JP3568021B2 - コンベア装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1コンベアにより搬送される物品を、前記第1コンベアの搬送経路に設けられた分岐部から、この第1コンベアに対してその搬送方向と交差する方向に物品を搬送する第2コンベアに物品を分岐させる分岐作用状態と、前記第1コンベアによる搬送を許容する非作用状態とに切り換え自在な分岐搬送手段が備えられ、分岐すべき物品が前記分岐部に搬送されて来たことを検出する在荷検出手段と、前記第1コンベアにて搬送されてきた物品を受け止めて前記分岐部にて停止させるストッパー機構と、前記分岐搬送手段の切り換え作動、並びに、前記第1コンベアの搬送作動を制御する制御手段とが備えられたコンベア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記コンベア装置において、従来では、例えば実開平4−68023号に示されるように、第1コンベアにより搬送される物品が分岐部まで搬送されてストッパー機構にて受け止められた後、分岐搬送手段を非作用状態から分岐作用状態に切り換えるように構成されたものがあった。
【0003】
しかしながら、上記従来構成においては、第1コンベアによる搬送作動は、物品がストッパー機構にて受け止められるまで行われることから、第1コンベアにより強制的に搬送される物品がストッパー機構に衝突して、そのときの衝撃によって、物品の搬送状態が乱れたりする等の不都合があることから、次のような改良構成が考えられた。
【0004】
つまり、分岐すべき物品が分岐部に搬送されて来たことが在荷検出手段によって検出されると、ストッパー機構に衝突する手前でストッパー機構に対する衝撃を緩和するために第1コンベアによる搬送を停止して、その後、搬送移動の慣性力により物品がストッパー機構に受け止められて適正な分岐用姿勢になるまで移動させるように構成して、第1コンベアの搬送を停止してから物品が慣性力によりストッパー機構に受け止められるまで移動すると予測される所定時間が経過した後に、分岐搬送手段を非作用状態から分岐作用状態に切り換えるように制御する構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記改良構成においては、物品が第1コンベアにて搬送されている途中にてストッパー機構に衝突することに起因して物品の搬送状態が乱れる等の不利を回避できるものの、前記所定時間が常に一定であることから、次のような点で未だ改善の余地があった。
【0006】
つまり、上記構成では、在荷検出手段にて物品が検出されて第1コンベアの搬送を停止してから分岐搬送手段を分岐作用状態に切り換えるまでの所定時間として、例えば、搬送を停止してからストッパー機構に受け止められるまで移動すると予測される時間帯のうち最も長い時間が設定されると、例えば荷重の大きな物品が搬送されてきたときには、第1コンベアの搬送停止からストッパー機構により受け止められ物品が適正な分岐用姿勢になるまでの所要時間が、前記所定時間よりも短い時間で済むにもかかわらず前記所定時間が経過する間は分岐搬送手段の切り換えが行われないので、それだけ無駄時間が生じて搬送能力を低下させるという不利がある。
【0007】
又、前記所定時間として、例えば、搬送を停止してからストッパー機構に受け止められるまで移動すると予測される時間帯のうちの中間的な値が設定されると、上記したような無駄時間を極力短くすることができるものの、例えば荷重の小さい物品が搬送されてきたときには、第1コンベアの搬送停止からストッパー機構により受け止められ物品が適正な分岐用姿勢になるまでの所要時間が、前記所定時間よりも長くかかるにもかかわらず、前記所定時間が経過すると分岐搬送手段の切り換えが行われるので、適正な分岐用姿勢になる前に分岐搬送手段が分岐作用状態に切り換えられて物品の搬送状態が乱れる等のおそれがある。
【0008】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、物品がストッパー機構に接当する際の衝撃による不具合を未然に回避しながらも、物品の荷重の差異にかかわらず、しかも、搬送能力の低下を招くことなく、常に適正な分岐用姿勢にて物品を分岐させることが可能となるコンベア装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の特徴構成によれば、制御手段は、分岐すべき物品が分岐部に搬送されて来たことが在荷検出手段により検出されるに伴って、第1コンベアの搬送作動を停止させ、その後、設定遅延時間が経過すると、分岐搬送手段を分岐作用状態に切り換える。しかも、制御手段は、分岐すべき物品の重量の情報に基づいて物品の重量が大であるほど短くなるように前記設定遅延時間を変更設定することになる。
