JP7048445B2 - ロールのバランス調整法、及びロール - Google Patents

ロールのバランス調整法、及びロール Download PDF

Info

Publication number
JP7048445B2
JP7048445B2 JP2018141759A JP2018141759A JP7048445B2 JP 7048445 B2 JP7048445 B2 JP 7048445B2 JP 2018141759 A JP2018141759 A JP 2018141759A JP 2018141759 A JP2018141759 A JP 2018141759A JP 7048445 B2 JP7048445 B2 JP 7048445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaped member
ring
roll
balance
wedge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018141759A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020016324A (ja
Inventor
哲也 名藤
通弘 藤村
雅信 越畑
浩一 津覇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2018141759A priority Critical patent/JP7048445B2/ja
Publication of JP2020016324A publication Critical patent/JP2020016324A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7048445B2 publication Critical patent/JP7048445B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Description

本発明はロールのバランス調整法、及びロールに関する。
近年、製紙装置やフィルム製造装置等に関して、例えば径寸法の25倍以上の軸方向長さを有する比較的長尺のゴムロールを使用し、このような長尺のロールを可能な限り高速で回転させて使用し、紙やフィルム等の製造効率向上を図っている。
長尺のロールは、製造時の状態では、重心の歪みを有していることが少なくない。重心の歪みを有するロールを回転させると共振が発生するため、ロールの周方向のバランスを均一にする作業が施されていた。例えば、以下のようなロールのバランスの調整方法がある。軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、この割溝に嵌合可能な楔状部材と、リング状部材の内周面に着脱自在に設けられるウェイトとを備えたバランス調整具をロール内部に取り付け、バランス調整具をロールの軸方向と周方向との少なくとも一方向に摺動させてロールのバランスを調整すべき位置に配置する。その後、リング状部材の割溝に嵌合させた楔状部材を軸方向に移動させてリング状部材を拡径することにより、バランス調整具を固定する(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-6286号公報
従来技術では、ロール内に入れたバランス調整具をロールの軸方向や周方向に摺動させて調整位置まで移動させる。移動の際には、楔状部材と割溝の嵌合状態が緩くされ、リング状部材は外力を受けた際に、隙間の分だけ縮径可能な状態となる。もっとも、楔状部材と割溝との嵌合状態が緩い場合に、割溝の幅が縮まるようにリング状部材が縮径するのが、ロール内での円滑な移動の観点から好ましい。このリング状部材の縮径に関して、以下のような問題があった。
リング状部材の材料に金属を用いる場合、金属は等方性の材料であるため、縮径効果をリング状部材のみで発現することは難しい。また、リング状部材が金属製であると、リング状部材自体が重くなり、ロール内でのリング状部材の移動に係る作業性が低下するおそれがあった。また、例えば、リング状部材の割溝を跨ぐように引っ張りバネを設け、この引っ張りバネにより割溝の溝幅が強制的に狭められることでリング状部材を縮径させることが考えられる。しかし、バネの採用はリング状部材の構造を複雑化させ、ロール内での作業の煩雑性や困難性を上昇させるおそれがあった。また、リング状部材として、例えば炭素繊維強化樹脂成形体を用いることが考えられる。炭素繊維強化樹脂成形体は金属に比べて軽量であり、バランス調整に用いる金属ウェイトより比重が小さいため、より良い作業性やより良いバランス修正の効果を得ることができると考えられる。しかし、従来では、炭素繊維強化樹脂成形体により形成されたリング状部材自体に縮径作用を持たせるための十分な検討はなされていなかった。
本発明は、ロール内におけるリング状部材の移動作業をより好適に行い、ロールのバランス調整の作業性を向上可能なロールのバランス調整法、及びロールを提供することを目的とする。
本発明は、円筒状のロール内部に調整具を取り付けてそのバランスを調整するロールのバランス調整法およびロールであって、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。
(1) 円筒状のロール本体と、前記ロール本体の内部に固定配置可能なバランス調整具とを含むロールのバランス調整法であって、
軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、前記リング状部材の前記割溝に嵌合可能な楔状部材と、前記リング状部材の内周面に着脱自在に設けられるバランス調整用のウェイトとを備えた前記バランス調整具を前記ロール本体の内部に載置し、
