JP3570625B2 - 栓装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、請求項１のプリアンブルに記載の構成要件に基づく方法に関する。
【０００２】
米国特許第４１０１１１３号より、ケーシングの内部に円錐形のプラグとして構成された回転体を有している、このような種類の方法に基づいて製造されるべき栓装置が知られている。弁として構成された栓装置の、ケーシングと結合された蓋を通って外部に案内されるシャフトが、回転体と一体的に連結されている。ケーシングは、蓋の環状面のための当接面を含んでおり、このとき当接面は、半径方向外側で環状カラーによって包囲されており、この環状カラーによって、蓋がケーシングに対してセンタリングされる。シャフトの外面と、シャフトを包囲する蓋の内面との間には、シール部材が中に配置されている環状隙間が介在しており、このシール部材は一方では蓋の内面、他方ではシャフトの外面に当接している。このシール部材は、軸方向で２つの押圧リングの間に挟み込まれており、このとき一方の押圧リングはシャフトの外面に当接するとともに、他方の押圧リングは蓋の内面に当接している。部分的に上述の環状隙間に係合する固定リングによってシール部材は圧力で付勢され、このとき同じく環状隙間の中に配置された支持リングを介して、回転体の軸方向の端面への支持が行われる。さらに、薄膜円板またはパッキン円板の形態をとる二次的なシール部材が設けられており、このシール部材は、半径方向外側でケーシングと蓋の間に挟み込まれるとともに、半径方向内側では支持リングと、回転体の上述した軸方向の端面との間に固着している。支持リングは、２つのセンタリング環によってシャフトに対してセンタリングされ、外方に向いている環状肩部を含んでおり、このとき蓋の内面との間には比較的大きな間隔が設定されている。シャフトに対する蓋の正確なセンタリングは意図されていない。ケーシングは、プラスチック、特にポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）からなる比較的柔軟なブッシュを含んでおり、このブッシュは、回転体を浮動式に支承する役目をするとともに、回転体とケーシングとの金属接触を防止している。回転体は貫通孔を含んでいて、回転体の回転を中心とする現在の回転位置に応じて、貫通孔を少なくとも部分的に開いたり遮断したりできるようになっている。前記ブッシュによって、ケーシングの内部寸法の公差が補正されるので、このように浮動式に支承される回転体またはプラグでは、回転軸がケーシング軸と一致していないのが通例である。
【０００３】
さらに米国特許第４４６２４５８号より、浮動式に支承されていて円錐形のプラグとして構成される回転体を備えた栓装置が知られており、この回転体とシャフトは一体的に結合されている。蓋とケーシングの間には、シャフトの外面に封止をしながら当接するシール部材が挟み込まれている。ケーシングは、蓋に属する当接面を含んでおり、この当接面は半径方向外側に、ケーシングに対して蓋をセンタリングするための環状カラーを備えている。蓋と押圧リングとによって、ケーシング内部での回転体の軸方向の位置が固定され、このときさらに封止力が、たとえば金属膜または成形膜である二次的なシール部材に伝達される。蓋は、部分的にシール部材の上に載置されて、ケーシングの内部で上述した環状鍔によってセンタリングされる。シール部材は、力の伝達経路に位置しており、このとき、シャフトに対するシール部材の半径方向のアライメントは、実質的に、蓋の位置および蓋の内部に配置されたセンタリング環の位置によって設定される。特に、ブッシュが比較的柔軟な材料でできていることや、製造公差があることによって、ケーシングとプラグと蓋の軸は、それぞれ一致しないものと考えざるを得ない。
【０００４】
