JP3569986B2 - ゴム製チューブ体および該チューブ体の製造方法 - Google Patents

ゴム製チューブ体および該チューブ体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用ワイヤハーネスのグロメットからなるゴム製チューブ体および該ゴム製チューブ体の製造方法に関し、特に、成形後のチューブ体より成形時に用いる中芯を抜き取りやすくするものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の車室内と車室外とを仕切る隔壁の貫通穴に貫通されているワイヤハーネスには、防水及び保護のためのゴム製のグロメットが設けられている。
上記グロメットは、図3に示すように、ワイヤハーネスを密着させて挿通するチューブ状の電線挿通部1aの一端および他端近傍に、車体隔壁に取り付けるための大径とした車体取付部1b、1bを一体に成形している。
上記車体取付部1bは、図示のように、チューブ状の電線挿通部1aの外周より大径に突設したフランジ状としているが、電線挿通部1aの両端より円錐形状に突設する場合もある。
また、電線挿通部1aの一端側にのみ車体取付部1bを成形する場合も多い。
【0003】
上記チューブ状の電線挿通部1aの中間部には、ベローズ(蛇腹)部1c,…,1cを設け、ベローズ部1cと車体取付部1bとの間は、ワイヤハーネスの外周面に密着する内周面1dを有するストレート部1eとして成形されている。
【0004】
上記グロメット1は、図4に示すように、上型2と下型3と中芯4とからなる成形金型を用いて成形されている。
即ち、図5(A)に示すように、下型3のキャビティ3aに中芯4を入れて上型2を閉じ、上下型2,3のキャビティ2a,3aでグロメット1の外周面1fを成形すると同時に、中芯4の外周面4aでグロメット1の内周面1dを成形するようになっている。
成形後に上型2を開き、図5(B)に示すように、中芯4とともにグロメット1を下型3から取り出して、グロメット1から中芯4を矢印A方向に抜き取るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記グロメット1のストレート部1eの内周面1dを成形する中芯4の外周面4aは、通常は平滑な鏡面仕上げであるから、ストレート部1eの内周面1dが中芯4の外周面4aに密着して摩擦抵抗が大きくなり、抜き取ることが非常に困難である。
【0006】
このため、図6に示すように、エアーガン5で中芯4の外周面4aとグロメット1の内周面1dとの間にエアーを入れて、エアーで離型させながら中芯4を抜き取る作業が必要となり、グロメット1の成形サイクルが長くなって、成形加工費が高くなり、グロメット1の単価が高くなるという問題がある。
また、エアーガン5でエアーを入れると、グロメット1のベローズ部1cが膨張して破れ、グロメット1の不良率が高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は上記従来の問題を解消するためになされたもので、成形後の中芯を抜き取りやすくして、成形サイクルの短縮及び不良率の低下を図ることができるゴム製チューブ体および該チューブ体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、中芯が配置された上下型で成形され、成形時に中芯で内周面が成形されるゴム製のチューブ体であって、
上記チューブ体はワイヤハーネス挿通用のグロメットであって、その長さ方向の端部にフランジ状あるいは円錐状に突出させた大径の車体取付部を備えていると共に長さ方向の中間部に蛇腹部を備え、該蛇腹部と上記車体取付部との間にそれぞれ上記ワイヤハーネスに密着させる小径のストレート部を備え、
上記ストレート部の内周面に軸方向に所定間隔を隔てて環状凸部を備え、該環状凸部は上記中芯の引抜時に、該中芯外周面と成形されるチューブ体との間に隙間を発生させて中芯の引き抜きを容易とするものであることを特徴とするゴム製チューブ体を提供するものである。
尚、エラストマーなどの軟質合成樹脂から成形するチューブ体にも適用できることは言うまでもない。
【0010】
さらに、本発明は、一対の金型のキャビティ内部に中芯を軸架し、該キャビティ内部に溶融ゴムを充填して、長さ方向の端部にフランジ状あるいは円錐状に突出させた大径の車体取付部を備えていると共に長さ方向の中間部に蛇腹部を備え、該蛇腹部と上記車体取付部との間にそれぞれ上記ワイヤハーネスに密着させる小径のストレート部を備えているワイヤハーネス押通用のグロメットからなるゴム製チューブ体を製造する方法であって、
上記ストレート部に当たる上記中芯の外周面に環状凹部を形成しておき、該中芯の外周面に成形される上記ストレート部の内周面に対応して環状凸部を成形し、