前記バランス調整具を前記ロール本体の内部において、前記ロール本体の軸方向及び周方向のいずれか一方向若しくは両方向に摺動させて、前記バランス調整具を前記ロールのバランスを調整すべき位置に配置し、
前記リング状部材の前記割溝に嵌合させた前記楔状部材を前記リング状部材の軸方向に移動させて前記リング状部材を拡径することにより、前記リング状部材の外周面を前記ロール本体の内周面に圧接させて前記バランス調整具を固定する、ことを含み、
前記リング状部材として、強化繊維とマトリクス樹脂とを含み、前記強化繊維の10体積%以上が前記リング状部材の周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向している繊維強化樹脂成形体を用いる
ことを特徴とするロールのバランス調整法。
(2) 前記強化繊維が炭素繊維である(1)に記載のロールのバランス調整法。
(3) 前記炭素繊維の弾性率が200GPa以上である(2)に記載のロールのバランス調整法。
(4) 前記リング状部材の径方向における前記繊維強化樹脂成形体の厚みが3mm以上である、(1)から(3)のいずれか1項に記載のロールのバランス調整法。
(5) 前記バランス調整具が前記ロール本体の内部に固定された状態において、前記楔状部材を前記リング状部材の軸方向に移動させた際に、前記繊維強化樹脂成形体自体が有する弾性によって前記リング状部材が縮径されて、前記ロール本体の内周面に対する前記リング状部材の外周面の圧接状態が解除され、前記バランス調整具が前記ロール本体の軸方向に摺動可能となるようにした(1)から(4)のいずれか1項に記載のロールのバランス調整法。
(6) 前記バランス調整具は、ほぼ中間部に挿通孔を有し、前記割溝をまたぐとともに前記リング状部材の周方向において前記リング状部材に対する相対移動が可能な状態で前記リング状部材の軸方向端面に取り付けられた平板状部材と、外周面に螺旋溝を有し前記平板状部材の前記挿通孔に挿通させて前記リング状部材の軸方向に設けられる調整ネジとを備え、
前記楔状部材は、前記平板状部材に対向させる一端面から内方に向けて設けられた調整ネジ孔に前記調整ネジを螺合させて前記割溝に配置され、
前記調整ネジを正逆回転させることにより前記楔状部材が前記リング状部材の前記割溝内で軸方向に摺動して前記リング状部材を拡径又は縮径させる
(1)から(5)のいずれか1項に記載のロールのバランス調整法。
(7)円筒状のロール本体と、
前記ロール本体の内部に固定配置可能なバランス調整具と、を含み、
前記バランス調整具は、軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、前記リング状部材の前記割溝に嵌合可能な楔状部材と、前記リング状部材の内周面に着脱自在に設
けられるバランス調整用のウェイトとを備え、
前記リング状部材が、強化繊維とマトリクス樹脂とを含み、前記強化繊維の10体積%以上が前記リング状部材の周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向している繊維強化樹脂成形体である
ことを特徴とするロール。
(8) 前記強化繊維が炭素繊維である、(7)に記載のロール。
(9) 前記炭素繊維の弾性率が200GPa以上である、(8)に記載のロール。
(10) 前記リング状部材の径方向における前記繊維強化樹脂成形体の厚みが、3mm以上である、(7)から(9)のいずれか1項に記載のロール。
(11) 前記ロール本体の外周面がゴム層により形成されている、(7)から(10)のいずれか1項に記載のロール。
本発明によれば、ロール内におけるリング状部材の移動作業をより好適に行い、ロールのバランス調整の作業性を向上可能となる。
ロールのバランス調整方法の説明図である。 ロールのバランス調整方法の説明図である。 一実施形態におけるロールのバランス調整法に使用するバランス調整具を示す斜視図である。 図3に示したバランス調整具の楔状部材付近を部分的に拡大して示す斜視図である。 図3に示したバランス調整具のウェイト取付け部を部分的に拡大して示す斜視図である。 図3に示したバランス調整具を取り付けた状態のロールを示す軸方向の断面図である。 図3に示したバランス調整具を取り付けたロールを径方向で破断した断面図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係るロールのバランス調整法及びロールについて説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
実施形態に係るロールのバランス調整法は、以下の構成要素を含む。すなわち、本バランス調整法が適用されるロールは、円筒状のロール本体と、ロール本体の内部に固定配置可能なバランス調整具とを含む。
軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、リング状部材の割溝に嵌合可能な楔状部材と、リング状部材の内周面に着脱自在に設けられるバランス調整用のウェイトとを備えたバランス調整具を円筒状のロール本体の内部に載置する。
バランス調整具をロール本体の内部において、ロール本体の軸方向及び周方向のいずれか一方向若しくは両方向に摺動させて、バランス調整具をロールのバランスを調整すべき位置に配置する。
リング状部材の割溝に嵌合させた楔状部材をリング状部材の軸方向に移動させてリング状部材を拡径することにより、リング状部材の外周面をロール本体の内周面に圧接させてバランス調整具を固定する。
リング状部材として、強化繊維とマトリクス樹脂とを含み、強化繊維の10体積%以上が前記リング状部材の周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向している繊維強化樹脂成形体を用いる。
