JP3571805B2 - プラズマディスプレイパネルの温度補償方法及び装置並びにこれを用いたプラズマディスプレイ表示装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの温度補償方法及び装置並びにこれを用いたプラズマディスプレイ表示装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの温度補償方法及び装置、プラズマディスプレイパネルの加熱防止方法及び装置並びにこれらを用いたプラズマディスプレイ表示装置に関し、より詳細には、プラズマディスプレイパネル及びその周辺装置の温度変動による表示状態の変動を補償するプラズマディスプレイパネルの温度補償方法及び装置、プラズマディスプレイパネルの加熱防止方法及び装置並びにこれらを用いたプラズマディスプレイ表示装置に関する。
【0002】
近年、コンピュータディスプレイ、テレビ等においては、表示すべき情報の多様化、大画面化及び高精彩化が著しい。従って、これらに用いられるプラズマディスプレイパネル、LCD(Liquid Crystal Display)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管、発光ダイオード等の表示装置においてもこれらの傾向に対応すべく、表示品質の向上が求められている。
【0003】
上記の各表示装置のうち、プラズマディスプレイパネルは、ちらつきがない、大画面化が容易、輝度が高い、長寿命等の特徴を有することから、最近特に盛んに開発が行われている。
【0004】
プラズマディスプレイパネルには、大別して、表示面を構成する複数の発光セルのうち、発光させるべきセルを選択するため選択放電(アドレス放電)及び選択された発光セルにおける発光を維持させるための維持放電を二つ電極を用いて行う2電極型プラズマディスプレイパネルと、アドレス放電を第3の電極を用いて行い、維持放電は先の二つの電極を用いて行う3電極型プラズマディスプレイパネルがある。
【0005】
一方、カラー表示が可能なプラズマディスプレイパネルも最近開発が進んでいるが、このようなプラズマディスプレイパネルのうち、階調表現が可能なプラズマディスプレイパネルでは、上記の電極間で生じる放電により発生する紫外線によって、各発光セル内に形成された光の3原色の内の一の色に対応する発光色を有する蛍光体を励起することにより発光を得ているが、この蛍光体は放電により紫外線と同時に生じる正電荷であるイオンが衝突することによる衝撃に弱いという欠点がある。上記の2電極型プラズマディスプレイパネルでは、蛍光体に対して直接イオンが衝突する構造となっているため、蛍光体の寿命を短くしたしまう欠点がある。そこで、今日では、蛍光体に対して放電によるイオンが衝突しない構造を有する面放電型の3電極プラズマディスプレイパネルが一般化しつつある。
【0006】
上述の面放電型3電極プラズマディスプレイパネルの種類としては、アドレス放電を行うための第3の電極を、維持放電を行うための第1及び第2の電極が配置されている基板上に配置するものと、当該第3の電極を第1及び第2の電極が配置されている基板に対向する他の基板に配置するものとがある。また、同一の基板に上記の第1乃至第3の電極を有するプラズマディスプレイパネルの中でも、維持放電を行う二つの電極の上に第3の電極を配置する場合と、当該二つの電極の下に第3の電極を配置する場合とがある。更に、蛍光体から発せられる光(可視光)をその蛍光体を透過させて外部に発光させる透過型プラズマディスプレイパネルと、当該発光を蛍光体からの反射光として外部に導く反射型プラズマディスプレイパネルがある。
【0007】
ここで、放電を行う発光セルは、障壁(リブ又はバリアともいう。)によって隣接する発光セルと空間的な結合が断ち切られている。この障壁構造によりプラズマディスプレイパネルを分類すると、当該障壁が発光セルを囲むように四方に設けられ、発光セル内に発光に供されるガスを完全に密封するようになっている場合と、一方向のみに設けられ、当該一方向と直交する方向は各電極間のギャップ(距離)を適性化することにより隣接発光セル間の結合が断ち切られている場合がある。
【0008】
【従来の技術】
ここで、上記の3電極型プラズマディスプレイパネルのうち、従来一般的に用いられている面放電型3電極AC(交流)型プラズマディスプレイパネルについて、図10乃至図14を用いて説明する。以下の説明では、維持放電を行う二つの電極が平行に配置されている基板に対向する基板に、アドレス放電を行うための第3の電極が、上記二つの電極に垂直な方向に配置されており、更に、上記の障壁が維持放電を行う第1及び第2の電極に垂直で、アドレス放電を行う第3の電極に平行な方向にのみ配置され、第1及び第2の電極の一部が透明電極で構成されている反射型面放電3電極AC型プラズマディスプレイパネル(以下、単にPDP(Plasma Display Panel)という。)について説明する。
【0009】
始めに、図10乃至図12を用いて、従来のPDPについてその概略構造を説明する。
先ず図10に従来のPDP100の平面図を示す。
【0010】
図10において、PDP100は、アドレス放電を行うためのアドレス電極A乃至Aと、維持放電を行うためのX電極X乃至X及びY電極Y乃至Yを備えている。ここで、X電極X乃至Xはそれぞれ共通電極に接続され、Y電極Y乃至Yはそれぞれに独立とされている。また、発光セルCには、光の3原色に対応するそれぞれの色(赤(以下、Rという。)、緑(以下、Gという。)及び青(以下、Bという。))のうちいずれか一色に対応する蛍光体が塗布されており、Y電極Y乃至Yに平行な方向が障壁Bにより区切られている。更に、隣接する二つの障壁B内は、同じ色の蛍光体が塗布され、PDP100全体として、R、G、Bの順にストライプ状の蛍光体を備えている。
【0011】
ここで、発光セルCのアドレス電極A乃至A方向の分割は、隣接する発光セルC間のX電極とY電極(例えば、X電極XとY電極Y)間のギャップ(距離)を適性化することにより隣接する発光セルC同士の結合が遮断されている。
【0012】
上述の構成を有するPDP100においては、アドレス放電はアドレス電極A乃至AとY電極Y乃至Yの間で行われ、維持放電はそれぞれ対応して隣接するX電極X乃至XとY電極Y乃至Y(X電極XとY電極Y、X電極XとY電極Y、以下同様)の間で行われる。
【0013】
次に、図11に基づいてPDP100の断面構成について説明する。なお、図11においては、図11(a)が第10図におけるα−α’断面の一部(アドレス電極A乃至Aに係る部分)を示し、図11(b)が第10図におけるβ−β’断面の一部(Y電極Y、X電極X及びY電極Yに係る部分)を示している。
【0014】
図11に示すように、PDP100は反射型PDPであり、アドレス電極A乃至A、維持電極としてのX電極X乃至X及びY電極Y乃至Y、発光セルC並びに障壁Bは、背面ガラス基板101と前面ガラス基板106の間に形成されており、図11(a)に示すように、背面側から、PDP100本体としての背面ガラス基板101と、アドレス電極A乃至Aと、各発光セルCを区分する障壁Bと、各アドレス電極A乃至Aを覆うように形成されると共に、各発光セルCの対応する発光色(R、G又はB)を有し、アドレス放電及び維持放電により放出される紫外線により励起されて発光する蛍光体Fと、放電面をアドレス放電及び維持放電により放出される正イオンから保護する保護層としてのMgO層102と、各X電極及び各Y電極間を絶縁すると共に、放電面を形成するガラス等の誘電体層103と、X電極X乃至Xと、Y電極Y乃至Yと、表示面を構成する前面ガラス基板106と、により構成されている。ここで、障壁Bの頂部と、MgO層102が密着するように背面ガラス基板101と前面ガラス基板106が配置されている。
【0015】
また、図11(b)に示すように、X電極X乃至X及びY電極Y乃至Yは、それぞれ透明電極104と、バス電極105とにより構成されている。ここで、透明電極104は、蛍光体Fからの発光を透過するためにITO(Indium Titanium Oxide 、酸化インジュームを主成分とする透明の導体膜)により形成され、バス電極105は、電気抵抗による電圧降下を防止するために低抵抗のCu(銅)やCr(クロム)により形成されている。
【0016】
上述の構成において、蛍光体Fからの発光は、反射光として透明電極105及び前面ガラス基板106を透過して表示面から放出される。
ここで、従来技術のPDP100を用いて表示を行うための表示データにおいては、表示すべきデータにおける1フレームが複数のサブフレーム(画面)で構成され、当該サブフレームは、それぞれ、リセット期間、アドレス期間及び維持放電期間に時分割されている。
【0017】
このうち、リセット期間は、PDP100の全ての発光セルCをリセットして不要な帯電を除去するための期間である。
また、アドレス期間は、表示すべきデータに基づいて、発光させるべき発光セルCに対応するアドレス電極A乃至A及びY電極Yに対してアドレスラインに沿ってアドレスパルス及びスキャンパルスを印加することにより、アドレス放電(選択放電、図11(b)参照)を発生させる期間である。
【0018】
更に、維持放電期間は、X電極X乃至X及びY電極Y乃至Yに対して、アドレス放電により発光させた発光セルCを更に発光させるべく維持パルスが印加される期間である。このとき、当該維持パルスにより図11(b)に示す維持放電が生じ、当該発光セルCが発光することとなる。ここで、維持パルスが多いほど当該発光セルにおける輝度が高い(明るい)こととなる。
【0019】
次に、図12を用いて、PDP100を備えた従来技術のプラズマディスプレイ表示装置の構成について説明する。
図12に示すプラズマディスプレイ表示装置200において、アドレス電極A乃至Aは1本毎にアドレスドライバ111に接続され、そのアドレスドライバ111によってアドレス放電時のアドレスパルスPAW等が印加される。また、Y電極Y乃至Yは個別にYスキャンドライバ113に接続される。Yスキャンドライバ113はY共通ドライバ114に接続されており、アドレス放電時のスキャンパルスPAYはYスキャンドライバ113から発生し、維持放電期間における維持パルスPYS等はY共通ドライバ114で発生し、Yスキャンドライバ113を経由してY電極Y乃至Yに印加される。一方、X電極X乃至XはPDP100の全表示ラインに渡って共通に接続され取り出される。
【0020】
X共通ドライバ112は、リセット期間における書き込みパルスPXW、維持放電期間における維持パルスPXS等を発生する。これらのドライバは、制御回路110によって制御される。
【0021】
制御回路110は、表示データDATAの1フレーム分のデータを記憶するフレームメモリ130を備えた表示データ制御部120及び各ドライバを制御するスキャンドライバ制御部140及び共通ドライバ制御部141を備えたパネル駆動部制御部121により構成されており、外部より入力されるドットクロックCLK、同期信号HSYNC、VSYNC及び表示データDATAに基づき、各ドライバを制御する制御信号を出力する。
【0022】
次に、図13に示すタイミングチャート及び図12に基づいて、一の上記サブフレームに相当するサブフレーム期間におけるプラズマディスプレイ表示装置200の動作について説明する。なお、図13は、一のサブフレーム期間における各パルスの発生タイミングを示している。
【0023】
図13に示すように、始めにリセット期間(全面書き込み期間と自己消去期間によりなる)において、全てのY電極Y乃至Yが0Vレベルとされ、更に、全てのX電極X乃至Xに対して書込パルスPXW(約330V、10μsec)が印加される。この書込パルスPXWに同期して、全てのアドレス電極A乃至Aに対して書込パルスPAWが印加される。この書込パルスPXW及びPAWにより全てのX電極X乃至X及びアドレス電極A乃至A間(全ての発光セルC)において、それ以前の表示状態に拘らず放電が行われる。そして、書込パルスPXW及びPAWによる放電の後、全てのX電極X乃至X及びアドレス電極A乃至Aが0Vレベルとなり、全ての発光セルCにおいて壁電荷自体の電圧が放電開始電圧を越えて放電が開始される。この放電においては、各電極間の電位差がないため壁電荷が形成されることはなく、空間電荷が自己中和して終了する、いわゆる自己消却放電となる。このとき、X電極X乃至Xにおける書込パルスPXWの印加終了から次のアドレス期間におけるX電極X乃至Xへの電圧の印加までの期間を自己消去期間TSEとする。
【0024】
この自己消却放電によって、全ての発光セルCが壁電荷のない均一な電位状態となり、リセットが行われる。このリセット期間においては、一つ前のサブフレーム期間における点灯状態に拘らず全ての発光セルCが同じ電位状態となるので、リセット期間の次のアドレス期間におけるアドレス放電を安定に行うことができる。
【0025】
次に、アドレス期間においては、サブフレームデータに基づいて発光させるべき発光セルCを選択するためのアドレス放電が行われる。このアドレス放電は、発光セル指定放電としてのプライミングアドレス放電と壁電荷蓄積放電としての主アドレス放電に分けられる。
【0026】
