JP3570486B2 - フェルール付き光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

フェルール付き光ファイバ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバと、光ファイバが挿入される挿入孔を有するフェルールとを備え、上記挿入孔に光ファイバの先端部分を挿入して構成されるフェルール付き光ファイバ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信に代表される光技術の発達に伴い、光素子の小型化・高機能化が進んでいる。かかる光素子の小型化・高機能化の流れの中で、内部あるいは先端面に種々の加工を施して種々の機能を発揮させる光ファイバが開発されている。
【0003】
上記光ファイバの一例としては、一定の間隔を有する複数の回折格子を内部に形成した光ファイバが挙げられる。かかる光ファイバは、例えば半導体発光素子と光結合させることで、半導体発光素子の端面と回折格子との間で共振器を構成し、単色性の高い出力光を発する発光モジュールとして機能する。
【0004】
また、上記光ファイバの先端部分はフェルールに挿入されており、当該フェルールは、光ファイバの先端部分を保護する、他の光素子に対する位置決めを容易にする、などの役割を果たしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記光ファイバを製造する場合は、被覆を剥がして光ファイバ心線を露出させた状態でその内部あるいは先端面に加工を施し、その後、先端部分をフェルールに挿入する必要がある。従って、光ファイバ心線をフェルールに挿入する際に、当該加工部分が破損しやすく、取り扱いが非常に困難である。
【0006】
そこで本発明は、光ファイバの加工部分が破損しにくく、取り扱いが容易なフェルール付き光ファイバ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のフェルール付き光ファイバは、光ファイバと、光ファイバが挿入される挿入孔を有するフェルールとを備え、挿入孔に光ファイバの先端部分を挿入して構成されるフェルール付き光ファイバであって、フェルールは、透光性物質からなるとともに挿入孔を有する筒状のフェルール本体部と、金属からなるとともにフェルール本体部の外周面に設けられ、光ファイバ内の回折格子形成予定部位に対して外部から光を入射させる光入射窓が形成されているカバー部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
フェルール本体部を透光性物質から形成することで、光ファイバの先端部分をフェルール本体部の挿入孔に挿入した後で、外部から紫外線等の光を照射して回折格子を形成することができる。また、金属からなり光入射窓が形成されたカバー部を設けることで、フェルール本体部が衝撃等から保護され当該フェルールを筐体等に溶接固定することが可能となるとともに、カバー部を形成した後であっても、光入射窓及びフェルール本体部を介して、光ファイバ内の回折格子形成予定部位に外部から光を入射させることができ、光ファイバの内部に回折格子を形成することができる。
【0013】
本発明のフェルール付き光ファイバにおいては、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とは、連続した1つの面上に配置され、光ファイバの先端面は、略球面形状となっていることを特徴としてもよい。
【0014】
フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とが、連続した1つの面上に配置されていること、すなわち、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として曲面加工して、光ファイバの先端面を略球面形状とすることで、光ファイバの先端部分をフェルールに挿入した後で、光ファイバの先端面を略球面形状に加工することが可能となる。また、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として曲面加工するため、光ファイバの先端面のみを加工する場合と比較して、加工時の安定性が増す。
【0015】
上記課題を解決するために本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法は、透光性物質からなるとともに光ファイバを挿入する挿入孔を有する筒状のフェルール本体部の挿入孔に、光ファイバの先端部分を挿入する光ファイバ挿入工程と、挿入孔に挿入された光ファイバ内の回折格子形成予定部位に、フェルール本体部の外部から光を入射させ、回折格子を形成する回折格子形成工程とを備えたことを特徴としている。
