JP3566386B2 - 下水道装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自然流下式の下水道縦管部分に使用して好適な下水道装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の下水道装置では、例えば、実開平4−53842号公報に記載されているように、マンホ−ルの側壁からマンホ−ル内に突出された流入管の一端に曲がり管を介して縦管の上端を接続し、縦管の下端をマンホ−ル内の底部に開口する。そして流入管から流入された下水を縦管によりマンホ−ル内の底部に導入することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の下水道装置では、マンホ−ル内に設けられる縦管が長い場合には、縦管下端から流出される下水の落下衝撃が大きいためにマンホ−ルの底部を破損する恐れがある。
特に、地下の高深度利用の場合には、例えば、マンホ−ル内の底部が地表面からおよそ50mの深度に達することがあり、このような場合には、縦管が当然長くなり、マンホ−ルの底部を破損する危険が一層高まる。
更に、縦管が閉塞したり、損傷した時、掃除等の維持管理が必要となるが、前述の従来技術の管路では、高深度になればなる程、困難になる。
そこで、本発明の目的は、上記問題に着目してなされたもので、従来の問題点を解決し、縦管が長い場合にも下水の落下衝撃によりマンホ−ルの底部を破損したりする恐れのない維持管理の容易な下水道装置を提供するにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、請求項1記載の発明は、下水道本管と整流マスと縦管とを有する下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マス内部では管路が2以上に分岐され、該分岐部には脱着可能な分流堰が設けられ、整流マスの分岐された管路の出口にそれぞれ縦管が複数本接続されているものである。
【0005】
又、請求項2記載の発明は、下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は外管と内管の二重構造となされ、この内管は内面に流路の一部を遮蔽する遮蔽板を有する複数個の短管が遮蔽板をジグザグ状にして連結されたものである。
【0006】
又、請求項3記載の発明は、下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は中央部が曲がっている曲がり短管が複数個連結されたものである。
【0007】
又、請求項4記載の発明は、請求項3記載の下水道装置であって、曲がり短管の長さが構造物の各階の階高の長さとほぼ同じで、この曲がり短管の接続部が各階のフロア−近傍に設けられているものである。
【0008】
請求項1、2記載の本発明において、縦管本体及び縦管の外管の材質としては、特に限定されたものではないが、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、FRP、ポリカ−ボネ−ト等の合成樹脂の他に、FRPとモルタルとの積層体である所謂FRPMや、合成樹脂とセメント等との複合材や、鉄筋で補強されたコンクリ−ト等が好適に使用できる。
【0009】
請求項2、3、4記載の本発明において、縦管の内管に用いられる短管、遮蔽板を有する短管及び曲がり短管の材質としては、特に限定されたものではないが、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂が好適に使用できる。
【0010】
【作用】
請求項1記載の発明では、下水道本管と整流マスと縦管とを有する下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マス内部では管路が2以上に分岐され、該分岐部には脱着可能な分流堰が設けられ、整流マスの分岐された管路の出口にそれぞれ縦管が複数本接続されているから、縦管内が詰まったときは、脱着可能な分流堰を詰まった縦管への分岐管路の脱着可能な分流堰用の溝に差し込んで、下水を他方の縦管に流すことにより、詰まった縦管を下水が流れなくなり、詰まった縦管内を掃除したりして維持管理ができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は外管と内管の二重構造となされ、この内管は複数個の短管で形成されているから、短管内が下水により詰まった時は短管を縦管の外管から引き上げて掃除したりして維持管理ができる。
又、この内管は内面に流路の一部を遮蔽する遮蔽板を有する短管が遮蔽板をジグザグ状にして連結されているから、下水は縦管内を落下途中において遮蔽板に衝突して緩衝され、マンホ−ルの底部を破損する恐れが少ない。
【0012】
請求項3記載の発明では、下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は中央部が曲がっている曲がり短管が複数個連結されているから、下水は縦管内を落下途中においてジグザグ状に連結された曲がり短管により緩衝され、マンホ−ルの底部を破損する恐れが少ない。
