JP3562323B2 - 熱硬化型導電性接着剤 - Google Patents

熱硬化型導電性接着剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品の組立において熱圧着で対向する配線パターンを接続するために用いる熱硬化型導電性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の組立などに使用される接着剤として、いわゆる異方導電性接着剤が提案されている。従来この種の接着剤としては合成ゴム系、ポリエステル系、エポキシ系、光硬化型樹脂などの樹脂中にカーボン粉、グラファイト粉、あるいはニッケル、銅、金、銀、ハンダ粉などの金属粉、これらの合金粉、又は絶縁樹脂粉に金属コートした導電粉が分散されたものが実用化されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、現在使用されている異方導電性接着剤は、短時間硬化というニーズを満足させているが、保存安定性に関しては満足するものではない。この問題を解決する方法として、例えば特許公報2610900号に、マイクロカプセル化された硬化剤を有機溶剤中で膨潤させて活性基を露出させ、この露出した活性基を不活性処理する技術が開示されている。しかし、この処理方法でも保存安定性はまだまだ満足されるものではない。また、有機溶剤中で硬化剤を処理しているため、溶剤がこの硬化剤中に残存してしまい、その結果として使用時の熱圧着時において気泡発生の原因となり、接着性や導通性の点で信頼性を満足させるものではないという欠点を有する。
【0004】
また、前述のイミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をあらかじめイソシアネート処理した硬化剤は、特開昭64−70523号公報に開示されており、既に市販もされている。しかしながら、この市販の硬化剤に何らの前処理することなくそのまま熱硬化型導電性接着剤に使用した場合、接着剤の製品としての保存安定性は十分とはいえなかった。
【0005】
本発明では、上記問題点を解決するため検討を重ねた結果、(a).1分子中に少なくとも2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物、(b).(a)成分を硬化する硬化性成分、(c).導電性材料、からなる熱硬化型導電性接着剤において、前記(b)成分がイミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をイソシアネート化合物で表面処理した硬化剤を、有機溶剤を含有せず、1分子中に少なくとも2個以上のグリシジル基を有し、分子量が300より大きいエポキシ化合物中でさらにイソシアネート化合物を添加し、該硬化剤表面に反応させ、次いで、ポリオール化合物を添加して該硬化剤表面にさらに皮膜を形成させたものを使用することにより、前述の課題を解決することを見出し本発明に至ったものである。
【0006】
また、前記(b)成分がイミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をイソシアネート処理した硬化剤100重量部に対し、添加するイソシアネート化合物の配合量が0 .01〜20 重量部であり、添加するポリオール化合物の配合量が0 .01〜20重量部であることが好ましい、また、前記(a)成分100重量部に対し、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をイソシアネート化合物で表面処理した前記硬化剤の配合量が5〜95重量部、前記(c)成分の配合量が1〜50容量部からなる熱硬化型導電性接着剤が好ましい。
【0007】
また、本発明は上記成分に限定されるものではなく、必要に応じて他の樹脂組成物を1種あるいは数種配合してもよい。これらの樹脂組成物としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、などがあげられる。
【0008】
さらに、本発明による熱硬化型導電性接着剤をフィルム化してから使用してもよいし、またはスクリーン印刷して所定形状の塗膜を電気配線パターン上に形成してから使用してもよい。
【0009】
本発明におけるイミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をあらかじめイソシアネート処理した硬化剤(以下、硬化剤と表現する)とは、特開昭64−70523号に開示されている。前記反応生成物は粉末状なので、エポキシ化合物中にこの硬化剤を分散させたマスターバッチの形態で商品名「ノバキュア」として市販されている。
【0010】
しかしながら、この市販の硬化剤をそのまま熱硬化型導電性接着剤に使用しても、その製品化した当該導電性接着剤は熱的または物理的な安定性が十分とはいえなかった。そこで、特許公報2610900号に開示されているように、この硬化剤を所定の前処理してから使用する方が製品化された接着剤の保存安定性が向上する。本発明は、接着剤の保存安定性を格段に向上させる前処理として、有機溶剤を含有しない後述のエポキシ化合物中でイソシアネート化合物を添加しアロファネート反応による被膜を硬化剤表面にさらに形成させ、次いで、ポリオール化合物を添加して、該硬化剤表面にさらに皮膜を形成させることを提案するものである。
【0011】