上記一対の金型より離型した後に上記中芯を引き抜くと、上記環状凸部が環状凹部より離反されて中芯の外周面に乗り上げ、チューブ体の内周面と中芯の外周面との間に隙間が生じて、中芯を抜き取りやすくしているゴム製チューブ体の製造方法を提供するものである。
【0011】
【作用】
上記本発明のゴム製チューブ体では、そのストレート部の内周面に、環状凸部が形成されているため、中芯を抜き取る際、一度力を入れて引っ張って中芯の外周面と上記環状凸部が一端外れると、該環状凸部により中芯外周面との間に隙間が発生し、よって、その後、摩擦抵抗が小さくなって、中芯が抜き取りやすくなる。
これにより、従来のようなエアーによる離型作業が不要になるので、成形サイクルが短縮して、成形加工費が安くなり、グロメットの単価が安くなる。
また、エアーによるグロメットの破れもないので、グロメットの不良率が低くなる。
【0012】
また、本発明のゴム製チューブ体の製造方法によれば、外周面に環状凹部を有する中芯を用いるため、該中芯の外周面に成形されるチューブ体の内周面には環状凸部が成形され、この中芯外周面とチューブ体内周面の凹凸嵌合部の発生により、中芯を引く抜く時、上記したように、一端凹凸嵌合部が外れると、後は容易に中芯を引き抜けるようになる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。
図1(A)〜(D)は第1実施例のグロメット5Aである。
図1(A)に示すように、ゴム製の円筒チューブ状グロメット5Aは、チューブ部5aの一端部と、他端近傍に、自動車の車室内と車室外とを仕切る隔壁等に取り付けるためのフランジ部5b,5bを設けている。
また、上記チューブ部5aの中間部には、軸方向に一定のピッチで外方に膨出するベローズ部5c,…,5cを設けている。
【0014】
該ベローズ部5cとフランジ部5bとの間には、ワイヤハーネス(図示せず)の外周面に密着する内周面5dを有するストレート部5e,5eを設けている。
【0015】
上記グロメット5Aは、図4及び図5(A)に示した従来と同様の上型2と下型3、及び図1(B)に示す中芯6Aを用いて成形される。
【0016】
上記中芯6Aは、基本的には従来の中芯4と同形状であるが、上記グロメット5Aのストレート部5e,5eの各内周面5dを成形する各外周面6aには、軸方向に所定の間隔を隔てて、断面半円状の環状凹部6b,…,6bが複数個ずつ形成されている。
【0017】
上記上下型2,3及び中芯6Aを用いてグロメット5Aを成形すると、従来と同様に、上下型2,3の各成形凹部2a,3aでグロメット5Aの外周面5fが成形されると同時に、中芯6Aの外周面6aでグロメット5Aの内周面5dが成形される。
このとき、中芯6Aの各環状凹部6bにより、グロメット5Aのストレート部5e,5eの各内周面5dには、断面半円状の環状凸部5g,5gが同時に成形されるようになる。
【0018】
そして、成形後に上型2を開き、図1(C)に示すように、中芯6Aとともにグロメット5Aを下型3から取り出して、図1(D)に示すように、グロメット5Aから中芯6Aを矢印A方向に抜き取るとき、抜き取りの初期には、ストレート部5eの内周面5dが中芯6Aの内周面6aに密着しているので、多少の力を加える必要がある。
しかし、グロメット5Aの内周面5dの環状凸部5gが中芯6Aの環状凹部6bから抜け外れて外周面6aに乗り上げると、グロメット5Aの内周面5dが中芯6Aの外周面6aとに隙間が発生し、密着する面積が大幅に減少して摩擦抵抗も大幅に小さくなり、その後は中芯6Aを軽い力で抜き取れるようになる。
【0019】
したがって、従来のようなエアーによる離型作業が不要になるから、グロメット5Aの成形サイクルが短縮し、成形加工費が安くなるので、グロメット5Aの単価が安くなる。
また、従来のように、エアーでグロメット5Aのベローズ部5cが破れるおそれもないので、グロメット5Aの不良率も低くなる。
【0020】
上記第1実施例では、中芯6Aの外周面6aに環状の凹部6bを形成したが、螺旋状の凹部を形成してもよい。
この場合には、グロメット5Aのストレート部5eの内周面5dには、螺旋状の凸部が成形されることになる。
【0021】
上記中芯6Aの外周面6aに環状若しくは螺旋状の凹部6bを形成すると、従来(既存)の中芯4に凹部6bを追加加工するだけで中芯6Aとなるから、中芯6Aの製造コストが安くなる。
【0022】
また、上記中芯6Aの外周面6aに環状若しくは螺旋状の凸部を形成することもできる。
この場合には、グロメット5Aのストレート部5eの内周面5dには、環状若しくは螺旋状の凹部が成形されることになる。
【0023】
図2(A)〜(E)は参考実施例のグロメット5Bである。
図2(A)に示すように、上記グロメット5Bは、図4及び図5に示した従来と同様に、上下型2,3及び中芯6Bを用いて成形される。
