JP3572631B2 - フロート板ガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はフロート板ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
平衡厚みよりも薄いフロート板ガラスを製造するには、例えば特公昭44−23828等に開示されるように、ガラスリボンの両耳部に、トップロールと呼ばれる、通常は耐熱合金で作られた、溝や歯が付いた回転するロールを押圧し、ガラスリボンを進行方向と直交する方向に張力を印加し、ガラスリボンが縮幅するのを抑制しつつ進行方向にも引き伸ばす方法がとられている。
【0003】
「ガラスの事典」(作花済夫編、朝倉書店、281頁)には、フロート法による2〜3mm厚の薄板の製造では、そのまま引き伸ばすと板厚とともに板幅が著しく縮小してしまうので、いったん平衡板厚の部分を作り、約850〜950℃の高温において、1〜数機のトップロールで板の両端を上から押えて幅方向に引っ張り、板幅の縮小を防ぎながら搬送ロールで水平方向に引き伸ばして製板する、と記載されている。
【0004】
この方法によれば、板厚が2〜3mmの範囲であれば、さほど大きな技術的な制約もなく板ガラスを製造でき、これよりも薄いガラスであっても、例えば建築用窓ガラスに供するように、光学的に高度な平坦性までは要求されない用途であれば、困難さは若干増加するものの、フロート法で製造できたし、本出願人も0.55mm以上の一部の板厚範囲のものは、従来から市場に供給してきた。
【0005】
ところで錫面に浮かぶガラスリボンを、トップロールで幅方向に広げるように角度を付けつつ、進行方向にも引き伸ばす方法をとれば、原理的には平衡厚みよりも薄い、希望する任意の厚みの板ガラスを得られるはずである。
【0006】
しかしリボンが薄くなるにしたがい、徐冷炉を出たあとの冷却されたリボンに強い反りが発生して、製品板の表面が、平面からさまざまな形状の曲面に転じて、製品の要求品質に合致しなくなるばかりか、しばしば溶融金属浴の出口付近、徐冷炉内あるいはリボンから製品寸法の板を切り出す工程で、リボンが割れてしまう。これは工程の一時的な中断をもたらすことにつながりやすいが、ガラス製造工程で引き抜き素地量が予定外に急変すると、さらに溶融過程での2次的な溶解不良をもたらしやすく、リボンの引き抜き再開後も板中に泡・砂利・脈理等が出現しやすくなり、生産性を大きく低下させることがある。また、現実には製品板の厚みが薄くなるにしたがい、微細なゆがみが強まる。
【0007】
板ガラスの表面の微細な凹凸は、それが存在する部分で板の厚みが微妙に異なっている場合と、板の厚みは実質的に一定であるにもかかわらず、板幅方向に細かなピッチで波打っている場合とに大別される。実際には両者が複合したものが観察されるが、本発明者らが研究した結果によれば、板が薄くなるほど、後者の機構による細かな筋が支配的になってくることが判明した。
【0008】
前者は主に溶融ガラスの組成の局部的な不均一に起因し、ディストーションと呼んでいる。ディストーションは平衡厚みに近い板ではさほど目立たないが、平衡厚みから平面的に薄く引き伸ばすほど、溶融ガラスの異質組成に基づく粘度特性の差が拡大されて目立ってくることは、容易に理解されよう。ディストーションに対する基本的な対策は、溶融ガラスの均質性の向上を図ることで、これについては、溶融過程で溶融ガラスを機械的に撹拌する等の、公知の諸対策がとられている。ただし板厚が薄くなるほど一層の均質化対策が要求されてくる。
【0009】
後者は主に、平衡厚みの高温のガラスリボンから、板幅方向と進行方向に平面的にガラスを薄く引き伸ばした過程で発生したものと考えられている。
【0010】
リボンの幅方向に対向する1対のトップロールで引っ張られた直線上では外力に強制されて薄くなろうとし、隣接するトップロールの中間部をリボン幅方向に結んだ直線上では、平衡厚みに戻ろうとする力と、その両側が幅方向に引っ張られて薄くなることを補償するためにここに素地を供給して自らは薄くなろうとする力とが合成され、さらに進行方向には、徐冷炉の搬送ロールがリボンを引き伸ばそうとする力が作用する。これらが組み合わさって、溶融錫上に浮遊する粘性体には、少なくとも平面的には、複雑かつ不均等な応力が発生している。
