JP3562281B2 - 自動料金収受用車載装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有料道路上の料金所等の車両通過ゲートをノンストップで通過でき、かつゲート通過時に路側設備と車載装置との間で無線通信を行い、自動的に料金支払い処理を行う自動料金収受システムにおいて、路側設備との通信が正常に行われない時にドライバの運転及び通行料の直接支払いを補助する自動料金収受用車載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、AVI(Automatic Vehicle Identification:自動車両識別)により、係員も、いったん停車も、通行券や現金、プレペイドカードの授受も不要とする自動料金収受システムが欧米の一部の国において実用化されており、日本においても導入が検討されている。このシステムの一例を図9〜図11に示してある (図示したシステムは特開平5−233907号公報に掲載されているものである)。
【0003】
このAVIによる自動料金収受システムでは、固有の識別情報、すなわちID(Identification)情報を記録した車載機情報を記録した車載装置を車両に配置したり、ID情報を記録した非接触型カードをドライバが車両に持参し、又はドライバの身に携帯する。これらの車載装置や非接触型カードといった車両側の装置は外部からの無線通信等により非接触に記録内容を読出したり、外部情報を書き込んだりできるものである(以下、ICカードと称することにする)。通行料金は利用者と道路管理者との間の契約によってプリペイド方式、ポストペイド方式、回数券方式の3方式が選択できるようになっていて、ICカード内に料金データ及び使用データがメモリされている。
【0004】
一方、図9〜図11に示すように入口料金所、チェックバリア、出口料金所の近くには各種路側機器が設置されている。図9に示すように、入口料金所には車種判別装置201、車両ナンバーを取込むための撮影機202及び画像処理装置203、車両106のICカードとの交信を行うためのアンテナ204、通行自動処理制御装置205、車両分離器206が設置され、また料金所事務所には、これら各機器を制御し、かつデータ処理を行うデータ処理装置207が設置され、さらに遠隔のセンターには、各料金所のデータ処理装置207と結ばれているセンターコンピュータ208が設置されている。出口料金所には、図10に示すように入口料金所と同様の車種判別装置201、車両ナンバーを取込むための撮影機202及び画像処理装置203、車両106との交信を行うためのアンテナ204、車両分離器206、データ処理を行うデータ処理装置207、料金自動収受処理装置210及び不正車両を停止させるための遮断器211が設置されており、データ処理装置207はセンターコンピュータ208と接続されている。そしてチェックバリアには、図11に示すように出口料金所と同様の車種判別装置201、車両ナンバーを取込むための撮影機202及び画像処理装置203、車両106との交信を行うためのアンテナ204、車両分離器206、データ処理を行うデータ処理装置207及び遮断器211が設置されており、さらに料金自動収受処理装置210に代えて通行自動チェック処理装置212が設置されている。
【0005】
このAVIによる料金収受システムでは、車両106が入口料金所、チェックバリアの各々を通過する際に路側設備と交信を行い、ICカードに記憶されている情報の読出し、またICカードへの情報の書き込みが行われる。ICカードには、入口料金所情報、チェックバリア情報、入口及びチェックバリア通過日、時刻などが書き込まれる。そして入口料金所、チェックバリアの各路側機器は通過車両106の情報を読み取り、通行の可否判断を行う。また不正と判断された車両についてはカメラにより車両の撮影を行い、料金徴収の際の参考データに用いると共に、ネガティブリストに登録して管理する。
【0006】
出口料金所では、通過車両106のICカードに書き込まれている情報(ID情報、車両情報、入口・チェックバリア情報)と出口料金所で得たAVI情報、通過日・時刻、ネガティブリストとの照合などにより徴収料金を計算し、ICカード内にメモりされた料金より収受を行う。したがって、車両106は通行券や現金の授受やいったん停止を行うことなく料金所やチェックバリアを通過することができる。
【0007】
一方、路側設備と無線交信する車載装置は、特開平8−305908号公報に掲載され、また図12及び図13に示すような構成である。この従来の車載装置100は、路側設備との更新のためのアンテナ1、信号電波の送受を切換える送受切換スイッチ2、アンテナ1で受信した信号電波を検知する高周波信号検波部3、RAMとエンコードデコード処理回路から成るディジタルLSI4、本装置の主要構成部をなす制御回路5、ICカード6、制御回路5から出力され、ディジタルLSI4でエンコードされたデータを高周波信号に変換しアンテナ1を介して路側設備に送信する高周波信号送信部7を備えている。車載装置100はさらに、有料道路の利用料金などの必要な情報を表示する表示器8、例えば料金不足その他、ドライバに知らせる必要がある音声情報を出力する音声出力部9、ICカード6のIDコードなどを入力するための操作部10、イグニッションキーのオン/オフを検出するIGNスイッチ11、制御回路5に電源電圧を供給する電池12、車載装置の電源のオン/オフを行うためのスイッチ13を備えている。
【0008】
そして制御回路5は、CPU51、I/Oポート52、ICカードインターフェース53、ROM54、RAM55、電気的に消去が可能なPROM(EEPROM)56、クロック発振器57を搭載していて、路側設備から送信されて来てディジタルLSI4によってデコード処理されたデータを取込み、ICカードインターフェース53を通じてICカード6に転送する構成である。またICカード6は、CPU61、EEPROM62、RAM63から成り、制御回路5から転送されて来るデータをRAM63に格納する構成であり、車載装置100の側面に形成されたスロット15より差し込んでICカードインターフェース53に接続し、ロックすることにより車載装置100に装着される。
【0009】
このICカード6は、有料道路の利用料金の支払い形態に応じて以下の種類に分類される。
【0010】
▲1▼プリペイドカード、
▲2▼ポストペイドカード、
▲3▼回数券又は金券カード、
▲4▼プリペイド優先のプリ/ポストペイドカード、
▲5▼カード利用者が支払い方式を自由に選択できるカード、
▲6▼支払い方式が決められた順序で変化するカード。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなAVIによる自動料金収受システムでは、車両の搭載されている車載装置と路側自動料金収受設備との通信が正常に行われなかった場合に、次のような問題点があった。
【0012】
