JP2009102625A - 共重合体 - Google Patents

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幸司 市川
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勝旭 宮崎
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Abstract

【課題】広い波長域で一様の偏光変換が可能な新たな光学フィルムを与える共重合体を提供する。
【解決手段】式(I)で表されるモノマー及び芳香族炭化水素又は芳香族複素環基を含有するモノマーからなる共重合体。
Figure 2009102625

(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族性を有する基を少なくとも1つ有する基を表す。Xは、炭素数2〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルキレンオキシ基を表す。yは、1〜6の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム用の共重合体等に関する。
可視光全域の入射光に対して、均一な位相差特性を与える位相差板を、積層ではなく単層で形成する技術が求められており、例えば正の複屈折性を示すポリマーとしてノルボルネン系樹脂を含み、更に負の複屈折性を示すポリマーとしてスチレン−マレイン酸共重合体を含む単層フィルムを延伸して得られる位相差板によれば、広い波長域で一様の偏光変換が可能であることが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−337222号公報
本発明の課題は、広い波長域で一様の偏光変換が可能な新たな光学フィルムを与える共重合体を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、[1]〜[9]のいずれか記載の発明である。
[1] 式(I)で表されるモノマー及び式(II)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位を含有する共重合体。
Figure 2009102625
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族性を有する基を少なくとも1つ有する基を表す。該芳香族性を有する基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。Xは、炭素数2〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルキレンオキシ基を表し、該アルキレン基及び該アルキレンオキシ基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、オキソ基又は水酸基に置換されていてもよい。yは、1〜6の整数を表す。)
Figure 2009102625
(式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基に含まれるメチレン基は、−NH−、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)
[2] 式(II)で表されるモノマーが、N−ビニルカルバゾール及びビニルナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである[1]記載の共重合体。
[3] 式(I)で表されるモノマーが、式(I−1)〜(I−3)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである[1]又は[2]記載の共重合体。
Figure 2009102625
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nはそれぞれ独立に0〜20の整数を表す。Rは、それぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はグリシドキシ基を表し、mはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、kはそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。)
[4] ガラス転移温度(Tg)が55℃以上である請求項[1]〜[3]のいずれか記載の共重合体。
[5] [1]〜[4]のいずれか記載の共重合体を成膜化し、さらに延伸してなる光学フィルム。
[6] 光学フィルムを透過する透過光の波長νnmにおける位相差値Re(ν)が、下記式を充足する[5]記載の光学フィルム。
Re(450)<Re(550)<Re(650)
[7] [1]〜[4]のいずれか記載の共重合体を成膜化し、さらに延伸する光学フィルムの製造方法。
[8] 共重合体を含む溶液を平滑な面にキャストして溶剤を留去することによって成膜化する[7]記載の光学フィルムの製造方法。
[9] [1]〜[4]のいずれか記載の共重合体の光学フィルムを製造するための使用。
[10] [5]又は[6]記載の光学フィルムからなる位相差板。
本発明の共重合体によれば、広い波長域で一様の偏光変換が可能な光学フィルムを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の共重合体は、式(I)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位を含有する。
Figure 2009102625
式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族性を有する基を少なくとも1つ有する基を表す。該芳香族性を有する基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。Xは、炭素数2〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルキレンオキシ基を表し、該アルキレン基及び該アルキレンオキシ基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、オキソ基又は水酸基に置換されていてもよい。yは、1〜6の整数を表す。
芳香族性を有する基には、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜12のアルキル基、例えば、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、例えば、アセチル基などのような炭素数2〜4のアシル基、水酸基、グリシドキシ基、カルボキシル基が結合していてもよい。
芳香族性を有する基は、複数の芳香族性を有する基が連結基を介して結合されてなる1価の基であってもよい。連結基としては、例えば、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1〜6程度の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、-CO-などが挙げられる。また、複数の芳香族性を有する基が、単結合で結合していてもよい。