【0016】
フェルール本体部の挿入孔に光ファイバの先端部分を挿入した後で、当該挿入孔に挿入された光ファイバに外部から光を入射させて回折格子を形成することで、光ファイバの先端部分をフェルール本体部に挿入する際、回折格子が破損することが防止される。
【0017】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法においては、回折格子形成工程の後に、フェルール本体部の外側に、金属からなる筒状のカバー部を設けるカバー部設置工程をさらに備えたことを特徴としてもよい。
【0018】
金属からなるカバー部を設けることで、フェルール本体部が衝撃等から保護されるとともに当該フェルールを筐体等に溶接固定することが可能となる。
【0019】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法においては、回折格子形成工程の前に、フェルール本体部の外側に、金属からなる筒状のカバー部を設けるカバー部設置工程をさらに備え、カバー部は、光ファイバ内の回折格子形成予定部位に対して外部から光を入射させる光入射窓を有しており、回折格子形成工程は、光入射窓から挿入孔に挿入された光ファイバ内の回折格子形成予定部位に光を入射させて回折格子を形成することを特徴としても良い。
【0020】
カバー部に光入射窓を形成することで、光入射窓及び透光性物質からなるフェルール本体部を介して、光ファイバ内の回折格子形成予定部位に外部から光を入射させることができ、光ファイバの先端部分をフェルールに挿入し、カバー部を設けた後で、光ファイバの内部に回折格子を形成することが可能となる。
【0021】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法においては、カバー部設置工程の前に、フェルール本体部の外周面に、金属膜を形成する金属膜形成工程をさらに備えたことを特徴としてもよい。
【0022】
カバー部を設ける前に、フェルール本体部の外周面に金属膜を形成することで、フェルール本体部とカバー部とを半田等により強固に固着させることができる。
【0023】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法においては、光ファイバ挿入工程の後に、光ファイバの先端面が略球面形状となるように、フェルール本体部の先端面と挿入孔に挿入された光ファイバの先端面とを一体として加工する先端面加工工程をさらに備えたことを特徴としてもよい。
【0024】
フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として加工し、光ファイバの先端面を略球面形状とすることで、光ファイバの先端部分をフェルールに挿入した後に、光ファイバの先端面を略球面形状に加工することが可能となる。また、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として加工することで、光ファイバの先端面のみを加工する場合と比較して、加工時の安定性が増す。
【0025】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法においては、先端面加工工程は、フェルール本体部の先端面と挿入孔に挿入された光ファイバの先端面とを一体として研磨加工することによって行われることを特徴としてもよい。
【0026】
先端面の加工を研磨加工によって行うことで、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを容易に加工することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係るフェルール付き光ファイバについて、図面を参照して説明する。まず、本実施形態に係るフェルール付き光ファイバの構成について説明する。図1は本実施形態にかかるフェルール付き光ファイバの斜視図、図2は本実施形態にかかるフェルール付き光ファイバの断面図である。
【0028】
本実施形態に係るフェルール付き光ファイバ10は、光ファイバ12と、光ファイバ12が挿入される挿入孔を有するフェルール14とを備え、上記挿入孔に光ファイバ12の先端部分を挿入して構成されている。
【0029】