(i) 通信が正常に行われなかった場合、車両側では車載機器が何も反応しないために通信が正常に行われなかったことが判断しにくく、このために、いつもならばノンストップで通過できるところが停車を要請されたり、遮断器が急に下りてきたりして、ドライバが混乱する恐れがある。
【0013】
(ii)ドライバが混乱していると、どのような対応を行えばよいのか分からなくて、ノロノロ運転になったり、停車時間が延びたりして渋滞を引き起こす可能性がある。
【0014】
(iii) 自動料金収受をあまり利用しないドライバは、車載装置の通常の動作を良く理解していなくて、通信不良が発生したことに気づかず、自動ゲートをそのまま通過してしまう。
【0015】
(iv)ノンストップで通過しようとしている車両のドライバが、前方車両も自車と同様にノンストップで通過するものと思い込むことにより、前方車両が通信不良でいったん停止した場合、安全な車間距離を保って停車するために急ブレーキを踏まなければならなくなることがある。
【0016】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、自動料金収受システムを採用している有料道路の料金所において、車両に搭載されている車載装置と路側自動料金収受設備との通信が正常に行われなかった場合に、車載装置側で通信不良を判断してその通信不良を搭乗者に自動的に通報し、ドライバの運転を補助することができる自動料金収受用車載装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明はまた、車載装置と路側料金収受設備との間の通信不良のために停車する必要が発生した場合に、自車が停車することを後続車両へ視覚的に伝達することができる自動料金収受用車載装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の自動料金収受用車載装置は、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、路側自動料金収受設備と通信を行う通信手段と、前記路側自動料金収受設備のアンテナの設置位置を記憶するアンテナ位置記憶手段と、前記位置検出手段が検出した車両の現在位置と前記アンテナ位置記憶手段が記憶しているアンテナの設置位置とを比較し、車両が前記路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあるか否かを判断する通信位置判断手段と、前記通信手段が前記路側自動料金収受設備と通信中であるか否かを判断する通信有無判断手段と、前記通信位置判断手段が車両が前記路側自動料金収受設備と通信すべきと判断している場合に、前記通信有無判断手段が通信が行われていないと判断した時に通信不良と判断する通信不良判断手段とを備えたものである。
【0019】
請求項1の発明の自動料金収受用車載装置では、位置検出手段によって車両の現在位置を検出し、通信位置判断手段によって車両の現在位置と路側のアンテナ設置位置とを比較し、車両が路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあるか否かを判断し、また通信有無判断手段によって通信手段が路側自動料金収受設備と通信中であるか否かを判断し、通信位置判断手段が車両が路側自動料金収受設備と通信すべきと判断していて、かつ通信有無判断手段が通信が行われていないと判断している時には、通信不良手段が通信不良と判断する。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記通信不良判断手段が通信不良と判断した時には、通信不良であることを車両の搭乗者に通報する通報手段を備えたものであり、これによって搭乗者は通信不良により停車しなければならないと判断することができる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項2の自動料金収受用車載装置において、前記通報手段が当該車載装置に装填してあるICカードを排出するようにしたものであり、搭乗者はICカードが排出されたのを見て、通信不良により停車しなければならないと判断することができる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記通信不良判断手段が通信不良を判断した時に、車速を一定値まで減速する減速手段を備えたものであり、搭乗者が不慣れなために通信不良なので停車しなければならないと判断できない場合にも、自動減速によって停車しなければならないことを搭乗者に知らせることができる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項4の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記減速手段が車速を減速する際に、ブレーキランプ及び/又はハザードランプを点灯するランプ点灯制御手段を備えたものであり、通信不良のために停車することを後続車に予告することができる。
【0024】
請求項6の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記通信不良判断手段が通信不良と判断し、かつブレーキペダルが踏まれた場合、ハザードランプを点灯するランプ点灯制御手段を備えたものであり、通信不良のために停車することを後続車に予告することができる。
【0025】
請求項7の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、前記通報手段がドライバ席窓ガラスを下降させるようにしたものであり、通信不良のために停車しなければならないことを搭乗者に知らせると共に、この際に必要となる通行券の受け取り動作も開いた窓からすぐに手を出して行うことができるようになり、料金所での停車時間が短くできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、車両が路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあると判断しているにも拘わらず、通信手段が路側自動料金収受設備と通信していないと判断時に通信不良と判断するので、通信不良により停車すべき状況が発生したことを的確に検出することができ、この判断結果に基づいて通報手段によって搭乗者に通信不良発生を通報するようにすれば、搭乗者に通信不良が発生した故に停車すべきと判断させることができ、料金所での混乱を避けることができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、通信不良判断手段が通信不良と判断した時には、通信不良であることを車両の搭乗者に通報手段によって通報するので、搭乗者は通信不良が発生した故に停車しなければならないと判断することができ、料金所での混乱を避けることができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、通信不良が発生した時に車載装置に装填してあるICカードを排出するので、搭乗者はICカードが排出されたのを見て、通信不良により停車しなければならないと判断することができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、通信不良が発生した時に車速を一定値まで減速するので、搭乗者が不慣れで通信不良のために停車しなければならないと判断できない場合でも、自動減速によって停車しなければならないことを搭乗者に知らせることができ、混乱を避けることができる。
