JP3637010B2 - 列車監視装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はプラットホームに設置した複数のテレビカメラで列車の乗降客及び乗降口付近の映像を撮影し、その映像信号を送信装置から無線電波にて列車内の受信装置に列車がプラットホームを抜けきるまで伝送し、列車内に設置されたモニタにて乗客の状況を把握確認し、列車の安全連行が図れるようにした列車監視装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は例えば特開平9−226584号公報に示された従来の装置を示す図であり、図において、101は車側監視カメラ、103は列車の前方を監視する前方監視カメラ、105、106は1台の運転台モニタ113に表示可能なように合成する画面合成器、107、108は画面合成器105、106によって合成された後の映像信号を変調するための変調器、109、110は変調器107、108により変調された映像信号を車両111に伝送するための送信装置、112は車上に設置される受信装置、114は列車在線位置検知車上装置、115は映像の切換を行う映像切換装置である。
【0003】
車上監視カメラ1、2は、ホームにおいて、列車の側面、扉部を撮影するものである。列車が長い場合、また、ホームがカーブしている場合は、車側監視カメラが複数台必要であるためここでは2台設けてある。
【0004】
前方監視カメラ103は軌道の駅のホームに沿った部分の映像を撮影するものである。ホームがカーブしている場合は前方監視カメラ103が1台では不十分であるため複数台設けてある。
【0005】
画面合成器105、106は、複数の監視カメラが撮影した映像を、1台のモニタに表示可能なように合成するためのものである。
【0006】
変調器107、108は、画面合成器105、106によって合成された後の映像信号を変調するためのものである。
【0007】
送信装置109、110は、変調器107、108により変調された映像信号を車両111に伝送するためのものである。送信媒体としては、ミリ波等の電波を用いる。従って、送信装置109、110は送信機、送信アンテナから構成される。
【0008】
車上設備には、受信装置112、運転台モニター103、列車在線位置検知車上装置114、映像切換装置115がある。
【0009】
受信装置112は、送信装置109、110により送られてきた信号を受信するものである。受信装置112は、映像切換装置115からの指示に従って、その受信の開始/停止、受信周波数の変更を行う構成となっている。受信装置は、車両111の前後にそれぞれ設けている。受信装置112は、受信機、受信アンテナから構成される。
【0010】
運転台モニタ113は、送信装置109、110から送られてきた映像を表示するためのものである。運転士は運転台モニタ113に映し出されている映像を見ることで安全を確認できる。運転台モニタ113は、車両111の前後に設けられており、複数台のカメラ101、103で撮影した映像を合成したものを表示させることができるようになっている。
【0011】
列車在線位置検知車上装置14は、当該列車の存在する位置を検知するものである。列車在線位置検知車上装置14は検出結果を映像切換装置15に出力している。
【0012】
映像切換装置15は、列車在線位置検知車上装置14からの信号にもとづいて、映像の受信開始、切換、受信停止の指示を受信装置12に出力するものである。映像切換装置15は、あらかじめ設定されたスケジュールを備えている。列車停止時に列車側面部映像の表示を開始し、列車最後尾がホームを抜けきった時に表示を終了することを規定しておいてもよい。映像切換装置15は、列車在線位置検知車上装置14から入力された在線位置と、このスケジュールとを照合することで、運転台モニタ13への表示の有無、表示すべき種類を決定する。そして、その決定内容を示す信号を受信装置12に出力するようになっている。
【0013】
図13において、前方監視映像が必要な地点(A地点)に列車が到着すると、列車在線位置検知車上装置14は映像切換装置15に対し在線位置情報を伝送する。すると、映像切換装置15は、受信装置12に前方監視映像の取り込みを開始させる。これにより運転台モニタ13には前方監視映像が表示される。
【0014】
