JP3570788B2 - 圧力遮断センサ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、二次電池のごとき再充電により再生可能な蓄電池などの安全性を確保するために用いられる圧力遮断センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の蓄電池に充電が完了しても更に充電を行ったり、規定された電流よりも大きな電流で充電を行う、あるいは過放電を行うと、蓄電池に異常が生じて蓄電池内に気体が発生し、蓄電池内の圧力や温度が上昇し、蓄電池の膨張、更には亀裂による電解液の滲み出しにより、蓄電池が組み込まれた機器に悪影響を与えることがある。また、これまでに至らなくとも、このような状態のままで蓄電池の使用を継続すると、前述した蓄電池の膨張が進行し、亀裂や破裂が生じる可能性があり、異常が生じた蓄電池は速やかに使用を止める必要がある。
そこで、従来より、この種の蓄電池には安全対策が施されており、蓄電池内の圧力の上昇により開き、蓄電池内の気体を排気する安全弁を蓄電池に設けるタイプや、その温度上昇を検知して蓄電池が接続する電気回路に電流を流さなくする手段を蓄電池外に設けたタイプなどがある。
【0003】
例えば、実開平4−24262号公報の技術を図4に示してある。
図4(a),(b)は従来の圧力遮断センサの概略を示し、(a)は破断前の状態、(b)は破断後の状態を示す説明図である。
【0004】
図4に示すように、従来の圧力遮断センサは、電池内圧の上昇に伴って変形する金属性の安全弁43と、この安全弁43に設けた中央突起部43aに接続されたリード45と、安全弁43の変形に伴って安全弁43から剥離又は破断を行うリードストリッパ板46と、安全弁43とリードストリッパ板46を絶縁する絶縁板47を具備している。安全弁43は外缶41に絶縁性のガスケット42を介して、正極端子を兼ねる電池蓋44とともにかしめられて閉塞して固定される。絶縁板47は一体化して設けられた額部47cを有し、その額部47cによって絶縁板47は安全弁43の下に取り付けられる。リードストリッパ板46は、その額部47cに設けられた溝に嵌め込むことによって絶縁板47の真ぐ下に隣接して取り付けられる。
中央突起部43aは絶縁板47とリードストリッパ板46に連通した穴47a及び46aに挿通され、その先端部にリード45が接続される。リードストリッパ板46とそれを固定する額部47cの間には、部分的に額部47cがえぐられて隙間47dが設けられている。この隙間47dと連通するように絶縁板47に穴47bが設けられている。
【0005】
このような従来の圧力遮断センサは、発電要素の異常な化学変化により、発電部の圧力が上昇すると、気体は、主に図4(b)内の矢印で示すように、隙間47d及び穴47bを通って流れ、圧力が安全弁43に伝えられ安全弁43は図4(b)に示すように持ち上げられるとともに、リードストリッパ板46によって剥離又は破断される。そして、さらに圧力が増してそれが所定の圧力に達すると、安全弁43の肉薄部43bが破れ、気体が電池蓋44の穴44aを通して外に開放される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の装置では、蓄電池に安全弁を設けるために蓄電池内に施す配管などを考慮せねばならず、蓄電池を小型に設計する上での制約となったり、また、前記蓄電池内の温度の上昇を検知するタイプでは、時間の経過にしたがって温度が低下した場合、再び電気回路に電流が流れて蓄電池が再使用される可能性があった。
第1に、安全弁43の変形に伴ってリードストリッパ板46を安全弁43から剥離又は破断を行い、かつ安全弁43の中央突起部43aに接続されたリード45を破断して電流を遮断している。しかしながら、安全弁43の表面積が大きなも能登なって小型化の障害となっていた。
第2に、安全弁43の中央突起部43aとリード45はスポット溶接で接続されているので、その剥離強度にバラツキがあり、設定された圧力で装置が動作しない虞れがあった。
第3に、ゆっくりと剥離されたり、剥離するときに圧力の微動があると、接触抵抗が増大してスパークが発生し、安全上問題となる場合があった。
【0007】
本発明の第1の目的は、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、電池内の電解液等から隔離された密閉領域で遮断が行われて、スパークの発生もほとんどなくなって安全性を高めることができ、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がなくて装置の信頼性を高くすることができ、さらに、圧力遮断センサをユニット化して、蓄電池の組立性を向上することが可能となる圧力遮断センサを提供することにある。
【0008】
本発明の第2の目的は、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、装置の信頼性を一層高くすることができる圧力遮断センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的は、内部に空間を有する気密のケースと、該ケースにはケースと共に前記内部空間を気密に保持すると共に、外部の圧力に応じて内方に撓む可動部材と、前記内部空間内に設けられた第1の接点部と、該第1の接点部と係脱自在に設けられた第2の接点部と、前記第1の接点部と前記第2の接点部のどちらか一方はスライド移動自在に前記ケースに設けられていて、前記スライド移動自在の接点部をスライド移動させて前記他方の接点部から離反する方向へ引張るコイル部を有する付勢部材とを備え、前記第1の接点部と前記第2の接点部を前記付勢部材により圧接させながら係合させておき、外部圧力によって前記可動部材を内方に撓ませると、前記可動部材により前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部を押し下げて前記第2の接点部もしくは前記第1の接点部との係合を解除すると共に、前記コイル部により前記スライド移動自在の接点部をスライド移動させて前記他方の接点部から離反させるようにした第1の手段により達成される。
