JP3567130B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶ディスプレイや密着型イメージセンサ等に用いられる薄膜トランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜トランジスタとしては、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイにおいて画素をオンオフさせるためのスイッチング素子として用いられているものがある。この薄膜トランジスタは、順次液晶画素に画像を書き込むためのものであるが、一旦書き込んだ後に次に書き込むまでの時間(すなわち1フレーム)、画像信号を保持する必要があるため、リーク電流(Ioff)が小さいことが要求される。また、画素数の増加すなわち高精細化に伴い、より短時間で画像信号を書き込む必要があり、十分なオン電流(Ion)の確保が必要となる。
【0003】
そこで、このような問題を解決すべく、リーク電流を低減する構造として、低濃度不純物領域をソース・ドレイン領域とチャネル領域の間に介在させたLDD(Light Doped Drain)構造の薄膜トランジスタが一般的に知られており、様々な改良がなされている。
【0004】
上記LDD構造の薄膜トランジスタとして、図4に示すものがある(特開平5−72555号公報)。このLDD構造の薄膜トランジスタは、図4に示すように、絶縁基板41上に形成された半導体薄膜42と、絶縁膜43を介して配置されたゲート電極44とを有している。上記半導体薄膜42は、ゲート電極44より外側に位置する高濃度不純物領域47A,47Bと、ゲート電極44と整合するチャネル領域45と、高濃度不純物領域47A,47Bとチャネル領域45との間の低濃度不純物領域(LDD領域)46A,46Bからなる。上記低濃度不純物領域46A,46Bの長さと不純物濃度(比抵抗)とゲートチャネル長を限定することにより、リーク電流の低減とオン電流の維持を図っている。
【0005】
図5は図4に示す薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図であり、以下、図5に従って上記薄膜トランジスタの製造方法を説明する。
【0006】
まず、図5(a)に示すように、石英基板51上に、LPCVD(低圧化学気相成長)法により、600℃で厚さ約100nmのPoly−Si薄膜を成膜する。次に、Poly−Si薄膜を素子領域にパターニングして半導体薄膜52を形成する。次に、Pチャネル領域は真性状態(イントリンシック)のまま用いるか、または必要に応じてP型の不純物(ボロン)をドープして、閾値電圧を予め制御しておく。
【0007】
続いて、図5(b)に示すように、1100℃でドライ酸化して、厚さ約120nmのゲート酸化膜53を形成する。
【0008】
次に、図5(c)に示すように、不純物をドーピングした厚さ400nmの低抵抗Poly−Si薄膜を成膜し、レジストにより所定のパターニングを施してゲート電極54を形成する。次に、レジスト55とゲート電極54をマスクにして、P+イオン56を1×1015/cm2,90kevで注入し、ソース・ドレイン領域57,57を形成する。
【0009】
次に、図5(d)に示すように、ゲート多結晶シリコン膜をフレオンガスでオーバーエッチし、レジスト55を剥離する。ここでのサイドオーバーエッチ量がLDD領域の長さとなる。この段階で、P+イオンの打ち込みをソース・ドレイン領域57,57よりも低濃度に行えばLDD領域が形成される。n型チャネルの場合、P+イオンを1×1013/cm2以下で注入する。ただし、LDD領域をイントリンシック領域とする場合には、注入は行わない。
【0010】
次に、図5(e)に示すように、LPCVD法で層間絶縁膜58を成膜する。続いて1000〜900℃程度のアニールを施し、注入不純物の活性化を行う。次に、ソース・ドレイン領域57,57上にコンタクトホールを開口する。その後、金属アルミニウムを約600nmの厚みで成膜し、所定の形状にパターニングして、ソース電極59,ドレイン電極60を形成する。
【0011】
また、この図4に示す薄膜トランジスタは、図6に示す他の製造方法を用いても作製できる。
【0012】
まず、図6(a)に示すように、石英基板上に、LPCVD法により、600℃でPoly−Si薄膜を約100nmの厚みで成膜する。次に、Poly−Si薄膜を素子領域にパターニングする。次に、チャネル領域は真性状態(イントリンシック)のまま用いるか、または必要に応じてP型(ボロン)の不純物をドープして、閾値電圧を予め制御しておく。続いて、1100℃でドライ酸化して、ゲート酸化膜を約120nmの厚みで形成する。そして、不純物をドーピングした低抵抗Poly−Si薄膜を400nmの厚みで成膜し、所定のパターニングを施してゲート電極61を形成する。
