JP3569234B2 - 化粧料 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来の精製水などを用いる化粧料に比べて、保湿性に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚の老化は、通常、皮膚角質内の水分が減少するために起こると考えられている。従って、基礎化粧料をはじめとする化粧料に保湿剤を含有させることが広く行われている。例えば、特開平第6−122614号公報および特開平第6−279227号公報には、保湿剤として二糖類であるトレハロース、またはトレハロースとアミノ酸とを含有する化粧料が記載されている。トレハロースおよびアミノ酸以外の保湿剤として、多価アルコール、各種糖類などが記載されている。特開平第8−231369号公報、特開平第10−158290号公報および特開平第11−255617号公報にも多くの種類の保湿剤が開示されている。その例としては、多価アルコール類、糖類、脂質、アミノ酸、天然保湿因子(NMF)、シクロデキストリン誘導体、油脂などがある。
【0003】
しかながら、上記各種の化粧料は保湿剤そのものに着目してその組み合わせなどを検討しており、保湿の主役である水そのものについての検討はなされていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、保湿の主役である水そのものについて検討し、使用する水として特定の水を使用することにより、保湿性に優れた化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、極性水および保湿剤を含有する化粧料であって、該極性水は、精製水または純水を磁化処理および非接触電磁処理して得られる水であり、重水を添加して該重水の濃度を10%としたときに、観測周波数400MHz、分解能±0.01Hz、22℃におけるH−NMRのピークが、純水を磁化処理して得られる水の同条件におけるH−NMRのピークと比較して高磁場側に0.5Hz以上シフトした水である、化粧料に関する。
【0006】
好ましい実施態様においては、前記極性水が純水を磁化処理および非接触電磁処理して得られる水である。
【0007】
好ましい実施態様においては、前記非接触電磁処理が遠赤外線処理および/または電場処理である。
【0008】
また、好ましい実施態様においては、前記保湿剤が、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、トレハロース、およびこれらの誘導体からなる群から選択される。
【0009】
また、好ましい実施態様においては、前記化粧料が洗浄用化粧料、基礎化粧料、仕上げ化粧料、または頭髪用化粧料である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記化粧料に使用する水に着目し、極性水と保湿剤とを組み合わせることにより、上記従来の精製水を用いる化粧料よりもさらに高い保湿効果を有する化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明の化粧料は、極性水および保湿剤を含有する。本発明に用いられる極性水とは、精製水または純水を磁化処理および非接触電磁処理して得られる水であって、重水を添加して該重水の濃度を10%としたときに、観測周波数400MHz、分解能±0.01Hz、22℃におけるH−NMRのピークが、純水を磁化処理して得られる水の同条件におけるH−NMRのピークと比較して高磁場側に0.5Hz以上シフトした水のことをいう。このような極性水を用いると、保湿性に優れる化粧料が得られる。
【0012】
本発明で用いる精製水は、日本薬局方に基づく精製水をいう。純水とは水道水などの常水を脱塩して得られるほぼ純粋な水をいい、電気抵抗値で1MΩ・cm程度以上の比抵抗を有する水をいう。この純水には超純水も含まれる。
【0013】
上記磁化処理は水に磁力線を照射することを意味し、磁化処理装置としては、例えば、特開平第8−197064号公報に記載の装置を使用することが可能である。例えば、マグネットを配置した循環水路に水を循環させ、水流と概略直角方向に磁力線を照射する装置が好適に用いられる。複数のマグネットを循環水路に並列にあるいは直列に配置した装置も用いられる。この磁化処理には、通常、0.07T〜15T(Tはテスラ;1Tは10,000ガウス)、好ましくは0.3T〜3T、さらに好ましくは0.8〜2Tの磁力線、例えば、1.2Tの磁力線が、適切な時間、照射される。磁化処理の詳細については特開平第11−128951号公報にも開示がある。
【0014】
非接触電磁処理には、遠赤外線処理、電場処理などがある。遠赤外線処理は、例えば、4〜24μmの波長の遠赤外線を被処理水に当てることにより、行なわれる。遠赤外線の放射率は80%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。遠赤外線を照射するセラミック板を水路に浸漬する方法、あるいはセラミックフィルターを使用する方法も好適に用いられる。電場処理は、50〜8000V、好ましくは3000〜5000Vの電圧を被処理水(例えば、被処理水の循環水路)に印加することにより達成される。
