JP3567566B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、起泡性及び使用感が良好であり、適度な粘度を有しており取り扱い性に優れた液体洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体洗浄剤組成物にはその取り扱い性や使用感を向上させるため、通常、種々の増粘剤が配合され適度な粘度を付与している。そのような増粘剤としては、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の高分子増粘剤、膨潤性粘土鉱物等が用いられている。しかしながらN−長鎖アシルアミノ酸塩を含有する液体洗浄剤組成物は、これらの増粘剤を用いても増粘しにくく、粘度を出すために充分な量の増粘剤を添加すると泡立ち、泡の量及び質が低下し、さらにすすぎ時にぬるつく、シャンプーに用いた場合、乾燥後髪がごわつくなど使用感の点でも問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、N−長鎖アシルアラニン塩又はN−長鎖アシルスレオニン塩を用いた、起泡性及び使用感が良好であり、適度な粘度を有しており取り扱い性に優れた液体洗浄剤組成物を提供することである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明者らはかかる実情を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、(A)N−長鎖アシルアラニン塩又はN−長鎖アシルスレオニン塩、(B)両性界面活性剤及び(C)ポリオキシアルキレンジオレイン酸アルキルグルコシドを含有することにより、起泡性及び使用感を低下させることなく粘度を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)のN−長鎖アシルアラニン塩又はN−長鎖アシルスレオニン塩のアシル基は、炭素原子数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導され、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の単一組成の脂肪酸によるアシル基が挙げられ、この他にヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸(分岐脂肪酸を含む)によるアシル基であってもよい。また中性アミノ酸としては、アラニン、スレオニンが挙げられる。
【0006】
上記N−長鎖アシルアラニン塩又はN−長鎖アシルスレオニン塩の例を挙げるならばN−オクタノイルアラニン、N−デカノイルアラニン、N−ラウロイルアラニン、N−ミリストイルアラニン、N−パルミトイルアラニン、N−ステアロイルアラニン、N−オレオイルアラニン、N−リノレオイルアラニン、N−椰子油脂肪酸アシルアラニン、N−パーム核油脂肪酸アシルアラニン、N−オクタノイルスレオニン、N−デカノイルスレオニン、N−ラウロイルスレオニン、N−ミリストイルスレオニン、N−パルミトイルスレオニン、N−ステアロイルスレオニン、N−オレオイルスレオニン、N−リノレオイルスレオニン、N−椰子油脂肪酸アシルスレオニンが挙げられる。
【0007】
塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどのアルカノールアミン塩、アンモニアなどの無機アミン塩及びリジン、オルニチン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩等を挙げられるが、使用感の点でアルカノールアミン塩、塩基性アミノ酸が優れており、特にリジン、アルギニン塩が好ましい。これらN−長鎖アシル中性アミノ酸塩は二種以上を組み合わせて用いても良い。
【0008】
最も好ましいN−長鎖アシルアラニン塩又はN−長鎖アシルスレオニンは、脂肪酸残基の炭素数が10から18のもので、かつアミノ酸がスレオニンのものがさっぱりとした感触で皮膚洗浄剤に好適で、アラニンのものは特に頭髪に優れたコンディショニング効果を示す点でヘアシャンプーに好適である
【0009】
本発明に用いられる(B)成分の両性界面活性剤としては、椰子油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、テアリルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のカルボベタイン型界面活性剤、椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミドベタイン型界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルヒドロキシスルホベタイン等のヒドロキシスルホベタイン型界面活性剤、ラウリルスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルスルホベタイン等のスルホベタイン型界面活性剤、ラウリルホスホベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルホスホベタイン等のホスホベタイン型界面活性剤、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ラウリル−N−ソジウムカルボキシメチル−N−カルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウム型界面活性剤N−ラウリルグリシン、N−ラウリル−β−アラニン等のアルキルアミノカルボン酸型界面活性剤が挙げられる。これらは単独でまたは二種以上を組み合わせて用いる。
【0010】
本発明に用いられる(C)ポリオキシアルキレンジオレイン酸アルキルグルコシドはメチルグリコシド、エチルグリコシド、プロピルグリコシド等のアルキルグルコシドをオレイン酸でジアシル化した後、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加して得られる物質であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は25〜200モル、好ましくは100〜150モルである。
【0011】
