JP2847066B2 - 吸音部材及びこの吸音部材を用いた防音壁 - Google Patents

吸音部材及びこの吸音部材を用いた防音壁

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JP2847066B2
JP2847066B2 JP19541096A JP19541096A JP2847066B2 JP 2847066 B2 JP2847066 B2 JP 2847066B2 JP 19541096 A JP19541096 A JP 19541096A JP 19541096 A JP19541096 A JP 19541096A JP 2847066 B2 JP2847066 B2 JP 2847066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防音壁や、高架橋
高架道路、高架鉄道等の高架橋(本明細書において、単
に「高架橋」という場合がある。)の床版の下方に設け
られる吸音装置や落下防止装置に用いられる吸音部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】交通量の増加や車両の大型化に伴い、交
通騒音への対策が強く要請され、これに対処するため
に、種々の防音部材を備えた防音壁が実用化されてい
る。図13に、現在、最も一般的に用いられている防音
壁の断面構造を示す。この防音壁は、防錆処理したルー
バー構造の金属製板材からなる表面板102と、表面を
合成樹脂フィルム104で覆ったグラスウールからなる
吸音材103と、吸音部材103の背面に空間106を
あけて配設した防錆処理した金属製板材からなる背面板
105と、空間106を密閉する防錆処理した金属製板
材からなる枠部材107とからなる単位ブロック101
から構成され、この単位ブロック101を防錆処理した
H形鋼等の支柱に嵌挿、固定したり、あるいはコンクリ
ート製の側壁に直接固定して防音壁を構築するようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、防音壁は、
走行車両が排出する排気ガス、走行車両による振動、雨
水等のきわめて劣悪な環境に晒され、また、場合によっ
ては、ブラシや高圧水ノズルを備えた洗浄車により洗浄
されるため、高い耐久性が要求される。また、防音壁
は、周囲の環境と調和させるため、色彩等の点で配慮す
る必要がある。しかしながら、従来の防音壁に用いられ
る防音部材は、図13に示したように、表面を合成樹脂
フィルム104で覆ったグラスウールからなる吸音材1
03を、表面板102の裏面に直接接触するように配設
するようにしているため、合成樹脂フィルム104が、
長期間の使用により劣化し、また、走行車両による振動
や洗浄時に大きな負荷が作用することにより、破損する
という問題点を有していた。また、グラスウールからな
る吸音材103は、着色することが困難であるため、表
面板にエキスパンドメタルやパンチングメタル等の多数
の開口を有する金属製板材を用いた場合には、この開口
に、周囲の環境と調和した色彩を施すことが困難であっ
た。
【0004】一方、吸音部材の吸音性能の点において
も、表面を合成樹脂フィルム104で覆ったグラスウー
ルからなる吸音材103を、表面板102の裏面に直接
接触するように配設した場合、表面板102と合成樹脂
フィルム104の境界面及び合成樹脂フィルム104と
吸音材103の境界面並びに合成樹脂フィルム104自
体による吸音効果は、ほとんど期待できなかった。
【0005】本発明は、上記従来の防音壁に用いられる
吸音部材の有する問題点を解決し、高い耐久性を有する
とともに、周囲の環境と調和した色彩を施すことが可能
な吸音部材及びこの吸音部材を用いた防音壁を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、吸音性能を向上し
た吸音部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の吸音部材は、多数の開口を有する表面板
と、表面を合成樹脂フィルムで覆ったグラスウールから
なる吸音材との間に、合成繊維不織布マットを配設する
とともに、吸音材の合成繊維不織布マットに面する側に
多数の凹凸を形成したことを特徴とする。
