JP3564257B2 - 安全確認用itvシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車駅のプラットホームにおける乗客の状況を、テレビジョン画像により把握確認し、列車の安全運行が図れるようにしたITVシステムに係り、特に列車内に画像を表示させるようにした車上ITVシステムに好適な画像システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
駅ホーム(駅のプラットホーム)に列車が到達又は出発しようとしたとき、或いは列車が通過しようとしたときなどでの乗客の安全確保には、駅ホームにおける乗客の状況把握が不可欠であり、このため、従来から、テレビジョン装置を用いて駅ホームの画像を表示させ、列車乗務員(車掌)又は駅務員(駅員)による乗客状況の確認が行えるようにした安全確認用の画像システムが用いられている。
【0003】
具体的には、駅ホームに設置した複数台のテレビ(テレビジョン)カメラとテレビモニタ(モニタテレビともいう)を用い、これらによって画像の観察確認を行うと共に、さらに列車乗務員又は駅務員の目視による確認も加えて運用されるのが通例である。
【0004】
このとき、従来技術では、通常、比較的広角の撮像レンズを備え、列車の走行方向に向かって、各々2両分を撮像視野とするテレビカメラを複数台、駅ホームに沿って順次設置し、これにより、例えば10両編成の列車の場合には、前方6両分を順次3台のテレビカメラで撮像するようにしている。
従って、このときの各テレビモニタ面での表示は、例えば図9(a)、(b)に示すようになっている。なお、ここでは、2台のモニタだけを示してある。
【0005】
そして、これら3台のテレビカメラで撮像された映像は、駅ホームの列車の最後尾の車両が停止する位置の近傍に設置した3台のテレビモニタに、それぞれの映像が表示されるようにしてあり、このため、例えば上記の10両編成の列車の場合、ドア開閉時における乗客の乗降状態の把握は、列車の最後尾車両に乗車している車掌による上記3台のテレビモニタ表示画像の観察と、後方4両分の直接目視による観察との併用で運用されていることになる。
【0006】
また、この結果、列車が駅ホームに進入して停車するまでと、列車が進行し始めて停止位置から移動した後は、地上のモニタテレビの画像は車上側からは見ることができなくなってしまうため、車掌は乗務員室(車掌室)の窓から顔を出してホーム上での安全確認をしている。
【0007】
そこで、特開平7−135477号公報では、テレビカメラで撮像したホームの画像を列車に無線伝送し、その乗務員室内に設置したテレビモニタで観察できるようにした、いわゆる車上ITVシステムについて提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、列車規模の拡大に伴うテレビカメラとモニタの台数増加についての配慮がされておらず、テレビモニタの表示画像による乗客状況の把握の容易性の点で問題があった。
【0009】
すなわち、列車編成が長くなるにつれ、テレビカメラやテレビモニタの台数も増えてゆくため、表示画像数が多くなるので、同時観察が困難になる上、表示画像数が増加した結果、それら複数の画像と実際の駅ホームの風景とを対応させて認識するのが困難になってしまうからである。
【0010】
また、上記従来技術は、上記した車上ITVシステムの場合には、テレビモニタの設置スペースの点で問題があった。
すなわち、列車編成が長くなるにつれ、テレビカメラやテレビモニタの台数も増えてゆくが、一方、列車の乗務員室は一般にそれほど広くなく、余分なスペースはほとんど無いから、テレビモニタの台数が増加すると、設置が困難になってしまうのである。
【0011】