【0010】
つまり、第1コンベアにより搬送されてきた分岐すべき物品は、第1コンベアの搬送作動が停止されると、搬送移動の慣性力にて搬送方向下手側に向けて滑り移動するが、設定遅延時間が経過してストッパー機構にて適正な分岐用姿勢に受け止められた後に、分岐搬送手段が分岐作用状態に切り換えられて、第1コンベアに対してその搬送方向と交差する方向に物品を搬送する第2コンベアに物品を分岐させることになるが、分岐すべき物品の重量が大であるほど前記設定遅延時間が短くなるように変更設定されることから、重量の大きな物品の場合には、設定遅延時間として短い時間が設定され、逆に、重量の小さい物品の場合には、設定遅延時間として長い時間が設定される。
【0011】
従って、第1コンベアにて搬送されている状態で物品がストッパー機構に接当するような従来構成に較べて、物品がストッパー機構に接当する際の衝撃を緩和することができる。
そして、重量の大きな物品の場合には、第1コンベアの搬送作動が停止された後における搬送移動による慣性力が大きく、ストッパー機構に接当するまでの所要時間は短くなるので、第1コンベアの搬送停止後、短く設定された設定遅延時間が経過すると第2コンベアへの分岐が行われるので、無駄な待機時間が少なく搬送能力を極力向上させることができる。しかも、重量の小さい物品の場合には、慣性力が小さく第1コンベアの搬送停止後ストッパー機構に接当するまでの所要時間は長くなるので、第1コンベアの搬送停止後、長く設定された設定遅延時間が経過するまで第2コンベアへの分岐が行われないので、適正な分岐用姿勢になる前に分岐作動が行われて、分岐作動の際に物品の搬送姿勢が乱れる等の不利を回避できることになる。
【0012】
その結果、物品がストッパー機構に接当する際の衝撃を緩和させることができるものでありながら、搬送能力の低下や搬送乱れ等の不利を招くことなく、物品の重量の差異にかかわらず適正な分岐用姿勢にて物品を分岐させることが可能となるコンベア装置を提供できるに至った。
【0013】
請求項2に記載の特徴構成によれば、請求項1において、前記分岐すべき物品の重量を計測する重量計測手段が、前記第1コンベアにおける前記分岐部よりも搬送上手側に設けられ、前記制御手段は、前記重量計測手段の計測情報に基づいて前記設定遅延時間を変更設定するように構成されている。
【0014】
従って、第1コンベアにて分岐部に向けて搬送される物品の実重量を計測して、その計測結果に基づいて設定遅延時間を設定するようにしたので、例えば、重量の異なる複数種の物品が混在するような場合であっても、分岐される物品に対して常に適切な設定遅延時間を設定することができる。
【0015】
請求項3に記載の特徴構成によれば、請求項1において、前記制御手段は、搬送される物品に対応して予め入力設定された前記物品の重量情報に基づいて、前記設定遅延時間を変更設定するように構成されている。
【0016】
従って、物品の重量情報が予め入力設定されているので、例えば、搬送経路中において物品の重量を計測する構成に較べて、計測処理の為の余計な時間が不要でそれだけ処理が簡単になり搬送能力を向上させることが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の特徴構成によれば、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ストッパー機構は、第1コンベアにて搬送されてきた物品を受け止めて分岐部にて停止させる作用状態と、第1コンベアにおける分岐部よりも搬送下手側への物品の通過を許容する非作用状態とに切り換え自在に構成され、前記制御手段は、前記在荷検出手段により分岐すべき物品が搬送されて来たことが検出されるに伴って、第1コンベアの搬送作動を停止させるとともに、ストッパー機構を非作用状態から作用状態に切り換えるように構成される。
【0018】