ロールは、バランス調整具を用いてバランスを調整し得る限りにおいて、その径寸法、軸方向長さまたは材質等の詳細な構成を問わない。ロールは、紙、シート、フィルムなどの製造装置等に使用されるあらゆる種類の産業用ロールを含むことができる。例えば、ロール本体の軸方向長さがロールの径寸法の25倍以上の長さを有するいわゆる長尺のロールについて用いるのが好ましい。ロールの用途は問わず、フィルムなどの巻き取り用であっても、ガイド用であっても、その他の用途であってもよい。ロールの材質は、例えば、金属(SUSなど)、樹脂、炭素、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維、或いは強化繊維と樹脂との複合材などである。また、ロールは、一つの円筒状部材の成形によって形成されるものであっても、二以上の円筒状部材を継手となる内管で連結して形成されるものであってもよい。
バランス調整具はロール本体の内部に少なくとも1つ設置される。但し、ロール本体が2以上の円筒状部材を継手となる内管で連結して構成されている場合には、バランス調整具を2以上設置するのが好ましい。バランス調整具の設置数は適宜の数を選択できる。バランス調整具は、リング状部材と、楔状部材と、ウェイトとを含む。
リング状部材は、割溝に嵌合させた楔状部材が軸方向に移動すると、割溝の溝幅が広がるように構成される。楔状部材は、リング状部材の径寸法を拡大させ、バランス調整具をロールのバランスを調整すべき位置に固定状態で取り付ける場ための部材である。また、楔状部材がその重さを利用してロールのバランスを調整することを兼ねている場合は、ロールのバランスを調整可能な重さを付加して形成する。
楔状部材は割溝に嵌合され、軸方向における一方向に移動した際に割溝の溝幅を広げるようにされていればその形状を問わない。また、楔状部材は、リング状部材と別体にされバランス調整具を固定する際に嵌合させるものでも良く、またはリング状部材に取り付けられていても良い。
ウェイトは、ロールのバランスを調整するのに適切な重さをバランス調整具に保持させる。ウェイトの利用により、楔状部材の交換を必要とせず、ウェイトを交換することで適切な重さをバランス調整具に保持させることが可能となる。なお、リング状部材はウェイトの搬送手段として機能する。また、楔状部材は主としてバランス調整具をロール内に固定する手段として機能する。バランス調整具を用いてロールのバランスを調整し得る限りにおいて、リング状部材の内周面にウェイトを取り付ける数や取り付け位置は適宜選択可能である。
実施形態に係るロールのバランス調整法では、バランス調整具をロール本体の内部に置き(載置し)、ロール本体の軸方向及び周方向のいずれか一方向若しくは両方向に摺動させて、バランス調整具をロールのバランスを調整すべき位置に配置する。例えば、ロール本体の一端からバランス調整具をロールの内部に置き、バランス調整具をロール本体の軸方向に摺動させ、必要に応じて周方向に回転させ、ロール本体のバランスを調整すべき位置に配置する。但し、バランス調整具のロール本体の内部への載置方向や配置方法は上記以外でもよい。上記配置後、リング状部材の割溝に嵌合させた楔状部材を軸方向に移動させて、リング状部材の径寸法を拡径する。これにより、リング状部材の外周面がロール本体の内周面に圧接し、バランス調整具がロール内に固定される。固定されたバランス調整具に取り付けられているウェイト又は楔状部材の重さによりロールのバランスが調整される。
図1(A)及び図1(B)は、ロールのバランス調整法の説明図である。図1(A)に示すように、ロール30は、軸方向と周方向とを有する円筒状のロール本体30Aを有す
る。ロール本体30Aの軸方向及び周方向はロール30の軸方向及び周方向でもある。このようなロール本体30Aの内部に、リング状部材11と楔状部材12とを含むバランス調整具10(ウェイトは図示を省略)を載置する。リング状部材11には、その軸方向に割溝11aが設けられている。バランス調整具10は、例えば、リング状部材11の軸方向をロール本体30Aの軸方向に一致させてロール本体30Aの内部に載置される。バランス調整具10は、ロール本体30Aの軸方向(図1(A)では紙面の左方向)に摺動させることで、ロール30のバランスを調整すべき位置(調整位置ともいう)に配置される。調整位置にバランス調整具10を配置すると、図1(B)に示すように、楔状部材12をリング状部材11の軸方向(図1(A)では紙面の左方向)に移動させて、楔状部材12を割溝11aに嵌合させ、さらに楔状部材12を軸方向(紙面左方向)に移動させる。すると、リング状部材11が拡径し、リング状部材11の周方向の面(周面)11bがロール本体30Aの内周面30aに圧接する。このような状態を維持することで、バランス調整具10がロール本体30Aの内部にて固定され、ロール30のバランスの調整が図られる。
また、実施形態に係るロールのバランス調整法では、バランス調整具10に含まれるリング状部材11として、強化繊維とマトリクス樹脂とを含み、強化繊維の10体積%以上がリング状部材11の周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向している繊維強化樹脂成形体を用いる。
上記特徴を、図2(A)及び図2(B)を用いて説明する。図2(A)において、リング状部材11(割溝11aの図示を省略)は、強化繊維とマトリクス樹脂とを含む繊維強化樹脂複合材を用いて図2(B)に示すようなリング状に成形された繊維強化樹脂成形体である。「繊維強化樹脂成形体を構成する強化繊維の10体積%以上がリング状部材11の周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向している」とは、リング状部材11の周方向(図2(A)において、破線の仮想線Vで示す)を90°とした場合における90°±10°以内の角度範囲A(仮想線Vと交わる仮想線Dで示す)内に配向している強化繊維が、繊維強化樹脂成形体を構成する強化繊維のうちの10体積%以上存在することを意味する。換言すれば、10体積%の強化繊維がほぼ周方向に伸びていることを意味する。なお、図2(A)では角度範囲Aを誇張して描画している。
