JP3566013B2 - 窯業系建材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窯業系建材の製造方法に係り、より具体的には、表面に凹凸模様を有する外壁材、内壁材、屋根材等の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年建築物の高級化や環境との調和、景観への関心の高まり等から、割石柄、レンガ柄、自然石調柄等のシャープで深い凹凸模様を有する板状無機硬化体が強く望まれるようになってきた。従来、窯業系建材である板状無機硬化体を製造する方法の代表的なものに、抄造機を使用する抄造法とフローオン法(特開平6−312413号公報等参照)がある。
【0003】
抄造法を使用して深い凹凸模様を有する板状無機硬化体を製造する場合、抄造機で未硬化板状体を成形しプレス押圧時に所望の模様をつけた金型で模様付けしたり、養生硬化させて板状無機硬化体を製造した後、ルーター等で切削加工して凹凸模様を成形させる方法がある。この方法によると、円網抄造機、長網抄造機のいずれの抄造機を使用しても製造できるが、切削加工時に欠けや大量の粉塵が発生するだけでなく、材料のロスがあって経済的とはいえない。
【0004】
また、フローオン法においても硬化体を製造した後、プレスで模様付けしたりルーター等で切削加工して凹凸模様を形成することから前述した抄造法と同様な課題があった。
抄造法、フローオン法のいずれにおいても、未硬化板状体(生板、グリーン体)を成形する過程において模様付けプレスにおいて型押しすると、当該生板の賦形性が悪いことから、シャープでかつ深い模様の形成が困難であるが故に、前述したようにルーター等で模様付けに頼っていたのである。
【0005】
このような課題を解決するため、特開平8−1624号公報には、水硬性物質および繊維を含む水性スラリーを円網抄造機に供給して未硬化板状成形体を得、この未硬化成形体上に固形分濃度が20〜60重量%の水硬性物質を含む水性ペーストまたは固形分が移動可能な板状未硬化体を供給して重ねた後、型押しして表面に凹凸模様を形成させ養生硬化させる方法が提案されている(以下従来例という。)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来例による方法によると、ある程度の深さを有する凹凸模様が形成できるけれども、水硬性物質および繊維を含む水性スラリーを円網抄造機に供給して未硬化板状成形体を得、この未硬化成形体上に固形分濃度が20〜60重量%の水硬性物質を含む水性ペーストまたは固形分が移動可能な板状未硬化体を供給して重ねるものであることから、未硬化板状成形体の脱水が困難でこの上に水性ペーストを重ねることからますます脱水が困難となって、型押し(模様付け)するには賦形性が悪いことから、シャープで深い模様を形成するには、脱水を確実に行ってからの型押しをする必要があって生産性が悪いものであった。
【0007】
すなわち、脱水に長時間を要することから、型押しまでの待期時間が長く、生産性が悪いものであった。
また、未硬化板状成形体とこの上の水性ペースト等との界面の接着性が悪く層間剥離が生じ易いものであった。
そこで本発明は、抄造法、フローオン法等のいずれであっても、生板上に乾燥した材料を散布することによって、該散布材料によって生板の水分量を吸水(脱水)することにより、賦形性(型押しによる形状安定性等)を良好にして、シャープでかつ深い凹凸模様を有する建材を生産性良く製造することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る窯業系建材の製造方法は、調製・配合された窯業系材料からなる生板の上に、調製・配合されかつ乾燥状態の窯業系材料を散布して積層した後、型押しして該積層部分の表面に凹凸模様を形成し、養生硬化することを特徴とするものであり、このような構成にしたことから、生板上に散布した乾燥状態の窯業系材料によって生板の水分を吸水して生板の脱水を助け、型押しまでの待期時間を短縮して生産性を向上できるのであり、生板の水分を吸水して硬化反応することから層間剥離も少なくなるし、賦形性が良好になるのである。
【0009】
なお、上述において乾燥状態とは、セミドライ(半乾き状態)を含む意味であり、粘性を有して散布するとき団子状とならず、粉末状となって散布されるものをいう。
また、生板(グリーン体)の製造は、抄造法、フローオン法は勿論のこと押出成形法等も含むものであり、好ましくはフローオン法を採用する。
【0010】
更に、生板とは脱水等によってある程度硬化反応があって完全に硬化しない未硬化成形体を意味し、その形状は板状、シート状、帯板状等建材の種類によって選択される。
また、窯業材料とは水硬性物質に、賦形性向上のため繊維、特に短いパルプ繊維、パーライト等を調製配合したものをいい、基本的配合はCaO/SiO2 に0.8〜1.2重量%の範囲で珪酸質原料とセメントを調製したものを用いる。
【0011】
