JP2010070411A - 結晶化ガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶化ガラス板の外観品位を低下させることなく、結晶化ガラス板の表面を均一にイオン交換できる方法を提供し、結晶化ガラス板の板厚が小さい場合に、結晶化ガラス板の機械的強度を高めること。
【解決手段】本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、アルカリ成分を含む板状体に接触させた状態で、結晶化ガラス板を熱処理し、結晶化ガラス板をイオン交換することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、結晶化ガラス板の製造方法に関し、具体的にはイオン交換により結晶化ガラス板の表面に圧縮応力層を形成する方法に関する。
ガラス板の表面に圧縮応力層を形成すると、ガラス板の機械的強度を高めることができる。ガラス板の表面に圧縮応力層を形成する方法には、風冷法、化学強化法等がある。風冷法は、ガラス板を軟化点付近の温度で熱処理した後、空気ジェット等で急冷し、ガラス板の内部に比べて、ガラス板の表層の温度降下を大きくすることにより、ガラス板の表面に圧縮応力層を形成する方法である。
一方、化学強化法は、化学処理により、ガラス板の表面の組成を変化させ、ガラス板の表面に圧縮応力層を形成する方法である。化学強化法として、イオン交換法が代表的である。イオン交換法は、アルカリ成分を含む溶融塩中にガラス板を浸漬し、熱処理することにより、ガラス板のアルカリ成分と溶融塩のアルカリ成分をイオン交換する方法である。イオン交換法では、イオン半径が大きいアルカリイオンが、ガラス板の表面から抜け出すアルカリイオンの位置に、周囲のガラス構造を押し縮めながら入り込み、結果として、ガラス板の表面に圧縮応力層が形成される。また、イオン交換法は、熱処理時のアルカリイオンの移動度が高いので、ガラス板の内部までイオン交換することが可能である。
米国特許第3585055号明細書 特開平2−188450号公報
β−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体が析出したLiO-Al-SiO系結晶化ガラス板は、熱膨張係数が低く、且つ耐熱性が高いため、防火窓、ストーブ窓、調理器用トッププレート等に使用されている。この結晶化ガラス板は、通常、表面に圧縮応力層が形成されていないが、軽量化等を目的として、結晶化ガラス板の板厚を小さくする場合、結晶化ガラス板の機械的強度が低下するため、結晶化ガラス板の表面に圧縮応力層を形成する必要性が高くなる。
この結晶化ガラス板は、熱膨張係数が低いことに起因して、風冷法では圧縮応力層を形成することができないため、化学強化法、特にイオン交換法で圧縮応力層を形成する必要がある。しかし、この結晶化ガラス板は、イオン交換に際し、600℃以上の高温が必要であり、特許文献1等に記載のイオン交換法では、溶融塩の腐食作用が大きくなり、この腐食作用により、結晶化ガラス板の表面が侵食され、結果として、結晶化ガラス板の表面に白濁等の不具合が生じ、結晶化ガラス板の外観品位が低下する。また、溶融塩の腐食作用により、イオン交換設備等が劣化しやすくなる。
また、特許文献2に記載の方法は、高融点の固体アルカリ塩粉体と有機媒体を混合して、スクリーン印刷機等で結晶化ガラス板の表面にフィルムを形成した後、固体アルカリ塩粉体の融点以下の温度で熱処理し、イオン交換する方法である。特許文献2に記載の方法は、溶融塩を用いないため、溶融塩の腐食作用に基づく、上記不具合は生じ難い。しかし、特許文献2に記載の方法は、熱処理時にフィルムが熱収縮するため、フィルムにひび割れが発生しやすく、ひび割れに起因して、結晶化ガラス板に未イオン交換部位が発生し、結果として、結晶化ガラス板の機械的強度が部分的に低下しやすくなる。また、未イオン交換部位は、スジ状に見えることがあり、結晶化ガラス板の外観品位が低下する場合がある。さらに、特許文献2に記載の方法は、熱処理後に結晶化ガラス板の表面に付着したフィルムを除去・洗浄する工程が必要になり、結晶化ガラス板の生産効率が低下しやすくなる。
そこで、本発明は、結晶化ガラス板の外観品位を低下させることなく、結晶化ガラス板の表面を均一にイオン交換できる方法を提供し、結晶化ガラス板の板厚が小さい場合に、結晶化ガラス板の機械的強度を高めることを技術的課題とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、アルカリ成分を含む板状体と結晶化ガラス板を接触させた状態で熱処理することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、アルカリ成分を含む板状体に接触させた状態で、結晶化ガラス板を熱処理し、結晶化ガラス板をイオン交換することを特徴とする。このようにすれば、高温で結晶化ガラス板の表面をイオン交換することができる。なお、板状体は、アルカリ成分を含む限り、種々の材料を用いることができ、例えば、ガラス、結晶化ガラス、セラミック等を用いることができる。