本発明におけるイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどがあげられる。これらの内、特に硬化時の反応性の点により、トリレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートが望ましい。
【0012】
本発明におけるポリオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどがあげらる。特に平均分子量が400〜5000のものが望ましい。平均分子量が400以下であると圧着時に気泡が著しく発生し接着性、接続性に支障をきたし、平均分子量が5000以上であると可塑剤として働き接着剤全体のTgの低下をもたらすからである。
【0013】
この処理の際、イソシアネート化合物の配合量は硬化剤100重量部に対して0.01〜20重量部、ポリオール化合物の配合量は0.01〜20重量部が好ましい。イソシアネート化合物またはポリオールのいずれかの配合量が0.01重量部未満では熱的、物理的効果が得られず、また20重量部より多い場合は、圧着時の硬化性が著しく低下するからである。
【0014】
本発明では、硬化剤から(b)成分を得る工程として、この硬化剤を溶解あるいは膨潤させないエポキシ化合物中で行うことを特徴とする。ここで、溶解あるいは膨潤させないエポキシ化合物とは、後述のエポキシ化合物であればいずれでもよい。しかし、商品名「カージュラーE −10 」(油化シェルエポキシ社製)などに代表されるようないわゆる反応希釈性のエポキシ化合物は硬化剤を溶解または膨潤するだけでなく、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をも溶解させるので使用できない。このような本発明に使用できない反応希釈性のエポキシ化合物としては、一分子中の一つのグリシジル基しか有さずかつその分子量が300 以下のエポキシ化合物が該当する。
【0015】
本発明において、(a)成分は上記硬化剤によって硬化されるエポキシ化合物であり、1分子中に少なくとも2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物をいう。例えばビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキシドのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オキシ安息香酸のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリブタジエンを過酢酸でエポキシ化した脂環式エポキシ樹脂、多官能型のフェニルグリシジル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、またはこれらエポキシ樹脂とウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴムなどの混合組成物をあげることができる。なお、一分子中に少なくとも2個以上のグリシジル基を有することを要件とするのは、本発明におけるエポキシ化合物の役割が硬化物の接着性や耐熱性等の機能を満たすためだからである。
【0016】
本発明における(c)成分の導電材料とは、カーボン粉、グラファイト粉、カーボンファイバー、あるいは、ニッケル、銅、金、銀、ハンダ、錫などの金属粉または合金粉、さらには、絶縁性の樹脂粉に金属被膜を施したものなどがあげられる。これらの配合量は本発明の(a)成分100重量部に対して1〜50容量部となるように設定する。異方導電性接着剤としては1容量部以下であると導通が不安定化となり、また50容量部以上では配線パターン間の絶縁性に影響するからである。
【0017】
【作用】
イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をあらかじめイソシアネート処理した硬化剤は、当該反応生成物は活性水酸基を有しているため、イソシアネート化合物で当該活性水酸基をウレタン反応で不活性化の処理してマイクロカプセル化した硬化剤をいう。本発明はこの硬化剤を溶解または膨潤させないエポキシ樹脂中でさらにイソシアネート化合物で反応生成物の2級アミンまたは前述のウレタン結合の2級アミンの活性水素とアロファネート反応を行って、活性水素を不活性化するともに当該硬化剤の表面に付着した前記イソシアネート化合物にポリオール化合物を付加反応させて、硬化剤の表面にさらに皮膜を形成していると考えられる。
【0018】
ところで、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をイソシアネート処理した硬化剤は、前述の特許公報2610900号に記載のとおり、反応生成物が皮膜によりマイクロカプセル化されている。そして、溶剤によって硬化剤が溶解または膨潤することにより活性水酸基が露出して、製造作業中にエポキシ樹脂と反応してしまう欠点を有する。特許公報2610900号では、溶剤中で露出する活性水酸基を選択的に溶剤中でイソシアネート化合物で不活性化処理をするものである。つまり、硬化剤から活性水酸基を露出させることを要件としている。
【0019】