本発明の目的は、列車編成が長くなった場合でも1台のテレビモニタによる観察が可能で、駅ホームでの乗客の状況が感覚的に容易に把握でき、且つ、列車の乗務員室にも容易に設置できるようにした安全確認用ITVシステムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、テレビジョンカメラとテレビジョンモニタを備え、駅のプラットホームの画像をテレビジョンモニタに表示して乗客の安全を確認するようにしたITVシステムにおいて、上記プラットホームのほぼ中心部からその列車の走行方向に沿った両側に、それぞれ所定距離離れた一方の位置と他方の位置に配置され、撮像視野がそれぞれ上記中心部を越えて反対側に位置する列車を含むように設定された2台のテレビジョンカメラと、これら2台のテレビジョンカメラのそれぞれによる画像信号の左右の少なくとも一方の部分を除き、水平方向の中心部を含んだ部分をそれぞれ取り出し、これらの部分を左右に隣接させて1枚の画像に合成された画像信号に変換する2画面合成回路とを設け、上記2台のテレビジョンカメラの内、列車内から上記プラットホームを見たとき右側に位置するテレビジョンカメラで撮像された画像の横方向の一部が、上記テレビジョンモニタに向かってその画像表示面の右側に表示され、左側に位置するテレビジョンカメラで撮像された画像の横方向の一部は、上記テレビジョンモニタの画像表示面の左側に表示させるようにして達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による安全確認用ITVシステムについて、図示の実施形態により詳細に説明する。
以下の例は、例えば日本国で新幹線と呼ばれているような、25m級の車両による最大16両編成の列車を対象とした駅ホームでの設置を想定した場合の本発明の一実施形態例で、まず、図1において、破線で囲ってあるのが列車Tで、1A、1Bはテレビカメラ、2A、2Bは撮像レンズ、3は2画面合成回路、4は無線送信機、5は送信アンテナ、6は受信アンテナ、7は無線受信機、8はFM変調回路、9はペア・ケーブル、10はFM復調回路、11はテレビモニタ、12は画像表示面である。なお、12L、12Rは左右に分割された画像の表示部を表わす。
【0014】
2台のテレビカメラ1A、1Bは、例えばCCDカメラなどを用い、図2に示すように、停車すべき列車Tの長さに合わせて、少なくとも400mの長さに作られている駅ホームHの、列車Tの停車位置の中央に設定した中心線Cから、その両側にそれぞれ50mづつ離れた位置に、撮像方向が向い合うようにして配置してあり、それぞれが、標準的な、例えば46°前後の画角に比して、かなり狭い3〜5°程度の画角を持った望遠レンズ(長焦点レンズ)2A、2Bを用い、2台で分担することにより、駅ホームHの全体を撮像視野とすることができるように構成されている。
【0015】
このとき、使用するレンズ2A、2Bの焦点距離fは、撮像視野となる列車Tの長さや、使用するテレビカメラの撮像面の大きさにもよるが、通常40mmから90mm位にすれば良く、この実施例では、70mmにしてある。
ここで、この図2では、列車Tは駅ホームHの、図では下側を走行するようになっているが、このとき、この列車T内から駅ホームHを見て(図では上方向を見て)左側に位置するテレビカメラ1Aを左側のテレビカメラと定義し、同じく右側に位置するテレビカメラ1Bを右側のテレビカメラと定義する。
【0016】
従って、左側のテレビカメラ1Aは、列車Tの側面で、図において、中心線Cから手前の所定の位置にある車両から、右端にある車両の先までを撮像視野とするようにして設置され、右側のテレビカメラ1Bは、同じく中心線Cから手前の所定の位置にある車両から、左端にある車両の先までを撮像視野とするようにして設置されている。
【0017】
図3は、これらテレビカメラ1A、1Bの駅ホームHでの設置状態の一例で、図示のように、駅ホームHに設置されている柱14を利用し、腕木となるカメラ取付金具15を用い、ホーム面16から2.3m上で、列車Tからは1m離して取付けられ、これにより駅務員の視線には近く、且つ乗降客の安全とホーム内設置基準が満足でき、さらには車両限界に抵触しないようにしている。
【0018】
