JP3568725B2 - ロールのバランス調整法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はロールのバランス調整法に関し、更に詳細には調整具をロール内部に取り付けてそのバランスを調整するロールのバランス調整法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、製紙装置やフィルム製造装置等に用いられる産業用のゴムロールは製造効率向上の観点から大型化、且つ長尺化されたものの需要が大きく、特に径寸法の25倍以上の軸方向長さを有する比較的長尺のゴムロールの供給が強く望まれている。そして、このような長尺のロールを可能な限り高速で回転させて使用し、紙等の製造効率向上を望む傾向にある。
【0003】
ところで、ゴムロールは、一般に金属製またはFRP(繊維強化樹脂成形体)製の円筒状芯材を形成し、その芯材の外周面にゴムライニングを施し、さらにゴム表面を切削加工して製造されている。このうち、ゴムライニング工程では、芯材にゴムを巻き付け、加熱器により所定の条件で加熱して芯材外周面にゴムを付着させている。
【0004】
ところが、通常、加熱器による加熱時間は比較的長く、高温であることから、この加熱によって芯材には撓みが生じることがある。このため、ゴム表面の切削加工工程において、芯材の状況に拘わらず完成したゴムロールの径方向断面が真円となるようにゴム表面に切削加工を施している。
【0005】
もっとも、このようなゴムロールには芯材の表面を覆うゴムの厚みが不規則ないわゆる偏肉が発生しており、これにより重心の歪みが生じた状態になっている。従って、このままの状態でゴムロールを高速回転させると共振が発生するという問題点があった。
【0006】
そこで、いわゆるバランシングマシンを用いてゴムロール円周方向のバランス状態を計測し、ロールバランスをほぼ均一に改善する方法が取られていた。従来のロールバランスを改善する方法は、例えば、ゴムロールの両端部に取り付けられるいわゆる端部部材の適宜位置を削る方法、あるいは端部部材の適宜位置に鉛等のウェイトを取り付ける方法によってロール両端部のバランスを調整し、製紙装置等についての使用に適するロールバランスに調整するのが一般的であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した比較的長尺のロールは市場要求に適応したものを製造するのが著しく困難かつ面倒なものであった。その理由には以下のことが挙げられる。すなわち、前述した長尺のロールは径寸法に対する軸方向の長さが比較的長いため、ロール両端部に対するバランス調整だけでは、そのゴムロールにおける共振の発生を適切に抑止し得えない場合が多い。
【0008】
従って、長尺のゴムロールについては、ロール両端部以外の箇所におけるロールバランスについても調整を図る必要があった。特に、ゴムロールの予定回転速度が比較的高速である場合には、ゴムロールのほぼ全長にわたってバランス調整が図られることが望ましい。このバランス調整にあたり、従来ではゴムロールの内壁にウェイトを接着剤等により取り付けていたが、例えばゴムロールの各端部から手の届かない位置に重心の歪みが発見された場合には、その歪みを調整するためのウェイト取り付け作業は著しく困難かつ面倒なものであった。
【0009】
また、芯材に取り付けられるゴムは約1年で劣化するため、約1年毎にゴムライニングをやり直す必要があるが、このゴムライニングによって偏肉の状態が変化することから、前述した面倒かつ困難な作業状態でバランス調整を再びやり直さなければならなかった。
【0010】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、特に長尺なロールのバランス調整作業を適切かつ容易に行うことを可能とするロールのバランス調整法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円筒状のロール内部に調整具を取り付けてそのバランスを調整するロールのバランス調整法であって、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。
【0012】
すなわち、本発明は、軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、前記リング状部材の前記割溝に嵌合可能な楔状部材とを備えたバランス調整具をロール内部に取り付け、前記バランス調整具を前記ロール内の軸方向又は周方向のいずれか一方方向若しくは両方向に摺動させて前記ロールのバランスを調整すべき位置に配置し、前記リング状部材の前記割溝に嵌合させた前記楔状部材を軸方向に移動させて前記リング状部材を拡径することにより、前記リング状部材の外周面を前記ロールの内周面に圧接させて前記バランス調整具を固定するようにして前記ロールのバランスを調整することを特徴とする。
