JP3573438B2 - 印刷用ブランケット、その製造方法および前記ブランケットを用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

印刷用ブランケット、その製造方法および前記ブランケットを用いたカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタ等の印刷に用いる印刷用ブランケットとその製造方法、および前記ブランケットを用いたカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラウン管等に代わる表示デバイスとして用いられている液晶ディスプレイは、カラーフィルタを用いてカラー表示を実現している。このカラーフィルタは、例えば、1画素毎にパターン化された赤色(R) 、緑色(G) および青色(B) のカラーフィルタ層と、遮光用のブラックマトリックス層とを透明基板上に形成したものである。
【0003】
現在、カラーフィルタ層やブラックマトリックス層の作製する方法としては、顔料等で着色したフォトレジストを透明基板に塗布し、露光、現像によってパターン化するフォトリソ法が主流である。しかしこの方法は、寸法精度の高いパターンを形成できるものの、高価なフォトレジストを多量に必要としたり、製造工程が多くかつ複雑であったり、歩留まりが低いことなどから、カラーフィルタの製造コストが高くなるという問題がある。
【0004】
そこで近年、凹版オフセット印刷等の印刷法により、顔料等で着色したインキを透明基板に印刷して、カラーフィルタを製造することが検討されている。凹版オフセット印刷法等の印刷法は、製造工程が簡単で、量産性に優れていることから、カラーフィルタの低コスト化を実現できる方法として有望である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
印刷法によるカラーフィルタの製造において、画像品質の優れたカラーフィルタを得るには、複数のインキについて印刷を繰り返す際に印刷位置を正確に合わせる必要がある。このため、印刷位置を合わせるためのマークが透明基板上に形成される。これを一般にアライメントマークという。アライメントマークは、例えば、線幅30μm程度、縦0.5mm×横0.5mm程度の十字型などのパターンからなり、透明基板の四隅等に形成される。
【0006】
上記アライメントマークは、高い精度でもって印刷の位置合わせを行えるように、極めて高い寸法精度で形成されていることが要求される。このため、その作製には、印刷法よりも高い寸法精度でパターンを形成できるフォトリソ法が用いられており、カラーフィルタの低コスト化の効果が損なわれていた。
一方、近年の印刷技術の改良により、高精度の印刷が可能なオフセット印刷機やブランケットが提供されていることから、アライメントマークの作製にも印刷法を用いることが試みられている。また、印刷工程数を少なくし、かつ印刷位置合わせの精度を高めることを目的として、アライメントマークを、カラーフィルタ層やブラックマトリックス層と同時に印刷することが試みられている。
【0007】
一般にアライメントマークを印刷法によって形成する場合には、例えば図1に示すように、印刷用版1の表面のうち、カラーフィルタ層等の印刷の目的となる画線部2(図では、ストライプパターンとして示した)が形成されている領域(いわゆる有効版面3)の外側に、アライメントマーク4を印刷する領域が設けられている。
【0008】
しかしながら、印刷用版の有効版面内に設けられた画線部と、有効版面の外側に設けられたアライメントマークとを同時に印刷すると、それぞれの印刷においてブランケットに要求される特性が異なっていることに起因して、印刷不良が生じる等の問題が起こる。
すなわち、カラーフィルタ層やブラックマトリックス層を印刷する際には、ブランケットに対して、(1) 設計値と印刷位置とのずれを示す印刷精度が、ブランケットの回転方向において±20μm以内に収まること、(2) 印刷用版からのインキ受理特性が優れており、ピンホールの発生を抑制できること、(3) 透明基板へのインキの転移特性が優れていること、すなわちインキが完全に転移し、パイリングが発生しないこと、(4) 直線性に優れ、かつ表面の平坦性に優れたパターンを形成できること等が要求される。
【0009】
一方、アライメントマークを印刷する際には、(i) 印刷精度が極めて高いこと、(ii)アライメントマークの形状が画像読み取り機でパターン認識できること等がブランケットに要求される。すなわち、ピンホールやパイリングを抑制することやパターン表面を平坦化することについては特に要求されないものの、印刷により形成したパターンを画像読み取り機によるパターン認識に供することから、極めて高い印刷精度でもって、かつインキ膜のエッジが丸まらずに、シャープなパターンを形成することが必要である。