【0011】
リボンの端部付近に、離散したほぼ点でしか接触しないトップロールの代わりに、リボン端部に沿って連続線状に引っ張りの力を及ぼそうとする提案も見られた(例えば特公昭49−5206)が、最終的な成功には至らなかった。
以上述べたように、素地の均質性が良くても、シワを発生させ得る。
【0012】
この機構で発生するガラスのシワを、本明細書ではコルゲーション(corrugation)と呼ぶ。板の厚みが1.5mm以下になると、コルゲーションのピッチは25mm程度、山谷の深さは0.1〜0.3μm程度の微細なものになるので、これを本明細書では、マイクロコルゲーション、と呼ぶことにする。
【0013】
フロート法で板の厚みが1.5〜3.0mmの範囲でディストーションを軽減させる工夫は、特公昭58−37257に見られる。この板厚領域ではマイクロコルゲーションはほとんど問題にならないので、ここに引用した公報にも対応する記載がないが、6対(実施例)のトップロールを用いてリボンを薄化させるに用いる溶融金属浴の出口付近の錫深さを、それよりも上流における錫深さよりも大きく保つことで、溶融金属浴槽内の錫流れの乱流化を防止し、ガラス板を得る技術が開示されている。
【0014】
特に製品になる部分の板の厚みが1.5mmよりも薄い場合には、光学的に平坦な板を製造することは、特にマイクロコルゲーションの生成によって、著しく困難になる。仮に板の厚みでは希望のものが得られたとしても、液晶基板・太陽電池基板・フォトマスクブランクス等の電子工学用途の品質要求に合格するものは、公知技術を用いる限りでは、従来得られなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反りやマイクロコルゲーションのきわめて少ない厚み0.1〜1.5mmのフロート板ガラスの製造方法の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融金属浴上に浮遊するガラスリボンの両耳部に複数対のトップロールを押圧し、ガラスリボンの幅方向に張力を印加し、ガラスリボンの縮幅を抑制しつつ薄い板ガラスを製造するフロート板ガラスの製造方法において、冷却後のガラスリボンの中央部の最低厚み(単位:mm)をDとするとき、冷却後のガラスリボンのトップロールの痕跡のない耳部の最大厚みE(単位:mm)をD以上3以下、冷却後のガラスリボンの耳部の幅(片側)の冷却後のガラスリボンの全幅に対する百分比(単位:%)を、1.0≦D≦1.5のとき3以上、0.1≦D<1.0のとき(5−2D)以上に保ち、10対以上30対以下のトップロールによりガラスリボンに張力を印加する、Dが0.1以上1.5以下であるフロート板ガラスの製造方法である。
【0017】
以下図面に基づいて説明する。図1は本発明を実施するための装置の水平断面図、図2は図1のトップロールを含む部分の拡大断面図、図3はガラスリボンの断面図である。
【0018】
図1のように、溶融金属浴5上に供給された溶融ガラスは、その高温領域42で平衡厚みに近いガラスの溜りを作り、ガラスリボン1に成形される。このガラスリボン1は、リフトアウトロール60、61、62、徐冷炉ロール71により、右の方向に進行し、温度が900℃付近の領域43に到達する。この領域43には、10対のトップロール(図面では、一部のトップロールが省略されている。)30が設けてあり、対を形成するトップロールの回転軸は、左に向かって拡開するように配されている。
【0019】
各トップロールは、図2のようにその歯部がガラスリボンの耳部を押圧し、ガラスリボンに幅方向の張力が印加され、ガラスリボンが縮幅するのを抑制している。ガラスリボンは、この領域を通過する間に、引き伸ばされ、その中央部を目的の厚みとする図3に示すような実質的に最終的な形状になる。このガラスリボンの形状を、次のような特定の形状にすることが大切である。
【0020】
すなわち、このガラスリボンの形状は、耳部80と、製品になる中央部81とからなり、耳部80は、トップロールの痕跡のある部位82と、その外側にありトップロールの痕跡のない部位83とからなる。