この後、列車が前方監視映像が不要となる地点(B地点)を通過すると、列車在線位置検知車上装置14は在線情報を映像切換装置15に伝送する。すると、映像切換装置15は、受信装置12に前方監視映像の取り込みを停止し、これにより、運転台モニタ13には前方監視情報が表示されなくなる。
【0015】
車側監視映像が必要な地点(C地点)に列車が到着すると、列車在線位置検知車上装置14は映像切換装置15に対し在線位置情報を伝送する。すると、映像切換装置15は、受信装置12に前方監視映像の取り込みを開始させる。これにより運転台モニタ13には車側監視映像が表示される。
【0016】
この後、列車が車側監視映像が不要となる地点(D点)を通過すると、列車在線位置検知車上装置14は映像切換装置15に対し在線位置情報を伝送する。すると、映像切換装置15は、受信装置12に車側監視映像の取り込みを停止させる。これにより、運転台モニタ13には車側監視情報が表示されなくなる。この場合のD地点は、列車の最後尾がホームを抜け切った地点とする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来の移動体監視装置では、移動体へ向けて送信する送信装置と受信装置のミリ波を電波として利用した場合の設置の制約条件に関しては述べられておらず、ミリ波を電波として用いた場合における地面などからのフェージングの影響に関しては考慮されていない。
【0018】
また、ミリ波を電波として用いた場合の送信装置、受信装置の設置台数の削減化に関しては検討がされていない。
【0019】
また、シーサスなど列車の路線が急に変更される場合、列車前方より列車前方運転席に設置された受信装置に電波を送信する場合、路線の急な変更に対応して、列車前方に設置する送信装置の数を多くしなければならないという問題があった。
【0020】
また、送信装置が建築限界の制約条件を満足する送信機形状が必要となり、送信装置製作上での製造制約が大きいという問題があった。
【0021】
また、送信装置を複数台単独に設置するために、送信機が目立つため、送信機の電波放射による人体への悪影響を乗客が懸念し、問題視される場合が生じるという問題があった。
【0022】
また、ワンマン監視を行う場合、車両の後部より受信されたデータを車両内の配線を通じて運転士のいる車両最前部に伝送する場合、EMIによるノイズ等により、受信した画像が乱れる恐れがある等の問題点があった。
【0023】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、出発監視時における地面などからのフェージングの影響を受けないとともに、送信装置が目立たないようにしたものである。さらに、受信装置より人体への悪影響が乗客から問題視される可能性のある送信装置の台数を削減した列車監視装置及び方法を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る列車監視装置は、プラットホームに設置した複数のテレビカメラで列車の乗降客等の映像を撮影し、その映像信号を送信装置から無線電波にて列車側の受信手段に送信し、映像を列車内のモニタに表示する列車監視装置において、送信装置のアンテナ部を地面近くに配置し、上向きの電波ビームで列車側の受信手段に送信するとともに、上記送信装置のアンテナ部の断面を台形形状に形成し、台形の両斜辺に平面アンテナを設けることによりアンテナ部の両方向にビーム状の電波を放射できるようにし、その電波の放射方向(指向方向)が列車の連結方向に沿うよう送信装置アンテナ部を配置したものである。
【0025】
また、送信装置の本体部とアンテナ部を分け、本体部を地中に埋設し、アンテナ部を地上に露出したものである。
【0026】
また、プラットホームに設置した複数のテレビカメラで列車の乗降客等の映像を撮影し、その映像信号を送信装置から無線電波にて列車側の受信手段に伝送し、映像を列車内のモニタに表示する列車監視装置において、列車側に設けられ、1台の送信装置からの送信電波をそれぞれ受信する複数の受信手段と、受信した電波強度を比較し、強度の強いものに自動で切換えてモニタで画像表示させる機能および列車自動運転装置からの速度検知信号を用いて前記受信手段を制御し、モニタの表示を必要時のみに制限する機能を有する映像切換装置とを備えたものである。
【0027】