【0010】
このように、アライメントマークと、カラーフィルタ層やブラックマトリックス層等の画線部とでは、ブランケットに要求される特性が異なっているのに対して、従来のブランケットは表面の物性が均一であるため、両者に要求される特性をすべて同時に満たすことが困難である。
アライメントマークと画線部とを、それぞれに要求される特性を満たしつつ、同時に印刷する方法として、特開平3−61574号公報には、(a) アライメントマークの印刷に対応する凹版の凹部を、画線部の印刷に対応する凹版の凹部よりも深くしたり、(b) アライメントマーク印刷領域に相当するブランケットの部位を、画線部の印刷領域に相当するブランケットの部位よりも厚くする方法が開示されている。
【0011】
しかしながら、上記(a) の方法では、アライメントマーク用インキの転移量が増えるため、ピンホールの数が減少するものの、インキの凝集力が大きくなってアライメントマークの形状が丸くなり、パターン認識ができなくなる。また、上記(b) の方法では、アライメントマーク印刷領域でブランケットの歪み量が大きくなり、印刷精度が低下する。
【0012】
また、特開平5−19116号公報には、表面ゴム層の硬度、表面粗さおよびインキとのぬれ性を規定したブランケットが開示されている。しかし、上記公報における表面ゴム層の物性は、画線部の印刷に要求される特性に対して最適化されているため、アライメントマークについて印刷不良が生じるおそれがある。
そこで、画線部については、ピンホールやパイリングが発生せず、直線性と表面の平坦性とに優れたパターンを印刷できるとともに、アライメントマークについては、印刷精度が極めて高く、エッジがシャープであるなど、パターン認識に適したパターンを印刷できるブランケットが求められている。
【0013】
本発明の目的は、アライメントマークと画線部とを、それぞれに要求される印刷特性を満たしつつ、同時に印刷することができる印刷用ブランケットおよびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、画像品質が優れたカラーフィルタを製造でき、かつ低コスト化を実現できるカラーフィルタの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、最表面に表面ゴム層を有するブランケットにおいて、前記表面ゴム層が、少なくともアライメントマーク印刷領域と画線部印刷領域とを含み、前記アライメントマーク印刷領域が、前記画線部印刷領域よりも硬度が大きいときは、アライメントマークと画線部とを、それぞれに要求される印刷特性を満たしつつ、同時に印刷することのできる印刷用ブランケットが得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
上記本発明のブランケットにおいて、アライメントマーク印刷領域における表面ゴム層は、画線部印刷領域における表面ゴム層よりも、硬度(JIS A)が5〜55大きいのが好ましい。また、画線部印刷領域における表面ゴム層の硬度(JIS A)は20〜70であるのが好ましい。
本発明の印刷用ブランケットの製造方法は、ブランケットの最表面に形成された表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域に相当する部位を局部的に加熱して、当該部位の硬度を、画線部印刷領域に相当する部位よりも大きくすることを特徴とする。
【0016】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板上に、アライメントマークと、複数種のインキ層のうちの1つのインキ層とを同時に印刷した後、前記複数種のインキ層のうちの残りのインキ層を印刷するカラーフィルタの製造方法において、上記本発明の印刷用ブランケットを使用して、かかるブランケットの最表面に形成された表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域でアライメントマークを印刷し、画線部印刷領域で複数種のインキ層を印刷することを特徴とする。
【0017】
