JP3572500B2 - 現像剤補給装置及び現像剤カートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体を収容する粉体収納容器、回転することにより現像剤を補給する現像剤カートリッジ、該現像剤カートリッジを装着して現像剤を現像剤受容部に供給する現像剤補給装置及び複数の現像剤カートリッジを備えたカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像剤を収容する現像剤カートリッジから画像形成装置の現像剤収納部へ現像剤を補給する手段として、現像剤を補給する際に現像剤カートリッジを装置本体にセットし、現像剤カートリッジ内の現像剤を全部現像剤受容部に補給し、補給し終えると現像剤カートリッジを装置本体から取り外すタイプのものがあった。しかし上記タイプの補給方式は現像剤を一度に現像剤受容部に補給するために補給しすぎて現像剤が現像剤受容部から溢れる可能性があり、現像剤の過補給を防止する手段を設けなければならなかった。しかし、過補給を防止することは難しく、また過補給防止の手段を装置本体に設置出来たとしても、装置の高価格化、大型化を招いていた。そこで、容器内部に螺旋状の突起を有する現像剤カートリッジを装置本体に対してセットし、現像剤カートリッジの中心軸を回転中心として回転させ、現像剤カートリッジの現像剤排出口から現像剤を排出させ、現像剤受容部に現像剤を補給するタイプのものが開発された(特願平6−088807等)。このタイプのものは現像剤カートリッジが装置本体に常時設置されているので、現像剤受容部内の現像剤が減少した場合に、随時現像剤カートリッジを回転させ、現像剤受容部に現像剤を補給することが出来るので、上記のような現像剤の過補給を防止する必要がなくなった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記現像剤カートリッジ、上記現像剤カートリッジを装着した現像剤補給装置等は、以下のような問題点を含んでいる。
【0004】
(1)現像剤カートリッジに回転力を伝達する回転力伝達部材に現像剤カートリッジを回転させながら着脱し、着脱の際に現像剤補給口に設置した開閉蓋を開閉する現像剤カートリッジでは、現像剤カートリッジのカートリッジ固定蓋とカートリッジ開閉蓋が摺動して開口が開閉するわけであるが、お互いの蓋が全周面において接触することは難しい。従ってお互いの蓋の隙間に現像剤が介在する可能性があり開閉蓋のシール性に問題がある。
【0005】
(2)現像剤カートリッジを水平方向に移動させて、駆動回転力伝達部材に着脱し、着脱の際に現像剤カートリッジ等の開閉蓋を開閉する現像剤カートリッジでは、現像剤カートリッジの開口が閉まっている時は、例えば現像剤カートリッジの凹部とカートリッジ開閉蓋の突起部が係合しているわけであるが、このような構造であると開閉蓋の開閉動作の際に突起部の一部が現像剤カートリッジの周面に接触するので開閉動作の際にかなりの力を要する。
【0006】
(3)現像剤補給装置において、現像剤カートリッジに現像剤開口を開閉する開閉蓋が設置され、現像剤カートリッジを装置に着脱する際に開閉蓋と現像剤カートリッジ装着部とが当接し開閉蓋が開閉するものがある。しかし、この当接箇所が適切な箇所でないと現像剤カートリッジの着脱動作の際に開閉蓋の開閉が円滑に行われず、装置本体への補給動作が行われない場合や現像剤カートリッジを取り外した際に現像剤が溢れる場合がある。
【0007】
(4)カラー画像形成装置に備えられた現像剤補給装置に着脱可能な複数のカートリッジにおいて、異機種の現像剤を収容する現像剤カートリッジや異色の現像剤を収容する現像剤カートリッジが装着され、現像剤補給装置内で異なった現像剤が混在するという弊害を防止する必要がある。
【0008】
本発明は、現像剤カートリッジ、または現像剤カートリッジから現像手段に現像剤を供給する現像剤補給装置における上記のような諸問題を解決することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の現像剤補給装置は、現像剤を受容する現像剤受容部を有し、現像剤を補給する略筒型の現像剤カートリッジが装着され回転することにより前記現像剤受容部に現像剤が補給される現像剤補給装置において、