光ファイバ12は、コア及びクラッドから構成される光ファイバ心線16と光ファイバ心線16を覆う被覆18とから構成されているが、フェルール14の挿入孔に挿入される光ファイバ12の先端部分においては、被覆18が剥がされ、光ファイバ心線16がむき出しになっている。
【0030】
フェルール14は、透光性物質であるガラスからなるとともに、光ファイバ12の先端部分を挿入する挿入孔を有する円筒状のガラスフェルール(フェルール本体部)20と、金属であるSF20Tからなるとともに、ガラスフェルール20の外周面を覆うように設けられた金属フェルール(カバー部)22とを備えて構成される。
【0031】
ガラスフェルール20は1.2mm程度の外径を有しており、また、ガラスフェルール20に設けられた挿入孔は、光ファイバ心線16の外径(125μm)とほぼ等しい内径を有している。光ファイバ心線16は、ガラスフェルール20の挿入孔に挿入され、低融点ガラスを介してガラスフェルール20に対して固定される。
【0032】
また、ガラスフェルール20の先端面20aと光ファイバ心線16の先端面16aとは、一体として曲面状に加工されており、ガラスフェルール20の先端面20aと光ファイバ心線16の先端面16aとが、不連続部分を有しない連続した1つの面上に配置されているとともに、光ファイバ心線16の先端面16aは、ほぼ球面形状に加工されている。
【0033】
金属フェルール22は、数μm〜数十μm程度の厚みをもって設けられており、光ファイバ心線16内において回折格子を形成すべき部位、すなわち回折格子形成予定部位Pに外部から光を入射させる帯状の光入射窓22aが形成されている。また、光ファイバ心線16内の回折格子形成予定部位Pには、外部から光入射窓22aを介してレーザ光を入射させることにより、実際に、一定の間隔を有する複数の回折格子16bが形成されている。
【0034】
また、ガラスフェルール20の外周面には、ガラスフェルール20と金属フェルール22とを半田等により強固に固着させるため、NiとAuとからなる金属膜24が形成されている。ここで、金属膜24のうち、上記金属フェルール22の光入射窓22aに対応する部分には、同様の光入射窓24aが形成されている。
【0035】
続いて、本実施形態に係るフェルール付き光ファイバの製造方法について説明する。図3は、本実施形態に係るフェルール付き光ファイバ10の製造工程図である。フェルール付き光ファイバ10を製造するためには、まず、図3(a)に示す如く、光ファイバ12の先端部分の被覆18を剥がし、むき出しにされた光ファイバ心線16の先端部分をガラスフェルール20の挿入孔に挿入し、低融点ガラス等を介して固定する(光ファイバ挿入工程)。
【0036】
続いて、図3(b)に示す如く、ガラスフェルール20の外周面に、Ni及びAuからなる金属膜24を形成する(金属膜形成工程)。より具体的にはまず、ガラスフェルール20の表面上であって、金属フェルール22の光入射窓22aが形成される部位に対応する位置、すなわち、光ファイバ心線16内の回折格子形成予定部位Pに外部から光を入射させる位置にマスクを形成する。当該マスクは、例えば、ガラスフェルール20の表面上に帯状のテープを張り付けることによって形成される。その後、ガラスフェルール20の外周面に、蒸着あるいはスパッタリング等の方法で金属膜24を形成する。金属膜24を形成した後に、上記マスクを除去することで、当該マスクの形成されていた位置に光入射窓24aが形成されることになる。
【0037】
続いて、図3(c)に示すように、予め光入射窓22aが形成された金属フェルール22に、ガラスフェルール20を挿入する(カバー部設置工程)。その結果、ガラスフェルール20の外側に金属フェルールが設けられたことになる。この際、金属フェルール22とガラスフェルール20とは半田等によって固着される。
【0038】
その後、図3(d)に示す如く、ガラスフェルール20の先端面20aと上記挿入孔に挿入された光ファイバ心線16の先端面16aとを一体として研磨加工することによって、光ファイバ心線16の先端面16aを略球面形状とする(先端面加工工程)。ここで、光ファイバ心線16の先端面16aを略球面形状とするためには、図3(d)に示すように、ガラスフェルール20の先端面20aが、かなり広い範囲にわたって、負の曲率を有するような曲面となる。また、ガラスフェルール20の先端面20aと光ファイバ心線16の先端面16aとを一体として加工することで、ガラスフェルール20の先端面20aと光ファイバ心線16の先端面16aとは、連続した1つの曲面を形成することになる。
【0039】
最後に、図3(e)に示す如く、上記挿入孔に挿入された光ファイバ心線16内の回折格子形成予定部位Pに、光入射窓22a,24aを介して外部からレーザ光を入射させ、一定の間隔を有する複数の回折格子16bを形成する(回折格子形成工程)。