【0007】これにより、表面を合成樹脂フィルムで覆
ったグラスウールからなる吸音材を合成繊維不織布マッ
トにより保護し、吸音材の耐久性を向上することができ
る。また、合成繊維不織布マットに用いる合成繊維は、
着色することが容易であることから、表面板と合わせ
て、防音部材に、周囲の環境と調和した色彩を施すこと
ができる。さらに、吸音材の合成繊維不織布マットに面
する側に多数の凹凸を形成することにより、合成樹脂フ
ィルムと吸音材の境界面及び合成樹脂フィルム自体にお
ける吸音効果を期待でき、吸音部材の吸音性能を向上す
ることができる。
【0008】この場合において、合成繊維不織布マット
の少なくとも吸音材に面する側に多数の凹凸を形成する
ことができる。
【0009】これにより、合成繊維不織布マットと吸音
材の表面を覆う合成樹脂フィルムの境界面及び合成樹脂
フィルム自体における吸音効果を期待でき、吸音部材の
吸音性能を向上することができる。
【0010】また、吸音材を密度の異なる複数のブロッ
ク体を組み合わせて構成することができる。また、この
場合、騒音の入射方向にブロック体を積層するととも
に、騒音の入射側に位置する吸音材のブロック体に、そ
の背面側のブロック体より低密度のブロック体を用いる
ことが好ましい。
【0011】これにより、広範囲の周波数の騒音を効率
よく低減することができ、特に、騒音の入射側に位置す
る吸音材のブロック体に、その背面側のブロック体より
低密度のブロック体を用いることにより、騒音の入射率
を高めながら広範囲の周波数の騒音の低減効果を得るこ
とができる。
【0012】そして、本発明の吸音部材は、吸音部材を
コンクリート製等の側壁の前面に空間をあけて配設して
防音壁を構成したり、吸音部材の背面に空間をあけて背
面板を配設して防音壁を構成することができる。
【0013】本発明の吸音部材は、このほか、本発明者
らが、先に提案した、高架橋の床版の下方に設けられる
吸音装置や落下防止装置に用いることができ、前者の場
合は、表面板を外方に突出する膨出部を有する形状に形
成するとともに、吸音材の背面に、多数の開口を有する
足場板を兼ねた裏面板を配設して構成し、後者の場合
は、表面板を外方に突出する膨出部を有する形状に形成
するとともに、吸音材の背面に、落下防止板を兼ねた裏
面板を配設して構成する。
【0014】この場合において、裏面板側に位置する吸
音材のブロック体に、他の個所のブロック体より高密度
のブロック体を用いることが好ましい。
【0015】これにより、高架橋を走行する車両による
低周波数の騒音の低減効果を向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音部材及びこの
吸音部材を用いた防音壁の実施の形態を図面に基づいて
説明する。
【0017】図1に本発明の吸音部材の一実施例を示
す。この吸音部材1は、防錆処理したエキスパンドメタ
ル、パンチングメタル、ルーバー構造等の多数の開口を
有する金属製板材からなる表面板12と、グラスウール
の飛散を防止するために表面をポリフッ化ビニール等の
合成樹脂フィルム14で覆ったグラスウールからなる吸
音材13との間に、合成繊維不織布マット11を配設
し、その周囲を防錆処理した金属製板材からなる枠部材
17で覆った単位ブロックから構成されている。
【0018】このうち、合成繊維不織布マット11は、
図2に詳示するように、耐候性を有する合成樹脂繊維、
例えば、ポリ塩化ビリニデン繊維を纏絡させ、適宜の耐
候性を有する合成樹脂材料からなるブリッジ剤を以て一
体に結合させることにより可撓性を有する板状に形成し
たもので、この場合、その加熱成形時に、少なくとも吸
音材13を覆う合成樹脂フィルム14に面する側に多数
の凹凸11a、具体的には、3〜10mm程度の凹凸を
形成することが望ましい。なお、凹凸11aの形状は、
本実施例の円形の凹凸に限定されず、例えば、縦又は横
方向の帯状に形成する等、その形状及び高さ等は、任意
に設定することができる。
【0019】また、吸音材13は、グラスウールを一体
に成形したブロック体で構成したもので、この場合、そ
の成形時に、合成繊維不織布マット11に面する側に多
数の凹凸13a、具体的には、3〜10mm程度の凹凸
を形成する。なお、吸音材13は、その中心部に空洞を
形成することもでき、これにより、吸音性能を低下させ
ることなく吸音材の使用量を低減することができる。ま
