JP2005221530A - グレーティングデバイスの製造装置及び製造方法 - Google Patents

グレーティングデバイスの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導波路への紫外光照射量が均一化されて低リップル群遅延特性を持たせるグレーティングデバイスの製造を容易にし、かつ任意のグレーティング形成数を備えるグレーティングデバイスの製造を容易とする。
【解決手段】グレーティング形成部へ与えられる平均屈折率を一定にする手法に着目し、紫外光を導波路に照射してグレーティングを形成させるためのレーザ光源と、前記紫外光を導波路長手方向に走査させる紫外光走査手段と、導波路へ照射される紫外光の照射範囲を変化させる紫外光照射範囲調節手段と、前記紫外光照射範囲調節手段を走査させるステージと、入射した紫外光を±1次光に回折させる位相マスクとにより任意の数のグレーティングを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信分野における波長分割多重伝送(WDM:Wavelength Division Multiplexing)や光時分割多重伝送(OTDM:Optical Time Division Multiplexing)で用いられる光フィルタ、分散補償器等の光通信部品、あるいは歪や温度等を検出するセンサ等へ適用が可能な光導波路にグレーティングを形成するためのグレーティングデバイスの作製方法に関する。
近年の光ネットワークの進歩に伴い、光導波路の一種である光ファイバを用いた光ファイバ伝送路の分散補償技術の重要性がますます増加している。
既設の1.3μm帯の伝送路において、低伝送損失である1.5μm帯の光を用いて伝送させる場合、17ps/km・nm程度の波長分散があるために40Gbpsを超えるような伝送速度が高速になる場合や、伝送距離が長くなる場合になると波長分散が生じてしまう。その結果、光信号が劣化するために個々の分散に対して補償する必要がある。
従来、分散を補償する手段として代表的なものに分散補償器がある。これは、通常の光ファイバの分散特性とは逆の分散特性を持つ分散補償ファイバにより構成されており、伝送路の波長分散を補償している。このような手段では、分散を補償するための分散補償ファイバが数km以上必要であり、装置が小型化できない欠点がある。
一方、光ファイバのコア中に回折格子を形成するファイバグレーティングは、ある特定の波長の光を反射する性質を持っており、光ファイバの長軸方向に向かって回折格子の周期を変化させた回折格子を形成することで光の波長により反射位置が異なる性質を持った素子となる。光が反射する波長(ブラッグ波長)λBはグレーティングの周期ΛFGとグレーティングの実効屈折率neffを用いてλB=2×neff×ΛFGと表される。長手方向に回折格子周期が変化しているものはチャープファイバグレーティングと呼ばれている。反射波長λBに対応した光が、周期ΛFGが連続的に変化するために、反射波長も連続的に変化し、広帯域な波形が得られる。ファイバグレーティング内の各反射波長に対応した光の反射点までの距離に応じて遅延時間が異なるため、波長分散を持たせることができる。
こうした性質を利用して、波長分散補償器を実現することができる。例えば、図6に示すように光サーキュレータと組み合わせることで、分散補償ファイバと同様な機能を持たせることができる。導波路が光ファイバであるので外部との接続が容易であり、かつ分散補償ファイバに比べて非常に小型で伝送特性・安定性に優れているために有力な分散補償技術として用いられる。
図6において、611は入力光、612は出力光、613は光サーキュレータ、614a、614b、614cは前記光サーキュレータの各端子、615はチャープブラッググレーティング、616は回折格子が形成された光ファイバ中のコアである。
図6に示したチャープファイバグレーティングの動作を以下に示す。波長分散の生じた入力光611が光サーキュレータ613の入力端子614aに入力し、入出力端子614bからチャープブラッググレーティング615に入る。このチャープブラッグ反射回折格子は連続的に屈折率変調のある格子間隔が変化する回折格子で形成されたコア616を備えており、入力光の波長分散に対して逆の極性を持っており、波長分散の絶対値が同一に調整されている。従って、出力光612はチャープブラッググレーティング615で反射されて再び入出力端子614bから出る際は波長分散が補償されている信号光となっている。
