JP3564515B2 - 高架橋下用吸音パネル - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に高速道路等の高架橋下の騒音を減少させるために桁下に取り付けられ、高架橋下での仮設足場としても使用される高架橋下用吸音パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、騒音公害として、高架橋下の地上を走行する車両が発する騒音が高架橋に反響することが問題となっており、その対策として、図7に示すように、高架橋の桁下に作業足場を兼用した高架橋下用吸音パネル1,1…を取り付けることにより対応している。
【0003】
この吸音足場材1は、図10、図11に示すように、上下及び横方向に並べて配置された多数の縦筋2,2…と、上下の縦筋2,2…を連結固定するように三角波状に折曲した多数のウエブ筋3,3…と、縦筋2,2…を横断するように配置された多数の横筋4,4…とからなる鉄筋構造体5を備え、この鉄筋構造体5内にウエブ筋3,3…によって横方向に形成される三角柱状の空間部6,6…に、略断面V字形状のパンチングプレート7,7…等を並べて設置し、その内側に吸音材としてグラスウール8,8…を充填し、鉄筋構造体5の上面をグラスウール9で覆うことにより構成されている。
【0004】
尚、これらの高架橋下用吸音パネルには、規定により斜め入射吸音率が0.9以上であることが必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来の技術では、グラスウール8,9が劣化しやすく、しかも、劣化したものは産業廃棄物として処理され、他社製品等の異なるものと混じると再利用が不可能となるため、環境問題を考える上で好ましくない。
【0006】
また、鉄筋構造体5内の空間部6にグラスウール8を充填するため高架橋下用吸音パネル1全体の重量が嵩み、設置作業や運搬作業等の効率が悪いという問題もある。
【0007】
本発明は、このような従来の技術の状況を鑑み、耐久性に優れ、環境に適した、軽量な高架橋下用吸音パネルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、上下及び横方向に並べて配置された多数の縦筋と、上下の該縦筋を連結固定するように三角波状に折曲した多数のウエブ筋と、前記縦筋を横断するように配置された多数の横筋とからなる鉄筋構造体を備え、該鉄筋構造体の前記ウエブ筋によって横方向に形成される三角柱状の空間部に、金属粉粒材若しくは繊維材を固めて形成した断面略 V 字状の多孔質V字金属板を設置するとともに、その互いに隣り合う多孔質V字金属板の端部に支持され、該端部間に形成された開口部を閉鎖した断面略 V 字状の多孔質補助金属板を備え、前記鉄筋構造体の上面を平板状の多孔質平金属板で覆ったことにある。
【0009】
尚。多孔質平金属板の上面を床板材で覆うことが好ましく、また多孔質V字金属板、多孔質平金属板及び多孔質補助金属板はアルミニウム若しくはアルミニウム合金、鉄若しくは鉄合金、銅若しくは銅合金いずれかの粉粒材若しくは繊維材を焼結若しくは圧力で固めさせて形成することがこのましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る高架橋下用吸音パネルの実施の形態を図1〜4について説明する。尚、上述の従来例と同様の部分には同一符号を付して説明する。
【0011】
図において、1は高架橋下用吸音パネルであり、高架橋下用吸音パネル1は、鉄筋構造体5、V字状の多孔質V字金属板10,10…、平板状の多孔質平金属板11及び床板材12,12…とを備えて構成されている。
【0012】
鉄筋構造体5は、図3に示すように、上下及び横方向に並べて配置された縦筋材2,2…と、上下2本の縦筋2,2を連結固定するように三角波状に折曲したウエブ筋3,3…と、縦筋2,2…を横断するように配置された横筋4,4…を備えて構成されており、これら鉄筋を溶接等により接合させ、偏平な直方体形状に形成している。
【0013】
この鉄筋構造体5の内部には、ウエブ筋3,3…により横方向に延びる三角柱状の空間部6,6…が画成され、この空間部6に断面略V字状の多孔質V字金属板10,10…が設置されるようになっている。また、鉄筋構造体5の上面は、平板状の多孔質平金属板11に覆われ、その上面にはアルミニウム製の床板材12,12…が敷設されている。
【0014】
また、鉄筋構造体2の上面には、吊り下げ金具13,13…が突設され、高架橋の下に吊り下げられるようになっている。
【0015】
