JP3567464B2 - 静電アクチュエータ及びそれを搭載した装置 - Google Patents
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Description
本発明は、インクジェットヘッド、反射型回折格子、反射型ライトバルブ等に用いられる静電アクチュエータ及びそれを搭載した装置に関し、特に、静電アクチュエータの駆動の安定化に関する。
発明の背景
静電アクチュエータを用いたもの、例えばインクジェットヘッドの場合についてみると、高精細文字印字の要求に応じて、その製造に際しては精密微細加工と高精度接合技術とが要求されており、各種の製造方法が開発されている。その内、特開平9−20007号公報に開示されているインクジェットヘッドは、インクキヤビティを形成したシリコンウェハと、アクチュエータを有するホウ珪酸ガラスとを陽極接合により接合することにより非常に高精度な接合を実現している。
しかし、前記の従来の技術では、陽極接合を終了した後に、駆動手段が取り付けられた溝内部に発生する気体等により誘電率が変化して静電力が変化してしまい、インクの吐出が安定しないという課題があった。
また、このような課題は反射型回折格子や反射型ライトバルブ等に用いられる静電アクチュエータにも当てはまり、誘電率が変化することで静電力が安定せず、その素子としての動作も安定しないという課題があった。
発明の開示
本発明の目的は、溝内部に発生した気体等をゲッター材料により吸着することにより静電力を安定させて経時変化が少ない静電アクチュエータ及びそれを搭載した装置を提供することにある。
(1)本発明に係る静電アクチュエータは、凹部が形成された絶縁基板と、絶縁基板に形成された凹部に設けられた電極と、絶縁基板の凹部を覆うように設けられた薄膜とを備え、電極と薄膜との間に電圧を印加してその静電力により薄膜を変形させる静電アクチュエータにおいて、前記の凹部又はその凹部に連通して設けられた凹部にゲッター材を配置したものである。このゲッター材により凹部内の気体や水分等を吸着することにより、凹部内の誘電率が変化するのが避けられて静電気的な環境が安定し、静電力が安定したものとなる。
(2)本発明に係る静電アクチュエータは、上記(1)において、ゲッター材がTi又はTi合金からなるものである。Ti合金としては、例えばTiとZr、TiとAlとの合金等が用いられる。
(3)本発明に係る静電アクチュエータは、上記(1)(2)において、製造過程において絶縁基板と薄膜とが接合された後に、加熱されて活性化されるものである。
(4)本発明に係る静電アクチュエータは、上記(1)〜(3)において、ゲッター材を加熱する加熱機構が絶縁基板に設けられているものである。
(5)本発明に係る静電アクチュエータは、上記(4)において、加熱機構に加熱電流を供給することによりゲッター材を加熱するものである。
(6)本発明に係る静電アクチュエータは、上記(4)(5)において、絶縁基板の加熱機構を有する部分が、加熱機構を形成した面の反対側より削られてダイヤフラムを形成しているものである。
(7)本発明に係るインクジェットヘッドは、上記(1)〜(6)の静電アクチュエータをインク吐出のための駆動力を付与するための手段として組み込んだものである。
(8)本発明に係るインクジェットヘッドは、複数のノズル孔と、ノズル孔の各々に連通する複数の独立の吐出室と、吐出室の少なくとも一方の壁の一部が機械的に変形を起こすように形成された振動板と、振動板と平行に設けられた溝と、溝に設けられ振動板を駆動するための駆動手段と、複数の吐出室にインクを供給する共通のインクキャビティとを有し、駆動手段にパルス電圧を印加することにより、駆動手段に対応する振動板を吐出室の圧力が上昇する方向に変形させ、ノズル孔よりインク滴を記録紙に向け吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記の溝又はその溝に連通した凹部にゲッター材を配置したものである。
(9)本発明に係るインクジェット装置は、上記(7)(8)のインクジェットヘッドを搭載したものである。