2画面合成回路3は、2台のテレビカメラ1A、1Bで撮像したホーム中央から左側と右側のそれぞれの映像信号から、それぞれの水平方向の画面中央部を、約1/2幅切り取り、それぞれを左右に配置した形で1枚(1フレーム)の画像に合成するする働きをする。そして、この2画面合成回路3により合成されて一画面となった映像信号は、送信機4に入力される。
【0019】
送信機4は、周波数f1の搬送波信号用い、これを映像信号で変調し、それを駅ホームHに設置してある送信アンテナ5に供給し、列車Tに送信する働きをする。
なお、このときの搬送波信号の周波数f1は、駅ホームHでの上りと下りの混信による妨害を回避するため、例えば上り用の周波数(=44.04GHz)としてあり、従って、下り用として設置されたときの周波数は、例えばf2(=44.54GHz)とする。
【0020】
受信機7は、列車Tの運転台などに取り付けられている受信アンテナ6で捉えた電波による信号により、上り用周波数f1の信号を受信し復調して、例えばNTSC方式のテレビジョン信号からなる映像信号を得る働きをする。
FM変調回路8は、列車T内に敷設されているペア・ケーブル9により、映像信号を伝送するためのもので、受信機7で復調された、例えば占有周波数帯が4MHzの映像信号を占有周波数帯12MHzの周波数変調信号に変換する働きをする。
【0021】
ペア・ケーブル9は、列車Tの先頭車などに設けてある受信アンテナ6と受信機7からの映像信号を、車掌室などのテレビモニタ11が設置されている車両まで伝送する働きをするもので、通常の艤装線として列車T内に一般的に敷設されている通信用のケーブルで構成されているものである。
FM復調回路10は、ペア・ケーブル9により伝送された周波数変調信号から元の映像信号を復調し、復調した映像信号をテレビモニタ11に供給して表示させる働きをする。
【0022】
テレビモニタ11は、カラーCRTや液晶表示装置を備え、その画像表示面12に、2台のテレビカメラ1A、1Bから2画面合成回路3により合成されて伝送されてきた画像を表示する働きをする。
そして、このとき、テレビモニタ11の画像表示面12では、その向かって右側の表示部12Rに、右側のテレビカメラ1Bで撮像された画像が表示され、左側の画像表示部12Lには、左側のテレビカメラ1Aで撮像された画像がそれぞれ表示されるように、システム全体の画像信号処理系が構成されている。
【0023】
次に、この実施形態による画像の表示について説明する。
まず、列車Tは、図2において、左端が1号車であるとする。従って、左端から右端に向かって1号車から16号車が順次並んでいることになる。
そこで、左側のテレビカメラ1Aにより、図4(a)に示すように、列車Tの大体8号車から始まって16号車に到り、駅ホームHの右端までの画像が得られるように、撮像条件を定めておき、同様に、右側のテレビカメラ1Bによれば、図4(b)に示すように、列車Tの大体9号車から始まって1号車に到り、駅ホームHの左端までの画像が得られるようにしておく。
【0024】
なお、ここで、撮像条件とは、テレビカメラの光電変換面の大きさや撮像レンズの焦点距離、それに図2における中心点Cからテレビカメラまでの距離のことで、上記したように、3〜5°程度の画角が得られるようにするためのものである。
【0025】
次に、2画面合成回路3は、図4(a)、(b)に示すように、2台のテレビジョンカメラの1A、1Bのそれぞれによる画像信号の左右の少なくとも一方の部分を除き、水平方向の中心部を含んだ部分をそれぞれ取り出し、これらの部分を左右に隣接させて1枚の画像に合成された画像信号に変換する働きをするもので、この実施例の場合には、各テレビカメラ1A、1Bの画像信号、すなわち図4(a)、(b)から、図4(c)、(d)に示すように、それぞれの水平方向の中央部1/2をそれぞれ抜取り、図4(e)に示すように、これらを左右に並べて1枚の画像に合成された画像信号を作成するように構成してある。
【0026】
従って、この実施形態によれば、列車Tに搭載してあるテレビモニタ11の画像表示面12には、この図4(e)に示すように、その右側の表示部12Rには、列車Tの8号車から1号車までの画像が表示され、左側の表示部12Lには、同じく9号車から16号車までの画像が表示されることになる。