【0015】
本発明に用いる極性水は、例えば、適切な間隙幅を有する水路を有し、磁力線を照射し得るマグネット装置と、循環パイプの一部をプラスチックパイプとし、このプラスチックパイプにセラミック部分を巻きつけて遠赤外線を照射し得るようにした循環パイプを有する水処理装置を準備し、適切な流速で水路に水を流し、被処理水(精製水あるいは純水)を循環して、磁化処理と遠赤外線照射とを同時に行うことにより得ることができる。あるいは、まず磁化処理を行い、次いで遠赤外線照射を行っても良い。
【0016】
H−NMRの測定は、例えば、日本電子(株)JNM LA−400 FT−NMRスペクトロメーターを用い、観測周波数400MHz、温度22℃±0.1℃に制御し、積算回数4回、分解能±0.01Hzで測定する。各検体について、10個のH−NMRのピークトップデータを取得する。他方で、セラミックを巻きつけないで純水の磁化処理のみを行って得られた水を同様にして測定する。データを比較して、高磁場側に0.5Hz以上シフトした水が取得される。このような極性水の含有量は、化粧料の種類により異なる。
【0017】
本発明の化粧料に用いられる保湿剤としては、多価アルコール類、糖類、脂質、アミノ酸、天然保湿因子(NMF)、シクロデキストリン誘導体、油脂、その他保湿効果を有する物質などがある。
【0018】
上記多価アルコール類としては、2価、3価、4価、5価および6価のアルコール、多価アルコール重合体、2価アルコールアルキルエーテル類、グリセリンモノアルキルエーテル、その他のアルコール類およびその誘導体などが挙げられる。
【0019】
上記2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。3価のアルコールをしてはグリセリンなどが、4価のアルコールとしてはエリスリトール(例えば、ペンタエリスリトール)などが、5価のアルコールとしてはキシリトールなどが、そして6価のアルコールとしてはソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。多価アルコール重合体としては、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリンなどが挙げられる。2価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。グリセリンモノアルキルエーテルとしては、2価アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコールなどが挙げられる。
【0020】
その他のアルコール類としては、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリオキシエチレン(POE)テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリオキシプロピレン(POP)ブチルエーテル、POP POEブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POPグリセリンエーテル、POPグリセリンエーテルリン酸、POP POEペンタエリスリトールエーテル、などが挙げられる。
【0021】
保湿剤として使用可能な糖類としては、グルコース、ガラクトース、マルトース、スクロース、マルビトール、フルクトース、ラクト−ス、ラムノース、キシルロース、ソルビトール(ソルビット)、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、デンプン分解糖、マルトース、キシリトール、デンプン分解還元アルコール、ペクチン、カラギーナン、トレハロース、キチン誘導体、キトサン誘導体、ムコ多糖類(アミノ糖を有する多糖)などが挙げられる。これらの誘導体も使用可能である。ムコ多糖類としては、ヒアルロン酸もしくはその塩、コンドロイチン硫酸などがある。上記誘導体としては、例えば、硫酸エステルおよびその塩、アルキルエーテル(アルキル基の炭素数1〜4)、アシル化物(炭素数1〜4)などがある。
【0022】
脂質としては、リン脂質、スフィンゴ脂質などがある。これらには、レシチン、フォスファチジルグリセロール、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルセリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジン酸、スフィンゴミエリンなどがある。これらのうちレシチンが好ましく、大豆由来、卵黄由来などのレシチンがある。
【0023】
保湿剤として使用されるアミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン、ピロリドンカルボン酸などが挙げられる。
【0024】
保湿剤として使用される天然保湿因子(NMF)としては、種々の化合物が知られている。それらのうち、例えば、アミノ酸、乳酸塩、尿素などが保湿剤として良好であり、アミノ酸としては上記グリシン、セリン、アラニン、ピロリドンカルボン酸塩などが用いられる。
【0025】
保湿剤として使用されるシクロデキストリン誘導体としては、例えば、親水性に優れたヒドロキシアルキル化β−シクロデキストリンが好適である。