上記したカラーフィルタの製造方法によれば、アライメントマークに相当するインキ層と、複数種のインキ層のうちの1つのインキ層(すなわち、カラーフィルタ層やブラックマトリックス層等の画線部に相当するインキ層)とを、それぞれに要求される印刷特性を満たしつつ、同時に印刷することができる。従って、印刷の位置合わせを高い精度でもって実現でき、印刷精度に優れたカラーフィルタを低コストで製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の印刷用ブランケットは、少なくとも最表面に表面ゴム層を有するものであって、例えば、必要に応じて多孔質の弾性層を設けた1層または複数層の支持体層上に、表面ゴム層を設けることによって構成される。
上記表面ゴム層は、少なくともアライメントマーク印刷領域と画線部印刷領域との2つの領域を含み、アライメントマーク印刷領域に相当する部位が、画線部印刷領域に相当する部位よりも、硬度(JIS A)が5〜55、好ましくは10〜40、より好ましくは15〜25大きくなるように設定される。硬度の差が上記範囲を下回ると、アライメントマークおよび画線部の各々に要求される印刷特性を同時に満たすことが困難になる。
【0019】
本発明の印刷用ブランケットにおける表面ゴム層のうち、画線部印刷領域に相当する部位の硬度(JIS A)は、印刷に用いるインキの特性や印刷条件等に応じて、通常、20〜70、好ましくは30〜60、より好ましくは35〜45の範囲で設定される。画線部印刷領域に相当する部位の硬度が上記範囲を下回ると、印刷時に当該部位が変形して、画線部の印刷精度が低下するおそれがある。一方、硬度が上記範囲を超えると、透明基板等の被印刷物へのインキの転移性が低下して、パイリングが生じるおそれがある。
【0020】
上記表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域に相当する部位の硬度(JIS A)は、印刷に用いるインキの特性、印刷条件等や、前記した画線部印刷領域に相当する部位の硬度に応じて、通常、25〜75、好ましくは35〜65、より好ましくは40〜50の範囲で設定される。アライメントマーク印刷領域に相当する部位の硬度が上記範囲を下回ると、アライメントマークの印刷精度が不十分になるおそれがある。一方、硬度が上記範囲を超えると、インキがベタ付きしてアライメントマークの形状が乱れたり、あるいはインキが全く転移しないといった問題が生じる。なお、アライメントマーク印刷領域に相当する表面ゴム層の部位は、その硬度が高いほどパイリングが生じる傾向があるものの、インキの受理特性や印刷精度が向上するほか、インキの転移量が減少するために凝集力も減少して、アライメントマークの形状が丸くならないため、パターン認識に適したアライメントマークを形成できるといった利点がある。
【0021】
本発明の印刷用ブランケットは、被印刷物に印刷されるインキ膜(例えば、透明基板上に印刷されるカラーフィルタ層用インキやブラックマトリックス層用インキのインキ膜等)の表面の平坦性をより良好なものとするため、表面ゴム層の表面が平滑であるのが好ましい。具体的には、例えば上記表面ゴム層の表面粗さが、十点平均粗さ(Rz)で1μm以下、好ましくは0.5μm以下であるのが適当である。
【0022】
上記表面ゴム層には、天然ゴム、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、多硫化ゴム、シリコーンゴム等のゴムが用いられる。特に、表面ゴム層にシリコーンゴムを使用したブランケットは、透明基板等の被印刷物とブランケットとの間でのインキの分断が生じないため、エッジがシャープなパターンを作製できるという効果がある。この効果は、カラーフィルタ層やブラックマトリックス層等のファインパターンの印刷において顕著である。
【0023】
上記シリコーンゴムは、従来公知の種々の形態で使用可能であり、例えば混練可能なミラブル型シリコーンゴム、RTVシリコーンゴム等の液状ゴム、射出成形可能なLIMシリコーンゴム等が使用可能である。上記シリコーンゴムには、硬度の調整を目的として、シリコーンオイルやシリコーンゲル等を適宜配合してもよい。
【0024】
ブランケットの支持体層としては、表面が平坦なものであればよく、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属板のほか、ゴム糊を含浸させた基布を積層したもの等が使用可能である。
【0025】
支持体層内に必要に応じて設けられる弾性層には、発泡剤を配合して得られる発泡ゴムや、食塩等の水溶性粉体を含むゴム糊を加硫した後、水洗により前記粉体を溶出させて得られるスポンジ状のゴム等が用いられる。なお、弾性層の発泡倍率はブランケットの硬度や印刷特性を考慮して設定される。
次に、本発明の印刷用ブランケットの製造方法について説明する。
【0026】
