JP4960683B2 - 無機質板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外壁材や屋根材などとして用いられる無機質板の製造方法に関するものである。
従来より、走行ベルトコンベア上にセメントを含む水硬性材料を供給した後、この水硬性材料をプレス成形し、これを養生硬化するようにして無機質板を製造することが行われているが(例えば、特許文献1参照)、この場合、水硬性材料の全体に硬化用の水を行き渡らせるために、水硬性材料を供給する前の走行ベルトコンベア上に散水により水を供給すると共に、プレス成形する前の走行ベルトコンベア上の水硬性材料に散水により水を供給するようにしている(例えば、特許文献2参照)。このように製造される無機質板において、裏面側からの吸水を抑制するために、無機質板の裏面側に防水剤を塗装するようにしている。
しかし、無機質板の防水性を高めるためには防水剤の塗装を複数回行って重ね塗りが必要であり、手間がかかるという問題があった。また、防水剤を予め水硬性材料に配合することも考えられるが、無機質板の内部の防水性が不要な部分にも防水剤が存在することになって、防水剤が無駄に消費されるという問題があった。
特開2006−96639号公報 特公昭58−6604号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、経済的に防水性を高めることができる無機質板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の無機質板Bの製造方法は、走行ベルトコンベア13上に水40を供給した後、この走行ベルトコンベア13上にセメントを含む水硬性材料11を供給し、次に、走行ベルトコンベア13上の水硬性材料11に水41を供給した後、この水硬性材料11をプレス成形する無機質板Bの製造方法において、走行ベルトコンベア13上に供給する水40に防水剤を配合し、この防水剤としてアルキルアルコキシシランとその重合物からなる粘度200cps以下のシリコーン系撥水剤を用い、前記アルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の炭素数が4〜8、前記アルキルアルコキシシランとその重合物の重量平均分子量が300〜6000であることを特徴とするものである。
本発明にあっては、走行ベルトコンベア13上に供給する水40と、走行ベルトコンベア13上の水硬性材料11に供給する水41との少なくとも一方に補強樹脂を配合することが好ましい
本発明では、水硬性材料11の全体に水を行き渡らせるために走行ベルトコンベア13上に供給される水40を利用して、無機質板Bの裏面に防水剤を供給することができ、しかも、防水剤としてアルキルアルコキシシランとその重合物からなる粘度200cps以下のシリコーン系撥水剤を用い、前記アルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の炭素数が4〜8、前記アルキルアルコキシシランとその重合物の重量平均分子量が300〜6000であるので、防水剤の塗装作業が不要となって手間をかけずに無機質板の防水性を高めることができると共に、防水剤が不要な無機質板Bの内部にまで供給されることが少なくなって、防水剤が無駄に消費されずに経済的に防水性を高めることができるものである。
また、水硬性材料11の全体に硬化用の水を行き渡らせるために走行ベルトコンベア13上に供給される水40、41を利用して、無機質板Bの表面側あるいは裏面側の少なくとも一方に補強樹脂を供給することができ、無機質板Bの表面側あるいは裏面側の少なくとも一方を補強樹脂で補強して無機質板B全体の曲げ強度を向上することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に、本発明の無機質板Bの製造工程を示す。13は走行ベルトコンベアであって、無端ループ状の走行ベルト23が進行駆動自在に設けられている。走行ベルト23は走行ベルトコンベア13の基端側から終端側に向かって一方向に進行するものである。走行ベルトコンベア13の上方にはその基端側から終端側に向かって順に、スプレー装置などの第一散水機42、水硬性材料供給機12、厚さ調整板14、加圧ローラ15、スプレー装置などの第二散水機16、加圧ローラ17、表層材料供給機22、厚さ調整板24、加圧ローラ25、スプレー装置などの第三散水機26、加圧ローラ27が並設されている。走行ベルトコンベア13の終端には切断台43が隣接して設けられており、切断台43の上方にはカッター44が配設されている。切断台43には上下一対のローラから成る搬送ローラ45が設けられている。図1中の46は上記と同様の走行コンベアであって、無端ループ状の走行ベルト47が進行駆動自在に設けられている。走行ベルト47は走行ベルトコンベア46の基端側から終端側に向かって一方向に進行するものである。走行ベルトコンベア46の上方にはその基端側から終端側に向かって順に、プレス成形機48、搬送ローラ49、ドライヤー50が並設されている。図1中の51は下塗り塗装装置であり、52は上塗り塗装装置であり、53はオートクレーブ装置である。