た、凹凸13aの形状は、本実施例の円形の凹凸に限定
されず、例えば、縦又は横方向の帯状に形成する等、そ
の形状及び高さ等は、任意に設定することができる。
【0020】この吸音部材1は、図3に示すように、吸
音部材1をコンクリート製等の側壁2の前面に空間3を
あけて配設して防音壁を構成することができる。この場
合、吸音部材1を側壁2の前面に配設するに際しては、
特に限定的ではないが、側壁2にアンカーボルト等によ
り垂直に固定した山形鋼41に、定着金具42を介し
て、吸音部材1の枠部材17をボルトにより固定する。
そして、順次、吸音部材1を所定高さになるまで積み上
げて、防音壁を構築する。
【0021】また、この吸音部材1は、図4に示すよう
に、吸音部材1の背面に空間16をあけて、防錆処理し
た金属製板材からなる背面板15を配設するとともに、
空間16を防錆処理した金属製板材からなる枠部材17
aにより密閉した単位ブロック10として構成すること
ができる。この場合、単位ブロック10を防錆処理した
H形鋼等の支柱に嵌挿、固定したり、あるいはコンクリ
ート製の側壁に直接固定して、防音壁を構築する。
【0022】図5に本発明の吸音部材の第1変形例を示
す。この吸音部材1’は、図1に示した吸音部材1の表
面板12と合成繊維不織布マット11との間に空間18
を形成したもので、その他の基本構成は、図1に示した
吸音部材1と同様である。
【0023】この場合において、空間18内には、該空
間18を保持するために、必要に応じて、耐候性を有す
る太径の合成樹脂糸、例えば、直径1mm程度のナイロ
ン糸を纏絡させ、ナイロン糸自体を融着、又は適宜の耐
候性を有する合成樹脂材料からなるブリッジ剤を以て一
体に結合させることにより、極めて高い空隙率を有する
可撓性を有する板状に形成したスペーサー(図示省略)
を適当な間隔で配設するようにする。
【0024】このように、表面板12と合成繊維不織布
マット11との間に空間18を形成することにより、高
周波数の騒音の低減効果を向上することができる。
【0025】図6に本発明の吸音部材の第2変形例を示
す。この吸音部材1”は、図1に示した吸音部材1のグ
ラスウールからなる吸音材13を密度の異なる複数のブ
ロック体13ー1,13−2を組み合わせて構成したも
ので、その他の基本構成は、図1に示した吸音部材1と
同様である。
【0026】このように、吸音材を密度の異なる複数の
ブロック体13ー1,13−2を組み合わせて構成する
ことにより、広範囲の周波数の騒音を効率よく低減する
ことができる。
【0027】この場合、騒音の入射率を高めながら広範
囲の周波数の騒音の低減効果を得ることができるよう
に、吸音材のブロック体13ー1,13−2は、騒音の
入射方向に積層するとともに、騒音の入射側に位置する
吸音材のブロック体13ー1に、その背面側のブロック
体13−2より低密度のブロック体(例えば、ブロック
体13ー1には、32kg/m3のグラスウール製のブ
ロック体、また、ブロック体13ー2には、48kg/
3のグラスウール製のブロック体)を用いることが好
ましい。
【0028】なお、図5に示した吸音部材1’及び図6
に示した吸音部材1”は、図1に示した吸音部材1と同
様の方法で使用することができる。
【0029】本発明の吸音部材は、上記の防音壁のほ
か、本発明者らが、先に提案した、高架橋の床版の下方
に設けられる吸音装置や落下防止装置に用いることがで
きる。図7〜図12に、これらの装置の一例を示す。
【0030】図7〜図8に示すように、高架橋5の床版
51の下方に所定の作業空間6を形成するようにして床
版51の下面の略全面を遮蔽するように覆う吸音装置7
を設ける。この吸音装置7は、作業者が作業空間6に入
って床版51の下面の補修や橋桁52に用いられている
鋼材の塗装等の補修作業を行うために恒久的に設置され
る恒久足場を兼ねたもので、補修作業時、塗料、鉄筋、
コンクリート等の作業資材や作業工具等が下方の道路8
上に落下する隙間がないように床版51の下面の略全面
を覆うように設けられる。これにより、従来の仮設の足
場のように補修作業を行う都度足場を組み立てる必要が
なく、安全性が高く、補修作業の作業環境が良好である
ことと相俟って、作業効率を向上することができ、か
つ、補修作業時、塗料、鉄筋、コンクリート等の作業資
材や作業工具等が落下することがなく、このため、下方
