JP3572484B2 - 高密度部材を備えた偏心ロータと同ロータの製法及び同ロータを用いた扁平コアレス振動モータ - Google Patents
高密度部材を備えた偏心ロータと同ロータの製法及び同ロータを用いた扁平コアレス振動モータ Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、移動体通信装置のサイレントコール手段用振動モータ用として高密度部材を備えた偏心ロータの改良と同ロータを用いる扁平コアレス振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ページャや携帯電話機等の移動体通信装置のサイレントコール手段として図8に示すように円筒直流モータMの出力軸Sにタングステン合金製の偏心ウエイトWを配し、回転時にこの偏心ウエイトWの遠心力を利用して振動を発生させるようにしたものが知られている。
【0003】
ところが、上記従来の出力軸Sに偏心ウエイトWを付加するものでは、ページャなどの機器側において、この偏心ウエイトWの旋回空間を配慮しなくてはならないなど、設計的な制約があり、高価なタングステン合金を使用するためコスト的にも問題があった。
【0004】
このため、本出願人は先に出力軸をなくして内蔵するロータ自体を偏心させたものとして、扁平型では特公平8−10972号(USP5,036,239号、カナダ2,017,395号)を、また円筒コアレス型振動モータでは特願平2−309070号(米国特許5107155号)として提案している。
これらのモータは、出力軸、偏心ウエイトがないので、設計的な制約を受けず、使い勝手がよいし、旋回時の危険性がないなど市場に好評をもって迎えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような内蔵型偏心ロータを備えた振動モータは出力軸が不要となるため軸をハウジングの固定したいわゆる軸固定型モータにすることができる。
このような軸固定型モータとして本出願人は、先に特公平6−81443号、特許2872623号を提案している。
これらは、極めて細いコアレス巻線を有するので、取り扱いに細心の注意が必要であって、従来はいずれも成形加工が必要であるので、部品点数や加工工数が増加してしまう問題が包合されている。
また、最近においては、携帯機器の小型化志向に伴い、内蔵する振動モータも可及的に小型なものが要求され、扁平型では直径10mm以下のものが要求されている。このようなサイズでは、内蔵の空心電機子コイルを偏心させただけでは、重心の半径方向への移動がわずかとなって期待した振動量が得られない。
そこで、どうしてもタングステン合金を混合量を増加して高密度の樹脂を使用せざるを得ないが、今度はコミュテータと樹脂部分との導通性により電源に対して並列低い値の抵抗が入ることになり、消費電流の増大をまねく問題がある。
【0006】
この発明の第1の目的は、超小型ながらも半径方向への重心の移動大きくを確保して望む振動量を得ようとるものである。
この発明の第2の目的は、金属を含む高密度部材を使用しながらも空心電機子コイルや印刷配線コミュテータと樹脂との絶縁を確保して消費電流が犠牲にならないようにして振動モータに用いて好適な扁平ロータを提供するにある。
この発明の第3の目的は、超小型化された扁平振動モータを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の基本的な課題解決手段は、請求項1に示す発明のように空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを設け、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配し、印刷配線コミュテータ部材を電位のある導体部分を前記高密度部材から絶縁させるように添設し、前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させたものにすれば達成できる。
具体的な課題解決手段は請求項2、3に示す発明のように前記軸受ホルダと空心電機子コイル位置決めガイドはタングステン合金を含む密度6以上10以下で動摩擦係数0.5(1.5kg/cm2)以下の樹脂で形成し、この樹脂自体で軸承させるようにしたり、前記軸受ホルダと空心電機子コイル位置決めガイドはタングステン合金を含む密度8以上樹脂で形成し、中心に焼結含油軸受を配したもので達成できる。
また、請求項4、5に示す発明のように前記空心電機子コイル位置決めガイドは空心電機子コイルの内径を利用したもので旋回外周以内で前記空心電機子コイルの端末導出部があるものにするか、前記空心電機子コイル位置決めガイドは空心電機子コイルの外径を利用したもので、前記空心電機子コイルの端末導出溝が設けられているもので達成できる。