従って、第1コンベアにて搬送されてきた物品を分岐させる時はストッパー機構を作用状態にさせ、物品を分岐させないで第1コンベアの搬送下手側に通過させる時はストッパー機構を非作用状態にさせるように切り換えて使用することにより、例えば、第1コンベアにて順次搬送されてくる複数の物品のうちのいずれかの種類の物品だけを第2コンベアに分岐させるようにしたり、あるいは、第1コンベアに対して異なる箇所において複数の第2コンベアを設けて、複数の第2コンベアに対して選択的に物品を分岐させるようなシステムにも適用することができる。
【0019】
請求項5に記載の特徴構成によれば、請求項1〜4のいずれかにおいて、平面視において、第2コンベアの一部分を第1コンベアと干渉しない状態で重複配置し、この第2コンベアの重複部分を、その搬送面が第1コンベアの搬送面よりも上方に位置する搬送状態に切り換えることで分岐作用状態となり、搬送面が第1コンベアの搬送面よりも下方に位置する非搬送状態とに切り換えることで非作用状態となるので、第2コンベアの重複部分を上下方向に操作させるだけで分岐作用状態と非作用状態に切り換えることができ、例えば、物品を水平方向に押し操作して分岐させるような機構を設ける場合に較べて、分岐搬送手段を簡素な構成で済ませることができる。
【0020】
請求項6に記載の特徴構成によれば、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記第1コンベアが、回転駆動される状態と遊転状態とに切り換わる複数のローラを備えたローラコンベアで構成されるので、搬送が停止されると複数のローラが遊転状態となり、複数のローラが回転駆動されることによって第1コンベアにて搬送される物品は、搬送停止後に慣性力にて滑り移動し易く、分岐部にて確実にストッパー機構にて分岐用姿勢に受け止められることになる。又、前記第2コンベアが、左右一対のチェーンを備えたチェーンコンベアで構成されるので、第2コンベアの左右のチェーンを第1コンベアの各ローラの間に重複配置させることで、分岐搬送手段の構成をより簡素なものにできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明によるコンベア装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
このコンベア装置は、図1に示すような自動倉庫などに使用されるもので、この自動倉庫は、各種の物品AをパレットP上に載置した状態で収納保管するための保管棚1を備えている。この保管棚1は、パレットPを載置保持する収納部を上下方向と横方向とに複数個ずつ並べた構造で、相対向する一対を一組として複数組配設されている。
各組の相対向する保管棚1の間には、上下方向に昇降可能な昇降台やフォークなどを備えたスタッカークレーン2がレール3に沿って移動可能に設けられ、このスタッカークレーン2によって、保管棚1の入口側に設けられた搬入用リフタ4上の物品AをパレットP上に載置した状態で保管棚1の収納部に搬入したり、収納部の物品Aを搬出用リフタ5上にまで搬出するように構成されている。
【0022】
各組の保管棚1の入口側の前部にわたっては、第1コンベアK1としてのメインコンベア6が配設され、このメインコンベア6によって搬送されてきた物品Aを分岐部bにてパレットP上に載置した状態で搬入用リフタ4上にまで分岐させて搬送する第2コンベアK2としての搬入コンベア7と、逆に、搬出用リフタ5上の物品AをパレットPに載置してメインコンベア6にまで搬送する搬出コンベア8とが、各組の保管棚1の入口側に一対ずつ配設されている。
このメインコンベア6の搬送方向上手側には物品搬入用コンベア9が配設され、物品搬入部10にある物品AをパレットPに載置してメインコンベア6にまで搬送するように構成され、メインコンベア6の搬送方向下手側には、物品搬出部11が設けられている。
【0023】
メインコンベア6は、図2に示すように、左右一対のフレーム12間に回転可能に保持された複数のローラ13が並列配置され、各ローラ13が駆動回転される搬送状態と、遊転状態となる搬送停止状態とに切り換えられるローラコンベアにて構成されている。前記各ローラ13は左右のフレーム12に回転自在に支持されており、メインコンベア6を複数に区分けされた領域毎に、ガイドローラ14にて案内されて複数のローラ13の外周面に摺接する駆動ベルト15が、駆動プーリ16と従動プーリ17とに渡って張設され、この駆動プーリ16を電動モータMにより駆動することにより各ローラ13が回転駆動され、載置される物品を搬送することができるように構成されている。又、電動モータMと駆動プーリ16との間に動力伝達を入り切り自在な電気操作式のクラッチCLが設けられて、このクラッチCLを切り操作することで、各ローラ13が駆動ベルト15と共に遊転自在となるように構成されている。