前記現像剤カートリッジは第1の補給口を有し、前記現像剤受容部は前記現像剤カートリッジ装着時に該第1の補給口と対向する第2の補給口を有し、現像剤は該第1の補給口から該第2の補給口を通じ前記現像剤受容部に補給されるとともに、
前記現像剤カートリッジは該第1の補給口を覆う略筒型の第1の開閉蓋を有し、前記現像剤受容部は該第2の補給口を覆う略筒型の第2の開閉蓋を有し、
前記現像剤カートリッジが前記現像剤受容部に回転軸に平行な方向に装着されることにより、前記現像剤カートリッジに対し前記第1の開閉蓋の少なくとも一端が、前記現像剤受容部の係合部によって前記装着方向と反対の方向に移動し、かつ前記現像剤受容部に対し前記第2の開閉蓋の少なくとも一端が前記現像剤カートリッジの係合部によって前記装着方向に移動し、該第1の補給口と該第2の補給口を開口して現像剤を補給可能とすることを特徴とすることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明の現像剤カートリッジは、画像形成装置本体の現像剤補給装置に装着され、所定の回転軸に対応して回転することにより装置本体に現像剤を補給する現像剤カートリッジにおいて、
前記回転軸に平行な補給口と、略筒型の形状を有し、前記補給口を覆うように嵌挿されたカートリッジ開閉蓋、とを有し、前記カートリッジ開閉蓋は前記現像剤補給装置に装着されることにより、前記カートリッジ開閉蓋の少なくとも一端が前記現像剤補給装置の係合部によって前記回転の軸方向であって装着方向と反対の方向に移動し、前記補給口を開口して現像剤を補給可能とすることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例の説明に先立って、本発明の現像器を複数組搭載したカラー画像形成装置の一例であるカラープリンタの構成とその作用を図1の断面構成図によって説明する。
【0017】
このカラープリンタは、像形成体上に順次形成される各色トナー像を重ね合わせたのち、転写部で記録紙上に1回で転写してカラー画像を形成し、その後、分離手段により像形成体面から剥離する方式のカラー画像形成装置である。
【0018】
図1において、10は像形成体である感光体ドラムで、OPC感光体(有機感光体)をドラム基体上に塗布形成したもので、接地されて図示の時計方向に駆動回転される。11はスコロトロン帯電器で、感光体ドラム10周面に対し高電位VHの一様な帯電をグリッド電位VGに電位保持されたグリッドとコロナ放電ワイヤによるコロナ放電によって与えられる。このスコロトロン帯電器11による帯電に先だって、前プリントまでの感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いたPCL(帯電前除電器)12による露光を行って感光体周面の除電をしておく。
【0019】
感光体ドラム10への一様帯電ののち、像露光手段13により画像信号に基づいた像露光が行われる。像露光手段13は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし回転するポリゴンミラー131,fθレンズ132,シリンドリカルレンズ133を経て反射ミラー134により光路を曲げられ主走査がなされるもので、感光体ドラム10の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施例では文字部に対して露光を行い、文字部の方が低電位VLとなるような反転潜像を形成する。
【0020】
感光体ドラム10の周縁には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒色(K)等のトナーとキャリアとから成る二成分現像剤をそれぞれ内蔵した現像器20Y,20M,20C,20Kから成る現像装置20が設けられている。先ず1色目のイエローの現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像剤担持体(現像スリーブ)22によって行われる。現像剤はフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからなるもので、現像剤は層形成手段によって現像スリーブ21上に100〜600μmの層厚(現像剤)に規制されて現像域へと搬送される。