(10)本発明に係る反射型回折格子は、上記(1)〜(6)の静電アクチュエータを光回折のための駆動手段として組み込んだものである。
(11)本発明に係る反射型回折格子は、凸部の領域及び凹部の領域を有する絶縁基板と、凹部に設けられた電極と、絶縁基板を覆うようにして設けられた薄膜とを備え、電極と薄膜との間に電圧を印加してその静電力により薄膜を波状に変形させる反射型回折格子において、前記の凹部又はその凹部に連通して設けられた凹部にゲッター材を配置したものである。
(12)本発明に係る光ヘッドは、上記(10)(11)の反射型回折格子を搭載したものである。
(13)本発明に係る反射型ライトバルブは、上記(1)〜(6)の静電アクチュエータをライトバルブのための駆動力を付与するための手段として組み込んだものである。
(14)本発明に係る反射型ライトバルブは、画素に対応して2次元状に設けられた凹部を有する絶縁基板と、絶縁基板の凹部にそれぞれ設けられた電極と、絶縁基板を覆うように設けられた薄膜とを備え、電極と薄膜との間に電圧を印加してその静電力により前記の凹部に対応した薄膜を変形させる反射型ライトバルブにおいて、前記の凹部にゲッター材を配置したものである。
(15)本発明に係る投写型表示装置は、上記(13)(14)の反射型ライトバルブを搭載したものである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの分解斜視図である。
図2は図1のインクジェットヘッドの断面図である。
図3は図1のインクジェットヘッドの第3の基板の詳細を示した斜視図である。
図4A〜図4Dは図1のインクジェットヘッドの製造過程を示した説明図である。
図5は本発明の実施形態2に係るインクジェットヘッドの断面図である。
図6は本発明の実施形態3に係るインクジェットヘッドの第3の基板の詳細を示した斜視図である。
図7は本発明の実施形態図1、図5又は図6のインクジェットヘッドの周辺の機構を示した説明図である。
図8は図7の機構を搭載したインクジェット記録装置の外観図である。
図9は本発明の実施形態4に係る反射型回折格子の説明図である。
図10は図9の反射型回折格子のガラス基板の詳細を示した斜視図である。
図11は図9の反射型回折格子を用いた光ヘッドの光学系の説明図である。
図12は本発明の実施形態5に係る反射型ライトバルブの説明図である。
図13は図12の反射型ライトバルブのガラス基板の詳細及びその配置を示した斜視図である。
図14は図12の反射型ライトバルブを用いた投写型表示装置の光学系の説明図である。
発明を実施するため最適な形態
実施形態1.
実施形態1に係るインクジェットヘッド10は、図1〜図3に示されるように、下記に詳述する3枚の基板1、2、3を重ね合わせた積層構造となっている。第1の基板1は面方位が(100)である単結晶シリコンウェハから構成されており、複数のノズル4が等間隔に設けられている。第2の基板2は、面方位が(110)である単結晶シリコンウェハから構成されており、ノズル4に対応して設けられ、底壁を振動板5とするインク吐出室6を構成することとなる凹部16と、凹部16の後部に設けられオリフィス7を構成するととなるインク流入口となる細溝17、各々のインク吐出室6にインクを供給するための共通のインクキャビティ8を構成することとなる凹部18を有する。また、第3の基板3は例えば厚み500μmの電極ガラス基板から構成されており、底部に電極9が設けられ振動室11を構成することとなる凹部20と、この凹部20に細溝21を介して連通し、ゲッター材30が設けられるゲッター用凹部22とを有する。
次に図1〜図3に示されたインクジェットヘッドの製造工程を図4A〜図4Dの断面図に従って説明する。ノズル4が形成された第1の基板1と第2の基板2との接合の説明については、この製造工程の説明では省略するものとする。また、図4A〜図4Dにおいて、第2の基板2の凹部18の図示は省略されているものとする。
▲1▼まず、振動板5が形成された第2の基板(シリコン基板)2を、酸素雰囲気中、摂氏1100度で所定時間熱酸化を行い、表面に1100Åの熱酸化膜31を形成する(図4A)。
