JP3569594B2 - 電流差動保護継電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、保護対象の送電線の2点間の電流データの伝送を効率よく行う電流差動保護継電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は、例えば特開昭59−127526号公報に示された従来の電流差動保護継電装置を示す構成図である。
図において、符号中のA、Bはそれぞれ電気所A、Bに付属するものであり、1A、1Bは母線、2は母線1A、1B間に架設されている送電線、3A、3Bは送電線2を電気
所A、Bから切り離すための遮断器である。
【0003】
4A、4Bは遮断器3A、3Bの母線側に設けられた計器用変流器、5A、5Bは計器用変流器4A、4Bの検出電流値が入力される減算器、6A、6Bは遮断器3A、3Bの反母線側に設けられた計器用変圧器、7A、7Bは計器用変圧器6A、6Bの測定電圧値から充電電流値を算出する充電電流算出回路で、この充電電流算出回路7A、7Bの出力は減算器5A、5Bへ入力される。
【0004】
8A、8Bは各減算器5A、5Bの出力を変調する変調用通信装置、9A、9Bは上記変調された信号を復調する復調用通信装置で、この変調用通信装置8Aと復調用通信装置9B、変調用通信装置8Bと復調用通信装置9Aは相互に通信回路10を介して信号を伝送する。
【0005】
11A、11Bは差動判定部で、減算器5A、5Bの出力と通信装置9A、9Bからの出力とから差動演算及び内部事故判定を行い、内部事故と判定した場合には遮断器3A、3Bの引外し信号を出力する。
なお、 変調用通信装置8A、8Bでは電流情報と共に遮断器3A、3Bの開閉情報も変調され各々相手端へ伝送され、相手側に開閉情報を認識させることができる。
【0006】
図16は、電流データを説明する図で、交流電流を所定間隔毎にサンプリングして、電流データとしてのサンプリング値(瞬時値)を各々の電気所A、Bで生成する。通常、サンプリングする時間間隔は電気角30度毎に行われる。
【0007】
図17は、伝送データの構成図で、I0 、I1 、I2 、・・・は電流データであることを表し、それぞれ1フレームで構成されている。但し、I0 、I1 、I2 、・・・はデータとして伝送するものではなく、説明上で記述したもので、1フレームの伝送内容である。
【0008】
SYはヘッダーで共通情報であり、SD0、SD1、SD2、・・・は電流(瞬時値)データで、後述の図18に示すy1、y2、y3、・・・のサンプリングした電流の瞬時値が入れられる。
【0009】
SD0、SD1、SD2、・・・の電流データは、もともと16ビット程度のデータであるが、1フレーム当たりのビット数などの制限から、通常、12ビット程度のデータにする。
これは、正負記号(±)、小数点などの処理、末尾の数値の切り捨て等で、電流値の数値のビット数は16ビット中、12ビット程度となるためである。
【0010】
F1、F2、F3、・・・はフラグで、T0、T1、T2、・・・は時刻(タイミング)で、CH0、CH2、CH3、・・・はチェックコードである。
【0011】
図18は、交流電流波形のサンプリング状態を示す図で、交流電流波形を電気角30度の時間間隔毎に、y0、y2、y3、・・・とサンプリングして求めた瞬時値であり、上述の図17のSD0、SD1、SD2、・・・の電流データとなる。
【0012】
次に動作について説明する。
(1)電気所Aの計器用変圧器6Aは、送電線電圧値に応じた2次電圧値VAMを出力する。
(2)この2次電圧値VAMは充電電流算出回路7Aにより送電線2の線間充電電流および対地充電電流の和である充電電流値IAMが算出され減算器5Aに与えられる。
【0013】
(3)計器用変流器4Aは送電線2を流れる電流に応じた2次電流値IA を出力し、この2次電流値IA は減算器5Aに与えられる。