図1を用いて本発明の無機質板の製造方法を説明する。まず、一方向に進行する走行ベルトコンベア13の走行ベルト23上に第一散水機42から水硬性材料11の硬化用の水40を散布して供給する。次に、水40が供給された走行ベルト23上に水硬性材料供給機12から水硬性材料11を乾式で落下させて供給する。これにより、走行ベルト23上に供給した水40が、走行ベルト23上に供給された水硬性材料11に裏面(下面)から含浸する。ここで、水硬性材料11はセメントを主成分とし、骨材や補強繊維などを含有して調製するものである。上記セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメントなどを用いることができる。また、上記骨材としては、御影石、蛇紋石などの砕石、珪石粉、シラスバルーン、ガラスバルーン、パーライト、砂、ビーズ等を用いることができる。さらに、上記補強繊維としては、例えば、セルロース系のパルプ繊維、鉱物性繊維、ポリプロピレン、ビニロン等の有機質の樹脂系繊維、硝子繊維、炭素繊維、金属繊維などを用いることができる。また、必要に応じて配合される混和材としては、シリカフュームなどを用いることができる。また、シリカ質原料として、粉末シリカ、フライアッシュ等を配合することができる。水硬性材料11の組成は、セメント100質量部に対して、骨材の含有量が50〜120質量部の範囲であることが好ましく、また混和材を加える場合はその含有量が15〜45質量部の範囲、更に補強繊維を加える場合には、その含有量が7〜20質量部の範囲にあることが好ましい。
水硬性材料11を供給した後、走行ベルト23の進行によりこの上に供給された水硬性材料11が厚み調整板14の下側を通過することで水硬性材料11を所定の厚みのシート状に成形する。次に、走行ベルト23の進行によりシート状の水硬性材料11を搬送しながら加圧ローラ15で予備加圧し、この後、第二散水機16から硬化用の水41をシート状の水硬性材料11の上面(表面)に散水して供給する。これにより、水41がシート状の水硬性材料11の上面から含浸する。次に、走行ベルト23の進行によりシート状の水硬性材料11を搬送しながら加圧ローラ17で予備加圧し、この後、シート状の水硬性材料11の上面に表層材料供給機22から表層材料21を乾式で落下させて供給する。ここで、表層材料21はセメントを主成分とし、顔料などの着色剤をセメント100重量部に対して7〜15質量部含有して有色の水硬性材料として調製することができる。顔料としては、例えば、黒色顔料として酸化鉄を用いることができる。
次に、走行ベルト23の進行によりシート状の水硬性材料11と表層材料21は厚み調整板24の下側を通過することでシート状の水硬性材料11の上面に表層材料21を所定の厚みの層状に成形する。次に、走行ベルト23の進行により層状の表層材料21を有するシート状の水硬性材料11を搬送しながら加圧ローラ25で予備加圧し、この後、第三散水機26から層状の表層材料21の上面(表面)に硬化用の水52を散水により供給する。これにより、水52が層状の表層材料21の上面から含浸する。次に、走行ベルト23の進行により層状の表層材料21を有するシート状の水硬性材料11を搬送しながら加圧ローラ27で予備加圧し、この後、層状の表層材料21を有するシート状の水硬性材料11を切断台43に移送し、ここで、所定の長さに切断する。これにより、水硬性材料11からなる基材1と基材1の上面に形成された化粧層の表層2からなる基板Aを形成することができる。この後、基板Aを搬送ローラ45で養生工程に送って数日間の自然養生などの養生を施す。
次に、養生後の基板Aを一方向に進行する走行ベルトコンベア46の走行ベルト47上に載せてプレス成形機48の下側まで搬送する。ここで、基板Aの表層2には所定の凹凸模様などがプレス成形により付与されたり、基板Aが所定の形状にプレス成形で打ち抜かれたりする。次に、プレス成形された基板Aを走行ベルト47の進行により搬送ローラ49の下側に通過させた後にドライヤー50の下側にまで搬送し、ここで、塗装工程などのために予備加熱をする。