すなわち、プライミングアドレス放電は、発光させるべき発光セルCに該当するアドレス電極に対しアドレスパルスPAAが印加され、これと並行して、発光させるべき発光セルCに該当するY電極に対して、Y電極Yから順に時分割的に(アドレスラインに沿って)スキャンパルスPAYが印加され、このアドレスパルスPAAとスキャンパルスPAYとにより行われる。
【0027】
このとき、一のアドレスパルスPAAのタイミングにおいては、図13に示すタイミングチャートが対応するサブフレームに対応するサブフレームデータで指定される発光セルCに対応するアドレス電極全てに対してアドレスパルスPAAが印加される。これにより一のY電極に対応する発光セルCのうち、必要な発光セルCにおいて同時にプライミングアドレス放電が発生する。その後、この動作が各Y電極に印加されるスキャンパルスPAYのタイミングで当該Y電極に対応する発光セルCにおいて繰返される。
【0028】
プライミングアドレス放電及び主アドレス放電についてより具体的に説明すると、先ず、該当するY電極(例えば、Y電極Y)に−VYレベル(約−150V)のスキャンパルスPAYが印加され、これと同時にアドレス電極A乃至Aのうち、発光させる発光セルCに対応するアドレス電極に電圧V(約50V)のアドレスパルスPAAが印加される。このとき、全てのX電極X乃至Xは所定のXアドレス電圧(図13中Vで示す。)に維持されている。そして、当該Y電極Yとアドレス電極Aの間でプライミングアドレス放電が発生し、これをプライミング(種火)として対応するX電極XとY電極Yとの間で壁電荷蓄積放電としての主アドレス放電が発生する。このプライミングアドレス放電及び主アドレス放電により、発光させるべき発光セルCに対応するX電極とY電極(X電極XとY電極Y)を覆うMgO膜102(図11符号102参照)上に次の維持放電期間における維持放電が可能な量の壁電荷が蓄積される。
【0029】
上述のアドレス放電が、アドレスパルスPAYのタイミングで順次全てのY電極に対して発生し、サブフレームデータに対応する発光セルCへのデータ書込が行われる。
【0030】
最後に、維持放電期間においては、アドレス期間において指定された発光セルCを更に発光させるべく、全てのX電極及びY電極に対して交互に維持パルスPXS及びPYS(約180V)が印加され、当該指定された(壁電荷が蓄積された)発光セルCにおいて閾値を越えて維持放電が行われ、当該サブフレームデータに対応する輝度の画像表示が行われる。ここで、上述のように、維持パルスPXS及びPYSの数が多いほど当該サブフレーム期間における発光輝度が高くなる。
【0031】
次に、上述のPDP100を含むプラズマディスプレイ表示装置200において多階調表現をする場合について、256階調の階調表現をする場合を例として説明する。
【0032】
256階調の階調表現をする場合には、図14に示すように、表示データDATAにおける一のフレームは、8つのサブフレーム(SF1乃至SF8)に時分割される。そして、各サブフレームは、それぞれにリセット期間、アドレス期間及び維持放電期間を備えており、リセット期間とアドレス期間は、それぞれ同一の長さとなる。また、維持放電期間の長さは1:2:4:8:16:32:64:128の比率となる。従って、点灯させるサブフィールドを選択することで、0から255までの256階調の輝度の違いを表示できる。
【0033】
より具体的には、そして、例えば、7/256階調を表現する場合には、7(階調)=1(階調)+2(階調)+4(階調)であるので、サブフレーム1乃至サブフレーム3に相当する時間のみ発光するように設定され、他のサブフレームにおいては発光が行われない。また、例えば、20/256階調を表現する場合には、同様に、20(階調)=16(階調)+4(階調)であるので、サブフレーム3及びサブフレーム5に相当する時間のみ発光するように設定される。そして、各サブフレームにおいては、維持放電期間の長短、つまり、維持パルスの数によって、当該サブフレームに対応する輝度が決定される。
【0034】
また、一のフレームにおける実際の時間配分の一例は以下のようになる。
例えば、画面の書き換えを60Hzとすると、1フレームは16.6ms(1/60Hz)となる。1フレーム内の維持放電サイクル(サステインサイクルともいう。)の回数を510回とすると、各サブフレームの維持放電サイクルの回数は、SF1が2サイクル、SF2が4サイクル、SF3が8サイクル、SF4が16サイクル、SF5が32サイクル、SF6が64サイクル、SF7が128サイクル、SF8が256サイクルとなる。サステインサイクルの時間を8μsとすると、1フレームでの合計は、4.08msとなる。残りの約12msの中に8回のリセット期間とアドレス期間が割り当てられる。ここで、各サブフィールドのリセット期間は50μsである。さらに、アドレスサイクル(1ライン当たりのスキャン)に必要な時間は3μsであるから、垂直方向に480ライン表示ライン(Y電極)を持つPDP100の場合には、1.44ms(3×480)の時間を必要とする。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述PDP100を動作させる場合には、動作自体が高電圧下のガス放電により実行されることから、動作を継続するに伴い、PDP100及びこれを動作させる各ドライバにおいて、温度上昇による以下に示す種々の問題点が生じていた。
【0036】
先ず第1の問題点として、温度上昇によるPDP100自体の放電特性の変化および各ドライバを構成する駆動素子(FET(Field Effect Transistor )等)の温度に対するオン抵抗の変化等により、温度が上昇するに従って、発光セルCに対する印加電圧、維持パルス数等が変化していないにも拘らずPDP100の輝度が低下するという問題点があった。
【0037】
この問題点についてより詳細に説明すると、PDP100の表面温度と輝度の関係は、図15(a)に示すように変化し、また、駆動素子と輝度の関係は図15(b)に示すように変化して、双方ともに温度上昇にしたがって輝度が低下するのである。
【0038】
次に第2の問題点として、スキャンパルスPAY(図13符号PAY参照)の電圧Vの印加できる許容範囲(以下、駆動電圧マージンという。)が、PDP100の温度上昇にともなって変化してしまうという問題点があった。
【0039】
より具体的には、アドレス期間において、全ての選択した発光セルCが正常にアドレス放電を行うために最低限必要なスキャンパルスPAYの電圧Vを最小アドレス電圧Vyminとすると、最小アドレス電圧Vyminは、図16に示すように、PDP100の温度が上昇するに従って高くなる。一方、選択されていない発光セルCが誤って点灯してしまう現象をオーバーライトというが、全ての非選択発光セルCがオーバーライトしない最大のスキャンパルスPAYの電圧Vをオーバライト電圧OWVymaxとするとオーバライト電圧OWVymaxもまた、図16に示すように、PDP100の温度が上昇するに従って高くなるのである。
【0040】
このとき、図17(a)に示すように、V設定可能範囲が十分に広い場合は多少の温度変動が存在してもV設定値は設定可能範囲内にあるので、表示品質上何ら問題はないが、図17(b)に示すようにV設定可能範囲が狭い場合は、高温時は書き込みが不良が、低温時にはオーバライトが発生し、表示品質上大きな欠陥となるのである。
【0041】
更に第3の問題点として、PDP100の駆動において、発光させるべき発光セルCに対してアドレス放電を行い次に維持放電を行う際、アドレス放電によって形成された壁電荷の量が必要以上に多い場合、正常な維持放電が行えないという問題点があった。この場合には、選択された発光セルCが点滅するという不具合が発生する。この不具合は、アドレス期間におけるアドレス放電が必要以上に強いことにより、アドレス放電によって形成された壁電荷の量が必要以上に多い場合、本来X電極X乃至XとY電極Y乃至Yで行うべき維持放電を、アドレス電極A乃至AとY電極Y乃至Yで行ってしまう現象である。
【0042】
この問題点は、アドレス放電を行う各電極の電圧値には依存せず、蛍光体Fの種類やPDP100の温度に大きく依存することが判明している。
図18に過剰アドレス放電による点滅不良発光セルCの比率とPDP100の温度との関係を示す。図18に示すように、PDP100の温度が低くなるほど不具合が発生する発光セルの数が増加することがわかる。
最後に第4の問題点として、PDP100を動作させる周囲の環境温度が異常に高い場合、あるいは、予期せぬ不具合が発生した場合には、PDP100またはその駆動手段の温度が異常に上昇し、回路部品の温度定格を超過する危険があり、この時この回路素子は部品破壊へ至る可能性があるという問題点があった。
【0043】
そこで、本発明は、上記の第1から第3の各問題点に鑑みて成されたもので、その目的は、駆動によるPDP100又はドライバの温度が上昇した場合でも、その表示特性に影響を与えないように当該温度上昇を補償することが可能なプラズマディスプレイパネルの温度補償方法及び装置並びにこれらを用いたプラズマディスプレイ表示装置を提供することにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】
第1の問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、前記検出した温度に基づき、温度の上昇に伴って生じる前記プラズマディスプレイパネルの輝度低下が補正されるよう該輝度を制御する輝度制御工程と、を備えて構成される。
【0045】
更に、第1の問題点を解決するために、請求項2に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルを駆動するために維持パルスを印加する共通ドライバの温度を検出する検出工程と、前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する輝度制御工程と、を備えて構成される。
【0046】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償方法において、前記輝度制御工程は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルスの数を制御するように構成される。
【0047】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償方法において、前記輝度制御工程は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルス電圧を制御するように構成される。
【0048】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償方法において、前記輝度制御工程は、前記プラズマディスプレイパネルにより表示されるべき表示データに含まれる階調値データを制御するように構成される。
【0049】
第2の問題点を解決するために、請求項6に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における発光セル指定放電において、前記発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧を制御する電圧制御工程と、を備えて構成される。
【0050】
更に、第2の問題点を解決するために、請求項7に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における電荷蓄積放電において前記プラズマディスプレイパネルの電極に印加される印加電圧を制御する電圧制御工程と、を備えて構成される。
【0051】
更にまた、第2の問題点を解決するために、請求項8に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する発光セルを初期化するための初期化駆動信号の信号波形を制御する信号制御工程と、を備えて構成される。
【0052】
第3の問題点を解決するために、請求項9に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス期間における駆動信号に対して、過剰な壁電荷を中和するための中和信号を付加するように制御する信号制御工程と、を備えて構成される。
【0053】
更に第3に問題点を解決するために、請求項10に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルにおいて過剰な壁電荷により異常な維持放電が発生する所定の低温時であるとき、当該プラズマディスプレイパネルを加熱する加熱工程と、を備えて構成される。
【0060】
第1の問題点を解決するために、請求項11に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する熱電対等の検出手段と、前記検出信号に基づき、温度の上昇に伴って生じる前記プラズマディスプレイパネルの輝度低下が補正されるよう該輝度を制御するマイクロコンピュータ等の輝度制御手段と、を備えて構成される。
【0061】
更に第1の問題点を解決するために、請求項12に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルを駆動するために維持パルスを印加する共通ドライバの温度を検出し、検出信号を出力する熱電対等の検出手段と、前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルの輝度を制御するマイクロコンピュータ等の輝度制御手段と、を備えて構成される。