多孔質V字金属板10及び多孔質平金属板11の両多孔質金属板は、どちらもアルミニウム或いはアルミニウム合金の粉粒状材を焼結して気孔率約45%の多孔質状に成形されている。この金属板の製造方法は、例えば、アルミニウム粉にアルミニウム−銅合金粉を1〜10wt%程度混合し、これを590℃〜660℃に熱して多孔質に成形する。また、アルミニウム−銅合金の代わりにアルミニウム−シリコン合金若しくは銅、シリコン粉末を用いることもできる。
【0016】
この多孔質金属板の吸音原理は、図4に示すように、共鳴型吸音機構により説明され、入射音が多孔質金属板とその背後の空気層によって構成される共鳴器に当たり、共鳴周波数(吸音率のピーク)の近くで孔の部分の空気が激しく振動し、周辺との摩擦熱として音のエネルギーが消費されることにある。また、共鳴周波数付近以外でも音波が多孔質金属板を通過するとその入射音が多孔質金属板の空孔内の壁との摩擦により減衰されるという効果も併せ持つ。
【0017】
尚、上述の実施例では、多孔質金属板をアルミニウム或いはアルミニウム合金の粉粒状材を焼結成形した例について説明したが、規定の吸音率を満たすものであれば、その他の金属或いはその合金の粉粒状材、繊維材を焼結成形或いは圧力をかけて成形したものでもよい。
【0018】
また、図8に示すように、隣り合う断面略V字状の多孔質V字金属板10,10の互いに対向する端部10a,10bに支持され、その端部10a,10b間の開口部14を閉鎖するように、断面略V字状の多孔質補助金属板15,15…を設置してもよい。この多孔質補助金属板15は、高さ40mmで上記多孔質V字金属板10及び多孔質平金属板11と同様に、アルミニウム粉状材を焼結成形等して形成されている。
【0019】
次に、本発明に係る高架橋下用吸音パネルと、多孔質金属板をその他の構成をもって用いた場合の吸音率について比較する。
【0020】
本発明の高架橋下用吸音パネルの吸音率及び、図5,6に示すような、その他の構成からなる場合の吸音率については表1に示す如きであった。
【0021】
【表1】
この結果から分かるように、本発明品では、空間部6,6…に断面略V字状の多孔質V字金属板10,10…を設置し、鉄筋構造体5の上面を平板状の多孔質平金属板11により覆ったことにより、吸音率は平均で0.92という数値が得られた。
【0022】
また、隣り合う断面略V字状の多孔質V字金属板10,10の互いに対向する端部10a,10bに支持され、その端部10a,10b間の開口部14を閉鎖するように、断面略V字状の多孔質補助金属板15,15…を備えることにより、図9のグラフに示すように、1250Hz以下及び2500Hz以上の周波数帯域で多孔質V字金属板10及び多孔質平金属板のみを備えたタイプ(No.1)と比較して向上し、平均斜め入射吸音率が0.04向上し、平均斜め入射吸音率は0.96であった。
【0023】
一方、平板状の多孔質平金属板11を吸音パネル表面即ち鉄筋構造体5の下面を覆うように設置した場合には、規定の吸音率0.9以上には遠く及ばず、また、鉄筋構造体5の上下面を平板状の多孔質平金属板11,11で覆った場合、鉄筋構造体5の下面にロックウール系吸音材16、平板状の多孔質吸音板11を重ねて設置した場合についても同様に規定値0.9を満たすことはできなかった。また、鉄筋構造体5の上下方向幅を広くとることにより吸音率が上昇するものの、斜め入射吸音率が対象とする400Hz〜4000Hzの周波数帯域の中心部より、吸音率のピークが低周波側に移行するため規定値を満たすまでには至らなかった。
【0024】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る高架橋下用吸音パネルは、上下及び横方向に並べて配置された多数の縦筋と、上下の該縦筋を連結固定するように三角波状に折曲した多数のウエブ筋と、前記縦筋を横断するように配置された多数の横筋とからなる鉄筋構造体を備え、該鉄筋構造体の前記ウエブ筋によって横方向に形成される三角柱状の空間部に、金属粉粒材若しくは繊維材をもって成形した断面略V字状の多孔質V字金属板を設置し、前記鉄筋構造体の上面を平板状の多孔質平金属板で覆ったことにより、好適な吸音効果が得られるとともに、耐久性に優れ、更に、多孔質金属板は再利用が可能な為、環境問題を考える上でも好ましい。また、構造上軽量に構成できるので、設置作業、運搬作業等の効率が向上する。
【0025】
また、多孔質平金属板の上面を床板材で覆ったことにより、足場として安定性が向上し、吸音効果の向上にも供する。
【0026】
また、隣り合う多孔質V字金属板の互いに対向する端部に支持され、該端部間に形成された開口部を閉鎖してなる断面略V字状の多孔質補助金属板を備えたことにより、1250Hz以下及び2500Hz以上の周波数帯域で、斜め入射吸音率が向上する。
【0027】
