JP3570127B2 - 便器洗浄タンク装置 - Google Patents

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弘志 田中
吉喜 太田
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東陶機器株式会社
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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、洗浄水を貯留する内側タンクと、内側タンクを収容するタンクカバーとを有した二重構造の便器洗浄タンク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
便器洗浄タンク装置は、通常、便器の後部上面に載置されボルト等により便器に固定される。洗浄水を貯留する内側タンクと、内側タンクを収容するタンクカバーとを有した二重構造の便器洗浄タンク装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、二重構造の便器洗浄タンク装置において、便器への取付け前に、内側タンクとタンクカバーとが仮固定できるようにすることにある。
【0004】
本発明の別の目的は、二重構造の便器洗浄タンク装置において、異なる種類の便器に取付け可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面に従う便器洗浄タンク装置は、先浄水を貯留するための内側タンクと、内側タンクを収容するためのタンクカバーと、内側タンクをタンクカバーに仮固定するための仮止め手段と、内側タンクが仮固定されたタンクカバーを、前記便器に固定するための固定具と、内側タンクの底面に設けられた、固定具を取り付けるための固定具取着部とを備え、固定具が、内側タンクの底部に設けられた、下方へ延びる第1の部材(例えば、ボルト)と、第1の部材を挿通して前記タンクカバー外へ突出させるための、タンクカバーの底部に形成された貫通孔と、第1の部材の前記タンクカバー外へ突出した部分が、便器に予め形成された取付孔に挿通されて前記便器の裏側に突出したとき、タンクカバーが便器に対し固定されるように、第1の部材の便器裏側に突出した部分と結合するための第2の部材(例えばナット)とを有し、仮止め手段が、内側タンクがタンクカバーに仮固定されるように、第1の部材のタンクカバー外へ突出した部分と結合するためのスナップリングであり、第1の部材が、タンクカバー外へ突出した部分のタンクカバーの底部外表面近傍の位置に、スナップリングを嵌着するための切欠を有する
【0006】
本発明の便器洗浄タンク装置によれば、仮止め手段によって、便器への取付け前に、内側タンクとタンクカバーとを仮固定できる。
【0008】
この実施形態によれば、固定具の第1の部材が仮止め手段としても利用されているので、内側タンクをタンクカバーに仮固定した状態のまま、そのタンクカバーを便器に載せて固定することができる。
【0009】
また、この実施形態では、仮止め手段の第3の部材はスナップリングであり、このスナップリングは、タンクカバーを便器に固定したときに、タンクカバーと便器との間にできる隙間内に収容されるようになっている。よって、仮止め手段が便器への設置への邪魔になることがない。
【0010】
本発明の第2の側面に従う便器洗浄タンク装置は、洗浄水を貯留するための内側タンクと、内側タンクを収容するためのタンクカバーと、タンクカバーを便器に固定するための固定具とを備え、固定具の位置が可変になっている。
【0011】
便器洗浄タンク装置によれば、固定具の位置を変えることによって、異なる種類の便器に取付けることができる。
【0012】
好適な実施形態では、固定具は、内側タンクの底部に設けられた下方へ延びる第1の部材(例えば、ボルト)と、第1の部材を挿通してタンクカバー外へ突出させるための、タンクカバーの底面に形成された貫通孔と、第1の部材のタンクカバー外へ突出した部分が便器に予め形成された取付孔に挿通されて便器の裏側に突出したとき、その第1の部材の便器裏側に突出した部分と結合してタンクカバーを便器に固定する第2の部材(例えばナット)とを有する。そして、内側タンクの底部の外表面に、上記第1の部材を取付けるための固定具取着部が設けられており、この固定具取着部に対し第1の部材が着脱自在で、且つ固定具取着部に対する第1の部材の取付け位置が可変になっている。