【0010】
前記第1の目的は、第1の手段おいて、前記第1の接点部と前記第2の接点部とを直交させて係合させた第2の手段により達成される。
【0011】
前記第2の目的は、第1の手段において、前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部と前記付勢部材とを一体に形成した第3の手段により達成される。
【0012】
前記第2の目的は、第3の手段において、前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部と、前記付勢部材と、前記ケースから外部に導出する導出端子とを一体に形成した第4の手段により達成される。
前記第1の目的は、第1の手段において、前記第1の接点部と前記第2の接点部の係合位置から離れた位置にストッパを設け、前記係合を解除されてスライド動作する前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部は、前記ストッパに当接するまで前記コイル部の引張力でスライドさせて前記第1の接点部と前記第2の接点部を離反させる第5の手段により達成される。
【0013】
【作用】
前記第1,2,5の手段にあっては、外部圧力(例えば蓄電池の内圧)の上昇に応じて第1の接点部と第2の接点部との接触を確実にかつ一瞬に解除できるので、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、スパークの発生もほとんどなくなって安全性を高めることができる。さらに、従来のリードストリッパ板のような破断部材が必要なく、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がないので、装置の信頼性を高くすることができる。さらに、圧力遮断センサをユニット化しているので、蓄電池の組立性が向上する。
【0014】
前記第3,4の手段にあっては、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、接点部と端子との接続部もないので、装置の信頼性を一層高くすることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(a),(b),(c)は本発明の実施例に係る圧力遮断センサの縦断面図、平面図、およびA−A線断面図、図2は図1(a)に対応し、導電路が遮断された状態の断面図、図3は本発明の実施例に係る圧力遮断センサをリチウムイオン2次電池に使用した状態の概略を示す説明図である。
【0016】
これらの図において、1は圧力遮断センサで、圧力遮断センサ1は、下ケース2と上ケース3とをパッキン4を介して組立て、内部に気密な空間が構成されている。
下ケース2は例えばPPS樹脂製で、図1(a)〜(c)に示すように、全体的に棒状でありかつ断面が略U字状でかつ上面が平面状に形成されており、上面が開放され、後述する接点部が収納された接点収納凹部2aと、この接点収納凹部2aから隔壁2bを介して形成されたコイル部収納凹部2cと、両端に形成された、端子の接着剤を施す凹部2d,2eと、凹部2dと接点収納凹部2aとの間に形成された隔壁2fと、凹部2eとコイル部収納凹部2cとの間に形成された隔壁2gと、凹部2d,2eの底面にそれぞれ穿設された端子挿通用孔2h,2hと、平面状の側面2i,2iとから構成されている。この端子挿通用孔2h,2hには、後述する端子が挿入されて接着剤5を充填されて密封固定されている。
【0017】
6は第1の接点部材で、第1の接点部材6はSUSの板材からなり、接点収納凹部2aに配設された第1の接点部6aと、凹部2dの端子挿通用孔2hから外部に導出される端子部6bと、第1の接点部6aと端子部6bとの接続部で隔壁2fと後述するパッキン4の挟持突起部とに挟持された保持部6cとから構成されている。
第1の接点部6aと保持部6cは長尺板状で、第1の接点部6aの基部付近で接点収納凹部2aの底面に接触するように屈曲され、さらに第1の接点部6aの先端部は斜め上方に延設されて先端部付近で図1(a)に示すように接点収納凹部2aの底面とほぼ平行に屈曲されている。第1の接点部6aと保持部6cとに比べて端子部6bの幅は細く、例えば、厚み程度とされている。また、第1の接点部6aの先端部には長孔状の係合孔6dが穿設され、この係合孔6dに第2の接点部材7の第2の接点部6bが係合されている。
この第2の接点部材7はSUSの線材を屈曲して形成されており、一端部で下方に直角に屈曲されかつさらに直角に屈曲形成され、第1の接点部6aの係合孔6dに係脱される第2の接点部7aと、第2の接点部7aから連続し隔壁2bと後述する保護板との隙間にスライド自在に配設されたスライド部7bと、スライド部7bに一端を連続されコイル部収納凹部2cに収納されたコイル部7cと、コイル部7cの他端から延設され隔壁2gを越えて下方に屈曲され凹部2eの端子挿通用孔2hに挿入されて外部に導出された導出端子部7dとから構成されている。このように第1の接点部6aと第2の接点部7aとを直交させて係合させてある。
【0018】
上ケース3はSUSなどの材料からなり、図1(a)ないし(c)に示すように、長尺状の上面板部3aと、上面板部3aの各側辺部から下方に屈曲形成された側板部3b,3b…と、側板部3b,3bから更に下方に断面円弧状に屈曲形成された固定片部3c,3c…とにからなっている。
この上面板部3aで接点収納凹部2aに対向した位置には、開口部3dが穿設され、また、各側板部3bの固定片部3c,3c…の下端は下ケース2の下面側にまわされるようにしてかしめられて下ケース2と上ケース3が一体化されている。
