JP3570415B2 - 位相差板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、広い波長域にわたって一様な偏光変換が1枚で可能となる位相差板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
位相差板には通常、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ノルボルネン系樹脂などの熱可塑性樹脂を一軸延伸又は二軸延伸したものが用いられている。そして、450nmの波長の光におけるレターデーション(R450)と590nmの波長の光におけるレターデーション(R590)の比(R450/R590)を波長分散係数αと定義すると、これらの熱可塑性樹脂から得られる位相差板の波長分散係数αは、1.00以上である。なお、波長分散係数αは、物質に固有の値となる。
【0003】
位相差板などの偏光変換素子を用い、広い波長域において一様の偏光変換を行うためには、少なくとも波長分散係数αが1.00 未満であることが好ましく、理想的には、どの波長においても一定の割合、例えば1/4又は1/2の位相差を生じるもの、換言すれば、各波長におけるレターデーションをその波長で除した値が一定のものである。したがって、位相差板の理想的な波長分散係数αは、450/590(≒0.76)となる。
【0004】
このような波長分散特性を得るため、例えば、特開平 2−120804 号公報には、波長分散の異なる2枚の位相差板を積層することが提案されており、また特開平 5−100114 号公報には、λ/2板とλ/4板を積層することが提案されている。しかしながら、2枚以上の位相差板を貼り合わせる場合には、コスト高となり、厚みが大きくならざるを得ず、また光学特性の角度依存性が大きいなどの問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況において、本発明の目的は、1枚で、広い波長域において一様の偏光変換が可能な位相差板を提供することにある。
【0006】
本発明者らは鋭意研究の結果、特定の3種類のモノマーをある範囲の組成比で共重合した重合体を延伸加工することによって、上記の課題を解決しうる位相差板が得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、以下の成分(A)、(B)及び(C):
(A)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の非環状オレフィンモノマー;
(B)環状オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンモノマー;並びに
(C)芳香族炭化水素からなる環状ユニットを有するビニル化合物から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニルモノマー又は脂環式炭化水素からなる環状ユニットを有するビニル化合物から選ばれる少なくとも1種の脂環式ビニルモノマー;の共重合体であって、成分(C)が芳香族ビニルモノマーである場合は、その芳香族ビニルモノマーが1〜20モル%、非環状オレフィンモノマー(A)と環状オレフィンモノマー(B)の合計が80〜99モル%となる共重合比で、また、成分(C)が脂環式ビニルモノマーである場合は、その脂環式ビニルモノマーが80〜99モル%、非環状オレフィンモノマー(A)と環状オレフィンモノマー(B)の合計が1〜20モル%となる共重合比で重合させた共重合体からなる位相差板を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。分極率が正のモノマーからなる繰り返し単位と分極率が負のモノマーからなる繰り返し単位の共重合体を延伸配向させた位相差板は、それぞれの繰り返し単位に由来するレターデーションが相殺し合っており、その共重合体のレターデーションは、それぞれの繰り返し単位に由来する成分のレターデーションの差となる。そのため、このような共重合体の波長分散特性は、それぞれの繰り返し単位の波長分散特性と、それぞれの繰り返し単位に由来する成分のレターデーションの大きさにより決定される。つまり、重合体中に分極率と波長分散の異なる繰り返し単位を導入することにより、波長分散を制御することができる。
【0009】
本発明の位相差板となる重合体を構成する非環状オレフィンモノマー(A)、環状オレフィンモノマー(B)、及び芳香族ビニルモノマー又は脂環式ビニルモノマー(C)のそれぞれに由来する繰り返し単位の役割を具体的に述べると、非環状オレフィンモノマー(A)に由来する繰り返し単位は、重合体に柔軟性を付与する役割を有しており、分極率は重合体の主鎖方向に正であって、その波長分散係数αA≒1.00と考えられる。また、環状オレフィンモノマー(B)に由来する繰り返し単位は、重合体の耐熱性を改良する役割を有しており、分極率は重合体の主鎖方向に概ね正であると考えられ、その波長分散係数αB≒1.00と考えられる。さらに、芳香族炭化水素又は脂環式炭化水素からなる環状ユニットを有する芳香族又は脂環式ビニル化合物(C)に由来する繰り返し単位は、主として重合体の透明性を向上させる役割を有しており、分極率は重合体の主鎖方向に負であって、その波長分散係数αC≧1.00と考えられる。これらの非環状オレフィンモノマー(A)、環状オレフィンモノマー(B)及び芳香族又は脂環式ビニルモノマー(C)の共重合比率を適切に制御することで、柔軟性や透明性、耐熱性、そして波長分散特性のバランスに優れる共重合体の設計が可能となる。
【0010】