【0040】
続いて、本実施形態に係るフェルール付き光ファイバの作用及び効果について説明する。本実施形態に係るフェルール付き光ファイバ10は、ガラスフェルール20の外周に金属フェルール22を設けることで、ガラスフェルール20を衝撃等から保護することが可能となるとともに、フェルール14を筐体等に溶接固定することが可能となる。一方、ガラスフェルール20の外周に金属フェルール22を設けるため、当該金属フェルール22の設けられている部位からは、外部からの光をガラスフェルール20の内部に通光させることはできないが、金属フェルール22に光入射窓22aを形成することにより、当該光入射窓22aを介して、外部からの光をガラスフェルール20の内部に通過させることができる。従って、当該光入射窓22a及びガラスフェルール20を介して、外部から光ファイバ心線16内の回折格子形成予定部位Pに、回折格子16bを形成するためのレーザ光を入射させることができ、光ファイバ心線16の先端部分をフェルール14に挿入した後で、光ファイバ心線16の内部に回折格子16bを形成することが可能となる。その結果、光ファイバ心線16のフェルール14への挿入に伴って回折格子16bが破損することが回避され、回折格子16bを有するフェルール付き光ファイバ10の取り扱いが極めて容易となる。
【0041】
また、本実施形態に係るフェルール付き光ファイバ10は、ガラスフェルール20の先端面20aと挿入孔に挿入された光ファイバ心線16の先端面16aとを一体として研磨加工することで、光ファイバ心線16の先端部分をフェルール14に挿入した後で、光ファイバ心線16の先端面16aを略球面形状に加工することを可能としている。従って、光ファイバ心線16をフェルール14に挿入する際に光ファイバ心線16の先端面16aが多少傷ついてしまったとしても、その後の研磨加工により、光ファイバ心線16の先端面16aを略球面形状に加工することが可能となる。その結果、フェルール付き光ファイバ10の取り扱いが極めて容易となる。また、ガラスフェルール20の先端面20aと光ファイバ心線16の先端面16aとを一体として曲面加工するため、光ファイバ心線16の先端面16aのみを加工する場合と比較して、加工時の安定性が増し、加工精度も向上する。尚、光ファイバ心線16の先端面16aをほぼ球面状に加工することで、外部に設けられた半導体発光素子等と光結合効率を高めることが可能となる。
【0042】
さらに、本実施形態に係るフェルール付き光ファイバ10は、ガラスフェルール20の外周面に金属膜24を形成し、かかる金属膜24と金属フェルール22とを半田等により接着させることで、ガラスフェルール20と金属フェルール22とを強固に固着させることが可能となる。
【0043】
尚、上記金属膜形成工程においては、ガラスフェルール20の表面上に帯状のテープを張り付けることによってマスクを形成し、その後、ガラスフェルール20の外周面に、蒸着あるいはスパッタリング等の方法で金属膜24を形成していたが、これは以下の方法を用いても良い。すなわち、金属膜のソースである金属塊とガラスフェルール20との間隙に遮蔽物を配置し、当該遮蔽物をマスクとして蒸着あるいはスパッタリング等の方法により金属膜24を形成することも可能である。
【0044】
また、フェルール付き光ファイバは、図4に示すような製造工程によって製造しても良い。すなわちまず、図4(a)に示す如く、光ファイバ12の先端部分の被覆18を剥がし、むき出しにされた光ファイバ心線16の先端部分をガラスフェルール20の挿入孔に挿入し、低融点ガラス等を介して固定する。
【0045】
続いて、図4(b)に示す如く、ガラスフェルール20の外周面に、金属膜24を形成する。ここでは、ガラスフェルール20の表面上であって、金属フェルール22の光入射窓22aが形成される部位に対応する位置にマスクを形成し、その上から金属膜24を形成する。金属膜24を形成した後に、上記マスクを除去することで、当該マスクの形成されていた位置に光入射窓24aが形成される。
【0046】
その後、図4(c)に示す如く、ガラスフェルール20の先端面20aと上記挿入孔に挿入された光ファイバ心線16の先端面16aとを一体として研磨加工することによって、光ファイバ心線16の先端面16aを略球面形状とする。
【0047】
続いて、図4(d)に示す如く、上記挿入孔に挿入された光ファイバ心線16内の回折格子形成予定部位Pに、金属膜24の光入射窓24aを介して外部からレーザ光を入射させ、一定の間隔を有する複数の回折格子16bを形成する。
【0048】
