JPH10133039A - 屈折率分布の形成方法 - Google Patents

屈折率分布の形成方法

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JPH10133039A
JPH10133039A JP8285448A JP28544896A JPH10133039A JP H10133039 A JPH10133039 A JP H10133039A JP 8285448 A JP8285448 A JP 8285448A JP 28544896 A JP28544896 A JP 28544896A JP H10133039 A JPH10133039 A JP H10133039A
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ultraviolet light
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JP8285448A
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English (en)
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Tadashi Enomoto
正 榎本
Masumi Ito
真澄 伊藤
Maki Ikechi
麻紀 池知
Susumu Inoue
享 井上
Tatsuya Ito
達也 伊藤
Masaichi Mobara
政一 茂原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外光を照射して所望の屈折率分布を得るた
めに、従来は細く成形されたビーム光を軸方向に順次移
動して時間を変えながら照射するために長時間を必要と
し、生産性等に問題があった。 【解決手段】 軸方向の屈折率が均一なコア部21を有
する光伝送路20を作製する第1の工程と、遮光マスク
1に設けられた所望形状の光透過窓2を介して紫外光3
1を通過せしめて光伝送路20を照射すると同時に、遮
光マスク1をコア軸と直角方向40に移動せしめてコア
軸上の各位置に紫外光が照射される時間に変化を与え、
コア部21の各位置の屈折率を照射時間に対応させる第
2の工程とを備える屈折率分布の形成方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光伝送路の軸方向
に所望形状の屈折率分布を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバ通信技術の進展にとも
ない、ネットワークの複雑化や信号波長の多重化などが
進行し、システム構成は高度化しつつある。このような
光通信システムでは、光回路素子の重要性が増大してい
る。光回路素子における一つとしての接続素子について
は、コア部の屈折率を軸方向に変化させて接続損失を改
善したり、あるいはコア部に回折格子を設けたファイバ
型フィルタについては、光軸方向の位置によって屈折率
を変化させてフィルタ性能を向上させる試みがなされて
いる(USP5,309,260、ELECTRONICS LETTERS18th Aug.19
94 Vol.30 No.17 pp1401〜1403あるいはOFC ´95 PD8:2
〜5)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、コア部に紫
外光照射して所望の屈折率分布を形成したり、あるいは
コア部の位置によって屈折率が変化する回折格子を得る
従来の方法は、細く成形されたビーム光をスキャンニン
グしたり、あるいはビーム光の幅に対応する長さについ
て所定時間照射し、ビーム光を軸方向に順次移動して時
間を変えながら照射するために長時間を必要とし、生産
性等に問題があった。
【0004】そこで本発明の目的は、これらの問題点を
解決して短時間でコアの軸方向に所望の屈折率分布を形
成する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる屈折率分
布の形成方法は、紫外光照射により屈折率が変化するガ
ラス材料からなり、軸方向の屈折率が均一なコア部を有