本発明のブランケットの製造方法は、ブランケットの支持体上に、あらかじめ成形、加硫された表面ゴム層を積層した後、または表面ゴム層用の塗布液を塗布し、乾燥させて、表面ゴム層を加硫した後、この表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域に相当する部位を局部的に加熱して、当該部位の硬度を、画線部の印刷領域に相当する部位よりも大きくすることを特徴とする。
【0027】
アライメントマーク印刷領域に相当する表面ゴム層の部位を局部的に加熱する方法としては、例えば赤外線ヒーター、紫外線ヒーター、ホットブラスター、ブローランプ等を用いて加熱したり、表面ゴム層に発熱体を押し当てるといった方法があげられる。加熱の条件は、前記部位における所望の硬度、加熱前のゴム表面ゴム層の硬度等によって異なることから、特に限定されるものではないが、例えば40〜150℃の温度にて、1〜600分間加熱すればよい。なお、IRスポットヒーター(例えば、ハイベック社製の型番「HYS−20W」等)を使用すれば、半径0.1〜2mm程度の極めて微細な範囲で硬度を調整できるとともに、照射時間を調節することなどにより、ゴム層の硬度を容易に調節できる。また、アライメントマーク印刷領域以外の領域で硬度が上昇してしまうのを防ぐこともできる。
【0028】
表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域に相当する部位の硬度を、画線部印刷領域に相当する部位の硬度より大きくする方法としては、上記の方法のほかに、例えば、表面ゴム層を作製する金型に仕切りを設けて、硬度が異なるゴムを注型する方法、アライメントマーク印刷領域に相当する部位に紫外線、電子線等を照射する方法等があげられる。
【0029】
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記本発明の印刷用ブランケットを用いたオフセット印刷により、アライメントマークと、複数種のインキ層のうちの1つのインキ層(例えば、赤色(R) 、緑色(G) および青色(B) の3色からなるカラーフィルタ層と、必要に応じてブラックマトリックス層とを含む層から選ばれる1つの層)を透明基板上に同時に印刷し、次いで、前記複数種のインキ層のうちの残りのインキ層を印刷するものである。
【0030】
本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を、以下に示す。
まず、ブラックマトリックス層に対応したパターンとアライメントマークに対応したパターンとが形成された印刷用版を用いて、透明基板上に、ブラックマトリックス層とアライメントマークとを同時に印刷する。次いで、ブラックマトリックス層とアライメントマークとが形成された透明基板上に、カラーフィルタ層を各色毎に順に印刷して、カラーフィルタが得られる。なお、アライメントマークと同時に印刷するのはカラーフィルタ層であってもよい。
【0031】
上記オフセット印刷には種々の方法が採用可能であるが、印刷精度、印刷ラインの直線性、インキ膜厚の均一性等の観点から、凹版オフセット印刷法が特に好適に用いられる。以下、凹版オフセット印刷法によるカラーフィルタの製造方法について説明する。
印刷用版である凹版の基板には、例えばソーダライムガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス、低アルカリガラス、低膨張ガラス等のガラス;フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメタクリル樹脂等の樹脂;ステンレス、銅、低膨張合金アンバー等の金属などが用いられる。なかでも、石英ガラス、ソーダライムガラス等の軟質ガラスを用いるのが、微細なパターンを高精度で再現するうえで好ましい。
【0032】
上記凹版の凹部の深さは、カラーフィルタ層、ブラックマトリックス層、アライメントマーク等の印刷の対象に応じて異なることから、特に限定されないが、通常1〜15μm、好ましくは5〜10μmの範囲で適宜設定される。
透明基板は、波長400〜700nmの光に対する透過率が高いものが好ましく、例えばノンアルカリガラス、ソーダライムガラス、低アルカリガラス等のガラス基板や、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート等のフィルムが好適に用いられる。
【0033】
カラーフィルタ層の形成に用いられるインキは、バインダー樹脂と着色剤とを含むビヒクルである。