【0013】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の下水道装置であって、曲がり短管の長さが構造物の各階の階高の長さとほぼ同じで、この曲がり短管の接続部が各階のフロア−近傍に設けられているから、短管内が下水により詰まった時は曲がり短管を縦管から取り外して掃除したりして維持管理ができる。この際、接続部がフロア−近傍に設けられているから、曲がり短管を縦管から取り外したり接続し易い。
【0014】
【実施例】
本発明の実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は本発明の下水道装置の一例を示す断面図、図2は本発明の下水道装置の一例を示す断面図、図3は本発明の下水道装置の一例を示す背面図、図4は止め板の断面図である。
【0015】
図1において、Hは下水道装置であり、下水道装置Hは下水道本管1と整流マス2と縦管本管3と縦管補助管4とから構成されている。
下水道本管1と整流マス2はコンクリ−ト製であり、縦管本管3と縦管補助管4は硬質塩化ビニル樹脂製である。
整流マス2の入口にはほぼ水平な下水道本管1が接続され、整流マス2内部では管路が2つに分岐され、分岐された管路の入口付近傍にそれぞれ止め板用溝6が設けられ、分岐された管路のどちらか一方の止め板用溝6に止め板5が差し込まれて管路が堰止められ、整流マス2の分岐された管路の出口にそれぞれほぼ垂直な縦管本管3と縦管補助管4とが接続されている。
7は地下に構築された地下構造物であり、地下構造物7の上部に整流マス2が設けられている。
これらの縦管本管3と縦管補助管4とは地下構造物7で支持されている。
【0016】
本実施例の作用を説明する。
下水道本管1から流入される下水は整流マス2に入る。
整流マス2の内部は縦管本管3用の管路と縦管補助管4用の管路とに分岐されており、通常は、縦管補助管4を止め板5で止めて、整流マス2に入った下水は縦管本管3へと管壁に沿ってスム−ズに流れるようにしている。
このようになっているから、縦管本管3内が下水により詰まったときは、止め板5を縦管本管3への分岐管路の止め板用溝6に差し込んで、下水を縦管補助管4に流すことにより、縦管本管3内を下水が流れなくなり、縦管本管3内の詰まりを掃除したりして維持管理ができる。
【0017】
本発明の他の実施例を図5に基づいて説明する。
図5は本発明の下水道装置の一例を示す断面図である。
図5において、H1は下水道装置であり、この下水道装置H1は下水道本管1と整流マス21と縦管31とから構成されている。
下水道本管1と整流マス21はコンクリ−ト製であり、縦管31は硬質塩化ビニル樹脂製である。
整流マス21入口にはほぼ水平な下水道本管1が接続され、整流マス21の出口にほぼ垂直な縦管31が接続されている。
この縦管31は外管311と内管312の二重構造となされ、この内管312は複数個の短管10が連結され形成されている。
この短管10は短管10内の流路のほぼ半分を遮蔽する遮蔽板11がほぼ水平に張り出して一体に設けられている。各短管10の遮蔽板11は外管311内においてジグザグ状に配置されている。
【0018】
本実施例の作用を説明する。
下水道本管1から流入される下水は整流マス21に入る。
整流マス21の垂直下部に接続された縦管31は、外管311と内管312の二重構造となされ、内管312は複数個の短管10が連結され形成され、この短管10の内部には遮蔽板11がジグザグ状に配置されているので、整流マス21に入ってきた下水は矢印で示すようにジグザグ状に流下する。
このようになっているから、下水は内管312内を落下途中において遮蔽板11により緩衝され、落下衝撃を少なくすることができ、マンホ−ルの底部を破損する恐れが少ない。
又、内管312内が下水により詰まったときは、短管10を引き上げて掃除したりして維持管理ができる。
【0019】
本発明の別の実施例を図6に基づいて説明する。
図6は本発明の下水道装置の一例を示す断面図である。
図6において、H2は下水道装置であり、下水道装置H2は下水道本管1と整流マス22と縦管32とから構成されている。
下水道本管1と整流マス22はコンクリ−ト製であり、縦管32は硬質塩化ビニル樹脂製である。
【0020】
整流マス22の入口にはほぼ水平な下水道本管1が接続され、整流マス22の出口にほぼ垂直下部に縦管32が鍔13により接続されているものである。
縦管32は複数個の中央部が曲がっている曲がり短管12が連結され構成されている。
この中央部が曲がっている曲がり短管12の曲部が構造物の壁に支持具33で取り付けられて、曲がり短管12が支持されている。
この曲がり短管12の長さは構造物の各階の階高の長さとほぼ同じで、曲がり短管12同士は鍔14により各階のフロア−近傍で接続されている。
【0021】
本実施例の作用を説明する。
下水道本管1から流入される下水は整流マス22に入る。
整流マス22の垂直下部に接続された縦管32は、複数個の中央部が曲がった短管12が連結され、この曲がり短管12の曲部が構造物の壁に支持具33で取り付けられて、曲がり短管12が支持されているので、整流マス22に入ってきた下水は矢印で示すようにジグザグ状に流下する。
このようになっているから、下水は縦管32内を落下途中において中央部が曲がっている曲がり短管12により緩衝され、落下衝撃を少なくすることができ、マンホ−ルの底部を破損する恐れが少ない。
又、この曲がり短管12の長さは構造物の各階の階高の長さとほぼ同じで、曲がり短管12同士は鍔14により各階のフロア−近傍で接続されているので、縦管32内が下水により詰まったときは、各階のフロア−毎に中央部が曲がっている曲がり短管12を取り外して簡単に掃除したりして維持管理ができる。