す光伝送路を作製する第1の工程と、1個あるいは複数
個の独立した所望形状の光透過窓を有する遮光マスクを
介して紫外光を通過せしめて光伝送路を照射すると同時
に、遮光マスクをコア軸と交差する方向に移動せしめて
コア軸上の各位置に照射される紫外光の時間変化を与え
る第2の工程とを備え、コア部の当該位置における屈折
率の変化を照射時間に対応させることを特徴とする。
【0006】この発明によれば、コア部に紫外光を照射
することにより屈折率が変化する光伝送路を用いている
ので、所望形状の光透過窓を有する遮光マスクをコア軸
と直角方向に移動することによって紫外光が照射される
時間がコア部の軸方向の位置によって変化し、また、コ
ア部の各位置の屈折率は照射時間に対応して変化するの
で、軸方向に屈折率が変化していくコアを一回の操作で
短時間に形成することができる。また、形状の異なる複
数個の光透過窓について上記の紫外光照射を行うことに
より、さらに複雑な屈折率分布を簡単に形成することが
できる。
【0007】本発明に係わる第2の工程において、少な
くとも1つの光透過窓が移動する間に、紫外光は光の干
渉機構、あるいは光の波長に比べて十分大きい間隔で周
期的に紫外光を通過する細窓を有する長周期マスク、ま
たはビームスキャニング機構を介して光伝送路を照射す
る工程であることを特徴とする。
【0008】第2の工程における第1の方法によれば、
所望形状の光透過窓と光の干渉機構とを介して紫外光を
通過せしめて、コア軸上に紫外光による干渉縞を形成
し、同時に光透過窓を移動して紫外光が照射される時間
に変化を与えているので、コアに形成される回折格子は
軸上の位置によって屈折率が変化し、かつ、光透過窓を
一回移動するだけで形成することができる。
【0009】第1の方法における光の干渉縞は、位相格
子あるいはビームスプリッタとミラーを用いたホログラ
フィック法によって容易に形成することができる。
【0010】また、第2の工程における第2の方法によ
れば、所望形状の光透過窓と長周期マスクの細窓とを介
して紫外光を通過せしめて、コア軸上に紫外光の複数本
の縞を形成し、同時に光透過窓を移動して紫外光が照射
される時間に変化を与えているので、コアに形成される
縞は軸上の位置によって屈折率が変化し、かつ、光透過
窓を一回移動するだけで形成することができる。勿論、
ビームスプリッタ機構を用いて縞を形成することもでき
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の屈折率分布の形成方法を詳細に説明する。なお、
図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、
重複する説明を省略する。
【0012】最初に、図1乃至図3を用いて請求項1に
係わる屈折率分布の形成方法を説明する。図1におい
て、光軸方向にGeO2が均一にドープされたSiO2
主成分とするコア21を有する光ファイバ、あるいは基
板上に形成された光導波路等の光伝送路20の上に所定
の形状の光透過窓2があけられた遮光マスク1が配置さ
れ、その上から紫外光31が照射される。遮光マスク1
は窓2の枠内を通る紫外光は透過するが、枠外の周辺部
分の紫外光は透過しないように形成されている。次い
で、遮光マスク1は紫外光31によって照射されると同
時に、コア21に対して直角方向40に移動される。
【0013】このような構成をとることによって、コア
部21に照射される紫外光31は窓2を透過した紫外光
に制限されるので、屈折率の変化は窓2の形状と遮光マ
スク1の移動速度によって決定されると共に、紫外光は
窓2の枠内全体にわたって常に透過しているので、遮光
マスク1の一回の移動操作によって照射が完了し所定の
屈折率分布を得ることができる。したがって、従来法の
ように細いビーム幅毎に照射を行う必要がなく、著しく
照射時間を短縮することができる。
【0014】図2は、直角三角形の窓2を有する遮光マ
スク1が、窓2の一辺をコア21と平行になるよう配置
され、次いで、コア21と直角方向40に等速で移動さ
せた場合の屈折率分布4を示す図(a)と、軸方向に屈
折率分布4がコア21を含む光ファイバ20の縦断面図
である。コア21の高屈折率領域4が最大となるA−A
部分で切断すると、切断面近傍ではコアの屈折率が大き