更に、本発明においては、乾燥状態の窯業系材料を生板上に散布するとき又は散布して積層した後に、当該材料に対して撥水剤を調製・配合した水を散水することにより、最終硬化板状体の吸水量を下げることができ、この撥水剤としてはエマルジョンタイプを使用することによって歩留りを揚げることができるし、また、水に調製・配合した撥水剤が0.1〜2.0重量%のシリコーン系撥水剤であることにより硬化養生、特に、オートクレーブ養生するのに有利となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明すると、図1において、調製・配合された窯業材料からなる生板1は、抄造法、フローオン法等によって作成されて脱水ゾーン等を有する搬送ライン上で移送され、該生板1は帯長手方向に連続したシートでも良いが帯長手方向に寸断されたものであっても良い。
【0013】
脱水ゾーンを移送中の生板1上には乾燥されている窯業系材料2が散布され、この散布量はその後の転圧ローラ3等によって均し圧されて積層したとき、その積層厚さが模様付けに足りるものであって生板1と同厚かそれ以下とされる。
生板1上に乾燥された材料を散布することによって、生板1中の水分は乾燥材料によって吸水され生板1の脱水量を抑え、脱水による水の道が少なくなって界面の剥離を防止した下で重ね合わされる。
【0014】
材料2の散布にあたっては、ベルトコンベア4上の材料2をピックアップローラ(ピッカーロール)5によって掻き上げながら散布することにより均一な散布が可能であるし、望ましくはコンベア4を底蓋とするフラッボックスによって散布することが有利であるも、勿論、これに限定されるものではない。
散布中、すなわち、落下中の材料2又は積層された材料2のいずれかには、撥水剤を調製・配合した水が散水され、該散水手段6としてはスプレーを用いることができるが、勿論、それ以外であっても良い。
【0015】
積層材料への水の散水量(水分量)は、プレス後の全体の水分量をWo %、生板1から材料2への移動水分量(吸水量)をWu %とすると、Wo −Wu 以上とされる。
撥水量は吸水量を下げる目的で添加されるが、扱い易さおよび歩留り向上のためには、エマルジョンタイプが有利であり、また、硬化養生を加味するとシリコーン系が望ましくこの添加量(重量%)は0.1〜2.0%で特に0.3〜1.0%が最適であって、シリコーン系を用いると撥水性は勿論のこと耐熱性、耐老化性等に有利となる。
【0016】
更に、生板1の材料と乾燥材料はこれが同じ配合のものであっても良いが、異なる配合としたものであっても構わない。
基本的な調製配合はCaO/SiO2 =0.8〜1.2%の範囲で珪酸質原料とセメントを調製し、賦形性向上と軽量化のためパルプ繊維とパーライト等が配合される。
【0017】
パルプ繊維は通常4〜5%のところを2〜3%に減量し、しかも、繊維長は短いものが有利である。
更に、パーライト以外の軽量化材料としては有機系発泡材料、例えば発泡ポリスチレンが、スラリー状ではなく軽くとも分離のおそれが少ないことから有利である。
【0018】
ロール転圧された積層板7は、その後、型押しして凹凸模様を形成した後に、硬化養生される。
この型押しには模様型8aを有する加圧盤8と固定盤9との間で実施され、プレスの面圧は20〜100kg・f/cm2 、プレス時間は1秒〜10分の範囲でなされ、プレス深さ(模様深さ)は4〜10mmである。
【0019】
また、プレスによって割石調、石目柄等の天然石模様等の種々の凹凸を有する模様10Aを形成できるし、形成後においては、オートクレーブ養生、蒸気養生等によって養生硬化させると目的とする建材10が得られる。
なお、切断屑等の材料は回収されて再使用されることはいうまでもない。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、脱水効率を上げることで生産性を向上した状態でシャープでかつ深い凹凸模様を有する建材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造ラインの要部構成図である。
【符号の説明】
1 生板
2 窯業系材料
6 散水手段
8 加圧盤(プレス)
Claims (2)
- 調製・配合された窯業系材料からなる生板の上に、調製・配合されかつ生板上の水分を吸収する乾燥状態の窯業系材料を散布して積層し、この積層と同時又はその後に撥水剤を調製・配合した水を前記積層部分の上から散水して、前記撥水剤によって吸水量が下げられた該積層部分の表面に型押しして凹凸模様を形成し、養生硬化することを特徴とする窯業系建材の製造方法。
- 水に調製・配合した撥水剤が0.1〜2.0重量%のシリコーン系撥水剤であることを特徴とする請求項1記載の窯業系建材の製造方法。
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JPH10217226A JPH10217226A (ja) | 1998-08-18 |
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1997
- 1997-02-04 JP JP02182097A patent/JP3566013B2/ja not_active Expired - Fee Related
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