▲2▼次に、第3の基板(電極ガラス基板)3の凹部20に電極9を形成する(図4B)。電極9の形成にはRFスバッタリングを用い、パターニングにはドライエッチングを用いる。本実施形態1の電極9はITOにより形成されるが、他の材料、例えばAu、Pt等の金属材料を用いても構わない。
▲3▼第3の基板3のゲッター用凹部22にゲッター材30を置く(図4B)。本実施形態1においてはゲッター材30としてはTiを用いるが、TiとZr、又はTiとAlの合金を用いることも可能である。なお、このゲッター材30には非蒸発型のものを用いるものとする。ここで述べられたゲッター材は、後述する実施形形態においても同様に用いられる。
▲4▼熱酸化膜31が形成された第2の基板(シリコン基板)2と第3の基板(電極ガラス基板)3との位置合わせを行って重ね合わせる(図4C)。
▲5▼第2の基板2と第3の基板3とを重ね合わせた状態で、陽極接合装置内に投入する。この陽極接合装置は、従来から一般に用いられているものであり、真空チャンバー、真空ポンプ、基板加熱用ヒーター及びDC電源から構成されており、真空中又は任意の雰囲気ガス中において陽極接合を行うものである。
▲6▼次に、第2の基板2と第3の基板3とを摂氏200度まで加熱し、この温度でチャンバ内を10-6Torrまで排気し、凹部20,22の内部を排気する。その後、チャンバ内を所定の圧力に加圧し、所定温度に加熱し、第2の基板2側を正、第3の基板3側を負として、直流電圧500Vを10分間印加して陽極接合を行って、接合基板12を得る(図4D)。本実施形態1では、接合温度摂氏320度、チャンバ内圧力2気圧、封入ガスはアルゴンという条件で陽極接合を行ない、陽極接合後に、常温において凹部20及び22の内部の圧力が1気圧となるようにしている。なお、本実施形態1では封入ガスはアルゴンを用いているが、ヘリウム、キセノン等の希ガスを用いてもよい。
▲7▼次に、上記の接合基板12を摂氏400度まで昇温する。この接合基板12の昇温により、ゲッター材30も昇温して活性化され、陽極接合の終了後に凹部20,22内部に発生した窒素、酸素等の気体や水分を吸着する。その後、室温まで空冷して接合基板12を取り出す。
次に、以上のようにして製造されたインクジェットヘッドの動作を説明する。
振動室11の電極9にパルス電圧を印加して、電極9の表面がプラスに帯電すると、それに対応した振動板5の下面はマイナス電位に帯電する。したがって、振動板5は静電力の吸引作用により下方に撓む。電極9の印加電圧をオフにすると振動板5は復元する。そのために、吐出室6内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔4からインク液滴を記録紙に向けて吐出する。次に、振動板5が下方に再び撓むことにより、インクがインクキャビティ8からオリフィス7を通じて吐出室6内に補給され、上述の動作が繰り返される。上記のように、インクジェットヘッド10は電極9と振動板5との静電力の吸引作用によって動作するが、振動室11内の気体等はゲッター材30により吸着されており、振動室11内の静電気的な環境は安定しており、したがって、安定した静電力の吸引作用が得られ、安定したインク吐出力が得られる。
実施形態2.
本実施形態2に係るインクジェットヘッドの構成は、上述の実施形態1の構成と基本的には同じであるが、図5に示されるように、ゲッター用凹部22には、ゲッター材30及びゲッター加熱ヒータ32が設けられている。このゲッター用凹部22も細溝21を介して凹部20と繋がっている。そして、ゲッター用凹部22の底部の、ゲッター加熱ヒータ32が設けられている面とは反対側の面は削られて薄肉になってダイヤフラム33を形成しており、熱容量を小さくしてゲッター材30に対する加熱効率が向上するように配慮されている。
本実施形態2に係るインクジェットヘッドの製造工程は、上記の実施形態1と同等であるため詳細は省略するが、陽極接合終了後に、接合基板12を得る。そして、ゲッター加熱用ヒーター32に通電してゲッター材30を400℃程度に加熱する。この時、ゲッター材30は活性化され、陽極接合以降に溝内部に発生した、窒素、酸素、水分等を吸着する。
実施形態3.