(4)減算器5Aは2次電流値IA から充電電流値IAMを減算し、その結果に応じた充電補償電流値IATを出力する。
【0014】
(5)この充電補償電流値IATは差動判定部11Aおよび変調用通信装置8Aへ与えられる。
(6)変調用通信装置8Aに与えられた充電補償電流値IATは、図17に示す伝送データとし、変調され通信回線10を経て電気所Bの復調用通信装置9Bに送られる。
【0015】
(7)このような動作は電気所Bでも同様に行われており、計器用変流器4Bの2次電流値IB から計器用変圧器6Bの2次電圧VBMに応じて算出された充電電流値IBMを減算した充電補償電流値IBTが電気所Aの復調用通信装置9Aへ送信される。
【0016】
(8)電気所Bの変調用通信装置8Bから電気所Aの復調用通信装置9Aへ送信された電気信号は充電補償電流値IBTに復調され、差動判定部11Aに入力される。
(9)差動判定部11Aは入力された充電補償電流値IATとIBTとに対して差動演算を行い、その演算結果を予め定められた設定値と比較することにより系統故障の判定を行い、保護区間内に故障ありと判定した場合には、遮断器3Aの引外し信号を出力し、遮断器3Aは送電線2の故障除去を行う。
【0017】
以上、電気所Aの装置での応動を述べたが、Bでの動作も同様である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電流差動保護継電装置は以上のように構成されており、各端子間の従来伝送速度においては、各端子は3相各相分の電流の瞬時値データを12ビット程度の伝送データしか伝送できない場合があり、この場合、ビット数の不足から十分な精度が得られないという問題点があった。
例えば、前述のように、伝送データのSD0、SD1、SD2、・・・に16ビットが割り当てられても、正負(±)の符号や小数点などの処理、末尾のビットの切り捨てなどの処理で12ビット程度しか数値として伝送できない。
【0019】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、より精度のよい伝送を行い、また、高速な伝送、大量データの伝送を可能とする電流差動保護継電装置を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明に係る電流差動保護継電装置は、送電線の2点で各々流れる送電電流を検出し、その送電電流の比較に応じて送電系統の異常を検出する電流差動保護継電装置において、
上記2点の内一方の点における送電電流の瞬時値の時系列変化量を順次他方の点側に伝送すると共に、他方の点側から瞬時値の伝送要求があると一方の点の送電電流の瞬時値を他方の点側に伝送する手段と、伝送された上記瞬時値と上記時系列変化量から瞬時値を復元する手段と、この復元した瞬時値と、他方の点における送電電流の瞬時値との比較に応じて送電系統の異常を検出する手段とを備えたものである。
【0021】
(2)また、送電線の2点で各々流れる送電電流を検出し、その送電電流の比較に応じて送電系統の異常を検出する電流差動保護継電装置において、
上記2点の内一方の点における送電電流の瞬時値の時系列変化量を順次他方の点側に伝送
すると共に、上記他方の点側から基準値の伝送要求があると一方の点側から他方の点側へ電流基準値を伝送する手段と、伝送された上記電流基準値と上記時系列変化量から瞬時値を復元する手段と、この復元した瞬時値と、他方の点における送電電流の瞬時値との比較に応じて送電系統の異常を検出する手段とを備えたものである。
【0022】
(3)また、上記(1)〜(2)のいずれか1項において、送電電流の瞬時値は、保護対象の送電系統の充電電流を補正した瞬時値としたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
参考例1.