最後に、図4(e)に示すように、金属フェルール22に、ガラスフェルール20を挿入する。この場合、光ファイバ心線16内には、すでに回折格子16bが形成されているので、金属フェルール22に光入射窓22aを形成する必要が無くなる。
【0049】
また、上記製造方法においては、金属膜24を形成した後に光ファイバ心線16に回折格子16bを形成していたが、これは、回折格子16bを形成した後に金属膜24を形成しても良い。回折格子16bを形成した後に金属膜24を形成することで、金属膜24に光入射窓24aを形成する必要が無くなる。
【0050】
【発明の効果】
本発明のフェルール付き光ファイバは、フェルール本体部を透光性物質から形成することで、光ファイバの先端部分をフェルール本体部の挿入孔に挿入した後で、外部から紫外線等の光を照射して回折格子を形成することができる。その結果、光ファイバをフェルールに挿入する際に回折格子が破損することが防止され、フェルール付き光ファイバの取り扱いが容易になる。
【0051】
本発明のフェルール付き光ファイバは、金属からなるカバー部を設けることで、フェルール本体部が衝撃等から保護されるとともに当該フェルールを筐体等に溶接固定することが可能となる。
【0052】
本発明のフェルール付き光ファイバは、カバー部に光入射窓を形成することで、カバー部を形成した後であっても、光入射窓及びフェルール本体部を介して、光ファイバ内の回折格子形成予定部位に外部から光を入射させることができ、光ファイバの内部に回折格子を形成することができる。
【0053】
本発明のフェルール付き光ファイバは、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とが、連続した1つの面上に配置されていること、すなわち、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として曲面加工して、光ファイバの先端面を略球面形状とすることで、光ファイバの先端部分をフェルールに挿入した後で、光ファイバの先端面を略球面形状に加工することが可能となる。従って、光ファイバをフェルールに挿入する際に光ファイバの先端部分が破損しても、その後の加工により、光ファイバの先端面を略球面形状に加工することが可能となる。その結果、フェルール付き光ファイバの取り扱いが極めて容易となる。また、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として曲面加工するため、光ファイバの先端面のみを加工する場合と比較して、加工時の安定性が増す。
【0054】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法は、フェルール本体部の挿入孔に光ファイバの先端部分を挿入した後で、当該挿入孔に挿入された光ファイバに外部から光を入射させて回折格子を形成することで、光ファイバの先端部分をフェルール本体部に挿入する際、回折格子が破損することが防止される。その結果、フェルール付き光ファイバの取り扱いが容易になる。
【0055】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法は、カバー部設置工程により金属からなるカバー部を設けることで、フェルール本体部が衝撃等から保護されるとともに当該フェルールを筐体等に溶接固定することが可能となる。
【0056】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法は、カバー部に光入射窓を形成することで、光入射窓及び透光性物質からなるフェルール本体部を介して、光ファイバ内の回折格子形成予定部位に外部から光を入射させることができ、光ファイバの先端部分をフェルールに挿入し、カバー部を設けた後で、光ファイバの内部に回折格子を形成することが可能となる。
【0057】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法は、カバー部を設ける前に、フェルール本体部の外周面に金属膜を形成することで、フェルール本体部とカバー部とを半田等により強固に固着させることができる。