このような偏心ロータを製造するには、請求項6に示す発明のように空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを成形し、その後、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配し、その後、印刷配線コミュテータ部材を前記高密度部材から電位のある導体部分を絶縁させるように添設すると共に、前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させるようにしたもので達成できる。
そして、このような偏心ロータを振動モータにするには、請求項6に示す発明のように請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高密度部材を備えた扁平ロータを用いることにより振動発生機能を持たせたものにすればよい。
【0008】
上記請求項1に示す課題達成手段によれば、超小型でありながら重心の半径方向に移動量が大となって回転時に良好な振動が得られる。
請求項2に示す課題達成手段によれば、樹脂自体で軸受を兼ねることができる。請求項3に示す課題達成手段によれば、摩擦係数の大なる高密度部材でも摺動ロスの少ない偏心ロータができる。
請求項4、5に示す課題達成手段によれば、空心電機コイルの位置決めが容易にでき、その端末の処理についても断線問題が出ないようになる。
請求項6に示す課題解決手段によれば、超小型ながらも振動が大で断線問題が出ない偏心ロータを製造できる。
請求項7に示す課題解決手段によれば、超小型な扁平型振動モータを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す各実施の形態に基づき本発明の構成を説明する。
図1は本発明の印刷配線コミュテータ部材を備えた偏心ロータの実施の形態として同偏心ロータを構成するロータベースの平面図である。
図2は図1のA−A線断面図である。
図3は同ロータベースに空心電機子コイルを取り付けた状態の平面図である。
図4は同偏心ロータ完成状態の平面図である。
図5は図4のB−B線断面図である。
図6は同偏心ロータの変形例の断面図である。
図7は図4の偏心ロータをB−B線で切断した扁平型コアレス振動モータの縦断面図である。
【0010】
図1、図2において、1はタングステン合金をポリアミドにバインドした比重8で動摩擦係数が0.4程度(1.5kg/cm2)の摺動機能のある高密度樹脂からなるロータベースで、中心に軸受孔1aを有する軸受ホルダ1bとその外方に2個の空心電機子コイル位置決めガイド1c、1c及び後述の印刷配線コミュテータを載置する3個のポール1d‥‥を一括して射出成形することによって立ち上げ、前記2個の空心電機子コイル位置決めガイド1c、1cの周囲に後述の空心電機子コイルを載置できる面1eを有し、後述の空心電機子コイルを載置したとき、外径部の一部が位置決めされる銀杏葉型ウエイト部1fを有し、さらに、前記軸受ホルダ1bの外径部分が空心電機子コイルを載置する際位置を規制させるようになっている。
このように、空心電機子コイルの位置決めガイドは外径部を利用してもできるものである。
図中、1gは、前記軸受ホルダ1bの部分に配された空心電機子コイル端末導出溝、1hは、このロータベース1を後述の偏心ロータとして完成してモータに組み込んだ際、ハウジングの一部に摺接させるための土手部である。
なお、高密度部材は比重8から12程度まで選定でき、比重8程度以下では動摩擦係数0.4(1.5kg/cm2)程度が得られるので焼結含油軸受を使用しないで構成できる。
【0011】
このようにしたロータベース1の前記空心電機子コイル位置決めガイド1c‥‥に、図3に示すように空心電機子コイル2、2をはめ込み、前記空心電機子コイル位置決めガイド1c‥‥の頂部を溶解、あるいは先に前記空心電機子コイル載置面1eに接着剤を塗布し接着した後、図4、図5に示すように、印刷配線コミュテータ部材3を前記高密度部材から電位のある導体部分と絶縁させるためにこの電位部分を避けるようにして透孔3aを前記ポール1dにはめ込み、ポール1dの頂部を溶解して載置固着し、前記印刷配線コミュテータ部材3に前記空心電機コイル2とオーバーラップしない位置で旋回外周以内で、かつ、前記セグメントの裏側で反重心側に設けられた端末結線パターン3bに前記空心電機子コイルの端末2a‥‥を結線させるようにして偏心ロータRとして完成したものである。
ここで印刷配線コミュテータ部材3は、中央に軸挿入孔を設けるとともに平面からみて円形に形成され、片面(一面)に平板型コミュテータを構成する6個の貴金属で表面処理したセグメント3s‥が配され、これらのセグメントの内、対向するセグメント同士をショートする導体をスルーホール3c‥‥を介して裏面に形成してある。
【0012】
図6に示すものは、上記のような偏心ロータの変形例で、さらに遠心力を大にするためにタングステン合金の混合量を増した比重10ないし12の高密度樹脂でロータベース11を構成したもので、このようにすると、樹脂自体で摺動させるのは、度摩擦係数が増大して軸の摩耗、摺動ロスの問題が生ずるので、拡大した軸受装着孔11aにスリーブ型焼結含油軸受12をはめ込んで偏心ロータR1にしたものである。