この発明に係る列車監視方法は、プラットホームに設置した複数のテレビカメラで列車の乗降客等の映像を撮影し、その映像信号を送信装置から無線電波にて列車側の受信手段に伝送し、映像を列車内のモニタに表示して列車監視を行う列車監視方法において、最後部車両と最前部車両に受信装置を設け、最後部車両の受信手段で受信した電波信号を最前部車両の受信手段にミリ波(60GHz帯)にて伝送し、最前部車両のモニタに表示するようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1について説明する。図1はこの発明の実施の形態1の構成を示すブロック図で、Hはプラットホーム側、Tは車両側である。1は乗降状況を確認するために車両の長さに応じて複数個設置された車側監視カメラ、2は出発時の車両側面のプラットホームを監視する車側監視カメラ(以下出発監視カメラと呼ぶ)、9は上記各カメラからの信号を列車側に向けて送信する送信装置である。
【0029】
一方、車両側において、11は車両、12はアンテナ等を含む受信手段である受信装置、17は受信装置アンテナ部、18は受信装置本体部で、受信装置アンテナ部17と共同して受信装置12と同じ働きの受信手段を構成している。13は受信装置からの信号を映像として表示する運転台モニタ、28は車両11の速度検知信号を出力するATO装置、30は列車自動運転装置(ATO装置)28からの速度検知信号により車側監視カメラと出発監視カメラ2の信号を切換えたり、受信装置12と受信装置本体部18の映像を切換え、選択した映像信号をモニタ13に供給する映像切換装置である。
【0030】
以上の各部の配置と、これに関連のある他の構成を図2に示している。図2において、車側監視カメラ1及び出発監視カメラ2はプラットホーム4に沿って適当な間隔を取り複数個配置されている。車両11は先頭車両11a、中間車両11b、後部車両11cからなり、図では4両編成を示している。受信装置12は先頭車両11aに設けられ、また、受信装置アンテナ部17及び受信装置本体部18は先頭車両を除く各車両の外側側面に一個づつ設けられている。受信装置本体部18及び受信装置12は映像切換装置30に接続されている。送信装置9はそのアンテナビーム有効範囲29が受信装置12または受信装置アンテナ部17の一つまたは複数をカバーするような位置に設置されている。
【0031】
送信装置9は線路26の脇の地上に設置されており、その構成の詳細を図3に示している。図3において、9aは送信装置本体部、9bは断面が台形をなす送信アンテナ部、9cは台形の両斜辺に設けられた平面アンテナ、9dは送信装置本体部9aに設けられた放熱フィンである。上記平面アンテナ9cは、図3(b)に示すように、送信アンテナ部に水平方向に例えば2個並べて設けられる。送信装置9の設置の一例としては、線路26の脇に、送信アンテナ部9bと放熱フィン9dが地上に露出するようにして、送信装置本体部9aは地中に埋設される。
【0032】
車両11と送信装置9との位置関係を側面から見ると、図2(b)のようになる。29は送信アンテナ部9bからの電波の有効到達範囲を示すアンテナビーム有効範囲である。アンテナビーム有効範囲29は地上から上向きの電波ビームを受信装置12、受信装置アンテナ部17に放射する。
【0033】
先ず全体システムを図1乃至図3により説明する。プラットホーム4に複数台の車側監視カメラ1と出発監視カメラ2を設置し、車両11の扉部と車両側面部を撮影している。列車が長い場合1台のカメラでは十分に監視できないので、ここでは2台の車側監視カメラ1と2台の出発監視カメラ2を設けている。
【0034】
カメラ1で撮影された映像は、NTSC方式の画像信号としてケーブルを用いて送信装置9に伝送される。この画像信号は送信機9にて変調され、ミリ波帯(44GHz帯)の無線信号として空間に実効放射される。各車側監視カメラ1の映像はそれぞれ周波数が異なる無線搬送波に変調が掛けられ、送信装置9の送信アンテナ部9bに取付けられた平面アンテナ9cより送信される。
【0035】
送信された電波は、先頭車両11aの運転士台横に設置された受信装置12に内蔵されたアンテナよって受信される。受信装置12は、受信したミリ波無線電波から画像信号を再生し、映像切換装置30からの指示に従って、運転士台近傍に設置された運転台モニタ13に対して出力する。運転台モニタ13用の電源は映像切換装置30からの指示によりONされる。
【0036】