【0013】
この実施形態では、第1の部材は内側タンクの底部の外表面に取付けられることになる。第1の部材は内側タンクの底部を貫通するように取付けることもできるが、内側タンクのシール性を確保するためには、この実施形態のように内側タンクの底部外表面に取付ける方が望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図においてAは内側タンク、Bはタンクカバーである。
【0016】
内側タンクAは便器Cを洗浄するための洗浄水を貯留するタンクで、合成樹脂の成形品により構成されており、排水弁1、これを開弁操作するハンドル装置2、ボールタップ3等の便器洗浄タンク装置として必要な装備を備えている。
【0017】
一方、タンクカバーBは便器洗浄タンク装置にデザイン上のバリエーションを持たせると共にトイレ室内温度と洗浄水温度との温度差により洗浄タンクの外部表面に結露水が付着するのを防止するために内側タンクAを覆って便器C後部上面のタンク設置部9に設置されるカバーで、内側タンクAより一回り大きなタンク状に形成されて、内部に内側タンクAを収容しており、便器Cと質感を一致させるために陶器で構成されている。
【0018】
上記内側タンクAの底面aには便器取付用の固定具30を取り付けるための固定具取着部4が設けられており、この固定具取着部4を介して便器取付用の固定具30が内側タンクAの底面aに取り付けられている。
【0019】
また、タンクカバーBの底面bには上記固定具取着部4に対応して挿通孔5が開設されており、上記固定具取着部4を介して内側タンクAの底面に取り付けられた固定具30は該挿通孔5を挿通してタンクカバーB外に突出している。
【0020】
固定具取着部4は、内側タンク底面aに側面41の一部を開放する袋状に突出形成され、底面42には開放された側面41a側から奥に向かって延びるスリット43を備えており、内側タンクAの底面a側から見て全体として大略U字型を呈している。
【0021】
この固定具取着部4は内側タンクAの横幅方向の中央部においてタンクa底部に設けられた排水孔6を挟んでその左右両側に夫々設けられており、屈曲部44側を背中合せにして、開放側面41aを内側タンクAの左右側面側に向けて配置されている。
【0022】
固定具30はボルト31及びナット32からなり、ボルト頭部31aが固定具取着部4の開放された側面41aから取着部底面42と内側タンク底面aとの隙間にスライド挿入されて、取着部底面42に係止されており、取着部4のスリット43を介して下方に延びるボルト軸31bが前記タンクカバー底面bの挿通孔5を挿通してタンクカバーB外に突出している。
【0023】
また、上記固定具30には内側タンクAとタンクカバーBとを仮固定する仮止め手段7が設けられている。
【0024】
上記仮止め手段7はスナップリングからなり、合成樹脂などの弾性を有する部材でリングの一部を切り欠いた形状に形成され、タンクカバーBの外側で、かつタンクカバーBの底面bにできるだけ近い部分において、固定具30のボルト軸31bの外周に嵌着されている。
【0025】
上記固定具30のボルト軸31bには、上記スナップリング7を嵌着する部分の周面に一対の切欠き31b−1が設けられており、この切欠き31b−1にスナップリング7が嵌め込み係止される。
【0026】
また、スナップリング7の内周面にはピン71が突出形成され、一方、固定具30のボルト31bにはその軸心に直行する止め孔31b−2が穿設されており、上記ピン71が止め孔31b−2に挿入係止される。
【0027】
而して、タンクカバーBはスナップリング7により固定具30に係止され、これにより内側タンクAとタンクカバーBは仮固定される。
【0028】
そして、この便器洗浄タンク装置は、上記のように内側タンクAとタンクカバーBが仮固定された状態で便器Cの後部上面に設けられたタンク設置部9に載置され、固定具30のボルト軸31bが上記設置部9に開設された取付孔8を挿通して便器C裏側に突出せしめられ、便器C裏側からナット32を螺着してナット32の締め付けにより便器Cに固定される。
【0029】
この際、上記仮止め手段7はタンクカバーBの底面bと便器Cのタンク設置部9上面との間に介在することになるが、通常タンク設置部9には上面に突出する突部などがあり、取付孔8周辺ではタンクカバーBの底面bと便器Cのタンク設置部9上面との間に隙間が形成されるため、仮止め手段7がタンク装置の便器Cへの設置の邪魔になることはない。