【0013】
上記偏心ロータを製造する方法をまとめると、次のような工程になる。
(1) 空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを成形する。
(2) その後、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配置してこのガイドの頂部を溶解したり、接着して固定する。
(3) その後、印刷配線コミュテータ部材を前記ポールにはめ込み、ポールの頂部を潰すことにより固定して前記高密度部材から電位のある導体部分を絶縁させるようにする。
(4) 前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させることによって偏心ロータとして完成させる。
なお、スリーブ型含油軸受を使用する場合は、この工程を入れる必要がある。
【0014】
このようにした偏心ロータRを扁平コアレス振動モータにするには、図7に示すようなものとなる。すなわち、偏心ロータRは、ケース4とブラケット5からなるハウジングHに格納され、前記ブラケット5の中央に固定された軸Jに、前記軸受け孔1aを介して回転自在に装着し、前記ブラケット5に配され、前記印刷配線コミュテータ部材に摺接させたブラシ6によって電力を供給され、空隙を介して扁平なマグネット7によって駆動されるのである。前記軸受孔1aは、内部が数ミクロンの中逃げcとなっていて軸受け損失を少なくさせている。この中逃げcを形成する手段は図3に示すように樹脂製軸受ホルダ2aの中間部分の厚みがあつくなっているので、樹脂の収縮率の差を利用して容易にできる。また数ミクロンの中逃げのため金型ピンで無理抜きすることでもできる。
図中、8は前記ブラシ6を植設して外方から電力を供給する0.1mm厚のエポキシ基板からなるブラシベースである。
【0015】
この発明は、その技術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施の形態は単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には拘束されない。
【0016】
【発明の効果】
この発明による扁平ロータは、超小型ながらも半径方向への重心の移動を確保して望む振動量を得ることができ、金属を含む高密度部材を使用しながらも空心電機子コイルや印刷配線コミュテータと樹脂との絶縁を確保でき、空心電機子コイルが容易に取り付けでき、端末の処理も断線問題が出ないように製造でき、超小型化された扁平振動モータを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の 印刷配線コミュテータ部材を備えた偏心ロータの実施の形態として同偏心ロータを構成するロータベースの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】同ロータベースに空心電機子コイルを取り付けた状態の平面図である。
【図4】同偏心ロータ完成状態の平面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】同偏心ロータの変形例の平面図である。
【図7】図4の偏心ロータをB−B線で切断した扁平型コアレス振動モータの縦断面図である。
【図8】従来の振動モータの斜視図である。
【符号の説明】
1、11 ロータベース
1a 軸受孔、1b 軸受ホルダ、1c 空心電機子コイル位置決めガイド
1d ポール、1e 銀杏葉型ウエイト部、1f 空心電機子コイル端末導出溝
2 空心電機子コイル
3 印刷配線コミュテータ部材
3b 端末結線パターン
4 ケース
5 ブラケット
6 ブラシ
7 マグネット
J 軸
H ハウジング
【産業上の利用分野】
この発明は、移動体通信装置のサイレントコール手段用振動モータ用として高密度部材を備えた偏心ロータの改良と同ロータを用いる扁平コアレス振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ページャや携帯電話機等の移動体通信装置のサイレントコール手段として図8に示すように円筒直流モータMの出力軸Sにタングステン合金製の偏心ウエイトWを配し、回転時にこの偏心ウエイトWの遠心力を利用して振動を発生させるようにしたものが知られている。
【0003】
ところが、上記従来の出力軸Sに偏心ウエイトWを付加するものでは、ページャなどの機器側において、この偏心ウエイトWの旋回空間を配慮しなくてはならないなど、設計的な制約があり、高価なタングステン合金を使用するためコスト的にも問題があった。
【0004】