【0019】
また、上述したように、下ケース2と上ケース3との間には、パッキン4が介在されて、パッキン4を圧縮させしながら下ケース2の各接点収納凹部2a、コイル部収納凹部2c、及び凹部2d,2eを上方から覆うようにしての被せられており、各接点収納凹部2a、コイル部収納凹部2c、及び凹部2d,2eは外部と遮断された気密な空間とされている。
このパッキン4はブチルゴム材料等の弾性材からなり絶縁性を有し、下ケース2の上面を覆う上面部4aと、上面部4aの各側辺部から下方に延設された側板部4b,4b…と、下ケース2の各接点収納凹部2aの第1の接点部6aに対応した位置でかつ上ケース3の開口部3dに対向する位置に肉厚に形成された接点押下部4cと、第1の接点部材6の保持部6cを下ケース3の隔壁2fとともに挟持固定する挟持突起部4dと、上面部4aの裏面に配設されてコイル部収納凹部2c及び隔壁2bを覆い隔壁2b上に第2の接点部材7のスライド用の隙間を確保するようにした保護板4eとからなっている。
また、パッキン4の上面部4aは接点押下部4c及び挟持突起部4dに比べて薄肉に形成されて外部圧力の変化により接点押下部4cが可動しやすいようになっている。この際、上面部4a全面に外部圧力が掛っても保護板4eで上面部4aの一部を受け、第2の接点部材7のスライドの障害とならないようになっている。
パッキン4は下ケース2の上面周縁と上ケース3とで圧縮して挾み込まれるだけでなく、パッキン4の各側板部4b,4bは、図1(a),(b)に示すように、下ケース2の各側面2iと上ケース3の各側板部3bとで圧縮して挾み込まれている。そして、下ケース2の側面2iの上縁部分で特に強く圧縮されている。したがって、パッキン4の周縁部は、パッキン4自体の弾性によって下ケース2及び上ケース3に密着され、これによって下ケース2とパッキン4と上ケース3で囲まれた内部を確実に密閉できる。
【0020】
なお、上述した説明では、第2の接点部7aとコイル部7cを1本の線材から一体形成し、さらに第1の接点部及び前記第2の接点部と各端子部も一体に形成してあるが、本発明はこれに限られるものでなく、別体のものを半田等で接続してもよい。
【0021】
このような圧力遮断センサ1は、リチウムイオン2次電池やニッケル水素2次電池など蓄電池9の内部に組み込まれて使用される。
図3はリチウムイオン2次電池を例にして蓄電池9の概略を示したもので、23は上端部が開口されている有底の内部中空の円筒体であり外部負極となる。また、25aは導電性を有する外部正極部で一般的にはステンレスで形成されている。25bは電池内部での正極となる正極蓋であり、アルミニウムで形成されていて、前記外部正極部25aと導通されている。円筒体23と正極蓋25bとの間には全周にわたってガスケット24が設けられており、円筒体23の頂部に設けたカシメ部23bを全周にわたってカシメつけることによって、正極蓋25bの円筒体23への保持、円筒体23と正極蓋25bの絶縁性を確保、蓄電池内の密閉性の確保、さらには、ステンレス製である外部正極部25aと後述する電解液29との遮蔽を行っている。
【0022】
そしてこの円筒体23の内部には内部電極として酸化リチウムコバルトからなる正極26、カーボンからなる負極27、正極と負極のショートを防止するセパレータ28、圧力遮断センサ(圧力保護装置)1が組み込まれており、圧力遮断センサ1は配線部材21aにより正極蓋25aと接続されており、また配線部材21bにより正極26と接続している。また、負極27はセパレータ28を挟んで正極26と対向するように設けられているとともに、円筒体23と接続している。さらに、この円筒体23の内部は電解液29で満たされている。
【0023】
次に、前記実施例を前記リチウムイオン2次電池に使用したときの動作について説明する。
充電中、圧力遮断センサ1において電流は、正極蓋25bから順次、配線部材21a、第1の接点部材6、第2の接点部材7、配線部材21bと流れ、正極26に導出される。すなわち電流は、図1(a)に示すように、第1の接点部材6の第1の接点部6aと第2の接点部材7の第2の接点部7aとが係合していることにより、第1の接点部材6と第2の接点部材7との間で電流が流れる。
このとき充電が完了しても電流を流し続けて更に過充電が行われたり、規定された電流よりも大きな電流で充電が行われる、あるいは過放電が行われると、蓄電池に異常が生じて蓄電池内の圧力や温度が上昇する。
蓄電池内の圧力が上昇すると、外部圧力として圧力遮断センサ1に伝える。すると、図2に示すように、この外部圧力がパッキン4の接点押下部4cをその内方(図1(a)の下方)へ撓ませて変形させ、パッキン4の接点押下部4cの内面が第1の接点部材6の第1の接点部6aを図1(a)の下方に押す。更に蓄電池内の圧力が上昇し、その圧力が一定の圧力に達したとき、つまり、さらに第1の接点部材6の第1の接点部6aが押し下げられると、第1の接点部材6の係合孔6dに係合されていた第2の接点部7aが外れて、第2の接点部7aはそのコイル部7cの引張力によって図1(a)の右方向(離反する方向)へスライドさせられ、図2に示すように第2の接点部7aは隔壁2bに当接するまで移動する。
このように、第2の接点部7aが外れるときはコイル部7cの引張力によって一瞬にして両者は離反させられ、かつ第2の接点部7aが一旦外れると、外部圧力が弱まって接点押下部4cが図2の上方に移動して第1の接点部6aが自らの弾性力により図1(a)に示す位置に戻っても、第2の接点部7aは図2の位置のままであり、再び第1の接点部6aと第2の接点部7aが導通状態とならない。
【0024】
この動作により、第1の接点部6aと第2の接点部7aとの間の導通が断たれることによって、圧力遮断センサ1は正極蓋25bと正極26間に流れる電流を遮断し、これ以上の充電を止めさせるとともに、このリチウムイオン2次電池が蓄電池として機能できない状態にする。