このような種類の栓装置は、プラグまたは回転体を回すためにしばしば駆動装置を装備しており、この駆動装置は、通常はコンソールによって前記蓋に取り付けられ、特にセンタリングカラーで蓋に対してセンタリングされる。回転体および蓋、および／または前記コンソールないし駆動装置の軸のずれのために、横方向力が生じる場合があり、こうした横方向力は回転体に作用して、漏れや、前記ブッシュおよび／または二次的なシール部材の早期の磨耗につながってしまう。しかも、蓋と二次的なシール部材とケーシングとの形状接合的かつ摩擦接合的な結合のために、伝達されるべき駆動力が、二次的なシール部材の封止力に対してマイナスに作用したり、さらには封止力が少なくとも部分的に失われてしまい、許容されない外部への漏れが結果的に生じるという可能性を否定できない。
【０００５】
そこで、欧州特許第ＥＰ０３５３５２１Ｂ１号より、二方コックとして構成された栓装置が知られており、その回転体とシャフトは２つの部品で構成されていて、適当なやり方で回転運動を伝達するように連結されている。シャフトと回転体を２つの部品で実施したことにより、ケーシングの回転体と蓋とシャフトのそれぞれの軸の、設計や製造に起因するずれを補正することができる。しかしながら、そのために少なからぬ追加的な製造コストと組立コストが生じてしまう。
【０００６】
以上を前提とする本発明の課題は、栓装置を製造するために簡単に実施することのできる方法を提案し、上述した欠点を回避することである。さまざまな二次的部品、たとえば特にブッシュ、二次的なシール部材、蓋、および回転体を回すための駆動装置などは、これらが浮動式に支承された回転体の回転軸に対してセンタリングされ、かつ横方向力を受けないように組み立てられるように、機能が保証された形で配置されるのが望ましい。
【０００７】
この課題の解決は、請求項１の構成要件に基づいて行われる。
【０００８】
本発明に係る方法は、簡単であるにもかかわらず機能性の高い構成で、二次部品に対する横方向力が回避されるように、浮動式に支承された回転体の回転軸に対する、さまざまな二次部品のセンタリングされた配置、すなわち同軸の配置を保証する。この栓装置の製造ないし組立の際には、蓋の平坦な環状面を、まず、ケーシングの同じく平坦な当接面に直接当接させ、このときケーシングに対する蓋のセンタリング手段は設けられない。次いで、内面がシャフトの外面に遊びなく当接し、蓋と対応するセンタリング手段を含んでいる組立スリーブによって、もしくはシャフトの外面に当接する、蓋の内部に配置されたセンタリング環によって、蓋をシャフトに対してセンタリングし、および回転体の回転軸に対してセンタリングする。つまりシャフトは回転体と一体的に構成されているので、蓋は、回転体の回転軸に対して同軸にアライメントされ、しかも回転軸がケーシング軸に対してどのような位置にいるかによって左右されない。したがって蓋と連結可能な回転体の駆動装置も、同じく回転軸に対してセンタリングされるので、好ましくない横方向力が防止される。さらに蓋とケーシングの間に配置される、シャフトに当接するシール部材は、好ましくは力の伝達経路に位置せず、このとき蓋とケーシングとのもっぱら摩擦接合的な結合が意図される。栓装置を組み立てるときに、シャフトに当接するシール部材のセンタリングが保証されるので、シール部材の点状の磨耗および／または円周上における不均等な磨耗が回避され、長い耐用寿命を得るための機能的に確実な封止が保証される。
【０００９】
有利な発展例では、蓋の切欠きに配置された押圧リングが、センタリング体として利用され、このとき、弾性的な部材によって、および／または特にＯリングの形態をとるさらに別のシールリングによって、蓋にある前記切欠きの内部でのセンタリング体の半径方向の支持が保証される。センタリング体と蓋の間、有利にはセンタリング体と蓋の円筒状の内壁の間には、環状隙間が存在しているので、蓋にセンタリング体が直接当接することは意図されていない。むしろ環状隙間は、上述した弾性的な部材によって、および／またはシールリングによって橋渡しされ、このときセンタリング体は蓋の中で間接的に支えられている。センタリング体は支持面を含んでいて、少なくとも半径方向で、二次的なシール部材の支持が保証されるようになっている。センタリング体はリングとして構成され、回転体に対する押圧リングとしての役目をするので、それによって回転体は、軸方向へ事前設定可能な軸方向の初期応力で、ケーシングのブッシュに押しつけられる。つまり、同時に押圧リングとして構成されるとともに、センタリング体としても作用するこのリングは、最小限の材料コストと所要スペースで、一方では、浮動式に支承された回転体をブッシュの中に軸方向に押し込むとともに、他方では、二次的なシール部材のセンタリングを保証するという、二重の機能を有している。