【0021】
現像域における現像スリーブ21と感光体ドラム10との間隙は現像剤層厚よりも大きい0.2〜1.0mmとして、この間にVACのACバイアスとVDCのDCバイアスが重畳して印加される。VDCとVH、トナーの帯電は同極性であるため、VACによってキャリアから離脱するきっかけを与えられたトナーはVDCより電位の高いVHの部分には付着せず、VDCより電位の低いVL部分に付着し顕像化(反転現像)が行われる。
【0022】
1色目の顕像化が終った後2色目のマゼンタの画像形成行程にはいり、再びスコロトロン帯電器11よる一様帯電が行われ、2色目の画像データによる潜像が像露光手段13によって形成される。このとき1色目の画像形成行程で行われたPCL12による除電は、1色目の画像部に付着したトナーがまわりの電位の急激な低下により飛び散るため行わない。
【0023】
再び感光体ドラム10周面の全面に亘ってVHの電位となった感光体のうち、1色目の画像のない部分に対しては1色目と同様の潜像がつくられ現像が行われるが、1色目の画像がある部分に対し再び現像を行う部分では、1色目の付着したトナーにより遮光とトナー自身のもつ電荷によってVM′の潜像が形成され、VDCとVM′の電位差に応じた現像が行われる。この1色目と2色目の画像の重なりの部分では1色目の現像をVLの潜像をつくって行うと、1色目と2色目とのバランスが崩れるため、1色目の露光量を減らしてVH>VM>VLとなる中間電位とすることもある。
【0024】
3色目のシアン、4色目の黒色についても2色目のマゼンタと同様の画像形成行程が行われ、感光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0025】
上記各現像器20Y,20M,20C,20Kに新規の各色現像剤を制御して補給する現像剤補給装置40は、複数の現像剤カートリッジ(以下、カートリッジと称す)30(Y,M,C,K)を着脱可能にするカートリッジ装着部41と、カートリッジ30内の現像剤を一時収容する現像剤受容部42(Y,M,C,K)と、現像剤受容部42内の現像剤を前記現像器20に搬送する現像剤搬送部43(Y,M,C,K)とから構成されている。
【0026】
一方、給紙カセット50より半月ローラ51を介して搬出された一枚の転写材(転写紙等)pは、給紙ローラ対52,53を経てレジストローラ対54近傍で一旦停止し、転写のタイミングの整った時点でレジストローラ対54の回転作動により転写域へと給紙される。
【0027】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10の周面に転写手段60が圧接され、給紙された転写材pを挟着して多色像が一括して転写される。
【0028】
次いで、転写材pは分離手段61によって除電され、感光体ドラム10の周面より分離して定着装置70に搬送され、熱ローラ(上ローラ)71と圧着ローラ(下ローラ)72の加熱,加圧によってトナーを溶着したのち、排紙ローラ81,82を経て装置外部の排紙トレイ83上に排出される。なお、前記の転写手段60は転写材pの通過後感光体ドラム10の周面より退避離間して、次なるトナー像の形成に備える。
【0029】
一方、転写材pを分離した感光体ドラム10は、除電器14により除電を受けたのち、クリーニング装置15のブレード151の圧接により残留トナーを除去・清掃され、再び前記PCL12による除電とスコロトロン帯電器11による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。なお、前記のブレード151は感光体面のクリーニング後、直ちに移動して感光体ドラム10の周面より退避する。ブレード151によってクリーニング装置15内に掻き落された廃棄トナーは、スクリュー152により排出されたのち、図示しない廃トナー回収容器内へ貯留される。
【0030】
図2は複数の現像器を備えた現像装置20の構成を示す断面図である。感光体ドラム10の周縁には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒色(K)等のトナーとキャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器20Y,20M,20C,20Kから成る現像装置20が設けられている。各現像器20Y,20M,20C,20Kの上部空間には現像剤補給口28Y,28M,28C,28Kがそれぞれ設けられ、前記現像剤搬送部43(Y,M,C,K)に連通している。