上記バインダー樹脂は、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、耐薬品性、透明基板に対する接着性、着色剤の分散性などの諸特性に優れたものであるのが好ましく、例えばポリエステル−メラミン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−メラミン樹脂等が使用可能である。これらの樹脂は、単独でまたは2種以上を混合させて使用される。また、上記樹脂中に、樹脂の硬化速度を調整することを目的として、酸触媒などの硬化触媒を適宜配合してもよい。
【0034】
カラーフィルタ層用インキに用いられる着色剤は、所望の色に応じて、例えばアンスラキノン系レッド顔料、ハロゲン化フタロシアニン系グリーン顔料、フタロシアニン系ブルー顔料などから適宜選択して用いられる。また、カラーフィルタ層の分光特性を調整することを目的として、赤色のインキおよび緑色のインキにはジスアゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系等のイエロー顔料を、青色のインキにはジオキサジン系バイオレット顔料をそれぞれ配合してもよい。
【0035】
ブラックマトリックス層の形成に用いられるインキは、バインダー樹脂と着色剤を含むビヒクルであって、前記バインダー樹脂には前記例示と同様なものが使用可能である。また、着色剤としては、例えばカーボンブラック、酸化鉄(鉄黒)、チタンブラック、硫酸鉄などのブラック顔料があげられる。上記着色剤の配合量は、ブラックマトリックス層の光学濃度(OD値)やインキの印刷適性等に応じて適宜設定される。なお、ブラックマトリックス層の光学濃度は、2.3以上(可視光の透過率が約0.5%以下)、好ましくは3.0以上(可視光の透過率が0.1%以下)であるのが適当である。
【0036】
上記カラーフィルタ層用インキおよびブラックマトリックス層用インキは、上記例示のバインダー樹脂、着色剤および必要に応じて溶剤、体質顔料などを配合し、3本ロール、ニーダー等の混合機にて混合することによって調製される。
上記インキの粘度は低粘度であるのが好ましい。具体的には、粘度が10〜30,000ポアズ(P)、好ましくは500〜10,000ポアズであるのが適当である。
【0037】
アライメントマークを形成するためのインキは、着色剤としてカーボンブラック等を用いるほかは、上記ブラックマトリックス層用インキおよびカラーフィルタ層用インキと同様にして調製される。
透明基板上に印刷されたブラックマトリックス層用インキやカラーフィルタ層用インキは、それぞれ未硬化または半硬化の状態で、平坦化処理を行うのが好ましい。
【0038】
カラーフィルタ層用インキ、ブラックマトリックス層用インキおよびアライメントマーク用インキは、透明基板の表面に印刷した後、通常、180〜250℃で30〜180分間、好ましくは200〜230℃で50〜80分間加熱乾燥することにより完全に硬化する。このようにして、カラーフィルタが得られる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて、本発明を説明する。
実施例1〜3および比較例1
東芝シリコーン(株)製のRTV液状シリコーンゴムの主剤「TSE3450A」960gおよび硬化剤「TSE3450B」96g、同社製のRTV液状シリコーンゴム(ゲル)の主剤「YE5818A」180gおよび硬化剤「YE5818B」18g、ならびに同社製のシリコーンオイル「TSF451−1000」60gを混合した。こうして得られた混合物をポリエチレンテレフタレート(PET)からなる支持体層上に塗布し、乾燥させて、厚さ0.55mmの表面ゴム層を形成し、次いで、室温(23℃)で20時間加硫した。
【0040】
次に、上記表面ゴム層のうちアライメントマーク印刷領域に相当する部位を、赤外線スポットヒーター(前出の「HYS−20W」)で局部的に加熱し、当該部位の硬度を表1に示す値となるように調整して、印刷用オフセットブランケットを得た。なお、赤外線の照射は、所望の硬度に応じて、照射距離20mm、照射時間1〜40分の条件にて行った。
【0041】
実施例4および比較例2
信越化学工業(株)製のRTV液状シリコーンゴムの主剤「KE1603A」600gおよび硬化剤「KE1603B」600g、ならびに同社製のリターダー「No.3」2.1gを混合して支持体層上に塗布したほかは、実施例1〜3および比較例1と同様にして、表面ゴム層の形成とアライメントマーク印刷領域の局部的加熱とを行い、印刷用オフセットブランケットを得た。
【0042】
実施例5および比較例3