【0030】
請求項5の発明によれば、通信不良が発生したために減速手段が車速を減速する際に、ブレーキランプ及び/又はハザードランプを点灯するので、通信不良のために停車することを後続車に的確に予告することができる。
【0031】
請求項6の発明によれば、通信不良が発生し、ドライバがブレーキペダルを踏んだ時にはハザードランプを点灯させるようにしたので、通信不良のために停車することを後続車に的確に予告することができる。
【0032】
請求項7の発明によれば、通信不良が発生した時にはドライバ席窓ガラスを自動的に下降させるので、通信不良のために停車しなければならないことを搭乗者に知らせると共に、この際に必要となる通行券の受け取り動作も開いた窓からすぐに手を出して行うことができるようになり、料金所での停車時間が短くできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1はAVIによる自動料金収受システムに採用される車載装置の第1の実施の形態の回路構成を示している。この実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図12に示した従来例とほぼ同様の構成であるので、共通する部分には同一の符号を付して示してある。
【0034】
この第1の実施の形態の車載装置100の特徴は、図12に示した従来の車載装置に対してさらに、ナビゲーション装置20と、自車位置検出のためのGPSセンサ21とが制御回路5に接続された点である。GPSセンサ21は車両の現在位置を検知してナビゲーション装置20に渡し、ナビゲーション装置20は検出した車両の現在位置情報と、あらかじめ自装置内に地図情報データベースとして記憶されている有料道路料金所設備情報を制御回路5に入力する。
【0035】
この第1の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の動作を、図2のフローチャートを用いて説明する。車載装置の制御回路5は一定時間間隔でナビゲーション装置20が算出した車両の現在位置情報(経度緯度情報:Xc,Yc)を読込む(ステップS1)。
【0036】
そして、車両が一般道路からインターチェンジ入口を通過して有料道路に入場し、料金所出口における路側自動料金収受設備のアンテナ直下を通過すると、車載装置はナビゲーション装置20の地図情報データベースから車両が路側自動料金収受設備のアンテナ位置に存在していることを判断する(ステップS2)。
【0037】
車両の現在位置が料金所出口における路側自動料金収受設備のアンテナ直下である場合、次に、路側料金収受設備からの情報が受信されているか、または通信エラーが発生していないかを判定する(ステップS3)。そして通信が正常に行われていないと判定した場合には通信不良と判断し(ステップS4)、車両の搭乗者に通報する(ステップS5)。
【0038】
この通報には制御回路5が音声出力部9に音又は音声出力させて搭乗者に知らせる方法をとる。またこれと同時に表示部8に光、文字若しくは画像表示させることができる。さらに、これらと同時に、あるいはこれらの方法に代えて、ICカードインターフェース53においてICカード6を自動的に排出させることによって搭乗者に通報することもできる。
【0039】
こうして、この第1の実施の形態の自動料金収受用車載装置100によれば、車両の現在位置を検出して路側のアンテナ設置位置と比較し、車両が路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあるか否かを判定し、また路側自動料金収受設備と通信中であるか否かを判定し、車両が路側自動料金収受設備と通信できる位置に存在しているにもかかわらず、通信が行われていない時には通信不良と判断して通報するようにしたので、搭乗者は通報を受けて通信不良のために自動料金収受ができないことを認識することができ、料金所で停車を求められたり、遮断器が下りたりしてもその理由が分かるためにあわてることなく、必要な対応ができることになる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態を図3及び図4に基づいて説明する。第2の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の特徴は、制御回路5が通信不良と判断した時に車両速度を一定値だけ強制的に減速してドライバに知らせ、同時にブレーキランプ及び/又はハザードランプを点灯させて後続車のドライバの注意を喚起させることを目的とし、図1に示した第1の実施の形態の構成要素に加えて、制御回路5の制御指令でエンジンブレーキをかけるエンジンコントロールユニット30と、車速センサ31と、ランプ点灯制御部32を備えた点にある。なお、この第3の実施の形態の場合、エンジンコントロールユニット30に代えて、あるいはこれと共に、制御回路5の制御指令でフットブレーキを強制的に作動させるブレーキコントロールユニット33を備えてもよい。
【0041】
この第2の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。車載装置の制御回路5が車両の現在位置情報を読込み、路側自動料金収受設備のアンテナ位置に存在するかどうか判断し、さらに通信エラーが発生していないかどうか判断し、通信が正常に行われていない場合に通信不良と判断して車両の搭乗者に通報するまでの一連の手順(ステップS1〜S5)は、図2に示した第1の実施の形態と同じである。
【0042】
そして第2の実施の形態の場合、通信不良と判断した場合には、さらに、制御回路5がエンジンコントロールユニット30に指令を出し、エンジンコントロールユニット30がエンジンブレーキ制御を行い、あるいはこれと同時に/又はこれに代えて制御回路が5がブレーキコントロールユニット33に指令を出し、ブレーキコントロールユニット33がフットブレーキ制御を行って車両が一定速度以下になるまで減速させ、同時にランプ点灯制御部32でハザードランプ及び/又はブレーキランプを点灯させる(ステップS6,S9)。この強制減速に気づいてドライバが通信不良により停車すべきことを認識し、ブレーキペダルを踏んで車両を停車させると(ステップS7)、ブレーキ制御を解除する(ステップS8)。
【0043】
車両を停止させてドライバがICカード6を料金所の係員に手渡して料金収受を終え、ICカード6がドライバの手元に戻されるとドライバはICカードインターフェース53に挿入するが、このICカード6の挿入があれば料金収受完了とみなしてハザードランプを消灯させる(ステップS10,S11)。
【0044】