本発明の液体洗浄剤組成物における(A)成分と(B)成分の配合比は(A):(B)=70:30〜10:90であり、特に60:40〜20:80で増粘効果が高く、好ましい。また(A)及び(B)の総配合量としては組成物中、0.5〜50重量%である。
【0012】
本発明の液体洗浄剤組成物におけるポリオキシアルキレンジオレイン酸アルキルグルコシドの配合量は、0.2〜20重量%で、取り扱い性の点から1〜15重量%が最も好ましい。
【0013】
本発明における洗浄剤組成物のpHは5〜10であるが、5〜7がすすぎ性、取り扱い性の点で好ましい。
【0014】
本発明の洗浄剤組成物は使用する目的により台所用洗浄剤、シャンプー、洗顔料、身体洗浄剤、バブルバス洗浄剤等の用途に用いることができるが、N−長鎖アシルアラニン塩を含有する場合はシャンプーにN−長鎖アシルスレオニン塩を含有する場合は洗顔料、身体洗浄剤に適している。
【0015】
また、本発明の成分以外の界面活性剤を発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。
【0016】
また、本発明の成分以外のポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルアミンオキシド、脂肪酸アルキロールアミド等の非イオン界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩及びα−オレフィンスルホン酸塩などのアニオン界面活性剤を発明の効果を損なわない範囲で併用することができるが、中でも脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド等は添加することによりさらに増粘し、泡立ちが早くなる。
【0017】
さらにその他の添加剤として、液体洗浄剤組成物に通常用いられる成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。以下に液体洗浄剤組成物におけるその他の常用成分及び一般的な配合量を示す。
【0018】
保湿効果、風合いの改良、低温安定性の向上、製品の防腐性を向上するためエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の保湿剤を0.5〜10重量%、すすぎ時のきしみ感の改良や泡立ちの調整、乾燥後の風合いを改良するためにメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース誘導体または天然高分子等を0.1〜5重量%、粘度調節、固形成分の分散性向上のためにポリオキシエチレングリコールジステアリン酸エステル、エタノール、カルボキシビニルポリマー等を0.1〜5重量%、油性成分または過脂剤としてグリセリルモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ジグリセリンモノステアリン酸エステル等、乳化剤、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー等の炭化水素、ステアリルアルコール等の高級アルコール、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセリド等のエステル等の感触向上剤、高分子シリコーン、環状シリコーン、水溶性シリコーン等のシリコーン誘導体、ラノリン誘導体やポリエチレングリコールの脂肪酸エステル類等を0.1〜5重量%、また生薬等の薬剤、パラベン誘導体等の防腐防黴剤、パール化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料、色素等を挙げることができる。
【0019】
【実施例】
以下、具体的な例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0020】
表1に示す液体洗浄剤組成物を調製し(pH6.5)、その泡立ちの速さ、すすぎ時のぬるつき感、乾燥後の毛髪のごわつき感を以下の方法により官能評価した。
【0021】
男女各20名計40名のパネラーに毛髪の洗浄をさせ、その際の官能評価を行った。評価は下記基準による平均値を算出し、5点を満点としたときの平均値が4.5以上を非常に良好(◎)、3.5〜4.4の場合を良好(○)、2.5〜3.4の場合を普通(△)、2.4以下の場合を不良(×)とした。
【0022】
(a)泡立ちの速さ
5:泡立ちが速い
4:泡立ちがやや速い
3:普通
2:泡立ちがやや遅い
1:泡立ちが遅い
(b)すすぎ時のぬるつき感
5:全くぬるつかない
4:ぬるつかない
3:ややぬるつく
2:ぬるつく
1:かなりぬるつく
(c)乾燥後の毛髪のごわつき感
5:ごわつかない
4:ややごわつかない
3:普通
2:ややごわつく
1:ごわつく
【0023】
各液体洗浄剤組成物につき、25℃にてB型粘度計を用いて粘度を測定し、取り扱い性(粘度)を以下の基準により評価した。
【0024】
(d)取り扱い性(粘度)
○:601cps以上
△:200〜600cps
×:200cps未満
【0025】
【表1】
Figure 0003567566
【0026】
以下、本発明の液体洗浄剤組成物の調製例を示す。これらのものはいずれも起泡性及び使用感が良好であり、適度な粘度を有しており取り扱い性に優れたものであった。
【0027】
実施例2
【表2】
Figure 0003567566
【0028】
実施例3
【表3】
Figure 0003567566
【0029】
実施例4
【表4】
Figure 0003567566
【0030】
実施例5
【表5】
Figure 0003567566
【0031】
実施例6
【表6】
Figure 0003567566
【0032】
実施例7
【表7】
Figure 0003567566
【0033】
実施例8
【表8】
Figure 0003567566
【0034】
実施例9
【表9】
Figure 0003567566
【0035】
実施例10
【表10】
Figure 0003567566
【0036】
実施例11
【表11】
Figure 0003567566

Claims (1)

  1. (A)N−長鎖アシルアラニン塩又はN−長鎖アシルスレオニン塩、(B)両性界面活性剤及び(C)ポリオキシアルキレンジオレイン酸アルキルグルコシドを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物。
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