繊維強化樹脂成形体が上記特徴を有することで、リング状部材11は、割溝11aに楔状部材12が嵌合していない状態では、自身の持つ弾性により割溝11aの溝幅を縮める方向に収縮する。すなわち、リング状部材11が好適に縮径する。これにより、ロール30内でバランス調整具10を摺動させる作業が容易となる。これに対し、割溝11aに楔状部材が嵌め込まれることで、リング状部材11は拡径する。
上記した角度範囲Aに収まらない強化繊維の割合が増えると、リング状部材11自体の弾性による縮径の効果は減少する。角度範囲Aに収まる(周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向)している強化繊維の割合は、好ましくは、15体積%以上である。上限は特にないが、成形時の作業性と成形体のクラック発生を抑制するという観点から、30体積%以下が好ましく、特に好ましくは25体積%以下である。
強化繊維は、ガラス繊維や炭素繊維を含む。もっとも、繊維強化樹脂成形体は、強化繊維として炭素繊維を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成形により形成されるのが好ましい。強化繊維として炭素繊維を用いた繊維強化樹脂成形体を炭素繊維強化樹脂成形体と呼ぶ。炭素繊維強化樹脂成形体を構成する炭素繊維は、弾性率が200GPa以上である炭素繊維が好ましい。炭素繊維の弾性率が低すぎる縮径効果がなく、好ましくは30GPa以上である。上限は特にないが、材料コストの観点から、通常は640GPa以下、好ましくは300GPa以下である。なお、本実施形態において説明する炭素繊
維の弾性率は、ASTMD4018に準拠して測定した値である。
リング状部材11は、図2(B)に示すように、周方向及び径方向を有し、径方向において、一定の厚みdを有するリング状(割溝11a及び外周面11bを有する円筒状)に形成されるのが好ましい。リング状部材11の厚みdは、例えば3mmである。厚みdは、完成品へのバランス修正具取り付け時の作業性の観点から3mm以上であることが好ましく、特に好ましくは5mm以上である。厚みdの上限はリング状部材11の径方向の大きさにより制限されるが、材料コストの観点から、20mm以下が好ましく、15mm以下が特に好ましい。
リング状部材11(炭素繊維強化樹脂成形体)を構成する炭素繊維の原料は問わない。もっとも、ポリアクリロニトリル(以後PANと略す。)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維から選ばれる1つ以上の炭素繊維を含むことが好ましく、PAN系炭素繊維あるいはピッチ系炭素繊維を含むことがより好ましい。
炭素繊維の平均直径は、3~30μm程度が好ましく、4~20μmがより好ましく、4~14μmがさらに好ましい。この範囲内であるとリング状に繊維を配向させる際に屈曲しやすいため、成形性に優れる。前記リング状部材(前記炭素繊維強化樹脂成形体)を構成するマトリクス樹脂は、好ましくはエポキシ樹脂である。
上述した繊維強化樹脂成形体や炭素繊維強化樹脂成形体をリング状部材11として用いることにより、ロールのバランス調整法は、以下のような構成要素を含むことができる。すなわち、バランス調整具10がロール30の内部に固定された状態において、楔状部材12を軸方向に移動させた際に、繊維強化樹脂成形体自体が有する弾性によってリング状部材11が縮径する。これによって、ロール本体30Aの内周面30aに対するリング状部材11の外周面11bの圧接状態が解除され、バランス調整具10がロール本体30Aの軸方向に摺動可能となる。このような構成を備えることで、一旦固定して取り付けたバランス調整具10を配置変更して再度取り付ける作業が容易となる。
また、ロールのバランス調整法は、以下のような構成要素を付加しても良い。すなわち、バランス調整具10が、平板状部材と調整ネジとを備える構成とする。平板状部材は、ほぼ中間部に挿通孔を有し、割溝11aを跨ぐとともにリング状部材11の周方向においてリング状部材11に対する相対移動が可能な状態でリング状部材の軸方向端面に取り付けられる。調整ネジは、外周面に螺旋溝を有し平板状部材の挿通孔に挿通させてリング状部材11の軸方向に設けられる。この場合、楔状部材12は、平板状部材に対向させる一端面から内方に向けて設けられた調整ネジ孔に調整ネジを螺合させて割溝11aに配置され、調整ネジを正逆回転させることにより楔状部材12がリング状部材11の割溝11a内でリング状部材11の軸方向に摺動してリング状部材11を拡径又は縮径させる。
このようにすると、調整ネジを正逆回転させることでリング状部材11の径寸法を拡大または縮小することができ、バランス調整具10を固定状態あるいは摺動可能状態にすることが可能となる。
また、ロール本体30Aの外周面30bがゴム層により形成されている構成を採用可能である。但し、外周面30bは、金属メッキ、金属スリーブ、金属やセラミック等の無機物、或いは樹脂等の有機物の溶射により形成された表面材の層(コート層)を有していてもよい。
以下、図3~図7を用いて、実施形態に係るロールのバランス調整法及びロールを更に詳細に説明する。図3~図5には、一実施形態におけるロールのバランス調整法に用いる
バランス調整具が符号10で示されている。
バランス調整具10は、リング状部材11と、楔状部材12と、ウェイト20とを含む。リング状部材11は、その軸方向に所定幅を有する環状帯であり、所定の位置にはその軸方向に楔形状をした割溝11aが形成されている。ここで、「軸方向に楔形状をした割溝11a」とは、軸方向の一端面である正面側から他端面である背面側になるにつれ溝幅が大きくなるように形成された割溝を意味する。