【0013】
この発明におけるロールのバランス調整法の主なる構成要素を以下に説明する。リング状部材は、割溝に嵌合させた楔状部材が軸方向に移動すると、割溝の溝幅が広がるようにされていることを必要とする。楔状部材は、リング状部材の径寸法を拡大させ、バランス調整具をロールのバランスを調整すべき位置に固定状態で取り付けるためのものである。また、楔状部材がその重さを利用してロールのバランスを調整することを兼ねている場合は、ロールのバランスを調整可能な重さを付加して形成する。
【0014】
この楔状部材は割溝に嵌合され、軸方向に移動した際には割溝の溝幅を広げるようにされていればその形状を問わない。また、楔状部材はリング状部材と別体にされバランス調整具を固定する際に嵌合させるものでも良く、またはリング状部材に取り付けられていても良いものである。
【0015】
ロールは、その径寸法、軸方向長さまたは材質等の詳細な構成を問わない。従って、本発明のロールのバランス調整法で使用される調整具は、製紙機械やフィルム製造装置等に用いられる全ての種類の産業用ロールについて用いることが可能である。特に、ロールの軸方向長さがロールの径寸法の25倍以上の長さを有するいわゆる長尺のロールについて用いるのが好ましい。
【0016】
本発明のロールのバランス調整法で使用されるバランス調整具はロール内部に1以上設ければ良いものであるが、ロールが二以上の円筒状部材を継手となる内管で連結して構成されている場合には、バランス調整具を二つ設けるのが好ましい。
【0017】
また、本発明のロールのバランス調整法で使用されるバランス調整具は以下のように構成することも可能である。すなわち、軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、前記リング状部材の前記割溝に嵌合可能な楔状部材と、前記リング状部材の内周面に着脱自在に設けられるバランス調整用のウェイトとを備え、前記バランス調整具を前記ロールの軸方向に摺動させて前記ロールのバランスを調整すべき位置に配置し、前記リング状部材の前記割溝に嵌合させた前記楔状部材を軸方向に移動させて前記リング状部材を拡径することにより、前記リング状部材の外周面を前記ロールの内周面に圧接させて前記バランス調整具を固定するようにしても良い。
【0018】
これは、前述したリング状部材、楔状部材にバランス調整用のウェイトを付加したものである。この場合には、楔状部材の交換を必要とせず、ウェイトを交換することでロールのバランスを調整するのに適切な重さをバランス調整具に保持させることが可能となる点で好ましい。
【0019】
この場合におけるリング状部材はウェイトの搬送手段として機能する。また、楔状部材は主としてバランス調整具をロール内に固定する手段として機能する。この場合の楔状部材は、例えばリング状部材にウェイトを取り付ける前において、楔状部材をリング状部材の割溝に嵌合させると、バランス調整具のバランス状態がほぼ均一になるような重さに形成されるのが好ましい。
【0020】
ウェイトは、上記のようにウェイトを設ける前のバランス調整具がほぼ均一なバランス状態を保持するように設定されている場合には、その取り付け数は幾つでも良く、リング状部材の内周面のどの位置に取り付けても良い。
【0021】
(本発明の付加的構成要素)
本発明は前述した必須の構成要素からなるものであるが、以下に説明する構成要素を付加した場合であっても成立するものである。その付加的構成要素とは、前記バランス調整具は更に前記リング状部材の縮径手段を備え、前記バランス調整具が前記ロール内に固定された状態において、前記楔状部材を軸方向に移動させた際に、前記リング状部材が前記縮径手段により縮径され、前記ロール内周面に対する前記リング状部材外周面の圧接状態が解除され、前記バランス調整具が前記ロールの軸方向に摺動可能となるようにすることである。
【0022】
これは、リング状部材が拡径した状態において、例えば楔状部材を軸方向に後退させると、縮径手段により割溝の溝幅が狭まってリング状部材が縮径するようにしたものである。このようにすると、一旦固定して取り付けたバランス調整具を配置変更して再度取り付けることが可能となる点で好ましい。
【0023】
この縮径手段は、例えばリング状部材を弾性を有する材質により形成することで構成するようにしても良い。この場合におけるリング状部材の材質には、例えば金属、ゴム、合成樹脂、またはFRP等が挙げられるが、特にCFRP(カーボン繊維強化樹脂複合材)を用いるのが望ましい。