【００１０】
栓装置は、そのケーシングを通って流動媒体が流れることができ、特にプラグまたは球として構成された回転体を備える特に二方コック、多経路コック、制御コックとして構成されていてよく、もしくはケーシングの内部で浮動式に支承されたフラップ円板として回転体が構成されている、調節フラップまたは制御フラップとして構成されていてよい。回転体によって流動媒体の流れに影響を与えることが可能であり、特に遮断可能、絞り可能、もしくは制御可能である。蓋の内部におけるシャフトの特別な支承部は不要であり、製造コストと組立コストが低減される。蓋とケーシングの間に設定される結合は、好ましくはシール部品すべてが力の伝達経路に位置せず、組立のために、蓋および特にシール部品の半径方向の自由な運動性と、回転体に関するアライメントとが可能なようになっており、このとき好都合には、蓋が、ケーシングに属する載置面の上に金属的に載置される。すべてのシール部品、特に一次シール部と二次シール部は、力の伝達経路に位置せず、駆動力はこれらに対して影響を及ぼさない。蓋のセンタリングは、蓋の穴に挿通されたシャフトによって組立中に行われ、組立スリーブを利用することによって、あるいは、蓋に設けられたセンタリング環によって行われるので、シャフト軸が回転体の回転軸ないしプラグ軸と一致することになる。ケーシングと堅固に結合された蓋を介して、力の伝達が行われる。
【００１１】
蓋とケーシングは、いずれも環状カラー、センタリングフランジ、溝等のような、相互に対応するセンタリング部材を含んでいない。蓋は、ケーシングの載置領域ないし対応する載置面に平坦に構成されているので、遮断機構の回転軸が、ケーシング軸と正確に一直線上に並んでいない場合でさえ、回転軸またはプラグ軸に対するセンタリングのアライメントが容易に実施可能であり、このとき前記ケーシング軸は、遮断機構のためにケーシングに設けられる受容穴の幾何学形状によって規定される。遮断機構は、ケーシングの材料に比べて柔軟な材料でできた前記ブッシュに支承されており、設計上および製造上の理由から、前記ケーシング軸と完全に一致しなければならない必要性のない回転軸またはプラグ軸を形成する。好都合にはプラグシャフトによって二次部品のセンタリングが行われ、特に蓋と二次シール部、デルタリング、成形膜と鋼材膜、プラグシャフトに付属するスタッフィングボックス部品などのセンタリングが行われる。蓋、および同じく前述の成形膜と鋼材膜は、シャフト軸が正確に同軸ないし同一である回転軸またはプラグ軸と同軸のアライメントをするために、半径方向でケーシングの帰属の載置面の上でスライドさせることができると好都合であり、このとき各シール部品が、力の伝達経路内に位置しないと好都合である。
【００１２】
本発明の特定の実施形態や発展例については、従属請求項および以下の説明に記載されている。
【００１３】
次に、図面に描かれた特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳しく説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【００１４】