くなっているので、紫外光を照射しない場合と較べてス
ポットサイズが小さいファイバを得ることができる。
【0015】遮光マスク1の移動速度を徐々に速くある
いは徐々に遅くすることによって、図2の屈折率分布は
斜辺が下に凹、あるいは上に凸のように変化させること
ができる。
【0016】図3は種々の形状の光透過窓2があけられ
た遮光マスク1の平面図(a)と、等速で移動した場合
の屈折率分布(b)を示す図であり、これらの遮光マス
ク(a1・・・a5)を用いることによって、短時間で
所望の屈折率分布を形成することができる。同図(a
1)は、窓2がコア軸に対して遮光マスク1の移動方向
40に等しい方形状にあけられた場合、同図(a2)
は、窓2がコア軸に対して遮光マスク1の移動方向40
に順次変化する直角三角形状にあけられた場合、同図
(a3)は、窓2がコア軸に対して遮光マスク1の移動
方向40にガウス分布状にあけられた場合、同図(a
4)は、コア軸に対して遮光マスク1の移動方向40が
順次変化する二等辺三角形の部分は遮光し、その周辺部
分の三角形に窓を設けた場合、同図(a5)は、窓2が
コア軸に対して遮光マスク1の移動方向40に沿って短
冊状にあけられた場合である。
【0017】遮光マスク1は、金属板に光透過窓2の部
分を切り抜いて形成したり、石英ガラス板の遮光部分に
誘電体多層膜を蒸着して光透過窓2を形成する。
【0018】紫外光を照射して上述の屈折率分布を形成
するに先立ち、屈折率分布の形成効率を向上するため
に、高圧の雰囲気中でコア2の中に水素を注入する。コ
ア部に水素が注入されると、コア部にドープされている
酸化ゲルマニウムが還元され易くなり、GeやSiと結
合している酸素が一部取り除かれる現象が生じる。結合
酸素が一部取り除かれたGeやSiが結合しあえば、酸
素欠損型の欠陥が新たに生じることになり、酸素欠損型
の欠陥が増大して、紫外光における屈折率変化が大きく
なる。
【0019】次に、上述した請求項1に係わる屈折率分
布の形成方法において、位相格子を併用した場合につい
て説明する。図4において、GeO2を軸方向に均一に
ドープしたSiO2を主成分とするコア21を有する光
伝送路20の上部に位相格子10を配置し、位相格子1
0の上部に所定の形状の光透過窓2があけられた遮光マ
スク1が配置され、その上から紫外光31が照射され
る。遮光マスク1は窓2の中の部分の紫外光は透過する
が、周辺部分の紫外光は透過しない。次いで、紫外光3
1を照射しながら遮光マスク1はコア21に対して直角
方向(図面と直角方向)に移動される。
【0020】このような構成をとることによって、コア
部21に照射される紫外光31は窓2を透過した紫外光
に制限されるので、屈折率の変化は窓2の形状あるいは
遮光マスク1の移動速度によって決定されると共に、窓
2全体にわたって常に紫外光が透過しているので、一回
の移動操作で照射が完了し所定の屈折率分布を得ること
ができる。一方、窓2を透過した紫外光は格子が所定間
隔Λ´で配置された位相格子10の表面の法線方向に照
射して干渉させている。そのため、コア2における干渉
縞の間隔Λは、Λ=Λ´/2となる。したがって、コア
部2の露光領域には、異なる屈折率を有する干渉縞が間
隔Λ´/2を周期としてコア2の軸方向に配列されるの
で、格子3が形成されることになる。
【0021】ブラッグの回折条件に基づいてコア部2の
屈折率nと格子3の周期Λとを用い、この回折格子の反
射波長λRは、 λR=2nΛ =nΛ´ となる。また、格子3の長さLと屈折率差Δnとを用
い、このファイバ型回折格子の反射率Rは、 R=tanh2(LπΔn/λR) となる。
【0022】本実施形態の回折格子3は紫外光31の照
射時間が光透過窓2の形状や光透過窓2の移動速度によ
って変化しているので、上述のように形成される回折格
子3の中においても回折格子の強度が変化している。図
5はこのように形成された回折格子3がコア21の軸方
向で屈折率が相違する状態(a)と光伝送路の縦断面図
(b)を示す。
【0023】図6は、請求項1に係わる屈折率分布の形
成方法において、ホログラフィック法を併用した場合の
構成図である。図に示すように、干渉機構13を用いて
干渉空間14を形成するように、光源30から出射され
た紫外光を干渉させ、この干渉空間14に光伝送路20