【0024】
また、縮径手段を例えばリング状部材の割溝を跨ぐようにして設けられた引っ張りバネにより構成し、この引っ張りバネにより割溝の溝幅が狭められ、強制的にリング状部材が縮径されるようにしても良い。この場合にはリング状部材の材質について弾性の有無を問わない。
【0025】
また、以下のような構成要素を付加しても良い。その付加的構成要素とは、ほぼ中間部に挿通孔を有し前記リング状部材の軸方向端面に前記割溝をまたぐようにして取り付けられ、且つ前記リング状部材に対して相対的移動が可能に取り付けられた平板状部材と、外周面に螺旋溝を有し前記平板状部材の前記挿通孔に挿通させて設けられる調整ネジとを備え、前記楔状部材は、その一端面から内方に向けて設けられた調整ネジ孔に前記調整ネジを螺合させて前記割溝に配置され、前記調整ネジを正逆回転させることにより前記楔状部材が前記リング状部材の前記割溝内で軸方向に摺動して前記リング状部材を拡径又は縮径させるようにすることである。
【0026】
このようにすると、調整ネジを正逆回転させることでリング状部材の径寸法を拡大または縮小することができ、バランス調整具を固定状態あるいは摺動可能状態にすることが可能となる点で好ましい。
【0027】
本発明のロールのバランス調整法によると、ロールの内部において、バランス調整具をロールの軸方向に摺動させ、円周方向に回転させ、ロールのバランスを調整すべき位置に配置する。そして、リング状部材の割溝に嵌合させた楔状部材を軸方向に移動させると、リング状部材の径寸法が拡径する。これにより、リング状部材の外周面がロールの内周面に圧接し、バランス調整具がロール内に固定される。このとき、ウエイト又は楔状部材の重さによりロールのバランスが調整される。
【0028】
また、ロールのバランス調整具が縮径手段を備える場合、例えばリング状部材が弾性を有する材質により形成されている場合には、バランス調整具がロール内に固定された状態において、楔状部材を軸方向に移動させるとリング状部材がその材質の有する弾性により縮径する。これにより、ロール内周面に対するリング状部材外周面の圧接状態が解除され、バランス調整具がロールの軸方向に摺動可能となる。
【0029】
また、バランス調整具が更に平板状部材と調整ネジとを備え、楔状部材に設けられた調整ネジ孔に調整ネジを螺合させ、楔状部材が割溝に配置されている場合には、調整ネジを例えば正方向に回転させると、楔状部材がリング状部材の割溝内で摺動してリング状部材を拡径させる。
【0030】
このとき、バランス調整具が縮径手段を備えていると、調整ネジを逆方向に回転させることで、楔状部材がリング状部材の割溝内で摺動するとともに、縮径手段によりリング状部材が縮径される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のロールのバランス調整法における好適な実施の形態を図を用いて更に説明する。図1には本発明の一実施形態におけるロールのバランス調整法に用いるバランス調整具が符号10で示されている。
【0032】
このバランス調整具10は、リング状部材11と、楔状部材12と、ウェイト20とから構成されている。リング状部材11は、軸方向に所定幅を有する環状帯であり、所定の位置には軸方向に楔形状をした割溝11aが形成されている。ここで、「軸方向に楔形状をした割溝11a」とは、軸方向の一端面である正面側から他端面である背面側になるにつれ溝幅が大きくなるように形成された割溝を意味する。
【0033】
このリング状部材11の材質には弾性を有するCFRPが用いられており、リング状部材11は、割溝11aの溝幅を一旦広げた後、その広げた力を解除すると、CFRPの弾性による復元力が生じ、割溝11aの溝幅が広げる力を加える前の溝幅とほぼ同じ幅まで戻るようにされている。これにより、リング状部材11aの外径寸法が拡大または縮小可能にされている。
【0034】
このリング状部材11における一方の軸方向端面には、図2に示されるように、割溝11aを跨ぐようにして平板状の押さえ板13が設けられている。この押さえ板13の両端部には、リング状部材11の周方向に沿って長孔14がそれぞれ設けられており、押さえ板13は各長孔14をそれぞれ挿通する位置決めネジ15によりリング状部材11に保持され、リング状部材11に対して相対的な移動が可能にされている。
【0035】
すなわち、リング状部材11の外径が拡径する際には、各位置決めネジ15の位置が長孔14に沿って押さえ板13の両端へ向けて移動するようにされ、リング状部材11の外径が縮径する際には、各位置決めネジ15の位置が挿通孔13a側へ長孔14に沿って移動可能なようにされている。