この第2の実施の形態の自動料金収受用車載装置100によれば、突然の通信不良の発生でもドライバをあわてさせることがなく、また料金収受を確実に行うことができ、車両の逃亡を未然に防ぐこともできる。加えて、ハザードランプやブレーキランプの点灯によって後続車両のドライバに停車することを知らせることができ、後続車を十分な車間距離をとって停車させることができる。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図1に示した第1の実施の形態の自動料金収受用車載装置に対して、さらにブレーキペダルが踏まれた時に信号を制御回路5に出力するブレーキペダルスイッチ34と、制御回路5で通信不良と判断し、かつブレーキペダルスイッチ34のブレーキ信号が制御回路5に入力された時にハザードランプを点灯させるランプ点灯制御部35とが追加された構成である。
【0046】
第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図6のフローチャートに示すように、車載装置の制御回路5が車両の現在位置情報を読込み、路側自動料金収受設備のアンテナ位置に存在するかどうか判断し、さらに通信エラーが発生していないかどうか判断し、通信が正常に行われていない場合に通信不良と判断して車両の搭乗者に通報するまでの一連の手順(ステップS1〜S5)は、図2に示した第1の実施の形態と同じ動作をする。
【0047】
そして第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の場合、制御回路5が通信不良と判断し、ドライバが通信不良の通報を認識してブレーキペダルを踏むと、ブレーキペダルスイッチ34からブレーキ信号が制御回路5に入力され、制御回路5はこの信号を受けてランプ点灯制御部35にハザードランプ点灯指令を出力し、ランプ点灯制御部35がハザードランプを強制的に点灯させる(ステップS15,S16)。
【0048】
そしてこのハザードランプの強制点灯は、車両を停止させてドライバがICカード6を料金所の係員に手渡して料金収受を終え、戻されたICカード6をICカードインターフェース53に再び挿入した時点で終了させる(ステップS17,S18)。
【0049】
この第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100によれば、突然の通信不良の発生でもドライバをあわてさせることがなく、また料金収受を確実に行うことができ、加えて、ハザードランプやブレーキランプの点灯によって後続車両のドライバに停車することを知らせることができ、後続車を十分な車間距離をとって停車させることができる。
【0050】
次に、本発明の第4の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。第4の実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図1に示した第1の実施の形態に対して、さらにパワーウィンドウ制御部36を制御回路5に接続し、通信不良を判断した時にパワーウィンドウ制御部36によってドライバ席窓ガラスを下降させて窓を開くようにした点に特徴がある。
【0051】
この第4の実施の形態の自動料金収受用車載装置100では、図8のフローチャートに示すように、車両の現在位置の取得から通信不良と判断した時に通報までのステップS1〜S5までの動作は図2のフローチャートに示した第1の実施の形態と同じである。そして通信不良の通報の後、さらにパワーウィンドウ制御部36に指令を出してパワーウィンドウで窓ガラスを下降させ、ドライバ席の窓を強制的に開く(ステップS20)。
【0052】
これによって、ドライバ自身が通信不良の際に料金所の係員にICカードを手渡すために窓を開く操作をする必要に気づく前に窓ガラスが自動的に開かれることになり、料金所における料金収受がスムーズに行えるようになり、渋滞の発生を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回路ブロック図。
【図2】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態の回路ブロック図。
【図4】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の第3の実施の形態の回路ブロック図。
【図6】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の第4の実施の形態の回路ブロック図。
【図8】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図9】従来の自動料金収受システムにおける入口料金所の機器構成を示すブロック図。
【図10】従来の自動料金収受システムにおける出口料金所の機器構成を示すブロック図。
【図11】従来の自動料金収受システムにおけるチェックバリアの機器構成を示すブロック図。
【図12】従来の自動料金収受用車載装置のブロック図。
【図13】従来の自動料金収受用車載装置の斜視図。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 送受切換スイッチ
3 高周波信号検波部
4 ディジタルLSI
5 制御回路
51 CPU
52 I/Oポート
53 ICカードインターフェース
54 ROM
55 RAM
56 EEPROM
57 クロック発振器
6 ICカード
61 CPU
62 EEPROM
63 RAM
7 高周波信号送信部
8 表示部
9 音声出力部
10 操作部
11 IGNスイッチ
12 電池
13 スイッチ
20 ナビゲーション装置
21 GPSセンサ
30 エンジンコントロールユニット
31 車速センサ
32 ランプ点灯制御部
33 ブレーキコントロールユニット
34 ブレーキペダルスイッチ
35 ランプ点灯制御部
36 パワーウィンドウ制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、有料道路上の料金所等の車両通過ゲートをノンストップで通過でき、かつゲート通過時に路側設備と車載装置との間で無線通信を行い、自動的に料金支払い処理を行う自動料金収受システムにおいて、路側設備との通信が正常に行われない時にドライバの運転及び通行料の直接支払いを補助する自動料金収受用車載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、AVI(Automatic Vehicle Identification:自動車両識別)により、係員も、いったん停車も、通行券や現金、プレペイドカードの授受も不要とする自動料金収受システムが欧米の一部の国において実用化されており、日本においても導入が検討されている。このシステムの一例を図9〜図11に示してある (図示したシステムは特開平5−233907号公報に掲載されているものである)。
【0003】
