JP3570017B2 - 通信端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声認識機能を備えたファクシミリ装置等の通信端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばファクシミリ装置において、不正使用防止のためのセキュリティや使用管理等のために、ユーザー識別機能を有するものがある。この識別の媒体には、一般的にはキー入力パスワードやIDカードが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、通常パスワードの文字数は4〜8桁と少ないため、誤ってキー入力されたパスワードが設定されているパスワードと偶然に一致する場合があり、セキュリティ機能や管理機能として万全ではない。
【0004】
またIDカードは、ユーザーが携帯する必要があって、不便であるとともに、盗難により他者に不正使用されるおそれがある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、セキュリティ機能や管理機能の向上と、不便さの解消とを達成しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の通信端末装置の発明では、音声データを登録するための登録手段と、登録された音声データに対応して特定の機能を実行するための機能データを記憶する記憶手段と、音声を入力するための入力手段と、入力された音声データと登録された音声データとの音声的な特徴を照合する照合手段と、前記照合手段による照合が成立した場合、その音声データに対応する前記機能データを抽出してその機能を実行し、前記照合手段による照合が不成立の場合、前記登録手段によって音声データの登録を行うように制御するための制御手段とを備えたものである。
【0006】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の通信端末装置において、音声入力手段はマイクからの直接入力モードと電話回線からの遠隔入力モードとに切替可能である。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の通信端末装置において、ユーザーの操作に対応する内容の音声を出力するための出力手段を備えたものである。
【0008】
従って、請求項1〜3に記載の発明は次のような作用を奏する。請求項1に記載の通信端末装置においては、ユーザーの特定が音声の識別によって行われるため、キー入力が不用で、誤操作のおそれがなく、IDカードのようにユーザーが常に携帯する必要がない。
【0009】
請求項2に記載の通信端末装置においては、音声による入力は、マイク或いは電話回線のいずれか一方により行われる。
請求項3に記載の通信端末装置においては、ユーザーに対して操作方法等が音声によって告知される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をファクシミリ装置に具体化した実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1に、ファクシミリ装置の回路構成を示す。照合手段及び制御手段としてのCPU(中央処理装置)1には、装置全体の動作を制御するためのプログラム等を記憶したROM(リードオンリメモリ)2及び各種情報を一時的に記憶する記憶手段としてのRAM(ランダムアクセスメモリ)3が接続されている。
【0011】
入力側アナログマルチプレクサ4は、電話回線5及びマイク6に接続されており、電話回線5による遠隔音声入力とマイク6による直接音声入力とを択一的に選択するために切換えられる。なお、この入力側アナログマルチプレクサ4は、通常は電話回線5側に切換えられて、電話回線5とアナログ前処理部7とを接続している。
【0012】
アナログ前処理部7は、前記入力側アナログマルチプレクサ4を介して入力された音声信号に含まれる雑音を除去するフィルタや、音声信号の電力利得の増幅を行う電力増幅器等を含む。
【0013】
音声認識処理部9は、後述の音声登録モードににおいて、電話回線5からの音声入力信号、或いはマイク6からの音声入力信号にディジタル信号処理を施して、登録音声データ記憶部10に記憶する。また、音声認識モードにおいては、入力された音声信号を音声登録データと照合し、その結果をCPU1(後述)に知らせる。図4に示すように登録音声データ記憶部10はユーザー毎の記憶領域10aを有し、各記憶領域10aには音声認識処理部9において、ディジタル信号処理された各ユーザー毎の登録音声データが記憶される。音声録音部8は、アナログ前処理部7を介して入力された音声メール等の音声信号を録音のために符号化するためのものである。図5に示すように、RAM3の一部には、前記登録音声データ記憶部10の各ユーザー毎の音声データ記憶領域10aに対応して、電話番号のデータ、ファックスメールのデータ、音声メールのデータを記憶するための領域3aを有している。