【0036】
また、押さえ板13のほぼ中心には挿通孔13aが設けられている。この挿通孔13aには、楔状部材12と螺合させる調整ネジ16がリング状部材11の正面側から挿通した状態で設けられている。この調整ネジ16は、一端側にネジ頭が設けられ他端側の外周面には螺旋溝が形成され、この他端が挿通孔13aに挿通した状態にされている。
【0037】
楔状部材12は、図2に示されるように、ほぼ四角錐台の楔状にされており、一端面から他端面へ貫通させた調整ネジ孔12aが設けられている。この楔状部材12の調整ネジ孔12aには調整ネジ16の他端が楔状部材12の一端面側から挿入され、調整ネジ16と調整ネジ孔12aとが螺合して楔状部材12を割溝11aに配置させた状態になっている。
【0038】
なお、リング状部材11における割溝11aの溝幅は、楔状部材12を嵌合させる前の状態にあっては、楔状部材12の幅長さよりも短い長さに設定されており、楔状部材12は、割溝11aの溝幅を広げるとともに、その両側面をリング状部材11の周方向端面により押圧される状態で配置されている。ウェイト20は、図3に示されるように、リング状部材11の周方向に沿う複数の摺動孔21を有するプレート状に形成され、リング状部材11の内周面に取り付けられている。
【0039】
すなわち、リング状部材11の内周面にはウェイト20を取り付けるためのネジ孔24が複数設けられており、ウェイト20は、各摺動孔21に固定ネジ22を挿通させ、続いて固定ネジ22をネジ孔24に螺合させ、さらに固定ネジ22と螺合状態にあるナット23で締め付けることにより取り付けられている。
【0040】
このウェイト20の摺動孔21により、固定ネジ22に対するウェイト20の位置が変動可能にされている。なお、ウェイト20は着脱自在であり、ウェイト20を取り替えることでウェイト20の重さの変更が容易にできるようにされている。また、このバランス調整具10は、ウェイト20を取り外すと、そのバランス状態がほぼ均一になるように形成されている。
【0041】
このようなバランス調整具10によると、割溝11a内に嵌合させた楔状部材12の配置位置を変更すると、リング状部材11の外径寸法が変動する。具体的には、割溝11aに嵌合させた楔状部材12が、その他端面とリング状部材11の背面側端面とをほぼ一致させて配置(このときの位置を「初期位置」と称する。)されている場合には、リング状部材11の外径がバランス調整具10を取り付けるゴムロール30(図4参照)の内径よりも小さい外径寸法になるように設定されている(このときの径寸法を「初期寸法」と称する)。
【0042】
楔状部材12が初期位置にある場合において、調整ネジ16を正方向、すなわち締める方向に回転させると、楔状部材12がリング状部材11の軸方向正面側に移動する。このとき、割溝11aの溝幅は楔状部材12によりさらに押し広げられ、リング状部材11の外径寸法が拡大し、最終的にはゴムロール30の内径とほぼ同じ外径寸法になる(このときの径寸法を「最大寸法」と称する)。
【0043】
これに対し、リング状部材11の外径寸法が最大寸法である状態から、調整ネジ16を逆方向、すなわち緩める方向に回転させると、楔状部材12がリング状部材11の軸方向背面側に移動する。このとき、割溝11aの溝幅は、リング状部材11の材質に固有の復元力により狭まり、これに伴いリング状部材11の外径寸法も縮径し、楔状部材11が初期位置まで移動するとリング状部材11の外径寸法は初期寸法に戻る。
【0044】
このようなバランス調整具10は、図4に示されるように、円筒状のゴムロール30に取り付けられる。ここに、ゴムロール30の概略を説明すると、ゴムロール30は、芯材31、ゴム32、筒状部材33及び端部部材34から構成されている。芯材31は二つのCFRP製の円筒状部材を内管36で結合して形成されている。
【0045】
ゴム32は芯材31の外周面にライニングされ、その表面には切削加工が施されている。また、筒状部材33は芯材31の両端部に挿入して取り付けられている。端部部材34はシャフト35を有しており、このシャフト35をゴムロール30の中心軸線上に配置させて筒状部材33にそれぞれ取り付けられている。
【0046】
このバランス調整具10は、各筒状部材33と内管36との間におけるゴムロール30内部に設けられる。各バランス調整具10は、その正面側をゴムロール30の端部に向け、且つリング状部材11外周面をゴムロール30の内周面に沿わせ、ゴムロール30の軸方向及び周方向に摺動可能に設けられる。なお、各バランス調整具10は、ゴムロール30のゴムライニング工程の前に設けることが好ましい。
【0047】