上記の実施形態1においては陽極接合終了後に接合基板12の全体を加熱してゲッター材30を活性化し、そして、上記の実施形態2においては陽極接合終了後にゲッター加熱用ヒータ32に通電してゲッター材30を活性化する例について説明したが、両者を組み合わせてもよい。即ち、陽極接合終了後に接合基板12の全体を加熱してゲッター材30を活性化させるとともに、任意の時点において、ゲッター加熱用ヒータ32に通電してゲッター材30を再活性化させて、その凹部20,22内部に発生した気体や水分等を吸着させる。
実施形態4.
上述の実施形態のゲッター用凹部22は、各凹部20に対応してその長さ方向に繋がっているが、このゲッター用凹部22は、図6に示されるように、並設された凹部20の両側にそれぞれ設けるようにしてもよい。その場合には、凹部20相互を結ぶ細溝23及び凹部20とゲッター用凹部22と結ぶ細溝24をそれぞれ設けるものとする。或いはまた、ゲッター材30を凹部20に設けても良く(ゲッター用凹部22を設けずに)、その場合にも、ゲッター材30の活性化に関しては、上記の実施形態1〜3の何れかの方法が採用される。
実施形態5.
ところで、上述の実施形態のインクジェットヘッド10は、図7に示されるようにキャリッジ51に取り付けられ、そして、このキャリッジ51はガイドレール52に移動自在に取り付けられており、ローラー53により送り出される用紙54の幅方向にその位置が制御される。そして、この図7の機構は図8に示されるインクジェット記録装置55に装備される。
実施形態6.
上述の実施形態1〜5では静電アクチュエータを用いた例としてインクジェットヘッドの例について説明したが、次に、反射型回折格子に用いた例について説明する。反射型回折格子60は、図9に示されるように、ガラス製の基板61、基板61に形成された楕円リング状の凹部61aに取り付けられた電極62、基板61を覆うように設けられたシリコンの薄膜63から構成される。この電極62は、薄膜63と基板61との間に静電力を生じせしめるためのものである。具体的にはITOを蒸着したもの等で構成される。基板61は、中央の楕円部分61b及び、凹部61aを除く周辺部分61cが同一の高さで凸になっており、この部分において薄膜63と陽極接合される。薄膜63はシリコンであるため導電性があり、静電力を働かせる際の電極を兼ねている。なお、薄膜63は高分子膜等の導電性でない素材に、別途電極をつけたものでもよい。また、薄膜63の表面(基板61と対向する面の反対側、以下反射面という)には、薄膜63に入射する光を十分な反射率で反射するように金クロム、金、チタン金等の反射膜が積層される。
この反射型回折格子60の基板61には、図10に示されるように、凹部61aに繋がった凹部61dが更に設けられており、この凹部61dにはゲッター材65が配置されている。ゲッター材65は、上記の実施形態1〜3のいずれかの方法によって活性化されて、凹部61a内の気体や水分を吸着することで、反射型回折格子60の静電力が変化せず薄膜63の変形が安定したものとなる。
次に、この反射型回折格子60の動作を説明する。反射型回折格子60の薄膜63と電極62とが同電位であれば、両者間に静電力は発生せず、薄膜63は自身の張力によって平坦な面を保持している。したがって、反射面に入射した光は、そのまま入射角と同じ角度で反射されることになる。次に、薄膜63と電極62との間に交流電圧を印加する。すなわち、基板61と膜63が周期的に電位差を持ったり同電位になったりするようにすると、両者間には、電位差に応じた静電力により吸引力が発生する。電位差を持った瞬間においては、反射面から見て窪む方向に弾性変形する。一方、同電位になる瞬間においては吸引力は解除され、薄膜63は弾性により再び平坦な状態に戻ろうとする。このような過程を繰り返すことにより薄膜63に振動が発生する。
ここで、薄膜63の剛性が十分高ければ、駆動電圧の周波数に対して完全に同期して、薄膜63全体が一体で振動する。しかし、剛性が十分高くない場合には、駆動電圧の周波数が一定値を超えると、薄膜63は一体で動くことが不可能になる。その結果、電極62付近で発生した波は固定端に向かって伝播する。波は固定端となる凹部61aと凸部61b,61cの境界で反射され、もとの波と干渉して、定在波が薄膜63上に形成される。その結果、膜面に光が入射した場合、定在波の波長と入射光の波長で決まる特性を有する反射型回折格子として機能することになる。例えば定在波のピッチをp、入射光の波長をλ、整数をnとすると、nλ/p=sinθを満たすθの方向に光を回折させる働きを有する。ここで、電極62の幅は、ピッチpの1/2程度の寸法にすればより効率的に定在波を生じうる。