次に、基板Aの表層2の表面に下塗り塗装装置51により下塗りを施す。下塗り塗料としては有機塗料を用いることができ、例えば、アクリルエマルジョン樹脂又はシリル基含有アクリルエマルジョン樹脂、顔料等の着色剤の他に、有機溶媒、充填剤、染料、更には、硬化促進剤、増粘剤、顔料分散剤等の各種添加剤等を含有するものを用いることができる。そして、下塗り塗料を基板Aの表層2の表面に塗布して乾燥することにより、下塗り層31を形成することができる。次に、下塗り層31の表面に上塗り塗装装置52により上塗りを施す。上塗り塗料としては無機塗料を用いることができ、例えば、主剤成分となる有機無機複合樹脂水分散液と、その硬化剤となるアミノ基含有アルコキシシラン化合物、及びエポキシ基含有化合物とを主成分とし、更に、必要に応じて、塗料組成物の貯蔵安定性や塗装作業性を良くするための水、有機溶媒及び充填剤、染料、更には、硬化促進剤、増粘剤、顔料分散剤等の各種添加剤などを配合したものを用いることができる。そして、上塗り塗料を下塗り層31の表面に塗布して乾燥することにより、上塗り層32を形成することができる。この後、オートクレーブ装置53により塗装後の基板Aをオートクレーブ養生することにより、本発明の無機質板Bを製造することができる。オートクレーブ養生の養生時間や雰囲気圧力は、養生温度等に応じて、適宜調整することができ、例えば、温度155〜170℃で養生時間を5〜15時間の範囲、雰囲気圧力を0.5〜0.7MPaの範囲とすることができる。
そして、本発明では上記の製造工程において、走行ベルト23上に供給する水40に防水剤を配合するものである。これにより、基材1の裏面側に防水剤が含浸した防水層を防水剤を塗布した場合よりも厚く形成することができ、防水効果を高くすることができる。また、硬化と弊害の双方がある材料を基材1の特定の部分にのみ添加することが可能である。例えば、表面に撥水層がある場合はその表面には後塗装ができないが、本発明では基材1の裏面側のみに撥水層(防水層)を形成することができる。
防水剤としては、シリコーン系撥水剤やアクリル樹脂(アクリルエマルション)、SBR樹脂(スチレンブタジエンラテックス)などを用いることができる。特に、アクリル樹脂やSBR樹脂はモルタル用ポリマーであるため、防水剤として配合すると共に補強樹脂としても配合することができる。シリコーン系撥水剤は、アルキルアルコキシシランとその重合物からなるものであり、アルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の炭素数が4〜8であることが好ましく、また、粘度が200cps以下であることが好ましい。アルキルアルコキシシランは、次の一般式
Si(OR
(ただし、Rはアルキル基、ORはアルコキシ基、aはアルキル基の数を表す1〜3の数であり、bはアルコキシ基の数を表す数で、a+b=4)
で表されるが、本発明では用いるシリコーン系撥水剤において、アルキルアルコキシシランのアルキル基(R)は、炭素数4〜8のものである。また、これらのアルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。アルキル基(R)の炭素数が4未満の場合には、得られる無機質板に十分な防水性が付与されず、炭素数が8より多い場合には、疎水性が強くなったり、アルキルアルコキシシランの長鎖アルキル基が凝集したりし、添加された水40への分散性が低下するため好ましくない。アルキル基(R)の数(a)は、1〜3個のいずれであってもよい。一方、アルキルアルコキシシランにおけるアルコキシ基(OR)の炭素数はとくに限定されない。好ましくは、炭素数1〜4のもの、すなわち、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシ基が例示される。アルコキシ基(OR)の数(b)は、a+b=4の条件を満たしていれば、1〜3個とすることができる。また、このようなシリコーン系撥水剤の形態は、シリコーンオイル(オイル型)、シリコーンオイルを水中油滴型に乳化分散させたもの(エマルジョン型)、シリコーンオイルまたはシリコーンレジンを溶剤に溶解させたもの(溶液型)のいずれであってもよいが、相溶性の観点から、中でもエマルジョン型のシリコーン系撥水剤が好ましい。シリコーン系撥水剤の粘度は、アルキルアルコキシシランにおけるアルキル鎖長やアルキルアルコキシシラン重合物の重合度、あるいはエマルジョン型や溶液型の場合には、オイル成分(アルキルアルコキシシラン成分)と水または溶剤の組成比等によって調整されるものであるが、本発明ではシリコーン系撥水剤の粘度は、200cps以下とするのが好ましい。