【0013】
ここでLDD領域を低濃度不純物領域とする場合には、ゲート電極61の形成直後に、予めP+イオンを1×1013/cm2注入しておく。LDD領域をイントリンシック領域にする場合には、注入は行わない。
【0014】
次に、図6(b)に示すように、全面に絶縁膜を1000nmの厚みで成膜した後、異方性ドライエッチ法でエッチングして、ゲート電極61の側壁に絶縁膜62を形成する。この側壁の絶縁膜62とゲート電極61をマスクとしてセルフアライメントでイオン注入することにより、高濃度不純物領域64,64を形成する。
【0015】
次に、図6(c)に示すように、LPCVD法で層間絶縁膜65を成膜する。続いて、1000〜900℃程度のアニールを施し、注入不純物の活性化を行う。
【0016】
次に、図6(d)に示すように、ソース・ドレイン領域上にコンタクトホールを開口する。次に、金属アルミニウムを約600nmの厚みで成膜し、所定の形状にパターニングして、ソース電極66,ドレイン電極67を形成する。
【0017】
また、他のもう1つのLDD構造の薄膜トランジスタとして、図7に示すものがある(特開平7−235680号公報)。このLDD構造の薄膜トランジスタは、図7に示すように、絶縁基板101上に形成された半導体薄膜103と、絶縁膜104を介して配置されたゲート電極107bとを有している。上記半導体薄膜103は、ゲート電極107bに対向するチャネル領域と、チャネル領域の外側に位置するイントリンシック領域(i層)110,110と、さらにそのイントリンシック領域110,110の外側に位置する低濃度不純物領域109,109と、その低濃度不純物領域109,109の外側に位置する高濃度不純物領域108,108からなる。上記薄膜トランジスタでは、通常のLDD構造の低濃度不純物領域109,109とチャネル領域103との間にイントリンシック領域110,110を設けることにより、さらにリーク電流を低減している。
【0018】
また、図8は図7に示す薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図である。
【0019】
まず、図8(a)に示すように、石英基板101上に、CVD(化学気相成長)法により、SiOx膜102を成膜し、さらに厚さ約50nmのa−Si:H薄膜を成膜する。その後、450℃、1時間の炉アニールを行った後、例えばエキシマレーザーアニールにより、a−Si:H薄膜を溶融再結晶化させ、Poly−Si薄膜を形成する。そして、Poly−Si薄膜をパターニングして素子領域である半導体薄膜103を形成する。このとき、チャネル領域は真性状態(イントリンシック)のまま用いるか、または必要に応じてP型(ボロン)の不純物をドープして閾値電圧を予め制御しておく。
【0020】
次に、図8(b)に示すように、CVD法により、ゲート絶縁膜104を成膜した後、ゲート酸化膜105としてSiOx膜を約100nmの厚みで成膜する。
【0021】
次に、図8(c)に示すように、リンをドーピングしたa−Si薄膜を400nmの厚みで成膜する。次に、フォトリソグラフィにより、レジスト106をパターニングした後に、上記a−Si薄膜を例えばCDE(化学的ドライエッチング)法により、θ1=25°の角度が付くようにエッチングを行うことによりゲート電極107aを形成する。
【0022】
次に、図8(d)に示すように、イオン注入法により、P+イオンを1×1015/cm2、100kev注入する。これにより、ゲート電極107aがない領域は、P+イオンがヘビードープされて高濃度不純物領域108になり、ゲートテーパ端部は、P+イオンがライトリィドープされて低濃度不純物領域109になり、ゲート電極107aの膜厚が215nm以上あるテーパ部直下の領域は、イントリンシック領域110のままとなって、LDD構造をもつ薄膜トランジスタが得られる。
【0023】
次に、図8(e)に示すように、RIE(反応性イオンエッチング)法により、θ2=87°のテーパ角でゲート電極107a(図8(d)に示す)を再度エッチングし、ゲート電極107bを形成する。
【0024】
次に、図8(f)に示すように、レジスト106(図8(e)に示す)の剥離を行った後、CVD法により厚さ400nmの層間絶縁膜111を成膜する。
【0025】
次に、図8(g)に示すように、エキシマレーザアニールにより注入不純物の活性化を行う。
【0026】