また、多孔質V字金属板、多孔質平金属板及び多孔質補助金属板はアルミニウム若しくはアルミニウム合金、鉄若しくは鉄合金、銅若しくは銅合金いずれかの粉粒材若しくは繊維材を焼結若しくは圧力で固めさせて形成したことにより、好適な吸音効果が得られ、吸音パネル全体の重量も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る高架橋下用吸音パネルを示す平面図、(B)は同側面図である。
【図2】同上の吸音パネルの要部拡大側面図である。
【図3】同上の鉄筋構造体を示す斜視図である。
【図4】多孔質金属板の吸音原理を示す概略図である。
【図5】本発明に係る吸音パネルの吸音率を比較した説明用側面図である。
【図6】同上の鉄筋構造体の上下幅の異なる例を示す説明用側面図である。
【図7】吸音パネルが設置された高架橋全体の横断面図である。
【図8】本発明に係る吸音パネルの他の実施例を示す要部拡大側面図である。
【図9】吸音パネル構造の異なる二つの実施例の吸音率を示す折れ線グラフである。
【図10】従来の高架橋下用吸音パネルを示す要部破断斜視図である。
【図11】同上の要部拡大側面図である。
【符号の説明】
1 高架橋下用吸音パネル
2 縦筋
3 ウエブ筋
4 横筋
5 鉄筋構造体
6 空間部
10 多孔質V字金属板
11 多孔質平金属板
12 床板材
13 吊り下げ金具
14 開口部
15 多孔質補助金属板
16 吸音板
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に高速道路等の高架橋下の騒音を減少させるために桁下に取り付けられ、高架橋下での仮設足場としても使用される高架橋下用吸音パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、騒音公害として、高架橋下の地上を走行する車両が発する騒音が高架橋に反響することが問題となっており、その対策として、図7に示すように、高架橋の桁下に作業足場を兼用した高架橋下用吸音パネル1,1…を取り付けることにより対応している。
【0003】
この吸音足場材1は、図10、図11に示すように、上下及び横方向に並べて配置された多数の縦筋2,2…と、上下の縦筋2,2…を連結固定するように三角波状に折曲した多数のウエブ筋3,3…と、縦筋2,2…を横断するように配置された多数の横筋4,4…とからなる鉄筋構造体5を備え、この鉄筋構造体5内にウエブ筋3,3…によって横方向に形成される三角柱状の空間部6,6…に、略断面V字形状のパンチングプレート7,7…等を並べて設置し、その内側に吸音材としてグラスウール8,8…を充填し、鉄筋構造体5の上面をグラスウール9で覆うことにより構成されている。
【0004】
尚、これらの高架橋下用吸音パネルには、規定により斜め入射吸音率が0.9以上であることが必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来の技術では、グラスウール8,9が劣化しやすく、しかも、劣化したものは産業廃棄物として処理され、他社製品等の異なるものと混じると再利用が不可能となるため、環境問題を考える上で好ましくない。
【0006】
また、鉄筋構造体5内の空間部6にグラスウール8を充填するため高架橋下用吸音パネル1全体の重量が嵩み、設置作業や運搬作業等の効率が悪いという問題もある。
【0007】
本発明は、このような従来の技術の状況を鑑み、耐久性に優れ、環境に適した、軽量な高架橋下用吸音パネルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、上下及び横方向に並べて配置された多数の縦筋と、上下の該縦筋を連結固定するように三角波状に折曲した多数のウエブ筋と、前記縦筋を横断するように配置された多数の横筋とからなる鉄筋構造体を備え、該鉄筋構造体の前記ウエブ筋によって横方向に形成される三角柱状の空間部に、金属粉粒材若しくは繊維材を固めて形成した断面略 V 字状の多孔質V字金属板を設置するとともに、その互いに隣り合う多孔質V字金属板の端部に支持され、該端部間に形成された開口部を閉鎖した断面略 V 字状の多孔質補助金属板を備え、前記鉄筋構造体の上面を平板状の多孔質平金属板で覆ったことにある。
【0009】
尚。多孔質平金属板の上面を床板材で覆うことが好ましく、また多孔質V字金属板、多孔質平金属板及び多孔質補助金属板はアルミニウム若しくはアルミニウム合金、鉄若しくは鉄合金、銅若しくは銅合金いずれかの粉粒材若しくは繊維材を焼結若しくは圧力で固めさせて形成することがこのましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る高架橋下用吸音パネルの実施の形態を図1〜4について説明する。尚、上述の従来例と同様の部分には同一符号を付して説明する。