の道路8を走行している車両等に損傷を与えることがな
いため、これに伴う補償費用を低減することができる。
なお、作業空間6の高さHは、床版51の下面の補修や
橋桁52に用いられている鋼材の塗装等の補修作業が容
易に行うことができる高さ、例えば、1〜2m程度に設
定することが好ましい。
【0031】吸音装置7は、高架橋5の橋桁52に配設
したH形鋼からなる架設部材72と、この架設部材72
に固定部材73を介して固定された吸音部材1Aとから
構成する。
【0032】この吸音部材1Aは、図9に詳示するよう
に、アルミニウム製のパンチングメタル等の多数の開口
を有し、高架橋5の長手方向に沿って延びる外方に帯状
に突出する膨出部を形成した板材からなる表面板12A
と、グラスウールの飛散を防止するために表面をポリフ
ッ化ビニール等の合成樹脂フィルム14Aで覆ったグラ
スウールからなる吸音材13Aとの間に、合成繊維不織
布マット11Aを配設するとともに、吸音材13Aの背
面に、合成繊維不織布マット11A’を介してアルミニ
ウム製のパンチングメタル等の多数の開口を有する足場
板を兼ねた裏面板15Aを配設し、表面板12Aと裏面
板15Aとを防錆処理したアルミニウム等からなる枠部
材17Aにより接続して構成している。この場合、裏面
板15Aと枠部材17Aとを、アルミニウム押出成形に
より一体成形したものを用いて構成することもできる。
なお、合成繊維不織布マット11A,11A’及び吸音
材13Aの詳細構造は、図1に示した吸音部材1と同様
である。
【0033】図10に吸音部材1Aの第1変形例を示
す。この吸音部材1A’は、図9に示した吸音部材1A
の表面板12Aと合成繊維不織布マット11Aとの間に
空間18Aを形成するとともに、グラスウールからなる
吸音材13Aを密度の異なる複数のブロック体13Aー
1,13A−2を組み合わせて構成し、ブロック体13
A−2の中心部に空洞16Aを形成し、さらに、吸音材
13Aー1の背面に、合成繊維不織布マット11A’に
代えてステンレス製のワイヤーメッシュ又はグラスクロ
ス19Aを配設したもので、その他の基本構成は、図9
に示した吸音部材1Aと同様である。なお、合成繊維不
織布マット11A及び吸音材13Aー1,13Aー2の
詳細構造は、図1に示した吸音部材1と同様である。こ
の場合、合成繊維不織布マット11Aの吸音材13Aー
2を覆う合成樹脂フィルム14に面する側に多数の凹凸
11a、具体的には、3〜10mm程度の凹凸を形成
し、一方、吸音材13Aー2の合成繊維不織布マット1
1Aに面する側にも多数の凹凸13a、具体的には、3
〜10mm程度の凹凸を形成する。この凹凸11a,1
3aの形状は、本実施例の円形の凹凸に限定されず、例
えば、長手方向又はこれと直角方向の帯状に形成する
等、その形状及び高さ等は、任意に設定することができ
る。
【0034】この場合において、空間18A内には、該
空間18Aを保持するために、必要に応じて、耐候性を
有する太径の合成樹脂糸、例えば、直径1mm程度のナ
イロン糸を纏絡させ、ナイロン糸自体を融着、又は適宜
の耐候性を有する合成樹脂材料からなるブリッジ剤を以
て一体に結合させることにより、極めて高い空隙率を有
する可撓性を有する板状に形成したスペーサー(図示省
略)を適当な間隔で配設するようにする。
【0035】また、高架橋5を走行する車両の騒音が高
架橋5の床版51を透過して入射する裏面板15A側に
位置する吸音材のブロック体13A−1には、他の個所
のブロック体13A−2より低周波数の騒音の低減効果
の高い高密度のブロック体(例えば、64kg/m3
グラスウール製のブロック体)を用いることが好まし
い。
【0036】このように、表面板12Aと合成繊維不織
布マット11Aとの間に空間18Aを形成することによ
り、高周波数の騒音の低減効果を向上することができ、
また、吸音材を密度の異なる複数のブロック体13Aー
1,13A−2を組み合わせて構成することにより、広
範囲の周波数の騒音を効率よく低減することができ、ま
た、ブロック体13A−2の中心部に空洞16Aを形成
することにより、吸音性能を向上させながら、吸音材の
使用量を低減することができ、さらに、吸音材13Aの
背面にステンレス製のワイヤーメッシュ又はグラスクロ
ス19Aを配設することにより、吸音材のブロック体1
3Aー1の表面を覆う合成樹脂フィルム14Aが、摩耗