【0024】
そして、メインコンベア6における搬入コンベア7に対する物品の分岐部bには、この分岐部bに物品が搬送されてきたことを検出する在荷検出手段18が備えられている。
この在荷検出手段18は、分岐部bにおけるメインコンベア6の搬送方向中間位置に位置する状態で配置されており、図3および図4に示すように、フレーム12に固定された取り付け用プレート19に揺動可能に枢着されたアーム20や、同じく取り付け用プレート19に固着されたリミットスイッチ21などから構成され、アーム20の揺動端側には在荷検出用の遊転輪22が回転可能に取り付けられている。
さらに、前記アーム20にはカム部材23が、取り付け用プレート19にはストッパー24が設けられ、かつ、アーム20と取り付け用プレート19との間には、引っ張りスプリング25が介装されていて、このスプリング25によって、カム部材23がストッパー24に接当して、それ以上の回動が阻止されるように構成されている。
前記カム部材23がストッパー24に接当した状態においては、在荷検出用の遊転輪22がローラ13の上面、つまり、搬入コンベア7の搬送面Cよりも若干上方に突出するように構成され、ローラ13によって物品Aを載置したパレットPが搬送されてくると、パレットPとの接当によって遊転輪22が自転しながら下降し、それに伴ってアーム20がスプリング25の弾性力に抗して揺動し、カム部材23がリミットスイッチ21の作動部26に接当して物品Aの存在を検出するように構成されている。
【0025】
他方、搬入コンベア7、搬出コンベア8、ならびに、物品搬入用コンベア9は、左右一対のフレーム27と左右のフレーム27に回転駆動可能に保持された左右一対のチェーン28などから構成されるチェーンコンベアで、搬入コンベア7は、メインコンベア6に対してその搬送方向とほぼ直交する方向へ物品Aを搬出し、搬出コンベア8と物品搬入用コンベア9とは、メインコンベア6に対してその搬送方向とほぼ直交する方向から物品Aを搬入するように構成され、各コンベア7,8,9の一部分は、メインコンベア6と干渉しない状態で、平面視においてメインコンベア6に重複するように構成されている。
【0026】
前記搬入コンベア7と搬出コンベア8とは、互いに平行に配設されていて、搬入コンベア7の搬送方向の終端部に前記搬入用リフタ4が、搬出コンベア8の搬送方向の始端部に前記搬出用リフタ5が、それぞれ配設されている。
この搬入コンベア7と搬出コンベア8とは、搬送方向つまりチェーン28の回転方向が異なるだけでほぼ同じ構成であり、また、前記物品搬入用コンベア9は、搬出コンベア8と配設位置が異なるだけでほぼ同じ構成であるので、以後、搬入コンベア7についてのみ説明する。
【0027】
図5に示すように、前記搬入コンベア7は、左右一対のフレーム27と両フレーム27を連結する複数本の補助フレーム29とによって全体が枠組みされ、左右のフレーム27は、アルミ製の押出し成形品で、図6に示すように、上下に2個の空間を有する左右対称の断面形状を備えている。
各フレーム27の両横側部には、各種の部品などを取り付けるための断面T字型のスリット30が全長にわたって2個ずつ設けられ、フレーム27の上部と上方の空間の底部とには、チェーン28を保持するチェーン保持部材31,32がフレーム27のほぼ全長にわたって取り付けられている。
【0028】
各フレーム27は、継ぎ目のない状態で全長にわたって一体的に構成され、その両端部においては、上部の一部が切り欠かれ、図7に示すように、その両端部の切り欠き部分のうち、搬送方向の始端部には駆動スプロケット33が、搬送方向の終端部には遊転スプロケット34が、それぞれその上部をフレーム27の上面よりも若干突出する状態でフレーム27の上方空間内に軸支されている。
そして、前記駆動スプロケット33と遊転スプロケット34とにわたっては、チェーン28が1本だけ、つまり一連に掛張されている。このチェーン28は、物品Aを搭載したパレットPを搬送すると同時に、搬入コンベア7を駆動する駆動用無端帯としても作用するもので、前記駆動スプロケット33には、そのチェーン28を駆動するためのコンベア駆動装置としての電動式のチェーン駆動用モータ35が連動連結され、そのチェーン駆動用モータ35がスリット30を利用して各フレーム27に固着されている。
【0029】