このため、本出願人は先に出力軸をなくして内蔵するロータ自体を偏心させたものとして、扁平型では特公平8−10972号(USP5,036,239号、カナダ2,017,395号)を、また円筒コアレス型振動モータでは特願平2−309070号(米国特許5107155号)として提案している。
これらのモータは、出力軸、偏心ウエイトがないので、設計的な制約を受けず、使い勝手がよいし、旋回時の危険性がないなど市場に好評をもって迎えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような内蔵型偏心ロータを備えた振動モータは出力軸が不要となるため軸をハウジングの固定したいわゆる軸固定型モータにすることができる。
このような軸固定型モータとして本出願人は、先に特公平6−81443号、特許2872623号を提案している。
これらは、極めて細いコアレス巻線を有するので、取り扱いに細心の注意が必要であって、従来はいずれも成形加工が必要であるので、部品点数や加工工数が増加してしまう問題が包合されている。
また、最近においては、携帯機器の小型化志向に伴い、内蔵する振動モータも可及的に小型なものが要求され、扁平型では直径10mm以下のものが要求されている。このようなサイズでは、内蔵の空心電機子コイルを偏心させただけでは、重心の半径方向への移動がわずかとなって期待した振動量が得られない。
そこで、どうしてもタングステン合金を混合量を増加して高密度の樹脂を使用せざるを得ないが、今度はコミュテータと樹脂部分との導通性により電源に対して並列低い値の抵抗が入ることになり、消費電流の増大をまねく問題がある。
【0006】
この発明の第1の目的は、超小型ながらも半径方向への重心の移動大きくを確保して望む振動量を得ようとるものである。
この発明の第2の目的は、金属を含む高密度部材を使用しながらも空心電機子コイルや印刷配線コミュテータと樹脂との絶縁を確保して消費電流が犠牲にならないようにして振動モータに用いて好適な扁平ロータを提供するにある。
この発明の第3の目的は、超小型化された扁平振動モータを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の基本的な課題解決手段は、請求項1に示す発明のように空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを設け、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配し、印刷配線コミュテータ部材を電位のある導体部分を前記高密度部材から絶縁させるように添設し、前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させたものにすれば達成できる。
具体的な課題解決手段は請求項2、3に示す発明のように前記軸受ホルダと空心電機子コイル位置決めガイドはタングステン合金を含む密度6以上10以下で動摩擦係数0.5(1.5kg/cm2)以下の樹脂で形成し、この樹脂自体で軸承させるようにしたり、前記軸受ホルダと空心電機子コイル位置決めガイドはタングステン合金を含む密度8以上樹脂で形成し、中心に焼結含油軸受を配したもので達成できる。
また、請求項4、5に示す発明のように前記空心電機子コイル位置決めガイドは空心電機子コイルの内径を利用したもので旋回外周以内で前記空心電機子コイルの端末導出部があるものにするか、前記空心電機子コイル位置決めガイドは空心電機子コイルの外径を利用したもので、前記空心電機子コイルの端末導出溝が設けられているもので達成できる。
このような偏心ロータを製造するには、請求項6に示す発明のように空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを成形し、その後、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配し、その後、印刷配線コミュテータ部材を前記高密度部材から電位のある導体部分を絶縁させるように添設すると共に、前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させるようにしたもので達成できる。
そして、このような偏心ロータを振動モータにするには、請求項6に示す発明のように請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高密度部材を備えた扁平ロータを用いることにより振動発生機能を持たせたものにすればよい。
【0008】
上記請求項1に示す課題達成手段によれば、超小型でありながら重心の半径方向に移動量が大となって回転時に良好な振動が得られる。
請求項2に示す課題達成手段によれば、樹脂自体で軸受を兼ねることができる。請求項3に示す課題達成手段によれば、摩擦係数の大なる高密度部材でも摺動ロスの少ない偏心ロータができる。
請求項4、5に示す課題達成手段によれば、空心電機コイルの位置決めが容易にでき、その端末の処理についても断線問題が出ないようになる。
請求項6に示す課題解決手段によれば、超小型ながらも振動が大で断線問題が出ない偏心ロータを製造できる。