【0011】
図において、1は高架橋下用吸音パネルであり、高架橋下用吸音パネル1は、鉄筋構造体5、V字状の多孔質V字金属板10,10…、平板状の多孔質平金属板11及び床板材12,12…とを備えて構成されている。
【0012】
鉄筋構造体5は、図3に示すように、上下及び横方向に並べて配置された縦筋材2,2…と、上下2本の縦筋2,2を連結固定するように三角波状に折曲したウエブ筋3,3…と、縦筋2,2…を横断するように配置された横筋4,4…を備えて構成されており、これら鉄筋を溶接等により接合させ、偏平な直方体形状に形成している。
【0013】
この鉄筋構造体5の内部には、ウエブ筋3,3…により横方向に延びる三角柱状の空間部6,6…が画成され、この空間部6に断面略V字状の多孔質V字金属板10,10…が設置されるようになっている。また、鉄筋構造体5の上面は、平板状の多孔質平金属板11に覆われ、その上面にはアルミニウム製の床板材12,12…が敷設されている。
【0014】
また、鉄筋構造体2の上面には、吊り下げ金具13,13…が突設され、高架橋の下に吊り下げられるようになっている。
【0015】
多孔質V字金属板10及び多孔質平金属板11の両多孔質金属板は、どちらもアルミニウム或いはアルミニウム合金の粉粒状材を焼結して気孔率約45%の多孔質状に成形されている。この金属板の製造方法は、例えば、アルミニウム粉にアルミニウム−銅合金粉を1〜10wt%程度混合し、これを590℃〜660℃に熱して多孔質に成形する。また、アルミニウム−銅合金の代わりにアルミニウム−シリコン合金若しくは銅、シリコン粉末を用いることもできる。
【0016】
この多孔質金属板の吸音原理は、図4に示すように、共鳴型吸音機構により説明され、入射音が多孔質金属板とその背後の空気層によって構成される共鳴器に当たり、共鳴周波数(吸音率のピーク)の近くで孔の部分の空気が激しく振動し、周辺との摩擦熱として音のエネルギーが消費されることにある。また、共鳴周波数付近以外でも音波が多孔質金属板を通過するとその入射音が多孔質金属板の空孔内の壁との摩擦により減衰されるという効果も併せ持つ。
【0017】
尚、上述の実施例では、多孔質金属板をアルミニウム或いはアルミニウム合金の粉粒状材を焼結成形した例について説明したが、規定の吸音率を満たすものであれば、その他の金属或いはその合金の粉粒状材、繊維材を焼結成形或いは圧力をかけて成形したものでもよい。
【0018】
また、図8に示すように、隣り合う断面略V字状の多孔質V字金属板10,10の互いに対向する端部10a,10bに支持され、その端部10a,10b間の開口部14を閉鎖するように、断面略V字状の多孔質補助金属板15,15…を設置してもよい。この多孔質補助金属板15は、高さ40mmで上記多孔質V字金属板10及び多孔質平金属板11と同様に、アルミニウム粉状材を焼結成形等して形成されている。
【0019】
次に、本発明に係る高架橋下用吸音パネルと、多孔質金属板をその他の構成をもって用いた場合の吸音率について比較する。
【0020】
本発明の高架橋下用吸音パネルの吸音率及び、図5,6に示すような、その他の構成からなる場合の吸音率については表1に示す如きであった。
【0021】
【表1】
この結果から分かるように、本発明品では、空間部6,6…に断面略V字状の多孔質V字金属板10,10…を設置し、鉄筋構造体5の上面を平板状の多孔質平金属板11により覆ったことにより、吸音率は平均で0.92という数値が得られた。
【0022】
また、隣り合う断面略V字状の多孔質V字金属板10,10の互いに対向する端部10a,10bに支持され、その端部10a,10b間の開口部14を閉鎖するように、断面略V字状の多孔質補助金属板15,15…を備えることにより、図9のグラフに示すように、1250Hz以下及び2500Hz以上の周波数帯域で多孔質V字金属板10及び多孔質平金属板のみを備えたタイプ(No.1)と比較して向上し、平均斜め入射吸音率が0.04向上し、平均斜め入射吸音率は0.96であった。
【0023】
一方、平板状の多孔質平金属板11を吸音パネル表面即ち鉄筋構造体5の下面を覆うように設置した場合には、規定の吸音率0.9以上には遠く及ばず、また、鉄筋構造体5の上下面を平板状の多孔質平金属板11,11で覆った場合、鉄筋構造体5の下面にロックウール系吸音材16、平板状の多孔質吸音板11を重ねて設置した場合についても同様に規定値0.9を満たすことはできなかった。また、鉄筋構造体5の上下方向幅を広くとることにより吸音率が上昇するものの、斜め入射吸音率が対象とする400Hz〜4000Hzの周波数帯域の中心部より、吸音率のピークが低周波側に移行するため規定値を満たすまでには至らなかった。