前記搬入コンベア7を構成する左右一対のフレーム27は、搬送方向の始端部に取り付けられた前記チェーン駆動用モータ35の直下方に位置する揺動中心Bの周りに揺動可能に構成され、かつ、メインコンベア6との重複配設箇所には、その搬入コンベア7のフレーム27を強制的に揺動駆動するための偏芯カム機構36が設けられている。
この偏芯カム機構36と昇降用モータ37とは、搬入コンベア7を揺動駆動するための揺動駆動装置YKを構成し、図7や図8に詳しく示すように、固定枠側に設置の正逆転可能な電動式の昇降用モータ37とこの昇降用モータ37により回転駆動される左右一対の偏芯カム38を備え、各偏芯カム38が左右フレーム27の下面に当接していて、昇降用モータ37により偏芯カム38を正逆転することで、搬入コンベア7全体を揺動中心B周りに揺動させて、メインコンベア6と重複する搬入コンベア7の一部分の搬送面Cをメインコンベア6の搬送面Dより上方に位置する搬送姿勢と、前記一部分の搬送面Cをメインコンベア6の搬送面Dより下方に位置する非搬送姿勢とに切り替え可能に構成されている。
【0030】
搬入コンベア7の左右一対のフレーム27のうち、メインコンベア6の搬送方向下手側に位置するフレーム27の外側に、金属製の板状体からなるストッパー機構としてのストッパー39が取り付けられている。
このストッパー39は、メインコンベア6の左右一対のフレーム12の内面間の距離よりも多少短い長さを有し、図6に示すように、その上縁が搬入コンベア7のチェーン28の上面、つまり、搬入コンベア7の搬送面Cよりも適当距離上方に位置する状態で、フレーム27のスリット30を利用して取り付けられ、搬入コンベア7を揺動中心B周りに揺動させることにより、図9の(ハ)に示すように、メインコンベア6と重複する搬入コンベア7の一部分の搬送面Cをメインコンベア6の搬送面Dより上方に位置する搬送姿勢と、図9の(イ)に示すように、前記ストッパー39の上縁をメインコンベア6の搬送面Dより下方に位置する非搬送姿勢とに切り替え可能に構成されている。
そして、搬入コンベア7のメインコンベア6との重複箇所より搬送方向下手側の左右フレーム27には、金属製の板状のガイド40が、やはりフレーム27のスリット30を利用してそれぞれ取り付けられ、これら左右のガイド40の上縁も、搬入コンベア7の搬送面Cより上方に位置するように構成されている。
【0031】
前記搬入コンベア7のうち、メインコンベア6から適当距離離れた箇所には、メインコンベア6に設けられたものと同様の構成の在荷検出手段18が設けられている。
そして、この在荷検出手段18を保持する取り付け用プレート19も、フレーム27のスリット30を利用して取り付けられ、この在荷検出手段18のケーブルや昇降用モータ37のケーブルなどが、フレーム27の下方の空間内に内装されている。
【0032】
以上の構成は搬出コンベア8や物品搬入用コンベア9においてもほぼ同様で、主たる相違は前述したように搬送方向つまりチェーン28の回転方向が異なる点と、メインコンベア6との重複部分にストッパー39が設けられていない点である。それ以外に、在荷検出手段18の取り付け位置や数が異なり、搬出コンベア8と物品搬入用コンベア9においては、メインコンベア6との重複箇所の手前と搬送方向の終端部とに、それぞれ在荷検出手段18が設けられている。
【0033】
メインコンベア6における搬入コンベア7に対する分岐部bの搬送方向上手側箇所には、搬送されてきた物品の重量を計測する重量計測手段JKが設けられている。つまり、図10に示すように、左右フレーム12のうち当該箇所に対応する可動フレーム部分12aが、それに設けられた係合ピン41が、その他の固定フレーム部分12bに設けられたブラケット42に形成された長孔43に係合することにより、所定範囲にわたって上下移動自在に構成され、バネ44により上方側に付勢されるとともに、この可動フレーム部分12aに物品Aが載置されて下方側に変位するときの荷重を検出する複数のロードセル45が設けられている。そして、これらの複数のロードセル45の平均値により物品の重量を計測することができるように構成されている。尚、可動フレーム部分12aに物品Aが載置されたことの確認は、搬送上手側に設けられた在荷検出手段18が物品の検出状態から非検出状態に切り換わったことにより行うようにしている。
このような重量計測情報は、後述するようにメインコンベア6から搬入コンベアへ7の物品の分岐動作のときの作動タイミングの調整に用いられることになる。
【0034】