本発明者等は、溶融塩や固体アルカリ塩粉体のフィルムに完全に密着させなくても、アルカリ成分を含む板状体と結晶化ガラス板を重ねて載置する程度の接触状態で熱処理すれば、結晶化ガラス板の外観品位を低下させることなく、結晶化ガラス板の表面に均一に圧縮応力層を形成できることを見出した。また、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、溶融塩を用いないため、溶融塩の腐食作用に起因する上記不具合は生じないとともに、固体アルカリ塩粉体のフィルムを用いないため、未イオン交換部位が生じ難く、結晶化ガラス板の機械的強度が部分的に低下する事態も生じ難い。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、一般的な熱処理炉以外に特別な製造設備(イオン交換炉、洗浄装置等)が不要であるため、簡素な製造工程・製造設備で結晶化ガラス板をイオン交換することができ、結果として、結晶化ガラス板の製造コストを低廉化することができる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、2枚の板状体で結晶化ガラス板全体を挟んだ状態で熱処理すれば、結晶化ガラス板の両面をイオン交換することができる。また、結晶化ガラス板を1枚の板状体上に載置した状態で熱処理すれば、結晶化ガラス板の片面をイオン交換することができる。なお、板状体と結晶化ガラス板を交互に積層した後、熱処理すれば、複数枚の結晶化ガラス板を一挙にイオン交換することができる。また、板状体と結晶化ガラス板を部分的に接触させた状態で熱処理すれば、所望の部位のみをイオン交換することもできる。
第二に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、酸化物換算で板状体がアルカリ成分を2質量%以上含有することを特徴とする。
第三に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、板状体の平均表面粗さRaが200μm以下であることを特徴とする。このようにすれば、板状体と結晶化ガラス板の接触状態が均一になり、結晶化ガラス板を均一にイオン交換することができる。ここで、「平均表面粗さRa」は、JIS B0601(1997年)に準拠した方法で測定した値を指す。
第四に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、600℃以上の温度で結晶化ガラス板を熱処理することを特徴とする。このようにすれば、アルカリイオンの拡散速度を高めることができる。
第五に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、板状体がガラスであり、且つ板状体の歪点から軟化点の温度域で、結晶化ガラス板を熱処理することを特徴とする。上記温度域で熱処理すると、板状体と結晶化ガラス板の融着を防止した上で、イオン交換速度を高めることができる。なお、板状体としてガラスを用いると、結晶化ガラス板を均一にイオン交換しやすくなる。ここで、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。また、「軟化点」は、ASTM C338の方法に基づいて測定した値を指す。
第六に、結晶化ガラス板の製造方法は、板状体がガラスであり、且つ板状体の歪点が450℃以上であることを特徴とする。このようにすれば、板状体が結晶化ガラス板に融着して、結晶化ガラス板が破損する事態を防止しやすくなる。
第七に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、板状体の板厚が0.4mm以上であることを特徴とする。このようにすれば、板状体が破損し難くなる。
第八に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、結晶化ガラス板がSiO、Al、LiOを含有するとともに、主結晶として、β−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体が析出していることを特徴とする。この結晶化ガラス板は、熱膨張係数が低く、且つ耐熱性が高いため、防火窓、ストーブ窓、調理器用トッププレート等に好適である。
第九に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、結晶化ガラス板の板厚が8mm以下であることを特徴とする。
第十に、本発明の結晶化ガラス板の製造方法は、熱処理後の結晶化ガラス板の面内強度が700kg/cm以上であることを特徴とする。ここで、「面内強度」は、リングオンリング試験(リング径7.5cm)で測定した値を指し、10cm角に加工した結晶化ガラス板を測定試料とする。
第十一に、本発明の結晶化ガラス板は、上記の製造方法で作製されてなることを特徴とする。
第十二に、本発明の結晶化ガラス板は、アルカリ成分を含む板状体に近接させた状態(板状体と結晶化ガラス板の間隔を1mm以下とした状態)で、結晶化ガラス板を熱処理し、結晶化ガラス板をイオン交換することを特徴とする。このようにすれば、結晶化ガラス板のイオン交換効率は低下するものの、結晶化ガラス板にキズが入り難くなり、結晶化ガラス板の機械的強度が低下し難くなる。特に、板状体と結晶化ガラス板の間に1mm以下のスペーサーを介した状態で熱処理すれば、結晶化ガラス板にキズが入り難くなり、結晶化ガラス板の機械的強度が低下し難くなる。