このように、分散補償に用いられるファイバグレーティングは、ゲルマニウム(Ge)が添加された光ファイバのコア中に波長240nm帯の紫外光が照射されると、その屈折率が増加する現象を利用して作製される。紫外線によるこの屈折率変化のメカニズムは一般に、Ge添加石英ガラスの光スペクトルが240nm付近に吸収帯を持ち、紫外光を照射することにより、Ge添加石英ガラスに存在するGeE‘センタが波長240nm帯の光を吸収することで欠陥構造に変化が起こり、そのために吸収スペクトルが変化し、Kramers−Kronigの関係から屈折率変化を引き起こすとされている。
実用的なファイバグレーティングを作製するためには屈折率変化量ができる限り大きい方が望ましいが、通常のファイバではGe濃度が低いためにわずかな屈折率変化量(10−5程度)しか得られず、十分なものではない。このため紫外線感光性を高めるために、100気圧程度以上の高圧水素雰囲気にファイバを放置し、予めファイバ中に水素を拡散させることで10−3以上の屈折率変化量を得ることができる。この水素の効果についてはまだ十分に議論されていないが、反応の活性化や欠陥の固定に寄与しているものと考えられる。
ファイバグレーティングは、位相マスクを介してファイバの側面から照射された紫外光がファイバ上に干渉縞を形成し、その屈折率変化によるパターンがファイバに書き込まれることで作製される。位相マスクはSiO基板上に細かい溝を形成したもので、図7のように位相マスク701を透過した紫外光は直進する0次光がほとんど抑えられるため、±1次光による干渉をファイバ702上に形成することができる.位相マスク周期ΛMASKとファイバ上に形成されるグレーティング周期ΛFGはΛMASK=2ΛFGという関係になる。従って、波長の異なるファイバグレーティングを作製するにはグレーティングの周期に応じた位相マスクが必要でコスト高であるが、安定性・量産性に優れている。
グレーティングの屈折率変調がファイバの長手方向に対して一定にした場合は、反射スペクトルにおいてメインピークの両側にサイドローブと呼ばれる複数のピークが発生し、波長選択性が劣化する。このサイドローブはファイバグレーティングの両端間のファブリペロー共鳴が原因であり、これを抑制するために、屈折率変調をグレーティング端部では変調振幅が小さく、グレーティング中心部で大きくなるように制御するアポダイズにより大幅に制御できる。
また、アポダイズを施さなければグレーティング端部の紫外光の照射エリアの有無の境界において急激な屈折率変調変化が生じる。そのため、グレーティング端部での光の干渉が影響して群遅延曲線にリップルが発生し、ファイバグレーティングを分散補償用途に用いる際には、伝送特性に悪影響を及ぼしてしまう。
しかし、屈折率変調が中心部で大きくなるアポダイズを施したままでは、反射波長の短波長側にリップルが発生する。これは、グレーティング内である波長に対する反射点が2ヶ所あるため、グレーティング内で生じたファブリペロー干渉の影響によると考えられる。このリップルを抑えるために、グレーティング内部の平均屈折率が一定になるように露光を行う。これは、上に述べたアポダイズによる屈折率変調の分布(ポジ型アポダイズ)と反転した変調(ネガ型アポダイズ)を与えることで達成できる。ネガ型アポダイズは、ファイバグレーティング露光時に位相マスクを使用せずに、グレーティング形成前又は形成後に紫外光をポジ型アポダイズにおける照射量と反転させることで平均屈折率のみを変化させるものである。
また、OTDM/WDMの混合システムを想定した際には、WDMの各波長チャンネルに対して分散補償を行う必要が生じる。そのため、WDMの各波長チャンネルに対して機能するファイバグレーティングを作製しなければならない。複数のチャンネル化されたグレーティングを作製するものとしては、従来から種々のものが提案されている。
次に図8を参照しながら、特許文献1に示されているグレーティング製造方法及びグレーティング製造装置について説明する。図8に示すグレーティング製造方法及びグレーティング製造装置は、レーザ発振器1とホログラム光学素子2と位相マスク3により構成され、以下のようにして、例えばシリコン基板上に形成された導波路4にグレーティングを形成する。ここで、位相マスク3には図8(b)に示すように、導波路4に形成すべき複数のグレーティングにそれぞれ対応する複数の透過型回折格子が形成され、それぞれ導波路4のコア上にグレーティングを形成するための干渉縞を形成する。また、ホログラム光学素子2は、レーザ発振器から出力されたレーザ光を位相マスク3に形成された各透過型回折格子にレーザ光を照射するように複数のレーザ光に分割するためのパターンが形成されてなり、レーザ発振器1から出力されたレーザ光5を複数に分割して各透過型回折格子に分割されたレーザ光を照射する。
