JP3570484B2 - 空気圧式ネジ打込み機における打ち込み深さ制御機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気圧式ネジ打込み機において打撃用ドライバビットによる打込みネジの打込み深さを制御する空気圧式ネジ打込み機における打ち込み深さ制御機構に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、空気圧式ネジ打込み機は被打込み材に対して打込みネジを軽く打込んだ後にしっかりと締め込むものであり、このような打込みとネジ締め込みの工程に応じ、それぞれ打込みネジを打撃する打撃機構と、打込みネジを回転させるネジ締め込み機構とが設けられている。打撃機構は、打撃シリンダ内に摺動自在に収容された打撃ピストンにドライバビットを一体に結合し、トリガの操作によってメインバルブを作動させ、圧縮エアを貯留するエアチャンバを上記打撃シリンダに対して開閉し、圧縮エアを打撃シリンダに対して供給して打撃ピストンを駆動するものであるが、従来は圧縮エアの供給量は常に一定であり、したがって打撃ピストンによる打込み力も常に一定であった。そして、打込み時には、打込みネジの先端が上材を貫通して下材の途中まで打込まれる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、例えば被打込み材を構成する上材が厚いときに、打込みネジを下材まで打込むことができるように打込みエネルギーを設定すると、上材が薄いときには打込みネジが下材に深く打込まれ過ぎ、その後のねじ締め込みが不十分になって保持力が損なわれることがある。
【0004】
本発明は上記欠点を解消し、打撃時における打撃ピストンの移動量を機械的に常に一定になるようにして、被打込み材に対する打込みネジの打込み量を被打込み材の上材の厚薄に関係なく一定にすることができる空気圧式ネジ打込み機における打撃ピストンの打ち込み深さ制御機構を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る空気圧式ネジ打込み機における打撃ピストンの打ち込み深さ制御機構は、圧縮エアを貯留するエアチャンバから打撃シリンダ内に圧縮エアを供給してその内部の打撃ピストンに一体に結合したドライバビットを下方に打込み作動させる打撃機構と、上記ドライバビットをねじ締め込みさせるねじ締め込み機構とを備え、上記打撃機構によりドライバビットが打込みネジを打撃して被打込み材に対して打込みネジの頭部が浮く程度に打込んだ後にねじ締め込み機構により上記打込みネジを締め込む空気圧式ネジ打込み機において、上記打撃シリンダの下部には、打撃シリンダのエアをブローバックチャンバに排気するためのエア孔を形成し、打撃時に打ち込み作動した打撃ピストンが下死点に至る途中位置で上記エア孔を通過したとき、上記エア孔より下のシリンダ下室で上記打撃ピストンによって圧縮されたエアにより停止するようにするとともに、この停止位置からさらにねじ締め込みのストローク分だけ下方位置に打撃ピストン停止用ダンパを配置したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1はネジ打込み機の要部を示すもので、このネジ打込み機のボディには打撃機構とねじ締め込み機構とが設けられている。打撃機構は打撃シリンダ1と打撃シリンダ1内に摺動自在に設けられた打撃ピストン2と、打撃ピストン2に一体に結合されたドライバビット3とを有し、トリガ(図示せず)を引き操作することによってメインバルブ4を開き作動させ、圧縮エアを貯留するエアチャンバ5(エア供給源に接続している)から打撃シリンダ1内に圧縮エアを供給してドライバビット3を打込み作動させるものである。また、ねじ締め込み機構は、エアモータ(図示せず)の回転力を中間歯車6と駆動歯車7に伝達し、駆動歯車7の中心孔(多角形)に嵌合したドライバビット8(断面多角形)を回転させてねじの締め込み作動をさせるもので、上記打撃機構の作動開始とほぼ同時に作動し、ドライバビット3をその軸心のまわりに回転させることにより、ドライバビット3によって打込まれた打込みネジを締め込むものである。
【0007】
上記打撃機構によりドライバビット3が打込みネジを打撃して被打込み材に対して打込みネジの頭部が浮く程度に打込んだ後にねじ締め込み機構により上記打込みネジを締め込むものである。このような打撃機構とねじ締め込み機構の基本的思想は、例えば特開平9−141571号公報、特開平9−29037号公報などによって知られるように公知である。
【0008】
次に、上記ネジ打込み機には、打撃ピストン2の移動量を制御することにより打込み深さを制御する機構が設けられている。すなわち、上記打撃シリンダ1の下端にはバンパ10が配置されている。バンパ10は通常は打ち込み作動した打撃ピストン2の下面を受けて打撃ピストン2の作動を停止させるものであるが、この例におけるバンパ10は通常の位置よりも下方の位置に配置されている。この位置は、後述するように、打撃時に打ち込み作動した打撃ピストン2が下死点に至る途中位置で、かつ打撃シリンダ1の下方で打撃ピストン2の作動により圧縮されたエアにより停止する位置からねじ締め込みのストローク分だけ下方の位置である。
【0009】
また、打撃ピストン2は大径上部2aと小径下部2bとから構成され、上記各部にシールリングが周設されている。これに応じて打撃シリンダ1の下部1bも打撃ピストン2の小径下部2bが摺動する部分はその上部1aに比べて小径に形成されている。