リング状部材11は、上述した炭素繊維強化樹脂成形体であり、炭素繊維強化樹脂成形体を構成する炭素繊維のうち、10体積%以上が、リング状部材11の周方向を90°とした場合における90°±10以内に配向されている。これにより、リング状部材11は、割溝11aの溝幅を一旦広げた後、その広げた力を解除すると、炭素繊維強化樹脂成形体自身が有する弾性による復元力が生じ、割溝11aの溝幅が広げる力を加える前の溝幅とほぼ同じ幅まで戻るようにされている。リング状部材11の径寸法は、割溝11aに対する楔状部材12の嵌合が緩い状態において、ロール本体30Aの内径よりもやや小さくなるように形成されている。これにより、バランス調整具10は、楔状部材12を軸方向に進退させることで、リング状部材11の外径寸法を拡大または縮小可能となっている。なお、リング状部材11の軸方向において、割溝11aへ楔状部材を深く食い込ませる(嵌合をきつくする)方向を楔状部材12の進行方向とし、その逆方向を楔状部材12の退行方向とする。
リング状部材11における一方の軸方向端面11cには、図2や図3に示すように、割溝11aを跨ぐようにして平板状の押さえ板13(平板状部材に相当)が設けられている。具体的には、押さえ板13の両端部には、リング状部材11の周方向に沿って長孔14がそれぞれ設けられている。押さえ板13は各長孔14をそれぞれ挿通する位置決めネジ15、15によりリング状部材11に取り付けられ(保持され)、リング状部材11に対してその周方向に相対的な移動が可能となっている。
すなわち、リング状部材11の外径が拡径する際には、各位置決めネジ15の位置が長孔14に沿って押さえ板13の両端へ向けて移動する。これに対し、リング状部材11の外径が縮径する際には、各位置決めネジ15の位置が挿通孔13a側へ長孔14に沿って移動する。
また、押さえ板13のほぼ中心(中間部)には挿通孔13aが設けられている。挿通孔13aには、楔状部材12と螺合させる調整ネジ16がリング状部材11の正面側(押さえ板13が設けられた軸方向端面側)から挿通した状態で設けられている。この調整ネジ16は、一端側(楔状部材の進行方向側)にネジ頭が設けられ、他端側の外周面には螺旋溝が形成され、この他端が挿通孔13aに挿通している。
楔状部材12は、一例として、ほぼ四角錐台の楔状にされている。楔状部材12は、調整ネジ孔12aを有している。調整ネジ孔12aは、図4に示すように、楔状部材12の、リング状部材11の軸方向に配置される一端面から他端面(反対側の面)へ貫通している。但し、他端面へ貫通することを要しない場合もある。調整ネジ孔12aには調整ネジ16の他端が楔状部材12の一端面側から挿入され、調整ネジ16と調整ネジ孔12aとが螺合して楔状部材12を割溝11aに配置させた状態になっている。
なお、リング状部材11における割溝11aの溝幅は、楔状部材12を割溝11aに嵌合させる前の状態にあっては、リング状部材11(炭素繊維強化樹脂成形体)自身が有する弾性により、楔状部材12の幅長さ(リング状部材11の周方向における長さ)よりも短い長さとなる。楔状部材12は、割溝11aの溝幅を広げるとともに、割溝11aをな
すリング状部材11の周方向両側面を押圧する状態で配置されている。ウェイト20は、図5に示されるように、リング状部材11の周方向に沿う複数の摺動孔21を有する円弧状の板状を有し、リング状部材11の内周面に取り付けられている。
リング状部材11の内周面にはウェイト20を取り付けるためのネジ孔24が複数設けられている。ウェイト20は、各摺動孔21に固定ネジ22を挿通させ、続いて固定ネジ22をネジ孔24に螺合させ、さらに固定ネジ22と螺合状態にあるナット23で締め付けることにより取り付けられている。
ウェイト20の摺動孔21により、固定ネジ22に対するウェイト20の位置が変動可能にされている。なお、ウェイト20は着脱自在であり、ウェイト20の取り替えは容易である。重さや、長さの異なる複数のウェイト20を用いたり、ウェイト20の取り付け数を変えたりすることで、ウェイト20の重さの変更を容易に行うことができる。なお、本実施形態では、バランス調整具10は、ウェイト20を取り外すと、そのバランス状態がほぼ均一になるように形成されている。但し、これは必須の要件ではない。
バランス調整具10によると、調整ネジ16を回転させて割溝11a内に嵌合させた楔状部材12の配置位置を変更すると、リング状部材11の外径寸法が変動する。具体的には、割溝11aに嵌合させた楔状部材12が、その他端面とリング状部材11の背面側端面とをほぼ一致させて配置(このときの位置を「初期位置」と称する。)されている場合には、リング状部材11の外径がバランス調整具10を取り付けるロール30(図6参照)の内径よりも小さい外径寸法になる。このときの径寸法を「初期寸法」と称する。
楔状部材12が初期位置にある場合において、調整ネジ16を正方向(楔状部材12の進行方向)、すなわち締める方向に回転させると、楔状部材12がリング状部材11の軸方向正面側に移動する(押さえ板13に近づく)。このとき、割溝11aの溝幅は楔状部材12によりさらに押し広げられ、リング状部材11の外径寸法が拡大し、最終的にはロール30のロール本体30Aの内径とほぼ同じ外径寸法になる。このときの径寸法を「最大寸法」と称する。
これに対し、リング状部材11の外径寸法が最大寸法である状態から、調整ネジ16を逆方向(楔状部材12の退行方向)、すなわち緩める方向に回転させると、楔状部材12がリング状部材11の軸方向背面側に移動する(押さえ板から遠ざかる)。このとき、割溝11aの溝幅は、リング状部材11(炭素繊維強化樹脂成形体)の復元力(弾性)により狭まり、これに伴いリング状部材11の外径寸法も縮径し、楔状部材12が初期位置まで移動するとリング状部材11の外径寸法は初期寸法に戻る。