このAVIによる自動料金収受システムでは、固有の識別情報、すなわちID(Identification)情報を記録した車載機情報を記録した車載装置を車両に配置したり、ID情報を記録した非接触型カードをドライバが車両に持参し、又はドライバの身に携帯する。これらの車載装置や非接触型カードといった車両側の装置は外部からの無線通信等により非接触に記録内容を読出したり、外部情報を書き込んだりできるものである(以下、ICカードと称することにする)。通行料金は利用者と道路管理者との間の契約によってプリペイド方式、ポストペイド方式、回数券方式の3方式が選択できるようになっていて、ICカード内に料金データ及び使用データがメモリされている。
【0004】
一方、図9〜図11に示すように入口料金所、チェックバリア、出口料金所の近くには各種路側機器が設置されている。図9に示すように、入口料金所には車種判別装置201、車両ナンバーを取込むための撮影機202及び画像処理装置203、車両106のICカードとの交信を行うためのアンテナ204、通行自動処理制御装置205、車両分離器206が設置され、また料金所事務所には、これら各機器を制御し、かつデータ処理を行うデータ処理装置207が設置され、さらに遠隔のセンターには、各料金所のデータ処理装置207と結ばれているセンターコンピュータ208が設置されている。出口料金所には、図10に示すように入口料金所と同様の車種判別装置201、車両ナンバーを取込むための撮影機202及び画像処理装置203、車両106との交信を行うためのアンテナ204、車両分離器206、データ処理を行うデータ処理装置207、料金自動収受処理装置210及び不正車両を停止させるための遮断器211が設置されており、データ処理装置207はセンターコンピュータ208と接続されている。そしてチェックバリアには、図11に示すように出口料金所と同様の車種判別装置201、車両ナンバーを取込むための撮影機202及び画像処理装置203、車両106との交信を行うためのアンテナ204、車両分離器206、データ処理を行うデータ処理装置207及び遮断器211が設置されており、さらに料金自動収受処理装置210に代えて通行自動チェック処理装置212が設置されている。
【0005】
このAVIによる料金収受システムでは、車両106が入口料金所、チェックバリアの各々を通過する際に路側設備と交信を行い、ICカードに記憶されている情報の読出し、またICカードへの情報の書き込みが行われる。ICカードには、入口料金所情報、チェックバリア情報、入口及びチェックバリア通過日、時刻などが書き込まれる。そして入口料金所、チェックバリアの各路側機器は通過車両106の情報を読み取り、通行の可否判断を行う。また不正と判断された車両についてはカメラにより車両の撮影を行い、料金徴収の際の参考データに用いると共に、ネガティブリストに登録して管理する。
【0006】
出口料金所では、通過車両106のICカードに書き込まれている情報(ID情報、車両情報、入口・チェックバリア情報)と出口料金所で得たAVI情報、通過日・時刻、ネガティブリストとの照合などにより徴収料金を計算し、ICカード内にメモりされた料金より収受を行う。したがって、車両106は通行券や現金の授受やいったん停止を行うことなく料金所やチェックバリアを通過することができる。
【0007】
一方、路側設備と無線交信する車載装置は、特開平8−305908号公報に掲載され、また図12及び図13に示すような構成である。この従来の車載装置100は、路側設備との更新のためのアンテナ1、信号電波の送受を切換える送受切換スイッチ2、アンテナ1で受信した信号電波を検知する高周波信号検波部3、RAMとエンコードデコード処理回路から成るディジタルLSI4、本装置の主要構成部をなす制御回路5、ICカード6、制御回路5から出力され、ディジタルLSI4でエンコードされたデータを高周波信号に変換しアンテナ1を介して路側設備に送信する高周波信号送信部7を備えている。車載装置100はさらに、有料道路の利用料金などの必要な情報を表示する表示器8、例えば料金不足その他、ドライバに知らせる必要がある音声情報を出力する音声出力部9、ICカード6のIDコードなどを入力するための操作部10、イグニッションキーのオン/オフを検出するIGNスイッチ11、制御回路5に電源電圧を供給する電池12、車載装置の電源のオン/オフを行うためのスイッチ13を備えている。
【0008】
そして制御回路5は、CPU51、I/Oポート52、ICカードインターフェース53、ROM54、RAM55、電気的に消去が可能なPROM(EEPROM)56、クロック発振器57を搭載していて、路側設備から送信されて来てディジタルLSI4によってデコード処理されたデータを取込み、ICカードインターフェース53を通じてICカード6に転送する構成である。またICカード6は、CPU61、EEPROM62、RAM63から成り、制御回路5から転送されて来るデータをRAM63に格納する構成であり、車載装置100の側面に形成されたスロット15より差し込んでICカードインターフェース53に接続し、ロックすることにより車載装置100に装着される。
【0009】
このICカード6は、有料道路の利用料金の支払い形態に応じて以下の種類に分類される。
【0010】
▲1▼プリペイドカード、
▲2▼ポストペイドカード、
▲3▼回数券又は金券カード、
▲4▼プリペイド優先のプリ/ポストペイドカード、
▲5▼カード利用者が支払い方式を自由に選択できるカード、
▲6▼支払い方式が決められた順序で変化するカード。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなAVIによる自動料金収受システムでは、車両の搭載されている車載装置と路側自動料金収受設備との通信が正常に行われなかった場合に、次のような問題点があった。
【0012】
(i) 通信が正常に行われなかった場合、車両側では車載機器が何も反応しないために通信が正常に行われなかったことが判断しにくく、このために、いつもならばノンストップで通過できるところが停車を要請されたり、遮断器が急に下りてきたりして、ドライバが混乱する恐れがある。
【0013】
(ii)ドライバが混乱していると、どのような対応を行えばよいのか分からなくて、ノロノロ運転になったり、停車時間が延びたりして渋滞を引き起こす可能性がある。
【0014】
(iii) 自動料金収受をあまり利用しないドライバは、車載装置の通常の動作を良く理解していなくて、通信不良が発生したことに気づかず、自動ゲートをそのまま通過してしまう。
【0015】
(iv)ノンストップで通過しようとしている車両のドライバが、前方車両も自車と同様にノンストップで通過するものと思い込むことにより、前方車両が通信不良でいったん停止した場合、安全な車間距離を保って停車するために急ブレーキを踏まなければならなくなることがある。