レーザ発振器1から出力されたレーザ光は、ホログラム光学素子2によって複数の所定の方向に進むレーザビームに分割され、位相マスク3の各透過型回折格子に照射される。透過型回折格子に照射された光は、位相マスク3の各透過型回折格子における各溝部分を透過し、透過した光は導波路コア上に各透過型回折格子の溝の間隔に応じた間隔を有する干渉縞を形成し、導波路コア上にグレーティングが形成される。光分割手段であるホログラム2によって分割されるレーザ光数及び分割された各レーザ光の出射方向は、ホログラム2に形成されるパターンにより設定し、位相マスク3上の任意の位置にレーザビームスポットを形成させ、位相マスク3において導波路4に形成すべき複数のグレーティングにそれぞれ対応させて任意の位置に複数の透過型回折格子を形成することができる。
また、アポダイズを施す手段として、形成するグレーティングの屈折率分布に対応する強度分布を有するレーザビームを用いて、その強度分布に対応する屈折率分布を有するグレーティングを形成させる。例えば、エキシマレーザを使用した例では、エキシマレーザの光ビームの直交するX軸方向とY軸方向の強度分布は、それぞれ図9に示すようにガウス分布と矩形分布であり、この強度分布のうち、ガウス分布をするX軸方向を、形成すべきグレーティングの光の進行方向(長手方向)に一致するように、上記に述べた装置を用いて、レーザ光を間隔が同じで溝深さも同じ単純な透過型回折格子を有する位相マスク3を介して導波路に照射すると、光ビームの強度分布(ガウス分布)に対応した強度分布(ガウス分布)をする干渉縞が導波路(コア)上に形成される。これによって、その干渉縞の強度に対応した屈折率分布を有するグレーティングを形成することができる。その結果、得られたグレーティングは、アポダイズが施されてサイドローブピークの抑制された反射波長特性を有する。
特開2002−249819号公報
しかしながら、従来のグレーティング製造方法及びグレーティング製造装置ではホログラム光学素子2の構造や機能、使用方法等に具体的な記述が無い。また、ホログラム光学素子2の設計や位相マスク3の各透過型回折格子間の寸法は固定されており、必要となるデバイス設計に対して個々の位相マスクが必要になってしまい、製造コストが大きくなってしまう。その上、製造時にホログラム光学素子2、位相マスク3、導波路4、レーザ光5それぞれの光軸調整を行う必要があり、製造コストが非常に大きくなる。
さらに、形成するグレーティングの屈折率分布に対応する強度分布を持つレーザビームを用いて、その強度分布に対応する屈折率分布を有するグレーティングを形成させることでアポダイズを施しているために、光ビームの強度分布の有る領域のみにグレーティングが形成されるので、光ビームの強度分布幅以上の寸法を持ったグレーティングを作製できないといった問題がある。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、従来よりも簡便な構成や方法で、低コストな任意の多チャンネルの反射特性を持つファイバグレーティングの製造方法と製造装置を提供することにある。
本発明のグレーティングデバイスの製造装置は、紫外光を導波路長手方向全体に照射してグレーティングを形成させるための紫外光照射手段と、
導波路へ照射される紫外光の照射範囲を変化させる紫外光照射範囲調節手段と、
前記紫外光照射範囲調節手段を紫外光照射方向と垂直方向に走査させる移動手段と、
入射した紫外光を±1次光に回折させる位相マスクとを備えた製造装置である。
また、本発明のグレーティングデバイスの製造方法は、紫外光を用いて導波路にグレーティングを形成させるための露光用紫外光をレーザ光源から出力する工程と、
前記レーザ光を導波路長手方向全体に照射させるために紫外光を走査する工程と、
前記紫外光を通過させる開口部の調整を、紫外光遮蔽板を閉じることで前記紫外光の通過領域を限定する工程と、
前記開口部を通過した紫外光を位相マスクに入射して回折光を生じさせる工程と、
前記回折光を用いて前記導波路へ屈折率変調を与える工程と、
前記位相マスクを紫外光の通過経路から取り除き、かつ前記紫外光遮蔽板を前期紫外光が通過する開口部から前記紫外光を遮断する遮光部へと変更する工程と、