このようなバランス調整具10は、図6に示されるようなロール30に取り付けられる。ここに、ロール30の概略を説明すると、ロール30は、円筒状のロール本体30Aと、筒状部材33及び端部部材34から構成されている。ロール本体30Aは、芯材31と、ゴム層32とを含む。芯材31は二つのCFRP製の円筒状部材を内管36で結合して形成されている。ゴム層32は、芯材31の外周面にゴムをライニングすることによって形成され、その表面には切削加工が施されている。また、筒状部材33は芯材31の両端部に挿入して取り付けられている。端部部材34はシャフト35を有しており、このシャフト35をロール30の中心軸線上に配置させて筒状部材33にそれぞれ取り付けられている。
本実施形態では、二つのバランス調整具10が、各筒状部材33と内管36との間におけるロール本体30Aの内部に固定される。バランス調整具10は、その正面側をロール30の端部に向け、且つリング状部材11の外周面11bをロール本体30A(芯材31
)の内周面に沿わせ、ロール30(ロール本体30A)の軸方向及び周方向に摺動可能に設けられる。なお、各バランス調整具10の固定設置は、ウェイト20が取り付けられていない状態で、芯材31に対するゴムライニング工程及びゴム表面切削工程(ゴム層32の形成工程)の前に行うのが好ましい。もっとも、ゴム層32の形成後であってもよい。
例えば、バランス調整具10は、ゴムライニング工程及びゴム表面切削工程の際には、ウェイト20を外した状態で固定しておく。すなわち、調整ネジ16を正方向に回転させて楔状部材12をリング状部材11の軸方向正面側に移動させることにより、リング状部材11の外径寸法を最大寸法まで拡径させる。すると、リング状部材11の外周面がロール本体30Aの内周面に圧接し、バランス調整具10がロール30内に固定される。
これに対し、ロール30のバランスを調整する際には、調整ネジ16を逆方向に回転させて楔状部材12をリング状部材11の軸方向背面側の初期位置まで移動させて、リング状部材11の外径寸法を初期寸法まで縮径させる。すると、ロール本体30Aの内周面に対するリング状部材11の外周面11bの圧接状態が解除され、リング状部材11が縮径し、バランス調整具10がロール30の軸方向に容易に摺動可能な状態になる。
ゴムライニング工程及びゴム表面切削工程後に、以下のようなロール30のバランス調整作業を行う。最初に、図示しないバランシングマシンを用いてロール30のバランス状態を計測する。これにより、芯材31の撓み等により重心の歪みを発生させている箇所X(以下、「歪発生箇所X」と称する。)と調整に必要な重量を特定する。
歪発生箇所Xを特定すると、必要な量のウェイト20を取り付けたバランス調整具10をロール本体30Aの内部に載置してロール本体30Aの軸方向に摺動させ、歪発生箇所Xからロール30の内方へ向けた径方向の軸線上にバランス調整具10を配置する。このとき、バランス調整具10をロール30の周方向に回転させる等して、図7に示すように、バランス調整具10のウェイト20がロール30の中心点を挟んで歪発生箇所Xのほぼ逆側に位置するように配置する。
このようにして、バランス調整具10をロール30のバランスを調整すべき位置に配置すると、調整ネジ16を正方向に回転させてリング状部材11の外径寸法を最大寸法に拡大し、その位置にバランス調整具10を固定する。その後、再びバランシングマシンを用いて歪発生箇所Xにおけるバランス状態を計測し、重心の歪みが解消されているか否かを判断する。
未だ重心の歪みが解消されていない場合には、調整ネジ16を逆方向に回転させてバランス調整具10を軸方向に摺動可能にし、適宜の位置に配置変更し、さらに図示しないバランシングマシンでバランス状態を計測する。このような作業を、バランス調整具10が適切な位置に固定されるまで繰り返し行う。このようなバランス調整具10の位置変更は、リング状部材11が楔状部材12を緩めることで自動的に縮径することで、容易に行うことができる。すなわち、ロール30内におけるリング状部材11の移動作業をより好適に行い、ロール30のバランス調整の作業性が向上する。
そして、適切な位置にバランス調整具10が固定されると、歪発生箇所Xにより生じていた重心の歪みがバランス調整具10におけるウェイト20の荷重により相殺される。これにより、重心がほぼロール30の中心軸線上に移動し、ロール30のバランス状態が調整される。すなわち、ロール30の回転時における共振の発生が抑えられる状態になる。
このように、バランス調整具10は、バランス調整用のウェイト20を取り付けたリング状部材11をロール30内の軸方向に摺動させて重心の歪みを調整すべき位置に配置し
、その後リング状部材11の外径寸法を拡径させることにより固定される。
これにより、重心の歪みを解消するためのウェイト20を適宜の位置まで搬送し取り付ける作業を、容易且つ適切に行うことが可能となる。特に、長尺のロール30にウェイト20を取り付ける場合において、ロール内部の手の届かない位置にウェイトを搬送し取り付ける作業が著しく容易となる。
従って、バランス調整具10を固定したロール30は適切なバランス状態を有し、一般的な回転速度でロール30を回転させた場合のみならず、比較的高速でロール30を回転させた場合にも共振の発生を適切に抑えることができる。
また、バランス調整具10は着脱自在にされ、ロール本体30A内におけるウェイト20の配置位置が適宜変更可能にされている。従って、ウェイト20の配置位置の変更は容易であり、かつウェイト20を適切に取り付けることができる。従って、通常約一年経過毎に行われるゴム層32の交換作業に伴うロールバランスの再調整作業につき、主としてバランス調整具10の取り付け位置の変更で対応することが可能になる。
なお、バランス調整具10からウェイト20を取り外し、そのウェイト20の重さを付加した楔状部材12を用いる場合には、その楔状部材12を、歪発生箇所Xのゴムロール30中心点を挟んだ逆側に位置させた状態でバランス調整具10を取り付ける。すると、楔状部材12の荷重により重心の歪みが相殺され、ゴムロール30のバランスを調整することができる。
[実施例1]