このように設けられたバランス調整具10は、ゴムライニング工程及びゴム表面切削工程の際には、ウエイトを外して固定しておく。例えば、図4において左側に配置されているバランス調整具10のように、調整ネジ16を正方向に回転させて楔状部材12をリング状部材11の軸方向正面側に移動させることにより、リング状部材11の外径寸法を最大寸法まで拡径させる。すると、リング状部材11の外周面がゴムロール30の内周面に圧接し、バランス調整具10がゴムロール30内に固定される。
【0048】
これに対し、ゴムロール30のバランスを調整する際には、図4において右側に配置されているバランス調整具10のように、調整ネジ16を逆方向に回転させて楔状部材12をリング状部材11の軸方向背面側の初期位置まで移動させることにより、リング状部材11の外径寸法を初期寸法まで縮径させる。
【0049】
すると、ゴムロール30内周面に対するリング状部材11外周面の圧接状態が解除され、バランス調整具10がゴムロール30の軸方向に摺動可能な状態になる。そして、以下のようにゴムロール30のバランス調整作業を行う。
【0050】
最初に、図示しないバランシングマシンを用いてゴムロール30のバランス状態を計測する。これにより、芯材31の撓みにより重心の歪みを発生させている箇所X(以下、「歪発生箇所X」と称する。)と調整に必要な重量を特定する。
【0051】
この歪発生箇所Xを特定すると、必要ウエイトを取り付けたバランス調整具10をゴムロール30軸方向に摺動させ、歪発生箇所Xからゴムロール30の内方へ向けた径方向の軸線上にバランス調整具10を配置する。このとき、バランス調整具10をゴムロール30の周方向に回転させる等して、図5に示されるように、バランス調整具10のウェイト20がゴムロール30の中心点を挟んで歪発生箇所Xのほぼ逆側に位置するように配置する。
【0052】
このようにして、バランス調整具10をロールのバランスを調整すべき位置に配置すると、調整ネジ16を正方向に回転させてリング状部材11の外径寸法を最大寸法に拡大し、その位置にバランス調整具10を固定する。その後、再びバランシングマシンを用いて歪発生箇所Xにおけるバランス状態を計測し、重心の歪みが解消されているか否かを判断する。
【0053】
この時、未だ重心の歪みが解消されていない場合には、調整ネジ16を逆方向に回転させてバランス調整具10を軸方向に摺動可能にし、適宜の位置に配置変更し、さらに図示しないバランシングマシンでバランス状態を計測する。このような作業を、バランス調整具10が適切な位置に固定されるまで繰り返し行う。
【0054】
そして、適切な位置にバランス調整具10が固定されると、歪発生箇所Xにより生じていた重心の歪みがバランス調整具10におけるウェイト20の荷重により相殺される。これにより、重心がほぼゴムロール30の中心軸線上に移動し、ゴムロール30のバランス状態が調整される。すなわち、ゴムロール30の回転時における共振の発生が防止される状態になる。
【0055】
このようにバランス調整具10は、バランス調整用のウェイト20を取り付けたリング状部材11をゴムロール30内の軸方向に摺動させて重心の歪みを調整すべき位置に配置し、その後リング状部材11の外径寸法を拡径させることにより固定される。
【0056】
これにより、ウェイト20を適宜の位置まで搬送し取り付ける作業を、従来に比し容易且つ適切に行うことが可能となる。特に、比較的長尺のゴムロール30にウェイト20を取り付ける場合において、ロール内部の手の届かない位置にウェイトを搬送し取り付ける作業が著しく容易となる。
【0057】
従って、バランス調整具10を取り付けたゴムロール30は適切なバランス状態を有し、一般的な回転速度でゴムロール30を回転させた場合のみならず、比較的高速でゴムロール30を回転させた場合にも共振の発生を適切に防止することができる。
【0058】
また、バランス調整具10は着脱自在にされ、ウェイト20の配置位置が適宜変更可能にされている。従って、ウェイト20の配置位置の変更は容易であり、かつウェイト20を適切に取り付けることができる。従って、通常約一年経過毎に行われるゴム32の交換作業に伴うロールバランスの再調整作業につき、主としてバランス調整具10の取り付け位置の変更で対応することが可能になる。
【0059】
なお、このバランス調整具10からウェイト20を取り外し、そのウェイト20の重さを付加した楔状部材12を用いる場合には、その楔状部材12を、歪発生箇所Xのゴムロール30中心点を挟んだ逆側に位置させた状態でバランス調整具10を取り付けると、楔状部材12の荷重により重心の歪みが相殺され、ゴムロール30のバランスを調整することができる。
【0060】