【0014】
CPU1は、後述の音声認識モードにおいて入力された音声データを、前記登録音声データ記憶部10の各領域10aに記憶された登録音声データと照合させ、入力音声データと登録音声データ記憶部10の領域10aに記憶された登録音声データとの照合が成立した場合には、CPU1はRAM3に記憶された各ユーザー毎の機能を実行するようにファクシミリ装置制御部11を制御する。
【0015】
スピーカー12は、ファクシミリ装置をその面前にて利用するユーザーに音声を出力するためのものである。
出力側アナログマルチプレクサ13は、モデム14、合成音声出力部15及び音声再生部16に接続されており、その三者のいずれかが択一的に電話回線5と接続されるように制御する。モデム14は、アナログ前処理部7にも接続され、送受信データの変復調を行う。
【0016】
合成音声出力部15は、複数種類の告知内容を示す音声データを予め記憶している。この合成音声出力部15に予め記憶されている音声としては、例えば、パスワードの入力を促す音声として「パスワードを音声にて入力して下さい。」や、電話回線5を介した相手側に、通常モード、音声登録モード、音声認識モードのいずれのモードを選択するかの意向を尋ねるために、「音声データを登録される場合には#1キーを、音声認識を行われる場合には#2キーをプッシュボタンにて入力して下さい。」などがある。そして、合成音声出力部15から出力された音声データは、スピーカー12或いは出力側アナログマルチプレクサ13に出力される。
【0017】
音声再生部16は、RAM3の音声メール記憶部に記憶されている符号化された音声データの復号化処理を行い、その復号化された音声データをスピーカー12或いは出力側アナログマルチプレクサ13に出力する。
【0018】
表示部17には、通常モード、音声登録モード或いは音声認識モード等を示す表示がなされるようになっており、通常は「通常モード」と表示されている。また、操作部18には音声登録モードを設定するための音声登録キー、音声認識モードを設定するための音声認識キー、或いはダイヤルキー等の各種の各種キー19が配設されている。
【0019】
次に、前記のように構成されたファクシミリ装置について動作を説明する。
まず、特定のサービスあるいは機能を利用することができるユーザーを登録するための音声登録モードを図2に示すフローチャートに従って説明する。
【0020】
まず、通常状態では入力側アナログマルチプレクサ4が電話回線5側に接続されている。操作部18の音声登録キーがオン操作されると、入力側アナログマルチプレクサ4の切換えが行われ、アナログ前処理部7とマイク6とが接続される(ステップS1〜S2)。そして、ファクシミリ装置は音声登録モードに移行し、表示部17には「音声登録モード」の表示がなされる(ステップS3)。また、音声登録キーがオン操作されず、電話回線5による着信があった場合には、出力側アナログマルチプレクサ13により、電話回線5と合成音声出力部15との回線が閉結された後に、合成音声出力部15に予め記憶されている「通常の通信を行われる場合には#0キーを、音声データを登録される場合には#1キーを、音声認識を行われる場合には#2キーをプッシュボタンにて入力して下さい。」という音声が出力される(ステップS4〜S5)。そして、「#1キー」がプッシュボタンにて入力された場合、CPU1は音声登録モードであると判断し、ファクシミリ装置は音声登録モードに移行し、表示部17には「音声登録モード」の表示がなされる(ステップS6)。
【0021】
さらに、合成音声出力部15に記憶された音声データに基づき、ユーザーに対してパスワードの入力を促す合成音声が電話回線5或いはスピーカー12を介して出力される(ステップS7)。この合成音声、例えば、「パスワードを音声にて入力して下さい。」に従って、パスワードを電話回線5或いはマイク6を介して音声入力することにより、その音声は音声認識処理部9においてディジタル信号処理が施された後、図4に示すように各ユーザー毎の登録音声データが登録音声データ記憶部10の各領域10aに記憶され、音声登録が完了する(ステップS8〜S10)。この場合、登録されるパスワードの音声データは、音声の波形、周波数、声紋等をディジタル化したものである。従って、登録された音声データは、個人識別機能を発揮する。また、前記ステップS6において、#1キーがオン操作されなかった場合には、音声登録処理以外の処理として、通常の通信或いは音声認識処理のいずれか一方の処理が行われた後、回線は開放される(ステップS11)。