実施例1に係るバランス調整具10として、炭素繊維強化プラスチック製のゴムロール用のバランス調整具を製作した。実施例1に係るゴムロールは、炭素繊維強化プラスチックで形成したロール芯の外周面にゴム層を設けたものである。このゴムロールの外径(ゴム層を含んだ外径)寸法は250mmであり、ロール芯の外径は230mm、ロール芯の内径は210mmで、面長は7000mmである。
実施例1に係るバランス調整具10は、図3に示した構成を有し、そのリング状部材11のベースとなる成形管をフィラメントワインディング方式にて成形した。成形管の寸法は、外径210mm、内径180mm、長さ300mmとした。リング状部材11の材質に用いるマトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を使用した。強化繊維として、弾性率が240GPaの炭素繊維を使用した。リング状部材11の周方向を90°とした場合に、炭素繊維の16体積%が±5°(85°~95°)以内に配向するように積層設計し、常法により成形・硬化させて成形管を得た。成形管の表層を設計寸法まで研磨し、軸方向に楔形状をした割溝11aを形成することでリング状部材11を得た。割溝11aの形成によりリング状部材11の外径は2%縮径した。このようなリング状部材11を用いたバランス調整具10によって、上述したゴムロールのロール芯内でその軸方向に摺動可能となり、適切なバランス調整を行うことができた。
[比較例1]
実施例1で説明したゴムロールに関して、比較例1に係るバランス調整具を製作するに当たり、リング状部材のベースとなる成形管をフィラメントワインディング方式にて成形した。成形管の寸法及び材質(エポキシ樹脂及び弾性率が240GPaの炭素繊維)は実施例1と同じにした。リング状部材の周方向を90°とした場合に、炭素繊維の5体積%が±5°(85°~95°)以内に配向するように積層設計し、常法により成形・硬化させて成形管を得た。成形管の表層を設計寸法まで研磨し、軸方向に楔形状をした割溝11aを形成することでリング状部材11を得た。成形管の表層を設計寸法まで研磨し、軸方
向に楔形状をした割溝を形成することでリング状部材を得た。割溝の形成によって、その外径は3%拡径した。このようなリング状部材を用いたバランス調整具では、ゴムロールのロール芯内でリング状部材を好適に軸方向に摺動させることができず、適切なバランス調整を行うことができなかった。
10 バランス調整具
11 リング状部材
11a 割溝
11b リング状部材の外周面
11c リング状部材の軸方向端面
12 楔状部材
12a 調整ネジ孔
13 押さえ板(平板状部材)
13a 挿通孔
14 長孔
16 調整ネジ
20 ウェイト
30 ロール
30A ロール本体

Claims (11)

  1. 円筒状のロール本体と、前記ロール本体の内部に固定配置可能なバランス調整具とを含むロールのバランス調整法であって、
    軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、前記リング状部材の前記割溝に嵌合可能な楔状部材と、前記リング状部材の内周面に着脱自在に設けられるバランス調整用のウェイトとを備えた前記バランス調整具を前記ロール本体の内部に載置し、
    前記バランス調整具を前記ロール本体の内部において、前記ロール本体の軸方向及び周方向のいずれか一方向若しくは両方向に摺動させて、前記バランス調整具を前記ロールのバランスを調整すべき位置に配置し、
    前記リング状部材の前記割溝に嵌合させた前記楔状部材を前記リング状部材の軸方向に移動させて前記リング状部材を拡径することにより、前記リング状部材の外周面を前記ロール本体の内周面に圧接させて前記バランス調整具を固定する、ことを含み、
    前記リング状部材として、強化繊維とマトリクス樹脂とを含み、前記強化繊維の10体積%以上が前記リング状部材の周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向している繊維強化樹脂成形体を用いる
    ことを特徴とするロールのバランス調整法。
  2. 前記強化繊維が炭素繊維である
    請求項1に記載のロールのバランス調整法。
  3. 前記炭素繊維の弾性率が200GPa以上である
    請求項2に記載のロールのバランス調整法。
  4. 前記リング状部材の径方向における前記繊維強化樹脂成形体の厚みが3mm以上である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のロールのバランス調整法。
  5. 前記バランス調整具が前記ロール本体の内部に固定された状態において、前記楔状部材を前記リング状部材の軸方向に移動させた際に、前記繊維強化樹脂成形体自体が有する弾性によって前記リング状部材が縮径されて、前記ロール本体の内周面に対する前記リング状部材の外周面の圧接状態が解除され、前記バランス調整具が前記ロール本体の軸方向に摺動可能となるようにした
    請求項1から4のいずれか1項に記載のロールのバランス調整法。
  6. 前記バランス調整具は、ほぼ中間部に挿通孔を有し、前記割溝を跨ぐとともに前記リング状部材の周方向において前記リング状部材に対する相対移動が可能な状態で前記リング状部材の軸方向端面に取り付けられた平板状部材と、外周面に螺旋溝を有し前記平板状部材の前記挿通孔に挿通させて前記リング状部材の軸方向に設けられる調整ネジとを備え、
    前記楔状部材は、前記平板状部材に対向させる一端面から内方に向けて設けられた調整ネジ孔に前記調整ネジを螺合させて前記割溝に配置され、
    前記調整ネジを正逆回転させることにより前記楔状部材が前記リング状部材の前記割溝内で軸方向に摺動して前記リング状部材を拡径又は縮径させる
    請求項1から5のいずれか1項に記載のロールのバランス調整法。
  7. 円筒状のロール本体と、
    前記ロール本体の内部に固定配置可能なバランス調整具と、を含み、
    前記バランス調整具は、軸方向に楔形状をした割溝を有するリング状部材と、前記リング状部材の前記割溝に嵌合可能な楔状部材と、前記リング状部材の内周面に着脱自在に設