車両停止時の画像のみを映し出す目的のために車両11のATO装置28から速度検知信号が映像切換装置30に対して供給される。受信装置12では、この信号を元に、必要時だけ運転台モニタ13に対して車側監視カメラ1の画像と電源を供給し、画面スケルチ機能を実現する。
【0037】
次に車両11が発車してプラットホーム4を抜け切るまでの出発監視について説明する。車両11が出発した時から、ATO装置28の速度検知信号に基づき映像切換装置30が出発監視カメラ2に切換わり、車両の側面扉付近の映像を映すようにする。出発監視カメラ2のカメラは画角の狭い撮像レンズを用い、車両11とプラットホーム4の必要な部分の映像が撮れるものである。
【0038】
出発監視カメラ2で撮った映像は、車側監視カメラ1の映像同様NTSC方式の画像信号としてケーブルを用いて送信装置9に伝送される。送信装置9にて、出発監視カメラ2の映像は(出発監視カメラが2台以上の場合は各出発監視カメラ2の映像はそれぞれ周波数が異なる)無線搬送波に変調が掛けられ、送信装置9の送信装置アンテナ部9bに取付けられた平面アンテナ9cよりミリ波帯(44GHz帯)の無線信号として空間に実効放射される。周波数に関しては、車側監視カメラ1で用いた周波数を用いてもよい。
【0039】
送信された電波は、先頭車両11aの運転士台横に設置された受信装置12に内蔵されたアンテナまたは中間車両11b、後部車両11cに設けられた受信装置アンテナ部17によって受信され、受信したミリ波無線電波は画像信号に再生され、ATO装置28の速度検知信号に基づき、運転士台近傍に設置した運転台モニタ13に対して映像を出力する。運転台モニタ13用の電源は映像切換装置30からの指示によりONされる。
【0040】
送信装置9は電波伝搬距離の関係上、アンテナビーム有効範囲29に受信装置12または受信装置アンテナ部17が入った場合のみ有効電波を受信装置に伝送できる。運転台モニタ13にて、受信画像が途切れないためには、アンテナビーム有効範囲29に受信装置12及び受信装置アンテナ部17の少なくともいずれかが入ることが必要である。受信装置12または受信装置アンテナ部17より受信されたミリ波電波は映像信号に変換される。
【0041】
映像切換装置30では、受信装置12あるいは受信装置本体部18からの受信電力を比較し、より受信電力の大きい映像信号に切換えて、その映像信号を運転台モニタ13に伝送し画像再生するようにする。映像切換装置30は、ATO装置28の速度検知信号に基づき車側監視カメラ1と出発監視カメラ2の切換を行う動作と、受信電力を比較して受信電力の大きい受信信号に切り換える動作の両方を司っている。
【0042】
更に車両が前方に移動すると、アンテナビーム有効範囲29に中間車両11bに取付けられた受信装置アンテナ部17及び後部車両11cに取付けられた受信装置アンテナ部17が同時に入り、これらで受信されたミリ波電波は、受信部本体18にて映像信号に変換され、映像切換装置30により受信電力が比較され、受信電力の大きい映像信号に切換えられる。切換えられた映像信号は、運転台モニタ13に伝送され画像再生される。これにより列車がプラットホーム4を抜け切るまで監視画像が途切れることなく運転士による監視が行える。
【0043】
ATO装置28は車両がホームを抜け切る時点での平均速度を測っておき、ATO装置28よりその速度に達するまで検知信号(接点信号)が受信装置12、受信装置本体部18に対して連続的に供給できるようにし、この信号を元に列車がプラットホーム4を抜け切るまで映像切換装置30に対して画像と電源を供給し、画面スケルチ機能を実現する。
【0044】
従って、運転士は自ら何の操作をすることなく、車両が出発するまでは車側監視カメラ1の映像を、出発してからは出発監視カメラ2の映像を見ることができ、乗客の安全監視が行える。
【0045】
ところで、送信装置9は、送信装置本体部9aを地中に埋め、アンテナ形状をピラミダルホーンアンテナよりアンテナビーム角度を絞った平面アンテナにすることで、よりコンパクトで目立たず、建築限界の制約を受けにくい装置が実現できる。地上付近は、建築限界の寸法上の制約が、車両11側面付近に比べて少ない。また、図3(b)に示すようにアンテナ部を幅方向に並べて地上高を低くし、目立たない形状とする。
【0046】
送信アンテナ部9bを地面付近に設置することにより、車上の受信装置12に下側から実効電波を送信する配置(図2(b)参照)となるので、図4に示すような地面からの反射波27によるフェージングの影響を受けないシステムが実現できる。