図1は、この発明の基礎となる技術を示す参考例1としての電流差動保護継電装置の構成図で、図において、符号中のA、Bはそれぞれ電気所A、Bに付属するもので、1A、1Bは母線、2は母線1A、1B間に架設されている送電線、3A、3Bは送電線2を電気所A、Bから切り離すための遮断器、4A、4Bは遮断器3A、3Bの母線側に設けられている計器用変流器である。
【0024】
5A、5Bは計器用変流器4A、4Bの検出電流値が入力される減算器、6A、6Bは遮断器3A、3Bの反母線側に設けられた計器用変圧器、7A、7Bは計器用変圧器6A、6Bの測定電圧値から充電電流値を算出する充電電流算出回路で、この充電電流算出回路7A、7Bの出力は減算器5A、5Bへ入力される。
【0025】
17A、17Bは偏差算出回路で、各減算器5A、5Bの出力から、図2に示すように、電流波形のサンプリング値の偏差(電流変化量)dyをサンプリングする毎に順次求める。これは図3に示すように電気所A、Bでそれぞれ偏差(変化量)を求める。
【0026】
8A、8Bは各偏差算出回路17A、17Bの出力を変調する変調用通信装置で、図4に示す伝送データを変調し、通信回線10を介して送信する。
なお、この図4の伝送データで、従来の図17と異なる所は、SD0、SD1、SD2、・・・のデータの内容であり、SD0では、瞬時値y0を伝送データとしているが、その後は電流の瞬時値でなく、瞬時値の偏差dy1、dy2、dy3、・・・を伝送するようにしている。
【0027】
即ち、図5に示すように、dyn=yn−yn−1を演算しその偏差(変化量)を伝送データとする。
図4で、瞬時値を伝送データとするタイミングは、例えば、1サイクル毎の時間間隔で行われる。
【0028】
9A、9Bは上記変調された信号を受信し復調する復調用通信装置である。
18A、18Bは、復調用通信装置9A、9Bの出力である電流の変化量から電流瞬時値を算出する瞬時値算出回路である。
【0029】
11A、11Bは上記減算器5A、5Bの出力と、瞬時値算出回路18A、18Bからの出力の差動演算及び内部事故判定を行い、内部事故と判定した場合には遮断器3A、3Bの引外し信号を出力する差動判定部である。
なお、変調用通信装置8A、8Bでは電流情報と共に遮断器3A、3Bの開閉情報も変調され各々相手端へ伝送され、相手側に開閉情報を認識させることができる。
【0030】
以上の構成を有する装置において、動作を図6、図7のフローチャートと共に説明する。
図6は送信側のフローチャートである。
【0031】
(1)各計器用変流器4A、4Bの検出電流値から各充電電流算出回路7A、7Bの補償電流を差し引いた各減算器5A、5Bからの出力が、各偏差算出回路17A、17Bに入力される。この出力は図2のy1、y2、・・・である。
【0032】
(2)各偏差算出回路17A、17Bは、伝送異常状態のときまたは一定周期毎等の所定時期のタイミングか否かを判断し(S1)、
(3)伝送異常状態のときまたは一定周期毎のタイミングであれば、瞬時値フラグONとする(S2)。
【0033】
一定周期とは、例えば、1サイクルの波形毎または分単位の時間間隔などとし、また、伝送異常状態とは、相手側から伝送がない場合、データの内容がおかしい場合(異常に大きい時、小さい時など)、自己診断の結果不良の場合などである。また、瞬時値を送出するタイミングは、一定周期や伝送異常状態以外にその他の条件を設定してもよい。
【0034】
(4)瞬時値フラグがONであると、図4で示した電流データSD0(y0)のように瞬時値を送信データとし(S3)、
(5)各変調用通信装置8A、8Bで変調して、送信する(S4)。
【0035】
(6)一方、ステップS1で「NO」の場合、送信データとして、
変化量=今回瞬時値−前回瞬時値の演算を行う(S5)。
即ち、図4、図5に示すように、SD1、SD2、・・・の電流データは、例えば、前回入力y0と今回入力y1との偏差dy1を変化量として、各変調用通信装置8A、8Bへ出力する。
【0036】
(7)各変調用通信装置8A、8Bは各偏差算出回路17A、17Bからの入力を変調し、通信回路10を介して各復調用通信装置9B、9Aに信号を出力する。
【0037】
図7は受信側のフローチャートである。
(1)各復調用通信装置9A、9Bは、入力された変調信号を復調する。
(2)各瞬時値フラグ検出部12A、12Bは、復調された信号の瞬時値フラグがONか否かを判断する(S11)。
【0038】
(3)各瞬時値算出回路18A、18Bは、瞬時値フラグONであれば、今回受信データ(瞬時値)をそのまま出力する(S12)。
(4)瞬時値フラグONでなければ、前回出力データ(瞬時値)に今回受信データ(変化量)を加えたものが、今回の瞬時値となり出力される。
【0039】