【0062】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置において、前記輝度制御手段は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルスの数を制御するように構成される。
【0063】
請求項14に記載の発明は、請求項11又は12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置において、前記輝度制御手段は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルス電圧を制御するように構成される。
【0064】
請求項15に記載の発明は、請求項11又は12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置において、前記輝度制御手段は、前記プラズマディスプレイパネルにより表示されるべき表示データに含まれる階調値データを制御するように構成される。
【0065】
第2の問題点を解決するために、請求項16に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する熱電対等の検出手段と、前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における発光セル指定放電において、前記発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧を制御するマイクロコンピュータ等の電圧制御手段と、を備えて構成されている。
【0066】
更に、第2の問題点を解決するために、請求項17に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する熱電対等の検出手段と、前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における電荷蓄積放電において前記プラズマディスプレイパネルの電極に印加される印加電圧を制御するマイクロコンピュータ等の電圧制御手段と、を備えて構成される。
【0067】
更にまた、第2の問題点を解決するために、請求項18に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する熱電対等の検出手段と、前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する発光セルを初期化するための初期化駆動信号の信号波形を制御するマイクロコンピュータ等の信号制御手段と、を備えて構成される。
【0068】
第3の問題点を解決するために、請求項19に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する熱電対等の検出手段と、前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス期間における駆動信号に対して、過剰な壁電荷を中和するための中和信号を付加するように制御するマイクロコンピュータ等の信号制御手段と、を備えて構成される。
【0069】
更に、第3の問題点を解決するために、請求項20に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する熱電対等の検出手段と、前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルにおいて過剰な壁電荷により異常な維持放電が発生する所定の低温時であるとき、当該プラズマディスプレイパネルを加熱するヒータ等の加熱手段と、を備えて構成される。
【0070】
また、請求項21に記載の発明は、請求項11乃至20のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置と、外部から入力される表示データに基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動手段を制御する表示データ制御部等の制御手段と、前記制御手段の制御のもと、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するドライバ等の前記駆動手段と、前記駆動手段により駆動され、前記表示を行う前記プラズマディスプレイパネルと、を備えて構成される。
【0078】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、検出工程において、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する。
【0079】
そして、輝度制御工程において、検出したプラズマディスプレイパネルの温度に基づき、温度の上昇に伴って生じるプラズマディスプレイパネルの輝度低下が補正されるように該輝度を制御する。
よって、プラズマディスプレイパネルの温度の上昇による輝度の変化を補償することができる。
【0080】
請求項2に記載の発明によれば、検出工程において、プラズマディスプレイパネルを駆動するために維持パルスを印加する共通ドライバの温度を検出する。
そして、輝度制御工程において、検出した共通ドライバの温度に基づき、プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する。
【0081】
よって、共通ドライバの温度の変化(特に温度の上昇)による輝度の変化を補償することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2のいずれかに記載の発明の作用に加えて、輝度制御工程において、維持放電パルスの数を制御することにより当該プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する。
【0082】
よって、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2のいずれかに記載の発明の作用に加えて、輝度制御工程において、維持放電パルス電圧を制御することにより当該プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する。
【0083】
よって、簡易な回路構成でプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2のいずれかに記載の発明の作用に加えて、輝度制御工程において、表示されるべき表示データに含まれる階調値データを制御することにより当該プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する。
【0084】
よって、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
請求項6に記載の発明によれば、検出工程において、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する。
【0085】
そして、検出したプラズマディスプレイパネルの温度に基づき、電圧制御工程において、アドレス放電における発光セル指定放電において発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧を制御する。
【0086】
よって、当該印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度により変動した場合でも、当該変動に対応して、印加パルス電圧を変化させることにより、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0087】
請求項7に記載の発明によれば、検出工程において、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する。
そして、電圧制御工程において、検出したプラズマディスプレイパネルの温度に基づき、アドレス放電における壁電荷蓄積放電において電圧が印加されるプラズマディスプレイパネルの電極に対する印加電圧を制御する。
【0088】
よって、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度の変化(特に温度の上昇)により変動した場合でも、当該変動を、アドレス放電における壁電荷蓄積放電において電圧が印加されるプラズマディスプレイパネルの電極に対する印加電圧を制御することにより解消することができるので、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0089】
請求項8に記載の発明によれば、検出工程において、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する。
そして、信号制御工程において、検出したプラズマディスプレイパネルの温度に基づき、プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、プラズマディスプレイパネルを構成する発光セルを初期化するための初期化駆動信号の信号波形を制御する。
【0090】
よって、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度の変化(特に温度の上昇)により変動した場合でも、当該変動を、初期化駆動信号の信号波形を制御することにより解消することができるので、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0091】
請求項9に記載の発明によれば、検出工程において、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する。
そして、信号制御工程において、検出したプラズマディスプレイパネルの温度に基づき、アドレス期間における駆動信号に対して、過剰な壁電荷を中和するための中和信号を付加するように制御する。
【0092】
よって、過剰な壁電荷により、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電において異常な維持放電が行われることを防止することができる。
請求項10に記載の発明によれば、検出工程において、プラズマディスプレイパネルの温度を検出する。
【0093】
そして、加熱工程において、検出したプラズマディスプレイパネルの温度に基づき、プラズマディスプレイパネルが所定の低温時であるとき、当該プラズマディスプレイパネルを加熱する。
【0094】
よって、過剰な壁電荷により、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電において異常な維持放電が行われることを低減することができる
【0107】
請求項11に記載の発明によれば、検出手段は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する。
そして、輝度制御手段は、検出信号に基づき、温度の上昇に伴って生じるプラズマディスプレイパネルの輝度低下が補正されるように該輝度を制御する。
【0108】
よって、プラズマディスプレイパネルの温度の上昇による輝度の変化を補償することができる。
請求項12に記載の発明によれば、検出手段は、プラズマディスプレイパネルを駆動するために維持パルスを印加する共通ドライバの温度を検出し、検出信号を出力する。
【0109】
そして、輝度制御手段は、検出信号に基づき、プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する。
よって、共通ドライバの温度の変化(特に温度の上昇)による輝度の変化を補償することができる。
【0110】
請求項13に記載の発明によれば、請求項11又は12のいずれかに記載の発明の作用に加えて、輝度制御手段は、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルスの数を制御する。
【0111】
よって、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
請求項14に記載の発明によれば、請求項11又は12のいずれかに記載の発明の作用に加えて、輝度制御手段は、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルス電圧を制御する。
【0112】
よって、簡易な回路構成でプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
請求項15に記載の発明によれば、請求項11又は12のいずれかに記載の発明の作用に加えて、輝度制御手段は、プラズマディスプレイパネルにより表示されるべき表示データに含まれる階調値データを制御する。
【0113】
よって、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