また、リング状部材11を弾性を有しない材質を用いて形成する場合には、リング状部材11の割溝11aをまたぐようにして図示しない引っ張りバネを取り付け、楔状部材12が初期位置に移動する際に、引っ張りバネによりリング状部材11の外径が強制的に縮径するようにされていても良い。
【0061】
また、縮径手段として、リング状部材11の周方向端面の一方にアリを設け、周方向端面の他方にアリ溝を設け、楔状部材12が初期位置に移動する際にアリとアリ溝とが嵌合してリング状部材11の外径寸法が縮径するようにしても良い。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明におけるロールのバランス調整法によれば、ロールのバランス調整作業を従来に比し容易且つ適切に行うことが可能となる。特に、リング状部材を縮径可能に構成することにより、バランス調整具の取り付け位置の変更が可能となり、バランス調整具の取り付け位置を適宜変更してウェイトを適切な位置に配置することが可能となる。
【0063】
従って、適切なロールのバランスに調整することができるため、ロールを比較的高速で回転させた場合でも共振の発生を防止することができる。また、調整ネジを回転させることによりリング状部材の外径寸法を変更し、バランス調整具の固定状態と摺動可能状態とを適宜選択可能にされているため、バランス調整具の取り付け作業をより容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるロールのバランス調整法に使用するバランス調整具を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたバランス調整具の楔状部材付近を部分的に拡大して示す斜視図である。
【図3】図1に示されたバランス調整具のウェイト取付け部を部分的に拡大して示す斜視図である。
【図4】図1に示されたバランス調整具を取り付けた状態のゴムロールを示す断面図である。
【図5】図1に示されたバランス調整具を取り付けたゴムロールを径方向で破断した断面図である。
【符号の説明】
10 バランス調整具
11 リング状部材
12 楔状部材
12a 調整孔
13 押さえ板(平板状部材)
13a 挿通孔
14 長孔
16 調整ネジ
20 ウェイト
30 ゴムロール(ロール)

Claims (3)

  1. 円筒状のロールのバランスを調整するロールのバランス調整法であって、
    軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と前記リング状部材の前記割溝に嵌合可能な楔状部材と前記リング状部材の内周面に着脱自在に設けられるバランス調整用のウェイトとを備えたバランス調整具を前記ロール内部に取り付け、
    前記バランス調整具を前記ロール内の軸方向又は周方向のいずれか一方向若しくは両方向に摺動させて前記ロールのバランスを調整すべき位置に配置し、
    前記リング状部材の前記割溝に嵌合させた前記楔状部材を軸方向に移動させて前記リング状部材を拡径することにより、
    前記リング状部材の外周面を前記ロールの内周面に圧接させて前記バランス調整具を固定して前記ロールのバランスを調整する
    ことを特徴とするロールのバランス調整法。
  2. 前記バランス調整具は、更に前記リング状部材の縮径手段を備え、
    前記バランス調整具が前記ロール内に固定された状態において、前記楔状部材を軸方向に移動させた際に、前記リング状部材が前記縮径手段により縮径されて、
    前記ロール内周面に対する前記リング状部材外周面の圧接状態が解除され、前記バランス調整具が前記ロールの軸方向に摺動可能となるようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載のロールのバランス調整法。
  3. 前記バランス調整具は、更にほぼ中間部に挿通孔を有し前記リング状部材の軸方向端面に前記割溝をまたぐようにして取り付けられ、
    且つ前記リング状部材に対して相対的移動が可能に取り付けられた平板状部材と、外周面に螺旋溝を有し前記平板状部材の前記挿通孔に挿通させて設けられる調整ネジとを備え、
    前記楔状部材は、その一端面から内方に向けて設けられた調整ネジ孔に前記調整ネジを螺合させて前記割溝に配置され、
    前記調整ネジを正逆回転させることにより前記楔状部材が前記リング状部材の前記割溝内で軸方向に摺動して前記リング状部材を拡径又は縮径させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のロールのバランス調整法。
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