請求項7に示す課題解決手段によれば、超小型な扁平型振動モータを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す各実施の形態に基づき本発明の構成を説明する。
図1は本発明の印刷配線コミュテータ部材を備えた偏心ロータの実施の形態として同偏心ロータを構成するロータベースの平面図である。
図2は図1のA−A線断面図である。
図3は同ロータベースに空心電機子コイルを取り付けた状態の平面図である。
図4は同偏心ロータ完成状態の平面図である。
図5は図4のB−B線断面図である。
図6は同偏心ロータの変形例の断面図である。
図7は図4の偏心ロータをB−B線で切断した扁平型コアレス振動モータの縦断面図である。
【0010】
図1、図2において、1はタングステン合金をポリアミドにバインドした比重8で動摩擦係数が0.4程度(1.5kg/cm2)の摺動機能のある高密度樹脂からなるロータベースで、中心に軸受孔1aを有する軸受ホルダ1bとその外方に2個の空心電機子コイル位置決めガイド1c、1c及び後述の印刷配線コミュテータを載置する3個のポール1d‥‥を一括して射出成形することによって立ち上げ、前記2個の空心電機子コイル位置決めガイド1c、1cの周囲に後述の空心電機子コイルを載置できる面1eを有し、後述の空心電機子コイルを載置したとき、外径部の一部が位置決めされる銀杏葉型ウエイト部1fを有し、さらに、前記軸受ホルダ1bの外径部分が空心電機子コイルを載置する際位置を規制させるようになっている。
このように、空心電機子コイルの位置決めガイドは外径部を利用してもできるものである。
図中、1gは、前記軸受ホルダ1bの部分に配された空心電機子コイル端末導出溝、1hは、このロータベース1を後述の偏心ロータとして完成してモータに組み込んだ際、ハウジングの一部に摺接させるための土手部である。
なお、高密度部材は比重8から12程度まで選定でき、比重8程度以下では動摩擦係数0.4(1.5kg/cm2)程度が得られるので焼結含油軸受を使用しないで構成できる。
【0011】
このようにしたロータベース1の前記空心電機子コイル位置決めガイド1c‥‥に、図3に示すように空心電機子コイル2、2をはめ込み、前記空心電機子コイル位置決めガイド1c‥‥の頂部を溶解、あるいは先に前記空心電機子コイル載置面1eに接着剤を塗布し接着した後、図4、図5に示すように、印刷配線コミュテータ部材3を前記高密度部材から電位のある導体部分と絶縁させるためにこの電位部分を避けるようにして透孔3aを前記ポール1dにはめ込み、ポール1dの頂部を溶解して載置固着し、前記印刷配線コミュテータ部材3に前記空心電機コイル2とオーバーラップしない位置で旋回外周以内で、かつ、前記セグメントの裏側で反重心側に設けられた端末結線パターン3bに前記空心電機子コイルの端末2a‥‥を結線させるようにして偏心ロータRとして完成したものである。
ここで印刷配線コミュテータ部材3は、中央に軸挿入孔を設けるとともに平面からみて円形に形成され、片面(一面)に平板型コミュテータを構成する6個の貴金属で表面処理したセグメント3s‥が配され、これらのセグメントの内、対向するセグメント同士をショートする導体をスルーホール3c‥‥を介して裏面に形成してある。
【0012】
図6に示すものは、上記のような偏心ロータの変形例で、さらに遠心力を大にするためにタングステン合金の混合量を増した比重10ないし12の高密度樹脂でロータベース11を構成したもので、このようにすると、樹脂自体で摺動させるのは、度摩擦係数が増大して軸の摩耗、摺動ロスの問題が生ずるので、拡大した軸受装着孔11aにスリーブ型焼結含油軸受12をはめ込んで偏心ロータR1にしたものである。
【0013】
上記偏心ロータを製造する方法をまとめると、次のような工程になる。
(1) 空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを成形する。
(2) その後、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配置してこのガイドの頂部を溶解したり、接着して固定する。
(3) その後、印刷配線コミュテータ部材を前記ポールにはめ込み、ポールの頂部を潰すことにより固定して前記高密度部材から電位のある導体部分を絶縁させるようにする。
(4) 前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させることによって偏心ロータとして完成させる。
なお、スリーブ型含油軸受を使用する場合は、この工程を入れる必要がある。
【0014】