【0025】
このように構成された前記実施例にあっては、内部に空間を有する気密のケース2,3と、該ケース2,3にはケース2,3と共に内部空間を気密に保持すると共に、外部の圧力に応じて内方に撓むパッキン4と、内部空間内に設けられた第1の接点部6aと、該第1の接点部6aと係脱自在に設けられた第2の接点部7aと、第1の接点部6aと第2の接点部7aの少なくとも一方の接点部を離反する方向へ引張るコイル部7cとを備え、第1の接点部6aと第2の接点部7aをコイル部7cにより圧接させながら係合させておき、外部圧力によって接点押下部4cを内方に撓ませると、接点押下部4cにより第1の接点部6aを押し下げて第2の接点部7aとの係合を解除すると共に、コイル部7cにより第1の接点部6aと第2の接点部7aとを離反させるようにし、あるいは更に第1の接点部6aと第2の接点部7aとを直交させて係合させたため、外部圧力(例えば蓄電池の内圧)の上昇に応じて第1の接点部6aと第2の接点部7aとの接触を確実にかつ一瞬に解除できるので、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、スパークの発生もほとんどなくなって安全性を高めることができ、さらに、従来のリードストリッパ板のような破断部材が必要なく、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がないので、装置の信頼性を高くすることができる。また、遮断機構が密閉領域内で達成され、従来のように電解液と触れているところでの遮断でないため、ガス、電解液と直接触れないので、信頼性も高くなっている。さらに、圧力遮断センサ1をユニット化しているので、蓄電池の組立性が向上する。なお、一度異常が生じた蓄電池は再度使用することができなく安全である。
【0026】
また、前記実施例にあっては、第2の接点部7a(もしくは第1の接点部6a)とコイル部7cとを一体に形成し、あるいは更にケース2から外部に導出する端子部6b,7dも第1の接点部6aと第2の接点部7aにそれぞれ一体に形成したため、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、接点部と端子との接続部もないので、装置の信頼性を一層高くすることができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1,2記載の発明によれば、コイル部によりスライド移動自在の接点部をスライド移動させて他方の接点部から離反させるようにしたので、接点部の係合を解除する構成を薄型化でき、装置全体の薄型化ができ、また、外部圧力(例えば蓄電池の内圧)の上昇に応じて第1の接点部と第2の接点部との接触を確実にかつ一瞬に解除できるので、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、スパークの発生もほとんどなくなって遮断も電池内部から隔離された密閉領域で行われるため、安全性を高めることができ、さらに、従来のリードストリッパ板のような破断部材が必要なく、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がないので、装置の信頼性を高くすることができる。さらに、圧力遮断センサをユニット化しているので、蓄電池の組立性が向上する。さらにまた、一度異常が生じた蓄電池は再度使用することができなく安全である。
【0028】
請求項3,4記載の発明によれば、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、接点部と端子との接続部もないので、装置の信頼性を一層高くすることができる。
請求項5記載の発明によれば、係合が解除されてスライド移動された第1の接点部もしくは第2の接点部を離反した位置に確実に維持でき、再び第1の接点部と第2の接点部同士が導通状態になるのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)は本発明の実施例に係る圧力遮断センサの縦断面図、上ケース及びパッキンを透過して示す平面図、およびA−A線断面図である。
【図2】図1(a)に対応し、導電路が遮断された状態の断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る圧力遮断センサをリチウムイオン2次電池に使用した状態の概略を示す説明図である。
【図4】(a),(b)は従来の圧力遮断センサの概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1 圧力遮断センサ
2 下ケース
3 上ケース
4 パッキン
4c 接点押下部
6a 第1の接点部
6b,7d 端子部
7a 第2の接点部
7c コイル部
【産業上の利用分野】
本発明は、二次電池のごとき再充電により再生可能な蓄電池などの安全性を確保するために用いられる圧力遮断センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の蓄電池に充電が完了しても更に充電を行ったり、規定された電流よりも大きな電流で充電を行う、あるいは過放電を行うと、蓄電池に異常が生じて蓄電池内に気体が発生し、蓄電池内の圧力や温度が上昇し、蓄電池の膨張、更には亀裂による電解液の滲み出しにより、蓄電池が組み込まれた機器に悪影響を与えることがある。また、これまでに至らなくとも、このような状態のままで蓄電池の使用を継続すると、前述した蓄電池の膨張が進行し、亀裂や破裂が生じる可能性があり、異常が生じた蓄電池は速やかに使用を止める必要がある。