【0016】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、自動料金収受システムを採用している有料道路の料金所において、車両に搭載されている車載装置と路側自動料金収受設備との通信が正常に行われなかった場合に、車載装置側で通信不良を判断してその通信不良を搭乗者に自動的に通報し、ドライバの運転を補助することができる自動料金収受用車載装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明はまた、車載装置と路側料金収受設備との間の通信不良のために停車する必要が発生した場合に、自車が停車することを後続車両へ視覚的に伝達することができる自動料金収受用車載装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の自動料金収受用車載装置は、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、路側自動料金収受設備と通信を行う通信手段と、前記路側自動料金収受設備のアンテナの設置位置を記憶するアンテナ位置記憶手段と、前記位置検出手段が検出した車両の現在位置と前記アンテナ位置記憶手段が記憶しているアンテナの設置位置とを比較し、車両が前記路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあるか否かを判断する通信位置判断手段と、前記通信手段が前記路側自動料金収受設備と通信中であるか否かを判断する通信有無判断手段と、前記通信位置判断手段が車両が前記路側自動料金収受設備と通信すべきと判断している場合に、前記通信有無判断手段が通信が行われていないと判断した時に通信不良と判断する通信不良判断手段とを備えたものである。
【0019】
請求項1の発明の自動料金収受用車載装置では、位置検出手段によって車両の現在位置を検出し、通信位置判断手段によって車両の現在位置と路側のアンテナ設置位置とを比較し、車両が路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあるか否かを判断し、また通信有無判断手段によって通信手段が路側自動料金収受設備と通信中であるか否かを判断し、通信位置判断手段が車両が路側自動料金収受設備と通信すべきと判断していて、かつ通信有無判断手段が通信が行われていないと判断している時には、通信不良手段が通信不良と判断する。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記通信不良判断手段が通信不良と判断した時には、通信不良であることを車両の搭乗者に通報する通報手段を備えたものであり、これによって搭乗者は通信不良により停車しなければならないと判断することができる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項2の自動料金収受用車載装置において、前記通報手段が当該車載装置に装填してあるICカードを排出するようにしたものであり、搭乗者はICカードが排出されたのを見て、通信不良により停車しなければならないと判断することができる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記通信不良判断手段が通信不良を判断した時に、車速を一定値まで減速する減速手段を備えたものであり、搭乗者が不慣れなために通信不良なので停車しなければならないと判断できない場合にも、自動減速によって停車しなければならないことを搭乗者に知らせることができる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項4の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記減速手段が車速を減速する際に、ブレーキランプ及び/又はハザードランプを点灯するランプ点灯制御手段を備えたものであり、通信不良のために停車することを後続車に予告することができる。
【0024】
請求項6の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、さらに、前記通信不良判断手段が通信不良と判断し、かつブレーキペダルが踏まれた場合、ハザードランプを点灯するランプ点灯制御手段を備えたものであり、通信不良のために停車することを後続車に予告することができる。
【0025】
請求項7の発明は、請求項1の自動料金収受用車載装置において、前記通報手段がドライバ席窓ガラスを下降させるようにしたものであり、通信不良のために停車しなければならないことを搭乗者に知らせると共に、この際に必要となる通行券の受け取り動作も開いた窓からすぐに手を出して行うことができるようになり、料金所での停車時間が短くできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、車両が路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあると判断しているにも拘わらず、通信手段が路側自動料金収受設備と通信していないと判断時に通信不良と判断するので、通信不良により停車すべき状況が発生したことを的確に検出することができ、この判断結果に基づいて通報手段によって搭乗者に通信不良発生を通報するようにすれば、搭乗者に通信不良が発生した故に停車すべきと判断させることができ、料金所での混乱を避けることができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、通信不良判断手段が通信不良と判断した時には、通信不良であることを車両の搭乗者に通報手段によって通報するので、搭乗者は通信不良が発生した故に停車しなければならないと判断することができ、料金所での混乱を避けることができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、通信不良が発生した時に車載装置に装填してあるICカードを排出するので、搭乗者はICカードが排出されたのを見て、通信不良により停車しなければならないと判断することができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、通信不良が発生した時に車速を一定値まで減速するので、搭乗者が不慣れで通信不良のために停車しなければならないと判断できない場合でも、自動減速によって停車しなければならないことを搭乗者に知らせることができ、混乱を避けることができる。
【0030】
請求項5の発明によれば、通信不良が発生したために減速手段が車速を減速する際に、ブレーキランプ及び/又はハザードランプを点灯するので、通信不良のために停車することを後続車に的確に予告することができる。
【0031】
請求項6の発明によれば、通信不良が発生し、ドライバがブレーキペダルを踏んだ時にはハザードランプを点灯させるようにしたので、通信不良のために停車することを後続車に的確に予告することができる。
【0032】