【0021】
ガラスリボンの全幅(単位:mm)をWとし、中央部81の幅をAとし、トップロールの痕跡のある部位82の幅(単位:mm)をBとし、トップロールの痕跡のない部位83の幅(単位:mm)をCとする。さらにガラスリボンの中央部81における最低厚み(単位:mm)をDとし、トップロールの痕跡のない部位83の最大厚み(単位:mm)をEとする。
【0022】
まず、耳部の厚みについては、このEを、D≦E≦3にする。EがD未満では、徐冷炉内でトップロールの痕跡のない部位83にクラックが発生し、ここからリボン全体が破損しやすくなり、安定した生産ができない。Eが3を超すと、反りとマイクロコルゲーションが強まる。D≦1.2、かつ、D+1.4≦E≦D+1.8となるように上記耳部を形成することが特に好ましい。
【0023】
次に、耳部の幅については(B+C)/Wの百分比(単位:%)を、1.0≦D≦1.5のとき3以上、0.1≦D<1.0のとき(5−2D)以上にする。この百分比が上記の範囲より小さいと、ガラスリボンが幅方向に動くことによる品質の悪化をもたらし、さらにはトップロールがガラスリボンから外れやすくなり、安定した生産ができない。一方、この百分比が余り大きくなると、採板できる良品部分が過小になるので、この百分比を15以下にすることが好ましい。
【0024】
さらに、冷却後の板の両耳に形成されたトップロールの痕跡のある部位82の幅B(単位:mm)については、B/Wの百分比(単位:%)が、例えば1.5以下であると、特に厚みが1.5mm以下の薄いリボンでは、冷たいトップロールの歯がリボン耳部の狭い幅内を集中的に冷却しリボンの表面に食い込む結果、最下流付近のトップロールがガラスリボンを突き破り安定生産ができなくなったり、リボン面内で好ましくない残留歪を発生させ、反りが強まってリボンが破損しやすくなるので好ましくない。好ましいB/Wの百分比(単位:%)は3〜15の範囲である。
【0025】
ガラスリボンをかかる形状にする方法としては、次のものがある。トップロールの痕跡のない部位83の厚みを厚くする方法としては、トップロールの押圧を弱くする、ガラスリボンの進行速度を遅くする、領域43付近の温度を高くする、等がある。
【0026】
ガラスリボンの耳部の幅を広くする方法としては、ガラスリボンの進行速度を遅くする、下流のトップロールを中央側に移動する、等がある。
【0027】
また、トップロールの数は、10対以上30対以下であり、好ましくは15対以上30対以下である。その理由は次のとおりである。
【0028】
トップロールが9対以下であると、隣接するトップロールの間では、ガラスリボンが収縮し、次のトップロールでガラスリボンが拡幅するというようにトップロールのピッチに合わせてリボンが拡幅と縮幅を繰り返す。その結果、マイクロコルゲーションが発生しやすくなる。さらに、1対当りのトップロールに要求される幅方向の張力が過大になり、ガラスリボンを強く浴面下に押し込むことになる。その結果、ガラスリボン上に形成されたトップロールの痕跡の凹凸が大きくなり、中央部の平坦性を損ね、マイクロコルゲーションよりはもっと大きな数cmピッチのうねりが生じやすくなる。
【0029】
一方、トップロールの数が30対を超すと、ガラスリボンの浮遊状態を監視する窓がトップロールにより塞がれて、監視および作業性に困難をきたす。さらに、ガラスリボンの耳部付近の温度が低下して、溶融金属浴槽の出口付近および徐冷炉内部でガラスリボンが破損しやすくなる。
【0030】
次いで、ガラスリボンは、クーラ53、54により約600℃に冷却され、溶融金属浴の浴面から取り出され、リフトアウトロール60、61、62上を通って徐冷炉70へ導入される。
【0031】
徐冷炉はリボンの搬送機構、例えば多数の金属ロール71、を内蔵するトンネル型の炉で、通常は燃焼ガスまたは電気ヒータにより、出力が制御された熱量を、炉内の必要位置に供給し、ガラスリボンを常温近い温度域までゆっくり冷却する機能を有する。
【0032】
なお、ソーダライムガラスの場合、D(単位:mm)が1.5ではE(単位:mm)が2.9〜3.0程度、Dが1.0ではEが2.4〜2.8、Dが0.55ではEが1.9〜2.4、Dが0.3ではEが1.7〜2.1、Dが0.2ではEが1.6〜2.0が、各々良い結果をもたらした。また硼珪酸組成についても、対応の取れる板厚のものでは全く同等の結果が得られた。