次に、上記の反射型回折格子60を搭載した光ヘッドについて説明する。この光ヘッド70は、図11に示されるように、半導体レーザ71、フォトダイオード72、ホログラム73、コリメータレンズ74、対物レンズ75及び上記の反射型回折格子60から構成される。
次に動作を説明する。DVD再生時には、反射型回折格子60の膜63と電極62とは同電位になるようにする。これにより、薄膜63は自身の張力によって平坦な面に保持されているので、従来の立ち上げミラーと同様に機能する。半導体レーザ71から出射したレーザ光は、ホログラム73を通り抜け、コリメータレンズ74により平行光に変換されて、反射型回折格子60によって方向を変えられ、対物レンズ75で集光されて光ディスク76上にDVDディスクに適したスポットを形成する。光ディスク76からの反射光は、対物レンズ75を通って、反射型回折格子60によって方向を変えられ、コリメータレンズ74とホログラム73によりフォトダイオード72上に集光される。
一方、CD再生時には、反射型回折格子60の膜63と電極62との間に交流電圧を印加する。これにより基板61の凹部61aの領域では、同心楕円状に定在波が形成される。その結果、基板61の中央部の凸部61bの領域は依然平坦であるから、光は入射角と等しい角度で反射されるが、波状に変形した領域では回折、散乱されるため、光ディスク76のスポットには集光されない。すなわち、反射型回折格子60は、開口率を制限されたミラーとして機能する。これにより、CD再生に適したスポットが形成される。
以上のように、反射型回折格子60への交流電圧を印加という、電気信号のON/OFFのみの操作により、DVDとCDを自在に再生可能な光ヘッドを構成することが可能になる。そして、反射型回折格子60に内蔵されたゲッター材65によりその内部の気体や水分等を吸着することにより誘電率が一定に保持され、反射型回折格子60の静電アクチュエータとしての動作も安定し、光ヘッドの動作も安定したものとなる。
実施形態7.
次に、静電アクチュエータを用いた他の例として反射型ライトバルブ(光変調素子)について説明する。図12に示されるように、光変調素子80は、ガラス製の基板81、基板81にエッチング等により形成された四角形の凹部81aに取り付けられた電極82、基板81を覆うように設けられたシリコンの薄膜83から構成される。また、凹部81aの電極82の両側には細長いゲッター材85がそれそれ配置される。このゲッター材85も上記の実施形態1〜3のいずれかの方法によって活性化される。電極82は、薄膜83と基板81との間に静電力を生じせしめるためのものである。薄膜83はシリコンであるため導電性であり、静電力を働かせる際の電極を兼ねている。この薄膜83と電極82との間に電圧を印加されていない時には、静電力が働いていないので薄膜83はそれ自身の張力によって平坦な面になっている。薄膜83と電極82との間に電圧を印加した時には、静電力が働いて薄膜83が図12に示されるように撓み、入射光を散乱させる。そして、上記の凹部(窓部)81aは図13に示されるように画素に対応して2次元状に配置される。各凹部81aの電極82とそれに対応した薄膜83の部分を以下、ミラー要素と称するものとする。
次に、この光変調素子80を用いた投写型表示装置について説明する。このプロジェクタ装置90は、光源91から出た光は放物面形状のリフレクタ92で反射され、ほぼ平行な光束に変換され、ハーフミラー93で偏光され、上記の光変調素子80に入力する。上記の光変調素子80に入力する。そして、駆動電圧が印加されていないミラー要素86では反射光が平行であるためハーフミラー93を介してレンズ95で集光され、微小ミラー96に入射する。微小ミラー96は、反射面が光軸に対して一定角を有しているため、入射した光はすべて散乱され、スクリーン99には到達しない。
一方、駆動電圧が供給されて変形しているミラー要素は87は凹面鏡にように機能して、その反射光はレンズ95を通り、微小ミラー96の周囲を通過して投写レンズ97を介してスクリーン99に像を結ぶ。すなわち、光変調素子80に供給される画像信号に応じて照射光が変調され、スクリーン99に画像信号に応じた表示がなされる。