【0058】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法は、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として加工し、光ファイバの先端面を略球面形状とすることで、光ファイバの先端部分をフェルールに挿入した後に、光ファイバの先端面を略球面形状に加工することが可能となる。従って、光ファイバをフェルールに挿入する際に光ファイバの先端部分が破損しても、その後の加工により、光ファイバの先端面を略球面形状に加工することが可能となる。その結果、フェルール付き光ファイバの取り扱いが極めて容易となる。また、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを一体として加工することで、光ファイバの先端面のみを加工する場合と比較して、加工時の安定性が増す。
【0059】
本発明のフェルール付き光ファイバの製造方法は、先端面の加工を研磨加工によって行うことで、フェルール本体部の先端面と光ファイバの先端面とを容易に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェルール付き光ファイバの斜視図である。
【図2】フェルール付き光ファイバの断面図である。
【図3】フェルール付き光ファイバの製造工程図である。
【図4】フェルール付き光ファイバの製造工程図である。
【符号の説明】
10…フェルール付き光ファイバ、12…光ファイバ、14…フェルール、16…光ファイバ心線、18…被覆、20…ガラスフェルール、22…金属フェルール、22a…光入射窓、24…金属膜、24a…光入射窓

Claims (8)

  1. 光ファイバと、前記光ファイバが挿入される挿入孔を有するフェルールとを備え、前記挿入孔に前記光ファイバの先端部分を挿入して構成されるフェルール付き光ファイバにおいて、
    前記フェルールは、
    透光性物質からなるとともに前記挿入孔を有する筒状のフェルール本体部と、
    金属からなるとともに前記フェルール本体部の外周面に設けられ、前記光ファイバ内の回折格子形成予定部位に対して外部から光を入射させる光入射窓が形成されているカバー部とを備えた
    ことを特徴とするフェルール付き光ファイバ。
  2. 前記フェルール本体部の先端面と前記光ファイバの先端面とは、連続した1つの面上に配置され、前記光ファイバの先端面は、略球面形状となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載のフェルール付き光ファイバ。
  3. 透光性物質からなるとともに光ファイバを挿入する挿入孔を有する筒状のフェルール本体部の前記挿入孔に、光ファイバの先端部分を挿入する光ファイバ挿入工程と、
    前記挿入孔に挿入された前記光ファイバ内の回折格子形成予定部位に、前記フェルール本体部の外部から光を入射させ、回折格子を形成する回折格子形成工程とを備えた
    ことを特徴とするフェルール付き光ファイバの製造方法。
  4. 前記回折格子形成工程の後に、
    前記フェルール本体部の外側に、金属からなる筒状のカバー部を設けるカバー部設置工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項3に記載のフェルール付き光ファイバの製造方法。
  5. 前記回折格子形成工程の前に、
    前記フェルール本体部の外側に、金属からなる筒状のカバー部を設けるカバー部設置工程をさらに備え、
    前記カバー部は、前記光ファイバ内の回折格子形成予定部位に対して外部から光を入射させる光入射窓を有しており、
    前記回折格子形成工程は、
    前記光入射窓から前記挿入孔に挿入された前記光ファイバ内の回折格子形成予定部位に光を入射させて回折格子を形成する
    ことを特徴とする請求項3に記載のフェルール付き光ファイバの製造方法。
  6. 前記カバー部設置工程の前に、
    前記フェルール本体部の外周面に、金属膜を形成する金属膜形成工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項4または5に記載のフェルール付き光ファイバの製造方法。
  7. 前記光ファイバ挿入工程の後に、
    前記光ファイバの先端面が略球面形状となるように、前記フェルール本体部の先端面と前記挿入孔に挿入された前記光ファイバの先端面とを一体として加工する先端面加工工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のフェルール付き光ファイバの製造方法。
  8. 前記先端面加工工程は、
    前記フェルール本体部の先端面と前記挿入孔に挿入された前記光ファイバの先端面とを一体として研磨加工することによって行われる
    ことを特徴とする請求項7に記載のフェルール付き光ファイバの製造方法。
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