【0031】
前記現像器20Y,20M,20C,20Kはほぼ同じ構成をなすから、以下、これらの現像器を代表して現像装置20と称して説明する。
【0032】
図2において、21はトナーとキャリアとから成る二成分現像剤を収容する現像器ケーシング、22は内部に固定の磁石体を有する磁界発生手段(マグネットロール)23を有する現像剤搬送手段である現像剤担持体(以下、現像スリーブと称す)、24は現像剤供給ローラ(以下、供給パドルとも称す)、25は前記現像スリーブ22上の現像剤層厚を所定量に規制する現像剤層厚規制部材(以下、層厚規制棒と称す)、26,27は現像剤撹拌スクリュー(以下、撹拌スクリューと称す)、28は前記現像器ケーシング21の上部に開口した現像剤補給口部で、前記カートリッジ30から現像剤受容部42、現像剤搬送部43を経て補給された現像剤を受け入れる。
【0033】
図3は、カートリッジ30Y,30M,30C,30Kと、現像剤受容部42Y,42M,42C,42Kと、現像器20Y,20M,20C,20Kの一部を示す斜視図である。カートリッジ装着部41は、4つのカートリッジ30Y,30M,30C,30Kをほぼ同一平面上に平行設置し、着脱可能にする。前記現像器20Y,20M,20C,20K内のトナーの量が減少した際に、前記カートリッジ30Y,30M,30C,30K内の各現像剤を制御して補給するように構成されている。これらのカートリッジ30Y,30M,30C,30Kは、ほぼ同じ構成をなすから、以下、これらのカートリッジ30(Y,M,C,K)を代表してカートリッジ30と称して説明する。
【0034】
図4及び図5はカートリッジ30を示し、図4(a)はカートリッジ30の平面図、図4(b)は左側面図、図4(c)は右側面図、図4(d)は分解平面図、図5(a)はカートリッジ30の部分断面図、図5(b)はカートリッジ30の固定蓋32のA−A断面図、図5(c)はカートリッジ30の他の断面図である。
【0035】
カートリッジ30は、内周面に螺旋状の突起溝から成る案内部(現像剤誘導部)311を形成した筒状をなし内部に現像剤を収容する容器本体31と、該容器本体31の開口部312に一体に固定され開口(補給口)321を有する固定蓋32と、該固定蓋32内に係合し伸縮自在な蛇腹状をなすカートリッジ開閉蓋33とから構成されている。前記容器本体31の開口部312の周縁に設けた係合爪部313は、固定蓋32の内周縁に設けた凹部322にはさみこまれるように密接に係合し一体化される。把手部314は、カートリッジ30を前記カートリッジ装着部41に装着するとき、カートリッジ30の位置決め操作をし易くする。
【0036】
前記固定蓋32の開口321の内面側には、4枚の板状の現像剤掻き上げ部(パドル)323が一体に形成されている。また、固定蓋32の奥側の底部324と、開口部321の内面の突出した突起部との間には、カートリッジ開閉蓋33が嵌挿されている。前記カートリッジ開閉蓋33は蛇腹状にブロー成型されたものであり、前記底部324に超音波融着により固定(溶着)されている。この固着は接着剤によりされてもよい。前記底部324の中央部には、中空円筒状の位置決め部326が突出している。該位置決め部326の先端部の2箇所には、カートリッジ30の回転方向の位置を規制する係合突起327が形成されている。328は後述の回転力伝達部材44のカートリッジ抜け止め部444に係脱可能に係合する係合部である。
【0037】
図6は、前記カートリッジ30をカートリッジ装着部41に装着した状態の現像剤受容部42と、現像剤搬送部43の断面図である。図7(a)は前記カートリッジ30の分解斜視図、図7(b)は該カートリッジ30に接続する回転力伝達部材44の分解斜視図である。
【0038】