第十三に、本発明のガラス板の製造方法は、アルカリ成分を含む板状体に接触させた状態で、ガラス板を熱処理し、ガラス板をイオン交換することを特徴とする。このようにすれば、高温でガラス板をイオン交換することができる。結晶化ガラス板と同様にして、ガラス板の歪点が高い場合も、高温でイオン交換する必要があり、本発明のガラス板の製造方法は、そのような場合に特に好適である。また、本発明のガラス板の製造方法は、歪点が低いガラス板でも、イオン交換時間を短縮する目的で使用することもできる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、板状体は、アルカリ成分を酸化物換算で2質量%以上、5質量%以上、特に7質量%以上含有することが好ましい。アルカリ成分の含有量が酸化物換算で2質量%未満であると、イオン交換反応が生じ難くなり、結果として、結晶化ガラス板の機械的強度を高め難くなる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、板状体は、NaO+KO(NaOとKOの合量)を2質量%以上、5質量%以上、特に7質量%以上含有することが好ましい。NaO+KOの含有量が2質量%未満であると、結晶化ガラス板の機械的強度を高め難くなる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、板状体は、窓板等で使用されるソーダガラス基板(NaO含有)やPDP等で使用される高歪点ガラス基板(KO含有)が、入手容易性や表面品位の点で好ましい。なお、これらの板状体は、熱処理後、カレットとして、容易にリサイクルすることができる。
高歪点ガラス基板の好適な組成範囲は、質量%で、SiO 50〜70%、Al 0〜10%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、ZrO 0〜10%、B 0〜5%、NaO+KO 1〜25%である。
以下、ガラス組成範囲を上記のように限定した理由を以下に説明する。
SiOは、ガラスのネットワークフォーマーである。SiOの含有量が多くなると、溶融性が低下し、また少なくなると、歪点が低下しやすくなる。SiOの好適な含有範囲は50〜70%、特に54〜70%である。
Alは、歪点を高める成分である。Alの含有量が多くなると、高温粘度が高くなって、ガラスの成形が困難になる。Alの好適な含有範囲は0〜10%、特に0〜8%である。
MgOは、高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高めたり、歪点を高める成分である。MgOの含有量が多くなると、液相温度が上昇しやすくなる。MgOの好適な含有範囲は0〜10%、特に1〜9%である。
CaOは、高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高めたり、歪点を高める成分である。CaOの含有量が多くなると、液相温度が上昇しやすくなる。CaOの好適な含有範囲は0〜10%、特に0〜6%である。
SrOは、高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高めたり、歪点を高める成分である。SrOの含有量が多くなると、液相温度が上昇しやすくなる。SrOの好適な含有範囲は0〜15%、特に2〜13%である。
BaOは、高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性や成形性を高めたり、歪点を高める成分である。BaOの含有量が多くなると、液相温度が上昇しやすくなる。BaOの好適な含有範囲は0〜15%、特に0〜8%である。
ZrOは、歪点を高める成分である。ZrOの含有量が多くなると、ガラスの溶融性や成形性が低下しやすくなる。ZrOの好適な含有範囲は0〜10%、特に0〜6%である。
は、溶融性や成形性を高める成分であるが、歪点を低下させる成分であるため、その含有量は5%以下が好ましい。
NaO+KOは、イオン交換成分であり、またガラスの溶融性を高める成分である。NaO+KOの含有量が多くなると、歪点が低下しやすくなり、また少なくなると、結晶化ガラス板をイオン交換し難くなり、結晶化ガラス板の機械的強度を高め難くなる。NaO+KOの好適な含有範囲は1〜25%、特に5〜20%である。
上記成分以外の成分であっても、特性を大きく損なわない限り、20%まで含有可能であり、例えば、液相温度を低下させるためにY、La、Nbを各3%まで、耐水性を高めるためにZnOを5%まで、耐クラック性を高めるためにPを4%まで、清澄剤としてAs、Sb、SO、SnO、Cl等を各1%まで添加することができる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、板状体の平均表面粗さRaは200μm以下、50μm以下、特に10μm以下が好ましい。板状体の平均表面粗さRaが200μmより大きいと、板状体と結晶化ガラス板の接触状態が不均一になり、結晶化ガラス板を均一にイオン交換し難くなる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、板状体がガラスであり、且つ板状体の歪点から軟化点の温度域で、結晶化ガラス板を熱処理することが好ましい。熱処理温度が板状体の歪点より低いと、アルカリイオンの拡散速度が低くなるため、イオン交換反応が生じ難くなり、結果として、結晶化ガラス板の機械的強度を高め難くなる。