この自動倉庫の物品保管状態や各コンベア6,7,8,9の作動などは、図11に示すマイクロコンピュータからなる制御手段としての制御部Hによって、全て記憶管理されるとともに作動制御され、適宜箇所に設けられた操作装置46によって制御部Hに操作指令可能に構成されている。以下、制御部Hによる作動制御に基づく物品の搬送動作について説明する。
【0035】
オペレータが操作装置46を操作して入庫を指令し、かつ、入庫する物品Aについての必要な情報を入力すると、制御部Hが、入庫するべき保管棚1の収納部を検索するとともに、チェーン駆動用モータ35を作動して、物品搬入用コンベア9により物品搬入部10にある物品AをパレットPに搭載した状態でメインコンベア6にまで搬送する。
その際、物品搬入用コンベア9は、偏芯カム機構36によって非搬送姿勢に切り替えられていて、メインコンベア6との重複箇所の手前にある在荷検出手段18が物品Aの存在を検出すると、偏芯カム機構36によって搬送姿勢に切り替えられ、かつ、搬送方向終端部にある在荷検出手段18が物品Aの存在を検出すると、再び非搬送姿勢に切り替えられる。
【0036】
その後、物品Aはメインコンベア6によって、その物品Aを収納するべき保管棚1の前まで搬送されるが、そのとき、その保管棚1の入口側の搬入コンベア7とメインコンベア6との重複箇所である分岐部bに到る手前側において、前記重量計測手段による計測情報を読み込んでおく。そして、分岐部bに設けられた在荷検出手段18が在荷を検出すると、そのとき、メインコンベア6における分岐部bに対応する領域及びその搬送方向上手側に隣接する領域について、搬送作動を停止させる。つまり、駆動用電動モータMとの動力伝達系に設けられたクラッチCLを切り状態にして各ローラ13を遊転状態にさせる。又、それとほぼ同時に、ストッパー39が、図9(イ)に示す非作用状態から図9の(ロ)に示すように、ストッパー39の上縁がメインコンベア6の搬送面Dよりも上方に突出する作用状態になるように搬入コンベア7を上方揺動させる。そうすると、物品Aを載置したパレットPが搬送移動の慣性力にて搬送方向下手側に移動して、突出したストッパー39に接当し、パレットPの姿勢がストッパー39に沿う分岐用姿勢になるように矯正される。
尚、このとき、チェーン駆動用モータ35を作動して、非搬送姿勢にある搬入コンベア7のチェーン28を予め駆動させておく。
【0037】
その後、メインコンベア6の搬送停止及びストッパー39の作用状態への切り換えが行われてから、設定遅延時間が経過した後に、昇降用モータ37を作動して、図7の(イ)、(ロ)に示すように、偏芯カム機構36により搬入コンベア7を搬送姿勢に切り替えて物品AをパレットPごと搬入コンベア上に掬い取る。従って、搬入コンベア7を揺動駆動するための揺動駆動装置YKが分岐搬送手段に対応することになり、搬入コンベア7を搬送状態に切り換えることで分岐作用状態となり、搬入コンベア7を非搬送状態に切り換えることで非作用状態となる。
【0038】
尚、前記設定遅延時間は、物品Aの重量の違いに応じて適宜変更設定されるようになっている。つまり、搬送される複数の物品について予め最大重量と最小重量とを想定しておいて、それらの最大重量及び最小重量との間での物品の重量変化に対応して、重量が大きいほど短くなるように、前記設定遅延時間として設定すべき重量対時間の変化特性が予め制御部Hに設定記憶されており、前記重量計測手段JKにて計測された物品の実重量計測情報に基づいて、前記変化特性より、その重量に適した設定遅延時間を設定するのである。
【0039】
これは、物品Aの重量の違いに起因する慣性力の差異によって、メインコンベア6による搬送が停止されてからストッパー39にて分岐用姿勢に矯正されるまでに要する時間が変化することから、その時間の違いに応じて設定遅延時間を変更設定することで、搬入コンベア7の分岐状態への切り換えが速すぎたり遅すぎたりする等の不利の無い適切なタイミングで行われることになる。
【0040】
そして、搬入コンベア7側の在荷検出手段18が物品Aの存在を検出すると、昇降用モータ37を逆転作動して、搬入コンベア7を非搬送姿勢に切り替え、その状態で物品Aを搬入用リフタ4の上まで搬送し、チェーン駆動用モータ35の作動を停止するとともに、搬入用リフタ4によって物品Aを持ち上げる。
【0041】
この搬入コンベア7の揺動による物品Aの掬い取りにおいては、搬入コンベア7が完全に搬送姿勢に切り替えられる前に、予め搬入コンベア7のチェーン28が駆動されているので、メインコンベア6から搬入コンベア7への物品Aの受け渡し搬送を短時間で行うことができる。さらに、搬入コンベア7の揺動においては、その揺動中心Bがメインコンベア6から離れた箇所に位置するため揺動角が小さくて済むのである。
