JP2013147355A - ガラス板の製造方法およびガラス板 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲面ガラス板を容易に製造することができるガラス板の製造方法を提供すること。
【解決手段】溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形する成形工程(ステップS11)と、ガラスリボンを所定方向に搬送しながら徐冷する徐冷工程(ステップS12)と、徐冷したガラスリボンからガラス板を切り出す切り出し工程(ステップS13)とを有するガラス板の製造方法であって、徐冷工程(ステップS12)において、ガラスリボンがガラスの歪み点付近の温度領域を通過する際に、ガラスリボンの表裏に温度差をつける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス板の製造方法およびガラス板に関し、特に曲面ディスプレイ用ガラス基板の製造方法および曲面ディスプレイ用ガラス基板に関する。
平面ガラス板を製造する代表的な方法として、フロート法やダウンドロー法が知られている。フロート法では、フロートバス内の溶融金属(例えば、溶融錫)の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して、帯板状のガラスリボンを形成する。
フロート法において、ガラスリボンは、浴面から引き上げられた後、フロートバスの出口から徐冷炉内に搬送される。徐冷炉内には複数の搬送ロールが配列されており、ガラスリボンは複数の搬送ロール上を水平に搬送されながら徐冷される。徐冷炉の出口から搬出されたガラスリボンは、所定寸法に切断され、製品である平面ガラス板となる。
ダウンドロー法は、スロットダウンドロー法とオーバーフローダウンドロー法(フュージョン法)とに大別されるが、いずれも、成形体から溶融ガラスを連続的に流れ落として、帯板状のガラスリボンを形成する。
ダウンドロー法において、ガラスリボンは、成形体が内部に配置された成形炉の下部から徐冷炉内に搬送される。徐冷炉内にはガラスリボンの幅方向両側にそれぞれ一対のローラからなるローラ群が配置されており、ガラスリボンはローラ群によって挟持され下方に搬送されながら徐冷される。徐冷炉の出口から搬出されたガラスリボンは、所定寸法に切断され、製品である平面ガラス板となる。
一方、曲面ガラス板を製造する方法として、フロート法などにより平面ガラス板を製造した後、平面ガラス板を再加熱し軟化して湾曲させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、一対のプレス面の間に平面ガラス板を挟んで熱プレスする。
また、曲面ガラス板を製造する別の方法として、ダウンドロー法による方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、徐冷炉内において、上方のローラ群と下方のローラ群とを水平方向に相対的にずらすことによって、ガラスリボンの自重による撓み変形を利用して曲面ガラス板を製造する。
実開平3−031716号公報 特開2003−306340号公報
ところで、近年、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などのディスプレイの大型化が進行している。これに伴い、ディスプレイの視認性を確保するため、ユーザから見て凹曲面(または凸曲面)の表示面を有する曲面ディスプレイが開発されている。
このような曲面ディスプレイ向けのガラス基板は、従来の平面ディスプレイ向けのガラス基板と異なる構成とする必要がある。例えば、平面ディスプレイ向けのガラス基板を曲面ディスプレイに搭載しようとすると、ガラス基板に応力を加えて湾曲させる必要があるので、ガラス基板に過大な負荷がかかりやすく、ディスプレイの表示不良が発生しやすい。
そこで、曲面ガラス板を曲面ディスプレイ向けのガラス基板として使用することが考えられるが、従来の曲面ガラス板の製造方法には、以下のような問題がある。
まず、特許文献1に記載の方法は、ガラスを再加熱する必要があるので、工数が多くなるという問題がある。また、大面積(例えば、短辺の長さが1500mm以上)のガラス基板を熱プレスにより湾曲させることは困難である。
特に、ディスプレイ向けのガラス基板は、一般的なガラスよりも高い成形温度を有するガラスで形成されるので、熱プレスにより湾曲させることは困難である。例えば、LCD向けのガラス基板に用いられる無アルカリガラスは、窓ガラスに用いられるソーダライムガラスよりも100℃以上高い成形温度を有する。
また、特許文献2に記載の方法は、製造条件の変化(例えば、成形体の経時劣化や製品の曲率変更)に応じて複数のローラ群の配置を変更する必要があり、その作業が煩雑であるという問題がある。また、この方法はフロート法に適用できないので、大面積(例えば、短辺の長さが1500mm以上)のガラス基板を製造するのが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、曲面ガラス板を容易に製造することができるガラス板の製造方法を提供することを主な目的とする。