請求項7の発明によれば、通信不良が発生した時にはドライバ席窓ガラスを自動的に下降させるので、通信不良のために停車しなければならないことを搭乗者に知らせると共に、この際に必要となる通行券の受け取り動作も開いた窓からすぐに手を出して行うことができるようになり、料金所での停車時間が短くできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1はAVIによる自動料金収受システムに採用される車載装置の第1の実施の形態の回路構成を示している。この実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図12に示した従来例とほぼ同様の構成であるので、共通する部分には同一の符号を付して示してある。
【0034】
この第1の実施の形態の車載装置100の特徴は、図12に示した従来の車載装置に対してさらに、ナビゲーション装置20と、自車位置検出のためのGPSセンサ21とが制御回路5に接続された点である。GPSセンサ21は車両の現在位置を検知してナビゲーション装置20に渡し、ナビゲーション装置20は検出した車両の現在位置情報と、あらかじめ自装置内に地図情報データベースとして記憶されている有料道路料金所設備情報を制御回路5に入力する。
【0035】
この第1の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の動作を、図2のフローチャートを用いて説明する。車載装置の制御回路5は一定時間間隔でナビゲーション装置20が算出した車両の現在位置情報(経度緯度情報:Xc,Yc)を読込む(ステップS1)。
【0036】
そして、車両が一般道路からインターチェンジ入口を通過して有料道路に入場し、料金所出口における路側自動料金収受設備のアンテナ直下を通過すると、車載装置はナビゲーション装置20の地図情報データベースから車両が路側自動料金収受設備のアンテナ位置に存在していることを判断する(ステップS2)。
【0037】
車両の現在位置が料金所出口における路側自動料金収受設備のアンテナ直下である場合、次に、路側料金収受設備からの情報が受信されているか、または通信エラーが発生していないかを判定する(ステップS3)。そして通信が正常に行われていないと判定した場合には通信不良と判断し(ステップS4)、車両の搭乗者に通報する(ステップS5)。
【0038】
この通報には制御回路5が音声出力部9に音又は音声出力させて搭乗者に知らせる方法をとる。またこれと同時に表示部8に光、文字若しくは画像表示させることができる。さらに、これらと同時に、あるいはこれらの方法に代えて、ICカードインターフェース53においてICカード6を自動的に排出させることによって搭乗者に通報することもできる。
【0039】
こうして、この第1の実施の形態の自動料金収受用車載装置100によれば、車両の現在位置を検出して路側のアンテナ設置位置と比較し、車両が路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあるか否かを判定し、また路側自動料金収受設備と通信中であるか否かを判定し、車両が路側自動料金収受設備と通信できる位置に存在しているにもかかわらず、通信が行われていない時には通信不良と判断して通報するようにしたので、搭乗者は通報を受けて通信不良のために自動料金収受ができないことを認識することができ、料金所で停車を求められたり、遮断器が下りたりしてもその理由が分かるためにあわてることなく、必要な対応ができることになる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態を図3及び図4に基づいて説明する。第2の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の特徴は、制御回路5が通信不良と判断した時に車両速度を一定値だけ強制的に減速してドライバに知らせ、同時にブレーキランプ及び/又はハザードランプを点灯させて後続車のドライバの注意を喚起させることを目的とし、図1に示した第1の実施の形態の構成要素に加えて、制御回路5の制御指令でエンジンブレーキをかけるエンジンコントロールユニット30と、車速センサ31と、ランプ点灯制御部32を備えた点にある。なお、この第3の実施の形態の場合、エンジンコントロールユニット30に代えて、あるいはこれと共に、制御回路5の制御指令でフットブレーキを強制的に作動させるブレーキコントロールユニット33を備えてもよい。
【0041】
この第2の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。車載装置の制御回路5が車両の現在位置情報を読込み、路側自動料金収受設備のアンテナ位置に存在するかどうか判断し、さらに通信エラーが発生していないかどうか判断し、通信が正常に行われていない場合に通信不良と判断して車両の搭乗者に通報するまでの一連の手順(ステップS1〜S5)は、図2に示した第1の実施の形態と同じである。
【0042】
そして第2の実施の形態の場合、通信不良と判断した場合には、さらに、制御回路5がエンジンコントロールユニット30に指令を出し、エンジンコントロールユニット30がエンジンブレーキ制御を行い、あるいはこれと同時に/又はこれに代えて制御回路が5がブレーキコントロールユニット33に指令を出し、ブレーキコントロールユニット33がフットブレーキ制御を行って車両が一定速度以下になるまで減速させ、同時にランプ点灯制御部32でハザードランプ及び/又はブレーキランプを点灯させる(ステップS6,S9)。この強制減速に気づいてドライバが通信不良により停車すべきことを認識し、ブレーキペダルを踏んで車両を停車させると(ステップS7)、ブレーキ制御を解除する(ステップS8)。
【0043】
車両を停止させてドライバがICカード6を料金所の係員に手渡して料金収受を終え、ICカード6がドライバの手元に戻されるとドライバはICカードインターフェース53に挿入するが、このICカード6の挿入があれば料金収受完了とみなしてハザードランプを消灯させる(ステップS10,S11)。
【0044】
この第2の実施の形態の自動料金収受用車載装置100によれば、突然の通信不良の発生でもドライバをあわてさせることがなく、また料金収受を確実に行うことができ、車両の逃亡を未然に防ぐこともできる。加えて、ハザードランプやブレーキランプの点灯によって後続車両のドライバに停車することを知らせることができ、後続車を十分な車間距離をとって停車させることができる。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図1に示した第1の実施の形態の自動料金収受用車載装置に対して、さらにブレーキペダルが踏まれた時に信号を制御回路5に出力するブレーキペダルスイッチ34と、制御回路5で通信不良と判断し、かつブレーキペダルスイッチ34のブレーキ信号が制御回路5に入力された時にハザードランプを点灯させるランプ点灯制御部35とが追加された構成である。
【0046】
第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図6のフローチャートに示すように、車載装置の制御回路5が車両の現在位置情報を読込み、路側自動料金収受設備のアンテナ位置に存在するかどうか判断し、さらに通信エラーが発生していないかどうか判断し、通信が正常に行われていない場合に通信不良と判断して車両の搭乗者に通報するまでの一連の手順(ステップS1〜S5)は、図2に示した第1の実施の形態と同じ動作をする。