【0047】
出発監視に関しては、プラットホームの後部に送信装置を設け、後部車両に受信装置を設けることにより最少数の送信装置で列車監視が可能である。
【0048】
例えば図5(a)に示すように、車両11の側面に受信装置アンテナ部17を設けない場合、常に車両11の受信装置12に車両前方から送信電波を実効放射する必要がある。従って、ミリ波の実効電波の到達距離の関係上、複数台の送信装置9、24、25を設置する必要がある。
【0049】
また、図5(b)に示すように、シーサス(線路が急に屈曲している箇所)のような急に線路26を変更する必要がある場合、線路の変化に対応して複数台の送信装置9、24、25を設置する必要がある。
【0050】
これに対して、図6(a)(b)(c)に示すように、プラットホーム4の後部に設置された送信装置10から出発監視カメラ2の映像を最後部車両11cに設置した受信装置12に実効電波で送信することにより、車両側面の受信装置アンテナ部の有無に関係なく、列車がプラットホーム4を抜けきるまで最少数の送信装置で監視ができる。
【0051】
送信電波にミリ波(60GHz帯)を使用した場合、平面アンテナはピラミダルホーンアンテナよりアンテナビーム角度を小さく絞ることができ、実効電波が到達する距離は概略40mから150mと長くできるため、プラットホーム4の長さ120mを1台の送信装置でカバーすることができ、また、廻りからの反射波27によるフェージングの影響を受けにくくすることができる。従って、一つのプラットホームを1台の送信装置でカバーできる。
【0052】
よって、図6(a)(b)(c)に示す線路26が直線の場合も、図6(d)(e)に示すシーサスの場合も、プラットホーム4の後部に設置された送信装置10から出発監視の映像を最後部車両11cに設置した受信装置12に実効電波を送信することにより、必要な送信装置の設置台数を削減することができる。
【0053】
送信アンテナビーム角度を絞りすぎると、光を用いた場合と同様に送信装置9と受信装置12の位置合わせが難しくなるので、設置工事とフェージングの影響の両方を考慮した最適なビーム角度にする必要がある。
【0054】
プラットホーム4がカーブしている場合はプラットホーム4の最後部の送信装置10の他に、プラットホームに沿って送信装置10を複数台設置する。受信装置12で受信した電波を映像切換装置30にて強度比較し、大きな電波強度の映像信号に切換えるようにする。
【0055】
プラットホーム4のカーブは、線路26がシーサスのように急激に変化しないため、設置する送信装置の台数は、車両11前方のみから出発監視画像を伝送する場合より削減でき、これにより、送信装置の電波放射による人体への悪影響を乗客が懸念し、電波が問題視される場合を少なくすることができる。
【0056】
後部車両11cの受信装置12から得られた受信電波は、図6(d)(e)に示すように、後部車両天井部に設置された車内送信装置(60GHz帯)43から送信され、前部車両11aの天井部に設置された車内受信装置(60GHz帯)44で受信される。アンテナビーム角度の小さい、60GHz帯のミリ波電波を用いることで装置をより小型化でき、給電線、空調機の突起等制約の多い車両上面でのフェージンクの影響を受けにくい、ピンポイントでの画像伝送が実現できる。
【0057】
また、60GHz帯での画像伝送は、プラットホーム4がカーブしている場合は、車内受信装置44の受信アンテナに自動追尾機能を持たせ、受信電力の大きな方向に受信アンテナの方向が変わるようにして、安定した電波の受信が行えるようにする。受信された無線電波は車内受信装置44にて映像信号に再生され、運転台モニタ13に対して出力され、列車がプラットホーム4を抜け切るまでの出発監視が行えるようにする。
【0058】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、送信装置9を送信装置アンテナ部9bと送信装置本体部9aに分離したものを示したが、図7に示すように、送信装置アンテナ部9bと送信装置本体部9aを一体型形状としてもよい。放熱は、放熱フィン9d、ヒートパイプ35を用いて冷却し、送信装置本体部9aはミリ波部32、変調を行うIFモジュール33、各部に電力を供給する電源部34を一体型で密閉、防水構造とすることで、装置をコンパクトに出来、耐環境性を考慮したものにすることができる。
【0059】
実施の形態3.