前記現像剤受容部42のカートリッジ30の開口321に対向する側の直立壁面には、回転力伝達部材44が回転可能に支持されている。回転力伝達部材44の内側で、前記カートリッジ30の開口321に対向する位置には、現像剤補給装置開閉蓋45とコイルスプリング46とが装填されている。また、前記回転力伝達部材44の一方の軸端部にはカートリッジ回転用歯車47が固定されている。該カートリッジ回転用歯車47は図示しない駆動源により駆動回転される。カートリッジ30の容器本体31内に収容された現像剤は、回転力伝達部材44によりカートリッジ開閉蓋33が開口され、開口321から回転力伝達部材44の補給口部441を通過して現像剤受容部42のホッパ内に収容される。
【0039】
回転伝達部材44よりカートリッジ30は回転し現像剤は現像剤受容部42に補給されるが、ある一定量、受容されるとカートリッジ30が回転しても現像剤は補給されない。この状態でカートリッジ30が回転し続けても問題は発生しない。
【0040】
現像剤受容部42のホッパ内に収容された現像剤は、図示しない駆動源に接続した搬送スクリュー用歯車432に固定された搬送スクリュー431に送り込まれ、現像剤搬送部43内で搬送されて、前記現像器20に補給される。
【0041】
図8は前記回転力伝達部材44を示し、図8(a)は平面図、図8(b)は正面図、図8(c)は側面図である。
【0042】
図8(a),(b)において、図示左方に突出した回転軸部442は、軸端部の係止爪部443により前記カートリッジ回転用歯車47に接続し、該歯車47と一体となって駆動回転される。前記回転力伝達部材44の2箇所には、カートリッジ抜け止め部444が突出して設けられ、前記固定蓋32の係合部328に係脱可能に係合する。前記回転力伝達部材44の中央付近には、現像剤を現像剤受容部42へ搬送する現像剤案内部445が形成されている。該現像剤案内部445の外周部の近傍には、リング状凹部446が設けられ、前記カートリッジ開閉蓋33の係合部331に係脱可能に係合する。また、前記回転力伝達部材44の図示右端付近の中空円筒部447の内部には、4条の係合突起448が設けられ、図5に示す固定蓋32の係合突起327に係脱可能に係合する。これによりカートリッジ30の装着位置決めと回転力伝達部材44からの回転力伝達を可能にする。
【0043】
図9〜図11は、前記カートリッジ30を現像剤補給装置40に装着する過程を示す断面図である。カートリッジ30は現像剤補給装置40に対して回転軸に平行な方向に着脱できるようになっている。
【0044】
図9(a)は、前記カートリッジ30を現像剤補給装置40に装着する直前の状態を示す。この装着開始状態では、現像剤補給装置開閉蓋45は蛇腹部の屈折復帰力とコイルスプリング46の付勢力とにより伸長状態にあり、カートリッジ開閉蓋33は蛇腹部の屈折復帰力により伸長状態に保持されている。
【0045】
図9(b)は、前記カートリッジ30を矢示方向に直進させ、現像剤補給装置40に装着開始する状態を示す。この装着開始状態では、固定蓋32の内部に設けた位置決め部326が回転力伝達部材44の中空円筒部426の内部に設けた係合突起428に係合して、カートリッジ30は回転が規制されて直進する。カートリッジ30がさらに矢示方向に直進して、回転力伝達部材44のリング状凹部446の先端に突出した突起部449に前記カートリッジ開閉蓋33の係合部331が当接する。
【0046】
図10(a)は、前記カートリッジ30を引き続き矢示方向に直進させ、現像剤補給装置40に装着する中間過程を示す。この装着過程では、前記回転力伝達部材44のリング状凹部446に前記カートリッジ開閉蓋33の係合部331が係合する。またこのとき、蛇腹状の現像剤補給装置開閉蓋45の先端部が、カートリッジ開閉蓋33の先端部に当接して、コイルスプリング46の付勢力に抗して僅か圧縮される。
【0047】
図10(b)は、前記カートリッジ30をさらに引き続き矢示方向に直進させ、現像剤補給装置40に装着する中間過程を示す。この装着過程では、前記回転力伝達部材44のリング状凹部446に前記カートリッジ開閉蓋33の係合部331が係合したまま、固定位置にある回転力伝達部材44に対して固定蓋32が前進して、カートリッジ開閉蓋33は前進する固定蓋32の底部324により圧縮される。またこのとき、蛇腹状の現像剤補給装置開閉蓋45の先端部が、カートリッジ開閉蓋33の先端部及び固定蓋32の先端部に当接して、コイルスプリング46の付勢力に抗してさらに圧縮される。
【0048】