具体的には、複数の芳香族性を有する基が単結合で結合した例としてはビフェニル基が挙げられ、複数の芳香族性を有する基がイソプロピリデン基で結合した下記式で表される基などが例示される。
Figure 2009102625
式(I)中のXは、炭素数2〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルキレンオキシ基を表し、該アルキレン基及び該アルキレンオキシ基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、オキソ基又は水酸基に置換されていてもよい。yは、1〜6の整数を表す。
式(I)で表されるモノマーとして、異なる複数のモノマーを併用してもよい。
式(I)で表されるモノマーとしては、中でも、下記式(I−1)〜(I−3)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーであることが好ましい。
Figure 2009102625
(式(I−1)中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは、それぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はグリシドキシ基を表す。kは0〜5の整数を表す。)
Figure 2009102625
(式(I−2)中、R及びRは前記と同じ意味を表し、nは1〜20の整数を表す。mは0〜4の整数を表し、kは前記と同じ意味を表す。)
Figure 2009102625
(式(I−3)中、R、R、n及びkは前記と同じ意味を表す。)
式(I)で表されるモノマーの具体例としては、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート(I−1−1)の他、次のようなモノマーが例示される。
Figure 2009102625
式(I)で表されるモノマーの製造方法としては、例えば、芳香族性を有する基を少なくとも1個有する基を与える化合物としてフェノール化合物を用い、該化合物にエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを反応させて、R−X−OHを得て、さらにアクリル酸またはメタクリル酸などをエステル化する方法、例えば、芳香族性を有する基を少なくとも1個有する基を与える化合物としてハロゲン化ベンゼン化合物を用い、該化合物にアルキレンジオールを反応させて、R−X−OHを得て、さらにアクリル酸またはメタクリル酸などをエステル化する方法などが挙げられる。
また、前記例示されたベンジルアクリレート(I−1)、ベンジルメタクリレート(I−2)は、和光純薬工業、メルク社、アルドリッチ社などから市販されており、式(I−3)および式(I−4)で表される化合物は新中村化学工業(株)からNKエステルL−4[式(I-2-1)で表されるモノマー]およびNKエステルA−CMP−1E[式(I-3-1)で表されるモノマー]の商品名で市販されている。
本発明の共重合体における式(I)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、通常、80〜99モル%、好ましくは85〜98モル%、更に好ましくは90〜97モル%である。
本発明の共重合体は、式(II)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位を含有する。
Figure 2009102625
式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基に含まれるメチレン基は、−NH−、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。
式(II)で表されるモノマーとしては、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンのようなアルキルスチレン、例えば、ヒドロキシスチレン、t−ブトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンジルアセテート、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンなどの、ベンゼン環に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、ハロゲンなどが結合した置換スチレン、例えば、4−ビニルビフェニル、4−ヒドロキシ−4′−ビニルビフェニルなどのビニルビフェニル系化合物、ビニルナフタレン(II−1)、ビニルアントラセンなどの縮合環及びビニル基を有する化合物、N−ビニルフタルイミドなどの芳香族性炭化水素基、複素環基およびビニル基を有する化合物等が挙げられる。
式(II)で表されるモノマーの好ましい具体例としては、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールなどが挙げられる。
式(II)で表されるモノマーとして、異なる複数のモノマーを併用してもよい。
式(II)で表されるモノマーとしては、中でも、式(II)で表されるモノマーに含まれる芳香族性を有する環状炭化水素基が、炭素数10〜15の環状炭化水素基であり、かつ、5〜7員環の縮合環構造を2〜3環の含むモノマーが好ましく、特に、ビニルナフタレン(II−1)、N−ビニルカルバゾール(II−2)又はビニルアントラセンであることが好ましい。
本発明の共重合体における式(II)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、通常、1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%、更に好ましくは3〜10モル%である。
本発明の共重合体には、式(I)および(II)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位以外にも、式(I)又は(II)で表されるモノマーと共重合可能なモノマー(以下、共重合可能なモノマーという場合がある)に由来する繰り返し単位が含有されていてもよい。共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン化合物、環状オレフィン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの炭素数4〜20の脂肪酸ビニル化合物、シクロヘキシルビニルなどの炭素数7〜20の脂環式構造を有するビニル化合物、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜3のアルキルエステルを有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
炭素数3〜20のα−オレフィン化合物としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンのような炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンや、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンのような炭素原子数4〜20の分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。
エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物の中でも、エチレン、炭素原子数が3又は4の直鎖状α−オレフィンであるプロピレン及び1−ブテンが、得られる共重合体をフィルム状に成形した際の柔軟性に優れることから好ましく、特にエチレンが好ましい。
ここで、環状オレフィンとは、炭素環内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物である。従って、環状オレフィンを式(I)および(II)で表されるモノマーと共重合して得られる共重合体の主鎖中に、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、それらが2つ以上結合した環のような脂環式の環を導入し得る単量体である。具体的には、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンや、6−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5,6−ジアルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、1−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、7−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンのような、メチル基、エチル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が導入されたノルボンネン誘導体、ジメタノオクタヒドロナフタレンとも呼ばれているテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン、8−アルキルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン、8,9−ジアルキルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセンなどのジメタノオクタヒドロナフタレンの8位及び/又は9位に炭素数3以上のアルキル基が導入されたジメタノオクタヒドロナフタレン誘導体、分子内に1個又は複数個のハロゲンが導入されたノルボルネンの誘導体、8位及び/又は9位にハロゲンが導入されたジメタノオクタヒドロナフタレンの誘導体などが挙げられる。
また、脂環式構造を有するビニル化合物とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、ノルボルネニル基、アダマンチル基などの炭素数3〜12程度の脂環式炭化水素基およびビニル基からなる化合物である。脂環式構造を有するビニル化合物を式(I)および(II)で表されるモノマーと共重合して得られる共重合体の主鎖に脂環式炭化水素基が結合している。
共重合可能なモノマーは、2種類以上の共重合可能なモノマーを併用してもよい。
本発明の共重合体における共重合可能なモノマーの含有量としては、通常、20モル%以下、好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。
共重合体における共重合形式としては、ランダム形式、ブロック形式などが挙げられるが、共重合体を構成する繰り返し単位がそれぞれドメインを形成しない程度にブロック形式が少量であると、得られる光学フィルムの透明性が向上することから好ましい。
本発明の共重合体の製造方法としては、例えば、式(I)で表されるモノマー、式(II)で表されるモノマー、有機溶媒、必要に応じて、共重合可能なモノマーを混合して、モノマーの合計濃度を20重量%以上、好ましくは30〜60重量%の混合液に調製したのち、窒素雰囲気下にて、重合開始剤を添加して、20〜100℃程度、好ましくは40〜90℃程度、特に、好ましくは60〜80℃程度に加熱しながら、1〜24時間程度攪拌して、本発明の共重合体を含有する溶液を得る方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いるモノマーや重合開始剤を重合中に添加しても、有機溶媒に溶解したのち添加してもよい。
また、共重合体にエチレンやプロピレンなどの気体の共重合可能なモノマーを用いる場合には、窒素に代えて、かかる共重合可能なモノマー雰囲気下、好ましくは、加圧下で製造すればよい。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2[−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。また、熱重合開始剤及び還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
共重合体のガラス転移温度(Tg)は55℃以上好ましくは60℃以上である。例えばTgが55℃以上あると耐熱性が良好となるため好ましい。
共重合体のガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)等を用いて測定することができるが、下記のFoxの式を用いて概算することもできる。
Figure 2009102625
(式中、Tg(Cp)は共重合体のTg、W(Mn)はモノマーMnの重量分率、Tg(Mn)はモノマーMnのホモポリマーのTgを表す。ただしTgはすべて絶対温度。)
本発明の光学フィルム及び位相差板は、本発明の共重合体を成膜化し、さらに延伸することによって製造される。本発明の共重合体を成膜する方法としては、例えば、本発明の共重合体を含む溶液を平滑な面にキャストして溶媒を留去する方法(即ち、溶剤キャスト法)、本発明の共重合体を溶融押出機などでフィルム状に押出成形する方法(即ち、溶融押出法)などが挙げられる。
また、フィルムを延伸する方法としては、例えば、テンター法による延伸法、ロール間延伸による延伸法などが挙げられる。
延伸は、一軸延伸でも二軸延伸のいずれでもよく、縦延伸でも横延伸のいずれでもよい。中でも、生産性の観点から、一軸延伸が好ましく、特に一軸の縦延伸が好ましい。
本発明の共重合体は、ポリカーボネートとは異なる熱可塑性樹脂であり、ホスゲンを用いることがない方法(例えば、UV硬化や熱硬化)で製造可能である。また、本発明の光学フィルムの波長分散係数αは1.00未満であり、かつ、広い波長域において一様の偏光変換が可能である。このため、各種液晶表示装置、陰極線管(CRT)、タッチパネル、エレクトロルミネセンス(EL)ランプ等における反射防止フィルター、さらには液晶プロジェクターなどに好ましく使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
(実施例1)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に、ベンジルメタクリレート(I-1-1)67部、N−ビニルカルバゾール(II−2)3.89部、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート130部を混合し溶解させ、その後、得られた溶解物を70℃に昇温させた。その後、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.20部を添加した後、同温度で、さらに7時間攪拌して、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに本発明の共重合体を含有する溶液を得た。得られた溶液を室温程度に冷却したのち、ポリエチレンテレフタレート製の離型フィルムに、500μmのギャップのアプリケーターで塗布したのち、100℃で30分乾燥し、温度調節オートグラフ延伸機にて1.8倍延伸することにより光学フィルムを製造した。該光学フィルムのフィルム厚は118μmであった。該光学フィルムの波長分散特性を自動複屈折計(KOBRA−WR、王子計測機器社製)で測定したところ、得られた光学フィルムは正の複屈折性を示すとともに、R(550)=80nm、R(450)/R(550)=0.89の光学特性であった。