共重合体中の非環状オレフィンモノマー(A)に由来する繰り返し単位、環状オレフィンモノマー(B)に由来する繰り返し単位及び環状ユニットを有するビニルモノマー(C)に由来する繰り返し単位の構成比は、ビニルモノマー(C)が芳香族ビニルモノマーである場合、それに由来する繰り返し単位が1〜20モル%、非環状オレフィンモノマー(A)及び環状オレフィンモノマー(B)のそれぞれに由来する繰り返し単位の合計が80〜99モル%である。この場合、柔軟性と耐熱性を考慮すると、環状オレフィンモノマー(B)に由来する繰り返し単位は、40モル%以上であるのが好ましい。また、非環状オレフィンモノマー(A)に由来する繰り返し単位は、1モル%以上存在させるのが適当である。
【0011】
一方、ビニルモノマー(C)が脂環式ビニルモノマーである場合は、それに由来する繰り返し単位が80〜99モル%、非環状オレフィンモノマー(A)及び環状オレフィンモノマー(B)のそれぞれに由来する繰り返し単位の合計が1〜20モル%である。この場合、非環状オレフィンモノマー(A)と環状オレフィンモノマー(B)のそれぞれの割合は、0.5〜19.5モル%程度の範囲から、適宜選択すればよい。ただ、柔軟性と耐熱性を考慮すると、環状オレフィンモノマー(B)に由来する繰り返し単位は、10モル%以上とするのが好ましい。また、非環状オレフィンモノマー(A)に由来する繰り返し単位は、やはり1モル%以上存在させるのが適当である。
【0012】
ビニルモノマー(C)として芳香族ビニルモノマーを用いる場合は、分極率が大きいためレターデーションの発現性が高く、また波長分散も大きいことから、その量は、共重合体全体のうち20モル%以下とする。共重合体の波長分散係数を適当な値とするには、芳香族ビニルモノマーの量を10モル%以下とするのが好ましく、特にそれがスチレンの場合は、9モル%以下とするのが好ましい。一方、脂環式ビニルモノマーを用いる場合は、分極率が小さいためレターデーションの発現性が低く、また波長分散係数が小さいことから、その量は、共重合体全体のうち80モル%以上とする。
【0013】
さらに、環状ユニットを有するビニルモノマー(C)は、本発明の位相差板に対して波長分散特性を制御する機能を有している。そして、α=0.76の共重合体を得るためには、非環状オレフィンモノマー(A)のみからなる重合体、環状オレフィンモノマー(B)のみからなる重合体、及び環状ユニットを有するビニルモノマー(C)のみからなる重合体のそれぞれ波長分散係数をαA 、αB 及びαC とし、非環状オレフィンモノマー(A)、環状オレフィンモノマー(B)及び環状ユニットを有するビニルモノマー(C)にそれぞれ由来する繰り返し単位の波長590nmにおけるレターデーションをx、y及びzとし、この共重合体から作製された位相差板の波長590nmにおけるレターデーションをRとして、次式(I)及び(II)を満足するようなx、y及びzの組合せとすればよい。
【0014】
(αAx+αBy)−αCz=0.76R (I)
(x+y)−z=R (II)
【0015】
本発明で採用する非環状オレフィンモノマー(A)及び環状オレフィンモノマー(B)は、それぞれの単独重合体の波長分散係数αA及びαB がほぼ1.00であることから、環状ユニットを有するビニルモノマー(C)の波長分散係数αC の大きさによって、適当な共重合比が決定される。例えば、αC=1.10の場合には、z:(x+y)=2.4:3.4となるような共重合比がよく、位相差板がλ/4板であれば、x+y=500nm、z=353nmとなる。また例えば、 αC=1.02 の場合には、z:(x+y)=12:13となるような共重合比がよく、位相差板がλ/4板であれば、x+y=1,911nm、z=1,764nmとなる。これらの例からもわかるように、αAとαC 及びαBとαC の差が大きいほうが、x、y及びzがそれぞれ小さくてよいため、位相差板を加工しやすいという点で好ましい。
【0016】
本発明の位相差板は、使用環境を考慮すると、ガラス転移温度(Tg)が通常100℃以上で、耐熱性を有する共重合体で構成されているのが好ましい。この共重合体のガラス転移温度は、140℃以上であるのが一層好ましい。
【0017】
次に、共重合体を構成する各モノマー成分について説明する。非環状オレフィンモノマー(A)は、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィン化合物である。ここで炭素数3〜20のα−オレフィン化合物としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンのような炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンや、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンのような炭素原子数4〜20の分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。これらの中では、炭素原子数が2のエチレンや、炭素原子数が3又は4の直鎖状α−オレフィンであるプロピレン又は1−ブテンが、得られる共重合体をフィルム状に成形した際の柔軟性の点で好ましく、特にエチレンが同様の理由で好ましい。上記のエチレン及びα−オレフィンは、それぞれ単独で用いても、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0018】