上記目的を解決するため、本発明は、溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形する成形工程と、前記ガラスリボンを所定方向に搬送しながら徐冷する徐冷工程と、徐冷した前記ガラスリボンからガラス板を切り出す切り出し工程とを有するガラス板の製造方法であって、
前記徐冷工程において、前記ガラスリボンがガラスの歪み点付近の温度領域を通過する際に、前記ガラスリボンの表裏に温度差をつけるガラス板の製造方法である。
また、本発明は、厚さ0.2mm以下の略矩形状のガラス板において、
表面および裏面の一辺部が鉛直な平面になるように、該一辺部を支持して吊り下げたとき、湾曲するガラス板である。
本発明によれば、曲面ガラス板を容易に製造することができるガラス板の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるガラス板の製造方法の工程図である。 フロート法による徐冷工程の説明図である。 ダウンドロー法による徐冷工程の説明図である。 本発明の一実施形態におけるガラス板の吊り下げ状態の斜視図である。 図4の側面図である。 ガラス板の吊り下げ状態の別の例の側面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、後述の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、後述の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
(ガラス板の製造方法)
図1は、本発明の一実施形態におけるガラス板の製造方法の工程図である。図1に示すように、本実施形態によるガラス板の製造方法は、溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形する成形工程(ステップS11)と、ガラスリボンを所定方向に搬送しながら徐冷する徐冷工程(ステップS12)と、徐冷したガラスリボンからガラス板を切り出す切り出し工程(ステップS13)とを有する。このようにして、図4および図5に示す曲面ガラス板を製造する。
ガラス板の用途は、特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などの曲面ディスプレイがある。曲面ディスプレイは、ユーザから見て、凸曲面または凹曲面の表示面を有するディスプレイである。以下、凸曲面の表示面を有する曲面ディスプレイを「凸曲面ディスプレイ」といい、凹曲面の表示面を有する曲面ディスプレイを「凹曲面ディスプレイ」という。両者を特に区別しない場合、単に「曲面ディスプレイ」という。曲面ディスプレイに用いるガラス基板上には、フォトリソグラフィ法などにより、薄膜トランジスタ(TFT)やカラーフィルター(CF)などが形成される。
ガラス板の材料は、ガラス板の用途などに応じて適宜選定される。例えば、ガラス板の用途が液晶ディスプレイである場合、アルカリ金属が液晶に影響を与えるので、アルカリ金属を実質的に含まない無アルカリガラスが用いられる。
無アルカリガラスとしては、例えば、酸化物基準の質量%表示で、SiO:50〜66%、Al:10.5〜22%、B:0〜12%、MgO:0〜8%、CaO:0〜14.5%、SrO:0〜24%、BaO:0〜13.5%を含有し、MgO+CaO+SrO+BaO:9〜29.5質量%である無アルカリガラスが用いられる。
ガラス板の厚さは、特に限定されないが、例えば0.2mm以下であって良い。
図1の成形工程(ステップS11)は、溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形する工程である。成形方法は、一般的な方法であって良く、例えばフロート法やダウンドロー法であって良い。
フロート法は、浴槽内の溶融金属(例えば、溶融錫)の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して、帯板状に成形する方法である。フロート法は、溶融金属の平滑な浴面を利用して、溶融ガラスを水平方向に引き延ばすので、幅の広いガラス板(例えば、短辺の長さが1500mm以上の矩形のガラス板)を製造するのに適している。
フロート法により曲面ディスプレイ用ガラス基板を製造する場合、溶融金属の浴面に接触していた面が、使用面となる。使用面とは、TFTやCFなどを形成する面のことである。TFTやCFなどを形成する前に、使用面を研磨し、洗浄しておくことが望ましい。