図１は、貫通孔６を含んでいて円錐形のプラグとして構成された回転体４を備える、二方コックとして構成された栓装置のケーシング２を部分的に示している。回転体４が図示した回転位置にいるとき、流動媒体は貫通孔６とケーシング２の内部空間８とを通って流れることができる。ここではっきりと断っておくと、本発明による栓装置は、プラグや回転体の代わりに、球状の回転体、絞り体、あるいはフラップ円板などを含んでいてもよく、利用分野に応じて二方コック、多経路コック、制御コック、もしくはボール弁、あるいはフラップ等として構成されていてよい。以下においては、あくまでも便宜的に回転体４のことを遮断機構あるいはプラグと呼ぶことがある。さて、逆に、遮断機構４がその回転軸１０を中心として９０°回転すると、流動媒体の流れはせき止められる。蓋１４を通ってケーシング２から引き出されているシャフト１２は、この遮断機構４と一体的に結合されている。シャフト軸は、回転軸またはコック軸１０と同一である。遮断機構４のために設けられたケーシング切欠き１６の中には、回転可能な遮断機構を支承して封止するためのブッシュ１８が配置されている。ブッシュ１８は、有利には金属でできているケーシング２に比べて柔軟であり、および／または遮断機構４の浮動式の支承を保証する、特にＰＴＦＥまたはこれに匹敵する材料でできている。好都合には同じく金属でできている遮断機構とケーシング２との金属接触は、前記ブッシュ１８によって回避されている。ここで断っておくと、遮断機構４ないしプラグの回転軸１０は、特に製造公差があるので、必ずしもケーシング開口部の軸と一直線上になくてもよい。後で詳しく説明する蓋１４およびその他の二次部品の配置や構成と、遮断機構４およびシャフト１２の一体的な構成との組み合わせに基づいて、好ましくない横方向力が回避される。
【００１５】
ケーシング２は、蓋１４に属する載置面２０を含んでおり、この載置面に、蓋１４の平坦な環状面２２が摩擦接合的に直接載っている。さらにこのとき、特に組立時に、蓋は、半径方向へケーシング２に対して自由に可動であり、遮断機構４の回転軸１０と同軸にアライメントすることができる。次いで図２に示す蓋ネジ２４によって、ケーシング２の載置面２０の上に金属的に直接載っている蓋１４とケーシング２との、もっぱら摩擦接合的な堅固な結合が行われる。蓋１４とケーシング２とを相互にアライメントまたはセンタリングするために、環状肩部、センタリングブッシュ等を、ケーシング２にも蓋１４にも設けなくてよいという利点がある。
【００１６】
さらにケーシング２と蓋１４の間には、好ましくはケーシング２の環状溝２８の中で、半径方向外側に向かって載置面２０に隣接するように配置される、蓋シール部２６が設けられている。遮断機構４およびシャフト１２を封止するため、さらに、好ましくは同じくＰＴＦＥからなる成形膜として構成された第１の二次的なシール部材３０が設けられている。さらに、蓋１４と成形膜３０の間に介在する鋼材膜３１も設けられている。部分的にシャフト１２の特に円筒状の外面にリップ部で当接するこの成形膜３０は、半径方向でシャフト１２に対してアライメント可能であると好都合である。このことは特に、蓋の組付け時に行われ、その後で前述の蓋ネジ２４をしっかり締める。成形膜３０および特に鋼材膜３１をシャフト１２に対して、およびそれに伴ってシャフトと一体的に結合された遮断機構４に対して、半径方向のアライメントをすることができるので、遮断機構４に対する軸のずれや、通常であればその結果として生じる横方向力が有利に回避され、格別に好都合にその不利な結果も回避される。成形膜３０は半径方向内側で、シャフト１２と同軸なリップ部の領域において、図示した例では遮断機構４の上側の環状カラーに支持されている三角リングまたはデルタリング３２によって支持されている。
【００１７】
さらに蓋１４の内部には、環状スペースとして構成された切欠き３３の中に、リング３４として構成されたセンタリング体が設けられており、このセンタリング体はこの図面では成形膜３０の内側部分の上に載っている。環状スペース３３の内壁とセンタリング体３４との間には、環状隙間３５がある。センタリング体３４は好ましくは環状に構成され、同時に押圧リングとしての役目も果たす。図面の上側にあたる他方の側には、センタリング体および押圧リング３４に少なくとも１つの調整部材３６が、特にネジの形態で付いており、この調整部材は、蓋１４に固定されていて外部から操作可能である。