【0010】
なお、打撃シリンダの1の周囲にはブローバックチャンバ11が配置されている。ブローバックチャンバ11は打撃シリンダ1の下部のエア孔12と連通し、打撃時に打撃ピストン2が打ち込み作動したときに打撃ピストン2の下方空間(シリンダ下室)のエアが圧縮されて上記エア孔12から圧縮エアが供給されるチャンバで、打撃シリンダ1の上方から打撃用圧縮エアが排気されたときに再び上記エア孔12から打撃シリンダ1内に送られて打撃シリンダ1を上死点に復帰移動させるための機構である。
【0011】
次に、上記構成のネジ打ち込み機の作動態様について説明すると、まず、図2に示されるように、トリガを引き操作しメインバルブ4を開き作動させ、エアチャンバ5から打撃シリンダ1内に圧縮エアを供給すると、打撃ピストン2がエア圧によって下方に駆動され、ドライバビット3が打込み作動し、ボディの下方のノーズ部13内に供給された打ち込みネジ14を打撃する。このように、打撃ピストン2が打ち込み作動すると、打撃ピストン2の下方のシリンダ下室15の容積は急激に縮小するので、内部のエアは圧縮され、その一部はブローバックチャンバ11に供給されるが、残りはシリンダ下室15に残り、昇圧して打撃ピストン2の上方のシリンダ上室16の圧縮エアのエア圧よりも大きくなる。このため、同図に示されるように打撃ピストン2が下死点に至る途中位置で作動が停止する。したがって、打ち込みネジ14は被打込み材16に対して頭部が浮いた状態で打ち込まれる。
【0012】
その後、シリンダ下室15内の圧縮エアはドライバビット3と打撃シリンダ1の下孔17との間の隙間から排気されて減圧し、打撃ピストン2の上面に作用するエア圧の方が大きくなると、打撃ピストン2は再び下方に移動する。
【0013】
ところで、打撃時の圧縮エアの一部はエアモータに供給され、エアモータの回転力が中間歯車から駆動歯車7に伝達され、ドライバビット3を回転させる。これにより、ドライバビット3によって被打込み材16に対して頭部を浮かせて打ち込まれた打ち込みネジ14を浮いた分(ねじ締め込みのストローク分)だけ締め込む。そして、図3のように打撃ピストン2がバンパ10に当たって作動が停止し、ねじ締め込みが終了する。
【0014】
ねじ締め込み作業が終了後にトリガを解放操作すると、メインバルブ4が閉じ作動するとともに排気通路(メインバルブ4の上方)が開くのに対し、ブローバックチャンバ11から圧縮エアがエア孔12を通って打撃シリンダ1内に送られ、大径上部2aと小径下部2bとの間に供給されるが、大径上部2aの方が受圧有効面積が大きいので、打撃ピストン2はその差圧により上死点に復帰移動する。
【0015】
上述のように、打撃時には打撃ピストン2は下死点に至る途中の一定位置でエアブレーキ作用によりいったん停止する。打撃ピストン2の移動量は常に一定であるから、被打込み材16の上材の厚薄に関係なく、打ち込み深さも常に一定になる。これにより、打ち込みネジ14を最適深さに打ち込み、打ち込み後のねじ締め込みを確実にすることができる。よって、被打込み材16の上材の厚さに関係なく常に打ち込みネジ14を良好に締め込みすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気圧式ネジ打込み機の要部の縦断面図
【図2】上記ネジ打込み機の打撃時の作動態様説明図
【図3】上記ネジ打込み機のねじ締め込み時の作動態様説明図
【符号の説明】
1 打撃シリンダ
2 打撃ピストン
3 ドライバビット
5 エアチャンバ
10 バンパ
14 打込みネジ
Claims (1)
- 圧縮エアを貯留するエアチャンバから打撃シリンダ内に圧縮エアを供給してその内部の打撃ピストンに一体に結合したドライバビットを下方に打込み作動させる打撃機構と、上記ドライバビットをねじ締め込みさせるねじ締め込み機構とを備え、上記打撃機構によりドライバビットが打込みネジを打撃して被打込み材に対して打込みネジの頭部が浮く程度に打込んだ後にねじ締め込み機構により上記打込みネジを締め込む空気圧式ネジ打込み機において、
上記打撃シリンダの下部には、打撃シリンダのエアをブローバックチャンバに排気するためのエア孔を形成し、打撃時に打ち込み作動した打撃ピストンが下死点に至る途中位置で上記エア孔を通過したとき、上記エア孔より下のシリンダ下室で上記打撃ピストンによって圧縮されたエアにより停止するようにするとともに、この停止位置からさらにねじ締め込みのストローク分だけ下方位置に打撃ピストン停止用ダンパを配置した
ことを特徴とする空気圧式ネジ打込み機における打ち込み深さ制御機構。
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JP5585840B2 (ja) * | 2010-12-16 | 2014-09-10 | 日立工機株式会社 | ねじ締機 |
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1998
- 1998-09-18 JP JP26473598A patent/JP3570484B2/ja not_active Expired - Fee Related
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