したり、補修作業時に損傷を受けることを防止すること
ができる。
【0037】図11に吸音部材1Aの第2変形例を示
す。この吸音部材1A”は、図9に示した吸音部材1A
のグラスウールからなる吸音材13Aを密度の異なる複
数のブロック体13Aー1,13A−2,13A−3を
組み合わせて構成し、ブロック体13A−3の中心部に
空洞16Aを形成し、さらに、吸音材13Aー1の背面
に、合成繊維不織布マット11A’に代えてステンレス
製のワイヤーメッシュ又はグラスクロス19Aを配設し
たもので、その他の基本構成は、図9に示した吸音部材
1Aと同様である。なお、合成繊維不織布マット11A
及び吸音材13Aー1,13Aー2,13Aー3の詳細
構造は、図1に示した吸音部材1と同様である。この場
合、合成繊維不織布マット11Aの吸音材13Aー2を
覆う合成樹脂フィルム14に面する側に多数の凹凸11
a、具体的には、3〜10mm程度の凹凸を形成し、一
方、吸音材13Aー2の合成繊維不織布マット11Aに
面する側にも多数の凹凸13a、具体的には、3〜10
mm程度の凹凸を形成する。この凹凸11a,13aの
形状は、本実施例の円形の凹凸に限定されず、例えば、
長手方向又はこれと直角方向の帯状に形成する等、その
形状及び高さ等は、任意に設定することができる。
【0038】この場合において、高架橋5を走行する車
両の騒音が高架橋5の床版51を透過して入射する裏面
板15A側に位置する吸音材のブロック体13A−1に
は、他の個所のブロック体13Aー2,13A−3より
低周波数の騒音の低減効果の高い高密度のブロック体
(例えば、64kg/m3のグラスウール製のブロック
体)を用いることが好ましい。また、騒音の入射率を高
めながら広範囲の周波数の騒音の低減効果を得ることが
できるように、吸音材のブロック体13Aー2,13A
−3は、騒音の入射方向に積層するとともに、騒音の入
射側に位置する吸音材のブロック体13Aー2に、その
背面側のブロック体13A−3より低密度のブロック体
(例えば、ブロック体13Aー2には、32kg/m3
のグラスウール製のブロック体、また、ブロック体13
Aー3には、48kg/m3のグラスウール製のブロッ
ク体)を用いることが好ましい。
【0039】このように、吸音材を密度の異なる複数の
ブロック体13Aー1,13A−2,13A−3を組み
合わせて構成することにより、広範囲の周波数の騒音を
効率よく低減することができ、また、ブロック体13A
−2の中心部に空洞16Aを形成することにより、吸音
性能を向上させながら、吸音材の使用量を低減すること
ができ、さらに、吸音材13Aの背面にステンレス製の
ワイヤーメッシュ又はグラスクロス19Aを配設するこ
とにより、吸音材のブロック体13Aー1の表面を覆う
合成樹脂フィルム14Aが、摩耗したり、補修作業時に
損傷を受けることを防止することができる。
【0040】なお、図10に示した吸音部材1A’及び
図11に示した吸音部材1A”は、図9に示した吸音部
材1Aと同様の方法で使用することができる。
【0041】図7〜図8に示すように、高架橋5の幅方
向の吸音装置7の両外側に、床版51と吸音装置7とに
端部を固定したH形鋼からなる支柱95を配設し、この
支柱95に落下防止装置9を設ける。この落下防止装置
9は、高架橋5の側壁53等の補修作業時、塗料、鉄
筋、コンクリート等の作業資材や作業工具等が道路8上
に落下したり、作業者が転落するのを防止するために設
けられるもので、高架橋5の長手方向に沿って延設する
とともに、通常は、高架橋5の床版51の下方の収納位
置に設置しておき、補修作業時に、チェーン等の調整具
92を操作することによりヒンジ91を中心にして揺動
させ、高架橋5の側壁53の下方より外側の張出位置
9’に設置するように構成する。なお、落下防止装置9
の張出幅Wは、高架橋5の側壁53等の補修作業時、塗
料、鉄筋、コンクリート等の作業資材や作業工具等が道
路8上に落下したり、作業者が転落するのを防止できる
幅、例えば、1m程度に設定することが好ましい。ま
た、本実施例においては、落下防止装置9は、作業空間
6の高さHを大きく設定した都合上、固定部分96を設
けたが、作業空間6の高さH及び落下防止装置9の張出
幅Wに応じて、固定部分96を省略することもできる。
【0042】この落下防止装置9は、高架橋の下方の道