【0024】
上記中芯6Bは、基本的には従来の中芯4と同形状であるが、上記グロメット5Bの内周面5dを成形する外周面6aの全面には、薬品によるジボ加工若しくはショットブラストによるナシジ加工等により、図2(C)に詳細に示すように、直径が1mm以下の細かいくぼみ状(若しくは突起状)の凹部(若しくは凸部)6cを均一に形成している。
【0025】
そして、第1実施例と同様に、上下型2,3及び中芯6Bを用いてグロメット5Bを成形すると、中芯6Bのくぼみ状凹部6cにより、グロメット5Bの内周面5dの全面には、図2(B)に詳細に示すように、細かい突起状凸部5hが同時に成形されるようになる。
【0026】
その後、第1実施例と同様に、グロメット5Bから中芯6Bを矢印A方向に抜き取るとき、抜き取りの初期には、ストレート部5eの内周面5dが中芯6Bの内周面6aに密着しているので、多少の力を加える必要がある。
しかし、グロメット5Bの内周面5dの細かい突起状凸部5hが中芯6Bのくぼみ状凹部6cから抜け外れて外周面6aに乗り上げると、第1実施例と同様に、グロメット5Bの内周面5dが中芯6Bの外周面6aに密着する面積が大幅に減少して摩擦抵抗も大幅に小さくなり、その後は中芯6Bを軽い力で抜き取れるようになる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のグロメットからなるゴム製チューブ体では、グロメットの内周面に、環状凸部を形成したものであるから、グロメットの内周面が成形用中芯の外周面に密着する面積が減少して摩擦抵抗が小さくなり、中芯が抜き取りやすくなる。
したがって、従来のようなエアーによる離型作業が不要になるので、成形サイクルが短縮して、成形加工費が安くなり、グロメットの単価が安くなる。
また、エアーによるグロメットの膨張破れもないので、グロメットの不良率が低くなる。
【0028】
また、本発明の製造方法では、外周面に環状凹部を有する中芯を用いるだけで、成形後に、中芯を容易に引き抜いてチューブ体を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施例のグロメットの断面図、(B)は中芯の側面図、(C)は中芯で成形したグロメットの断面図、(D)は中芯の抜き取り時のグロメットの断面図である。
【図2】(A)は参考実施例のグロメットの断面図、(B)はグロメットの突起状凸部の拡大断面図、(C)は中芯のくぼみ状凹部の拡大断面図、(D)は中芯の側面図、(E)は中芯の抜き取り時のグロメットの断面図である。
【図3】従来のグロメットの斜視図である。
【図4】従来の成形用金型と中芯の斜視図である。
【図5】成形用金型と中芯で成形中のグロメットの断面図である。
【図6】エアーによる中芯の抜き取り時の斜視図である。
【符号の説明】
5A,5B グロメット
5d 内周面
5g 環状凹部
5h 突起状凸部
6A,6B 中芯
6a 外周面
6b 環状凹部
6c くぼみ状凹部

Claims (2)

  1. 中芯が配置された上下型で成形され、成形時に中芯で内周面が成形されるゴム製のチューブ体であって、
    上記チューブ体はワイヤハーネス挿通用のグロメットであって、その長さ方向の端部にフランジ状あるいは円錐状に突出させた大径の車体取付部を備えていると共に長さ方向の中間部に蛇腹部を備え、該蛇腹部と上記車体取付部との間にそれぞれ上記ワイヤハーネスに密着させる小径のストレート部を備え、
    上記ストレート部の内周面に軸方向に所定間隔を隔てて環状凸部を備え、該環状凸部は上記中芯の引抜時に、該中芯外周面と成形されるチューブ体との間に隙間を発生させて中芯の引き抜きを容易とするものであることを特徴とするゴム製チューブ体。
  2. 一対の金型のキャビティ内部に中芯を軸架し、該キャビティ内部に溶融ゴムを充填して、長さ方向の端部にフランジ状あるいは円錐状に突出させた大径の車体取付部を備えていると共に長さ方向の中間部に蛇腹部を備え、該蛇腹部と上記車体取付部との間にそれぞれ上記ワイヤハーネスに密着させる小径のストレート部を備えているワイヤハーネス挿通用のグロメットからなるゴム製チューブ体を製造する方法であって、
    上記ストレート部に当たる上記中芯の外周面に環状凹部を形成しておき、該中芯の外周面に成形される上記ストレート部の内周面に対応して環状凸部を成形し、
    上記一対の金型より離型した後に上記中芯を引き抜くと、上記環状凸部が環状凹部より離反されて中芯の外周面に乗り上げ、チューブ体の内周面と中芯の外周面との間に隙間が生じて、中芯を抜き取りやすくしているゴム製チューブ体の製造方法。
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