次に、図8(h)に示すように、ソース・ドレイン領域108,108上にコンタクトホールH,Hを開口する。
【0027】
そして、図8(i)に示すように、スパッタ法により、金属アルミニウムを約600nmの厚みで成膜し、所定の形状にパターニングしてソース・ドレイン電極112,112を形成する。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示す薄膜トランジスタでは、オン電流の減少をとどめて、リーク電流の低減が図れるものの、LDD領域が低濃度不純物領域(n-)のみで構成されているため、低濃度不純物領域(n-)とイントリンシック領域(i)を組み合わせた図7に示す薄膜トランジスタに比べるとリーク電流は大きく、リーク電流を低減する効果が十分でないという欠点がある。一方、図7に示す薄膜トランジスタでは、リーク電流は小さいものの、チャネル領域(p)と低濃度不純物領域(n-)の間に高抵抗なイントリンシック領域(i)があるため、オン電流が小さいという欠点がある。すなわち、不純物濃度を高くすると、オン電流は高くなるがリーク電流は増大してしまい、逆に不純物濃度を低くすると、リーク電流は低下するがオン電流も低下し、低濃度不純物濃度に対してリーク電流とオン電流はトレードオフの関係にある。
【0029】
そこで、この発明の目的は、リーク電流を低減しつつオン電流を大きくできる薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の薄膜トランジスタの製造方法は、半導体薄膜上に絶縁膜を介してゲート電極が形成され、上記半導体薄膜にゲート電極下のチャネル領域を挟んでソース領域とドレイン領域が形成されている薄膜トランジスタにおいて、上記ソース領域 , ドレイン領域は、上記チャネル領域から離れる方向に向って順に配置された第1の低濃度不純物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域からなり、上記第1の低濃度不純物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域は、上記第1の低濃度不純物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域の順にキャリア濃度が濃くなっている薄膜トランジスタの製造方法であって、絶縁性基板上に半導体薄膜を形成する工程と、上記半導体薄膜の中央部に第1の導電種の不純物を導入する第1不純物導入工程と、上記第1不純物導入工程で上記第1の導電種を導入した上記半導体薄膜の中央部のさらに内側中央の領域上にゲート電極を形成する工程と、上記半導体薄膜の上記ゲート電極に対向する領域以外の領域に上記ゲート電極をマスクとして第2の導電種の不純物を導入する第2不純物導入工程と、上記第2不純物導入工程の後、上記第1不純物導入工程で上記第1の導電種の不純物を導入した領域を除く他の領域のうちの両端側の所定領域に第2の導電種の不純物を導入する第3不純物導入工程とを有し、上記第1の低濃度不純 物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域の多数キャリアの種類が同じになるようにしたことを特徴としている。
【0031】
上記薄膜トランジスタの製造方法によれば、絶縁性基板上に半導体薄膜を形成した後、第1不純物導入工程で半導体薄膜の中央部に第1の導電種の不純物を導入する。次に、上記第1不純物導入工程で上記第1の導電種を導入した上記半導体薄膜の中央部のさらに内側中央の領域上にゲート電極を形成した後、第2不純物導入工程で上記半導体薄膜のゲート電極に対向する領域以外の領域にゲート電極をマスクとして第2の導電種の不純物を導入する。そして、上記第2不純物導入工程の後の第3不純物導入工程で、上記第1不純物導入工程で第1の導電種の不純物を導入した領域を除く他の領域のうちの両端側の所定領域に第2の導電種の不純物を導入する。上記各不純物導入工程では、上記第1の低濃度不純物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域の多数キャリアの種類が同じになるように、不純物の導電種と注入量を決定する。こうして、LDD領域が2つの第1 , 第2低濃度不純物領域からなる薄膜トランジスタ構造を採用することによって、リーク電流を低減しつつオン電流を大きくできる薄膜トランジスタを実現できる。
【0032】
また、一実施形態の薄膜トランジスタの製造方法は、上記ソース領域の上記第1の低濃度不純物領域の長さと上記ドレイン領域の上記第1の低濃度不純物領域の長さとが略等しくなるようにしたことを特徴としている。