路を走行している車両の騒音を軽減することができるよ
うに、防錆処理した鋼材又はアルミニウム等からなる枠
部材93に吸音部材1Bを配設して構成する。
【0043】この吸音部材1Bは、図12に示すよう
に、道路6から見える側に位置するステンレス製のワイ
ヤーメッシュ、グラスクロス、防錆処理した鋼材又はア
ルミニウム等からなる多数の開口を有し、高架橋5の長
手方向に沿って延びる外方に帯状に突出する膨出部を形
成した板材からなる表面板12Bと、グラスウールの飛
散を防止するために表面をポリフッ化ビニール等の合成
樹脂フィルム14Bで覆ったグラスウールからなる吸音
材13Bとの間に、合成繊維不織布マット11Bを配設
するとともに、吸音材13Bの背面に、防錆処理したア
ルミニウム等からなる多数の開口を有する板材又は開口
を有さない板材からなる落下防止板を兼ねた裏面板15
Bを配設し、表面板12Bと裏面板15Bとをアルミニ
ウム等からなる裏面板15Bと一体成形した枠部材17
Bにより接続して構成している。なお、合成繊維不織布
マット11B及び吸音材13Bの詳細構造は、図1に示
した吸音部材1と同様である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、表面を合成樹脂フィル
ムで覆ったグラスウールからなる吸音材を合成繊維不織
布マットにより保護し、吸音材の耐久性を向上すること
ができる。また、合成繊維不織布マットは、着色するこ
とが容易であることから、表面板と合わせて、防音部材
に、周囲の環境と調和した色彩を施すことができる。さ
らに、吸音材の合成繊維不織布マットに面する側に多数
の凹凸を形成することにより、合成樹脂フィルムと吸音
材の境界面及び合成樹脂フィルム自体における吸音効果
を期待でき、吸音部材の吸音性能を向上することができ
る。
【0045】また、合成繊維不織布マットの少なくとも
吸音材に面する側に多数の凹凸を形成することにより、
合成繊維不織布マットと吸音材の表面を覆う合成樹脂フ
ィルムの境界面及び合成樹脂フィルム自体における吸音
効果を期待でき、吸音部材の吸音性能を向上することが
できる。
【0046】また、吸音材を密度の異なる複数のブロッ
ク体を組み合わせて構成することにより、広範囲の周波
数の騒音を効率よく低減することができ、特に、騒音の
入射側に位置する吸音材のブロック体に、その背面側の
ブロック体より低密度のブロック体を用いることによ
り、騒音の入射率を高めながら広範囲の周波数の騒音の
低減効果を得ることができ、また、高架橋の床版の下方
に設けられる吸音装置の吸音部材の足場板を兼ねた裏面
板側に位置する吸音材のブロック体に、他の個所のブロ
ック体より高密度のブロック体を用いることにより、高
架橋を走行する車両による低周波数の騒音の低減効果を
向上することができる。
【0047】そして、本発明の吸音部材は、吸音部材を
コンクリート製等の側壁の前面に空間をあけて配設して
防音壁を構成したり、吸音部材の背面に空間をあけて背
面板を配設して防音壁を構成することができるほか、表
面板を外方に突出する膨出部を有する形状に形成すると
ともに、吸音材の背面に、多数の開口を有する足場板を
兼ねた裏面板を配設して構成することにより、高架橋の
床版の下方に設けられる吸音装置の吸音部材として、ま
た、表面板を外方に突出する膨出部を有する形状に形成
するとともに、吸音材の背面に、落下防止板を兼ねた裏
面板を配設して構成することにより、落下防止装置の吸
音部材として用いることができ、それぞれ、上記吸音部
材と同様の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音部材の一実施例を示し、(a)は
正面図、(b)は側面縦断面図、(c)は平面横断面図
である。
【図2】本発明の吸音部材の合成繊維不織布マットを示
し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図
である。
【図3】本発明の吸音部材を用いた防音壁の一例を示
し、(a)は平面横断面図、(b)は正面図、(c)は
(b)のB−B線断面図である。
【図4】本発明の吸音部材を用いた防音壁の一例を示
し、(a)は正面図、(b)は側面縦断面図である。
【図5】図1の吸音部材の第1変形例を示し、(a)は
正面図、(b)は側面縦断面図、(c)は平面横断面図
である。