を設置する。干渉機構13は、ビームスプリッタ11お
よびビームスプリッタ11を挟むように配置された2つ
のミラー12で構成されている。
【0024】遮光マスク1は光源30とビームスプリッ
タ11との間に紫外光を横切るように配置され、図面と
直角方向に移動させて干渉空間14における紫外光の照
射が規制される。図6に示した形成方法は、図4の位相
格子10の替りに干渉機構13を用いて実現したもので
あり、操作方法は上述と同じである。
【0025】次に、前述した請求項1に係わる屈折率分
布の形成方法において、長周期マスクを併用した場合に
ついて説明する。図7において、GeO2を軸方向に均
一にドープしたSiO2を主成分とするコア21を有す
る光伝送路20の上部に長周期マスク15を配置し、長
周期マスク15の上部に所定の形状の光透過窓2があけ
られた遮光マスク1が配置され、その上から紫外光31
が照射される。遮光マスク1は窓2の中の部分の紫外光
は透過するが、周辺部分の紫外光は透過しない。次い
で、紫外光31を照射しながら遮光マスク1はコア21
に対して直角方向(図面と直角方向)に移動する。
【0026】このような構成をとることによって、コア
部21に照射される紫外光31は窓2を透過した紫外光
に制限されるので、屈折率の変化は窓2の形状あるいは
遮光マスク1の移動速度によって決定されると共に、窓
2全体にわたって常に紫外光が透過しているので、一回
の移動操作で照射が完了し所定の屈折率分布を得ること
ができる。窓2を透過した紫外光は長周期マスク15の
細窓5によって光が透過する部分と遮光される部分が生
じ、縞状の紫外光がコア部に照射されて長周期格子4が
形成される。
【0027】この方法を具体的に説明する。図8は、光
伝送路20に対して直角方向に複数の細窓5が百〜数百
μmの周期であけられた長周期マスク15を示す平面図
であり、図9は、第1の光透過窓2aと第2の光透過窓
2b、2cがあけられた遮光マスク1を示す平面図であ
る。図8に示した長周期マスク15と図9に示した遮光
マスク1の中、第1の光透過窓2aの部分を図7に示す
ように配置し、紫外光31を照射しながら遮光マスク1
を図面と直角方向(図9の矢印40の方向)に移動す
る。第1の光透過窓2aは左側より右側が長時間照射さ
れるので、照射時間に対応した屈折率分布が形成され
る。
【0028】複数の光透過窓2a、2b、2cによって
コア21を照射する順序は、図9に示された配列に制限
されるものではなく、それらの間で変更されても構わな
い。さらに、長周期マスク15と複数の光透過窓2a、
2b、2cとの間で照射の順序が変更されても同様の効
果を奏する。
【0029】図10(a)は、コア方向の位置に対する
屈折率分布を示す図である。ncladはクラッドの屈折
率、ncoreは照射前のコアの屈折率、(n)1coreは短時
間照射後のコアの平均屈折率、(n)2coreは長時間照射
後のコアの平均屈折率である。このような長周期格子が
形成された光伝送路20の透過スペクトルを図10
(b)に示す。減衰量領域の中心波長λ1、λ2は夫々ク
ラッドの屈折率 ncladとコアの平均屈折率(n)1core
るいは(n)2coreとの差によって決まり、また、中心波
長λ1、λ2における減衰量は紫外光照射によって形成さ
れた長周期格子の変動振幅Δn1、Δn2に対応して決定
される。
【0030】次に、長周期マスク15を除去する。遮光
マスク1については、第2の光透過窓2bを介して紫外
光31を直接光伝送路20に照射すると同時に矢印40
の方向に移動する。この操作では左側の部分だけが照射
されるので、屈折率分布は図11(a)に示すように長
周期格子の変動振幅Δn1が全体に持ち上げられた分布
となる。この時の透過スペクトルは、図11(b)に示
すように中心波長λ1の減衰領域がλ4に移行し、その他
は変化しない。
【0031】続いて、遮光マスク1については、第2の
光透過窓2cを介して紫外光31を直接光伝送路20に
照射すると同時に矢印40の方向に移動する。この操作
では長周期格子全体が均一に照射されるので、屈折率分
布は図12(a)に示すように長周期格子の変動振幅Δ
1、Δn2が全体に持ち上げられた分布となる。この時
の透過スペクトルは、図12(b)に示すように減衰領
