層効果的に解消することができるようになる。
【0049】
尚、上記実施例では野菜室11の扉38について本発明を適用したが、それに限らず、冷凍室12などの扉51、52に本発明を適用しても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、扉側レールに形成され、容器を取り外す位置にて内箱側ローラに当接する上側に湾曲して突出したストッパが、内箱側ローラに当接した状態で扉側ローラが進入する凹所を、内箱側レール上面に上側に張り出して形成したので、容器を取り外す位置まで扉を引き出した状態で、扉側ローラは内箱側レール上面の凹所に入り込む。従って、扉側ローラはこの凹所内に安定的に保持されることになり、この状態で扉は内箱側レール及びローラに安定的に支持されるようになる。
【0051】
特に、扉側ローラが凹所内に進入することにより、その状態における扉全体の前下への傾斜が大きくなるので、容器の着脱が極めて容易となる。更に、内箱側ローラが当接するストッパは上側に湾曲して突出しており、ストッパと扉側ローラの間隔を縮小しても扉が安定的に支持されるので、扉の引き出し量を大きくとり、且つ、断熱箱体内奥部の無効容積の縮小を図ることも可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例としての冷蔵庫の各扉を除く正面図である。
【図2】同じく扉を除く本発明の冷蔵庫の一部切欠正面図である。
【図3】本発明の冷蔵庫の縦断側面図である。
【図4】本発明の冷蔵庫のもう一つの縦断側面図である。
【図5】本発明の冷蔵庫の冷凍室部分の正面図である。
【図6】本発明の冷蔵庫の冷却室部分の正面図である。
【図7】扉を引き出した状態の野菜室部分の本発明の冷蔵庫の縦断側面図である。
【図8】図7の状態の扉側レール後部の拡大側面図である。
【図9】野菜容器を取り外す位置まで扉を引き出した状態の野菜室部分の本発明の冷蔵庫の縦断側面図である。
【図10】図9の状態の扉側レール後部の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫
2 外箱
3 内箱
4 ポリウレタン断熱材
7 区画部材
8 冷蔵室
9 断熱仕切壁
11 野菜室
12 冷凍室
16 氷温容器
24 冷蔵室ダクト
27、31 冷蔵室冷気戻り口
28 仕切板
29 仕切前断熱部材
32 上蓋
34 ダクト空間
36 バイパスダクト
37 野菜室冷気戻り口
38 扉
41 扉側レール
42 内箱側レール
43 野菜容器
46 冷却室
47 冷却器
48 送風機
74 内箱側ローラ
76 凹所
78 扉側ローラ
79 第1のストッパ
81 第2のストッパ
Claims (1)
- 断熱箱体を構成する内箱内面に取り付けられた内箱側レールと、この内箱側レールの前部に取り付けられた内箱側ローラと、前記断熱箱体の開口を開閉自在に閉じる扉と、この扉後面に取り付けられ、後方に延在する扉側レールと、この扉側レールの後部に取り付けられた扉側ローラとを備え、この扉側ローラを前記内箱側レール内に滑動自在に支持させ、前記扉側レールを前記内箱側ローラ上に滑動自在に支持させることにより、前記扉を前記断熱箱体に対して引き出し自在と成すと共に、前記扉側レールには容器を支持させて成る冷蔵庫において、
前記扉側レールに形成され、前記容器を取り外す位置にて前記内箱側ローラに当接する上側に湾曲して突出したストッパを備え、前記内箱側レール上面には、前記ストッパが前記内箱側ローラに当接した状態で、前記扉側ローラが進入する凹所を、上側に張り出して形成したことを特徴とする冷蔵庫。
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JP8455597A JP3573909B2 (ja) | 1997-03-17 | 1997-03-17 | 冷蔵庫 |
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