このようにした偏心ロータRを扁平コアレス振動モータにするには、図7に示すようなものとなる。すなわち、偏心ロータRは、ケース4とブラケット5からなるハウジングHに格納され、前記ブラケット5の中央に固定された軸Jに、前記軸受け孔1aを介して回転自在に装着し、前記ブラケット5に配され、前記印刷配線コミュテータ部材に摺接させたブラシ6によって電力を供給され、空隙を介して扁平なマグネット7によって駆動されるのである。前記軸受孔1aは、内部が数ミクロンの中逃げcとなっていて軸受け損失を少なくさせている。この中逃げcを形成する手段は図3に示すように樹脂製軸受ホルダ2aの中間部分の厚みがあつくなっているので、樹脂の収縮率の差を利用して容易にできる。また数ミクロンの中逃げのため金型ピンで無理抜きすることでもできる。
図中、8は前記ブラシ6を植設して外方から電力を供給する0.1mm厚のエポキシ基板からなるブラシベースである。
【0015】
この発明は、その技術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施の形態は単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には拘束されない。
【0016】
【発明の効果】
この発明による扁平ロータは、超小型ながらも半径方向への重心の移動を確保して望む振動量を得ることができ、金属を含む高密度部材を使用しながらも空心電機子コイルや印刷配線コミュテータと樹脂との絶縁を確保でき、空心電機子コイルが容易に取り付けでき、端末の処理も断線問題が出ないように製造でき、超小型化された扁平振動モータを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の 印刷配線コミュテータ部材を備えた偏心ロータの実施の形態として同偏心ロータを構成するロータベースの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】同ロータベースに空心電機子コイルを取り付けた状態の平面図である。
【図4】同偏心ロータ完成状態の平面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】同偏心ロータの変形例の平面図である。
【図7】図4の偏心ロータをB−B線で切断した扁平型コアレス振動モータの縦断面図である。
【図8】従来の振動モータの斜視図である。
【符号の説明】
1、11 ロータベース
1a 軸受孔、1b 軸受ホルダ、1c 空心電機子コイル位置決めガイド
1d ポール、1e 銀杏葉型ウエイト部、1f 空心電機子コイル端末導出溝
2 空心電機子コイル
3 印刷配線コミュテータ部材
3b 端末結線パターン
4 ケース
5 ブラケット
6 ブラシ
7 マグネット
J 軸
H ハウジング
Claims (7)
- 空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを設け、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配し、印刷配線コミュテータ部材を前記高密度部材から電位のある導体部分を絶縁させるように添設し、前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させた高密度部材を備えた偏心ロータ。
- 前記軸受ホルダと空心電機子コイル位置決めガイドはタングステン合金を含む密度6以上10以下で動摩擦係数0.5(1.5kg/cm2)以下の樹脂で形成し、この樹脂自体で軸承させるようにした請求項1に記載の高密度部材を備えた偏心ロータ。
- 前記軸受ホルダと空心電機子コイル位置決めガイドはタングステン合金を含む密度8以上樹脂で形成し、中心に焼結含油軸受を配した請求項1に記載の高密度部材を備えた扁平ロータ。
- 前記空心電機子コイル位置決めガイドは空心電機子コイルの内径を利用したもので、旋回外周以内で前記空心電機子コイルの端末導出部がある請求項1に記載の高密度部材を備えた偏心ロータ。
- 前記空心電機子コイル位置決めガイドは空心電機子コイルの外径を利用したもので、旋回外周以内で前記空心電機子コイルの端末導出部が設けられている請求項3に記載の高密度部材を備えた偏心ロータ。
- 空心コイル電機子載置面を有し、中心に軸受ホルダを設けると共に、この軸受ホルダの外方に空心電機子コイル位置決め用ガイドを比重6以上の金属を含む高密度部材で偏心させるようにロータベースを成形し、その後、前記空心電機子コイル位置決め用ガイドに空心電機子コイルを配し、その後、印刷配線コミュテータ部材を電位のある導体部分を前記高密度部材から絶縁させるように添設すると共に、前記印刷配線コミュテータ部材に前記空心電機コイルとオーバーラップしない位置で旋回外周以内に設けた端末結線パターンに前記空心電機子コイルの端末を結線させるようにした偏心ロータの製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高密度部材を備えた偏心ロータを用いることにより振動発生機能を持たせた扁平コアレス振動モータ。
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