そこで、従来より、この種の蓄電池には安全対策が施されており、蓄電池内の圧力の上昇により開き、蓄電池内の気体を排気する安全弁を蓄電池に設けるタイプや、その温度上昇を検知して蓄電池が接続する電気回路に電流を流さなくする手段を蓄電池外に設けたタイプなどがある。
【0003】
例えば、実開平4−24262号公報の技術を図4に示してある。
図4(a),(b)は従来の圧力遮断センサの概略を示し、(a)は破断前の状態、(b)は破断後の状態を示す説明図である。
【0004】
図4に示すように、従来の圧力遮断センサは、電池内圧の上昇に伴って変形する金属性の安全弁43と、この安全弁43に設けた中央突起部43aに接続されたリード45と、安全弁43の変形に伴って安全弁43から剥離又は破断を行うリードストリッパ板46と、安全弁43とリードストリッパ板46を絶縁する絶縁板47を具備している。安全弁43は外缶41に絶縁性のガスケット42を介して、正極端子を兼ねる電池蓋44とともにかしめられて閉塞して固定される。絶縁板47は一体化して設けられた額部47cを有し、その額部47cによって絶縁板47は安全弁43の下に取り付けられる。リードストリッパ板46は、その額部47cに設けられた溝に嵌め込むことによって絶縁板47の真ぐ下に隣接して取り付けられる。
中央突起部43aは絶縁板47とリードストリッパ板46に連通した穴47a及び46aに挿通され、その先端部にリード45が接続される。リードストリッパ板46とそれを固定する額部47cの間には、部分的に額部47cがえぐられて隙間47dが設けられている。この隙間47dと連通するように絶縁板47に穴47bが設けられている。
【0005】
このような従来の圧力遮断センサは、発電要素の異常な化学変化により、発電部の圧力が上昇すると、気体は、主に図4(b)内の矢印で示すように、隙間47d及び穴47bを通って流れ、圧力が安全弁43に伝えられ安全弁43は図4(b)に示すように持ち上げられるとともに、リードストリッパ板46によって剥離又は破断される。そして、さらに圧力が増してそれが所定の圧力に達すると、安全弁43の肉薄部43bが破れ、気体が電池蓋44の穴44aを通して外に開放される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の装置では、蓄電池に安全弁を設けるために蓄電池内に施す配管などを考慮せねばならず、蓄電池を小型に設計する上での制約となったり、また、前記蓄電池内の温度の上昇を検知するタイプでは、時間の経過にしたがって温度が低下した場合、再び電気回路に電流が流れて蓄電池が再使用される可能性があった。
第1に、安全弁43の変形に伴ってリードストリッパ板46を安全弁43から剥離又は破断を行い、かつ安全弁43の中央突起部43aに接続されたリード45を破断して電流を遮断している。しかしながら、安全弁43の表面積が大きなも能登なって小型化の障害となっていた。
第2に、安全弁43の中央突起部43aとリード45はスポット溶接で接続されているので、その剥離強度にバラツキがあり、設定された圧力で装置が動作しない虞れがあった。
第3に、ゆっくりと剥離されたり、剥離するときに圧力の微動があると、接触抵抗が増大してスパークが発生し、安全上問題となる場合があった。
【0007】
本発明の第1の目的は、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、電池内の電解液等から隔離された密閉領域で遮断が行われて、スパークの発生もほとんどなくなって安全性を高めることができ、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がなくて装置の信頼性を高くすることができ、さらに、圧力遮断センサをユニット化して、蓄電池の組立性を向上することが可能となる圧力遮断センサを提供することにある。
【0008】
本発明の第2の目的は、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、装置の信頼性を一層高くすることができる圧力遮断センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的は、内部に空間を有する気密のケースと、該ケースにはケースと共に前記内部空間を気密に保持すると共に、外部の圧力に応じて内方に撓む可動部材と、前記内部空間内に設けられた第1の接点部と、該第1の接点部と係脱自在に設けられた第2の接点部と、前記第1の接点部と前記第2の接点部のどちらか一方はスライド移動自在に前記ケースに設けられていて、前記スライド移動自在の接点部をスライド移動させて前記他方の接点部から離反する方向へ引張るコイル部を有する付勢部材とを備え、前記第1の接点部と前記第2の接点部を前記付勢部材により圧接させながら係合させておき、外部圧力によって前記可動部材を内方に撓ませると、前記可動部材により前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部を押し下げて前記第2の接点部もしくは前記第1の接点部との係合を解除すると共に、前記コイル部により前記スライド移動自在の接点部をスライド移動させて前記他方の接点部から離反させるようにした第1の手段により達成される。
【0010】
前記第1の目的は、第1の手段おいて、前記第1の接点部と前記第2の接点部とを直交させて係合させた第2の手段により達成される。
【0011】
前記第2の目的は、第1の手段において、前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部と前記付勢部材とを一体に形成した第3の手段により達成される。
【0012】
前記第2の目的は、第3の手段において、前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部と、前記付勢部材と、前記ケースから外部に導出する導出端子とを一体に形成した第4の手段により達成される。