請求項16に記載の発明によれば、検出手段は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する。
【0114】
そして、電圧制御手段は、検出信号に基づき、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧を制御する。
【0115】
よって、当該印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度により変動した場合でも、当該変動に対応して、印加パルス電圧を変化させることにより、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0116】
請求項17に記載の発明によれば、検出手段は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する。
そして、電圧制御手段は、検出信号に基づき、アドレス放電における壁電荷蓄積放電において、電圧が印加されるプラズマディスプレイパネルの電極に対する印加電圧を制御する。
【0117】
よって、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度の変化(特に温度の上昇)により変動した場合でも、当該変動を、アドレス放電における壁電荷蓄積放電において電圧が印加されるプラズマディスプレイパネルの電極に対する印加電圧を制御することにより解消することができるので、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0118】
請求項18に記載の発明によれば、検出手段は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する。
そして、信号制御手段は、検出信号に基づき、プラズマディスプレイパネルを構成する発光セルを初期化するための初期化駆動信号の信号波形を制御する。
【0119】
よって、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度の変化(特に温度の上昇)により変動した場合でも、当該変動を、初期化駆動信号の信号波形を制御することにより解消することができるので、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0120】
請求項19に記載の発明によれば、検出手段は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する。
そして、信号制御手段は、検出信号に基づき、アドレス期間における駆動信号に対して、過剰な壁電荷を中和するための中和信号を付加するように制御する。
【0121】
よって、過剰な壁電荷により、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電において異常な維持放電が行われることを防止することができる。
請求項20に記載の発明によれば、検出手段は、プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する。
【0122】
そして、加熱手段は、検出信号に基づき、プラズマディスプレイパネルが所定の低温時であるとき、当該プラズマディスプレイパネルを加熱する。
よって、過剰な壁電荷により、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電において異常な維持放電が行われることを低減することができる。
【0123】
請求項21に記載の発明によれば、請求項11乃至20のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置は、それぞれの作用によりプラズマディスプレイ又は駆動手段における温度補償を実行する。
【0124】
一方、制御手段は、外部から入力される表示データに基づき、プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動手段を制御する。
そして、駆動手段は、制御手段の制御のもと、プラズマディスプレイパネルを駆動する。
【0125】
プラズマディスプレイパネルは、駆動手段により駆動され、表示を行う。
よって、プラズマディスプレイパネル又は駆動手段の温度が変動(特に上昇)した場合でも、これを補償し良好な表示画面が得られる。
【0141】
【実施例】
次に、本発明に好適な実施例及び参考例について、図1乃至図9を用いて説明する。
(I)装置構成
始めに、以下の各実施例及び参考例に係るプラズマディスプレイ表示装置の構成について、図1を用いて説明する。
【0142】
図1に示すように、実施例及び参考例に係るプラズマディスプレイ表示装置Sは、上述の構成を有するPDP1と、後述の制御回路2からの制御信号Sに基づいて、アドレス電極A乃至Aに対してアドレスパルスPAA及び書込パルスPAWを印加するアドレスドライバ3と、後述の制御回路2からの制御信号Sに基づいて、X電極X乃至Xに対して後述の書込パルスPXW及び維持パルスPXSを印加する駆動手段としてのX共通ドライバ4と、X共通ドライバ4の温度を検出し、検出信号STXを出力する第2検出手段(検出手段)としての熱電対等の温度検出器5と、後述の制御回路2からの制御信号SYSに基づいて、Y電極Y乃至Yに対してスキャンパルスPAYを印加する駆動手段としてのYスキャンドライバ6と、後述の制御回路2からの制御信号SYCに基づいて、Yスキャンドライバ6を介してY電極Y乃至Yに対して維持パルスPYSを印加する駆動手段としてのY共通ドライバ7と、Y共通ドライバ7の温度を検出し、検出信号STYを出力する第2検出手段(検出手段)としての熱電対等の温度検出器8と、後述のマイコン90の制御の下、PDP1を加熱するヒータ等の加熱手段としてのパネル加熱装置9と、PDP1の温度を検出し、検出信号STPを出力する第1検出手段(検出手段)としての温度検出器10と、所定の信号(ドットクロックCLK、表示データDATA、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNC等)及び後述のマイコン90の制御に基づき、PDP1の駆動を制御する制御手段としての制御回路2と、駆動用高圧入力部INから入力した高圧電力を後述のマイコン90の制御の下、PDP1に印加される各パルスのため電圧変換する電圧変換部40と、PDP1に印加される各パルスの波形を予め記憶し、後述のマイコン90の制御の下、所望のパルスの波形を出力する駆動波形領域50A及び維持パルス数設定領域50Bを有するEP−ROM(Erasable and Programmable−Read Only Memory)50と、装置内の温度を検出する装置内雰囲気温度検出器60と、後述のマイコン90の制御の下、警告手段としてのLED70の表示を制御する制御回路71と、後述のマイコン90の制御の下、冷却手段としての空冷装置80の動作を制御する制御回路81と、後述のマイコン90の制御の下、電圧変換部40及び制御回路2への高電圧の印加を禁止する禁止手段としてのリレー制御部91と、プラズマディスプレイ表示装置S全体の消費電力を検出する消費電力検出部92と、プラズマディスプレイ表示装置S全体を制御する輝度制御手段、電圧制御手段、信号制御手段としてのマイコン90と、により構成されている。上記の構成において、各ドライバには、制御信号S、SYS、SYC及びSとともに、各ドライバを駆動するための高圧電力も印加されている。また、表示データDATAは、表示データ入力部INを介して外部より入力される。
【0143】
また、制御回路2は、ドットクロックCLK及び表示データDATA(予め、R、G及びBに相当するデータに分割されている。)及びマイコン90の制御に基づき、表示データDATAにおける一のフレームに対応するフレームデータを複数のサブフレームデータに時分割し、当該サブフレームデータに基づく制御信号Sを出力する表示データ制御部11と、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNC及びマイコン90の制御に基づき制御信号S、SYS、SYCを出力するパネル駆動制御部12とにより構成される。ここで、表示データ制御部11とパネル駆動制御部12は互いに必要なデータの授受を行っている。
【0144】
更に、表示データ制御部11は、入力された表示データDATAを1フレームづつ一時的に記憶するフレームメモリ20及び22と、マイコン90の制御の下、表示データDATAにおける階調数を補正する減算器21とにより構成されている。
【0145】
パネル駆動制御部12は、表示データ制御部11により補正されたサブフレームデータに含まれるスキャンパルスPAY並びに垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCに基づき、制御信号SYSを出力するスキャンドライバ制御部30と、表示データ制御部11により補正されたサブフレームデータに含まれる維持パルスPXS、PYSの数並びに垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCに基づき、制御信号SYC及びSを出力する共通ドライバ制御部31と、により構成されている。
更に、電圧変換部40は、駆動用高圧入力部INを介して図示しない外部高電圧発生装置から入力した高圧電力に基づき、書込パルスPAW及びアドレスパルスPAAを発生させるためにアドレス電極A乃至Aに供給される高圧電力を発生するV電源部41と、駆動用高圧入力部INから入力した高圧電力に基づき、書込パルスPXWを発生させるためにX電極X乃至Xに供給される高圧電力を発生するV電源部42と、駆動用高圧入力部INから入力した高圧電力に基づき、アドレス期間における主アドレス放電(壁電荷蓄積放電)のためにY電極Y乃至Yに供給される高圧電力を発生するVSC電源部43と、駆動用高圧入力部INから入力した高圧電力に基づき、マイコン90の制御の下、アドレス期間におけるスキャンパルスPAYを発生させるためにY電極Y乃至Yに供給される高圧電力を発生するV電源部44と、駆動用高圧入力部INから入力した高圧電力に基づき、マイコン90の制御の下、アドレス期間における主アドレス放電(壁電荷蓄積放電)のためにX電極X乃至Xに供給される高圧電力(Xアドレス電圧V)を発生するV電源部45と、により構成されている。
【0146】
また、マイコン90は、維持放電電圧(維持パルスの電圧)基準電圧出力部OUTに接続されており、これにより、維持放電電圧を発生するための図示しない外部高電圧発生装置を制御して駆動用高圧入力部INから入力される電力の電圧を制御し、維持放電電圧を制御することが可能とされている。
【0147】
以上の構成を有する各実施例及び参考例のプラズマディスプレイ表示装置Sにおける動作について、以下、各実施例及び参考例毎に説明する。
II )第1実施例
始めに、請求項1、2、3、11121321に記載の発明に対応する第1の実施例の動作について図1及び図2を用いて説明する。
【0148】
第1実施例においては、PDP1の表面温度が温度検出器10により検出され、更にX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度がそれぞれ温度検出器5及び8により検出される。そして、それぞれの温度検出器から出力される検出信号STP、STX及びSTYに基づき、PDP1自体又は各共通ドライバの温度上昇により低下したPDP1の輝度が補正される。より具体的には、維持パルスPXS及びPYSの数が補正される。
【0149】
先ず、図2に維持パルス数と輝度の関係を示す。図2においては、一の維持パルスPXSと一の維持パルスPYSを一組として維持パルスの数を計数している。
図2に示すように、維持パルス数と輝度は比例しており、この例では、0.4カンデラ/個、つまり維持パルス1個に付き0.4カンデラの調整(維持パルスを1個増加すると、輝度が0.4カンデラ明るくなる。)が可能であることが分かる。
【0150】
より具体的には、輝度をB、パルス数をPすると下記式(1)が成り立つ。
B=0.4×P …(1)
図15(a)の輝度対パネル温度特性の例では、−0.33カンデラ/℃であり、これはPDP(以下、単にパネルともいう。)の温度が1℃上昇すると輝度が0.33カンデラ低下することを示している。図15(a)に示す関係により、パネル温度変化分をΔTとすると下記式(2)が成り立つ。
【0151】
B=−0.33×ΔT …(2)
式(1)と式(2)により下記式(3)が導かれる。
Figure 0003571805
この式(3)は1℃のパネル温度上昇に対する輝度補正として、維持パルス数を0.825個増加させればよいことを示す。
【0152】
同様に、図15(b)の輝度対FET(ドライバ)温度特性の例では、パネル温度と同様に−0.33カンデラ/℃であり、これはFET温度が1℃上昇すると輝度が0.33カンデラ低下することを示している。FET温度変化分をΔTとすると下記式(4)が成り立つ。
【0153】
B=−0.33×ΔT …(4)
ここで、式(1)と式(4)により下記式(5)が導かれる。
Figure 0003571805
式(5)は1℃のFET温度上昇に対する輝度補正として、維持パルス数を0.825個増加させればよいことを示す。
【0154】