一方、熱処理温度が板状体の軟化点より高いと、熱処理時に板状体と結晶化ガラス板が融着し、両者の熱膨張係数差に起因して、板状体や結晶化ガラス板が破損する虞がある。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、板状体がガラスであり、且つ板状体の歪点が450℃以上、500℃以上、特に550℃以上が好ましい。板状体の歪点が450℃より低いと、板状体の軟化点が低くなり、600℃以上の温度で熱処理すると、熱処理時に板状体と結晶化ガラス板が融着し、両者の熱膨張係数差に起因して、板状体や結晶化ガラス板が破損する虞がある。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、板状体の板厚は0.4mm以上、1mm以上、特に1.5mm以上が好ましい。板状体の板厚が0.4mmより小さいと、熱処理炉に投入する際、或いは結晶化ガラス板と接触させる際に、板状体が破損しやすくなる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、結晶化ガラス板の好適な組成範囲は、質量%で、SiO 55〜75%、Al 15〜30%、LiO 2〜5、NaO 0〜3%、KO 0〜3%、MgO 0〜5%、ZnO 0〜3%、BaO 0〜5%、TiO 0〜5%、ZrO 0〜4%、P 0〜5%、SnO 0〜2.5%である。なお、明示の成分以外の成分であっても、特性を大きく損なわない限り、15%まで添加可能である。上記組成範囲内の結晶化ガラス板は、主結晶として、β−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体が析出しやすいとともに、熱膨張係数が低く、且つ耐熱性が高い。
以下、上記のように組成範囲を限定した理由を以下に説明する。
SiOの含有量が55%より少ないと、熱膨張係数が大きくなり過ぎる。一方、SiOの含有量が75%より多いと、ガラス溶融が困難になる。SiOの好適な含有範囲は60〜75%である。
Alの含有量が15%より少ないと、化学的耐久性が低下し、またガラスが失透しやすくなる。一方、Alの含有量が30%より多いと、ガラスの粘度が大きくなり過ぎて、ガラス溶融が困難になる。Alの好適な含有範囲は17〜27%である。
LiOの含有量が2%より少ないと、イオン交換により、結晶化ガラス板の機械的強度を高め難くなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。一方、LiOの含有量が5%より多いと、結晶物が白濁しやすくなり、またガラスが失透しやすくなる。LiOの好適な含有範囲は2〜4.8%である。
NaOの含有量が3%より多いと、結晶物が白濁しやすくなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。NaOの好適な含有範囲は0〜1%である。
Oの含有量が3%より多いと、結晶物が白濁しやすくなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。KOの好適な含有範囲は0〜1%である。
MgOの含有量が5%より多いと、結晶物が白濁しやすくなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。また、ZnOの含有量が3%より多いと、結晶物が白濁しやすくなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。ZnOの好適な含有範囲は0〜1%である。さらに、BaOの含有量が5%より多いと、結晶物が白濁しやすくなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。BaOの好適な含有範囲は0〜1.5%である。
TiOの含有量が5%より多いと、ガラスが失透しやすくなる。TiOの好適な含有範囲は1〜5%である。また、ZrOの含有量5%より多いと、ガラスが失透しやすくなる。ZrOの好適な含有範囲は0.5〜4%である。
の含有量が5%より多いと、結晶物が白濁しやすくなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。Pの好適な含有範囲は0〜4%である。
SnOの含有量が2.5%より多いと、色調が濃くなり過ぎたり、ガラス溶融が困難になったり、ガラスが失透しやすくなる。SnOの好適な含有範囲は0.1〜2%である。なお、SnOの含有量が0.1%より少ないと、清澄効果を享受し難くなる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、結晶化ガラス板の板厚は8mm以下、7mm以下、特に6mm以下が好ましい。結晶化ガラス板の板厚が小さい程、結晶化ガラス板を軽量化することできる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、熱処理後の結晶化ガラス板の面内強度は700kg/cm以上、1000kg/cm以上、特に1300kg/cm以上が好ましい。結晶化ガラス板の面内強度が700kg/cm未満であると、機械的衝撃等により、結晶化ガラス板が破損しやすくなる。
本発明の結晶化ガラス板の製造方法において、結晶化ガラス板の平均表面粗さRaは200μm以下、50μm以下、特に10μm以下が好ましい。結晶化ガラス板の平均表面粗さRaが200μmより大きいと、板状体と結晶化ガラス板の接触状態が不均一になり、結晶化ガラス板を均一にイオン交換し難くなる。