前記紫外光遮蔽板を開くことで前期紫外光の通過領域を拡大する工程と、
前記紫外光遮蔽板を通過した紫外光を用いて前記導波路のグレーティング形成部の有効屈折率の均一化を行う工程とを有する。
また、別の本発明のグレーティングデバイスの製造方法は導波路のコア部に紫外光を照射して屈折率変調を与えることで少なくとも一つのグレーティングを形成するグレーティングの製造方法であって、導波路のグレーティング形成部に対して照射強度分布を凸状アポダイズとなるように露光用紫外光を照射する紫外光露光第一工程と、前記紫外光露光第一工程の後、前記グレーティング形成部の有効屈折率が導波路長手方向に沿って平均化されるように前記グレーティング部に対して露光用紫外光を照射する紫外光露光第二工程とを有するグレーティングの製造方法である。
好ましい実施形態において、前記レーザ光源は繰返し周波数が大きい。
好ましい実施形態において、前記紫外光照射手段は前記レーザ光源からの紫外光を導波路に対して導波路長手方向に平行に照射する。
好ましい実施形態において、前記紫外光照射範囲調節手段は紫外光走査手段が紫外光を導波路に対して導波路長手方向に平行に照射する毎に紫外光照射範囲を変化させる。
好ましい実施形態において、前記紫外光照射範囲調節手段は導波路へ照射される紫外光照射範囲を紫外光遮蔽板により任意のアポダイズ関数で制御できる。
好ましい実施形態において、前記紫外光照射範囲調節手段は導波路に凸状アポダイズを施した後、前記導波路グレーティング形成部の有効屈折率が導波路長手方向に沿って平均化されるように前記紫外光遮蔽板の位置を変化できる。
好ましい実施形態において、前記紫外光照射範囲調節手段はグレーティング形成数に応じた紫外線照射範囲の数を備える。
本発明によれば、導波路への紫外光照射量が均一化されて低リップル群遅延特性を持たせるグレーティングデバイスの製造が容易になり、かつ任意のグレーティング形成数を備えるグレーティングデバイスの製造が容易である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。もちろんこの発明は以下の例によって制限されるものではない。また、説明に使用する図面内の寸法、寸法比率及び位置関係は必ずしも正確ではない。
以下、図面を参照しながら、本発明によるグレーティングデバイスの製造装置及び製造方法の好ましい実施形態を説明する。図1は、本実施形態におけるグレーティングデバイスの製造装置の全体構成の概略を示す図である。今回は導波路として光ファイバを用いているが、石英基板上に形成された導波路やその他の材料、形状で形成された導波路を用いても良い。なお、今回は1段及び2段のファイバグレーティングを作製しているが、作製すべきファイバグレーティングの数、ファイバグレーティングの反射帯域や分散補償量といったパラメータは本実施形態に限定されず、必要に応じて適宜変更可能である。
図1のグレーティングデバイスの製造装置は、紫外光を発振するレーザ光源101と、発振した紫外光102を被覆層が除去された光ファイバ103と位相マスク104の長手方向に沿って照射できるようにステージ上で走査できる走査ミラー105と、光ファイバ103のグレーティング形成部の屈折率変調を制御するアポダイズスリット106とを備えている。
図1を用いてグレーティングデバイスを作製する手順を示す。今回は前述したように導波路には光ファイバを用いて、ファイバグレーティングを作製した。
光ファイバ103と位相マスク104は接して配置されており、紫外光102はアポダイズスリット106及び位相マスク104を通過して光ファイバ103に照射される。位相マスク104を通過した紫外光102は+1次光と−1次光に分かれて互いに干渉し、光ファイバ103のコアにおいて位相マスク104の周期に応じた屈折率変調の周期が形成される。また、紫外光遮断スリット107により光ファイバ103のグレーティング形成部以外の部位には紫外光102が照射されないようになっている。
以下、本実施形態のグレーティングデバイスの製造装置及び製造方法の構成をより詳細に説明する。
分散補償用に用いられるファイバグレーティングは数nm から数10nmの動作帯域が必要であり、そのためグレーティングのチャープ量やグレーティング長を適宜設定して所望の分散値を得ることができる。ある程度のファイバグレーティングの動作帯域や分散補償量を確保するためには、ファイバグレーティングの長さを長くする必要がある。これは、100Gbps以上の高速伝送では、そこで用いられる数100fsから数psの短パルスのスペクトル幅は数nm から数10nmに及び、短パルスの分散補償を行うには非常に広帯域な特性が必要となるためである。