その後、スタッカークレーン2が所定の保管棚1の収納部に物品AをパレットPごと収納するのであり、逆に、物品Aを搬出する場合には、搬入時と逆の作動で、スタッカークレーン2が搬出用リフタ5にまで搬送し、引き続いて搬出コンベア8がメインコンベア6にまで搬送し、最終的に物品AはパレットPとともに物品搬出部11に搬出される。
【0042】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第1コンベア(メインコンベア)に対して第2コンベア(搬入コンベア)が異なる箇所で分岐させる状態で複数設けられ、前記重量計測手段が複数の分岐部b毎に各々設けられる構成としたが、このような構成に限らず、例えば、第1コンベアの搬送方向最上手側に位置する分岐部bの上手側に1個の重量計測手段を備えさせて、その計測情報に基づいて、制御部が前記分岐部bにおける第2コンベアの切り換え作動を制御するような構成としてもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、重量計測手段を備えて分岐すべき物品の実重量を計測して、その計測結果に基づいて設定遅延時間を変更設定するようにしたが、このような構成に代えて、搬送される物品に対応して予め入力設定された前記物品の重量情報に基づいて前記設定遅延時間を変更設定するように構成するものでもよい。
例えば、第1コンベアにより搬送される複数種の物品の夫々に対して、各品種毎に物品の重量を予め想定して、制御部にて、その品種毎に重量に対応する所定遅延時間を予め設定して記憶しておく。そして、作業者が作業開始に先立って、どの品種の物品をどの順序で搬送するかを設定し、制御部は搬送されてくる物品の品種に応じて、予め設定記憶されている設定遅延時間に変更設定するように制御する構成としてもよい。
このように構成した場合には、搬送途中で実重量を計測しながら処理を行うような構成に較べて、重量計測のための余計な処理時間を不要となり、搬送能力を向上させることができる。
【0044】
(3)上記実施形態では、ストッパーは金属製の板状体で構成され、単に物品を受け止める構成としたが、このような構成に加えて、図12に示すように、ストッパー39の外側に物品検出器としてのリミットスイッチ式の在荷検出器47を設け、ストッパー39を設けたにもかかわらず、タイミングのずれなどに起因してパレットPがストッパー39上に乗り上げると、在荷検出器47が検出し、その検出結果に基づいて、搬入コンベアの回転駆動を止め、かつ、図外の警報手段で報知する等の安全対策を施すように構成してもよい。
さらに、同図に示すように、ストッパー39に、その長手方向の全長にわたってチェーン28側に向けて突出するチェーン外れ防止部材48を一体的に設けて、そのチェーン外れ防止部材48によってチェーン28の外れを防止するように構成してもよい。
【0045】
(4)上記実施形態では、第2コンベアとしての搬入コンベア7を揺動させるにあたって、第1コンベアとの重複箇所と反対側の端部近くに設けた揺動中心B周りに揺動させるものを示したが、搬入コンベア7の中間部に揺動中心Bを設けて実施することもできる。
また、上記実施形態とは逆に、第1コンベアをチェーンコンベアで構成し、第2コンベアK2の方をローラコンベアで構成して実施することもできる。
【0046】
(5)上記実施形態では、ストッパー39を第1コンベア(メインコンベア)の搬送方向に直交する長尺状の板状体で構成した例を示したが、第1コンベアの搬送方向に直交する方向において、その両端近くに2つの突起を設けたり、あるいは、前記直交する方向に3つ以上の突起を並設してストッパーを構成することもできる。
また、上記実施形態では、ストッパーが第2コンベアのフレームに一体的に設けて、第2コンベアの上下揺動に伴って作用状態と非作用状態に切り換わるようにしたが、このような構成に代えて、ストッパーを作用状態と非作用状態とに切り換える専用の切り換え機構を設けてもよい。
又、上記実施形態では、第1コンベアが分岐部bよりも搬送下手側に向けて搬送させることができるように構成したが、第1コンベアの搬送終端部に第2コンベアへの分岐部bを設けて、分岐部bに常に物品が受け止められるように固定式のストッパー機構を設ける構成としてもよい。
【0047】