【0022】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、請求項2の中で、縦管31が二重構造になり、外管311、内管312が共に円筒形であったが、外管311が四角形で内管312が円筒形でもよい。
又、短管10内の流路のほぼ半分を遮蔽する遮蔽板11がほぼ水平に張り出して一体に設けられているが、斜め下向きに張り出すようにして、下水が流れやすくしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上のとおり、請求項1記載の発明では、下水道本管と整流マスと縦管とを有する下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マス内部では管路が2以上に分岐され、該分岐部には脱着可能な分流堰が設けられ、整流マスの分岐された管路の出口にそれぞれ縦管が複数本接続されているから、縦管内が詰まったときは、脱着可能な分流堰を詰まった縦管への分岐管路の脱着可能な分流堰用の溝に差し込んで、下水を他方の縦管に流すことにより、詰まった縦管を下水が流れなくなり、詰まった縦管内を掃除したりして維持管理ができる。
【0024】
請求項2記載の発明では、下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は外管と内管の二重構造となされ、この内管は複数個の短管で形成されているから、短管内が下水により詰まった時は短管を縦管の外管から引き上げて掃除したりして維持管理ができる。
又、この内管は内面に流路の一部を遮蔽する遮蔽板を有する短管が遮蔽板をジグザグ状にして連結されているから、下水は縦管内を落下途中において遮蔽板に衝突して緩衝され、マンホ−ルの底部を破損する恐れが少ない。
【0025】
請求項3記載の発明では、下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は中央部が曲がっている曲がり短管が複数個連結されているから、下水は縦管内を落下途中においてジグザグ状に連結された曲がり短管により緩衝され、マンホ−ルの底部を破損する恐れが少ない。
【0026】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の下水道装置であって、曲がり短管の長さが構造物の各階の階高の長さとほぼ同じで、この曲がり短管の接続部が各階のフロア−近傍に設けられているから、短管内が下水により詰まった時は曲がり短管を縦管から取り外して掃除したりして維持管理ができる。この際、接続部がフロア−近傍に設けられているから、曲がり短管を縦管から取り外したり接続し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の下水道装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の下水道装置の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の下水道装置の一例を示す背面図である。
【図4】止め板の断面図である。
【図5】本発明の下水道装置の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の下水道装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
H、H1、H2 下水道装置
1 下水道本管
2、21、22 整流マス
3 縦管本管
31、32 縦管
311 外管
312 内管
4 縦管補助管
5 止め板
6 止め板用溝
7 地下構造物
10 短管
11 遮蔽板
12 中央部が曲がった短管
13、14 鍔
Claims (4)
- 下水道本管と整流マスと縦管とを有する下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マス内部では管路が2以上に分岐され、該分岐部には脱着可能な分流堰が設けられ、整流マスの分岐された管路の出口にそれぞれ縦管が複数本接続されていることを特徴とする下水道装置。
- 下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は外管と内管の二重構造となされ、この内管は内面に流路の一部を遮蔽する遮蔽板を有する複数個の短管が遮蔽板をジグザグ状にして連結されたものであることを特徴とする下水道装置。
- 下水道本管と整流マスと縦管とから構成される下水道装置であって、前記整流マスの入口には下水道本管が接続され、整流マスの出口には前記縦管が接続され、この縦管は中央部が曲がっている曲がり短管が複数個連結されたものであることを特徴とする下水道装置。
- 請求項3記載の下水道装置であって、曲がり短管の長さが構造物の各階の階高の長さとほぼ同じで、この曲がり短管の接続部が各階のフロア−近傍に設けられていることを特徴とする下水道装置。
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- 1995-03-31 JP JP07597795A patent/JP3566386B2/ja not_active Expired - Fee Related
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