【0026】
保湿剤として使用される油脂としては、皮脂類似物質であるオリーブ油、ホホバ油、スクワランなどがある。
【0027】
保湿剤として使用されるその他の物質としては、繊維状タンパクであるコラーゲン、エラスチン、プラセンタ、細胞間脂質であるステロールなどが挙げられる。
【0028】
上記保湿剤の1種または2種以上と、トレハロース、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、またはそれらの誘導体とを組み合わせて用いることが好ましい。
【0029】
保湿剤の含有量は化粧料の種類により異なるが、通常、0.001重量%〜50重量%、好ましくは0.05〜30重量%の割合で組成物に含有される。トレハロースまたはその誘導体は、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは、0.05〜20重量%含有される。ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、またはこれらの誘導体は、化粧料中に、好ましくは0.001〜25重量%、より好ましくは、0.05〜15重量%含有される。
【0030】
本発明の化粧料としては、例えば、洗浄用化粧料、基礎化粧料、仕上げ化粧料、または頭髪用化粧料が挙げられる。
【0031】
洗浄用化粧料としては、洗顔剤、石鹸、シャンプー、リンス、トリートメント、ボディシャンプーなどがある。基礎化粧料としては、化粧水、化粧クリーム、乳液、パックなどがあり、仕上げ化粧料としては、ファンデーション、白粉、口紅、リップグロス、頬紅、アイシャドーなどがある。頭髪用化粧料としては、整髪料、育毛剤などがある。
【0032】
上記の組成物は、通常の材料に加えて上記極性水および上記保湿剤を含有する。上記個々の製品は上記極性水および保湿剤を使用し、当業者に公知の方法にしたがって調製される。
【0033】
以下に本発明の化粧料の代表例として、化粧クリーム、およびシャンプーおよびトリートメント剤について説明する。
【0034】
化粧クリームとしては、エモリエントクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メイクアップクリーム、サンスクリーンクリーム、ヘアクリーム、デオドラントクリーム、シェービングクリーム、フェイスクリーム、ハンドクリーム、ボディクリームなどが挙げられる。これらのクリームに通常含有される成分としては、油性成分(油性基剤)、水性成分、乳化剤などかあり、さらに必要に応じてその他の成分が含有される。
【0035】
上記油性基剤としては、動植物系または鉱物系の天然油性基剤、および合成の油性基剤のいずれもを用いることが可能である。動植物系の基剤としては、蜜蝋、木蝋、カルナバロウ、キャンデリラロウ、カカオ脂、セチルアルコール、ステアリン酸アルキルエステル、ラノリン、オリーブオイル、椿油、ひまし油、綿実油、オレイルアルコール、オレイン酸、スクアランなどがある。鉱物系の基剤としては、固体パラフィン、セレシン、マイクロスタリン、ワックス、ワセリン、流動パラフィン、シリコーンオイルなどがある。合成の基剤としては、合成エステル油、合成ポリエーテル油などがある。このような基剤は、組成物中に約10〜80重量%の割合で含有される。この含有量はクリームのタイプにより異なる。
【0036】
上記水性成分としては、増粘剤、アルコールなどがある。増粘剤としては、クインスシードゴム、トラガカントガム、ペクチン、アルギン酸塩、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、アクリル酸系ポリマー、ビーガム、ポリビニルアルコールなどがある。上記アルコールは清涼感を付与し、殺菌効果を与え、さらに含有される成分の溶解度を高めるために使用される。アルコールとしては、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。
【0037】
上記乳化剤(可溶化剤、界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、オクチルドデカノール、親油性モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型プロピレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルなどがある。乳化剤、例えば上記オクチルドデカノールは、通常約2〜8重量%、好ましくは約3〜5重量%の割合で含有される。
【0038】
その他の成分としては、エモリエント剤、角質軟化剤、可溶化剤、緩衝剤、各種薬剤、香料、防腐剤、染料、退色防止剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤などがある。
【0039】
上記エモリエント剤としては、エステル油、高級アルコールなどがある。角質軟化剤としては、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ類が挙げられる。緩衝剤(pH調整剤)としては、クエン酸およびその塩などがある。薬剤としては、p−フェノールスルホン酸亜鉛などの収斂剤、ベンザルコニウム塩酸塩などの殺菌剤および、ビタミン、アミノ酸誘導体などの栄養剤が挙げられる。