【0033】
【実施例】
[実施例1]
図1の装置のような、冷却後のリボンの全幅が約4mになるように構築された、長さ約50mの溶融金属浴に、溶融ガラスを導入して、溶融錫上でガラスリボンに成形した。設計引き出し量は約400トン/日であるが、条件設定のためにリフトアウトロールと徐冷炉ロールのリボン速度を変化させる間の槽窯温度条件の変動を避けるため、溶融ガラスの一部を溶融金属浴の上流からドレンアウトした。トップロールは、耐熱性耐腐食性合金でできた回転歯を持つ公知の形状のもので、回転軸の支持体の内部は水冷されている。
【0034】
ガラスリボンの成形にあたり、その進行速度、トップロール30の押圧力、トップロールの幅方向の位置、領域43付近のガラスリボンの温度を調整し、ガラスリボンの断面形状を調整した。
【0035】
ガラス組成は、建築用窓用および一部液晶基板に用いられる汎用のソーダライム組成であり、SiO2 72%、Al2 O3 2%、CaO 8%、MgO 4%、Na2 O 13%、K2 O 1%で示される。
【0036】
冷却後のガラスリボンについて、中央部の最低厚みD、ガラスリボンの幅W、耳部の痕跡のない部位の最大厚みE、耳部の痕跡のない部位の幅C、耳部の痕跡のある部位の幅Bを測定し、(B+C)、(B+C)/W、(5−2D)の値を求めた。さらに、冷却後のガラスリボンから切り出したサンプルについて、マイクロコルゲーション(MC)の程度を評価し、反りおよび割れについても評価した。これらの結果を、トップロールの数とともに表1に示す。
【0037】
なお、反りについては、300mm角に切り出した矩形の試料板を定盤上に静置し、定盤と試料下面に生じる隙間を隙間ゲージを差し込むことにより測定した。測定は、試料板の4辺について行ない、次いで、試料板を反転し、同様の測定を行ない、その最大値を試料板の反りとした。この反りを、次のようにランク分けして評価した。
【0038】
板厚1.5〜0.55mmでは
○:反りが0.1mm以下
△:反りが0.1mm超0.2mm以下
×:反りが0.2mm超
板厚0.55mm未満0.2mm以上では
○:反りが0.2mm以下
△:反りが0.2mm超0.4mm以下
×:反りが0.4mm超
【0039】
また、マイクロコルゲーションについては、反りに比べてサンプル表面のきわめて微細な凹凸を測定するので、JIS B0601−1982(表面荒らさの定義と表示)で規定される方法により、触針式の表面粗さ計サーフコムにて、測定長200mmで0.8mm以上25mm以下のバンドパスフィルタを用いたときの最大粗さRmax (μm)を測定した。このRmax を、次のようにランク分けして評価した。
【0040】
板厚1.5〜0.55mmでは
○:Rmax が0.3μm以下
△:Rmax が0.3μm超0.65μm以下
×:Rmax が0.65μm超
板厚0.55mm未満0.2mm以上では
○:Rmax が0.4μm以下
△:Rmax が0.4μm超0.65μm以下
×:Rmax が0.65μm超
【0041】
また、割れについては、溶融部やスパウト周辺からリボンに砂利・失透が流出すると、それを起点に発生しやすいが、これらの外部的な影響のない状態で比較して、次のようにランク分けして評価した。なお、反りが強いガラスリボンは、成形後に切断場に到達する以前に割れやすくなるので、ランク分けは定性的評価にとどめた。
○:割れが発生しなかった
△:徐冷炉以降で割れた
×:溶融金属浴出口付近で割れた
【0042】
[比較例1]
ガラスリボンの断面形状が、実施例1と異なることを除き、実施例1と同様にしてフロート板ガラスを製造し、実施例1と同様の測定を行なった。その結果を表2に示す。
【0043】
[実施例2]
冷却後のリボンの全幅が約3mになるように構築された、長さ約20mの、実施例1よりは小型のメタル溶融金属浴に、スパウトから溶融ガラスを導入して、錫上でガラスリボンに成形した。設計引き出し素地量は約30トン/日の溶解および成型設備であるが、槽窯温度条件の変動を避けるため、溶解素地量の一部を溶融金属浴入口以前に槽窯からドレンアウトした。ガラスリボンの成形にあたっては、実施例1と同様にしてガラスリボンの断面形状を調整した。