前記第1の目的は、第1の手段において、前記第1の接点部と前記第2の接点部の係合位置から離れた位置にストッパを設け、前記係合を解除されてスライド動作する前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部は、前記ストッパに当接するまで前記コイル部の引張力でスライドさせて前記第1の接点部と前記第2の接点部を離反させる第5の手段により達成される。
【0013】
【作用】
前記第1,2,5の手段にあっては、外部圧力(例えば蓄電池の内圧)の上昇に応じて第1の接点部と第2の接点部との接触を確実にかつ一瞬に解除できるので、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、スパークの発生もほとんどなくなって安全性を高めることができる。さらに、従来のリードストリッパ板のような破断部材が必要なく、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がないので、装置の信頼性を高くすることができる。さらに、圧力遮断センサをユニット化しているので、蓄電池の組立性が向上する。
【0014】
前記第3,4の手段にあっては、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、接点部と端子との接続部もないので、装置の信頼性を一層高くすることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(a),(b),(c)は本発明の実施例に係る圧力遮断センサの縦断面図、平面図、およびA−A線断面図、図2は図1(a)に対応し、導電路が遮断された状態の断面図、図3は本発明の実施例に係る圧力遮断センサをリチウムイオン2次電池に使用した状態の概略を示す説明図である。
【0016】
これらの図において、1は圧力遮断センサで、圧力遮断センサ1は、下ケース2と上ケース3とをパッキン4を介して組立て、内部に気密な空間が構成されている。
下ケース2は例えばPPS樹脂製で、図1(a)〜(c)に示すように、全体的に棒状でありかつ断面が略U字状でかつ上面が平面状に形成されており、上面が開放され、後述する接点部が収納された接点収納凹部2aと、この接点収納凹部2aから隔壁2bを介して形成されたコイル部収納凹部2cと、両端に形成された、端子の接着剤を施す凹部2d,2eと、凹部2dと接点収納凹部2aとの間に形成された隔壁2fと、凹部2eとコイル部収納凹部2cとの間に形成された隔壁2gと、凹部2d,2eの底面にそれぞれ穿設された端子挿通用孔2h,2hと、平面状の側面2i,2iとから構成されている。この端子挿通用孔2h,2hには、後述する端子が挿入されて接着剤5を充填されて密封固定されている。
【0017】
6は第1の接点部材で、第1の接点部材6はSUSの板材からなり、接点収納凹部2aに配設された第1の接点部6aと、凹部2dの端子挿通用孔2hから外部に導出される端子部6bと、第1の接点部6aと端子部6bとの接続部で隔壁2fと後述するパッキン4の挟持突起部とに挟持された保持部6cとから構成されている。
第1の接点部6aと保持部6cは長尺板状で、第1の接点部6aの基部付近で接点収納凹部2aの底面に接触するように屈曲され、さらに第1の接点部6aの先端部は斜め上方に延設されて先端部付近で図1(a)に示すように接点収納凹部2aの底面とほぼ平行に屈曲されている。第1の接点部6aと保持部6cとに比べて端子部6bの幅は細く、例えば、厚み程度とされている。また、第1の接点部6aの先端部には長孔状の係合孔6dが穿設され、この係合孔6dに第2の接点部材7の第2の接点部6bが係合されている。
この第2の接点部材7はSUSの線材を屈曲して形成されており、一端部で下方に直角に屈曲されかつさらに直角に屈曲形成され、第1の接点部6aの係合孔6dに係脱される第2の接点部7aと、第2の接点部7aから連続し隔壁2bと後述する保護板との隙間にスライド自在に配設されたスライド部7bと、スライド部7bに一端を連続されコイル部収納凹部2cに収納されたコイル部7cと、コイル部7cの他端から延設され隔壁2gを越えて下方に屈曲され凹部2eの端子挿通用孔2hに挿入されて外部に導出された導出端子部7dとから構成されている。このように第1の接点部6aと第2の接点部7aとを直交させて係合させてある。
【0018】
上ケース3はSUSなどの材料からなり、図1(a)ないし(c)に示すように、長尺状の上面板部3aと、上面板部3aの各側辺部から下方に屈曲形成された側板部3b,3b…と、側板部3b,3bから更に下方に断面円弧状に屈曲形成された固定片部3c,3c…とにからなっている。
この上面板部3aで接点収納凹部2aに対向した位置には、開口部3dが穿設され、また、各側板部3bの固定片部3c,3c…の下端は下ケース2の下面側にまわされるようにしてかしめられて下ケース2と上ケース3が一体化されている。
【0019】
また、上述したように、下ケース2と上ケース3との間には、パッキン4が介在されて、パッキン4を圧縮させしながら下ケース2の各接点収納凹部2a、コイル部収納凹部2c、及び凹部2d,2eを上方から覆うようにしての被せられており、各接点収納凹部2a、コイル部収納凹部2c、及び凹部2d,2eは外部と遮断された気密な空間とされている。
このパッキン4はブチルゴム材料等の弾性材からなり絶縁性を有し、下ケース2の上面を覆う上面部4aと、上面部4aの各側辺部から下方に延設された側板部4b,4b…と、下ケース2の各接点収納凹部2aの第1の接点部6aに対応した位置でかつ上ケース3の開口部3dに対向する位置に肉厚に形成された接点押下部4cと、第1の接点部材6の保持部6cを下ケース3の隔壁2fとともに挟持固定する挟持突起部4dと、上面部4aの裏面に配設されてコイル部収納凹部2c及び隔壁2bを覆い隔壁2b上に第2の接点部材7のスライド用の隙間を確保するようにした保護板4eとからなっている。