図1にあるレーザ光源101に用いているKrFエキシマレーザのビーム形状は幅20mm、高さ6mmの矩形であり、位相マスク104の長さは100mmであるとすると、位相マスク104全体を照射するためには走査ミラー105を光ファイバ103、位相マスク104の長手方向に走査することで対応する必要がある。
さらに、レーザ光源101に用いているKrFエキシマレーザの発振周波数を50Hzと高く設定し、また紫外光102を光ファイバ103の長手方向に走査することで、KrFエキシマレーザビームによる光ファイバ103のグレーティング形成部に照射される紫外光102の照射強度分布を均一化できる。
図2は図1に示したアポダイズスリット106を図1の矢印Aで示す方向から見た際の概観図の一例を示している。図2はファイバグレーティングを1段若しくは2段作製できる構成である。移動ステージ201はレール202に沿って紫外光203の進行方向と平行に走査できる。紫外光遮蔽板204は移動ステージ201と固定ステージ205とに連結されている。移動ステージ201と固定ステージ205にはそれぞれ紫外光遮蔽板204を装着するためのホール206が開いており、ホール206の位置は光ファイバ長手方向に対して移動ステージ201と固定ステージ205とで対称である。紫外光遮蔽板204はグレーティング形成部の寸法に対応して任意の寸法にすることができる。
ここで、紫外光遮蔽板204による紫外光照射範囲の調整機構について述べる。紫外光遮蔽板204は移動ステージ201と固定ステージ205とで連結されているために、移動ステージ201がレール202を光ファイバ方向に走査することで紫外光遮蔽板204が閉じ、開口部208の寸法が大きくなり光ファイバへの照射範囲は大きくなる。また、逆に移動ステージ201がレール202を光ファイバ方向と逆方向に走査することで紫外光遮蔽板204が開いて開口部207の寸法が小さくなり、光ファイバへの照射範囲が小さくなる。移動ステージ201はコンピュータ等で位置を制御することで紫外光遮蔽板204による紫外光照射範囲を決定することができる。
また、図1における前記ミラー105が前記光ファイバ103のグレーティング形成部全体を照射する毎に図2の紫外光遮蔽板204による紫外光照射範囲を調節することで、図3(b)にある照射強度分布を凸状アポダイズ303となるように露光用紫外光を照射する紫外光露光第一工程を与えることができる。具体的には、紫外光照射範囲を小さくする、即ち図2の紫外光遮蔽板204が開いた状態から閉じた状態へと移動ステージ201を図1における光ファイバ103側からミラー105側へと走査することで調節する。
続いて、前記紫外光露光第一工程の後、前記グレーティング形成部の有効屈折率が光ファイバ長手方向に沿って平均化されるように前記グレーティング部に対して露光用紫外光を照射する紫外光露光第二工程について述べる。図2にあるツマミ207により移動ステージ201を光ファイバ長手方向に走査することが可能であるので、図3にあるように照射強度分布が凸状アポダイズ303であるグレーティング形成部に有効屈折率が光ファイバ長手方向に沿って平均化できるように凸状アポダイズ303と逆の凹状アポダイズ304を与えることができる(図3(c))。具体的には、前記紫外光露光第一工程の後に、図2におけるツマミ207により紫外光遮蔽板204の半分の幅だけ光ファイバ長手方向に移動させて、紫外光照射範囲を大きくする、即ち紫外光遮蔽板204が閉じた状態から開いた状態へと移動ステージ201を図1のミラー105側から光ファイバ103側へと走査することで調節する。ここで、前記紫外光露光第一工程の後、前記グレーティング形成部の有効屈折率が図3(d)のように光ファイバ長手方向に沿って平均化されるように、前記グレーティング部に対して露光用紫外光を照射する紫外光露光第二工程を行う際には、ツマミ207により紫外光遮蔽板204の位置を変えたが、紫外光遮蔽板204をホール206に装着する場所を変えることで紫外光照射範囲を変えても良い。