円周上に分散された複数の同種の調整部材３６またはネジが設けられていると好都合であり、それによって、押圧リング３４を介して遮断機構４の軸方向の再調整が必要に応じて可能となる。センタリング体および／または押圧リング３４は、環状隙間３５に配置されたシールリング３７を介して、蓋１４の好ましくは円筒状をした内壁に半径方向で弾性的に支持されている。半径方向外側に位置する縁部が、ケーシング２と蓋１４の間に挟み込まれているシール部材３０は、外部に対するケーシング切欠き１６の二次的な封止をする役目を果たし、このとき、半径方向内側に位置する鉤状に構成されたシールリップがシャフト１２に当接している。半径方向外側に位置している挟持部を除いて、二次的なシール部材３０は蓋１４に直接支持されるのではなく、少なくとも半径方向でセンタリング体および／または押圧リング３４に支持されている。図からわかるように、センタリング体は、鉤状のシールリップに対応するように長軸１０に対して傾斜した支持面３９を有しており、この支持面は、特に半径方向に作用するシール部材３０の支持を保証している。蓋１４の中でセンタリング体３４を介してシール部材３０がこのように構成された間接的な半径方向の支持部を備えているので、シール部材３０、特にそのシャフト１２に当接するシールリップの、長軸１０に対して同軸のアライメントが保証される。
【００１８】
蓋１４は、さらにそのケーシング２と反対を向いている側に、センタリングカラー３８と、ここには図示しない駆動装置のコンソールのための載置面４０とを有しており、この駆動装置は、特に平坦で軸に平行な少なくとも１つの係合面４２を介してシャフト１２と連結されている。
【００１９】
図３と図４は、スタッフィングボックスとして構成された第２の二次シール部４４を備える、二方コックの実施形態を示している。シャフト１２に付けられる第２の二次シール部４４は、押圧リング３４と同じく、上に説明したやり方でもっぱら摩擦接合的にケーシング２と結合された、蓋１４の内部にある環状スペース４６に配置されている。二次シール部ないしスタッフィングボックス４４には、さらに別の押圧リング４８が付けられており、この押圧リングによって、二次シール部４４の調整ないし再調整を実行可能である。そのために、蓋１４の中には、特に少なくとも１つのネジ５０が設けられている。図４との関連で明らかなように、円周上に分散されている複数の、好ましくは３つの調整ネジ５０が設けられており、これらの調整ネジは外部から操作可能なので、必要に応じて押圧リング３４を介して遮蔽機構４の軸方向の再調整、および第１の二次シール部すなわち成形膜３０の軸方向の再調整が可能であり、しかも第２の二次シール部４４に影響を及ぼすことがない。つまり外部に対して封止をするために３種類のシールシステムが存在しており、そのうち２つを互いに無関係に再調整することができる。このような特別な実施形態は、安全スタッフィングボックスが後置されたベローズ封止と少なくとも同等であるとみなすことができ、したがって、特にドイツの故障事故令やＴＡ−ＬＵＦＴや１２．ＢｌｍＳｃｈＶに基づく、安全性要求を満たしている。本発明の栓装置は、ケーシング２と遮断機構４の間の一次シール部としてブッシュ１８を含んでおり、このとき再調整は、無頭ネジ３６を介して可能である。第１の二次シール部としては、上述した成形膜３０が設けられており、その再調整は同じく無頭ネジ３６を介して行われる。最後に、第２の二次シール部としてスタッフィングボックス４４が設けられており、その再調整のために調整ネジ５０が設けられている。蓋ネジ２４によって蓋１４をケーシング２にネジ固定する前の組立時に、遮断機構４の回転軸１０に対する第２の二次シール部４４のセンタリングも自動的に行われる。なお、その他の構成部品や機能の関連性については、上に述べた説明を援用する。
【００２０】