域の中心波長λ2、λ4が夫々λ3とλ5に平行移行した特
性となる。
【0032】図13は、光増幅器のスペクトル特性の代
表例を示す。短波長側に光量のピークが生じるので有効
帯域が不十分の場合がある。そこで、増幅用の光ファイ
バに図12(b)に示す特性の長周期格子を設けること
によって、図14に示すように有効帯域を広げることが
できる。
【0033】
【実施例1】光軸方向にGeO2が均一にドープされた
SiO2を主成分とするコア径8μm、SiO2を主成分
とするクラッド径125μmの石英系ガラスの光ファイ
バを作製した。コアとクラッドとの屈折率差は0.3%
である。この光ファイバを水圧200気圧の雰囲気の容
器内に設置して、内部温度30℃の雰囲気下で2週間水
素添加処理した。次いで、この光ファイバを図1に示し
た位相格子10、光透過窓2が直角三角形の遮光マスク
1を用いて回折格子を形成した。光源はKrFエキシマ
レーザを用い、照射ビームは20mm×8mmに成形
し、パワー強度は250mJ/cm2である。
【0034】この装置を用いて遮光マスク1を矢印40
の方向に光ファイバの上を横切るように等速で移動し、
窓2が光ファイバ上を通過し光ファイバを照射するに要
した時間は5分であった。照射後、光ファイバのコアの
屈折率分布を測定したところ、図2(a)に示すように
長さ7mmにわたって徐々に屈折率が変化する分布4が
得られた。屈折率の最大値は0.5%であった。因みに
従来のビームをスキャンさせる方法で照射すると同一の
屈折率分布を得るのに所要時間は40分であった。
【0035】
【実施例2】図4において説明した位相格子を併用した
方法によって光ファイバに回折格子を形成した。光ファ
イバおよび光源は実施例1と同じ構成である。図15に
示したガウス分布の光透過窓2−1を有する遮光マスク
1を用い、遮光マスク1を矢印40の方向に光ファイバ
の上を横切るように等速で移動し、窓2が光ファイバ上
を通過し光ファイバを照射するに要した中心部の最長露
光時間は6分であった。
【0036】照射後、光ファイバのコアの屈折率分布を
測定したところ、図16(a1)に示すように長さ7m
mにわたって回折格子の各縞の屈折率がコア部の位置に
よって略ガウス分布に変化するものが得られた。この回
折格子の反射特性は図16(b1)に示すように高次モ
ード等による影響の少ない透過スペクトルが得られた。
因みに従来の方法で回折格子を形成したところ、反射特
性は本実施例の場合と類似の値を示したが、照射時間が
60分以上であった。
【0037】
【実施例3】実施例2において形成された回折格子を有
する光ファイバについて、位相格子を使用せずに、図1
5に示した光透過窓2−2、続いて2−3を有する遮光
マスク1を等速で移動しながら紫外光を照射した。光フ
ァイバの露光時間は夫々3分間であった。窓2−2は中
心部のガウス分布のところを遮光し、周辺部を照射する
ものであり、窓2−3は全体を方形に照射するものであ
る。使用した装置の構成あるいは性能は実施例2と同じ
である。
【0038】照射後の屈折率分布は、夫々図16(a
2)および(a3)に示すように回折格子3が上方へ持
ち上げられた形状となる。このように照射すると、回折
格子の反射特性は夫々図16(b2)および(b3)に
示すように反射帯域が変化し、あるいは反射波長がシフ
トする。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、屈折率
分布の形成方法は、遮光マスクを一回の移動操作によっ
て完了するので操作が簡単である。
【0040】また、従来法のように細いビーム幅毎に照
射を行う必要がなく、紫外光の照射時間を著しく短縮す
ることができる。
【0041】さらに、光増幅器用ファイバに長周期格子
を適用して広帯域化を計るに際し、長周期格子を短時間
で作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係わる屈折率分布の形成方法を説
明する図である。
【図2】図1の方法によって形成された屈折率分布のグ
ラフ(a)、および光ファイバの縦断面図(b)であ
る。
【図3】本実施形態に係わる種々の遮光マスク(a)、
およびこのマスクを用いて得られる屈折率分布のグラフ
(b)である。