【0027】
そこで、テレビモニタ11の画像表示面12には、列車Tの8号車と9号車がそれぞれ画面の中央の両側に隣接して位置し、それらからそれぞれ外側に向かって、8号車側では1号車までの各車両が、そして9号車側では16号車までの各車両が、何れも順次小さくなって表示されていることになり、この結果、このテレビモニタ11の画像表示面12を眺めている乗務員には、あたかも駅ホームに立ち、そこから列車の車両を左右に眺めているのと同様な、連続して両側に遠近感を伴った像が観察されることになる。
【0028】
従って、この実施形態によれば、列車Tの各車両が、中央から左右に連続した自然な状態で乗務員により観察でき、列車Tの実際の車両の位置と画像表示面での列車の像による車両の位置との対応に無理がなく、自然な状態に保たれることになり、この結果、テレビモニタ11の画像表示面12での観察だけで、実際に列車Tを眺めているときと同様に、ごく自然な状態で列車と乗降客の状態が把握でき、確実に安全を確認することができる。
【0029】
ところで、この図4(e)では、列車Tが駅ホームHに停車している状態が図示されているが、上記実施形態では、テレビモニタ11は、列車Tの乗務員室に設置されている。
そこで、この実施形態によれば、列車Tの乗務員は、この列車Tが駅ホームHに進入する前から、駅ホームHの状況が把握できることになる。
すなわち、図4から明らかなように、その図4(e)に示されているモニタ画面では、その右側の表示部12Rにはテレビカメラ1Bの画像が、また、左側の表示部12Lにはテレビカメラ1Aの画像が、それぞれ表示されている。
【0030】
そこで、いま、図2において、列車Tが、1号車を先頭車として運行されていて、図の右側から駅ホームHに進入して停車するものとすると、列車Tが駅ホームHに進入する直前では、左側の表示部12Lの左上方に列車Tの先頭が表示され、それ以外の画面には、まだ列車Tが入っていない駅ホームHと乗客の状態が表示されることになる。
【0031】
そして、この後、列車が駅ホームに入って行くに従って列車の先頭が画像表示面の中央に向かって移動し、且つ、その映像も大きく表示されるようになり、ついで、列車の先頭が画像表示面の中央を越えると、この列車の先頭の映像は左側の表示部12Lから右側の表示部12Rに移り、次第に右側に移動して小さくなり、遠ざかって行くように表示され、その後、列車Tが停車したとき、最終的に図4(e)に示されている表示画像になる。
従って、この実施形態によれば、乗務員は、自らが乗車している列車が駅ホームに近づいたとき、駅ホームに入る前から、駅ホームの状況を把握することができることになり、さらに安全を確保することができる。
【0032】
ここで、この実施形態の場合に対比させて、図9に示した従来技術の場合について説明すると、例えば、いま、従来技術による図9(a)、(b)の画像を、それぞれ本発明と同様にして、1枚の画像に合成したとしても、この場合には、図9(c)に示すようになり、列車の各車両の像は、各画像部分の分割位置で大きさがステップ状に変化していて連続的な表示にはならず、この結果、遠近感も不自然になり、実際の列車と、表示された列車の像との関連が直感的には掴めず、感覚的な対比が困難になっていることが判る。
従って、このことからも、本発明の実施形態によれば、確実な安全確認が容易に得られることが理解できる。
【0033】
また、この本発明の実施形態によれば、駅ホームHの映像を1台のテレビモニタ11で観察することができるので、列車の車掌室など、狭い乗務員室の中でも容易に設置でき、この結果、列車Tの駅ホームHへの進入から進出までの全ての時点で駅ホームでの観察ができるようになり、安全確保に大きく寄与することができる。
【0034】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
周知のように、鉄道輸送システムでは複線化される場合があり、例えば上記した新幹線でも複線化されている。