環状オレフィンモノマー(B)は、炭素環内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物であって、共重合した際、共重合体の主鎖中にシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、それらが2つ以上結合した環のような脂環式の環を導入できる単量体である。具体的には、通常ノルボルネンと呼ばれているビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンや、6−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5,6−ジアルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、1−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、7−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンのような、メチル基、エチル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が導入されたノルボンネン誘導体、また、ジメタノオクタヒドロナフタレンとも呼ばれているテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセンや、8−アルキルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン、8,9−ジアルキルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセンのような、ジメタノオクタヒドロナフタレンの8位及び/又は9位に炭素数3以上のアルキル基が導入されたジメタノオクタヒドロナフタレン誘導体、さらには、1分子内に1個又は複数個のハロゲンが導入されたノルボルネンの誘導体、8位及び/又は9位にハロゲンが導入されたジメタノオクタヒドロナフタレンの誘導体などが挙げられる。これらの環状オレフィンは、それぞれ単独で用いても、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
成分(C)の環状ユニットを有するビニル化合物は、上記非環状オレフィンモノマー(A)及び環状オレフィンモノマー(B)との共重合により主鎖を形成するビニル基に、環状ユニットを含むユニットが結合したものである。具体的な環状ユニットとしては、炭素数6〜14程度の芳香族炭化水素基や炭素数3〜12程度の脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0020】
芳香族炭化水素基を有するビニル化合物には、スチレン及びその誘導体が包含される。スチレン誘導体とは、スチレンに他の基が結合した化合物であって、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンのようなアルキルスチレンや、ヒドロキシスチレン、t−ブトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンジルアセテート、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンの如き、スチレンのベンゼン核に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、ハロゲンなどが導入された置換スチレン、また4−ビニルビフェニル、4−ヒドロキシ−4′−ビニルビフェニルのようなビニルビフェニル系化合物などが挙げられる。
【0021】
一方、ビニル基に結合する脂環式炭化水素基には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、ノルボルネン、アダマンタンなど、炭素数3〜12程度の環状パラフィン又はそれらの誘導体から導かれる基が包含される。
【0022】
これら環状ユニットを有するビニルモノマー(C)の中でも、波長分散特性の面からは、芳香族炭化水素であるベンゼン環のユニットを有するモノマーが好ましく、例えば、スチレン及びその誘導体が好ましい。上記の環状ユニットを有するビニル化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、また芳香族ビニル化合物の範囲内又は脂環式ビニル化合物の範囲内で、それぞれ2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0023】
本発明の位相差板用共重合体は、非環状オレフィンモノマー(A)に由来する繰り返し単位と、環状オレフィンモノマー(B)に由来する繰り返し単位と、環状ユニットを有するビニルモノマー(C)に由来する繰り返し単位とを、それぞれ含むものである。具体的には、エチレン/ノルボルネン/スチレン共重合体、エチレン/ジメタノオクタヒドロナフタレン/スチレン共重合体、プロピレン/ノルボルネン/スチレン共重合体、プロピレン/ジメタノオクタヒドロナフタレン/スチレン共重合体、エチレン/ノルボルネン/t−ブトキシスチレン共重合体、エチレン/ノルボルネン/ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン/ジメタノオクタヒドロナフタレン/ビニルシクロヘキサン共重合体、プロピレン/ノルボルネン/ビニルシクロヘキサン共重合体、プロピレン/ジメタノオクタヒドロナフタレン/ビニルシクロヘキサン共重合体などが挙げられる。
【0024】
共重合体における共重合形式は、本発明の効果を妨げない範囲であれば、ランダム形式及びブロック形式のいずれでも差し支えないが、3種の構成モノマーがそれぞれドメインを形成するほどのブロック性を示すものは、透明性を悪化させることがあるので、このようなものは避けたほうがよい。
【0025】
本発明の位相差板に用いる共重合体は、例えば、メタロセン触媒の存在下に、非環状オレフィンモノマー(A)と、環状オレフィンモノマー(B)と、環状ユニットを有するビニルモノマー(C)とを共重合することにより、製造できる。その際、非環状オレフィンモノマー(A)、環状オレフィンモノマー(B)及び環状ユニットを有するビニル化合物(C)の投入量、重合温度や重合時間などの重合条件を適宜変更することで、共重合組成や分子量等の異なる共重合体を得ることができる。この共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、抗菌剤、防曇剤、可塑剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