(実施例2)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート130部および重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.20部からなる混合溶液を70℃に昇温させた。続いて、該混合溶液に、ベンジルメタクリレート(I-1-1)67部およびN−ビニルカルバゾール(II−2)3.89部からなる溶液を添加した後、同温度で、さらに7時間攪拌して、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに本発明の共重合体を含有する溶液を得た。
光学フィルムの製造および波長分散特性の測定は実施例1記載の方法と同様に行った。結果を実施例1の結果とともに表1に示す。
(実施例3〜5)
式(I)で表されるモノマーおよび式(II)で表されるモノマーとして、前記に具体的に例示された式番号として、表1記載のモノマーを用いるほかは、実施例1記載の方法と同様な方法で光学フィルムを製造した。結果を実施例1の結果とともに、表1に示す。
Figure 2009102625
(実施例6)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に、ベンジルメタクリレート67部、N−ビニルカルバゾール3.89部、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート130部を混合し溶解させ、その後、得られた溶解物を70℃に昇温させた。その後、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.20部を添加した後、同温度で、さらに7時間攪拌して、数平均分子量:1.3×10の共重合体を含む溶液を得た。ベンジルメタクリレートのTgは327K(Polmer Handbook 4th Ed)、N−ビニルカルバゾールのTgは500K(同)であり、Foxの式から導かれる共重合体のTgは60℃である。得られた溶液を室温程度に冷却したのち、ポリエチレンテレフタレート製の離型フィルム上に、700μmのギャップのアプリケーターで塗布、80℃で15分乾燥、UV照射(高圧水銀ランプ:1Pass当たり 650mJ/cm:365nm)、さらに温度調節オートグラフ延伸機を使用して3.0倍延伸した。得られたフィルムを、450nmから750nmの波長範囲において、自動複屈折計(KOBRA−WR、王子計測機器(株)製)を用いて波長分散特性を測定した。該光学フィルムは、フィルム厚:97.8μm、正の複屈折性で、Re(550)=111.2nm、Re(450)/Re(550)=0.892、Re(650)/Re(550)=1.049であった。
<耐熱安定性>
実施例6の光学フィルムをホットステージ上で昇温しながら、60℃、80℃、100℃、室温に戻した後位相差を測定した。各位相差値、室温に戻した後の初期からの位相差変化量を表2に示す。
Figure 2009102625
耐熱安定性に優れており、表示性能安定性が良好であることが確認された。
本発明の共重合体によれば、広い波長域で一様の偏光変換が可能な光学フィルムを得ることができる。

Claims (10)

  1. 式(I)で表されるモノマー及び式(II)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位を含有する共重合体。
    Figure 2009102625
    (式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族性を有する基を少なくとも1つ有する基を表す。該芳香族性を有する基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。Xは、炭素数2〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルキレンオキシ基を表し、該アルキレン基及び該アルキレンオキシ基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、オキソ基又は水酸基に置換されていてもよい。yは、1〜6の整数を表す。)
    Figure 2009102625
    (式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基に含まれるメチレン基は、−NH−、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)
  2. 式(II)で表されるモノマーが、N−ビニルカルバゾール及びビニルナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1記載の共重合体。
  3. 式(I)で表されるモノマーが、式(I−1)〜(I−3)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1又は2記載の共重合体。
    Figure 2009102625
    (式中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nはそれぞれ独立に0〜20の整数を表す。Rは、それぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はグリシドキシ基を表し、mはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、kはそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。)
  4. ガラス転移温度(Tg)が55℃以上である請求項1〜3のいずれか記載の共重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の共重合体を成膜化し、さらに延伸してなる光学フィルム。
  6. 光学フィルムを透過する透過光の波長νnmにおける位相差値Re(ν)が、下記式を充足する請求項5記載の光学フィルム。
    Re(450)<Re(550)<Re(650)
  7. 請求項1〜4のいずれか記載の共重合体を成膜化し、さらに延伸する光学フィルムの製造方法。
  8. 共重合体を含む溶液を平滑な面にキャストして溶剤を留去することによって成膜化する請求項7記載の光学フィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか記載の共重合体の光学フィルムを製造するための使用。
  10. 請求項5又は6記載の光学フィルムからなる位相差板。
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