図５と図６は、原則として上に説明した実施形態に対応しているが、追加的に漏れ監視をすることが可能な、さらに別の実施形態を示している。好ましくはスタッフィングボックスとして構成された第２の二次シール部４４の領域に、漏れがあったときに、これが第１の押圧リング３４の孔５４を通って特に半径方向に流出することを可能にし、監視接続部の接続口５６に漏れを導く漏れリング５２が設けられている。押圧リング３４の外面と蓋１４の内面との間のシールリング５８によって、漏れが外部に出るのを阻止すると好都合である。破線５９で示すように、代替案として、上に述べたシールリングが半径方向外側で、センタリング体または第１の押圧リング３４と第２の押圧リング４８との間の領域に配置されていてもよい。この代替的な実施形態では、シールリング５９を受容するために、センタリング体または押圧リング３４ならびに第２の押圧体４８の互いに向き合う外側コーナーが、シールリング５９の球状の輪郭に合わせて構成される。
【００２１】
図７は、組立途中の二方コックを示している。本発明によれば、回転体４の回転軸１０に対して蓋１４をセンタリングするための組立装置が設けられる。この組立装置は、内面６２がシャフト１２の外面に遊びなく当接する組立スリーブ６０を含んでいる。さらに、シャフト１２に対して、およびこれに伴って回転体４の回転軸１０に対して、蓋１４をセンタリングするため、ないしは正確に同軸のアライメントをするためのセンタリング手段が設けられている。このセンタリング手段６４は、特に、組立スリーブの環状肩部６６として、およびこの環状肩部６６に対応する蓋１４のセンタリングカラー３８として構成される。つまりセンタリングカラー３８は、一方では回転軸１０に対して蓋１４をセンタリングするために設けられるとともに、他方では上に述べた駆動装置のコンソールをセンタリングするために設けられることによって、二重機能を有しているのが好都合である。蓋１４をセンタリングした後、前述した蓋ネジを強く締めることによって、ケーシング２との摩擦接合的な堅固な結合を作り出す。
【００２２】
代替的な実施形態では、シャフト１２の外面に当接するセンタリング環６８を、蓋１４が含んでいてよい。このセンタリング環６８によって、前述した蓋ネジを強く締める前に、組立時に蓋１４のセンタリングが行われる。はっきり断っておくと、蓋１４の堅固な結合が作り出された後、センタリング環６８は、決してシャフト１２に対する支承機能を有するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、二方コックとして構成された栓装置を、軸方向切断面で示す部分断面図である。
【図２】図２は、図１の視線方向ＩＩから見たときの二方コックの平面図である。
【図３】図３は、安全スタッフィングボックスを備える、二方コックの第２実施形態を示す部分断面図である。
【図４】図４は、安全スタッフィングボックスを備える、二方コックの第２実施形態を示す平面図である。
【図５】図５は、安全スタッフィングボックスと漏れ監視部とを備える、さらに別の実施形態を示す部分断面図である。
【図６】図６は、安全スタッフィングボックスと漏れ監視部とを備える、さらに別の実施形態を示す平面図である。
【図７】図７は、図１の二方コックを組立中の状態で示す部分断面図である。
【符号の説明】
２ ケーシング
４ 回転体／プラグ
６ 回転体の貫通孔
８ ケーシングの内部スペース
１０ 回転体の回転軸
１２ シャフト
１４ 蓋
１６ ケーシング切欠き
１８ ブッシュ
２０ 載置面
２２ 環状面
２４ 蓋ネジ
２６ 蓋シール部
２８ 環状溝
３０ 第１の二次的なシール部材／成形膜
３１ 鋼材膜
３２ デルタリング
３３ 切欠き／環状スペース
３４ センタリング体／押圧リング／リング
３５ 半径方向の環状隙間
３６ 調整部材／無頭ネジ
３７ シールリング
３８ センタリングカラー
３９ 支持面
４０ 載置面
４２ 係合面
４４ 第２の二次的なシール部材／スタッフィングボックス
４６ 環状スペース
４８ 別の押圧リング
５０ 調整ネジ
５２ 漏れリング
５４ センタリング体の穴
５６ 蓋の接続口
５８ シールリング
５９ シールリング
６０ 組立スリーブ
６２ 組立スリーブの内面
６４ センタリング手段
６６ 環状肩部
６８ センタリング環

Claims (9)