粘度が200cpsより大きな場合には、水40への分散性が低下し、得られる無機質板にける耐水性や耐凍害性が不均一なものとなり、部分的に十分な耐水性を有さない箇所が出来やすくなるため好ましくない。また、本発明において、シリコーン系撥水剤のアルキルアルコキシシラン成分(すなわちアルキルアルコキシシランとその重合物)の重量平均分子量(Mw)は、上記の粘度に関する条件を満たすものであればよく、とくに限定されないが、好ましくは、Mw=300〜6000とする。アルキルアルコキシシラン成分のMwが300未満の場合には、水40へのシリコーン系撥水剤の分散性が高くなるが、稀に十分な撥水効果が発揮されない場合が見られる。一方、アルキルアルコキシシラン成分のMwが6000より大きい場合には、耐水性の高い無機質板が得られるものの、水40への分散性が若干悪化する場合がある。
上記のアクリル樹脂としては、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル、ビニル芳香族化合物、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、飽和カルボン酸ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ブタジエン及びエチレンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上との組み合わせによる不飽和単量体の混合物を乳化剤の存在下で乳化重合することによって得られるものを使用することができる。
本発明において、水40における防水剤の濃度は5〜15質量%であることが好ましい。これよりも少ないと、基板Aの基材1の裏面側に含浸される防水剤の量が少なくなって、防水効果が得られないおそれがあり、逆に、上記配合量よりも多いと、防水剤が無駄に消費されて経済的に不利になるおそれがある。また、本発明において、防水剤を配合した水40は250〜700g/mで走行ベルト23上に散水して供給するのが好ましい。これよりも少ないと、基板Aの基材1に含浸される水の量が少なくなって、硬化不足が生じるおそれがあり、逆に、上記散水量よりも多いと、基板Aの基材1に含浸される水の量が多くなって硬化遅延が生じるおそれがある。
また、本発明では上記の製造工程において、走行ベルトコンベア13上の水硬性材料11に供給する水41に補強樹脂を配合することが好ましい。これにより、基材1の表面に補強樹脂が含浸した補強層を形成することができ、補強層により無機質板B全体の強度を高めることができる。
補強樹脂としては、上記のモルタル用ポリマーであるアクリル樹脂(アクリルエマルション)、SBR樹脂(スチレンブタジエンラテックス)などを用いることができる。水41における補強樹脂の濃度は5〜15質量%であることが好ましい。これよりも少ないと、基板Aの基材1の表面側に含浸される補強樹脂の量が少なくなって、補強効果が得られないおそれがあり、逆に、上記配合量よりも多いと、補強樹脂が無駄に消費されて経済的に不利になるおそれがある。また、本発明において、補強樹脂を配合した水41は250〜700g/mで走行ベルト23上の水硬性材料11に散水して供給するのが好ましい。これよりも少ないと、基板Aの基材1に含浸される水の量が少なくなって、硬化不足が生じるおそれがあり、逆に、上記散水量よりも多いと、基板Aの基材1に含浸される水の量が多くなって硬化遅延が生じるおそれがある。そして、この補強樹脂により無機質板B全体の曲げ強度などを向上させることができ、基材1へのシリカヒューム(SF)等の添加量を少なくしたり添加しないようにしたりすることができる。尚、補強樹脂は走行ベルト23上に供給する水40には配合せずに、走行ベルト23上の水硬性材料11に供給する水41のみに配合するだけでも良い。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
[実施例1]
上記の製造工程に従って無機質板Bを製造した。具体的には以下の通りである。
<基材1>
水硬性材料11としては、セメント100質量部と、骨材50質量部と、補強繊維12質量部とからなり、ホッパーから供給される各原料を自動秤量しつつミキサーで乾式均一混合により調製した。前記骨材としてはブレーン値が3000〜5000の珪砂を用いた。セメントとしては、ポルトランドセメントを用いた。補強繊維としては、平均繊維長2mmのパルプ繊維を用いた。基材1は、水硬性材料11を乾式成形して厚さ5mm程度の板状に成形した。
<表層2>
表層材料21としては、セメント100質量部と、骨材10質量部と、顔料10質量部とからなり、上記水硬性材料11と同様に調製した。前記骨材としては平均粒径0.1mmの珪砂を用いた。セメントとしては、ポルトランドセメントを用いた。顔料としては、黒色顔料として酸化鉄を用いた。表層2は、表層材料21を用いて0.5mm程度の厚さに成形した。