以上の検討から、式(3)と式(5)に示す輝度の補正を同時に行えば、温度上昇に伴う輝度補正が実現可能となる。すなわち、式(3)と式(5)を加算することにより、各温度変化分に対する補正を同時に行うための増加分の維持パルス数P’が下記式(6)により求まる。
【0155】
P’=−0.875×(ΔT+ΔT) …(6)
上記式(6)は1℃のFET温度上昇あるいはパネルの温度上昇に対する輝度補正として、維持放電パルス数を0.825個増加させればよいことを示す。但し、実際の制御についてP’は小数点以下を四捨五入する必要がある。
【0156】
次に、上記式(6)を実現する具体的動作について説明する。
始めに、PDP1の表面温度が温度検出器10により検出され、検出信号STPが出力される。この温度検出器10はパネルの温度を正確に測定するためにできるだけパネルに密着させることが好ましい。
【0157】
更に、X共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度がそれぞれ温度検出器5及び8により検出され、それぞれ検出信号STX及びSTYが出力される。この温度検出器5及び8に関してもFETの電気的特性及び放熱特性を妨げないことを前提としてできるだけ素子の近くに配置することが望ましい。
【0158】
上記の検出信号STP、STX及びSTYは、マイコン90に入力され、PDP1、X共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度情報がマイコン90により取得され当該マイコン90による温度情報処理が可能となる。
【0159】
ここで、マイコン90は複数の維持放電パルス数を記憶したEP−ROM50のアドレス選択端子に接続されてり、これにより維持放電パルス数のマイコン制御が可能となる。より具体的にはマイコン90はX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度情報である検出信号STX及びSTYに対応する温度の平均値を求め、基準値となる25℃との差ΔTを算出し、次に、PDP1の温度情報である検出信号STPと基準値との差ΔTを算出し、上記式(6)に基づき、基準維持パルスPに対する補正数P’を算出する。そして、基準維持パルスPと補正数P’の和が算出され、その結果がマイコン90からEP−ROM50の維持パルス数設定領域50Bの選択アドレス信号となる。このEP−ROM50には、基準維持パルス数に対する各サブフィールドの維持放電パルス数が予め設定されており、これに基づき、上記の基準維持パルスPと補正数P’の和が、当該サブフレームにおける維持パルス数としてパネル駆動制御部12に出力され、パネル駆動制御部12の共通ドライバ制御部31により、補正された維持パルス数に対応する維持パルスが出力され、温度情報による輝度低下が補正される。
【0160】
以上説明したように、第1実施例によれば、高圧系の変更なしに温度情報による輝度微調整(輝度補正)が可能であり、また、例えばマイコン等による制御をおこなっている場合ソフトウエアの変更のみで制御(輝度補正)が可能となる利点がある。
III )第2実施例
次に、請求項1、2、4、11121421に記載の発明に対応する第2の実施例の動作について図1及び図3を用いて説明する。
【0161】
第2実施例においては、PDP1の表面温度が温度検出器10により検出され、更にX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度がそれぞれ温度検出器5及び8により検出される。そして、それぞれの温度検出器から出力される検出信号STP、STX及びSTYに基づき、PDP1自体又は各共通ドライバの温度上昇により低下したPDP1の輝度が補正される。より具体的には、維持パルスPXS及びPYSの電圧(以下、維持放電電圧Vという。)が補正される。
【0162】
図3に維持放電電圧VとPDP1の輝度との関係を示す。
図3に示すように、維持放電電圧Vの値には輝度が比例しており、この例では2.5カンデラ/V、つまり維持放電電圧Vs1ボルトに付き2.5カンデラの調整が可能であることが分かる。輝度をB、維持放電電圧をVとすると下記式(7)が成り立つ。
【0163】
B=2.5×V …(7)
ここで、第1実施例と同様に、パネル温度が1℃上昇すると輝度は0.33カンデラ低下するから、パネル温度変化分をΔTp とすると下記式(8)が成り立つ。
【0164】
B=−0.33×ΔT …(8)
式(7)の維持放電電圧Vを維持放電電圧VS1とすると、式(7)と式(8)により下記式(9)が導かれる。
【0165】
Figure 0003571805
上記式(9)は1℃のパネル温度上昇に対する輝度補正として、維持放電電圧Vを0.132V増加すればよいことを示す。
【0166】
また、第1実施例と同様に、これはFET温度が1℃上昇すると輝度が0.33カンデラ低下する。よって、FET温度変化分をΔTとすると(10)式が成り立つ。
【0167】
B=−0.33×ΔT …(10)
式(7)のVをVS2とすると、式(7)と式(10)により式(11)が導かれる。
【0168】
Figure 0003571805
式(11)は1℃のFET温度上昇に対する輝度補正として、Vを0.132V増加すればよいことを示す。
【0169】
以上の検討から、式(9)と式(11)による輝度補正を同時に行えば目的の輝度補正が実現可能となり、このときの各温度変化分と制御を行う補正維持放電電圧VS3の関係を式(12)に示す。
【0170】
Figure 0003571805
上記式(12)は1℃のFET温度上昇あるいはパネルの温度上昇に対する輝度補正として、維持放電電圧Vを0.132V増加すればよいことを示す。
【0171】
次に、上記式(12)を実現する具体的動作について説明する。
始めに、PDP1の表面温度の検出及びX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0172】
マイコン90はX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度情報である検出信号STX及びSTYに対応する温度の平均値を求め、基準値となる55℃との差ΔTを算出する。これと平行して、マイコン90は、PDP1の温度情報である検出信号STPに対応する温度と、基準値との差ΔTを算出し、上記式(12)に基づき、基準維持放電電圧VSRに対する補正数VS3を算出する。
【0173】
ここで、上述のように、マイコン90は維持放電電圧基準電圧出力部OUTに接続されており、これにより維持放電電圧Vのマイコン90による制御が可能となっていので、マイコン90は基準維持放電電圧VSRと補正数VS3の和を算出し、その結果が維持放電電圧基準電圧出力部OUTから外部の高電圧発生装置へ出力され、駆動用高圧入力部INに入力されるべき電圧値の基準となり、当該基準地に基づき、共通ドライバ制御部31により維持放電電圧Vが設定される。
【0174】
以上説明したように、第2実施例によれば、簡易な回路構成により温度情報に基づく輝度微調整(輝度補正)が可能である。
IV )第3実施例
次に、請求項1、2、5、11121521に記載の発明に対応する第3の実施例の動作について図1及び図4を用いて説明する。
【0175】
第3実施例においては、PDP1の表面温度が温度検出器10により検出され、更にX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度がそれぞれ温度検出器5及び8により検出される。そして、それぞれの温度検出器から出力される検出信号STP、STX及びSTYに基づき、PDP1自体又は各共通ドライバの温度上昇により低下したPDP1の輝度が補正される。より具体的には、表示データDATAにおける各サブフレームの階調値データが補正される。
【0176】
図4に階調値と輝度との関係を示す。
図4に示しように、階調値に輝度が比例しており、この例では0.78カンデラ/STEP、つまり階調値1ステップに付き0.78カンデラの調整が可能であることが分かる。
【0177】
輝度をB、階調ステップをSとすると下記式(13)が成り立つ。
B=0.78×S …(13)
ここで、第1実施例と同様に、PDP1の温度が1℃上昇すると輝度は0.33カンデラ低下する。そこで、パネル温度変化分をΔTとすると下記式(14)が成り立つ。
【0178】
B=−0.33×ΔT …(14)
上記式(13)のSをSとすると、式(13)と式(14)により下記式(15)が導かれる。
【0179】
Figure 0003571805
上記式(15)は1℃のパネル温度上昇に対する輝度補正として、階調値を0.423step増加すればよいことを示す。
【0180】
また、第1実施例と同様に、FET温度が1℃上昇すると輝度は0.33カンデラ低下する。そこで、FET温度変化分をΔTとすると下記式(16)が成り立つ。
【0181】
B=−0.33×ΔT …(16)
上記(13)のSをSとすると、式(13)と式(16)により下記式(17)が導かれる。
【0182】
Figure 0003571805
(17)式は1℃のFET温度上昇に対する輝度補正として、階調値を0.423step増加すればよいことを示す。
【0183】
以上の検討のように、式(15)及び式(17)における輝度補正を同時に行えば目的の輝度補正が実現可能となる。このときの各温度変化分と制御を行う補正階調値Sの関係を下記式(18)に示す。
【0184】
Figure 0003571805
式(18)は1℃のFET温度上昇あるいはPDP1の温度上昇に対する輝度補正として、階調値を0.423step増加すればよいことを示す。
【0185】
次に、上記式(18)を実現する具体的動作について説明する。
PDP1の表面温度の検出及びX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0186】
マイコン90は、表示データ制御部11に接続されており、表示データ制御部11ではマイコン90からの減算データに基づき各発光セルCの階調値の減算を行っている。これにより、階調値のマイコン90による制御が可能となる。
【0187】
マイコン90はX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度情報である検出信号STX及びSTYに対応する温度の平均値を求め、基準値となる55℃との差ΔTを算出し、次に、PDP1の温度情報である検出信号STPと基準値25℃との差ΔTを算出し、上記式(18)に基づき、補正階調値Sを算出し、その結果を表示データ制御部11に出力する。
【0188】
表示データ制御部11ではマイコン90からの補正階調値Sのデータを元に、表示データ入力部INから入力された表示データDATAの変換を行う。表示データDATAは垂直同期期間nにおいて一旦フレームメモリ20に記憶保持される。次の垂直同期機関n+1でフレームメモリ20のデータは減算器21を介して輝度補正分の階調値を差し引いた後、制御信号Sに含まれる表示データとしてアドレスドライバ3に出力されPDP1に画像が表示される。この垂直同期期間n+1において表示データ制御部11に入力される表示データDATAはフレームメモリ22に記憶保持される。
【0189】
以上の動作を二つのフレームメモリ20及び22に交互に動作させることにより、表示データの処理を行い、これら一連の動作により温度上昇による輝度低下の補正が実現される。
【0190】
以上説明したように、第3実施例によれば、高圧系の変更なしに輝度微調整が可能であり、また例えばマイコン等による制御を行っている場合ソフトウエアの変更のみで様々な制御が可能となるとともに、消費電力を増加させずに輝度補正を制御できる
(V)第4実施例
次に、請求項6、1621に記載の発明に対応する第4の実施例について図1、図5に基づいて説明する。
【0191】
上述のように、全ての選択された発光セルCに正常にアドレス放電を行うために最低限必要なスキャンパルスPAYの電圧値である最小アドレス電圧Vyminは、図16に示す通り温度が上昇するに従って大きくなってしまう。
【0192】
一方、全ての選択されていない発光セルCがオーバライトしない最大のスキャンパルスPAYの電圧値であるオーバライト電圧OWVymaxは、図16に示す通り温度が低下するに従って小さくなってしまう。
【0193】
そこで、第4実施例では、スキャンパルスPAYの電圧値VがPDP1の温度に基づいて可変とされ、常に、最小アドレス電圧Vyminとオーバライト電圧OWVymaxで設定される適正範囲内とされる。
【0194】
図16の例では、最小アドレス電圧Vyminとオーバライト電圧OWVymax共に1℃の温度上昇に対して0.17ボルトの変動がある。PDP1の温度変動をΔT、最小アドレス電圧Vyminの変動をΔVymin、オーバライト電圧OWVymaxの変動をΔVymaxとすると下記式(19)及び式(20)が成り立つ。
【0195】
ΔVymin =0.17×ΔT …(19)
ΔOWVymax=0.17×ΔT …(20)
スキャンパルスPAYの電圧値Vの設定値は一般に最小アドレス電圧Vyminとオーバライト電圧Vymaxの中間とするのが好ましいことから、スキャンパルスPAYの電圧値Vの設定値の補正値をΔVとすると上記式(19)と式(20)により下記式(21)が成り立つ。