東芝シリコーン(株)製のRTV液状シリコーンゴムの主剤「TSE3402A」1200gおよび「TSE3402B」120g、ならびに同社製のリターダー「ME75」0.84gを混合して支持体層上に塗布し、23℃で44時間加硫したほかは、実施例1〜3および比較例1と同様にして、表面ゴム層の形成とアライメントマーク印刷領域の局部的加熱とを行い、印刷用オフセットブランケットを得た。
【0043】
上記実施例1〜5および比較例1〜3で得られた印刷用ブランケットにおいて、表面ゴム層のうち、画線部印刷領域に相当する部位およびアライメントマーク印刷領域に相当する部位の硬度(JIS A)は、下記の表1に示すとおりである。
実施例6および比較例4
信越化学工業(株)製のミラブル型シリコーンゴム「KE575U」100重量部に対し、同社製の加硫剤「C−1」1重量部を混合し、混練した。次いで、このシリコーンゴム用いて上記実施例と同じ支持体層上に厚さ0.55mmの表面ゴム層を形成し、180℃で30分間1次加硫を行い、さらに200℃で120〜180分間2次加硫を行った。
【0044】
次に、上記表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域に相当する部位を、前出の赤外線スポットヒーターを用いて、上記実施例1〜5および比較例1〜3と同様な条件にて局部的に加熱した。
上記実施例6および比較例4の印刷用ブランケットにおいて、表面ゴム層のうち、画線部印刷領域に相当する部位およびアライメントマーク印刷領域に相当する部位の硬度(JIS A)は、下記の表2に示すとおりである。
【0045】
《印刷試験》
上記実施例1〜6および比較例1〜4で得られた印刷用ブランケットを使用して、表面ゴム層のうちの画線部印刷領域に相当する部位と、アライメントマーク印刷領域に相当する部位との両方について同時に印刷を行い、それぞれの領域でにおける印刷特性を評価した。
【0046】
上記印刷試験には、ポリエステル樹脂、アンスラキノン系レッド顔料およびブチルカルビトールアセテートを混練りして、定常流粘度を1,000ポアズ(P)、降伏値を10,000dyn・cmに調整したインキを使用した。前記粘度および降伏値の測定にはレオロジー社製のソリキッドメーター「MR−500」を使用した。
【0047】
印刷試験は、通常のオフセット印刷機を用いた凹版オフセット印刷によって行った。印刷に使用した凹版は、ソーダライムガラス基板の表面に凹部を形成したものであって、前記凹部のうち、画線部に対応した凹部は、線幅110μm、深さ8μmのストライプパターンであった。一方、アライメントマークに対応した凹部は、線幅30μm、深さ8μmで、その形状が縦500μm、横500μmの十字型であった。また、被印刷物である透明基板は、300mm×370mm(10.5インチ用)、厚さ1.1mmのソーダライムガラスであった。
【0048】
《印刷特性の評価》
上記各実施例および比較例について、画線部およびアライメントマークの印刷特性の評価を行った。
(画線部印刷領域のインキの受理性)
ブランケットの移動速度300mm/秒、受理速度10mm/秒の条件で、上記インキを凹版の凹部からブランケットに転移させ、さらに当該インキを透明基板に転移させた。透明基板上に形成されたインキ膜(画線部)について、透明基板1面当たりのピンホール(いわゆる白ヌケ)の発生数(透明基板90面の平均値)を求め、表面ゴム層のうち、画線部印刷領域に相当する部位におけるインキの受理性を評価した。なお、前記インキの受理性の評価は、ブランケットから透明基板へインキが完全転移したときのみ行った。
【0049】
(画線部印刷領域のインキの転移性)
ブランケットの表面ゴム層のうち、画線部印刷領域に相当する部位について、ブランケットから透明基板へのインキの転移を目視で確認し、インキが完全に転移しているか否かを評価した。
(画線部のエッジの形状)
透明基板上に形成されたインキ膜のうち、画線部に相当するインキ膜について、光学式顕微鏡を用いて、長さ1,000μmの範囲でエッジを観察した。エッジの流れが±5μm以内であれば、画線部のパターンが直線であるとした。
【0050】
(画線部のインキ膜の断面形状)
上記画線部に相当するインキ膜について、走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社製の型番1LM21)を用いて、表面の形状を観察した。インキ膜の断面形状がかまぼこ状であって、極端な凹凸がなければ、良好であるとした。
(アライメントマーク印刷領域のインキの転移性)
ブランケットの表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域に相当する部位について、ブランケットから透明基板へのインキの転移を目視で確認し、インキが完全に転移しているか否かを評価した。