<裏面加水用の水40>
シリコーン系撥水剤を濃度15質量%で含む水40を用いた。散水量は450g/mとした。
<表面加水用の水41>
補強樹脂やその他の添加物を含まない水41を用いた。散水量は450g/mとした。
<下塗り塗装>
ガラス転移温度75℃、ゲル分率80%のアクリルエマルジョン樹脂80質量部を撹拌しながらその中に成膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)2質量部、水12.4質量部、中和剤(ジメチルアミノエタノールの50%水溶液)0.5質量部、増粘剤(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社から入手できるアルカリ膨潤型増粘剤であるプライマルASE−60)水溶液5質量部及び消泡剤(サンノプコ株式会社から入手できるシリカシリコーン系消泡剤であるフォーマスターVL)0.1質量部を添加し、30分間撹拌し、これに着色剤を1質量%の割合で添加し、着色してアクリルエマルジョン塗料とした。着色剤はイオン交換水17.7質量部、増粘剤(ハーキュリーズ・ジャパン株式会社から入手できるナトラゾール250HR)0.2質量部、分散剤(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社から入手できるOROTAN731DP)5質量部、湿潤分散剤(第一工業製薬株式会社から入手できるネオノイゲン140A)0.5質量部、カーボンブラック(旭カーボン株式会社から入手できる旭#50)9質量部、二酸化チタン(石原産業株式会社から入手できるタイペークCR−97)10質量部、硫酸バリウム(堺化学工業株式会社から入手できる沈降性硫酸バリウム#100)57.5質量部、及び消泡剤(サンノプコ株式会社から入手できるノプコ8034)1質量部を混合してその中にガラスビーズ30質量部を加え、粒ゲージで20μm以下になるまでディスパー攪拌して得たものである。
表層2の表面に上記の下塗り塗料をフローコーターにて塗布し、ジェット炉乾燥機で乾燥した。その後、得られた板材を、初期養生として温度20℃/時間の昇温速度で温度60℃まで昇温させ、この状態で5時間保持し、その後、室温まで冷却して養生した。これにより、厚み20μmの下塗り層31を形成した。
<上塗り塗装>
還流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物23質量部、メチルトリメトキシシラン8質量部、ジメチルジメトキシシラン1.7質量部、シリル基含有ビニル系樹脂溶液25質量部、及びイソプルパノール10質量部を加え、混合した後、イオン交換水3.0質量部及び1規定塩酸0.05質量部を加え、60℃で3時間反応させた。次いでモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム0.3質量部及びイオン交換水0.8質量部を加え、更に60℃で3時間反応させた。次いでジメチルアミノエタノール0.55質量部及び水37質量部を加え、50℃で1時間撹拌したのち、減圧(1.3×10Pa)下で脱溶剤を行った後、水で固形分濃度35質量%になるよう希釈調整を行って、有機無機複合樹脂水分散液を調製した。上記のシリル基含有ビニル系樹脂溶液は、還流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル50質量部及びn−ブタノール50質量部を加え、撹拌しながら100℃に加熱した。次にイソブチルメタクリレート50質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート31.5質量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8.5質量部、アクリル酸10.5質量部及びt−ブチルペロキシ2−エチルヘキサノエート2.5質量部からなる混合溶液を100℃で3時間かけて滴下し、その後105℃に昇温させ、2時間維持して反応を終了させた。得られたシリル基含有ビニル系樹脂溶液は固形分濃度50質量%で、樹脂の酸価は65mgKOH/g、数平均分子量は10000であった。
下塗り層31の表面に上記の上塗り塗料をフローコーターにて塗装し、ジェット炉乾燥機にて乾燥した。
<オートクレーブ養生>
オートクレーブ養生は、初期養生として温度20℃/時間の昇温速度で温度60℃まで昇温させ、この状態で5時間保持し、その後、室温まで冷却した。
[実施例2]