(6)上記実施形態では、在荷検出手段18として、遊転輪30を備えたアーム28やリミットスイッチ29などで構成するようにしたが、このような構成に代えて、光電式のセンサーや磁気式のセンサーなど、種々の構成のものを用いて実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動倉庫全体の概略平面図
【図2】メインコンベアを示す図
【図3】在荷検出手段を示す側面図
【図4】在荷検出手段を示す正面図
【図5】メインコンベアと搬入コンベアとの分岐部の斜視図
【図6】搬入コンベアの断面図
【図7】搬入コンベアの側面図
【図8】搬入コンベアの斜視図
【図9】分岐作動状態を示す図
【図10】重量計測手段を示す図
【図11】制御ブロック図
【図12】別実施形態における搬入コンベアの断面図
【符号の説明】
18 在荷検出手段
39 ストッパー機構
A 物品
H 制御手段
K1 第1コンベア
K2 第2コンベア
JK 重量計測手段
YK 分岐搬送手段

Claims (6)

  1. 第1コンベアにより搬送される物品を、前記第1コンベアの搬送経路に設けられた分岐部から、この第1コンベアに対してその搬送方向と交差する方向に物品を搬送する第2コンベアに物品を分岐させる分岐作用状態と、前記第1コンベアによる搬送を許容する非作用状態とに切り換え自在な分岐搬送手段が備えられ、
    分岐すべき物品が前記分岐部に搬送されて来たことを検出する在荷検出手段と、
    前記第1コンベアにて搬送されてきた物品を受け止めて前記分岐部にて停止させるストッパー機構と、
    前記分岐搬送手段の切り換え作動、並びに、前記第1コンベアの搬送作動を制御する制御手段とが備えられたコンベア装置であって、
    前記制御手段は、
    前記在荷検出手段により前記物品が搬送されて来たことが検出されるに伴って、前記第1コンベアの搬送作動を停止させ、その後、設定遅延時間が経過すると、前記分岐搬送手段を分岐作用状態に切り換えるように構成され、
    且つ、分岐すべき物品の重量の情報に基づいて物品の重量が大であるほど短くなるように前記設定遅延時間を変更設定するように構成されているコンベア装置。
  2. 前記分岐すべき物品の重量を計測する重量計測手段が、前記第1コンベアにおける前記分岐部よりも搬送上手側に設けられ、前記制御手段は、前記重量計測手段の計測情報に基づいて前記設定遅延時間を変更設定するように構成されている請求項1記載のコンベア装置。
  3. 前記制御手段は、搬送される物品に対応して予め入力設定された前記物品の重量情報に基づいて、前記設定遅延時間を変更設定するように構成されている請求項1記載のコンベア装置。
  4. 前記ストッパー機構は、前記第1コンベアにて搬送されてきた物品を受け止めて前記分岐部にて停止させる作用状態と、前記第1コンベアにおける前記分岐部よりも搬送下手側への物品の通過を許容する非作用状態とに切り換え自在に構成され、
    前記制御手段は、前記在荷検出手段により前記物品が搬送されて来たことが検出されるに伴って、前記第1コンベアの搬送作動を停止させるとともに、前記ストッパー機構を前記非作用状態から前記作用状態に切り換えるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンベア装置。
  5. 平面視において、前記第2コンベアの一部分を前記第1コンベアと干渉しない状態で重複配置し、この第2コンベアの重複部分が、その搬送面が第1コンベアの搬送面よりも上方に位置する搬送状態と、第1コンベアの搬送面よりも下方に位置する非搬送状態とに切り換え自在に構成され、
    前記分岐搬送手段は、
    前記第2コンベアの重複部分を前記搬送状態に切り換えることで前記分岐作用状態となり、前記第2コンベアの重複部分を前記非搬送状態に切り換えることで前記非作用状態となるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンベア装置。
  6. 前記第1コンベアが、回転駆動される状態と遊転状態とに切り換わる複数のローラを備えたローラコンベアで構成され、前記第2コンベアが、左右一対のチェーンを備えたチェーンコンベアで構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンベア装置。
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