【0040】
本発明によるクリームは、上記成分、極性水および保湿剤を用いて常法により加熱・混合することにより得られる。
【0041】
シャンプーおよびトリートメント剤に通常含有される成分としては、界面活性剤があり、さらに増泡剤、ハイドロトロープ(可溶化剤)、乳濁剤、コンディショニング剤、アルコール、フケ取り剤、殺菌剤、トニック剤、エモリエント剤、角質軟化剤、増粘剤、キレート剤、緩衝剤、各種薬剤、香料、防腐剤、染料、退色防止剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤などを含有することができる。
【0042】
上記界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、および非イオン界面活性剤のいずれもが使用可能である。
【0043】
陰イオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩(AS)、アルキルエーテル硫酸塩(AES)、α―オレフィンスルホン酸塩(AOS)、石鹸、グリセリンモノアルキルエステルモノ硫酸塩、蛋白・脂肪酸縮合物、アルキルリン酸エステル塩類などがある。
【0044】
陽イオン界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムなどがある。陽イオン界面活性剤は、ヘアリンスの主成分としても用いられる。
【0045】
両性イオン界面活性剤としては、イミダゾリン型、アルキルベタイン型、アルキルスルホンベタイン型の界面活性剤がある。
【0046】
非イオン界面活性剤としては、アルカノールアミド、アミンオキサイドなどがある。これらの界面活性剤は、約1〜40重量%の割合で含有される。
【0047】
上記増泡剤はシャンプーに含有され、界面活性剤の起泡性を高めるのに用いられる。増泡剤としては、脂肪酸、脂肪酸アルカノールアミド、高級アルコール、水溶性高分子などが用いられる。
【0048】
ハイドロトロープは、洗髪剤の低温安定性、界面活性剤の溶解向上性に寄与する。ハイドロトロープとしては、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどの非イオン性可溶化剤;ベンゼンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、尿素などが挙げられる。
【0049】
乳濁剤は、シャンプーやヘアーリンスを乳濁化し、高級感、マイルド感、クリーム感を付与する。例えば、スチレンポリマー、ポリ酢酸ビニルなどがあり、真珠光沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ステアリルアルコール、魚燐箔、雲母チタンなどが使用される。
【0050】
コンディショニング剤は、髪の櫛通り、ぱさつきの改善、髪のしなやかさ、まとまりやすさ、毛髪強化などに寄与する。化学吸着性の化合物、物理吸着性の化合物、およびイオン性吸着タイプの陽イオン性高分子がある。
【0051】
化学吸着性の化合物としては、コラーゲン加水分解物、アミノ酸、2−ピロリドン5−カルボン酸ナトリウム、ミルクカゼイン、卵アルブミン、レシチン、パンテノール(ビタミンB複合体)などがある。物理吸着性の化合物としては、ラノリンおよびその誘導体、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーンオイルおよびその誘導体、油脂(ひまし油、オリーブ油など)がある。イオン性吸着タイプの陽イオン性高分子としては、陽イオン変性セルロースエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体四級アンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムポリマー、アルキルポリエチレンイミンなどがある。
【0052】
フケ取り剤としては、硫黄、硫化セレン、ジンクピリチオン(Zpt)などの硫黄および硫黄系化合物;メントール類、トリクロサンハロカルバン、アラントイン、サリチル酸などが挙げられる。
【0053】
上記アルコール、エモリエント剤、角質軟化剤、増粘剤、薬剤、および緩衝剤は上記クリームの場合と同様の化合物を使用することができる。
【0054】
本発明によるシャンプーおよびトリートメント剤は、使用する水として上記極性水用い、上記所望の成分および保湿剤を常法に従って混合することにより得られる。
【0055】
このようにして得られた本発明の化粧料は、極性水と保湿剤とを有するため、高い保湿効果を有する。このような組成物を用いて高い性能を有する種々の化粧料の製造が可能である。
【0056】
【実施例】
以下に本発明を実施例につき説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0057】
(極性水の調製)