【図6】図1の吸音部材の第2変形例を示し、(a)は
正面図、(b)は側面縦断面図、(c)は平面横断面図
である。
【図7】吸音装置及び落下防止装置を備えた高架橋の概
観斜視図である。
【図8】同要部断面図である。
【図9】吸音装置に用いた吸音部材の一例を示す断面図
である。
【図10】図9の吸音部材の第1変形例を示す断面図で
ある。
【図11】図9の吸音部材の第2変形例を示す断面図で
ある。
【図12】落下防止装置に用いた吸音部材の一例を示す
断面図である。
【図13】従来の防音壁の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1’,1”,1A,1A’,1A”,1B 吸音部
材 11,11A,11B 合成繊維不織布マット 11a 凹凸 12,12A,12B 表面板 13,13−1,13−2,13A,13A−1,13
A−2,13A−3,13B 吸音材 13a 凹凸 14,14A,14B 合成樹脂フィルム 15 背面板 15A,15B 裏面板 16 空間 16A 空洞 18,18A 空間 2 側壁 3 空間 5 高架橋 51 床版 52 橋桁 53 側壁 7 吸音装置 8 道路 9 落下防止装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 厚孝 大阪府堺市南三国ケ丘町3丁2番20号 (56)参考文献 特開 昭55−108548(JP,A) 特公 昭52−9054(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01F 8/00 E01F 8/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の開口を有する表面板と、表面を合
    成樹脂フィルムで覆ったグラスウールからなる吸音材と
    の間に、合成繊維不織布マットを配設するとともに、吸
    音材の合成繊維不織布マットに面する側に多数の凹凸を
    形成したことを特徴とする吸音部材。
  2. 【請求項2】 合成繊維不織布マットの少なくとも吸音
    材に面する側に多数の凹凸を形成したことを特徴とする
    請求項1記載の吸音部材。
  3. 【請求項3】 吸音材を密度の異なる複数のブロック体
    を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1又は
    2記載の吸音部材。
  4. 【請求項4】 騒音の入射方向にブロック体を積層する
    とともに、騒音の入射側に位置する吸音材のブロック体
    に、その背面側のブロック体より低密度のブロック体を
    用いたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の高架
    橋用吸音部材。
  5. 【請求項5】 側壁の前面に空間をあけて、請求項1、
    2、3又は4記載の吸音部材を配設したことを特徴とす
    る防音壁。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3又は4記載の吸音部材
    の背面に空間をあけて背面板を配設したことを特徴とす
    る防音壁。
  7. 【請求項7】 表面板を外方に突出する膨出部を有する
    形状に形成するとともに、吸音材の背面に、多数の開口
    を有する足場板を兼ねた裏面板を配設して構成し、高架
    橋の床版の下方に設けられる吸音装置に用いることを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載の吸音部材。
  8. 【請求項8】 裏面板側に位置する吸音材のブロック体
    に、他の個所のブロック体より高密度のブロック体を用
    いたことを特徴とする請求項7記載の高架橋用吸音部
    材。
  9. 【請求項9】 表面板を外方に突出する膨出部を有する
    形状に形成するとともに、吸音材の背面に、落下防止板
    を兼ねた裏面板を配設して構成し、高架橋の落下防止装
    置に用いることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載の吸音部材。
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