【0033】
上記実施形態の薄膜トランジスタの製造方法によれば、上記ソース領域の第1の低濃度不純物領域の長さとドレイン領域の第1の低濃度不純物領域の長さとを略等しくすることによって、対称な特性が得られるので、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイのスイッチング素子である薄膜トランジスタを介して充放電する場合に表示性能を向上できる。
【0034】
また、一実施形態の薄膜トランジスタの製造方法は、上記ソース領域の上記第2の低濃度不純物領域の長さと上記ドレイン領域の上記第2の低濃度不純物領域の長さとが略等しくなるようにしたことを特徴としている。
【0035】
上記実施形態の薄膜トランジスタの製造方法によれば、上記ソース領域の第2の低濃度不純物領域の長さとドレイン領域の第2の低濃度不純物領域の長さとを略等しくすることによって、対称な特性が得られるので、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイのスイッチング素子である薄膜トランジスタを介して充放電する場合に表示性能を向上できる。
【0036】
【0037】
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の薄膜トランジスタの製造方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0039】
図1はこの発明の実施の一形態の薄膜トランジスタの断面図であり、1は石英基板、2は上記石英基板1上に形成された半導体薄膜、3は上記半導体薄膜2を覆うゲート絶縁膜、4は上記ゲート絶縁膜3上に形成されたゲート電極である。上記半導体薄膜2は、ゲート電極4に対向するチャネル領域5と、上記チャネル領域5の両端外側に設けられた第1の低濃度不純物領域6A,6Bと、上記第1の低濃度不純物領域6A,6Bの外側に設けられた第2の低濃度不純物領域7A,7Bと、上記第2の低濃度不純物領域7A,7Bの外側に設けられた高濃度不純物領域8A,8Bとからなる。
【0040】
上記LDD構造の薄膜トランジスタでは、ソース領域,ドレイン領域をチャネル領域から離れる方向に向って順に配置された第1の低濃度不純物領域6A,6Bと第2の低濃度不純物領域7A,7Bと高濃度不純物領域8A,8Bで構成し、第1の低濃度不純物領域6A,6Bと第2の低濃度不純物領域7A,7Bと高濃度不純物領域8A,8Bの多数キャリアの種類を同じとし、チャネル領域5のみ異なる種類としている(キャリアの種類:nタイプ(電子)とpタイプ(正孔))。
【0041】
また、多数キャリア濃度は、第1の低濃度不純物領域6A,6B、第2の低濃度不純物領域7A,7B、高濃度不純物領域8A,8Bの順に濃くなるようにする。
【0042】
例えば、nチャネル型薄膜トランジスタの場合、この実施形態の薄膜トランジスタでは、第1の低濃度不純物領域(n--)6A,6Bと第2の低濃度不純物領域(n-)7A,7Bの2段にできるので、よりゆるやかな不純物濃度分布が実現でき、したがって電界集中が小さくリーク電流が低減することができる。また、上記薄膜トランジスタでは、イントリンシック領域(i)の代わりに、キャリア数が多く低抵抗な第2の低濃度不純物領域(n-)7A,7Bが存在するため、オン電流Ionを増大させることができる。
【0043】
図2,図3は上記薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図であり、以下、図2,図3に従って薄膜トランジスタの製造方法を説明する。なお、この薄膜トランジスタはnチャネル型とする。
【0044】
まず、図2(a)に示すように、石英基板1上に、LPCVD法で厚さ約45nmのα−Si薄膜2aを成膜する。このときの原料ガスにSi26を用いる。なお、上記α−Si薄膜は、プラズマCVD法で150〜250℃程度の温度で成膜してもよい。次に、窒素雰囲気中で600℃程度,24時間の炉アニールでPoly−Si薄膜を大粒径化する。また、LPCVD法でPoly−Si薄膜を成膜してもよい。必要ならば、さらにSiイオンをイオン注入して一旦非晶質化させ、次に、600℃程度の炉アニールでPoly−Si薄膜を大粒径化する。さらにレーザーアニールを施して結晶性を改善してもよい。
【0045】
次に、図2(b)に示すように、Poly−Si薄膜を素子領域にパターニングして半導体薄膜2を形成する。
【0046】
次に、図2(c)に示すように、フォトレジストをマスク20として、B+イオンを1×1011〜5×1012cm-2程度のドーズ量でイオン注入Aをする(第1不純物導入工程)。