また、パッキン4の上面部4aは接点押下部4c及び挟持突起部4dに比べて薄肉に形成されて外部圧力の変化により接点押下部4cが可動しやすいようになっている。この際、上面部4a全面に外部圧力が掛っても保護板4eで上面部4aの一部を受け、第2の接点部材7のスライドの障害とならないようになっている。
パッキン4は下ケース2の上面周縁と上ケース3とで圧縮して挾み込まれるだけでなく、パッキン4の各側板部4b,4bは、図1(a),(b)に示すように、下ケース2の各側面2iと上ケース3の各側板部3bとで圧縮して挾み込まれている。そして、下ケース2の側面2iの上縁部分で特に強く圧縮されている。したがって、パッキン4の周縁部は、パッキン4自体の弾性によって下ケース2及び上ケース3に密着され、これによって下ケース2とパッキン4と上ケース3で囲まれた内部を確実に密閉できる。
【0020】
なお、上述した説明では、第2の接点部7aとコイル部7cを1本の線材から一体形成し、さらに第1の接点部及び前記第2の接点部と各端子部も一体に形成してあるが、本発明はこれに限られるものでなく、別体のものを半田等で接続してもよい。
【0021】
このような圧力遮断センサ1は、リチウムイオン2次電池やニッケル水素2次電池など蓄電池9の内部に組み込まれて使用される。
図3はリチウムイオン2次電池を例にして蓄電池9の概略を示したもので、23は上端部が開口されている有底の内部中空の円筒体であり外部負極となる。また、25aは導電性を有する外部正極部で一般的にはステンレスで形成されている。25bは電池内部での正極となる正極蓋であり、アルミニウムで形成されていて、前記外部正極部25aと導通されている。円筒体23と正極蓋25bとの間には全周にわたってガスケット24が設けられており、円筒体23の頂部に設けたカシメ部23bを全周にわたってカシメつけることによって、正極蓋25bの円筒体23への保持、円筒体23と正極蓋25bの絶縁性を確保、蓄電池内の密閉性の確保、さらには、ステンレス製である外部正極部25aと後述する電解液29との遮蔽を行っている。
【0022】
そしてこの円筒体23の内部には内部電極として酸化リチウムコバルトからなる正極26、カーボンからなる負極27、正極と負極のショートを防止するセパレータ28、圧力遮断センサ(圧力保護装置)1が組み込まれており、圧力遮断センサ1は配線部材21aにより正極蓋25aと接続されており、また配線部材21bにより正極26と接続している。また、負極27はセパレータ28を挟んで正極26と対向するように設けられているとともに、円筒体23と接続している。さらに、この円筒体23の内部は電解液29で満たされている。
【0023】
次に、前記実施例を前記リチウムイオン2次電池に使用したときの動作について説明する。
充電中、圧力遮断センサ1において電流は、正極蓋25bから順次、配線部材21a、第1の接点部材6、第2の接点部材7、配線部材21bと流れ、正極26に導出される。すなわち電流は、図1(a)に示すように、第1の接点部材6の第1の接点部6aと第2の接点部材7の第2の接点部7aとが係合していることにより、第1の接点部材6と第2の接点部材7との間で電流が流れる。
このとき充電が完了しても電流を流し続けて更に過充電が行われたり、規定された電流よりも大きな電流で充電が行われる、あるいは過放電が行われると、蓄電池に異常が生じて蓄電池内の圧力や温度が上昇する。
蓄電池内の圧力が上昇すると、外部圧力として圧力遮断センサ1に伝える。すると、図2に示すように、この外部圧力がパッキン4の接点押下部4cをその内方(図1(a)の下方)へ撓ませて変形させ、パッキン4の接点押下部4cの内面が第1の接点部材6の第1の接点部6aを図1(a)の下方に押す。更に蓄電池内の圧力が上昇し、その圧力が一定の圧力に達したとき、つまり、さらに第1の接点部材6の第1の接点部6aが押し下げられると、第1の接点部材6の係合孔6dに係合されていた第2の接点部7aが外れて、第2の接点部7aはそのコイル部7cの引張力によって図1(a)の右方向(離反する方向)へスライドさせられ、図2に示すように第2の接点部7aは隔壁2bに当接するまで移動する。
このように、第2の接点部7aが外れるときはコイル部7cの引張力によって一瞬にして両者は離反させられ、かつ第2の接点部7aが一旦外れると、外部圧力が弱まって接点押下部4cが図2の上方に移動して第1の接点部6aが自らの弾性力により図1(a)に示す位置に戻っても、第2の接点部7aは図2の位置のままであり、再び第1の接点部6aと第2の接点部7aが導通状態とならない。
【0024】
この動作により、第1の接点部6aと第2の接点部7aとの間の導通が断たれることによって、圧力遮断センサ1は正極蓋25bと正極26間に流れる電流を遮断し、これ以上の充電を止めさせるとともに、このリチウムイオン2次電池が蓄電池として機能できない状態にする。
【0025】
このように構成された前記実施例にあっては、内部に空間を有する気密のケース2,3と、該ケース2,3にはケース2,3と共に内部空間を気密に保持すると共に、外部の圧力に応じて内方に撓むパッキン4と、内部空間内に設けられた第1の接点部6aと、該第1の接点部6aと係脱自在に設けられた第2の接点部7aと、第1の接点部6aと第2の接点部7aの少なくとも一方の接点部を離反する方向へ引張るコイル部7cとを備え、第1の接点部6aと第2の接点部7aをコイル部7cにより圧接させながら係合させておき、外部圧力によって接点押下部4cを内方に撓ませると、接点押下部4cにより第1の接点部6aを押し下げて第2の接点部7aとの係合を解除すると共に、コイル部7cにより第1の接点部6aと第2の接点部7aとを離反させるようにし、あるいは更に第1の接点部6aと第2の接点部7aとを直交させて係合させたため、外部圧力(例えば蓄電池の内圧)の上昇に応じて第1の接点部6aと第2の接点部7aとの接触を確実にかつ一瞬に解除できるので、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、スパークの発生もほとんどなくなって安全性を高めることができ、さらに、従来のリードストリッパ板のような破断部材が必要なく、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がないので、装置の信頼性を高くすることができる。また、遮断機構が密閉領域内で達成され、従来のように電解液と触れているところでの遮断でないため、ガス、電解液と直接触れないので、信頼性も高くなっている。さらに、圧力遮断センサ1をユニット化しているので、蓄電池の組立性が向上する。なお、一度異常が生じた蓄電池は再度使用することができなく安全である。