光変調素子80は、以上のように動作して、反射型ライトバルブとして機能するが、ゲッター材85の活性化により凹部81a内の気体や水分等は吸着されることから、その駆動の際の静電力も安定したものとなり、反射型ライトバルブの動作も安定したものとなる。
Claims (15)
- 凹部が形成された絶縁基板と、該絶縁基板に形成された凹部に設けられた電極と、前記絶縁基板の凹部を覆うように設けられた薄膜とを備え、前記電極と前記薄膜との間に電圧を印加してその静電気力により前記薄膜を変形させる静電アクチュエータにおいて、前記凹部又は該凹部に連通して設けられた凹部にゲッター材を配置したことを特徴とする静電アクチュエータ。
- ゲッター材が、Ti又はTi合金からなることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
- ゲッター材は、製造過程において絶縁基板と薄膜とが接合された後に、加熱されて活性化されることを特徴とする請求項1又は2記載の静電アクチュエータ。
- ゲッター材を加熱する加熱機構が前記凹部が形成された絶縁基板に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の静電アクチュエータ。
- 加熱機構に加熱電流を供給することによりゲッター材を加熱することを特徴とする請求項4記載のの静電アクチュエータ。
- 前記絶縁基板の加熱機構を有する部分が、該加熱機構を形成した面の反対側より削られてダイヤフラムを形成していることを特徴とする請求項4又は5記載の静電アクチュエータ。
- 請求項1〜6の何れかに記載の静電アクチュエータをインク吐出のための駆動力を付与するための手段として組み込んだことを特徴とするインクジェットヘッド。
- 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に連通する複数の独立の吐出室と、該吐出室の少なくとも一方の壁の一部が機械的に変形を起こすように形成された振動板と、該振動板と平行に設けられた溝と、該溝に設けられ該振動板を駆動するための駆動手段と、複数の吐出室にインクを供給する共通のインクキャビティとを有し、該駆動手段にパルス電圧を印加することにより、該駆動手段に対応する該振動板を該吐出室の圧力が上昇する方向に変形させ、該ノズル孔よりインク滴を記録紙に向け吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記溝又は前記溝に連通した凹部にゲッター材を配置したこと特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項7又は8に係るインクジェットヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1〜6の何れかに記載の静電アクチュエータを光回折のための駆動手段として組み込んだことを特徴とする反射型回折格子。
- 凸部の領域及び凹部の領域を有する絶縁基板と、前記凹部に設けられた電極と、前記絶縁基板を覆うようにして設けられた薄膜とを備え、前記電極と前記薄膜との間に電圧を印加してその静電力により前記薄膜を波状に変形させる光回折格子において、前記凹部又は該凹部に連通して設けられた凹部にゲッター材を配置したことを特徴とする反射型回折格子。
- 請求項10又は11記載の反射型回折格子を搭載したことを特徴とする光ヘッド。
- 請求項1〜6の何れかに記載の静電アクチュエータをライトバルブのための駆動力を付与するための手段として組み込んだことを特徴とする反射型ライトバルブ。
- 画素に対応して2次元状に設けられた凹部を有する絶縁基板と、該絶縁基板の凹部にそれぞれ設けられた電極と、前記基板を覆うように設けられた薄膜とを備え、前記電極と前記薄膜との間に電圧を印加してその静電力により前記凹部に対応した前記薄膜を変形させる反射型ライトバルブにおいて、前記凹部にゲッター材を配置したことを特徴とする反射型ライトバルブ。
- 請求項13又は14の反射型ライトバルブを搭載したことを特徴とする投写型表示装置。
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