(5)各差動判定部11A、11Bは、各減算器5A、5Bからのデータ(瞬時値)と、各瞬時値算出回路18A、18Bからのデータ(瞬時値)とに対して差動演算を行い、その演算結果を予め定められた設定値と比較することにより系統故障の判定を行い、保護区間内に故障ありと判定した場合には、各遮断器3A、3Bの引外し信号を出力し、各遮断器3A、3Bは送電線2の故障除去を行う。
【0040】
このように、常時は瞬時値の変化量を伝送し、定周期や伝送異常時等に瞬時値を瞬時値フラグと共に送信することで、受信データを初期化する。これにより、電流値の再現失敗(再現波形がおかしいとき)を減らし、また、再現失敗したデータを初期化することでデータの健全性を保つことができる。
【0041】
以上のように、偏差(変化量)を伝送することにより、精度の良いデータが伝送できる。
例えば、図2からも分かるように、100Vのピーク値の交流波形である場合、その偏差である変化量は100Vの1/2以下となるので、有効数字が大きくなり精度が向上するので電流差動保護継電装置の異常電流の判定が正確になる。
この変化量の伝送は一種のデータ圧縮による伝送である。
【0042】
また、このデータ圧縮で、精度を一定にすると、ビット数を削減できるので伝送速度の向上になり、これはまた大量のデータ伝送が可能となる。
【0043】
また、既存の伝送フォーマットの変更が著しく小規模で実現可能である。
【0044】
参考例2.
参考例1では、伝送データの圧縮を図り、大量のデータ送信を可能とする手段について述べたが、この参考例2でも同じ伝送データの圧縮を図り、「瞬時値フラグ」の代わりに「基準値フラグ」を設け、基準値に基づいて変化量から瞬時値を再現するようにしたものである。
【0045】
以下、この発明の基礎となる技術を示す参考例2について、図8〜図10に基づいて説明する。
図8は構成図であり、図9は送信側のフローチャート、図10は受信側のフローチャートである。
【0046】
図8において、13A、13Bは基準値フラグ検出部で、基準値フラグのON、OFFにより基準値が受信されたか否かを判定する。
【0047】
次に動作について図9、図10のフローチャートと共に説明する。
(1)各計器用変流器4A、4Bの検出電流値から充電電流算出回路7A、7Bの補償電流を差し引いた各減算器5A、5Bからの出力が、偏差算出回路17A、17Bに入力される。この出力は図2のy1、y2、・・・である。
【0048】
(2)各偏差算出回路17A、17Bは、伝送異常状態のときまたは一定周期毎のタイミングか否かを判断し(S21)、
(3)伝送異常状態のときまたは一定周期毎のタイミングであれば、基準値フラグONとする(S22)。
【0049】
(4)基準値フラグがONであると、基準値を送信データとし(S23)、
(5)各変調用通信装置8A、8Bで変調して、送信する(S24)。
基準値は例えば100Vなら100V一定とする。
【0050】
(6)一方、ステップS21で「NO」の場合、前回送信データが基準値か否か判定し(S25)、
(7)前回基準値であれば、送信データとして、
送信データ=今回瞬時値−基準値
の演算を行い、各変調用通信装置8A、8Bへ出力する(S26)。
【0051】
(8)各変調用通信装置8A、8Bは各偏差算出回路17A、17Bからの入力を変調し、通信回路10を介して各復調用通信装置9B、9Aへ伝送する(S24)。
【0052】
図10は受信側のフローチャートである。
(1)各復調用通信装置9A、9Bは、入力された変調信号を復調する。
(2)各基準値フラグ検出部13A、13Bは、復調された信号の基準値フラグがONか否かを判断する(S31)。
【0053】
(3)瞬時値算出回路18A、18Bは、基準値フラグONであれば、基準値を今回受信データとするが、出力しない(S32)。
(4)瞬時値フラグONでなければ、基準値に今回受信データ(変化量)を加えたものが、今回の瞬時値となり出力される(S33)。
【0054】
(5)差動判定部11A、11Bは、各減算器5A、5Bからのデータ(瞬時値)と、各瞬時値算出回路18A、18Bからのデータ(瞬時値)とに対して差動演算を行い、その演算結果を予め定められた設定値と比較することにより系統故障の判定を行い、保護区間内に故障ありと判定した場合には、各遮断器3A、3Bの引外し信号を出力し、各遮断器3A、3Bは送電線2の故障除去を行う。
【0055】
このように、常時は瞬時値の変化量を伝送し、定周期や伝送異常時等に基準値を基準値フラグと共に送信することで、受信データを初期化する。これにより、電流値の再現失敗を減らし、また、再現失敗したデータを初期化することでデータの健全性を保つことができる。
【0056】
以上のように、参考例1と同様に偏差(変化量)を伝送するデータ圧縮により、精度の良いデータが伝送できる。
【0057】
また、このデータ圧縮で、精度を一定にすると、参考例1と同様にビット数を削減できるので伝送速度の向上になり、これはまた大量のデータ伝送が可能となる。
【0058】
また、基準値を統一することにより、データ送受信不良の発見率向上が可能である。
【0059】
実施の形態1.