本発明では、(b)成分を得るときに使用するエポキシ化合物が硬化剤を溶解または膨潤させず、かつ有機溶剤を含有しないことを特徴とする。つまり、本発明において硬化剤から活性水酸基を露出させることなく、当該硬化剤のマイクロカプセル化された皮膜の表面をイソシアネート化合物およびポリオール化合物を反応させ、さらに別の皮膜を形成しているものと考えられる。従って、全行程中において硬化剤から活性水酸基が露出することはないので、組成物の系の安定性が製造工程中に損なわれることはない。
【0020】
また、本発明の被膜形成処理は、イソシアネート化合物が反応生成物中の2級アミンの活性水素およびマイクロカプセル化された皮膜のウレタン結合の活性水素とアロファネート反応を行うとともに、硬化剤の表面で当該イソシアネート化合基と当該ポリオール化合物とがウレタン反応をして、硬化剤の表面に別の皮膜を形成する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を示す。
【0022】
【実施例】
硬化剤としてイミダゾール化合物とエポキシ化合物との反応生成物表面をイソシアネート化合物で処理したものをエポキシ化合物中に分散させたマスターバッチ型の硬化剤(商品名:ノバキュアHX3722、旭化成社製)、上記硬化剤をイソシアネート処理するためのトリレンジイソシアネート(商品名:T−80、日本ポリウレタン社製)、上記硬化剤表面にさらに被覆形成するためのポリオール化合物としてポリプロピレングリコール(平均分子量400、試薬品)、(a)成分のエポキシ化合物としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、油化シェルエポキシ社製)と高分子量エポキシ樹脂(商品名:エピコート1010、油化シェルエポキシ社製)との混合組成物、(c)成分である導電材料として絶縁樹脂に金属被覆した(商品名:ミクロパールAu205、積水ファインケミカル社製)あるいはニッケル粉末を使用した熱硬化型導電性接着剤の例である。
【0023】
硬化剤の処理方法
硬化剤をエポキシ化合物に分散したマスターバッチ型の硬化剤(以下、HX3722と記載する)のうち当該硬化剤の粉末成分が100重量部に対して、トリレンジイソシアネート(以下、T−80と記載する)を混合し均一になるまで撹拌する。次に、40℃雰囲気中にで24時間撹拌させながらHX3722とT−80を反応させる。この反応により、HX3722の2級アミンの活性水素がT−80によりイソシアネート基とのアロファネート反応で不活性化される。T−80の添加は、0.01重量部、10重量部、20重量部の3段階で配合をした。次いでポリプロピレングリコール(平均分子量400、以下PPG400と記載)を加えて、T−80のイソシアネートとウレタン反応をさせる。PPG400の添加は、0.01重量部、10重量部、20重量部の3段階で配合をした。この処理の配合を表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003562323
【0025】
なお、上記表中HX3722の粉末硬化剤成分とあるが、これはHX3722はマスターバッチ型硬化剤として市販されているので、粉末硬化剤成分として換算した量である。マスターバッチ型接着剤における比率は粉末状硬化剤:エポキシ樹脂=1:2である。
【0026】
上記配合にて得られた硬化剤を下記の表2の配合にて混合した接着剤を離型PETフィルム上にバーコーターを用いて乾燥膜厚25μmになるようにフィルムを作成する
【0027】
【表2】
Figure 0003562323
【0028】
上記配合より得られたフィルムを40℃恒温層にて保存した時のDSC発熱曲線とその時のはく離強度を測定する。DSC発熱曲線の結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
Figure 0003562323
【0030】
はく離強度測定の条件は次の通りで試験した。25μmポリイミドフィルム上に35μm厚の銅箔に金メッキを被覆した0.4mmピッチのFPCとITO蒸着したガラス板60×25×1.1mmの被着体間に前記フィルムを挟み、熱圧着機で170℃×1.96MPa×20secで硬化させる。実施例1〜3のはく離強度の測定結果は3つとも全て材料破壊であった。
【0031】
以上、実施例1〜3より硬化性に優れていて、かつ保存性も良いことが解る。また、圧着部を裏面より顕微鏡により観察したところ、気泡の混入はほとんどなかった。
【0032】
さらに、実施例2で得られた硬化剤を使って、下記の表4の配合で加熱硬化型導電性接着剤を調製した。
【0033】
【表4】
Figure 0003562323
【0034】
表中の導電材料はAu205の場合8重量部と記載してあるが、容量部に換算すると実施例4及び実施例6は約4容量部に相当する。また、実施例5のニッケル分の場合60重量部と記載してあるが、容量部に換算すると約8容量部に相当する。
【0035】
実施例4〜6で得られた接着剤を離型PETフィルム上にバーコーターを用いて乾燥膜厚25μmになるようにフィルムを作成する。そのフィルムのはく離強度測定の条件で次の通り行った。25μmポリイミドフィルム上に35μm厚の銅箔に金メッキを被覆した200μmピッチFPCと表面全体に金メッキ被覆したガラスエポキシ板60×25×0.8mmの被着体間に上記実施例4〜6にて得られたフィルムを挟み、熱圧着機で170℃×1.96MPa×30secで硬化させる。これを環境試験にて評価し、抵抗値変化を比較する。環境試験は121℃×2atm×5hとする。また、抵抗値測定方法は四端子法による。比較対照として、典型的な異方導電性接着剤であるThreeBond3370C(スリーボンド社製)を用いる。n=5の平均を図1にプロットする。