図11は、前記カートリッジ30をさらに引き続き直進させ、現像剤補給装置40に装着完了した状態を示す。この装着完了状態では、固定蓋32の係合部328が回転力伝達部材44のカートリッジ抜け止め部444に係合して、ロック状態に保持される。このロック状態では、カートリッジ開閉蓋33と回転力伝達部材44との間に開口321が形成される。
【0049】
上記のカートリッジ開閉蓋33と回転力伝達部材44とが接続して一体化された状態において、図6に示すように、画像形成装置の駆動源からの駆動力は、中間歯車列及び前記歯車47を介して伝達され、該歯車47に係合する回転力伝達部材44は、これと一体化された固定蓋32を回転させる。また、固定蓋32と係合する容器本体31も同時に一体となって回転される。この回転によって、容器本体31内の現像剤が、螺旋状の案内部311によって、開口部312の方向に推進され、パドル323によってすくい上げられ、上方に回動したパドル323から重力によって落下して、固定蓋32の補給口321を通過し、現像剤案内部445に導かれて開口部441を通過して、現像剤受容部42へ送り出される。上記現像剤受容部42内に収容される現像剤の量は、図示しない光検知手段により検出され、現像剤補給量が所定量に達したとき駆動源の駆動を停止し、現像剤収納部42からの現像剤補給を停止する。
【0050】
図12は、本発明によるカートリッジの他の実施の形態を示す断面図である。このカートリッジは容器本体31Aの外周面に補給口31Bを有し、該補給口31Bの外側に、前記補給口31Bを開閉可能にする蛇腹状のカートリッジ開閉蓋31Cを設けたものである。該カートリッジ開閉蓋31Cは回転力伝達部材44Aにより、圧縮されて開口321を開放する。該回転力伝達部材44Aはさらに容器本体31Aを回転駆動する。
【0051】
図13、図14は、本発明の現像剤補給装置の実施の形態を示す断面図である。図13(a)は固定蓋32の開口321を開放する直前のカートリッジ30と現像剤補給装置40の要部断面図である。図13(b)は、図13(a)におけるA部の拡大断面図である。カートリッジ30と現像剤補給装置40の装着状態は、図10(a)で説明済みであるから省略する。
【0052】
カートリッジ開閉蓋33の先端部は、図示のように屈曲した形状をなす。前記回転力伝達部材44の先端の突起部449が、カートリッジ開閉蓋33の先端部近傍の前記係合部331の前面とP点で当接したとき、カートリッジ開閉蓋33の突起部が固定蓋32の先端部の内壁とQ点で接触する。カートリッジ開閉蓋33がさらに前進すると、前記カートリッジ開閉蓋33のQ点には、P点を中心にして二重矢示方向にモーメントF1が作用し、さらにカートリッジ開閉蓋33が前進すると、カートリッジ開閉蓋33の先端部は固定蓋32の先端部の内壁との接触が解除され、固定蓋32の開口321が開放される。
【0053】
図14(a)は固定蓋32の開口321を閉じる際のカートリッジ30と現像剤補給装置40の要部断面図である。図14(b)は、図14(a)におけるB部の拡大断面図である。
【0054】
前記カートリッジ30を現像剤補給装置40から取り外すとき、カートリッジ開閉蓋33の凹部が前記突起部449にR点で当接する。カートリッジ開閉蓋33がさらに図示右方向に移動すると、前記カートリッジ開閉蓋33のR点には、二重矢示方向にモーメントF2が作用し、さらにカートリッジ開閉蓋33が移動すると、カートリッジ開閉蓋33と突起部449との係合が解除され、図9(b)に示す状態になる。なお、突起334と固定蓋32の窪みが係合するので、カートリッジ30は密閉状態となる。従って、カートリッジ30内に残存しているトナーが機内に飛散したり、作業者の手を汚したりすることはない。
【0055】
図15は、誤装着防止用識別子を備えたカートリッジ、現像剤補給装置の実施の形態を示す断面図、図16(a)はカートリッジ30の正面図、図16(b)はカートリッジ30の側面図である。
【0056】
前記固定蓋32の前面には、カートリッジ嵌合部34(第一の嵌合部、誤装着防止用識別子)が一体に固定されている。該カートリッジ嵌合部34は、半径の異なる複数の同心円状の突起から成る。一方、現像剤補給装置40のカートリッジ装着部41の直立面部411には、複数の容器装填部側嵌合部412(第二の嵌合部、識別子受け)が同心円状に穿設されていて、前記カートリッジ嵌合部34に対応して嵌合可能にしている。
【0057】