【0024】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る高架橋下用吸音パネルは、上下及び横方向に並べて配置された多数の縦筋と、上下の該縦筋を連結固定するように三角波状に折曲した多数のウエブ筋と、前記縦筋を横断するように配置された多数の横筋とからなる鉄筋構造体を備え、該鉄筋構造体の前記ウエブ筋によって横方向に形成される三角柱状の空間部に、金属粉粒材若しくは繊維材をもって成形した断面略V字状の多孔質V字金属板を設置し、前記鉄筋構造体の上面を平板状の多孔質平金属板で覆ったことにより、好適な吸音効果が得られるとともに、耐久性に優れ、更に、多孔質金属板は再利用が可能な為、環境問題を考える上でも好ましい。また、構造上軽量に構成できるので、設置作業、運搬作業等の効率が向上する。
【0025】
また、多孔質平金属板の上面を床板材で覆ったことにより、足場として安定性が向上し、吸音効果の向上にも供する。
【0026】
また、隣り合う多孔質V字金属板の互いに対向する端部に支持され、該端部間に形成された開口部を閉鎖してなる断面略V字状の多孔質補助金属板を備えたことにより、1250Hz以下及び2500Hz以上の周波数帯域で、斜め入射吸音率が向上する。
【0027】
また、多孔質V字金属板、多孔質平金属板及び多孔質補助金属板はアルミニウム若しくはアルミニウム合金、鉄若しくは鉄合金、銅若しくは銅合金いずれかの粉粒材若しくは繊維材を焼結若しくは圧力で固めさせて形成したことにより、好適な吸音効果が得られ、吸音パネル全体の重量も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る高架橋下用吸音パネルを示す平面図、(B)は同側面図である。
【図2】同上の吸音パネルの要部拡大側面図である。
【図3】同上の鉄筋構造体を示す斜視図である。
【図4】多孔質金属板の吸音原理を示す概略図である。
【図5】本発明に係る吸音パネルの吸音率を比較した説明用側面図である。
【図6】同上の鉄筋構造体の上下幅の異なる例を示す説明用側面図である。
【図7】吸音パネルが設置された高架橋全体の横断面図である。
【図8】本発明に係る吸音パネルの他の実施例を示す要部拡大側面図である。
【図9】吸音パネル構造の異なる二つの実施例の吸音率を示す折れ線グラフである。
【図10】従来の高架橋下用吸音パネルを示す要部破断斜視図である。
【図11】同上の要部拡大側面図である。
【符号の説明】
1 高架橋下用吸音パネル
2 縦筋
3 ウエブ筋
4 横筋
5 鉄筋構造体
6 空間部
10 多孔質V字金属板
11 多孔質平金属板
12 床板材
13 吊り下げ金具
14 開口部
15 多孔質補助金属板
16 吸音板
Claims (3)
- 上下及び横方向に並べて配置された多数の縦筋と、上下の該縦筋を連結固定するように三角波状に折曲した多数のウエブ筋と、前記縦筋を横断するように配置された多数の横筋とからなる鉄筋構造体を備え、該鉄筋構造体の前記ウエブ筋によって横方向に形成される三角柱状の空間部に、金属粉粒材若しくは繊維材を固めて形成した断面略 V 字状の多孔質V字金属板を設置するとともに、その互いに隣り合う多孔質V字金属板の端部に支持され、該端部間に形成された開口部を閉鎖した断面略 V 字状の多孔質補助金属板を備え、前記鉄筋構造体の上面を平板状の多孔質平金属板で覆ったことを特徴としてなる高架橋下用吸音パネル。
- 多孔質平金属板の上面を床板材で覆った請求項1に記載の高架橋下用吸音パネル。
- 多孔質V字金属板、多孔質平金属板及び多孔質補助金属板はアルミニウム若しくはアルミニウム合金、鉄若しくは鉄合金、銅若しくは銅合金いずれかの粉粒材若しくは繊維材を焼結若しくは圧力で固めさせて形成した請求項1又は2に記載の高架橋下用吸音パネル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001049639A JP3564515B2 (ja) | 2001-02-26 | 2001-02-26 | 高架橋下用吸音パネル |
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JP2001049639A JP3564515B2 (ja) | 2001-02-26 | 2001-02-26 | 高架橋下用吸音パネル |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002250013A JP2002250013A (ja) | 2002-09-06 |
JP3564515B2 true JP3564515B2 (ja) | 2004-09-15 |
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