本発明のガラス板の製造方法は、アルカリ成分を含む板状体に接触させた状態で、ガラス板を熱処理し、ガラス板をイオン交換することを特徴とする。本発明のガラス板の製造方法において、板状体の技術的特徴(好適な特性、好適な態様等)は上記と同様であり、ここでは、便宜上、その記載を省略する。また、本発明のガラス板の製造方法において、ガラス板の歪点は450℃以上、500℃以上、特に550℃以上が好ましい。ガラス板の歪点が高い程、従来の方法でイオン交換し難くなり、本発明のガラス板の製造方法を使用するメリットが大きくなる。
(実施例)
2枚のPDP用高歪点ガラス基板(日本電気硝子株式会社製PP−8C、ガラス組成にNaO:5質量%、KO:10質量%含有、歪点582℃、軟化点836℃、平均表面粗さRa10μm以下、板厚1.8mm)を用い、結晶化ガラス板(日本電気硝子株式会社製ネオセラムN−0、SiO、Al、LiOを主成分として含有、β−石英固溶体が析出、板厚5mm、面内強度は500kg/cm)の両面全体を挟み、熱処理炉で750℃8時間熱処理した。熱処理後、目視により結晶化ガラス板の外観を観察するとともに、結晶化ガラス板の面内強度を測定した。面内強度は、リングオンリング試験(リング径7.5cm)で測定し、10cm角に切断加工した結晶化ガラス板を測定試料とした。
その結果、結晶化ガラス板の表面に白濁やスジ等は認められず、熱処理前後で外観に変化が認められなかった。また、結晶化ガラス板の面内強度は1300kg/cmであり、熱処理により機械的強度が2倍以上向上した。さらに、20点の測定試料につき、面内強度を測定したところ、結晶化ガラス板の面内強度はいずれも1000kg/cm以上であり、この結果から、結晶化ガラス板の表面は均一にイオン交換されていたと考えられる。
(比較例)
2枚のLCD用無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、ガラス組成中にアルカリ成分を実質的に含有しない、歪点650℃、軟化点950℃、平均表面粗さRa10μm以下、板厚0.7mm)を用い、結晶化ガラス板(日本電気硝子株式会社製ネオセラムN−0、SiO、Al、LiOを主成分として含有、β−石英固溶体が析出、板厚5mm、面内強度は500kg/cm)の両面全体を挟み、熱処理炉で750℃8時間熱処理した。熱処理後、上記の通り、結晶化ガラス板の面内強度を測定した。その結果、結晶化ガラス板の面内強度は500kg/cmであり、熱処理前後で機械的強度が変化していなかった。
本発明に係る結晶化ガラス板は、防火窓、ストーブ窓、調理器用トッププレート等に好適である。


Claims (13)

  1. アルカリ成分を含む板状体に接触させた状態で、結晶化ガラス板を熱処理し、結晶化ガラス板をイオン交換することを特徴とする結晶化ガラス板の製造方法。
  2. 板状体が酸化物換算でアルカリ成分を2質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  3. 板状体の平均表面粗さRaが200μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  4. 600℃以上の温度で結晶化ガラス板を熱処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  5. 板状体がガラスであり、且つ板状体の歪点から軟化点の温度域で、結晶化ガラス板を熱処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  6. 板状体がガラスであり、且つ板状体の歪点が450℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  7. 板状体の板厚が0.4mm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  8. 結晶化ガラス板が、SiO、Al、LiOを含有するとともに、主結晶として、β−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体が析出していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  9. 結晶化ガラス板の板厚が8mm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  10. 熱処理後の結晶化ガラス板の面内強度が700kg/cm以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の結晶化ガラス板の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法で作製されてなることを特徴とする結晶化ガラス板。
  12. アルカリ成分を含む板状体に近接させた状態で、結晶化ガラス板を熱処理し、結晶化ガラス板をイオン交換することを特徴とする結晶化ガラス板の製造方法。
  13. アルカリ成分を含む板状体に接触させた状態で、ガラス板を熱処理し、ガラス板をイオン交換することを特徴とするガラス板の製造方法。



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