ダウンドロー法は、スロットダウンドロー法とオーバーフローダウンドロー法(フュージョン法)とに大別されるが、いずれも、成形体から溶融ガラスを連続的に流れ落として、帯板状に成形する方法である。ダウンドロー法は、重力を利用して溶融ガラスを下方に引き延ばすので、厚さの薄いガラス板(例えば、厚さ0.2mm以下のガラス板)を製造するのに適している。
スロットダウンドロー法は、成形体の内部空間に溶融ガラスを供給し、成形体の底部に設けたスリットから連続的に流れ落として、帯板状に成形する方法である。オーバーフローダウンドロー法は、断面略V字状の成形体の内部に溶融ガラスを供給し、成形体の両側に溢れ出た溶融ガラスを成形体の両側面に沿って流下させ、成形体の下縁付近で合流させて帯板状に成形する方法である。
これらのフロート法やダウンドロー法により成形されたガラスリボンは、幅方向両側の側縁部(耳部とも呼ばれる)が他の部分よりも厚くなる傾向にある。そのため、ガラスリボンの幅方向の剛性が、長手方向の剛性よりも低くなっている。
図1の徐冷工程(ステップS12)は、ガラスリボンを所定方向に搬送しながら徐冷する工程である。徐冷方法は、一般的な方法であって良い。例えば、フロート法の場合、図2に示すように、ガラスリボン1は、徐冷炉2内に配置された複数の搬送ロール3上を水平に搬送されながら徐冷される。また、ダウンドロー法の場合、図3に示すように、ガラスリボン5は、徐冷炉6内に配置された複数のローラ群7により下方に搬送されながら徐冷される。
本実施形態では、徐冷工程において、ガラスリボンがガラスの歪み点付近の温度領域を通過する際に、ガラスリボンの表裏に温度差ΔTをつける。温度差ΔTをつけるため、徐冷炉の内壁に固定されたヒータの発熱量を制御している。
例えば、フロート法の場合、図2に示すように、ヒータ4は、ガラスリボン1の両側(上側および下側)に離間して設けられ、独立に制御される。これにより、ガラスリボン1の表裏に温度差ΔTをつけることができる。
ヒータ4は、ガラスリボン1の幅方向に分割され、ガラスリボン1の温度が幅方向に均一になるように制御される。また、ヒータ4は、ガラスリボン1の搬送方向に複数列設けられ、ガラスリボン1の温度が搬送方向に沿って徐々に低下するように制御されても良い。
同様に、ダウンドロー法の場合、図3に示すように、ヒータ8は、ガラスリボン5の両側(左側および右側)に離間して設けられ、独立に制御される。これにより、ガラスリボン5の表裏に温度差ΔTをつけることができる。
ヒータ8は、ガラスリボン5の幅方向に分割され、ガラスリボン5の温度が幅方向に均一になるように制御される。また、ヒータ8は、ガラスリボン5の搬送方向に複数列設けられ、ガラスリボン5の温度が搬送方向に沿って徐々に低下するように制御されても良い。
ヒータの制御方法としては、特に限定されないが、例えば、ガラスリボンの温度分布を放射温度計などの温度センサにより検出し、その検出結果に基づいてマイクロコンピュータなどの制御装置で自動制御する方法などがある。なお、別の方法として、製造されたガラス板の残留応力などを測定し、その測定結果に基づいて手動制御する方法もある。
このようにして、ガラスリボンの表裏に温度差ΔTをつけると、ガラスリボンの厚さ方向に沿って温度傾斜が生じる。ガラスの歪み点付近の温度領域では、ガラスリボンの表面または裏面の温度がガラスの歪み点以上となっており、且つ、ガラスリボンの裏面または表面の温度がガラスの歪み点以下となっている。
ここで、「ガラスの歪み点」とは、ガラスの粘度が4×1014dPa・sとなる温度をいう。一般的に、ガラスの歪み点以下の温度ではガラスが流動することが困難であるとされている。
ガラスの歪み点よりも高い温度領域では、ガラスリボンの表裏に温度差ΔTをつけると、温度差ΔTに起因する応力を緩和するように、ガラスが流動する。従って、ガラスの歪み点よりも高い温度領域では、ガラスリボンに応力が発生してもすぐに緩和してしまう。
その後、温度差ΔTを保持したままガラスリボンを室温付近まで冷却すると、応力のほとんどないガラスリボンが得られるが、続いて、温度差ΔTがなくなる過程において、ガラスリボンに応力が蓄積する。
温度差ΔTがなくなる過程では、高温側の面(例えば、表面)が低温側の面(例えば、裏面)に対してより収縮しようとするので、裏面に圧縮応力が発生し、表面に引張応力が発生する。その結果、表面が凹曲面になろうとし、裏面が凸曲面になろうとする。
このとき、ガラスリボンは、長手方向から見て円弧状に湾曲する傾向にある。上述の如く、ガラスリボンの幅方向の剛性が長手方向の剛性よりも低いからである。
なお、本実施形態では、温度差ΔTを保持したままガラスリボンを室温付近まで冷却するとしたが、本発明はこれに限定されない。即ち、ガラスの歪み点よりも低い温度領域において、温度差ΔTをなくせば、同様の効果が得られる。
この徐冷工程において、ガラスの歪み点付近の温度領域を通過するガラスリボンの表裏の温度差ΔT(絶対値)は、2℃以上であることが好ましく、3℃以上であることがより好ましく、5℃以上であることがさらに好ましい。温度差ΔTが小さ過ぎると、効果が十分に得られない。