水路のスリット間隙幅2mm、磁力線強度1.2Tのマグネット装置と、循環パイプの一部をプラスチックパイプとし、このプラスチックパイプにセラミック部分を巻きつけて遠赤外線を照射し得るようにした循環パイプを有する水処理装置を準備し、水路に流速約15m/分で、被処理水を循環して、磁化処理と遠赤外線照射とを24時間行った。精製水を被処理水として得られた極性水を極性水a、純水を被処理水として得られた極性水を極性水bとした。また、水道水を被処理水として得られた水を処理水dとした。
【0058】
次に、同じ装置を用いて、セラミックを巻かないで純水を処理し、得られた処理水を処理水cとした。
【0059】
日本電子(株)製のJNM EX−270 FT−NMRスペクトロメーターを用いて、20℃、観測周波数32MHz、積算回数2048回の条件下、極性水a、極性水b、処理水c、および処理水dの半値幅を、17O−NMRを用いて測定したところ、それぞれ78Hz、75Hz、74Hz、および130Hzであった。
【0060】
上記得られた極性水および処理水に重水を添加して、10%の重水溶液を調製した。H−NMRの測定は、日本電子(株)JNM LA−400 FT−NMRスペクトロメーターを用い、観測周波数400MHz、温度22℃±0.1℃に制御し、積算回数4回、分解能±0.01Hzで測定した。各検体について、10個の H−NMRのピークトップデータを取得した。処理水cを基準としたとき、極性水aおよび極性水bのピークは高磁場側にそれぞれ1.16Hzおよび1.42Hzシフトしていた(図1参照)。従って、得られた水は、従来存在しなかった新しい水である。
【0061】
このようにして得られた極性水a、極性水b、処理水c、処理水d、および、これらに加えて、日本薬局方の精製水を以下の実施例に使用した。
【0062】
(実施例1)
表1に記載の水に、表1に記載の保湿剤を添加して、保湿剤溶液を調製し、これらの保湿効果について、皮膚の電気伝導度を測定することにより評価した。得られた保湿剤溶液を10人の被験者に、1.25μlの保湿剤溶液を、予め、1.2cm平方にマーキングされた前腕部に塗布した。1時間放置後、残存する水分量を示す電気伝導度(単位:μmho(マイクロモー))を、高周波伝導度測定装置(SKICON−200、IBS社製)により測定した。得られた結果を表1に示す。なお、測定は温度20℃、湿度53%の室内で行い、結果の数値は被験者10人の平均値である。
【0063】
【表1】
Figure 0003569234
【0064】
表1より、極性水aおよび極性水bを用いた場合は、用いたすべての保湿剤において優れた保湿効果が得られた。特に、トレハロースを含む場合、およびヒアルロン酸ナトリウムを含む場合に優れた保湿効果が得られた。
【0065】
(実施例2:化粧クリーム)
表2に記載の配合を有する化粧クリームを調製した。
【0066】
【表2】
Figure 0003569234
【0067】
実施例1で用いたそれぞれの水に、ヒアルロン酸と水酸化カリウムを加えて、70℃で攪拌・混合して水溶性成分混合液を得た。これとは別に、ステアリン酸、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸アルコール、およびモノステアリン酸グリセリンを70℃で加熱融解させ、油性成分混合液を得た。この油性成分混合液に、香料、防腐剤、および酸化防止剤を加えて混合し、これを、上記水溶性成分混合液と合せて、70℃で攪拌・混合し、化粧クリームを得た。極性水a、極性水b、処理水c、処理水dおよび精製水を用いて得られた化粧クリームを、それぞれ、化粧クリームa、b、c、dおよびeとした。
【0068】
得られたそれぞれの化粧クリームの保湿性の評価を官能試験により行った。得られた化粧クリームを、被験者10名(女性)に通常するように使用してもらい、しっとり感を5段階で採点し、平均点を算出して、評価した。
5点:かなり優れている。
4点:優れている。
3点:普通。
2点:劣っている。
1点:かなり劣っている。
結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
Figure 0003569234
【0070】
極性水aおよびbを用いて調製した化粧クリームaおよびbは、他と比較して保湿性に優れており、特に、純水から得られた極性水bを用いた化粧クリームbが良好であった。
【0071】
(実施例3:化粧クリーム(乳液タイプ))
下記配合組成の化粧クリーム(乳液タイプ)を調製した。
【0072】
【表4】
Figure 0003569234
【0073】
実施例1で用いたそれぞれの水にグリセリン、トレハロース、トリエタノールアミンを加えて撹拌、混合し、得られた水溶性成分混合液を加熱し、70℃に保持した。他方、ステアリン酸、セタノール、ワセリン、ラノリンアルコール、流動パラフィンを混合し、加熱溶融して油性成分混合液を得、70℃に保存し、香料、防腐剤、酸化防止剤を加えて混合・撹拌し、油性成分含有液を得た。次いで、この油性成分含有液と前記水溶性成分混合液とを70℃で混合・撹拌して化粧クリーム(乳液タイプ)を得た。極性水a、極性水b、処理水c、処理水dおよび精製水を用いて得られたクリームを、それぞれ、化粧クリームa2、b2、c2、d2およびe2とした。実施例2と同様に試験を行った結果を表5に示す。
【0074】
【表5】
Figure 0003569234
【0075】