【0022】
そして、パスワードの登録後は、図5に示すようにRAM3内において各ユーザー毎の領域3aが割当てられ、その領域3aごとにパスワードに対応した機能やサービス内容のデータを設定することができる。この機能やサービスとしては、例えば、パスワードに対応する電話番号のデータを設定すること等が挙げられる。従って、パスワードの入力により特定の電話番号に対応する送信等が可能になる。
【0023】
次に、音声認識モードを図3に示すフローチャートに従って説明する。
まず、操作部18の音声認識キーのオン、あるいは着信信号が待たれる。操作部18の音声認識キーがオンされると、CPU1は入力側マルチプレクサ4の切換えを行い、アナログ前処理部7とマイク6との回線が閉結される(ステップS21〜S22)。そして、ファクシミリ装置は音声認識モードに移行し、表示部17には「音声認識モード」の表示がなされる(ステップS23)。また、図2のステップS4〜S6と同様に電話回線による着信があった後、合成音声出力部15の音声に従って「#2キー」がプッシュボタンにて入力された場合、CPU1は「音声認識モード」であると判断し、ファクシミリ装置は音声認識モードに移行し、表示部17には「音声認識モード」の表示がなされる(ステップS24〜S26)。
【0024】
そして、合成音声出力部15に記憶された音声データに基づき、ユーザーに対してパスワードの入力を促す合成音声が出力される(ステップS27)。この合成音声は、音声登録モード時と同様に、例えば、「パスワードを音声にて入力して下さい。」というものであり、ユーザーは、この合成音声に従って、自己のパスワードを電話回線5或いはマイク6を介して入力することにより、その入力された音声は音声認識処理部9においてディジタル信号処理が施された後、図4に示す各ユーザー毎の登録音声データ10aと照合される(ステップS28〜S30)。
【0025】
入力されたデータと登録音声データとの照合が成立した場合には、CPU1はユーザーを登録ユーザーであると識別した後、ユーザーにはRAM3に記憶された各ユーザー毎の特定の機能と管理機能とが実行される(ステップS31〜S32)。この特定機能としては、領域3aの電話番号記憶部に記憶された電話番号の読出し及びそれに続く同番号のダイヤル発信、領域3aのファックスメール記憶部に対する送信データの記憶及びファックスメール記憶部に記憶されたデータの出力、領域3aの音声メール記憶部に対する音声メールデータの記憶及び音声メールデータに記憶された音声メールデータの音声出力などが挙げられる。従って、領域3aの電話番号データ記憶部は電子電話帳として機能する。また、ファックスメール記憶部及び音声メール記憶部はパスワードの照合の成立による特定ユーザーのみが利用し得る親展メール機能のために作用する。
【0026】
また、管理機能としては、ユーザー毎の課金データの蓄積、集計、利用時間の記録集計等がある。更に、他の機能の実行がある場合には(ステップS33)、ユーザーはその実行サービスを受けた後、音声認識に関するプログラムが終了する(ステップS34)。他の機能としては、ユーザーを特定しない通常のファクシミリ送信や、コピー等がある。
【0027】
さらに、ステップS30において、入力されたデータと登録音声データとが一致しない場合には、合成音声出力部15からマイク6あるいは電話回線5を介して、例えば、「照合の結果、音声登録データの中に、入力された音声と一致するものがありませんでした。」という内容の合成音声が発せられる。さらに、ステップS21で認識キーがオンされた場合には、すなわちファクシミリ装置を面前で利用するユーザーに対しては、「音声登録を行われる場合には、操作部の音声登録キーを押して下さい。」という合成音声が発せられ、ステップS24で着信が行われた場合には、すなわち電話回線5を利用しているユーザーに対しては、「音声登録を行われる場合には、#1キーをプッシュボタンにて入力して下さい。」という合成音声が発せられる(ステップS35)。そして、所定時間内に登録キーがオン操作された場合、或いは#1キーがプッシュボタンにて入力された場合には、図2に示すようにステップS3へ移行される(ステップS36〜S38)。所定の時間内に上記の操作が行われない場合には、ユーザーを特定しないサービスが提供された(ステップS34)後、処理が終了する。
【0028】