【0047】
次に、図2(d)に示すように、マスク20を除去した後、HTO(High Temperture Oxide)を約80nmの厚みに成膜してゲート絶縁膜3を形成する。なお、このゲート絶縁膜は、酸化により形成してもよい。
【0048】
次に、図2(e)に示すように、LPCVD法で厚さ400nmのPoly−Si薄膜を成膜した後、塩化ホスホリルPOCl3ガスから燐をドーピングし、低抵抗Poly−Si薄膜を形成する。所定のパターニングを施してゲート電極4を形成する。このとき、ゲート電極4下のチャネル長を1.5μmとし、チャネル幅を1μmとし、ゲート電極4の外側のイオン注入Aの領域の長さを0.75μmとする。
【0049】
次に、図2(f)に示すように、ゲート電極4をマスクとしてセルフアライメントでイオン注入Bをする(第2不純物導入工程)。このnチャネル型薄膜トランジスタの場合は、P+イオンを5×1012〜5×1013cm-2程度のドーズ量で注入する。なお、P+イオンの代わりにAs+イオンでもよい。
【0050】
次に、図3(a)に示すように、ゲート電極4の側面から長さ1.5μm、幅1μmの領域をLDD領域として残すようにレジスト30を形成する。このレジスト30をマスクとしてイオン注入Cを行う(第3不純物導入工程)。このとき、P+イオンを5×1014〜5×1015cm-2のドーズ量で注入し、高濃度不純物領域8A,8Bを形成する。これによって、第2の低濃度不純物領域7A,7Bが形成される。上記ゲート電極4の外側のイオン注入Cの領域までのLDD領域(6A,6B,7A,7B)の長さを1.5μmとする。
【0051】
次に、図3(b)に示すように、常圧CVD法でBPSG(ホウ素・リン・シリケート・ガラス)膜10を600nmの厚みで成膜する。続いて、窒素雰囲気中で950℃,30分間のアニールを施し、注入不純物の活性化を行う。そして、ソース領域の高濃度不純物領域8A上およびドレイン領域の高濃度不純物領域8B上に第1コンタクトホール11,11を開口する。その後、AlSiを約600nmの厚みで成膜し、所定の形状にパターニングしてソース電極12A,ドレイン電極12Bを形成する。
【0052】
次に、図3(c)に示すように、プラズマCVD法で厚さ約200nmのP−SiNO膜13を成膜し、さらに厚さ約700nmのP−SiO膜14を成膜した後、アニールを施し、P−SiNO膜14中の水素をPoly−Si薄膜である半導体薄膜2中に拡散させて水素化する。
【0053】
次に、ドレイン電極12B上に第2コンタクトホール15を開口し、ITO等からなる透明電極を約150nmの厚みで形成し、所定の形状にパターニングして、透明電極16を形成する。
【0054】
このように、上記薄膜トランジスタの構造は、次の以下の3つの注入の組み合わせによって実現される(注入Aは第1不純物導入工程、注入Bは第2不純物導入工程、注入Cは第3不純物導入工程)。
【0055】
注入A:ゲート電極の形成前の閾値電圧制御用のイオン注入
注入B:ゲート電極の形成後の低濃度イオン注入
注入C:ゲート電極の形成後の高濃度イオン注入
また、表1は、nチャネル型薄膜トランジスタの場合の注入領域と注入イオンの組み合わせについて示している(○は注入有りを表す)。
【表1】
Figure 0003567130
【0056】
なお、pチャネル型薄膜トランジスタの場合は、上記表1で、B+(またはBF2 +)とP+(またはAs+)を入れ替えればよい。
【0057】
そして、第1の低濃度不純物領域6A,6Bと第2の低濃度不純物領域7A,7Bと高濃度不純物領域8A,8Bの順にキャリア濃度が濃くなるようにするため、注入量は、
注入量A:1×1011〜5×1012cm-2
注入量B:5×1012〜5×1013cm-2
注入量C:5×1014〜5×1015cm-2
の範囲内で注入A<注入B<注入Cの条件を満足させる。
【0058】
上記薄膜トランジスタの製造方法において、第1の低濃度不純物領域6A,6Bの長さをそれぞれL1s,L1dとし、第2の低濃度不純物領域7A,7Bの長さをそれぞれL2s,L2dとすると、
L1s=L1d または L2s=L2d
の少なくとも一方を満足させることが望ましい。これにより、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイのように、スイッチング素子である薄膜トランジスタを介して充放電する場合すなわち双方向で使用する場合、薄膜トランジスタの特性が対称となるので、表示品位やコントラスト等の表示性能が向上する。