【0051】
(アライメントマークの印刷精度)
透明基板上に印刷されたアライメントマークの印刷位置について、設計値とのずれを測定した。測定は、ソキア社製のS−micを用いた。なお、パターン認識ができなかったアライメントマークは、印刷精度の測定ができなかった。
(パターン認識の可否)
アライメントマークについてのパターン認識の可否について、画像読み取り機(オムロン社製の「画匠HG」)で評価した。アライメントマークの印刷形状は、パターン認識の可否によって評価した。
【0052】
上記評価項目のうち、画線部印刷領域のインキの転移性、画線部のエッジの形状および画線部のインキ膜の断面形状については、いずれも良好であった。
画線部印刷領域のインキの受理性、アライメントマーク印刷領域のインキの転移性、アライメントマークの印刷精度およびパターン認識の可否についての評価結果を表1〜2に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003573438
【0054】
【表2】
Figure 0003573438
【0055】
上記表から明らかなように、実施例1〜3では、パターン認識が可能で、かつアライメントマークの印刷精度が十分に高かった。これに対して、画線部印刷領域Aとアライメントマーク印刷領域Bとの硬度が同じである比較例1では、アライメントマークのパターン認識が不可能であるといった問題が生じた。
また、実施例4と比較例2、実施例5と比較例3または実施例6と比較例4の結果より、画線部印刷領域での硬度が上記実施例1〜3と異なる場合でも、アライメントマーク印刷領域Bの硬度を画線部印刷領域Aの硬度より大きく設定すると、アライメントマークの印刷精度が向上するという結果が得られた。
【0056】
従って、上記実施例1〜6のブランケットを用いることにより、赤、緑および青の3色のカラーフィルタ層やブラックマトリックス層を、それぞれ極めて高い印刷精度でもって、すなわち印刷位置を高精度で合わせつつ形成できる。また、アライメントマークの作製をカラーフィルタ層やブラックマトリックス層と同様に印刷法で行うことができる。従って、画像品質に優れたカラーフィルタを低コストで製造できる。
【0057】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、精密な印刷を要するカラーフィルタなどの製造において、優れた印刷精度が得られるとともに、大幅な低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる印刷用版の一例を示す説明図である。
【符号の簡単な説明】
4 アライメントマーク

Claims (5)

  1. 最表面に表面ゴム層を有するブランケットにおいて、前記表面ゴム層が、少なくともアライメントマーク印刷領域と画線部印刷領域とを含み、前記アライメントマーク印刷領域が、前記画線部印刷領域よりも硬度が大きいことを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 前記アライメントマーク印刷領域の方が、前記画線部印刷領域よりも、表面ゴム層の硬度(JIS A)が5〜55大きい請求項1記載の印刷用ブランケット。
  3. 前記画線部印刷領域に相当する表面ゴム層の硬度(JIS A)が20〜70である請求項1または2記載の印刷用ブランケット。
  4. ブランケットの最表面に形成された表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域に相当する部位を局部的に加熱して、当該部位の硬度を、画線部印刷領域に相当する部位よりも大きくすることを特徴とする印刷用ブランケットの製造方法。
  5. 透明基板上に、アライメントマークと、複数種のインキ層のうちの1つのインキ層とを同時に印刷した後、前記複数種のインキ層のうちの残りのインキ層を印刷するカラーフィルタの製造方法において、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用ブランケットを使用して、かかるブランケットの最表面に形成された表面ゴム層のうち、アライメントマーク印刷領域でアライメントマークを印刷し、画線部印刷領域で複数種のインキ層を印刷することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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