極性水aおよびbを用いて調製した化粧クリームa2およびb2は、他と比較して保湿性に優れており、特に、純水から得られた極性水bを用いた化粧クリームb2が良好であった。
【0076】
(実施例4:化粧水)
下記配合組成化粧水を調製した。
【0077】
【表6】
Figure 0003569234
【0078】
実施例1で用いたそれぞれの水にトレハロースおよび紫外線吸収剤を加えて室温(25℃)で撹拌・混合した。他方で、エタノールに柔軟剤(エモリエント剤)、界面活性剤、防腐剤、香料を適量加えて混合し、前記混合液と混合し、化粧水を調製した。極性水a、極性水b、処理水c、処理水dおよび精製水を用いて得られた化粧水を、それぞれ、化粧水a、b、c、dおよびeとした。実施例2と同様に試験を行った結果を表7に示す。
【0079】
【表7】
Figure 0003569234
【0080】
極性水aおよびbを用いて調製した化粧水aおよびbは、他と比較して保湿性に優れており、特に、純水から得られた極性水bを用いた化粧水bが良好であった。
【0081】
(実施例5:ファンデーション)
実施例1で用いた水を用いて、下記配合組成のファンデーション(クリーム)を常法により調製した。
【0082】
【表8】
Figure 0003569234
【0083】
極性水a、極性水b、処理水c、処理水dおよび精製水を用いて得られたファンデーションを、それぞれ、ファンデーションa、b、c、dおよびeとした。実施例2と同様に試験を行った結果を表9に示す。
【0084】
【表9】
Figure 0003569234
【0085】
極性水aおよびbを用いて調製したファンデーションaおよびbは、他と比較して保湿性に優れており、特に、純水から得られた極性水bを用いたファンデーションbが良好であった。
【0086】
(実施例6:整髪料)
実施例1で用いた水を用いて、下記配合組成の整髪料を常法により調製した。
【0087】
【表10】
Figure 0003569234
【0088】
極性水a、極性水b、処理水c、処理水dおよび精製水を用いて得られた整髪料を、それぞれ、整髪料a、b、c、dおよびeとした。実施例2と同様に試験を行った結果を表11に示す。
【0089】
【表11】
Figure 0003569234
【0090】
極性水aおよびbを用いて調製した整髪料aおよびbは、他と比較して保湿性に優れており、特に、純水から得られた極性水bを用いた整髪料bが良好であった。
【0091】
(実施例7:シャンプー)
実施例1で用いたそれぞれの水を用いて、下記配合組成のシャンプーを常法により調製した。
【0092】
【表12】
Figure 0003569234
【0093】
極性水a、極性水b、処理水c、処理水dおよび精製水を用いて得られたシャンプーを、それぞれ、シャンプーa、b、c、dおよびeとした。実施例2と同様に試験を行った結果を表13に示す。
【0094】
【表13】
Figure 0003569234
【0095】
極性水aおよびbを用いて調製したシャンプーaおよびbは、他と比較して保湿性に優れており、特に、純水から得られた極性水bを用いたシャンプーbが良好であった。
【0096】
以上のように、いずれの実施例においても、極性水aおよびbを用いて調製した化粧料(特に化粧水)は、他の水で調製した化粧料と比較して保湿性に優れており、特に、純水から得られた極性水bを用いた各種化粧料の保湿性は優れていた。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、極性水(特に純水から得られた極性水)と保湿剤とを併用することにより、保湿効果が著しく向上した化粧料が得られる。特に、ヒアルロン酸あるいはその塩、またはトレハロースを用いた化粧料の保湿効果は顕著である。また、本発明の化粧料は、洗浄用、基礎化粧料用、仕上げ化粧料用、および頭髪用の化粧料として広い分野で使用することが可能であり、化粧水における効果が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた各水のH−NMRのピークを示す図である。

Claims (3)

  1. 極性水および保湿剤を含有する保湿性に優れた化粧料であって、該極性水、精製水または純水を磁化処理および非接触電磁処理して得られる水であり、重水を添加して該重水の濃度を10%としたときに、観測周波数400MHz、分解能±0.01Hz、22℃におけるH−NMRのピークが、純水を磁化処理して得られる水の同条件におけるH−NMRのピークと比較して高磁場側に0.5Hz以上シフトした水であそして該保湿剤が、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、トレハロース、およびこれらの誘導体からなる群から選択される、化粧料。
  2. 前記非接触電磁処理が遠赤外線処理および/または電場処理である、請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記化粧料が洗浄用化粧料、基礎化粧料、仕上げ化粧料、または頭髪用化粧料である、請求項1または2に記載の化粧料。
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