カラー画像形成装置には、複数の現像器20(Y,M,C,K)と、これに対応する複数の現像剤補給装置40(Y,M,C,K)とが備えられている。該現像剤補給装置40(Y,M,C,K)には、それぞれ対応するカートリッジ30(Y,M,C,K)が着脱可能に装着される(図3参照)。各現像剤補給装置40(Y,M,C,K)には、対応する所定のカートリッジ30(Y,M,C,K)が誤装着されることなく正確に装着されなければならない。
【0058】
本発明によるカートリッジ嵌合部34(誤装着防止用識別子)は、同心円状の突起半径を変えることによりカートリッジ30の種別を識別可能にしている。該カートリッジ嵌合部34と容器装填部側嵌合部412(識別子受け)とを設けることにより、異なるトナー色を収容したカートリッジ30を誤装着することが完全に防止される。すなわち、異なるカートリッジ30を誤って現像剤補給装置40に装着しようとすると、カートリッジ嵌合部34が容器装填部側嵌合部412に嵌合せず、装着不可能となり、かつ、補給口321も開放されず、現像剤の漏出も発生しない。
【0059】
【発明の効果】
本発明の現像剤カートリッジは、開口を設置した開閉蓋を筒型、且つ可撓性の開閉蓋に、例えば蛇腹状の開閉蓋になし、一端を固定し他端を移動可能にする。このようにすれば開閉動作の際に開閉蓋と摺動する箇所はなくなるので、開閉蓋が閉じた時に移動可能な開閉蓋他端をおさえれば開閉蓋のシール性に問題はない。また、開閉蓋の開閉動作の際に大きな力を必要としないので、操作性の向上が図れる。さらに、カートリッジの着脱の際に開閉蓋の開閉動作を行えば、ワンアクションでカートリッジの着脱と開閉蓋の開閉が可能であるので、その点においても操作性の向上が図れる(請求項1〜17)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像器を複数組搭載したカラー画像形成装置の一例であるカラープリンタの断面構成図。
【図2】複数の現像器を備えた現像装置の構成を示す断面図。
【図3】カートリッジと、現像剤受容部と、現像器の一部を示す斜視図。
【図4】カートリッジの平面図、左側面図、右側面図、分解平面図。
【図5】カートリッジの部分断面図、固定蓋のA−A断面図、カートリッジの他の断面図。
【図6】カートリッジをカートリッジ装着部に装着した状態の現像剤受容部と、現像剤搬送部の断面図。
【図7】カートリッジの分解斜視図、カートリッジに接続する回転力伝達部材の分解斜視図。
【図8】回転力伝達部材の平面図、正面図、側面図。
【図9】カートリッジを現像剤補給装置に装着する直前の状態及び装着開始する状態を示す断面図。
【図10】カートリッジを現像剤補給装置に装着する中間過程を示す断面図。
【図11】カートリッジを現像剤補給装置に装着完了した状態を示す断面図。
【図12】本発明によるカートリッジの他の実施の形態を示す断面図。
【図13】固定蓋の補給口を開放する直前のカートリッジと現像剤補給装置の要部断面図及びA部の拡大断面図。
【図14】固定蓋の補給口を閉じる際のカートリッジと現像剤補給装置の要部断面図及びB部の拡大断面図。
【図15】誤装着防止用識別子を備えた本発明のカートリッジと現像剤補給装置の断面図。
【図16】上記カートリッジの正面図及び側面図。
【符号の説明】
20(Y,M,C,K) 現像器(現像装置)
30(Y,M,C,K) 現像剤カートリッジ(カートリッジ)
31 容器本体
32 固定蓋
321 開口(補給口)
33 カートリッジ開閉蓋
34 カートリッジ嵌合部(第一の嵌合部、誤装着防止用識別子)
40 現像剤補給装置
41 カートリッジ装着部
412 容器装填部側嵌合部(第二の嵌合部、識別子受け)
42 現像剤受容部(現像剤ホッパ)
43 現像剤搬送部
44 回転力伝達部材
45 現像剤補給装置開閉蓋
46 コイルスプリング
47 カートリッジ回転用歯車
Claims (17)
- 現像剤を受容する現像剤受容部を有し、現像剤を補給する略筒型の現像剤カートリッジが装着され回転することにより前記現像剤受容部に現像剤が補給される現像剤補給装置において、
前記現像剤カートリッジは第1の補給口を有し、前記現像剤受容部は前記現像剤カートリッジ装着時に該第1の補給口と対向する第2の補給口を有し、現像剤は該第1の補給口から該第2の補給口を通じ前記現像剤受容部に補給されるとともに、