【0196】
ΔV=0.17×ΔT …(21)
式(21)は1℃の温度上昇に対し、スキャンパルスPAYの電圧値Vを0.17ボルト大きくすればよいことを示している。
【0197】
次に、上記式(21)を実現する具体的動作について説明する。
PDP1の表面温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0198】
マイコン90は電圧変換部40内のV電源部44に接続されており、アドレス放電を行うためのスキャンパルスPAYの電圧値Vをマイコン90により制御することが可能となっている。
【0199】
そこで、マイコン90はPDP1の温度情報である検出信号STPに対応する温度と基準値25℃との差ΔTを算出し、式(21)に基づき、スキャンパルスPAYの電圧値Vにおける基準電位に対する補正値ΔVを算出する。次にマイコン90はスキャンパルスPAYの電圧値Vと補正値ΔVの和を算出し、その結果を電圧変換部40内のV電源部44に出力する。これにより、スキャンパルスPAYの電圧値Vの補正制御が可能となる。
【0200】
以上説明したように、第4実施例によれば、温度変動による駆動マージン変動に対応することができ、図5に示すように、駆動マージンの幅が狭い場合においても、常にスキャンパルスPAYの電圧値Vが適性範囲内となり、駆動マージンの幅が広い場合と同様の良好な表示が実現可能となる。
VI )第5実施例
次に、請求項7、1721に記載の発明に対応する第5の実施例について図1、図6に基づいて説明する。
【0201】
第5実施例においては、スキャンパルスPAYの電圧値Vを常に適性範囲内とする方法として、最小アドレス電圧Vyminとオーバライト電圧OWVymaxを変化させる。より具体的には、壁電荷蓄積期間においてX電極X乃至Xに印加される電圧(Xアドレス電圧V)を制御し、これにより、オーバライト電圧Vymaxに関しては、低温時には高く、高温時には低くなるように変化させ、最小アドレス電圧Vyminに関しても、同様に低温時には高く、高温時には低くなるように変化させる。
【0202】
ここで、図6に、Xアドレス電圧Vとオーバライト電圧OWVymax及び最小アドレス電圧Vyminの関係を示す。
図6に示すように、Xアドレス電圧Vが低い時はオーバライト電圧OWVymaxが高い反面、最小アドレス電圧Vyminは上昇する。これに対し、Xアドレス電圧Vが高い時は最小アドレス電圧Vyminが低い反面オーバライト電圧OWVymaxは低い。よって、Xアドレス電圧Vを制御することにより、温度によるスキャンパルスPAYの電圧値Vの適性範囲の変動を補正することが可能であり、具体的には、高温時はXアドレス電圧Vを高く、低温時にはXアドレス電圧Vを低く制御すればよい。
【0203】
より具体的には、PDP1の温度変動をΔT、最小アドレス電圧Vyminの変動をΔVymin、オーバライト電圧OWVymaxの変動をΔOWVymaxとすると図16又は図17の例では下記式(19)及び式(20)が成り立つ。
【0204】
ΔVymin =0.17×ΔT …(19)
ΔOWVymax=0.17×ΔT …(20)
図6に示すのスキャンパルスPAYの電圧値VとXアドレス電圧Vの関係では、Xアドレス電圧Vの変化分ΔVに対する最小アドレス電圧Vyminの変動をΔVymin、オーバライト電圧OWVymaxの変動をΔOWVymaxとすると下記式(21)及び式(22)が成り立つ。
【0205】
ΔVymin =−0.5×ΔV …(21)
ΔOWVymax=−0.5×ΔV …(22)
上記式(19)及び式(21)並びに、式(20)及び式(22)からそれぞれ下記の式(23)及び式(24)が導き出すことができる。
【0206】
ΔV=−0.34×ΔV …(23)
ΔV=−0.34×ΔV …(24)
上記式(23)及び式(24)は共に、1℃の温度上昇に対してVを0.34ボルト低下させることにより、PDP1の温度変動による最小アドレス電圧Vymin及びオーバライト電圧OWVymaxの変動を解消することができ、PDP1の温度が変動しても、図7に示すように、常に最小アドレス電圧Vymin及びオーバライト電圧OWVymaxを略一定にすることができることを示している。
【0207】
次に、上記式(23)及び式(24)を実現する具体的動作について説明する。
PDP1の表面温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0208】
マイコン90は電圧変換部40内のV電源部45に接続されており、Xアドレス電圧Vをマイコン90により制御することが可能となっている。マイコン90はPDP1の温度情報である検出信号STPに対応する温度と基準値25℃との差ΔTを算出し、式(23)に基づき、基準Xアドレス電圧VXRに対する補正値ΔVを算出する。次にマイコンは基準Xアドレス電圧VXRと補正値ΔVの和を算出し、その結果をV電源部45に出力する。これにより、最小アドレス電圧Vymin及びオーバライト電圧OWVymaxの変動の解消が可能となる。
【0209】
以上説明したように、第5実施例によれば、温度変動による駆動マージン変動を解消することができ、図7に示すように駆動マージンの幅が狭い場合においても、スキャンパルスPAYの電圧値Vを略一定としても常にスキャンパルスPAYの電圧値Vが適性範囲内となり、駆動マージンの幅が広い場合と同様の良好な表示が実現可能となる。
VII )第6実施例
次に、請求項8、1821に記載の発明に対応する第6の実施例について図1、図7及び図8に基づいて説明する。
【0210】
第6実施例においては、スキャンパルスPAYの電圧値Vを常に適性範囲内とする方法として、最小アドレス電圧Vyminとオーバライト電圧OWVymaxを変化させる。より具体的には、リセット期間においてX電極X乃至Xに印加される駆動電圧の波形における自己消去期間TSEの長さを制御することにより、オーバライト電圧Vymaxに関しては、低温時には高く、高温時には低くなるように変化させ、最小アドレス電圧Vyminに関しても、同様に低温時には高く、高温時には低くなるように変化させる。
【0211】
ここで、上述のように、リセット期間は書込パルスによる全面書き込みと自己消去の二つの動作から構成されており、自己消去能力を決定するパラメータの一つのとして自己消去期間TSEがある。この自己消去期間TSEが長いほど自己消去はより完璧なものとなる。
【0212】
今、図8に、自己消去期間TSEとオーバライト電圧OWVymax及び最小アドレス電圧Vyminの関係を示す。
図8に示すように、自己消去期間TSEが長いほど自己消去はより完璧なものとなり、その結果として最小アドレス電圧Vymin及びオーバライト電圧OWVymaxは低下することがわかる。そこで、自己消去期間TSEを制御することにより、温度によるスキャンパルスPAYの電圧値Vの適性範囲の変動を補正することが可能であり、具体的には、高温時は自己消去期間TSEを長く、低温時には自己消去期間TSEを短く制御すればよい。
【0213】
今、自己消去期間TSEの変化分ΔTSEに対する最小アドレス電圧Vyminの変動をΔVymin、オーバライト電圧OWVymaxの変動をΔOWVymaxとすると、図8に示す場合、下記式(25)及び式(26)が成り立つ。
【0214】
ΔVymin =−0.17×ΔTSE …(25)
ΔOWVymax=−0.17×ΔTSE …(26)
ここで、PDP1の温度変動をΔTとすると図16の例では下記式(19)及び式(20)が成り立つ。
【0215】
ΔVymin =0.17×ΔT …(19)
ΔOWVymax=0.17×ΔT …(20)
上記式(25)と式(19)及び式(26)と式(20)からそれぞれ式(27)及び式(28)が導かれる。
【0216】
ΔTSE=−ΔT …(27)
ΔTSE=−ΔT …(28)
上記式(27)及び式(28)は共に、1℃のPDP1の温度上昇に対して自己消去期間TSEを1μsec短くすることにより、PDP1の温度変動による最小アドレス電圧Vymin及びオーバライト電圧OWVymaxの変動を解消することができ、PDP1の温度が変動しても、図7に示すように、常に最小アドレス電圧Vymin及びオーバライト電圧OWVymaxを略一定にすることができることを示している。
【0217】
次に、上記式(27)及び式(28)を実現する具体的動作について説明する。
PDP1の表面温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0218】
マイコン90はPDP1の温度情報である検出信号STPに対応する温度と、基準値25℃との差ΔTを算出し、式(27)に基づき、基準自己消去期間TSER に対する補正値ΔTSEを算出する。
【0219】
次にマイコン90は基準自己消去期間TSER と補正値ΔTSEの和を算出し、その結果がEP−ROM50内の駆動波形領域50Aの波形選択アドレスに出力され、二種類以上の任意の駆動波形の内、目的の自己消去期間TSEを有する波形が選択され、リセット期間におけるX電極X乃至Xの駆動波形としてパネル駆動部12に出力され、各ドライバが駆動される。
【0220】
以上説明したように、第6実施例によれば、温度変動による駆動マージン変動を解消することができ、駆動マージンの幅が狭い場合においても、スキャンパルスPAYの電圧値Vを略一定としても常にスキャンパルスPAYの電圧値Vが適性範囲内となり、駆動マージンの幅が広い場合と同様の良好な表示が実現可能となる。
VIII )第7実施例
次に、請求項9、1921に記載の発明に対応する第7の実施例について図1及び図9に基づいて説明する。
【0221】
第7実施例においては、アドレス期間における異常放電(以下、アドレス強放電という。)により過剰な壁電荷が蓄積し、維持放電において点灯すべき発光セルCが点滅することを防止するために、アドレス期間と維持放電期間の間に過剰分の壁電荷を除去する役目の中和信号Pが入力される。
【0222】
この中和信号Pの波形例を図9に示す。
中和信号Pにおいて、X電極X乃至XとY電極Y乃至Yは同電位なのでX電極とY電極間の放電は起こらない。
【0223】
アドレス強放電により生成されたY電極Y乃至Y上の過剰なイオン(正壁電荷)は、中和信号Pによるアドレス電極A乃至A上の電子(負壁電荷)と反応し、微弱放電によってその過剰分の壁電荷が除去される。この時X電極及びY電極の電位をVとすると、アドレス電極A乃至Aの電位は1/2Vが2/3Vが最適であることが実験的に確認されている。このアドレス電極A乃至Aの電位が最適値より大きい場合、目的の微弱放電は起こらず、また、適性値より小さい場合は放電が大きくなり、必要以上に壁電荷を除去してしまう。
【0224】
この中和信号Pは除去を必要としないセルで作用した場合、適量であった壁電荷を減少させる場合があるので、好ましくは本問題点が顕著に発生する低温時のみ中和信号P出力し、それ以外では出力させないことが望ましい。
【0225】
次に、第7実施例の具体的動作について説明する。
PDP1の表面温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0226】
マイコン90に入力された検出信号STPに基づき、PDP1の温度が所定の閾値を下回った場合、その旨を示す信号がマイコン90からEP−ROM50に出力される。この信号はEP−ROM50内の駆動波形領域50Aの波形選択アドレスに入り中和信号Pを含む駆動波形が選択され、パネル駆動制御部12に出力されて中和信号Pを含む駆動パルスが発生する。
【0227】
PDP1の温度が設定された閾値を上回った場合には、中和信号Pを含まない駆動波形が選択される。ここで、閾値の具体値としては、図18より、点灯不良セル率が急激に増加する0℃から+5℃に設定することが望ましい。
【0228】
以上説明したように、第7実施例によれば、PDP1が所定の低温時において、中和信号Pを含む駆動波形が出力されるので、過剰な壁電荷が中和され、点灯不良の発光セルCが発生することがない。
IX )第8実施例
次に、請求項10、2021に記載の発明に対応する第8の実施例について図1に基づいて説明する。
【0229】
第8実施例においては、アドレス期間における異常放電(以下、アドレス強放電という。)により過剰な壁電荷が蓄積し、維持放電において点灯すべき発光セルCが点滅することを低減するために、当該問題点が顕著に発生する始動時又は全消却画面(何も表示されない画面)が継続したとき等、PDP1が低温時に当該PDP1が加熱される。
【0230】
図18に示す温度特性の通り、本問題点はPDP1の温度が低温になる程顕著に発生する。また一般的にPDPは、そのプラズマ放電により発熱するのでパネル温度は発光を行うに従い徐々に上昇していく。よって、本問題点が顕著になる電源投入直後等の低温時において、この不具合が顕著に発生する期間をできるだけ短縮させるために、PDP1を加熱し温度を強制的に上昇させる。
【0231】
次に、具体的動作を説明する。
PDP1の表面温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0232】
マイコン90に入力された検出信号STPに基づき、PDP1の温度が所定の閾値を下回った場合、その結果をパネル加熱装置9に出力する。これにより、パネル加熱装置9が作動し、PDP1を強制加熱する。