しかして、この場合は、上り列車と下り列車を同一の駅ホームの両側で取り扱う場合が生じるが、このときに上記無線伝送による本発明の実施例を適用したとすれば、同一駅ホームに2系統のシステムが設置されてしまうことになり、この場合、列車側では、自らが下り列車であるときと上り列車であるときとで、地上側からの送信電波の一方を選択する必要がある。
【0035】
そこで、図5は、このような場合に好適な本発明の一実施形態例で、図において、13は受信周波数切換用のスイッチで、その他の構成は、図1の実施形態と同じである。
スイッチ13は、受信機7の受信周波数を切換える働きをし、一方に切換えたときには、受信機7の受信周波数が、例えば周波数f1(=44.04GHz)の上り列車用にされ、他方に切換えたときには、受信周波数が、例えば下り列車用の周波数f2(=44.54GHz)にされるようになっている。
【0036】
一方、これに対応して、駅ホームに設置される送信機4については、それが駅ホームHの上り列車側に設置された場合には、送信周波数f1に設定され、同一の駅ホームHであっても、下り列車側に設置されたときには、送信周波数f2に設定されるように構成してある。
従って、この図5の実施形態によれば、列車Tは、上り列車として運行されるときには、スイッチ13により受信周波数f1に設定し、下り列車として運行されるときには、受信周波数f2に設定することができ、この結果、2種の受信機を設ける必要が無く、確実に上りと下りの混信による妨害が回避され、常に正しい画像の受信を行うことができる。
【0037】
ところで、本発明としては、特に必要な要件という訳では無いが、上記実施形態例では、図2で説明したように、テレビカメラ1A、1Bの撮像レンズ2A、2Bとして、焦点距離が70mmの長焦点レンズ(望遠レンズ)を用い、その画角が、通常のレンズ、いわゆる標準レンズの場合の46°よりもかなり狭くなるようにし、しかも駅ホームHの中心Cから50m後退した位置に設置してあるが、その理由について、以下に説明する。
【0038】
周知のように、撮像レンズは、その画角が広くなるにつれ、つまり、焦点距離が短くなるにつれて、レンズから被写体までの距離の変化による撮像面での被写体像の大きさの変化が著しくなり、視野内での遠近感が誇張されてゆくという特性がある。
このため、広角レンズで撮像した場合には、例えば、図9(a)、(b)に示す従来技術のように、手前にある車両の像は極端に大きく(長く)写るのに対して、先方の車両は、反対に極端に小さく(短く)なってしまうことになり、この結果、テレビカメラから先方に離れた車両については、同一撮像視野内での観察が困難になってしまう。
【0039】
これに対して、画角が狭いレンズ、つまり焦点距離が長いレンズでは、被写体までの距離の変化による像の大きさの変化が少なくなって遠近感が抑えられるので、例えば画角が3°〜6°程度の撮像レンズを用い、図2に示すように、撮像範囲の手前から50mも離れて撮像するようにした本発明の実施形態例の場合には、図4(a)、(b)に示すように、撮像視野内での車両の大きさ(長さ)の差が少なくなり、手前の車両から先方の車両までほぼ均一の大きさの像が得られるので、全ての車両についての観察が容易にできることになるからである。
【0040】
なお、このように画角の狭いレンズ、すなわち焦点距離の長いレンズでは、被写体側での焦点深度が浅くなり、この結果、先方に長い列車などの被写体では、ピント合わせが困難になる虞れが生じる。
しかしながら、上記本発明の実施形態では、撮像範囲の手前から50mも離れて撮像するようにしてあるので、先方に深い焦点深度が得られるというレンズの特性が利用でき、且つ、テレビカメラとして、例えばCCDカメラなど、感度の高いものが容易に得られる上、安全性の面から充分な照明がされる場合が多いことも含めて、暗いレンズ、つまり(F値)の大きなレンズの使用が可能であることから、これによる焦点深度の深まりが利用できることになり、従って、実用的な解像度の確保には、ほとんど問題は無い。
【0041】
次に、上記実施形態では、図1から明らかなように、列車T内での映像信号の伝送にペア・ケーブル9を用いることができるようにしている。