    けられるバランス調整用のウェイトとを備え、
    前記リング状部材が、強化繊維とマトリクス樹脂とを含み、前記強化繊維の10体積%以上が前記リング状部材の周方向を90°とした場合に90°±10°以内に配向している繊維強化樹脂成形体である
    ことを特徴とするロール。
  8. 前記強化繊維が炭素繊維である、
    請求項7に記載のロール。
  9. 前記炭素繊維の弾性率が200GPa以上である、
    請求項8に記載のロール。
  10. 前記リング状部材の径方向における前記繊維強化樹脂成形体の厚みが、3mm以上である、
    請求項7から9のいずれか1項に記載のロール。
  11. 前記ロール本体の外周面がゴム層により形成されている、
    請求項7から10のいずれか1項に記載のロール。
JP2018141759A 2018-07-27 2018-07-27 ロールのバランス調整法、及びロール Active JP7048445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018141759A JP7048445B2 (ja) 2018-07-27 2018-07-27 ロールのバランス調整法、及びロール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018141759A JP7048445B2 (ja) 2018-07-27 2018-07-27 ロールのバランス調整法、及びロール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020016324A JP2020016324A (ja) 2020-01-30
JP7048445B2 true JP7048445B2 (ja) 2022-04-05

Family

ID=69579514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018141759A Active JP7048445B2 (ja) 2018-07-27 2018-07-27 ロールのバランス調整法、及びロール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7048445B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6369812B2 (ja) 2015-04-21 2018-08-08 独立行政法人 国立印刷局 透過模様印刷物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0342254Y2 (ja) * 1986-10-27 1991-09-04
JP3568725B2 (ja) * 1997-01-17 2004-09-22 サンレイ工機株式会社 ロールのバランス調整法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6369812B2 (ja) 2015-04-21 2018-08-08 独立行政法人 国立印刷局 透過模様印刷物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020016324A (ja) 2020-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5324248A (en) Composite machine roll and method of manufacture
TWI503201B (zh) Spindle device
US8910572B2 (en) High-rigidity adapter sleeves for printing sleeves
US10245647B2 (en) Tool holding fixture
JP5859007B2 (ja) 特にフレキソグラフィック印刷に適した印刷用プレスシリンダのための多層内径可変スリーブ
JP7048445B2 (ja) ロールのバランス調整法、及びロール
JP2012075375A (ja) 釣糸ガイド
US7195417B2 (en) Composite tie rod
JP5423017B2 (ja) ロール及びその製造方法
JP6312491B2 (ja) ウェブ製造用ロール
JP3568725B2 (ja) ロールのバランス調整法
JP7169105B2 (ja) 接圧ロール
JP5501033B2 (ja) ガイドローラ及びその製造方法
KR20180105076A (ko) 설치 부품이 설치된 장대체를 갖는 낚싯대, 관상체 및 그 제조 방법
JP5712838B2 (ja) 主軸装置
JP3221124B2 (ja) 金属被覆繊維強化プラスチック製ロール
CN104943190A (zh) 输送辊及输送辊的制造方法
CN112298953B (zh) 一种碳纤维辊筒组件及其生产工艺
JP6210123B2 (ja) モータビルトイン方式の主軸装置
JP5943116B2 (ja) モータビルトイン方式の主軸装置
JP6839958B2 (ja) 芯材および芯材の製作方法
JP5831352B2 (ja) ワイヤソーガイドローラ及びその外側ローラ
JP5712840B2 (ja) モータビルトイン方式の主軸装置
JP7252541B2 (ja) 工作機械の主軸
Bass et al. Preventing negative issues at nip roller

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7048445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150