【0047】
そして第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100の場合、制御回路5が通信不良と判断し、ドライバが通信不良の通報を認識してブレーキペダルを踏むと、ブレーキペダルスイッチ34からブレーキ信号が制御回路5に入力され、制御回路5はこの信号を受けてランプ点灯制御部35にハザードランプ点灯指令を出力し、ランプ点灯制御部35がハザードランプを強制的に点灯させる(ステップS15,S16)。
【0048】
そしてこのハザードランプの強制点灯は、車両を停止させてドライバがICカード6を料金所の係員に手渡して料金収受を終え、戻されたICカード6をICカードインターフェース53に再び挿入した時点で終了させる(ステップS17,S18)。
【0049】
この第3の実施の形態の自動料金収受用車載装置100によれば、突然の通信不良の発生でもドライバをあわてさせることがなく、また料金収受を確実に行うことができ、加えて、ハザードランプやブレーキランプの点灯によって後続車両のドライバに停車することを知らせることができ、後続車を十分な車間距離をとって停車させることができる。
【0050】
次に、本発明の第4の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。第4の実施の形態の自動料金収受用車載装置100は、図1に示した第1の実施の形態に対して、さらにパワーウィンドウ制御部36を制御回路5に接続し、通信不良を判断した時にパワーウィンドウ制御部36によってドライバ席窓ガラスを下降させて窓を開くようにした点に特徴がある。
【0051】
この第4の実施の形態の自動料金収受用車載装置100では、図8のフローチャートに示すように、車両の現在位置の取得から通信不良と判断した時に通報までのステップS1〜S5までの動作は図2のフローチャートに示した第1の実施の形態と同じである。そして通信不良の通報の後、さらにパワーウィンドウ制御部36に指令を出してパワーウィンドウで窓ガラスを下降させ、ドライバ席の窓を強制的に開く(ステップS20)。
【0052】
これによって、ドライバ自身が通信不良の際に料金所の係員にICカードを手渡すために窓を開く操作をする必要に気づく前に窓ガラスが自動的に開かれることになり、料金所における料金収受がスムーズに行えるようになり、渋滞の発生を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回路ブロック図。
【図2】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態の回路ブロック図。
【図4】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の第3の実施の形態の回路ブロック図。
【図6】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の第4の実施の形態の回路ブロック図。
【図8】上記実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図9】従来の自動料金収受システムにおける入口料金所の機器構成を示すブロック図。
【図10】従来の自動料金収受システムにおける出口料金所の機器構成を示すブロック図。
【図11】従来の自動料金収受システムにおけるチェックバリアの機器構成を示すブロック図。
【図12】従来の自動料金収受用車載装置のブロック図。
【図13】従来の自動料金収受用車載装置の斜視図。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 送受切換スイッチ
3 高周波信号検波部
4 ディジタルLSI
5 制御回路
51 CPU
52 I/Oポート
53 ICカードインターフェース
54 ROM
55 RAM
56 EEPROM
57 クロック発振器
6 ICカード
61 CPU
62 EEPROM
63 RAM
7 高周波信号送信部
8 表示部
9 音声出力部
10 操作部
11 IGNスイッチ
12 電池
13 スイッチ
20 ナビゲーション装置
21 GPSセンサ
30 エンジンコントロールユニット
31 車速センサ
32 ランプ点灯制御部
33 ブレーキコントロールユニット
34 ブレーキペダルスイッチ
35 ランプ点灯制御部
36 パワーウィンドウ制御部
Claims (7)
- 車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
路側自動料金収受設備と通信を行う通信手段と、
前記路側自動料金収受設備のアンテナの設置位置を記憶するアンテナ位置記憶手段と、
前記位置検出手段が検出した車両の現在位置と前記アンテナ位置記憶手段が記憶しているアンテナの設置位置とを比較し、車両が前記路側自動料金収受設備と通信すべき位置にあるか否かを判断する通信位置判断手段と、
前記通信手段が前記路側自動料金収受設備と通信中であるか否かを判断する通信有無判断手段と、
前記通信位置判断手段が車両が前記路側自動料金収受設備と通信すべきと判断している場合に、前記通信有無判断手段が通信が行われていないと判断した時に通信不良と判断する通信不良判断手段とを備えて成る自動料金収受用車載装置。 - 前記通信不良判断手段が通信不良と判断した時に、通信不良であることを車両の搭乗者に通報する通報手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動料金収受用車載装置。
- 前記通報手段は、当該車載装置に装填してあるICカードを排出するものであることを特徴とする請求項2に記載の自動料金収受用車載装置。
- 前記通信不良判断手段が通信不良を判断した時に、車速を一定値まで減速する減速手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動料金収受用車載装置。
- 前記減速手段が車速を減速する際に、ブレーキランプ及び/又はハザードランプを点灯するランプ点灯制御手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の自動料金収受用車載装置。
- 前記通信不良判断手段が通信不良と判断し、かつブレーキペダルが踏まれた場合、ハザードランプを点灯するランプ点灯施行手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動料金収受用車載装置。
- 前記通報手段は、ドライバ席窓ガラスを下降させるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動料金収受用車載装置。
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