以上のようにして、本実施の形態によりファイバグレーティングを作製した。その群遅延特性を図4に示す。図4(a)は群遅延特性、図4(b)は3dB帯域での群遅延リップル特性を示す。作製したファイバグレーティングは長さ45mm、チャープ量は0.138nm/mmである。ファイバグレーティング長が45mmであるので、紫外光遮蔽板204は始め45mmの紫外光開口部207を与え、移動ステージ201の走査により紫外光の遮断領域を大きくするようにした。アポダイズはtanh型である。次に、照射強度分布が逆のアポダイズとなるように、移動ステージ201をツマミ207で22.5mm移動させた。その後、紫外光遮蔽板204が閉じた状態から45mmの紫外光開口部207を与えるように、移動ステージ201の走査により紫外光の通過領域を大きくするようにした。作製したファイバグレーティングの群遅延リップルは4ps程度となり、非常に良好な群遅延特性を示していることが分かり、100Gbpsを超えるような超高速OTDM伝送への適用も可能である。
次に、ファイバグレーティングを2段同時に作製した。図5(a)は作製した2段のファイバグレーティングの概略図を示し、501は短波長側のグレーティングであり、502は長波長側のグレーティングである。光は503から入射し、サーキュレータ504からグレーティング501,502から反射した光が再びサーキュレータ504を通過して505から出力される。図5(b)は3dB帯域での群遅延特性、図5(c)は3dB帯域での群遅延リップル特性を示す。このとき用いた位相マスクのチャープ量は0.2nm/mm、グレーティング部の長さは120mm長である。1段当たりのファイバグレーティング長を20mmとして2段のファイバグレーティングを作製するので、紫外光遮蔽板204は始め20mmの紫外光開口部207を与え、移動ステージ201の走査により紫外光の遮断領域を大きくするようにした。アポダイズはtanh型である。次に、照射強度分布が逆のアポダイズとなるように、移動ステージ201をツマミ207で10mm移動させた。その後、紫外光遮蔽板204が閉じた状態から20mmの紫外光開口部207を与えるように、移動ステージ201の走査により紫外光の通過領域を大きくするようにした。作製したファイバグレーティングの群遅延リップルは4ps程度となり、非常に良好な群遅延特性を示していることが確認できる。
以上のように、本実施形態によれば、導波路への紫外光照射量が均一化されて低リップル群遅延特性を持たせるグレーティングデバイスの製造が容易になり、かつ任意のグレーティング形成数を備えるグレーティングデバイスの製造が容易である。
なお、本実施の形態において、凸状のアポダイズとなるように照射強度分布を与える紫外光露光第一工程を行い、第二工程に照射強度分布が凹状アポダイズとなるように紫外光露光を行っているが、第一の工程として凹状アポダイズを形成させる工程を行い、第二の工程として凸状アポダイズを形成させてもよい。
以上のように本発明はグレーティング形成部へ与えられる平均屈折率を一定にする手法に着目し、導波路への紫外光照射量が均一化されて低リップル群遅延特性を持たせるグレーティングデバイスの製造が容易になり、かつ任意のグレーティング形成数を備えるグレーティングデバイスの製造が容易となる。
本発明の実施形態における本実施形態におけるグレーティングデバイスの製造装置の全体構成の概略図 本発明の実施形態における図1に示したアポダイズスリット106を図1の矢印Aの方向から見た際の概観図 (a)本発明の実施形態において作製される2段のファイバグレーティングの模式図(b)紫外光露光第一工程により得られるファイバ位置に対する照射光量を示す図(c)紫外光露光第二工程により得られるファイバ位置に対する照射光量を示す図(d)第一工程と第二工程によって得られる平均屈折率分布を示す図 (a)本発明の実施形態におけるファイバグレーティングの波長−群遅延特性を示す図(b)ファイバグレーティングの3dB帯域におけるその波長−群遅延リップル特性を示す図 (a)本発明の実施形態における2段のファイバグレーティングによる分散補償の機能を示す概念図(b)は各ファイバグレーティングにおける3dB帯域での波長−群遅延特性を示す図(c)各ファイバグレーティングにおける3dB帯域での波長−群遅延リップル特性を示す図 光サーキュレータとチャープブラッググレーティングを組み合わせた波長分散補償器を示す図 位相マスク法によるグレーティングの形成を模式的に示す図 (a)は従来のグレーティング製造装置の概略構成図(b)は位相マスク3の一部を拡大した断面図 (a)は従来のグレーティング製造方法における光ビームの強度分布を示す図(b)はそのガウス分布を示す図(c)はその矩形分布図
符号の説明