【0233】
また、PDP1の温度が閾値を上回った時点で、マイコン90からパネル加熱装置9の動作を停止させる信号を出力する。
以上説明したように、第8実施例によれば、維持放電において点灯すべき発光セルCが点滅する期間を短くして、発光すべき発光セルCが点滅するのを低減することができる。
(X)第1参考例
次に、第1参考例について図1に基づいて説明する。
【0234】
第1参考例によれば、PDP1を動作させる周辺環境温度が異常に高い場合、又は、予期せぬ不具合が発生した場合等に、PDP1を含むプラズマディスプレイ表示装置Sの温度が異常に上昇し、回路素子の温度定格を超過し、当該回路素子が部品破壊へ至る可能性がある場合に、PDP1等の温度が異常モードにつながる可能性のある設定温度に達した場合、ファン等の空冷装置を動作させ空冷処理が行なわれる。
【0235】
次に、具体的動作について説明する。
PDP1の表面温度の検出並びにX共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度の検出については第1実施例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0236】
第1参考例では、この他に、装置内雰囲気温度検出器60によりプラズマディスプレイ表示装置Sの温度を検出する。ここで、装置内雰囲気温度検出器60は、装置内の雰囲気温度をできるだけ正確に測定するためにFET等の高熱部品からできるだけ離れた位置に配置することが望ましい。
マイコン90に入力された検出信号STP、STX及びSTY並びに装置内雰囲気温度検出器60の検出信号に基づき、各温度情報の内いずれか一つ以上がそれぞれに設定された閾値を上回った場合、その結果に基づき制御回路81により空冷装置80が作動する。この動作はマイコン90に入力された全ての温度情報が閾値を下回るまで継続される。それぞれの閾値としては、検出信号STPに関しては60℃、検出信号STX及びSTYに関しては100℃、装置内雰囲気温度検出器60の検出信号に関しては50℃程度が適当である。
【0237】
以上説明したように、第1参考例によれば、PDP1又は各ドライバの温度がそれぞれの所定値以上に上昇することによる当該PDP1又は各ドライバの異常動作を防止することができ、PDP1又は各ドライバの信頼性が向上する。
XI )第2参考例
次に、第2参考例について図1に基づいて説明する。
【0238】
第2参考例によれば、PDP1を動作させる周辺環境温度が異常に高い場合、又は、予期せぬ不具合が発生した場合等に、PDP1を含むプラズマディスプレイ表示装置Sの温度が異常に上昇し、回路素子の温度定格を超過し、当該回路素子が部品破壊へ至る可能性がある場合に、PDP1等の温度が異常モードにつながる可能性のある設定温度に達したとき、LEDの点滅により使用者にその旨が警告される。
【0239】
次に、具体的動作について説明する。
第2参考例においては、図1に示す装置内雰囲気温度検出器60により、プラズマディスプレイ表示装置Sが監視されている。装置内雰囲気温度検出器60の配置については、第1参考例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0240】
マイコン90に入力された検出信号STP、STX及びSTY並びに装置内雰囲気温度検出器60の検出信号に基づき、各温度情報の内いずれか一つ以上がそれぞれに設定された閾値を上回った場合、マイコン90は、制御回路71を作動させ、使用者に対して警告を意味するLED70を点灯させる。この動作は、全ての検出信号に基づく温度情報が閾値を下回るまで継続される。閾値の具体例としては、装置内雰囲気温度検出器60の場合には、70℃程度が適当である。
XI )第3参考例
次に、第3参考例について図1に基づいて説明する。
【0241】
第3参考例によれば、PDP1を動作させる周辺環境温度が異常に高い場合、又は、予期せぬ不具合が発生した場合等に、PDP1を含むプラズマディスプレイ表示装置Sの温度が異常に上昇し、回路素子の温度定格を超過し、当該回路素子が部品破壊へ至る可能性がある場合に、PDP1等の温度が異常モードにつながる可能性のある設定温度に達したとき、プラズマディスプレイ表示装置Sに対する電源供給が禁止される。
【0242】
次に、具体的動作について説明する。
PDP1の表面温度の検出、X共通ドライバ4及びY共通ドライバ7の温度の検出並びに、装置内雰囲気温度検出器60によるプラズマディスプレイ表示装置Sの装置内温度の検出については第1参考例と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0243】
マイコン90は、各温度検出器から入力された検出信号に基づき、各温度情報の内いずれか一つ以上がそれぞれに設定された閾値を上回った場合、リレー制御部91を動作させ、駆動用の高圧線を一時的に断とする。この動作は各温度情報の全てが閾値を下回るまで継続される。それぞれの閾値としては、検出信号STPに関しては90℃、検出信号STX及びSTYに関しては130℃、装置内雰囲気温度検出器60からの検出信号に関しては80℃程度が適当である。
【0244】
以上説明したように、第3参考例によれば、PDP1等の温度が所定値以上に上昇した場合には、それらの動作を停止することができ、当該所定値以上の温度上昇による異常動作から当該装置等を保護することができる。
【0245】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は11に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルの温度に対応して、当該温度の変化(特に温度の上昇)による輝度の変化を補償することができるので、長時間の使用等によりプラズマディスプレイパネルの温度が変動した場合でも、鮮明な表示画像が得られる。
【0246】
請求項2又は12に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルを駆動するために維持パルスを印加する共通ドライバの温度に対応して、当該温度の変化(特に温度の上昇)によるプラズマディスプレイの輝度の変化を補償することができるので、長時間の使用等により当該共通ドライバの温度が変動した場合でも、鮮明な表示画像が得られる。
【0247】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2のいずれかに記載の発明の効果に加えて、輝度制御手段によりプラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルスの数が制御されることにより輝度が制御されるので、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
【0248】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2のいずれかに記載の発明の効果に加えて、輝度制御手段によりプラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルス電圧が制御されることにより輝度が制御されるので、簡易な回路構成でプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能となる。
【0249】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2のいずれかに記載の発明の効果に加えて、輝度制御手段によりプラズマディスプレイパネルにより表示されるべき表示データに含まれる階調値データが制御されることにより輝度が制御されるので、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
【0250】
請求項6又は16に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルの温度変化に基づき、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧を制御されるので、当該印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度変化により変動した場合でも、当該変動に対応して、印加パルス電圧を変化させることにより、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0251】
よって、プラズマディスプレイパネルの温度が変化した場合でも安定した表示が可能となる。
請求項7又は17に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルの温度変化に基づき、アドレス放電における壁電荷蓄積放電において、電圧が印加されるプラズマディスプレイパネルの電極に対する当該印加電圧が制御される。よって、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度の変化(特に温度の上昇)により変動した場合でも、当該変動を、アドレス放電における壁電荷蓄積放電において電圧が印加されるプラズマディスプレイパネルの電極に対する印加電圧を制御することにより解消することができ、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0252】
従って、プラズマディスプレイパネルの温度が変化した場合でも安定した表示が可能となる。
請求項8又は18に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルの温度変化に基づき、プラズマディスプレイパネルを構成する発光セルを初期化するための初期化駆動信号の信号波形が制御される。よって、アドレス放電における発光セル指定放電において、発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧の許容範囲が、プラズマディスプレイパネルの温度の変化(特に温度の上昇)により変動した場合でも、当該変動を、初期化駆動信号の信号波形を制御することにより解消することができるので、常に印加パルス電圧を当該許容範囲内とすることができる。
【0253】
従って、プラズマディスプレイパネルの温度が変化した場合でも安定した表示が可能となる。
請求項9又は19に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルの温度変化に基づき、アドレス期間における駆動信号に対して、過剰な壁電荷を中和するための中和信号が付加されるので、過剰な壁電荷により、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電において異常な維持放電が行われることを防止することができる。
【0254】
従って、過剰な発光セルが点滅することを防止することができるので、安定した表示が可能となる。
請求項10又は20に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルの温度変化に基づき、プラズマディスプレイパネルが所定の低温時であるとき、当該プラズマディスプレイパネルが加熱されるので、過剰な壁電荷により、プラズマディスプレイパネルにおける維持放電において異常な維持放電が行われることを低減することができる。
【0255】
従って、過剰な発光セルが点滅することを低減されるので、安定した表示が可能となる
【0263】
請求項13に記載の発明によれば、請求項11又は12のいずれかに記載の発明の効果に加えて、輝度制御手段によりプラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルスの数が制御されることにより輝度が制御されるので、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
【0264】
請求項14に記載の発明によれば、請求項11又は12のいずれかに記載の発明の効果に加えて、輝度制御手段によりプラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルス電圧が制御されることにより輝度が制御されるので、簡易な回路構成でプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能となる。
【0265】
請求項15に記載の発明によれば、請求項11又は12のいずれかに記載の発明の効果に加えて、輝度制御手段によりプラズマディスプレイパネルにより表示されるべき表示データに含まれる階調値データが制御されることにより輝度が制御されるので、高圧の電源系統等を変更すること無くプラズマディスプレイパネルの輝度の制御が可能である。
【0266】
請求項21に記載の発明によれば、請求項11乃至20のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置により、プラズマディスプレイパネル又は駆動手段の温度の変動(特に上昇)が補償されるので、プラズマディスプレイパネル又は駆動手段の温度が変動(特に上昇)した場合でも、良好な表示画面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るプラズマディスプレイ表示装置の概要構成ブロック図である。