1. 栓装置を製造する方法であって、該栓装置は、ケーシング（２）と、該ケーシングの内部にある、特に円錐形のプラグとして構成された回転体（４）と、シャフト（１２）によって回転軸（１０）を中心に回転可能な回転体（４）を浮動式に支承して封止するためにケーシング（２）の内部に配置されたブッシュ（１８）と、さらに蓋（１４）とを含んでおり、該蓋を通って、回転体（４）と一体的に結合されたシャフト（１２）が外部に案内されており、前記蓋は、環状スペース（３３）の中に押圧リング（３４）を含んでおり、該押圧リングは半径方向の環状隙間（３５）を形成しながら蓋（１４）の中に配置されるとともに、シャフト（１２）に当接するシール部材（３０）に付けられており、蓋（１４）を平坦な環状面（２２）を介してケーシング（２）の当接面（２０）に当接させ、センタリングして、ケーシング（２）と摩擦接合的に結合させる方法であり、
   まず、蓋（１４）の平坦な環状面（２２）を、ケーシングの同じく平坦な当接面（２０）に直接当接させ、このときケーシング（２）に対する蓋（１４）のセンタリング手段は設けられておらず、
   次いで、蓋（１４）をシャフト（１２）に対して、および回転体（４）の回転軸（１０）に対して正確に同軸にアライメントし、このとき、
   ・内面（６２）がシャフト（１２）の外面に遊びなく当接し、蓋（１４）のセンタリング手段（３８）と対応するセンタリング手段（６６）を含んでいる組立スリーブ（６０）を利用し、
   ・もしくは、一方ではシャフト（１２）の外面に当接するとともに、他方では蓋（１２）の内面に当接する、蓋（１４）の内部に配置されたセンタリング環（６８）を利用し、
   次いで、知られているやり方で蓋ネジ（２４）をしっかり締めることによって、蓋（１４）を摩擦接合的にケーシング（２）と結合させることを特徴とする、栓装置を製造する方法。
2. センタリング部材としての組立スリーブ（６０）が、蓋（１４）のセンタリングカラー（３８）に対応する環状肩部（６６）を有している、請求項１に記載の方法。
3. 蓋（１４）のケーシング（２）の方を向いている下側の環状面（２２）が、一貫して平坦に構成されている、請求項１または２に記載の方法。
4. ケーシング（２）の蓋（１４）の方を向いている表面が、蓋シール部（２６）のための環状溝（２８）を含んでおり、該蓋シール部には蓋（１４）の下側の環状面（２２）を封止するように当接する、請求項１から３までのいずれか一項に記載の方法。
5. シャフト（１２）に二次的なシール部材としての成形膜（３０）を封止するように当接させ、ケーシング（２）と蓋（１４）との堅固な結合を作り前に、シャフト（１２）を介して回転体（４）の回転軸（１０）に対してセンタリングし、次いで成形膜（３０）を蓋（１４）とケーシング（２）の間で固定することを特徴とする、請求項１から４までのいずれか一項に記載の方法。
6. センタリング体として構成された蓋（１４）の押圧リング（３４）に、シール部材（３０、４４）を当接させ、リング（３４）と蓋（１４）の間に半径方向の環状隙間（３５）を設けることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか一項に記載の方法。
7. 押圧リング（３４）と蓋（１４）との間に、弾性的な部材および／またはシールリング（３７）を配置することを特徴とする、請求項６に記載の方法。
8. 蓋（１４）の環状スペース（３３、４６）の内部に、特にスタッフィングボックスとして構成される第２の二次的なシール部材（４４）を配置し、環状スペース（４６）の中に配置された別の押圧リング（４８）によってシール部材（４４）を調整することを特徴とする、請求項１から７までのいずれか一項に記載の方法。
9. 第２の二次的なシール部材（４４）に漏れリング（５２）が付けられており、好都合には、押圧リング（３４）にある半径方向の穴（５４）を介して、ならびに蓋（１４）にある接続口（５６）を介して、外部への接続をすることが可能であることを特徴とする、請求項８に記載の方法。

Images