【0030】
尚、図示の実施形態においては、前記固定具30のボルト頭部31aはほぼ長円状に形成されてその長径方向に偏心してボルト軸31bが設けられており、固定具取着部4は開放された側面41aから屈曲部44最奥までの奥行が上記ボルト頭部31aの長径にほぼ相当し、横幅はボルト頭部31aの短径にほぼ相当している。
【0031】
従って、ボルト頭部31aを固定具取着部4の底面42と内側タンクAの底面aとの隙間に挿入するに際して、ボルト頭部31aの向き逆にすることにより、内側タンク底面aに取り付けられる二つの固定具30のボルト軸31bの芯々距離を変えることができ、これによりこのタンク装置はタンク設置部9に設ける取付孔8の芯々距離が異なる二種類の便器に対して取付が可能になっている。
【0032】
以上説明した実施の形態においては、内側タンクAとタンクカバーBとを仮固定する仮止め手段7をピン71を備えたスナップリングにより構成したが、ピン単独またはスナップリング単独で仮止め手段を構成するのも任意である。
【0033】
また、便器取付用の固定具30は内側タンクAを貫通して取り付けるようにすることも可能であるが、シール性を考慮すれば、既述の実施の形態の如く、内側タンクAの外面に固定具取着部4を設けてこれに取り付けるようにするのが望ましい。
【0034】
更に、便器取付用の固定具30は必ずしも上述の実施形態の如く、内側タンクAと別部品で構成して内側タンクAに取り付けるようにする必要はなく、内側タンクAと一体に設けることも勿論可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明の第1の側面に従う便器洗浄タンク装置は、これを便器へ取付ける前に、内側タンクをタンクカバーに仮固定することができる。
【0036】
本発明の第2の側面に従う便器洗浄タンク装置は、異なる種類の便器に取付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す便器洗浄タンク装置の断面図。
【図2】要部の拡大断面図。
【図3】図2の(3)−(3)線断面図。
【図4】図3の(4)−(4)線断面図。
【図5】要部を分解して示す底面側から見た斜視図で、一部切欠して示している。
【符号の説明】
A 内側タンク
B タンクカバー
a 内側タンクの底面
b タンクカバーの底面
5 挿通孔
7 仮止め手段
30 便器取付用の固定具

Claims (3)

  1. 便器に取付けられる便器洗浄タンク装置において、
    先浄水を貯留するための内側タンクと、
    前記内側タンクを収容するためのタンクカバーと、
    前記内側タンクを前記タンクカバーに仮固定するための仮止め手段と、
    前記内側タンクが仮固定された前記タンクカバーを、前記便器に固定するための固定具と、
    前記内側タンクの底面に設けられた、前記固定具を取り付けるための固定具取着部と
    を備え、
    前記固定具が、
    前記内側タンクの底部に設けられた、下方へ延びる第1の部材と、
    前記第1の部材を挿通して前記タンクカバー外へ突出させるための、前記タンクカバーの底部に形成された貫通孔と、
    前記第1の部材の前記タンクカバー外へ突出した部分が、前記便器に予め形成された取付孔に挿通されて前記便器の裏側に突出したとき、前記タンクカバーが前記便器に対し固定されるように、前記第1の部材の前記便器裏側に突出した部分と結合するための第2の部材と
    を有し、
    前記仮止め手段が、前記内側タンクが前記タンクカバーに仮固定されるように、前記第1の部材の前記タンクカバー外へ突出した部分と結合するためのスナップリングであり、
    前記第1の部材が、前記タンクカバー外へ突出した部分の前記タンクカバーの底部外表面近傍の位置に、スナップリングを嵌着するための切欠を有する、
    便器洗浄タンク装置。
  2. 前記スナップリングが、前記タンクカバーを前記便器に固定したときに前記タンクカバーと前記便器との間にできる隙間内に収容され得るサイズを有する請求項記載の便器洗浄タンク装置。
  3. 前記スナップリングがその内周面から突出したピンを有し、
    前記第1の部材が、前記ピンを挿入するための止め孔をさらに有する請求項記載の便器洗浄タンク装置。
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