【図2】維持放電パルス数と輝度の関係を示すグラフ図である。
【図3】維持放電電圧と輝度の関係を示すグラフ図である。
【図4】階調値と輝度の関係を示すグラフ図である。
【図5】第4実施例の処理後のパネル温度に基づくVの変化の一例を示すグラフ図である。
【図6】第5実施例のXアドレス電圧と最小アドレス電圧及びオーバライト電圧との関係を示すグラフ図である。
【図7】第5及び第6実施例によるパネル温度とV設定値の一例との関係を示すグラフ図である。
【図8】第6実施例の自己消去期間の長さと最小アドレス電圧及びオーバライト電圧との関係を示すグラフ図である。
【図9】第7実施例における中和信号の波形を示す図である。
【図10】従来技術のPDPの構成(平面図)を示す図である。
【図11】従来技術のPDPの構成(断面図)を示す図であり、(a)は図10におけるα−α’間の断面図であり、(b)は図10におけるβ−β’間の断面図である。
【図12】従来技術のプラズマディスプレイ表示装置の概要構成ブロック図である。
【図13】従来技術のプラズマディスプレイ表示装置の動作を示すタイミングチャート図である。
【図14】従来技術の表示データのフレーム構造を示す図である。
【図15】プラズマディスプレイパネルの温度及び駆動FETの温度と輝度の関係を示すグラフ図であり、(a)はプラズマディスプレイパネルの温度と輝度の関係を示すグラフ図であり、(b)は駆動FETの温度と輝度の関係を示すグラフ図である。
【図16】プラズマディスプレイパネル温度と適性V設定範囲との関係を示すグラフ図である。
【図17】プラズマディスプレイパネル温度とV設定可能範囲との関係を示すグラフ図であり、(a)はV設定可能範囲が広い場合であり、(b)はV設定可能範囲が狭い場合である。
【図18】プラズマディスプレイパネルの温度と点灯不良セル率との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1、100…PDP(プラズマディスプレイパネル)
2、110…制御回路
3、111…アドレスドライバ
4、112…X共通ドライバ
5、8、10…温度検出器
6、113…Yスキャンドライバ
7、114…Y共通ドライバ
9…パネル加熱装置
11、120…表示データ制御部
12、121…パネル駆動制御部
20、22、130…フレームメモリ
21…減算器
30、140…スキャンドライバ制御部
31、141…共通ドライバ制御部
40…電圧変換部
41…V電源部
42…V電源部
43…VSC電源部
44…V電源部
45…V電源部
50…EP−ROM
50A…駆動波形領域
50B…維持パルス数設定領域
60…装置内雰囲気温度検出器
70…LED
71、81…制御回路
80…空冷装置
90…マイコン
91…リレー制御部
92…消費電流検出部
101…背面ガラス基板
102…MO膜
103…誘電体層
104…バス電極
105…透明電極
103…前面ガラス基板
200、S…プラズマディスプレイ表示装置
IN…表示データ入力部
IN…駆動高圧入力部
OUT…基準電圧出力部
DATA…表示データ
、A、A、A、A、A、A、A、A、A…アドレス電極
B…障壁
C…発光セル
、X、X、X、X…X電極
、Y、Y、Y、Y…Y電極
、SYS、SYC、S…制御信号
TP、STX、STY…検出信号
AA…アドレスパルス
AY…スキャンパルス
AW、PXW…書込パルス
XS、PYS…維持パルス
…中和信号
CLK…ドットクロック
VSYNC…垂直同期信号
HSYNC…水平同期信号
SE…自己消去期間

Claims (21)

  1. プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、
    前記検出した温度に基づき、温度の上昇に伴って生じる前記プラズマディスプレイパネルの輝度低下が補正されるよう該輝度を制御する輝度制御工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  2. プラズマディスプレイパネルを駆動するために維持パルスを印加する共通ドライバの温度を検出する検出工程と、
    前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する輝度制御工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償方法において、
    前記輝度制御工程は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルスの数を制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  4. 請求項1又は2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償方法において、
    前記輝度制御工程は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルス電圧を制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  5. 請求項1又は2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償方法において、
    前記輝度制御工程は、前記プラズマディスプレイパネルにより表示されるべき表示データに含まれる階調値データを制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  6. プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、
    前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における発光セル指定放電において、前記発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧を制御する電圧制御工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  7. プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、
    前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における壁電荷蓄積放電において前記プラズマディスプレイパネルの電極に印加される印加電圧を制御する電圧制御工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  8. プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、
    前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する発光セルを初期化するための初期化駆動信号の信号波形を制御する信号制御工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  9. プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、
    前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス期間における駆動信号に対して、過剰な壁電荷を中和するための中和信号を付加するように制御する信号制御工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  10. プラズマディスプレイパネルの温度を検出する検出工程と、
    前記検出した温度に基づき、前記プラズマディスプレイパネルにおいて過剰な壁電荷により異常な維持放電が発生する所定の低温時であるとき、当該プラズマディスプレイパネルを加熱する加熱工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償方法。
  11. プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づき、温度の上昇に伴って生じる前記プラズマディスプレイパネルの輝度低下が補正されるよう該輝度を制御する輝度制御手段と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  12. プラズマディスプレイパネルを駆動するために維持パルスを印加する共通ドライバの温度を検出し、検出信号を出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルの輝度を制御する輝度制御手段と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  13. 請求項11又は12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置において、
    前記輝度制御手段は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルスの数を制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  14. 請求項11又は12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置において、
    前記輝度制御手段は、前記プラズマディスプレイパネルにおける維持放電を行うための維持放電パルス電圧を制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  15. 請求項11又は12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置において、
    前記輝度制御手段は、前記プラズマディスプレイパネルにより表示されるべき表示データに含まれる階調値データを制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  16. プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における発光セル指定放電において、前記発光させるべき発光セルに対応する電極に印加すべき印加パルス電圧を制御する電圧制御手段と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  17. プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス放電における壁電荷蓄積放電において前記プラズマディスプレイパネルの電極に印加される印加電圧を制御する電圧制御手段と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  18. プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する発光セルを初期化するための初期化駆動信号の信号波形を制御する信号制御手段と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  19. プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動信号のうち、前記プラズマディスプレイパネルを構成する複数の発光セルのうち、発光させるべき前記発光セルを指定するアドレス期間における駆動信号に対して、過剰な壁電荷を中和するための中和信号を付加するように制御する信号制御手段と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  20. プラズマディスプレイパネルの温度を検出し、検出信号を出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づき、前記プラズマディスプレイパネルにおいて過剰な壁電荷により異常な維持放電が発生する所定の低温時であるとき、当該プラズマディスプレイパネルを加熱する加熱手段と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの温度補償装置。
  21. 請求項11乃至20のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルの温度補償装置と、
    外部から入力される表示データに基づき、前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動手段を制御する制御手段と、
    前記制御手段の制御のもと、前記プラズマディスプレイパネルを駆動する前記駆動手段と、
    前記駆動手段により駆動され、前記表示を行う前記プラズマディスプレイパネルと、
    を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイ表示装置。
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