なお、実施の形態1では、送信装置9を送信装置アンテナ部9bと送信装置本体部9aに分離して設置したが、本実施の形態3では、図8に示すように、送信装置を、車両11の出入口扉と連動して乗客の巻き込み防止のためにプラットホーム4に設置される自動ホーム柵46に設置する。この場合、送信装置本体部9aを柵46の手前側の側面に、送信装置アンテナ部9bを柵46の外側面に取付ける。柵46の外側(車両側)は建築限界の制約により、取り付けスペースが200mm程度しかないが、送信装置アンテナ部9bを送信装置本体部9aから分離したことにより、送信装置アンテナ部9bをコンパクトに設計でき送信装置が乗客に目立たないように設置できる。
【0060】
実施の形態4.
なお、実施の形態1では、送信装置アンテナ部9bの送信方向を列車の進行方向に対向する1方向としているが、図9に示すように、送信電波が複数の受信装置アンテナ部17をカバーするような送信装置9により、進行方向に関する両方向にミリ波電波を送信して、受信電波強度の最も大きな受信装置本体部18の信号を自動で映像切換装置30にて切換えて、運転台モニタ13に映像を映すようにしてもよい。この場合、送信装置アンテナ部として図3(a)に示すように、両方向に指向性を持つアンテナを利用する。
【0061】
実施の形態5.
なお、実施の形態4では、それぞれの受信装置からの受信映像をケーブルにて映像切換装置30迄配線してきているが、図10に示すように、受信装置18からの映像信号をデジタル信号に変換して、LCD38用のLCD用ケーブル39によりデジタル信号として伝送することで、車両間を結ぶ専用ケーブルを省略し、車両内にニュースなどを流すLCD用ケーブルと共通化することにより、EMIによるノイズの影響を受けず車両内配線の簡素化を図った装置を実現できる。なお、プラットホーム4上にフェンス37を設けることにより、出発監視カメラの映像において、人の白線内の紛らわしい動きが識別しやすい映像を送れることとなり、より安全な監視が行えることとなる。
【0062】
実施の形態6.
ミリ波電波(44GHz帯)においては、図11に示すように、受信アンテナの間隔が50mmずれれば、フェージングの影響が大きく変わってくることに着目し、受信装置内に複数の受信アンテナ40を設け、ダイバーシティ機能を用いることにより、受信電波強度の強い受信アンテナのデータを受信装置本体部18が出力できるようにして、更にフェージングの影響を受けにくいシステムを得ることができる。
【0063】
実施の形態7.