【0036】
【図1】
【0037】
上記、図1の通り熱可塑性のThreeBond3370Cは抵抗値上昇が著しい。これに対して、本発明における実施例4〜6は抵抗値の変化がほとんどなく、また、低抵抗が安定している点より信頼性に優れていることが解る。
【0038】
保存安定性の比較試験
表5に示す配合で、つまりトルエン中で硬化剤をイソシアネートで処理する比較例1と本発明の方法で処理した実施例7の硬化剤を調製して、硬化剤の処理の違いによる保存安定性の比較を行った。
【0039】
【表5】
Figure 0003562323
【0040】
上記の表5の比較例1用の配合物をビーカーに秤量し、スリーワンモーターを用いて1時間撹拌を行う。ついで、均一に撹拌できたら、オイルバスにビーカーを浸し、連続撹拌しながら40℃を保ち、24時間スリーワンモーターにて撹拌を行う。常温に戻しこれを比較例1の硬化剤とする。
【0041】
上記の表5の実施例7用の配合物をビーカーに秤量し、ダルトン万能撹拌機を用いて1時間撹拌を行う。 ついで、均一に撹拌できたら、40℃の恒温層に投入し、24時間静置する。 その後、ポリプロピレングリコール平均分子量400を1.5重量部添加し均一になるまで撹拌する。1時間撹拌後、エピコート828を20重量部秤量し均一になるまで撹拌し、これを実施例7の硬化剤とする。
【0042】
上記の比較例1および実施例7の硬化剤を、下記の表6の配合で接着剤を調製した。
【0043】
【表6】
Figure 0003562323
【0044】
表6の配合にて混合した接着剤を離型PETフィルム上にバーコーターを用いて乾燥膜厚25μmになるようにフィルムを作成する。上記配合より得られた接着剤の経時粘度変化を表7に、及び上記配合にて得られたフィルムを40℃恒温層にて保存した時のDSC発熱曲線を表8に示す。
【0045】
【表7】
Figure 0003562323
【0046】
【表8】
Figure 0003562323
【0047】
表7より、比較例1の接着剤は3日d急激に粘度の上昇をおこし、10日以下でゲル化した。一般にバーコーターによる塗工は100000mPa・s以上では困難といわれており、実施例7は10日以上でもバーコーター塗工が可能であることが解る。
【0048】
次にDSCによる発熱ピーク変化については一般に135℃を越えると硬化性が悪くなること云われており、表8より実施例7の方が優れていることが解る。
【0049】
また比較例1及び実施例7において作成したフィルムを実施例1〜3と同様な方法で、熱圧着を行いその裏面から顕微鏡により、圧着部を観察したところ、比較例1はトルエンで硬化剤が膨潤した周りをイソシアネート処理したことから、トルエンが残存し、圧着時に気泡の発生が著しいことが観察された。実施例7に関しては、気泡の発生はほとんどなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明における請求項1〜3の硬化剤の製造方法及びそれを用いた熱硬化型導電性接着剤は実施例1〜7及び比較例1からも解るように、気泡の混入がほとんどなく、またポリオール化合物を使用してもTgを下げることなく、耐溶剤性や保存性に優れ、熱的、物理的に安定である。また、本発明を用いて、導電材料を選択的に使用すれば、非常に有用な熱硬化型導電性接着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明、実施例4〜6のPCT×5hに抵抗値上昇のグラフ
【符号の説明】

Claims (3)

  1. (a).1分子中に少なくとも2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(b).(a)成分を硬化する硬化性成分
    (c).導電性材料
    からなる熱硬化型導電性接着剤において、前記(b)成分がイミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をイソシアネート化合物で表面処理した硬化剤を、有機溶剤を含有せず、1分子中に少なくとも2個以上のグリシジル基を有し、分子量が300より大きいエポキシ化合物中でさらにイソシアネート化合物を添加し、該硬化剤表面に反応させ、次いで、ポリオール化合物を添加して該硬化剤表面にさらに皮膜を形成させたものであることを特徴とする熱硬化型導電性接着剤。
  2. 前記(b)成分がイミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をイソシアネート処理した硬化剤100重量部に対し、添加するイソシアネート化合物の配合量が0 .01〜20 重量部であり、添加するポリオール化合物の配合量が0 .01〜20重量部である請求項1記載の熱硬化型導電性接着剤。
  3. 前記(a)成分100重量部に対し、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をイソシアネート化合物で表面処理した前記硬化剤の配合量が5〜95重量部、前記(c)成分の配合量が1〜50容量部からなることを特徴とする請求項1記載の熱硬化型導電性接着剤。
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