前記現像剤カートリッジは該第1の補給口を覆う略筒型の第1の開閉蓋を有し、前記現像剤受容部は該第2の補給口を覆う略筒型の第2の開閉蓋を有し、
前記現像剤カートリッジが前記現像剤受容部に回転軸に平行な方向に装着されることにより、前記現像剤カートリッジに対し前記第1の開閉蓋の少なくとも一端が、前記現像剤受容部の係合部によって前記装着方向と反対の方向に移動し、かつ前記現像剤受容部に対し前記第2の開閉蓋の少なくとも一端が前記現像剤カートリッジの係合部によって前記装着方向に移動し、該第1の補給口と該第2の補給口を開口して現像剤を補給可能とすることを特徴とする現像剤補給装置。 - 前記第1の開閉蓋の他端は前記現像剤カートリッジ本体に固定され、前記第2の開閉蓋の他端は前記補給装置本体に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置。
- 前記開閉蓋は可撓性を有することを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1項に記載の現像剤補給装置。
- 前記開閉蓋は伸縮自在な部材であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1項に記載の現像剤補給装置。
- 前記開閉蓋は蛇腹状の蓋であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の現像剤補給装置。
- 前記第2の開閉蓋を閉方向に付勢する付勢手段が前記第2の開閉蓋近傍に設置されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の現像剤補給装置。
- 前記第1の開閉蓋の一端は溶着により、固定されていることを特徴とする請求項2記載の現像剤補給装置。
- 前記現像剤カートリッジの端部に筒状の凹部を有し、前記現像剤カートリッジの補給口は前記現像剤カートリッジの前記凹部周面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の現像剤補給装置。
- 前記現像剤カートリッジの補給口は前記現像剤カートリッジの周面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の現像剤補給装置。
- 画像形成装置本体の現像剤補給装置に装着され、所定の回転軸に対応して回転することにより装置本体に現像剤を補給する現像剤カートリッジにおいて、
前記回転軸に平行な補給口と、
略筒型の形状を有し、前記補給口を覆うように嵌挿されたカートリッジ開閉蓋、とを有し、
前記カートリッジ開閉蓋は前記現像剤補給装置に回転軸に平行な方向に装着されることにより、前記カートリッジ開閉蓋の少なくとも一端が前記現像剤補給装置の係合部によって前記装着方向と反対の方向に移動し、前記補給口を開口して現像剤を補給可能とすることを特徴とする現像剤カートリッジ。 - 前記現像剤カートリッジに対し、前記開閉蓋の他端は固定されていることを特徴とする請求項10に記載の現像剤カートリッジ。
- 前記開閉蓋は可撓性を有することを特徴とする請求項10ないし11のいずれか1項に記載の現像剤カートリッジ。
- 前記開閉蓋は伸縮自在な部材であることを特徴とする請求項10ないし11のいずれか1項に記載の現像剤カートリッジ。
- 前記開閉蓋は蛇腹状の蓋であることを特徴とする請求項10ないし1 3のいずれか1項に記載の現像剤カートリッジ。
- 装着開始状態では前記開閉蓋は伸長状態に保持されることを特徴とする請求項10ないし14のいずれか1項に記載の現像剤カートリッジ。
- 前記現像剤カートリッジの端部に筒状の凹部を有し、前記現像剤カートリッジの補給口は前記現像剤カートリッジの前記凹部周面に形成されていることを特徴とする請求項10ないし15のいずれか1項に記載の現像剤カートリッジ。
- 前記補給口は前記現像剤収納容器本体の外周面に配置され、前記カートリッジ開閉蓋は前記補給口に対応する前記現像剤収納容器本体の外周面を覆うように嵌挿されていることを特徴とする請求項10ないし15のいずれか1項に記載の現像剤カートリッジ。
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