また、前記ステップS26において、#2キーがオン操作されなかった場合には、音声認識処理以外の処理として、通常の通信或いは音声登録処理のいずれか一方の処理が行われた後、回線は開放される(ステップS39)。
【0029】
この実施の形態のファクシミリ装置は以上のように動作するので、以下のような利点がある。
▲1▼パスワードがキー入力される場合と異なり、パスワードが誤入力されることがほとんどない。従って、誤入力されたパスワードと登録されているパスワードとが偶然一致することがほとんどない。このため、セキュリティ機能や管理機能を有効に発揮できる。
【0030】
▲2▼IDカードを携帯するような不便や、カード盗難にともなう不正使用のおそれがない。
▲3▼利用に際しては、音声入力するだけであるから、その操作が簡単である。
【0031】
▲4▼音声認識のための音声入力に際しては、マイク入力モードと電話回線入力モードとに自動的に切換るため、装置の面前であっても、或いは遠隔地であっても、装置の操作を容易に行うことができる。
【0032】
▲5▼合成音声により、入力を促したりする告知が行われるため、装置操作が容易で、誤りが少ない。
なお、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0033】
(1) ユーザーの音声登録時において、音声を2通り以上登録できるようにすること。これにより認識時にユーザーはいずれの音声を入力しても、CPUは本人であることを特定することができ、例えばユーザーがどちらか一方のパスワードを忘れた場合でも、覚えているパスワードを入力することでユーザーは特定のサービスを受けることができる。
【0034】
(2) この発明をファクシミリ装置以外の通信端末装置、例えばキャッシュディスペンサに具体化すること。
(3) 入力音声データと登録音声データの照合成立しない場合、再度音声入力を行って照合を行い得るようにすること。
【0035】
すなわち、音声を登録している者であっても、のどの変調等によって音声登録者でないと判断される場合がある。しかしながら、このように構成すれば、そのような誤判断を防止できる。
【0036】
上記実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0037】
(1) 機能データは個別電話番号データを含む請求項1から3に記載の通信端末装置。
【0038】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、音声によりユーザーを認識できるため、キーの誤操作とは無縁であって、セキュリティ機能及び使用管理機能を有効に発揮できるとともに、IDカードの使用にともなう不便さや盗難による不正使用のおそれを防止できる。
【0039】
請求項2に記載の発明によれば、音声登録データとの照合のための音声入力をマイクによる装置の面前でも、電話回線による遠隔操作でも、容易に行うことができる。
【0040】
請求項3に記載の発明によれば、装置の操作を対話形式で容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のファクシミリ装置の実施の一形態を示す概略構成図。
【図2】音声登録時の動作を示すフローチャート。
【図3】音声認識時の動作を示すフローチャート。
【図4】登録音声データ記憶部を示す概略構成図。
【図5】ユーザー毎のデータを記憶するRAM3を示す概略構成図。
【符号の説明】1…制御手段構成するCPU、5…音声入力手段としての電話回線、6…音声入力手段としてのマイク、9…照合手段としての音声認識処理部、10…音声登録手段としての登録音声データ記憶部、15…音声出力手段としての合成音声出力部。
Claims (3)
- 音声データを登録するための登録手段と、登録された音声データに対応して特定の機能を実行するための機能データを記憶する記憶手段と、音声を入力するための入力手段と、入力された音声データと登録された音声データとの音声的な特徴を照合する照合手段と、前記照合手段による照合が成立した場合、その音声データに対応する前記機能データを抽出してその機能を実行し、前記照合手段による照合が不成立の場合、前記登録手段によって音声データの登録を行うように制御するための制御手段とを備えた通信端末装置。
- 音声入力手段はマイクからの直接入力モードと電話回線からの遠隔入力モードとに切替可能である請求項1に記載の通信端末装置。
- ユーザーの操作に対応する内容の音声を出力するための出力手段を備えた請求項1または2に記載の通信端末装置。
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