【0026】
本発明の位相差板は通常、上で説明した共重合体をフィルムとし、さらに延伸することによって製造される。フィルムに形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、溶剤キャスト法、溶融押出法などの方法が採用できる。また、延伸する方法も特に限定されないが、例えば、テンター法による横延伸、ロール間延伸による縦延伸などが挙げられる。
【0027】
かくして得られる本発明の位相差板は、広い波長域において一様の偏光変換が可能であるため、λ/4板であれば、それを直線偏光板と組み合わせて広波長域の円偏光板とすることができ、またλ/2板であれば、それを直線偏光板と組み合わせて広波長域の偏光回転素子とすることができる。したがって、各種液晶表示装置、陰極線管(CRT)、タッチパネル、エレクトロルミネセンス(EL)ランプ等における反射防止フィルター、さらには液晶プロジェクターなどに使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下に具体的な実験例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0029】
例1
エチレンとビニルシクロヘキサンとを18:82のモル比で共重合した共重合体を、プレス成型にて100μm 厚のフィルムにした。得られたフィルムをテンター法により、100℃で1.5倍に横一軸延伸した。その結果、負の分極で、R590=118nm、R450=116nm、α=0.983の位相差板が得られた。
【0030】
モノマーを三成分系に変えて同様に共重合を行って得られる共重合体を、フィルム化し、さらに延伸すれば、波長分散係数αの小さい位相差板が得られる。
【0031】
例2
エチレンとスチレンとノルボルネンを39:7:54のモル比で共重合した共重合体を、プレス成型にて110μm 厚のフィルムとした。得られたフィルムをオートグラフにて163℃で 1.7倍に一軸延伸した。その結果、正の分極で、R590=11.1nm、R450=8.4nm、α=0.76の位相差板が得られた。
【0032】
例3
エチレンとスチレンとノルボルネンを40:6:54のモル比で共重合した共重合体をトルエンに溶解させ、溶剤キャスト法により100μm 厚のフィルムを作製した。得られたフィルムをオートグラフにて115℃で 1.4倍に一軸延伸した。その結果、正の分極で、R590=9.1nm、R450=8.4nm、α=0.92 の位相差板が得られた。
【0033】
例4(比較)
エチレンとノルボルネンを55:45のモル比で共重合した共重合体を、プレス成型により100μm 厚のフィルムとした。得られたフィルムをオートグラフにて160℃で 1.1倍に一軸延伸した。その結果、正の分極で、R590=5.0nm、R450=5.3nm、α=1.06の位相差板が得られた。
【0034】
例5(比較)
エチレンとスチレンとノルボルネンを46:27:27のモル比で共重合した共重合体を、プレス成型により100μm 厚のフィルムとした。得られたフィルムをオートグラフにて80℃で 1.7倍に一軸延伸した。 その結果、負の分極で、R590=126.0nm、R450=142.7nm、α=1.13 の位相差板が得られた。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る位相差板は、波長分散係数αが1.00 未満であり、1枚で広い波長域において一様な偏光変換を行うことができる。そのため、安価で薄く、光学特性の角度依存性が小さい位相差板とすることができる。
Claims (7)
- エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の非環状オレフィンモノマー、環状オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンモノマー、並びに芳香族炭化水素からなる環状ユニットを有するビニル化合物から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニルモノマーを、芳香族ビニルモノマーが1〜20モル%、非環状オレフィンモノマーと環状オレフィンモノマーの合計が80〜99モル%となる共重合比で重合させた共重合体からなることを特徴とする位相差板。
- 環状オレフィンモノマーが40モル%以上である請求項1記載の位相差板。
- 非環状オレフィンモノマーがエチレン、プロピレン又は1−ブテンである請求項1又は2記載の位相差板。
- 芳香族ビニルモノマーがスチレン又はその誘導体である請求項1〜3のいずれかに記載の位相差板。
- エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の非環状オレフィンモノマー、環状オレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンモノマー、並びに脂環式炭化水素からなる環状ユニットを有するビニル化合物から選ばれる少なくとも1種の脂環式ビニルモノマーを、脂環式ビニルモノマーが80〜99モル%、非環状オレフィンモノマーと環状オレフィンモノマーの合計が1〜20モル%となる共重合比で重合させた共重合体からなることを特徴とする位相差板。
- 環状オレフィンモノマーが10モル%以上である請求項5記載の位相差板。
- 非環状オレフィンモノマーがエチレン、プロピレン又は1−ブテンである請求項5又は6記載の位相差板。
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