上記参考例1では、送信側から一定周期や伝送異常時等に「瞬時値」を送信したが、この発明の実施の形態1では、相手側(受信側)の瞬時値送信要求により瞬時値を伝送するようにしたものである。
従って、受信側から一定周期や伝送異常時等により瞬時値送信要求に応じて受信データを初期化することができる。
【0060】
以下、この発明の実施の形態1を図11及び図12に基づいて説明する。
図11は構成図で、図12は受信側のフローチャートである。なお、送信側のフローチャートは参考例1の図6のフローチャートとほぼ同一であるので省略する。
【0061】
次に動作について説明する。
(1)受信側から一定周期または伝送異常状態を検出したとき等の場合に、瞬時値送信要求を送信する(S41)。
(2)送信側では、瞬時値送信要求に基づいて瞬時値フラグをONすると共に、瞬時値を送信する。
【0062】
(3)受信側は各復調用通信装置9A、9Bで受信して復調する(S42)。
(4)各瞬時値検出部14A、14Bは、瞬時値フラグがONか否かを判定することにより(S43)、
【0063】
(5)瞬時値フラグONであれば、今回出力データ(瞬時値)を出力する(S44)。
(6)瞬時値フラグONでなければ、各瞬時値算出回路18A、18Bは、前回出力データ(瞬時値)に今回受信データ(変化量)を加算し出力する(S45)。
【0064】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、上述した参考例1と同様の効果を有すると共に、受信側から必要に応じて伝送データを初期化することが可能となる。
【0065】
実施の形態2.
上記参考例2では、送信側から一定周期や伝送異常時等に「基準値」を送信したが、この発明の実施の形態2では、相手側(受信側)の基準値送信要求により基準値を伝送するようにしたものである。
従って、受信側から一定周期や伝送異常時等により基準値送信要求に応じて受信データを初期化することができる。
【0066】
以下、この発明の実施の形態2を図13及び図14に基づいて説明する。
図13は構成図で、図14は受信側のフローチャートである。なお、送信側のフローチャートは参考例2の図9のフローチャートとほぼ同一で有るので省略する。
【0067】
次に動作について説明する。
(1)受信側から一定周期または伝送異常状態を検出したとき等の場合に、基準値送信要求を送信する(S51)。
(2)送信側では、基準値送信要求に基づいて基準値フラグをONすると共に、基準値を送信する。
【0068】
(3)受信側は各復調用通信装置9A、9Bで受信して復調する(S52)。
(4)各基準検出部15A、15Bは、フラグがONか否かを判定することにより(S53)、
【0069】
(5)基準値フラグONであれば、基準値を今回受信データとするが、出力はしない(S54)。
(6)基準値フラグONでなければ、各瞬時値算出回路18A、18Bは、基準値に今回受信データ(変化量)を加算し出力する(S55)。
【0070】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、上述した参考例2と同様の効果を有すると共に、受信側から必要に応じて伝送データを初期化することが可能となる。
【0071】
実施の形態3.