この徐冷工程において、ガラスリボンの高温側の面と低温側の面とは、ガラスリボンの成形方法やガラス板の用途などに応じて決定される。
例えば、ガラスリボンの成形方法がフロート法であって、ガラス板の用途が凹曲面ディスプレイである場合に、ガラス板がTFT基板として用いられるときは、使用面となる下面を高温側の面に設定する。これにより、下面が凹曲面になろうとする。一方、この場合に、ガラス板がCF基板として用いられるときは、使用面となる下面を低温側の面に設定する。これにより、下面が凸曲面になろうとする。
また、ガラスリボンの成形方法がフロート法であって、ガラス板の用途が凸曲面ディスプレイである場合に、ガラス板がTFT基板として用いられるときは、使用面となる下面を低温側の面に設定する。これにより、下面が凸曲面になろうとする。一方、この場合に、ガラス板がCF基板として用いられるときは、使用面となる下面を高温側の面に設定する。これにより、下面が凹曲面になろうとする。
図1の切り出し工程(ステップS13)は、徐冷したガラスリボンからガラス板を切り出す工程である。切断方法は、一般的な方法であって良い。例えば、ガラスリボンに切り線を加工したうえで、曲げ応力を加え、ガラスリボンを切り線に沿って割断する方法が用いられる。
矩形状のガラス板を切り出す際には、ガラスリボンの長手方向および幅方向にガラスリボンを切断して、ガラスリボンの幅方向両側の側縁部を切除する。
このようにして切り出されたガラス板は、基本的に、ガラスリボンと同じ湾曲方向や湾曲形状を有する。その湾曲方向や湾曲形状は、徐冷工程における温度差ΔTに起因するので、温度差ΔTを調節することで調節可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、徐冷工程において、ガラスリボンが歪み点付近の温度領域を通過する際に、ガラスリボンの表裏に温度差ΔTをつけることで、所望の湾曲方向や湾曲形状を有する曲面ガラス板を製造することができる。
この製造方法は、従来のように、ガラスを再加熱する必要がないので工数を削減することができる。また、この方法は、従来のように、熱プレス装置が必要ないので、大面積のガラス板(例えば、短辺の長さが1500mm以上の矩形状のガラス板)や、厚さの薄いガラス板(例えば、厚さ0.2mm以下のガラス板)、成形温度の高いガラス板(例えば、ディスプレイ用ガラス基板)などを製造するのに適している。さらに、この方法は、従来のように、製造条件の変化に応じて、製造装置の構成部品の配置を変更する必要がなく、ヒータの出力を変更して温度差ΔTを調節することにより、容易に曲面ガラス板を製造することができる。
(ガラス板)
次に、図4および図5に基づき、上記製造方法により製造されたガラス板について説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガラス板は、リドロー法により製造されたものであっても良い。リドロー法では、ガラス板を加熱し軟化して、引き延ばす。続いて、ガラス板を徐冷する際に、ガラス板の表裏に温度差ΔTをつければ良い。
ガラス板10は、略矩形状であって、0.2mm以下の厚さTを有する。ガラス板10は、図4および図5に示すように、表面11および裏面12の一辺部13、14が鉛直な平面になるように、一対の板状体15、16などで一辺部13、14を支持して吊り下げたとき、湾曲する。
なお、図4および図5において、ガラス板10は、一辺部13と一辺部14との間にある面17が水平な上面となるように、吊り下げられている。この上面17は、ガラスリボンの長手方向に切断された切断面であって良い。
このように、ガラス板10は、吊り下げられた状態で、表面11が凹曲面となり、裏面12が凸曲面となるような湾曲方向を有している。なお、図6に示すように、ガラス板10Aの表面11Aや裏面12Aが微小なうねりを有する場合、表面11Aや裏面12Aの鉛直断面形状を2次曲線110A、120Aで近似して、湾曲方向を決定して良い。
ガラス板10の用途は、特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)や有機EL(OLED)などのディスプレイである。曲面ディスプレイに用いるガラス基板上には、フォトリソグラフィ法などにより、薄膜トランジスタ(TFT)やカラーフィルター(CF)などが形成される。
ガラス板10の用途が凹曲面ディスプレイである場合に、ガラス板10がTFT基板として用いられるときは、図4および図5に示す状態で凹曲面となる面11が使用面となる。一方、この場合に、ガラス板10がCF基板として用いられるときは、図4および図5に示す状態で凸曲面となる面12が使用面となる。