101 レーザ光源
102 紫外光
103 光ファイバ
104 位相マスク
105 ミラー
106 アポダイズスリット
107 紫外光遮断スリット
201 移動ステージ
202 レール
203 紫外光
204 スリット
205 固定ステージ
206 ホール
207 ツマミ
208 開口部
301 第一のファイバグレーティング
302 第二のファイバグレーティング
303 第一工程で得られるファイバ位置に対する紫外光の照射光量
304 第二工程で得られるファイバ位置に対する紫外光の照射光量
305 第一工程と第二工程で得られるファイバ位置に対する平均屈折率分布
501 短波長側のグレーティング
502 長波長側のグレーティング
503 入力光
504 サーキュレータ
505 出力光
611 入力光
612 出力光
613 光サーキュレータ
614 光サーキュレータ端子
615 チャープブラッググレーティング
616 コア
701 位相マスク
702 ファイバ

Claims (11)

  1. 紫外光を導波路長手方向全体に照射してグレーティングを形成させるための紫外光照射手段と、
    導波路へ照射される紫外光の照射範囲を変化させる紫外光照射範囲調節手段と、
    前記紫外光照射範囲調節手段を紫外光照射方向と垂直方向に走査させる移動手段と、
    入射した紫外光を±1次光に回折させる位相マスクとを備えたグレーティング製造装置。
  2. 前記紫外光照射手段は、紫外光を反射するミラーを備えていることを特徴とする請求項1に記載のグレーティング製造装置。
  3. 前記ミラーは、前記導波路の長手方向に平行に走査する手段を有する請求項1ないし2に記載のグレーティング製造装置。
  4. 前記紫外光照射範囲調節手段は、前記紫外光をスリットにより通過領域を制御する機能を備えていることを特徴とする請求項1から3に記載のグレーティング製造装置。
  5. 前記紫外光照射範囲調節手段は、前記スリットによる通過領域制御を移動ステージにより行うことを特徴とする請求項1から4に記載のグレーティング製造装置。
  6. 前記移動手段は、前記紫外光と平行に走査できるレールを備えることを特徴とする請求項1から5に記載のグレーティング製造装置。
  7. 前記移動手段は、前記導波路と平行に走査できる機構を備えることを特徴とする請求項1から6に記載のグレーティング製造装置。
  8. 前記スリットは移動ステージと固定ステージとに連結されていることを特徴とする請求項1から7に記載のグレーティング製造装置。
  9. 紫外光を用いて導波路にグレーティングを形成させるための露光用紫外光をレーザ光源から出力する工程と、前記レーザ光を導波路全体に照射させる紫外光を走査する工程と、前記紫外光を通過させる開口部を有するスリットを閉じることで前記紫外光の通過領域を限定する工程と、前記スリットを通過した紫外光を位相マスクに入射して回折光を生じさせる工程と、前記回折光を用いて前記導波路へ屈折率変調を与える工程と、前記位相マスクを紫外光の通過経路から取り除き、かつ前記スリットを前期紫外光を通過させる通過部から前記紫外光を遮断する遮光部へと変更する工程と、前記スリットを開くことで前期紫外光の通過領域を拡大する工程と、前記スリットを通過した紫外光を用いて前記導波路のグレーティング形成部の有効屈折率の均一化を行う工程とを有するように構成した導波路グレーティングの製造方法。
  10. 前記紫外光通過領域を限定する工程は、前記紫外光走査工程を行う毎に、前記移動ステージの位置を制御することで前記スリットによる紫外光通過領域を制御し、グレーティング長手方向の照射強度分布を照射時間で調節し、グレーティング形成部に凸状アポダイズを形成させることを特徴とする請求項9に記載の導波路グレーティングの製造方法。
  11. 前記紫外光通過領域を拡大する工程は、前記紫外光通過領域を限定する工程終了後、前記移動ステージを前記導波路長手方向に平行に移動し、前記紫外光走査工程を行う毎に、前記移動ステージの位置を制御することで前記スリットによる紫外光遮断領域を制御し、グレーティング長手方向の照射強度分布を照射時間で調節し、前記グレーティング形成部に前記凸状アポダイズと逆のアポダイズを形成させ、前記グレーティング形成部の有効屈折率を長軸方向に平均化させることを特徴とする請求項9ないし10に記載の導波路グレーティングの製造方法。
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