上記各実施の形態の説明においては2端子送電線での場合について述べたが、多端子送電線の場合にも同様の手段が適用可能である。
【0072】
また、上記各実施の形態では、送電線の充電電流を補償した送電線電流を用いて電流差動値を検出する電流差動保護継電装置に対して説明したが、その他の補償手段を用いたものや補償しないもの等の電流差動保護継電装置に適用してもよい。
【0073】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、伝送データを圧縮することにより、判定精度の向上が図られ、また、大量のデータの伝送が可能となるので、今まで送れなかったデータの送信が可能となり、また、データの送信時間の短縮が可能となる。
さらに、受信側から必要に応じてデータを初期化することができ、データの健全性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基礎となる技術を示す参考例1による電流差動保護継電装置の構成図である。
【図2】参考例1による電流差動保護継電装置のサンプリング状態を説明する図である。
【図3】参考例1による電流差動保護継電装置のサンプリングによる電流変化量を説明する図である。
【図4】参考例1による電流差動保護継電装置の伝送データの構成図である。
【図5】図4の電流データを説明する図である。
【図6】参考例1による電流差動保護継電装置の送信側のフローチャートである。
【図7】参考例1による電流差動保護継電装置の受信側のフローチャートである。
【図8】この発明の基礎となる技術を示す参考例2による電流差動保護継電装置の構成図である。
【図9】参考例2による電流差動保護継電装置の送信側のフローチャートである。
【図10】参考例2による電流差動保護継電装置の受信側のフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態1による電流差動保護継電装置の構成図である。
【図12】この発明の実施の形態1による電流差動保護継電装置の受信側のフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態2による電流差動保護継電装置の構成図である
【図14】この発明の実施の形態2による電流差動保護継電装置の受信側のフローチャートである。
【図15】従来の電流差動保護継電装置の構成図である。
【図16】従来の電流差動保護継電装置のサンプリングによる電流データを説明する図である。
【図17】従来の電流差動保護継電装置の伝送データの構成図である。
【図18】従来の電流差動保護継電装置のサンプリング状態を示す図である。
【符号の説明】
1A、1B 母線、 2 送電線、3A、3B 遮断器、
4A、4B 計器用電流器、5A、5B 減算器、
6A、6B 計器用変圧器、7A、7B 充電電流算出回路、
8A、8B 変調用通信装置、9A、9B 復調用通信装置、
10 通信回線、11A、11B 差動判定部、
12A、12B 瞬時値フラグ検出部、
13A、13B 基準値フラグ検出部、
14A、14B 瞬時値検出部、15A、15B 基準値検出部、
17A、17B 偏差算出回路、18A、18B 瞬時値算出回路。
Claims (3)
- 送電線の2点で各々流れる送電電流を検出し、その送電電流の比較に応じて送電系統の異常を検出する電流差動保護継電装置において、上記2点の内一方の点における送電電流の瞬時値の時系列変化量を順次他方の点側に伝送すると共に、他方の点側から瞬時値の伝送要求があると一方の点の送電電流の瞬時値を他方の点側に伝送する手段と、伝送された上記瞬時値と上記時系列変化量から瞬時値を復元する手段と、この復元した瞬時値と、他方の点における送電電流の瞬時値との比較に応じて送電系統の異常を検出する手段とを備えたことを特徴とする電流差動保護継電装置。
- 送電線の2点で各々流れる送電電流を検出し、その送電電流の比較に応じて送電系統の異常を検出する電流差動保護継電装置において、上記2点の内一方の点における送電電流の瞬時値の時系列変化量を順次他方の点側に伝送すると共に、上記他方の点側から基準値の伝送要求があると一方の点側から他方の点側へ電流基準値を伝送する手段と、伝送された上記電流基準値と上記時系列変化量から瞬時値を復元する手段と、この復元した瞬時値と、他方の点における送電電流の瞬時値との比較に応じて送電系統の異常を検出する手段とを備えたことを特徴とする電流差動保護継電装置。
- 請求項1または請求項2に記載の電流差動保護継電装置において、
送電電流の瞬時値は、保護対象の送電系統の充電電流を補正した瞬時値としたことを特徴とする電流差動保護継電装置。
Priority Applications (1)
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JP11381396A JP3569594B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 電流差動保護継電装置 |
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JPH09308082A JPH09308082A (ja) | 1997-11-28 |
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