従って、この実施例によれば、列車T内での映像信号の伝送のために、別途、専用のケーブルを敷設する必要が無く、列車内に通常の艤装線として既存のケーブルを流用することができるので、設置が容易でコストアップも少なくて済むという利点がある。
【0042】
ところで、上記実施形態では、図2に示すように、駅ホームHの中心線Cの左右に、ほぼ均等に列車Tが停止するようになっている場合について説明したが、例えば図6に示すように、同じ駅ホームHで、編成が異なり、長さも異なる複数種類の列車T1、T2、T3を取り扱う場合もあり、さらにこのとき、図示のように、停車位置もH1とH2に示すように異なっている場合がある。
なお、この図6で、T1は12両編成の列車の場合で、T2は8両編成の列車の場合、それにT3は異なった大きさの車両からなる列車同志を連結して14両編成とした場合の列車の例であり、それぞれハッチングが施されているのが車掌室のある車両を表わしている。
【0043】
そこで、この場合、駅ホームHの停車位置をH1からH2に変えて、8両編成の列車T2を扱ったとすると、中心線Cは、16両編成の列車Tの停車位置の中央に設定してあるので、この中心線Cの位置は、列車T2の中央から外れてしまうことになり、この場合には、各テレビカメラ1A、1Bによる画像は、図7(a)、(b)に示すようになる。
【0044】
従って、この場合でも、上記図4で説明した実施形態のときと同様、これら図7(a)、(b)の画像から、図7(c)、(d)に示すように、それぞれの水平方向の中央部1/2をそれぞれ抜取って、これらを左右に隣接して並べ、1枚の画像に合成したとすると、テレビモニタ11の画像表示面12では、図7(e)に示すような画像が見られることになる。
【0045】
ところで、この場合、勿論、このままでも充分で、特に差し支えはないが、しかし、このとき、テレビモニタ11の画像表示面12の左側の表示部12Lについてみると、図7(e)から明らかなように、車両が無くて乗降客が少なく、従って、本来、乗降客の安全確認があまり必要無い部分も多く写しだされている。 一方、右側の表示部12Rでは、写しだされている車両数が多く、乗降客も多いから、充分な安全確認を要する筈である。
【0046】
そこで、このような場合には、図8に示すように、それぞれのテレビカメラ1A、1Bによる、図8(a)、(b)に示すような画像から、それぞれの水平方向の中央部1/2を均等に抜き取るのではなく、図8(c)、(d)に示すように、テレビカメラ1Aによる図8(a)の画像については、図8(c)に示すように、画面の両側を除いて、7号車と8号車の部分を重点的に抜取り、他方、テレビカメラ1Bによる図8(b)の画像については、画面の左側で重複する7号車が写っている部分だけを除き、広く画像を残すように、2画面合成回路3による変換処理を行なわせるようにする。
【0047】
この結果、この場合には、テレビモニタ11の画像表示面12では、図8(e)に示すような画像が得られることになり、従って、この実施例によれば、写し出されている車両数が多くなっている右側の表示部12Rでは、駅ホームHの広い部分が画面に表示されるようになるので、多くの乗降客が存在する確率の高い部分での安全確認を重点的に行なうことができ、より一層の信頼性を確実に得ることができる。
【0048】
ところで、以上の実施形態では、2台のテレビカメラを設置した場合について説明したが、駅ホームでの軌道が曲線になっていた場合には、駅ホームもカーブしており、このため、2台のテレビカメラでは、駅ホーム全体をカバーしきれない場合がある。
そこで、この場合には、適宜、テレビカメラの設置台数を増やし、切換えて表示するようにしてやれば、容易に本発明を適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、2台のテレビカメラを設置するだけで、駅ホームの極めて自然な状態での画像を表示できるので、日本の新幹線など、長大な駅ホームを有する鉄道設備への適用に際して、高い経済性を得ることができる。