【0044】
ガラス組成は、液晶基板に用いられる耐水性の優れた硼珪酸ガラスであり、組成は、SiO2 72%、B2 O3 9.5%、BaO 4%、Al2 O3 5%、CaO 0.4%、ZnO 3%、Na2 O 6%、K2 O 0.5%で示される。冷却後のリボンから切り出した板ガラスのサンプルについて、実施例1と同じ方法で評価した結果を表3に示す。
【0045】
[比較例2]
ガラスリボンの断面形状が、実施例2と異なることを除き、実施例2と同様にしてフロート板ガラスを製造し、実施例2と同様の測定を行なった。その結果を表4に示す。
【0046】
[実施例3]
実施例2で用いたと同じ溶融金属浴で、アルカリ成分をさらに減じた液晶基板用の硼珪酸組成を用いてテストした。用いた組成は、SiO2 62%、B2 O3 4.5%、ZnO 6%、Al2 O3 15%、CaO 4%、MgO 7%、Na2 O 1.5%で示される。ガラスリボンの成形にあたっては、実施例1と同様にしてガラスリボンの断面形状を調整した。冷却後のリボンから切り出した板ガラスのサンプルについて、実施例1と同じ方法で評価した結果を表5に示す。
【0047】
[比較例3]
ガラスリボンの断面形状が、実施例3と異なることを除き、実施例3と同様にしてフロート板ガラスを製造し、実施例3と同様の測定を行なった。その結果を表6に示す。
【0048】
[実施例4]
実施例2で用いたと同じ溶融金属浴で、アルカリ成分を実質的に含有しない、液晶基板および薄膜トランジスタ用の硼珪酸組成を用いてテストした。用いた組成は、SiO2 53%、B2 O3 11%、BaO 14%、Al2 O3 11%、CaO 3%、MgO 2%、SrO 6%、Na2 O<0.1%で示される。ガラスリボンの成形にあたっては、実施例1と同様にしてガラスリボンの断面形状を調整した。冷却後のリボンから切り出した板ガラスのサンプルについて、実施例1と同じ方法で評価した結果を表7に示す。
【0049】
[比較例4]
ガラスリボンの断面形状が、実施例4と異なることを除き、実施例4と同様にしてフロート板ガラスを製造し、実施例4と同様の測定を行なった。その結果を表8に示す。
【0050】
いずれの実施例からも明らかなように、反りとマイクロコルゲーションのきわめて少ないフロート板ガラスが製造される。
【0051】
【表1】
【表2】
【0052】
【表3】
【表4】
【0053】
【表5】
【表6】
【0054】
【表7】
【表8】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、反りとマイクロコルゲーションのきわめて少ないフロート板ガラスが製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の水平断面図
【図2】図1のトップロールを含む部分の拡大断面図
【図3】ガラスリボンの断面図
【符号の説明】
1:ガラスリボン
5:溶融金属浴
30:トップロール
81:ガラスリボンの中央部
80:ガラスリボンの耳部
Claims (2)
- 溶融金属浴上に浮遊するガラスリボンの両耳部に複数対のトップロールを押圧し、ガラスリボンの幅方向に張力を印加し、ガラスリボンの縮幅を抑制しつつ薄い板ガラスを製造するフロート板ガラスの製造方法において、冷却後のガラスリボンの中央部の最低厚み(単位:mm)をDとするとき、冷却後のガラスリボンのトップロールの痕跡のない耳部の最大厚みE(単位:mm)をD以上3以下、冷却後のガラスリボンの耳部の幅(片側)の冷却後のガラスリボンの全幅に対する百分比(単位:%)を、1.0≦D≦1.5のとき3以上、0.1≦D<1.0のとき(5−2D)以上に保ち、10対以上30対以下のトップロールによりガラスリボンに張力を印加する、Dが0.1以上1.5以下であるフロート板ガラスの製造方法。
- D≦1.2、かつ、D+1.4≦E≦D+1.8となるようにする請求項1に記載のフロート板ガラスの製造方法。
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