【0026】
また、前記実施例にあっては、第2の接点部7a(もしくは第1の接点部6a)とコイル部7cとを一体に形成し、あるいは更にケース2から外部に導出する端子部6b,7dも第1の接点部6aと第2の接点部7aにそれぞれ一体に形成したため、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、接点部と端子との接続部もないので、装置の信頼性を一層高くすることができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1,2記載の発明によれば、コイル部によりスライド移動自在の接点部をスライド移動させて他方の接点部から離反させるようにしたので、接点部の係合を解除する構成を薄型化でき、装置全体の薄型化ができ、また、外部圧力(例えば蓄電池の内圧)の上昇に応じて第1の接点部と第2の接点部との接触を確実にかつ一瞬に解除できるので、電流を遮断するときの圧力を安定させることができ、また、スパークの発生もほとんどなくなって遮断も電池内部から隔離された密閉領域で行われるため、安全性を高めることができ、さらに、従来のリードストリッパ板のような破断部材が必要なく、部品点数を削減してかつ組立性が良くて小型化でき、また、破断部材との接続部がないので、装置の信頼性を高くすることができる。さらに、圧力遮断センサをユニット化しているので、蓄電池の組立性が向上する。さらにまた、一度異常が生じた蓄電池は再度使用することができなく安全である。
【0028】
請求項3,4記載の発明によれば、さらに部品点数を削減してかつ組立性が良く、また、接点部と端子との接続部もないので、装置の信頼性を一層高くすることができる。
請求項5記載の発明によれば、係合が解除されてスライド移動された第1の接点部もしくは第2の接点部を離反した位置に確実に維持でき、再び第1の接点部と第2の接点部同士が導通状態になるのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)は本発明の実施例に係る圧力遮断センサの縦断面図、上ケース及びパッキンを透過して示す平面図、およびA−A線断面図である。
【図2】図1(a)に対応し、導電路が遮断された状態の断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る圧力遮断センサをリチウムイオン2次電池に使用した状態の概略を示す説明図である。
【図4】(a),(b)は従来の圧力遮断センサの概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1 圧力遮断センサ
2 下ケース
3 上ケース
4 パッキン
4c 接点押下部
6a 第1の接点部
6b,7d 端子部
7a 第2の接点部
7c コイル部
Claims (5)
- 内部に空間を有する気密のケースと、
該ケースにはケースと共に前記内部空間を気密に保持すると共に、外部の圧力に応じて内方に撓む可動部材と、
前記内部空間内に設けられた第1の接点部と、
該第1の接点部と係脱自在に設けられた第2の接点部と、
前記第1の接点部と前記第2の接点部のどちらか一方はスライド移動自在に前記ケースに設けられていて、前記スライド移動自在の接点部をスライド移動させて前記他方の接点部から離反する方向へ引張るコイル部を有する付勢部材とを備え、
前記第1の接点部と前記第2の接点部を前記付勢部材により圧接させながら係合させておき、外部圧力によって前記可動部材を内方に撓ませると、前記可動部材により前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部を押し下げて前記第2の接点部もしくは前記第1の接点部との係合を解除すると共に、前記コイル部により前記スライド移動自在の接点部をスライド移動させて前記他方の接点部から離反させるようにしたことを特徴とする圧力遮断センサ。 - 請求項1記載おいて、前記第1の接点部と前記第2の接点部とを直交させて係合させたことを特徴とする圧力遮断センサ。
- 請求項1記載において、前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部と前記付勢部材とを一体に形成したことを特徴とする圧力遮断センサ。
- 請求項3記載において、前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部と、前記付勢部材と、前記ケースから外部に導出する導出端子とを一体に形成したことを特徴とする圧力遮断センサ。
- 請求項1記載において、前記第1の接点部と前記第2の接点部の係合位置から離れた位置にストッパを設け、
前記係合を解除されてスライド動作する前記第1の接点部もしくは前記第2の接点部は、前記ストッパに当接するまで前記コイル部の引張力でスライドさせて前記第1の接点部と前記第2の接点部を離反させることを特徴とする圧力遮断センサ。
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