裏面加水用の水40として、シリコーン系撥水剤を濃度10質量%で含む水40を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[実施例3]
裏面加水用の水40として、シリコーン系撥水剤を濃度5質量%で含む水40を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[実施例4]
裏面加水用の水40として、アクリル樹脂を濃度10質量%で含む水40を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[実施例5]
裏面加水用の水40として、SBR樹脂を濃度10質量%で含む水40を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[実施例6]
裏面加水用の水40として、SBR樹脂を濃度5質量%で含む水40を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[実施例7]
表面加水用の水41として、アクリル樹脂を濃度15質量%で含む水41を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[実施例8]
表面加水用の水41として、アクリル樹脂を濃度10質量%で含む水41を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[実施例9]
表面加水用の水41として、SBR樹脂を濃度10質量%で含む水41を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
[比較例]
裏面加水用の水40として、シリコーン系撥水剤やその他の添加物を含まない水40を用いた以外は実施例1と同様にして無機質板Bを製造した。
上記実施例1〜9及び比較例について、裏面側の24hr透水量を測定した。24hr透水量の測定方法は、まず、図2に示すように、試験体(実施例1〜9及び比較例の無機質板B)の裏面を上にして水平に置き、その中央部に透水試験器具(口径75mmのロート)Cをシリコンシーリング材等の水密性の高い材料によって止め付け、室温20±15℃、湿度65±20%の室内に48時間以上放置する。次に、水Dを試験体の裏面から高さ約250mmまで透水試験器具Cに入れ、そのときの水頭の高さを記録する。次に、24時間後、再び水頭の高さを記録し、最初の水頭の高さとの差により無機質板Bへの透水量を求める。透水量が多く水柱(水頭)の高さが目盛りで読みとれない場合、メスピペットを用いて標線まで水を注ぎ足し、その水量を試験体の透水量として求める。
また、実施例4〜9及び比較例について曲げ強度を行った。この測定方法は、JIS A5423に準拠した。
結果を表1に示す。
Figure 0004960683
表1から明らかなように、実施例1〜9は比較例よりも24hr透水量試験の結果が良好で、防水性が高いといえる。特に、シリコーン系撥水剤を用いた実施例1〜3及び実施例7〜9はアクリル樹脂やSBR樹脂を用いた場合よりも防水性が高くなった。また、実施例4〜9は比較例よりも曲げ強度の性能が高くなった。
尚、参考のために、実施例7〜9において、裏面加水用の水40にシリコーン系撥水剤を配合せずに、実施例1と同様にして無機質板Bを製造した場合についての曲げ強度を表2に参考例1〜3として示す。
Figure 0004960683
本発明の製造工程を示す概略図である。 24hr透水量の試験方法を示す説明図である。
符号の説明
B 無機質板
11 水硬性材料
13 走行ベルトコンベア
40 水
41 水

Claims (2)

  1. 走行ベルトコンベア上に水を供給した後、この走行ベルトコンベア上にセメントを含む水硬性材料を供給し、次に、走行ベルトコンベア上の水硬性材料に水を供給した後、この水硬性材料をプレス成形する無機質板の製造方法において、走行ベルトコンベア上に供給する水に防水剤を配合し、この防水剤としてアルキルアルコキシシランとその重合物からなる粘度200cps以下のシリコーン系撥水剤を用い、前記アルキルアルコキシシランにおけるアルキル基の炭素数が4〜8、前記アルキルアルコキシシランとその重合物の重量平均分子量が300〜6000であることを特徴とする無機質板の製造方法。
  2. 走行ベルトコンベア上に供給する水と、走行ベルトコンベア上の水硬性材料に供給する水との少なくとも一方に補強樹脂を配合することを特徴とする請求項1に記載の無機質板の製造方法。
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