上記実施の形態1では、送信装置本体部9aを地中に埋めることとしたが、地面付近の建築限界の制約が少ない場所において、地面付近に設置してもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、送信装置アンテナ部を断面台形形状に形成し、台形の両斜辺に平面アンテナを設けることによりアンテナ部の両方向にビーム状の電波を放射するようにすると共に、その電波の放射方向が列車の連結方向に沿うようアンテナ部を配置することにより、1台の送信装置で送信範囲を広範にカバーでき、送信装置の数を減らすことができる。
【0065】
また、受信手段をATO装置からの速度検知信号を用いて制御し、モニタの画面スケルチ機能を実現したことにより、運転士の操作の省力化を図り、より安全な乗客監視が行える。
【0066】
また、最後部車両と最前部車両に受信手段を設け、最後部車両の受信手段で受信した電波を最前部車両の受信装置にミリ波(60GHz帯)にて伝送し、最前部車両のモニタに表示するようにしたため、車内配線を不要にして装置を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による列車監視装置を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における列車監視装置の配置を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における送信装置を示すもので、(a)は送信装置の側面図、(b)はアンテナ部の斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による列車監視装置の動作を説明するための図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による列車監視方法を説明するための図で、(a)は線路が直線の場合、(b)はシーサスの場合を示す平面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による列車監視方法を説明するための図で、(a)(b)(c)は線路が直線の場合、(d)(e)はシーサスの場合を示す平面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による一体型送信装置を示す略線側面図図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による送信装置の設置状態を示す図で、(a)は平面図、(b)は要部斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態4における列車監視装置の配置図である。
【図10】 この発明の実施の形態5における列車監視装置の配置図である。
【図11】 この発明の実施の形態6による受信装置を示す略線平面図である。
【図12】 従来の列車監視システムを示す図である。
【図13】 従来の列車監視システムを示す図である。
【符号の説明】
1 車側監視カメラム、 2 出発監視カメラ、
4 プラットホーム、 9 送信装置、
9a 送信装置本体部、 9b 送信装置アンテナ部、
9c 平面アンテナ、 9d 放熱フィン、
10 送信装置、 11 車両、
11a 前部車両、 11b 中間車両、
11c 後部車両、 12 受信装置、
13 運転台モニタ 17 受信装置アンテナ部、
18 受信装置本体部、 24 送信装置、
25 送信装置、 26 線路、
27 反射波、 28 ATO装置、
29 アンテナビーム有効範囲、 30 映像切換装置、
31 放熱フィン、 32 ミリ波部(送信用)、
33 IFモジュール(送信用)、 34 電源部、
35 ヒートパイプ、 36 ケーブル、
37 フェンス、 38 LCD、
39 LCD用ケーブル、 40 受信アンテナ、
41 ミリ波部(受信用)、 42 IFモジュール(受信用)、
43 送信装置(60GHz帯)、 44 受信装置(60GHz帯)、
46 自動ホーム柵。
Claims (4)
- プラットホームに設置した複数のテレビカメラで列車の乗降客等の映像を撮影し、その映像信号を送信装置から無線電波にて列車側の受信手段に送信し、映像を列車内のモニタに表示する列車監視装置において、送信装置のアンテナ部を地面近くに配置し、上向きの電波ビームで列車側の受信手段に送信するとともに、上記送信装置のアンテナ部の断面を台形形状に形成し、台形の両斜辺に平面アンテナを設けることによりアンテナ部の両方向にビーム状の電波を放射できるようにし、その電波の放射方向(指向方向)が列車の連結方向に沿うよう送信装置アンテナ部を配置したことを特徴とする列車監視装置。
- 上記送信装置の本体部とアンテナ部を分け、本体部を地中に埋設し、アンテナ部を地上に露出したことを特徴とする請求項1記載の列車監視装置。
- プラットホームに設置した複数のテレビカメラで列車の乗降客等の映像を撮影し、その映像信号を送信装置から無線電波にて列車側の受信手段に伝送し、映像を列車内のモニタに表示する列車監視装置において、列車側に設けられ、1台の送信装置からの送信電波をそれぞれ受信する複数の受信手段と、受信した電波強度を比較し、強度の強いものに自動で切換えてモニタで画像表示させる機能および列車自動運転装置からの速度検知信号を用いて前記受信手段を制御し、モニタの表示を必要時のみに制限する機能を有する映像切換装置とを備えたことを特徴とする列車監視装置。
- プラットホームに設置した複数のテレビカメラで列車の乗降客等の映像を撮影し、その映像信号を送信装置から無線電波にて列車側の受信手段に伝送し、映像を列車内のモニタに表示して列車監視を行う列車監視方法において、最後部車両と最前部車両に受信装置を設け、最後部車両の受信手段で受信した電波信号を最前部車両の受信手段にミリ波(60GHz帯)にて伝送し、最前部車両のモニタに表示するようにしたことを特徴とする列車監視方法。
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