【図4】位相格子を併用した屈折率分布の形成方法を説
明する図である。
【図5】図4の構成によって形成された回折格子の屈折
率分布のグラフ(a)、および光ファイバの縦断面図
(b)である。
【図6】ビームスプリッタを併用して屈折率分布の形成
方法を説明する図である。
【図7】長周期マスクを併用して屈折率分布の形成方法
を説明する図である。
【図8】長周期マスクの一構成例を示す平面図である。
【図9】本実施形態に用いた遮光マスクの一構成例を示
す平面図である。
【図10】長周期マスクを併用した場合の一屈折率分布
のグラフ(a)と透過スペクトルのグラフ(b)であ
る。
【図11】長周期マスクを併用した場合の他の屈折率分
布のグラフ(a)と透過スペクトルのグラフ(b)であ
る。
【図12】長周期マスクを併用した場合の他の屈折率分
布のグラフ(a)と透過スペクトルのグラフ(b)であ
る。
【図13】本実施形態に係わる一光増幅器スペクトルの
グラフである。
【図14】本発明によって帯域幅が改善された光増幅器
スペクトルのグラフである。
【図15】本実施例に適用した遮光マスクの構成を示す
平面図である。
【図16】図15の遮光マスクを用いて形成された屈折
率分布のグラフ(a)と反射スペトルのグラフ(b)で
ある。
【符号の説明】
1・・・遮光マスク、2・・・光透過窓、3・・・回折格子、4・
・・長周期格子、5・・・細窓、10・・・位相格子、11・・・
ビームスプリッタ、12・・・ミラー、13・・・干渉機構、
14・・・干渉空間、15・・・長周期マスク、20・・・光伝
送路、21・・・コア、30・・・光源、31・・・紫外光、4
0・・・矢印(移動方向)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 享 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 伊藤 達也 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 茂原 政一 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外光照射により屈折率が変化するガラ
    ス材料からなり、軸方向の屈折率が均一なコア部を有す
    光伝送路を作製する第1の工程と、1個あるいは複数個
    の独立した所望形状の光透過窓を有する遮光マスクを介
    して紫外光を通過せしめて前記光伝送路に照射すると同
    時に、該遮光マスクを移動せしめて該コア軸上の各位置
    に照射される紫外光の時間変化を与える第2の工程とを
    備え、コア部の当該位置における屈折率の変化を照射時
    間に対応させることを特徴とする屈折率分布の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程において、少なくとも前
    記1つの光透過窓が移動する間に、光の干渉機構を介し
    て前記光伝送路を照射する工程であることを特徴とする
    請求項1に記載の屈折率分布の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程は、位相格子からなる光
    の干渉機構を介して照射する工程であることを特徴とす
    る請求項2に記載の屈折率分布の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の工程は、ビームスプリッタお
    よびミラーからなる光の干渉機構を介して照射する工程
    であることを特徴とする請求項2に記載の屈折率分布の
    形成方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の工程において、少なくとも前
    記1つの光透過窓が移動する間に、光の波長に比べて十
    分大きい間隔で周期的に紫外光を通過する細窓を有する
    長周期マスクを介して前記光伝送路を照射する工程であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の屈折率分布の形成
    方法。
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