【0059】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、ソース領域およびドレイン領域を第1,第2の低濃度不純物領域を含む3段階に不純物濃度を変えることによって、従来のLDD構造に比べ、サイズを拡大することなく、リーク電流の低減とオン電流の増大を同時に実現することができる。今後のHDTV(High Definition TeleVision;高精細テレビ)対応等の超高精細液晶ディスプレイのように、画素面積の微細化や画素数の増大が進むにつれ、この発明は、パネルの高表示品位化,高コントラスト化を実現する上で、益々、より顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の一形態の薄膜トランジスタの断面図である。
【図2】図2は上記薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図である。
【図3】図3は図2に続く上記薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図である。
【図4】図4は従来の薄膜トランジスタの断面図である。
【図5】図5は上記薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図である。
【図6】図6は上記薄膜トランジスタの他の製造方法を示す工程図である。
【図7】図7は従来の他の薄膜トランジスタの断面図である。
【図8】図8は上記薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1…石英基板、
2…半導体薄膜、
3…ゲート絶縁膜、
4…ゲート電極、
5…チャネル領域、
6A,6B…第1の低濃度不純物領域、
7A,7B…第2の低濃度不純物領域、
8A,8B…高濃度不純物領域、
10…層間絶縁膜、
11…第1コンタクトホール、
12A…ソース電極、
12B…ドレイン電極、
13…P−SiNO膜、
14…P−SiO膜、
15…第2コンタクトホール。

Claims (3)

  1. 半導体薄膜上に絶縁膜を介してゲート電極が形成され、上記半導体薄膜にゲート電極下のチャネル領域を挟んでソース領域とドレイン領域が形成されている薄膜トランジスタにおいて、上記ソース領域 , ドレイン領域は、上記チャネル領域から離れる方向に向って順に配置された第1の低濃度不純物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域からなり、上記第1の低濃度不純物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域は、上記第1の低濃度不純物領域 , 第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域の順にキャリア濃度が濃くなっている薄膜トランジスタの製造方法であって、
    絶縁性基板上に半導体薄膜を形成する工程と、
    上記半導体薄膜の中央部に第1の導電種の不純物を導入する第1不純物導入工程と、
    上記第1不純物導入工程で上記第1の導電種を導入した上記半導体薄膜の中央部のさらに内側中央の領域上にゲート電極を形成する工程と、
    上記半導体薄膜の上記ゲート電極に対向する領域以外の領域に上記ゲート電極をマスクとして第2の導電種の不純物を導入する第2不純物導入工程と、
    上記第2不純物導入工程の後、上記第1不純物導入工程で上記第1の導電種の不純物を導入した領域を除く他の領域のうちの両端側の所定領域に第2の導電種の不純物を導入する第3不純物導入工程とを有し、
    上記第1,第2,第3不純物導入工程により上記第1の低濃度不純物領域,第2の低濃度不純物領域および高濃度不純物領域の多数キャリアの種類が同じになるようにしたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
    上記ソース領域の上記第1の低濃度不純物領域の長さと上記ドレイン領域の上記第1の低濃度不純物領域の長さとが略等しくなるようにしたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
    上記ソース領域の上記第2の低濃度不純物領域の長さと上記ドレイン領域の上記第2の低濃度不純物領域の長さとが略等しくなるようにしたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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