また、ガラス板10の用途が凸曲面のディスプレイである場合に、ガラス板10がTFT基板として用いられるときは、図4および図5に示す状態で凸曲面となる面12が使用面となる。一方、この場合に、ガラス板10がCF基板として用いられるときは、図4および図5に示す状態で凹曲面となる面11が使用面となる。
このように、ガラス板10は、所定方向に湾曲しているので、ガラス基板として曲面ディスプレイに組み込んだ際に、ガラス板10に過度な負荷がかからない。このため、曲面ディスプレイの表示品質を向上することができる。
ガラス板10の材料は、ガラス板10の用途などに応じて適宜選定される。例えば、ガラス板10の用途が液晶ディスプレイである場合、アルカリ金属が液晶に影響を与えるので、アルカリ金属を実質的に含まない無アルカリガラスが用いられる。
ガラス板10の短辺の長さは、1500mm以上であって良く、この場合、ガラス板10は、フロート法により製造されたものであることが望ましい。
以下に、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、図1に示す成形工程(ステップS11)、徐冷工程(ステップS12)、および切り出し工程(ステップS13)により、曲面ディスプレイ用のガラス基板を100枚製造した。
具体的には、フロート法によって、溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形し、ガラスリボンを水平に搬送しながら徐冷した後、室温付近まで冷却されたガラスリボンから矩形状のガラス基板を切り出した。
ガラス基板の形状は、1500mm×1800mm×0.2mmとした。ガラス基板の材料には、歪み点が670℃である無アルカリガラスを用いた。また、徐冷工程において、ガラスリボンがガラスの歪み点付近の温度領域を通過する際に、ガラスリボンの表裏(上下)につける温度差ΔTは、2℃とした。
温度差ΔTは、ガラスリボンの上面の幅方向中央の温度T1、およびガラスリボンの下面の幅方向中央の温度T2(T2>T1)をそれぞれ放射温度計により測定し、算出した。
このようにして得られた各ガラス基板について、図4および図5に示す状態で、凸曲面12(徐冷工程において上面であった面)の最大撓み量Wを測定した。凸曲面12の最大撓み量Wは、凸曲面12の一辺部(短辺部)14を含む鉛直面18を撓み量0の基準面としたときの最大撓み量である。一対の板状体15、16で支持されている一辺部(短辺部)13、14の上下方向寸法D(図5参照)は、10mmとした。
測定の結果、100枚のガラス基板の凸曲面の最大撓み量Wの平均値は2mmであり、図5と同様に、所定方向に湾曲していた。
[実施例2]
実施例2では、温度差ΔTを3℃とした以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板を100枚製造し、各ガラス基板について最大撓み量Wを測定した。その結果、100枚のガラス基板の凸曲面の最大撓み量Wの平均値は4mmであり、図5と同様に、所定方向に湾曲していた。
[実施例3]
実施例3では、温度差ΔTを5℃とした以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板を100枚製造し、各ガラス基板について最大撓み量Wを測定した。その結果、100枚のガラス基板の凸曲面の最大撓み量Wの平均値は8mmであり、図5と同様に、所定方向に湾曲していた。
[比較例1]
比較例1では、温度差ΔTを0℃とした(即ち、温度差ΔTをつけなかった)以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板を100枚製造したが、いずれも、所定方向に湾曲しておらず、最大撓み量Wを測定できなかった。
10 ガラス板
11 表面
12 裏面
13 一辺部
14 一辺部
15 板状体
16 板状体
17 上面
18 鉛直面

Claims (5)

  1. 溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形する成形工程と、前記ガラスリボンを所定方向に搬送しながら徐冷する徐冷工程と、徐冷した前記ガラスリボンからガラス板を切り出す切り出し工程とを有するガラス板の製造方法であって、
    前記徐冷工程において、前記ガラスリボンがガラスの歪み点付近の温度領域を通過する際に、前記ガラスリボンの表裏に温度差をつけるガラス板の製造方法。
  2. 前記温度差が2℃以上である請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 厚さ0.2mm以下の略矩形状のガラス板において、
    表面および裏面の一辺部が鉛直な平面になるように、該一辺部を支持して吊り下げたとき、湾曲するガラス板。
  4. 短辺の長さが1500mm以上である請求項3に記載のガラス板。
  5. フロート法により製造される請求項4に記載のガラス板。
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