また、本発明によれば、テレビカメラが2台で済むため、設置スペースに対する制約が少なくなり、この結果、適用範囲を大幅に広げることができ、駅ホームでの安全確保に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるテレビカメラの駅ホームでの設置状態を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるテレビカメラの駅ホームでの取付状態を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施形態における画像処理と表示状態を示す説明図である。
【図5】本発明の他の一実施形態を示すブロック図である。
【図6】異なった車両編成の列車を取り扱う場合での駅ホームとの関係を示す説明図である。
【図7】車両編成が異なった場合での本発明の一実施形態における画像処理と表示状態を示す説明図である。
【図8】本発明の他の一実施形態における画像処理と表示状態を示す説明図である。
【図9】従来技術によるテレビモニタ表示の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1A、1B テレビカメラ(テレビジョンカメラ)
2A、2B テレビカメラ用撮像レンズ
3 2画面合成回路
4 無線送信機
5 送信アンテナ(駅ホーム側)
6 受信アンテナ(列車側)
7 無線受信機
8 FM変調回路
9 ペア・ケーブル
10 FM復調回路
11 テレビモニタ(テレビジョンモニタ)
12 画像表示面
12L 左側の表示部
12R 右側の表示部
13 受信周波数切換用のスイッチ
14 柱
15 カメラ取付金具
16 ホーム面
C 中心線
H 駅ホーム(駅のプラットホーム)
H1、H2 列車の停止位置
T 列車
Claims (5)
- テレビジョンカメラとテレビジョンモニタを備え、駅のプラットホームの画像をテレビジョンモニタに表示して乗客の安全を確認するようにしたITVシステムにおいて、
上記プラットホームのほぼ中心部から列車の走行方向に沿った両側に、それぞれ所定距離離れた一方の位置と他方の位置に配置され、撮像視野がそれぞれ上記中心部を越えて反対側に位置する列車を含むように設定された2台のテレビジョンカメラと、
これら2台のテレビジョンカメラのそれぞれによる画像信号の左右の少なくとも一方の部分を除き、水平方向の中心部を含んだ部分をそれぞれ取り出し、これらの部分を左右に隣接させて1枚の画像に合成された画像信号に変換する2画面合成回路とを設け、
上記2台のテレビジョンカメラの内、列車内から上記プラットホームを見たとき右側に位置するテレビジョンカメラで撮像された画像の横方向の一部が、上記テレビジョンモニタに向かってその画像表示面の右側に表示され、左側に位置するテレビジョンカメラで撮像された画像の横方向の一部は、上記テレビジョンモニタの画像表示面の左側に表示させるように構成したことを特徴とする安全確認用ITVシステム。 - 請求項1の発明において、
上記2台のテレビジョンカメラのそれぞれによる画像信号から上記2画面合成回路により取り出される部分の幅が、左右で異なった幅になるように構成されていることを特徴とする安全確認用ITVシステム。 - 請求項1の発明において、
上記2台のテレビジョンカメラが、標準的な画角よりも狭い画角の撮像用レンズを備え、上記中心点から所定距離離れて設置したことにより、上記列車の上記中心線の先方に位置する各車両の画像に現れる遠近感を抑えるように構成したことを特徴とする安全確認用ITVシステム。 - 請求項1の発明において、
上記2台のテレビジョンカメラで撮像した画像信号を、上記プラットホーム側から列車に伝送する無線通信手段を設け、
上記テレビジョンモニタが、列車の乗務員室内に設置されていることを特徴とする安全確認用ITVシステム。 - 請求項4の発明において、
上記無線通信手段により受信された画像信号の列車内での伝送系の少なくとも一部が、ペア・ケーブルを用いた伝送系で構成されていることを特徴とする安全確認用ITVシステム。
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